(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1A及び
図1Bは、本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を示す。
【0014】
図1A及び
図1Bに示す撮像装置としてのデジタルカメラ10は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementaly Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子11を有する本体12と、ディスプレイ13と、ディスプレイ13を本体12に可動に連結しているヒンジユニットとを備える。
【0015】
ディスプレイ13は、液晶又は有機ELなどの表示パネル15と、表示パネル15の表示領域を露出させる窓が形成されたカバー16とを有し、表示パネル15を正面からみて略矩形状に形成されている。本体12の背面には、ディスプレイ13と同じく略矩形状に形成された凹部17が設けられており、ディスプレイ13は、凹部17に収容され、本体12の背面に沿って配置されている。
【0016】
凹部17は本体12の底面及び本体12の一方の側面にそれぞれ開放されている。ディスプレイ13が凹部17に収容された状態で、ディスプレイ13の四辺の側面のうち、一方の長辺13aの側面及び一方の短辺13bの側面は露出されている。
【0017】
図2A及び
図2Bに示すように、本例のヒンジユニットは、ディスプレイ13の長辺13aに沿って延びる軸A(第1軸)まわりに回動可能に、また、軸Aと略直交しかつディスプレイ13の短辺13dに沿って延びる軸B(第2軸)まわりに回動可能に、ディスプレイ13を本体12に連結している。なお、軸A及び軸Bがディスプレイ13の辺に「沿う」とは、軸A及び軸Bがディスプレイ13の辺から離れずに辺と並行することを言う。
【0018】
図3は、デジタルカメラ10のヒンジユニットの構成を示す。
【0019】
ヒンジユニット14は、本体12の凹部17の底面に固定される固定部20と、ディスプレイ13を支持する支持部21とを有する。
【0020】
固定部20には、軸A上に配置される一対のヒンジブラケット30が設けられており、支持部21には、軸Aの軸方向にヒンジブラケット30と重ね合わされる一対のヒンジブラケット31が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット30とヒンジブラケット31とはヒンジピン32によって相対回動可能に結合される。
【0021】
ヒンジブラケット30及びヒンジブラケット31並びにヒンジピン32により、軸A上に配置される第1ヒンジ23が構成される。支持部21は、軸A上の一対の第1ヒンジ23によって軸Aまわりに回動可能に、固定部20を介して本体12に連結される。
【0022】
支持部21には、軸B上に配置される一対のヒンジブラケット33が設けられており、ディスプレイ13には、軸Bの軸方向にヒンジブラケット33と重ね合される一対のヒンジブラケット34が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット33とヒンジブラケット34とはヒンジピン35によって相対回動可能に結合される。
【0023】
ヒンジブラケット33及びヒンジブラケット34並びにヒンジピン35により、軸B上に配置される第2ヒンジ24が構成される。ディスプレイ13は、軸B上の一対の第2ヒンジ24によって軸Bまわりに回動可能に、支持部21に支持される。
【0024】
ヒンジユニット14によれば、ディスプレイ13は、ヒンジユニット14の支持部21と一体に軸Aまわりに回動され、また、単独で軸Bまわりに回動される。
【0025】
軸A上の一対の第1ヒンジ23は、軸Aが沿うディスプレイ13の長辺13aの両端部にそれぞれ配置されており、一対の第1ヒンジ23が互いに近接して配置される場合に比べてディスプレイ13の軸Aまわりの回動の安定性が高まる。
【0026】
同様に、軸B上の一対の第2ヒンジ24は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dの両端部にそれぞれ配置されており、一対の第2ヒンジ24が互いに近接して配置される場合に比べてディスプレイ13の軸Bまわりの回動の安定性が高まる。
【0027】
ディスプレイ13が凹部17に収容されて本体12の背面に沿って配置されている状態で、ヒンジユニット14は、ディスプレイ13のカバー16によって覆われ、デジタルカメラ10の外観に露出しない。ヒンジユニット14をデジタルカメラ10の外観に露出させないことにより、デジタルカメラ10の意匠性を高めることができる。
【0028】
図4Aは、ヒンジユニット14の一対の第1ヒンジ23及び一対の第2ヒンジ24の配置を模式的に示し、
図4Bは、ヒンジユニット14が一対の第2ヒンジ24の軸Bまわりに回動された際のヒンジユニット14の軌道を模式的に示す。
【0029】
図4A及び
図4Bに示すように、本例のヒンジユニット14では、軸A上の一対の第1ヒンジ23のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ23が軸B上の一対の第2ヒンジ24の間に配置されている。図中、二点鎖線の枠は、ディスプレイ13の表示パネル15を正面からみたときのカバー16の外周を示している。
【0031】
図5A及び
図5Bは、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23が、軸Bの軸方向に一対の第2ヒンジ24の間から外れて配置されており、軸Aと軸Bとが一対の第2ヒンジ24の外側で交差する場合を示している。この場合に、ヒンジユニット14及びヒンジユニット14を覆うカバー16の外周は、図中クロスハッチングを付して示すように、
図4A及び
図4Bに示したヒンジユニット14及びカバー16の外周に対して軸Bの軸方向に拡大される。
【0032】
図6A及び
図6Bは、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23が、軸Aの軸方向に一対の第2ヒンジ24の間から外れて配置されており、かつ軸Aと軸Bとが一対の第1ヒンジ23の外側で交差する、すなわち一対の第1ヒンジ23が軸Aの軸方向に軸Bの片側に配置される場合を示している。この場合に、ヒンジユニット14及びヒンジユニット14を覆うカバー16の外周は、図中クロスハッチングを付して示すように、
図4A及び
図4Bに示したヒンジユニット14及びカバー16の外周に対して軸Aの軸方向に拡大される。
【0033】
図7A及び
図7Bは、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23が、軸Aの軸方向に一対の第2ヒンジ24の間から外れて配置されており、かつ軸Aと軸Bとが一対の第1ヒンジ23の間で交差する、すなわち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ23が軸Bを挟んで他方の第1ヒンジ23とは反対側に配置される場合を示している。この場合に、ヒンジユニット14を覆うカバー16の外周は、
図4A及び
図4Bに示したカバー16の外周と同等となる。
【0034】
しかし、軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ23が軸Bを挟んで他方の第1ヒンジ23とは反対側に配置されることにより、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23は、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動に伴い、本体12の凹部17の底面に向けて軸Bまわりに旋回される。そして、軸B寄りに位置する第1ヒンジ23が軸Aの軸方向に一対の第2ヒンジ24の間から外れて配置されることによって旋回半径が大きくなる。そのため、本体12の凹部17の底面には、第1ヒンジ23との干渉を回避するための逃げ溝が必要となる。
【0035】
このように、一対の第1ヒンジ23のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ23を一対の第2ヒンジ24の間に配置することにより、ヒンジユニット14を小型化することができる。
【0036】
次に、ヒンジユニット14の支持部21と一体に軸Aまわりに回動され、また、単独で軸Bまわりに回動されるディスプレイ13の回動操作性を高めたデジタルカメラ10の種々の変形例について説明する。
【0037】
図8、
図9A及び
図9Bに示す例は、第1回動操作部40と、第2回動操作部41とを備える。
【0038】
第1回動操作部40は、ヒンジユニット14の支持部21に設けられており、軸Aが沿うディスプレイ13の長辺13aとは反対側の長辺13c側に軸Aから外れて配置されている。そして、第1回動操作部40は、ヒンジユニット14を覆うディスプレイ13のカバー16の一部が切り欠かれてディスプレイ13の外周に露出して設けられており、指を掛けることが可能な小片状の突起によって構成されている。
【0039】
第2回動操作部41は、ディスプレイ13に設けられており、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置されている。第2回動操作部41もまた、指を掛けることが可能な小片状の突起によって構成されている。
【0040】
第1回動操作部40が引き上げられると、第1回動操作部40が設けられたヒンジユニット14の支持部21が軸Aまわりに回動され、支持部21に支持されたディスプレイ13もまた支持部21と一体に軸Aまわりに回動される。第2回動操作部41が引き上げられると、第2回動操作部41が設けられたディスプレイ13が単独で軸Bまわりに回動される。これにより、ディスプレイ13の軸A及び軸Bの各軸まわりの回動における誤動作が抑制され、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0041】
図8、
図9A及び
図9Bに示した例では、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動及び軸Bまわりの回動それぞれに個別の回動操作部が設けられているが、
図10、
図11A及び
図11Bに示す例は、一つの回動操作部50に簡略化したものである。
【0042】
回動操作部50は、ディスプレイ13に設けられており、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置されている。
【0043】
回動操作部50は、係合部材51と、付勢部材52とを含む。係合部材51は、ヒンジユニット14の支持部21と係合するロック位置P1と支持部21との係合から解放されるアンロック位置P2との間で移動可能にディスプレイ13のカバー16に支持されている。係合部材51のロック位置P1からアンロック位置P2への移動方向は、軸Aの軸方向と平行であってもよく、軸Bの軸方向と平行であってもよく、特に限定されない。付勢部材52は、係合部材51をロック位置P1に向けて付勢している。
【0044】
係合部材51には、ディスプレイ13の外周に露出し、指を掛けることが可能な小片状の突起部53が設けられており、突起部53に対する操作により、回動操作部50の引き上げ、及び係合部材51のロック位置P1からアンロック位置P2への移動がなされる。
【0045】
係合部材51がロック位置P1にあってヒンジユニット14の支持部21と係合している場合に、ディスプレイ13は支持部21と一体である。支持部21は本体12に対して軸Bまわりに回動不能であることから、係合部材51が支持部21と係合している状態では、ディスプレイ13は軸Aまわりにのみ回動可能である。本体12の一方の側面に開放されている凹部17によってディスプレイ13の一方の短辺13bの側面が露出されており、例えば露出された短辺13bの側面に指が掛けられた状態で短辺13bの側面が引き上げられ、ディスプレイ13は軸Aまわりに回動される。
【0046】
係合部材51がアンロック位置P2に移動されて支持部21との係合から解放されている状態では、ディスプレイ13は軸Bまわりにも回動可能である。この状態で回動操作部50が引き上げられると、回動操作部50が設けられたディスプレイ13が単独で軸Bまわりに回動される。これにより、ディスプレイ13の軸A及び軸Bの各軸まわりの回動における誤動作が抑制され、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0047】
図12、
図13、
図14A及び
図14Bにそれぞれ示す例は、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動初動トルクより大きくしたものである。なお、ディスプレイ13の軸A及び軸Bの各軸まわりの回動初動トルクとは、本体12の背面に沿って配置されているディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに回動される際の初動時に要するトルクをいうものとする。
【0048】
また、本体12の一方の側面に開放されている凹部17によってディスプレイ13の一方の短辺13bの側面が露出されており、本例では、露出された短辺13bの側面に指が掛けられた状態で短辺13bの側面が引き上げられ、ディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに回動されるものとする。
【0049】
短辺13bの側面における操作部位の軸Bまわりに旋回半径は、軸Aまわりの旋回半径より長くなる。そこで、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくすることにより、ディスプレイ13を軸Bまわりに回動させる際の操作荷重を、軸Aまわりに回動させる際の操作荷重と略等しくし、又は軸Aまわりに回動させる際の操作荷重よりも大きくすることができる。これにより、ディスプレイ13が不用意に軸Bまわりに回動されることが抑制され、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0050】
図12に示す例は、一対の磁石を備える。
【0051】
一方の磁石60はヒンジユニット14の支持部21に、他方の磁石61はディスプレイ13にそれぞれ設けられており、磁石60及び磁石61は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置され、かつ互いに異なる磁極を対向させて配置されている。
【0052】
ディスプレイ13は、磁石60と磁石61との間に生じる引力によって支持部21に吸着固定される。そして、磁石60及び磁石61が、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置されていることから、磁石60と磁石61との間の引力により、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクが増大される。磁石60及び磁石61の表面磁束密度及び対向間隔、並びに磁石60及び磁石61と軸Bとの距離により、磁石60と磁石61との間の引力に基づく軸Bまわりのトルクが適宜調整され、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクが軸Aまわりの回動初動トルクより大きく設定される。
【0053】
磁石60と磁石61との間の引力が軸Bまわりのトルクとして効果的に作用するよう、好ましくは、磁石60及び磁石61は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13bに隣設される。
【0054】
更に、磁石60と磁石61との間の引力は、本体12の背面から離反する向きに軸Bまわりに回動されたディスプレイ13が再び本体12の背面に沿う向きに回動される際に、ディスプレイ13を本体12の背面に引き込むようにも作用する。本体12の背面近傍まで回動されたディスプレイ13は、磁石60と磁石61との間の引力によって本体12の背面に引き込まれ、本体12の背面に沿う適正位置に自動的に配置される。これにより、ディスプレイ13の回動操作性を一層高めることができる。
【0055】
なお、
図13に示すように、本体12に磁石62を設け、ヒンジユニット14の支持部21に設けられた磁石60と磁石62との間に生じる引力により、本体12の背面から離反する向きに軸Aまわりに回動されたディスプレイ13が再び本体12の背面に沿う向きに回動される際に、ディスプレイ13を本体12の背面に引き込むようにしてもよい。この場合、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくする観点から、磁石60と磁石62との間の引力は磁石60と磁石61との間の引力よりも小さく設定され、例えば磁石62の表面磁束密度が磁石61の表面磁束密度よりも小さくされ、或いは磁石60及び磁石62の対向間隔が磁石60及び磁石61の対向間隔よりも大きくされる。
【0056】
ディスプレイ13の本体12の背面への引き込みは、ディスプレイ13の回動操作にクリック感を与えるクリック機構によっても行うことができ、このクリック機構を利用して、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくすることもできる。
【0057】
図14A及び
図14Bに示す例は、第1ヒンジ23及び第2ヒンジ24それぞれにクリック機構が設けられている。
【0058】
第1ヒンジ23のクリック機構は、第1ヒンジ23を構成する支持部21のヒンジブラケット31に隣設され、ヒンジピン32に固定された摺接板70を含む。ヒンジブラケット31には凸部71が設けられており、摺接板70には凹部72が設けられている。凸部71と凹部72とは、ディスプレイ13が本体12の背面に沿って配置されている状態で互いに係合する。なお、ヒンジブラケット31に凹部が設けられ、摺接板70に凸部が設けられてもよい。
【0059】
本体12の背面に沿って配置されたディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに軸Aまわりに回動されると、ディスプレイ13と一体に支持部21も回動され、ヒンジブラケット31と摺接板70とが相対回転し、凸部71と凹部72との係合が解除される。そして、ディスプレイ13が再び本体12の背面に沿う向きに回動されると、凸部71と凹部72とが互いに係合し、凸部71と凹部72との係合過程でディスプレイ13は本体12の背面に引き込まれ、凸部71と凹部72との係合が完了するタイミングでクリック感が生じる。
【0060】
第2ヒンジ24のクリック機構は、第2ヒンジ24を構成するディスプレイ13のヒンジブラケット34に隣設され、ヒンジピン35に固定された摺接板73を含む。ヒンジブラケット34には凸部74が設けられており、摺接板73には凹部75が設けられている。凸部74と凹部75とは、ディスプレイ13が本体12の背面に沿って配置されている状態で互いに係合する。なお、ヒンジブラケット34に凹部が設けられ、摺接板73に凸部が設けられてもよい。
【0061】
本体12の背面に沿って配置されたディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに軸Bまわりに回動されると、ヒンジブラケット34と摺接板73とが相対回転し、摺接板73の弾性的な撓みを伴って凸部74と凹部75との係合が解除される。そして、ディスプレイ13が再び本体12の背面に沿う向きに回動されると、凸部74と凹部75とが互いに係合し、凸部74と凹部75との係合過程でディスプレイ13は本体12の背面に引き込まれ、凸部74と凹部75との係合が完了するタイミングでクリック感が生じる。
【0062】
以上の第1ヒンジ23のクリック機構において、凸部71と凹部72との係合が解除される際に摺接板70は弾性的に撓められ、摺接板70の変形に要する力は、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動初動トルクとなる。同様に、第2ヒンジ24のクリック機構において、凸部74と凹部75との係合が解除される際に摺接板73は弾性的に撓められ、摺接板73の変形に要する力は、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクとなる。
【0063】
そこで、例えば第2ヒンジ24のクリック機構の凸部74及び凹部75の係合代H2を、第1ヒンジ23のクリック機構の凸部71及び凹部72の係合代H1よりも大きくすることにより、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくすることができる。また、第2ヒンジ24のクリック機構の摺接板73の厚みT2を、第1ヒンジ23のクリック機構の摺接板70の厚みT1よりも大きくすることによっても、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくすることができる。
【0064】
図15、
図16A及び
図16Bに示す例は、ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動を阻止するようにしたものである。
【0065】
ディスプレイ13が収容される本体12の凹部17には、係合部材80と、付勢部材81とが設けられている。係合部材80は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dの側面を構成しているカバー16の縁部Eの軸Bまわりの旋回軌道上に配置されており、本体12の背面に沿って配置されているディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに軸Bまわりに回動された際にカバー16の縁部Eによって押圧される。
【0066】
係合部材80は、ヒンジユニット14の支持部21と係合することによって支持部21を本体12に固定するロック位置P1と、支持部21との係合から解放されるアンロック位置P2との間で、押圧方向に移動可能に本体12に支持されている。付勢部材81は、アンロック位置P2に向けて係合部材80を付勢している。
【0067】
係合部材80がアンロック位置P2にあってヒンジユニット14の支持部21との係合から解放されている状態で、ディスプレイ13は軸A及び軸Bの各軸まわりに回動可能である。本体12の一方の側面に開放されている凹部17によってディスプレイ13の一方の短辺13bの側面が露出されており、例えば露出された短辺13bの側面に指が掛けられた状態で短辺13bの側面が引き上げられ、ディスプレイ13は軸A又は軸Bまわりに回動される。
【0068】
ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、係合部材80は、ディスプレイ13のカバー16の縁部Eによって押圧されてロック位置P1に移動され、ヒンジユニット14の支持部21と係合する。係合部材80と支持部21との係合によって支持部21は本体12に固定され、支持部21の軸Aまわりの回動が阻止され、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動もまた阻止される。
【0069】
このように、ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動を阻止することによってディスプレイ13の無用な回動をなくすことにより、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0070】
図17Aから
図17Cは、本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の他の例を示す。なお、上述したデジタルカメラ10と共通する要素には共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
【0071】
図17Aから
図17Cに示す撮像装置としてのデジタルカメラ110は、撮像素子を有する本体12と、ディスプレイ13と、ヒンジユニットとを備える。ヒンジユニットは、ディスプレイ13を本体12に可動に連結している。本例では、ヒンジユニットは、ディスプレイ13の長辺13aに沿って延びる軸A(第1軸)まわりに回動可能に、また、軸Aと略直交しかつディスプレイ13の短辺13dに沿って延びる軸B(第3軸)まわりに回動可能に、更に、軸Aに対してディスプレイ13の長辺13c側に偏倚した軸Aと平行な軸C(第2軸)まわりに回動可能にディスプレイ13を本体12に連結している。
【0072】
図18は、デジタルカメラ110のヒンジユニットの構成を示す。
【0073】
ヒンジユニット114は、本体12の凹部17の底面に固定される固定部120と、ディスプレイ13を支持する第1支持部121及び第2支持部122とを有する。
【0074】
固定部120には、軸A上に配置される一対のヒンジブラケット130が設けられており、第1支持部121には、軸Aの軸方向にヒンジブラケット130と重ね合わされる一対のヒンジブラケット131が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット130とヒンジブラケット131とはヒンジピン132によって相対回動可能に結合される。
【0075】
ヒンジブラケット130及びヒンジブラケット131並びにヒンジピン132により、軸A上に配置される第1ヒンジ123が構成される。第1支持部121は、軸A上の一対の第1ヒンジ123によって軸Aまわりに回動可能に、固定部120を介して本体12に連結される。
【0076】
第1支持部121には、軸C上に配置される一対のヒンジブラケット133が設けられており、第2支持部122には、軸Cの軸方向にヒンジブラケット133と重ね合される一対のヒンジブラケット134が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット133とヒンジブラケット134とはヒンジピン135によって相対回動可能に結合される。
【0077】
ヒンジブラケット133及びヒンジブラケット134並びにヒンジピン135により、軸C上に配置される第2ヒンジ124が構成される。第2支持部122は、軸C上の一対の第2ヒンジ124によって軸Cまわりに回動可能に、第1支持部121に支持される。
【0078】
第2支持部122には、軸B上に配置される一対のヒンジブラケット136が設けられており、ディスプレイ13には、軸Bの軸方向にヒンジブラケット136と重ね合される一対のヒンジブラケット137が設けられている。重ね合わされたヒンジブラケット136とヒンジブラケット137とはヒンジピン138によって相対回動可能に結合される。
【0079】
ヒンジブラケット136及びヒンジブラケット137並びにヒンジピン138により、軸B上に配置される第3ヒンジ125が構成される。ディスプレイ13は、軸B上の一対の第3ヒンジ125によって軸Bまわりに回動可能に、第2支持部122に支持される。
【0080】
以上のヒンジユニット114によれば、ディスプレイ13は、ヒンジユニット14の第1支持部121及び第2支持部122と一体に軸Aまわりに回動され、また、第2支持部122と一体に軸Cまわりに回動され、また、単独で軸Bまわりに回動される。
【0081】
ディスプレイ13が凹部17に収容されて本体12の背面に沿って配置されている状態で、ヒンジユニット114は、ディスプレイ13のカバー16によって覆われ、デジタルカメラ10の外観に露出しない。ヒンジユニット114をデジタルカメラ10の外観に露出させないことにより、デジタルカメラ10の意匠性を高めることができる。
【0082】
図19Aは、ヒンジユニット114の一対の第1ヒンジ123及び一対の第2ヒンジ124並びに一対の第3ヒンジ125の配置を模式的に示し、
図19Bは、ヒンジユニット114が一対の第3ヒンジ125の軸Bまわりに回動された際のヒンジユニット114の軌道を模式的に示す。
【0083】
図19A及び
図19Bに示すように、本例のヒンジユニット114では、軸A上の一対の第1ヒンジ123のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ123及び軸C上の一対の第2ヒンジ124のうち軸B寄りに位置する一方の第2ヒンジ124が軸B上の一対の第3ヒンジ125の間に配置されている。図中、二点鎖線の枠は、ディスプレイ13の表示パネル15を正面からみたときのカバー16の外周を示している。
【0084】
図20A及び
図20B、
図21A及び
図21B、
図22A及び
図22Bは、一対の第1ヒンジ123のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ123及び一対の第2ヒンジ124のうち軸B寄りに位置する一方の第2ヒンジ124が一対の第3ヒンジ125の間から外れて配置されている場合をそれぞれ示す。
【0085】
図20A及び
図20Bは、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124が、軸Bの軸方向に一対の第3ヒンジ125の間から外れて配置されており、軸A及び軸Cと軸Bとが一対の第3ヒンジ125の外側で交差する場合を示している。この場合に、ヒンジユニット114及びヒンジユニット114を覆うカバー16の外周は、図中クロスハッチングを付して示すように、
図19A及び
図19Bに示したヒンジユニット114及びカバー16の外周に対して軸Bの軸方向に拡大される。
【0086】
図21A及び
図21Bは、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124が、軸Aの軸方向に一対の第3ヒンジ125の間から外れて配置されており、かつ軸Aと軸Bとが一対の第1ヒンジ123の外側で交差し、軸Cと軸Bとが一対の第2ヒンジ124の外側で交差する場合を示している。この場合に、ヒンジユニット114及びヒンジユニット114を覆うカバー16の外周は、図中クロスハッチングを付して示すように、
図19A及び
図19Bに示したヒンジユニット114及びカバー16の外周に対して軸Aの軸方向に拡大される。
【0087】
図22A及び
図22Bは、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124が、軸Aの軸方向に一対の第3ヒンジ125の間から外れて配置されており、かつ軸Aと軸Bとが一対の第1ヒンジ123の間で交差し、軸Cと軸Bとが一対の第2ヒンジ124の間で交差する場合を示している。この場合に、ヒンジユニット114を覆うカバー16の外周は、
図19A及び
図19Bに示したカバー16の外周と同等となる。
【0088】
しかし、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124は、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動に伴い、本体12の凹部17の底面に向けて軸Bまわりに旋回される。そして、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124が軸Aの軸方向に一対の第3ヒンジ125の間から外れて配置されることによって旋回半径が大きくなる。そのため、本体12の凹部17の底面には、第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124との干渉を回避するための逃げ溝が必要となる。
【0089】
このように、一対の第1ヒンジ123のうち軸B寄りに位置する一方の第1ヒンジ123及び一対の第2ヒンジ124のうち軸B寄りに位置する一方の第2ヒンジ124を一対の第3ヒンジ125の間に配置することにより、ヒンジユニット114を小型化することができる。
【0090】
なお、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124いずれも一対の第3ヒンジ125の間に配置されているものとして説明したが、軸B寄りに位置する第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124の少なくともいずれかが一対の第3ヒンジ125の間に配置されていれば、ヒンジユニット114を小型化することができる。
【0091】
次に、ヒンジユニット114の第1支持部121及び第2支持部122と一体に軸Aまわりに回動され、また、第2支持部122と一体に軸Cまわりに回動され、また、単独で軸Bまわりに回動されるディスプレイ13の回動操作性を高めたデジタルカメラ110の種々の変形例について説明する。
【0092】
図23、
図24Aから
図24Cに示す例は、第1回動操作部140と、第2回動操作部141と、第3回動操作部142とを備える。
【0093】
第1回動操作部140は、ヒンジユニット114の第2支持部122に設けられており、軸Aが沿うディスプレイ13の長辺13aとは反対側の長辺13c側に軸Aから外れ、かつ軸Aに対して長辺13c側に偏倚した軸C上に配置され又は軸Cよりも長辺13c側に配置されている。そして、第1回動操作部140は、ヒンジユニット114を覆うディスプレイ13のカバー16の一部が切り欠かれてディスプレイ13の外周に露出して設けられており、指を掛けることが可能な小片状の突起によって構成されている。
【0094】
第2回動操作部141もまた、ヒンジユニット114の第2支持部122に設けられており、軸Aが沿うディスプレイ13の長辺13a側に軸Cから外れて配置されている。そして、第2回動操作部141は、ヒンジユニット114を覆うディスプレイ13のカバー16の一部が切り欠かれてディスプレイ13の外周に露出して設けられており、指を掛けることが可能な小片状の突起によって構成されている。
【0095】
第3回動操作部142は、ディスプレイ13に設けられており、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置されている。第3回動操作部142もまた、指を掛けることが可能な小片状の突起によって構成されている。
【0096】
第1回動操作部140が引き上げられると、第1回動操作部140が設けられたヒンジユニット114の第2支持部122が第1支持部121と一体に軸Aまわりに回動され、第2支持部122に支持されたディスプレイ13もまた第1支持部121及び第2支持部122と一体に軸Aまわりに回動される。第2回動操作部141が引き上げられると、第2回動操作部141が設けられたヒンジユニット114の第2支持部122が軸Cまわりに回動され、第2支持部122に支持されたディスプレイ13もまた第2支持部122と一体に軸Cまわりに回動される。第3回動操作部142が引き上げられると、第3回動操作部142が設けられたディスプレイ13が単独で軸Bまわりに回動される。これにより、ディスプレイ13の軸A及び軸C並びに軸Bの各軸まわりの回動における誤動作が抑制され、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0097】
ここで、ディスプレイ13の長辺13aに沿う軸Aに対して長辺13aとは反対側の長辺13c側に偏倚した軸Cが長辺13cから離間して設けられている図示の例において、第1回動操作部140は、好ましくは
図25に示すように、長辺13cの側面に露出して設けられる。第1回動操作部140は、長辺13cの側面に露出する限りにおいて、長辺13cの側面の長手方向中央部に露出して設けられてもよいし、長辺13cと短辺13bとの角部で長辺13c及び短辺13bそれぞれの側面の長手方向端部に露出して設けられ、又は長辺13cと短辺13dとの角部で長辺13c及び短辺13bそれぞれの側面の長手方向端部に露出して設けられてもよい。
【0098】
長辺13cの側面に露出して設けられた第1回動操作部140は、ディスプレイ13が軸Cまわりに回動される際に本体12の凹部17の底面を摺動する。これにより、長辺13cの側面を構成するカバー16の縁部Eが本体12の凹部17の底面を摺動し、凹部17の底面との摩擦によって軸Bまわりに回動されることを抑制することができ、ディスプレイ13の誤動作を一層抑制することができる。
【0099】
図23、
図24Aから
図24Cに示した例では、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動及び軸Cまわりの回動並びに軸Bまわりの回動それぞれに個別の回動操作部が設けられているが、
図26、
図27A及び
図27Bに示す例は、一つの回動操作部150に簡略化したものである。
【0100】
回動操作部150は、ディスプレイ13に設けられており、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置されている。
【0101】
回動操作部150は、係合部材151と、付勢部材152とを含む。係合部材151は、ヒンジユニット114の第2支持部122と係合するロック位置P1と第2支持部122との係合から解放されるアンロック位置P2との間で移動可能にディスプレイ13のカバー16に支持されている。係合部材51のロック位置P1からアンロック位置P2への移動方向は、軸A及び軸Cの軸方向と平行であってもよく、軸Bの軸方向と平行であってもよく、特に限定されない。付勢部材152は、係合部材151をロック位置P1に向けて付勢している。
【0102】
係合部材151には、ディスプレイ13の外周に露出し、指を掛けることが可能な小片状の突起部153が設けられており、突起部153に対する操作により、回動操作部150の引き上げ、及び係合部材151のロック位置P1からアンロック位置P2への移動がなされる。
【0103】
係合部材151がロック位置P1にあってヒンジユニット114の第2支持部122と係合している場合に、ディスプレイ13は第2支持部122と一体である。第2支持部122は本体12に対して軸Bまわりに回動不能であることから、係合部材151が第2支持部122と係合している状態では、ディスプレイ13は軸A及び軸Cまわりにのみ回動可能である。本体12の一方の側面に開放されている凹部17によってディスプレイ13の一方の短辺13bの側面が露出されており、例えば露出された短辺13bの側面に指が掛けられた状態で短辺13bの側面が引き上げられ、ディスプレイ13は軸A又は軸Cまわりに回動される。
【0104】
係合部材151がアンロック位置P2に移動されて第2支持部122との係合から解放されている状態では、ディスプレイ13は軸Bまわりにも回動可能である。この状態で回動操作部150が引き上げられると、回動操作部150が設けられたディスプレイ13が単独で軸Bまわりに回動される。これにより、ディスプレイ13の軸A及び軸C並びに軸Bの各軸まわりの回動における誤動作が抑制され、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0105】
図28に示す例は、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを、ディスプレイ13の軸Aまわりの回動初動トルク及び軸Cまわりの回動初動トルクより大きくしたものである。
【0106】
また、本体12の一方の側面に開放されている凹部17によってディスプレイ13の一方の短辺13bの側面が露出されており、本例では、露出された短辺13bの側面に指が掛けられた状態で短辺13bの側面が引き上げられ、ディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに回動されるものとする。
【0107】
短辺13bの側面における操作部位の軸Bまわりに旋回半径は、軸Aまわりの旋回半径及び軸Cまわりの旋回半径より長くなる。そこで、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくすることにより、ディスプレイ13を軸Bまわりに回動させる際の操作荷重を、軸Aまわりに回動させる際の操作荷重と略等しくし、又は軸Aまわりに回動させる際の操作荷重よりも大きくすることができる。これにより、ディスプレイ13が不用意に軸Bまわりに回動されることが抑制され、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0108】
図28に示す例は、一対の磁石を備える。
【0109】
一方の磁石160はヒンジユニット114の第2支持部122に、他方の磁石161はディスプレイ13にそれぞれ設けられており、磁石160及び磁石161は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置され、かつ互いに異なる磁極を対向させて配置されている。
【0110】
ディスプレイ13は、磁石160と磁石161との間に生じる引力によって第2支持部122に吸着固定される。そして、磁石160及び磁石161が、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13b側に軸Bから外れて配置されていることから、磁石160と磁石161との間の引力により、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクが増大される。磁石160及び磁石161の表面磁束密度及び対向間隔、並びに磁石160及び磁石161と軸Bとの距離により、磁石160と磁石161との間の引力に基づく軸Bまわりのトルクは適宜調整され、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクが軸Aまわりの回動初動トルク及び軸Cまわりの回動初動トルクより大きく設定される。
【0111】
磁石160と磁石161との間の引力が軸Bまわりのトルクとして効果的に作用するよう、好ましくは、磁石160及び磁石161は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dとは反対側の短辺13bに隣設される。
【0112】
更に、磁石160と磁石161との間の引力は、本体12の背面から離反する向きに軸Bまわりに回動されたディスプレイ13が再び本体12の背面に沿う向きに回動される際に、ディスプレイ13を本体12の背面に引き込むようにも作用する。本体12の背面近傍まで回動されたディスプレイ13は、磁石160と磁石161との間の引力によって本体12の背面に引き込まれ、本体12の背面に沿う適正位置に自動的に配置される。これにより、ディスプレイ13の回動操作性を一層高めることができる。
【0113】
なお、
図13に示した例のように、本体12にも磁石を設け、ヒンジユニット114の第2支持部122に設けられた磁石160と本体12の磁石との間に生じる引力により、本体12の背面から離反する向きに軸A又は軸Cまわりに回動されたディスプレイ13が再び本体12の背面に沿う向きに回動される際に、ディスプレイ13を本体12の背面に引き込むようにしてもよい。この場合、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくする観点から、磁石160と本体12の磁石との間の引力は磁石160と磁石161との間の引力よりも小さく設定される。
【0114】
また、デジタルカメラ110においても、第1ヒンジ123及び第2ヒンジ124並びに第3ヒンジ125それぞれに
図14A及び
図14Bに示したクリック機構を設け、クリック機構を利用して、ディスプレイ13の軸Bまわりの回動初動トルクを相対的に大きくすることができる。
【0115】
図29、
図30A及び
図30Bに示す例は、ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された状態でディスプレイ13の軸A及び軸Cまわりの回動を規制するようにしたものである。
【0116】
ディスプレイ13が収容される本体12の凹部17には、係合部材180と、付勢部材181とが設けられている。係合部材180は、軸Bが沿うディスプレイ13の短辺13dの側面を構成しているカバー16の縁部Eの軸Bまわりの旋回軌道上に配置されており、本体12の背面に沿って配置されているディスプレイ13が本体12の背面から離反する向きに軸Bまわりに回動された際にカバー16の縁部Eによって押圧される。
【0117】
係合部材180は、ヒンジユニット14の第2支持部122と係合することによって第2支持部122を本体12に固定するロック位置P1と、第2支持部122との係合から解放されるアンロック位置P2との間で、押圧方向に移動可能に本体12に支持されている。付勢部材181は、アンロック位置P2に向けて係合部材180を付勢している。
【0118】
係合部材180がアンロック位置P2にあってヒンジユニット114の第2支持部122との係合から解放されている状態で、ディスプレイ13は軸A及び軸Bの各軸まわりに回動可能であり、この状態からディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、係合部材180は、ディスプレイ13のカバー16の縁部Eによって押圧されてロック位置P1に移動され、ヒンジユニット14の第2支持部122と係合する。係合部材180と第2支持部122との係合によって第2支持部122は本体12に固定され、第2支持部122の軸A及び軸Cまわりの回動が阻止され、ディスプレイ13の軸A及び軸Cまわりの回動もまた阻止される。
【0119】
このように、ディスプレイ13が軸Bまわりに回動された場合に、ディスプレイ13の軸A及び軸Cまわりの回動を阻止することによってディスプレイ13の無用な回動をなくすことにより、ディスプレイ13の回動操作性を高めることができる。
【0120】
以上説明したように、本明細書に開示された撮像装置は、撮像素子を有する本体と、上記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、上記ディスプレイを上記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、上記ヒンジユニットは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって上記第1軸まわりに回動可能に上記本体に連結された支持部を含み、上記ディスプレイは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第2軸上の一対の第2ヒンジによって上記第2軸まわりに回動可能に上記支持部に支持されており、上記一対の第1ヒンジの一方は上記一対の第2ヒンジの間に配置されている。
【0121】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記支持部が、上記第1軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に上記第1軸から外れて配置され、上記ディスプレイの外周に露出して設けられた第1回動操作部を有し、上記ディスプレイは、上記第2軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に上記第2軸から外れて配置された第2回動操作部を有する。
【0122】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記ディスプレイが、上記第2軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に上記第2軸から外れて配置された回動操作部を有し、上記回動操作部は、上記支持部と係合することによって上記ディスプレイの上記第2軸まわりの回動を阻止するロック位置と上記支持部との係合から解放されるアンロック位置との間で移動可能な係合部材と、上記係合部材を上記ロック位置に向けて付勢する付勢部材とを含む。
【0123】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記ディスプレイの上記第2軸まわりの回動初動トルクは、上記支持部の上記第1軸まわりの回動初動トルクより大きい。
【0124】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記本体が、上記支持部と係合することによって上記支持部を上記本体に固定するロック位置と上記支持部との係合から解放されるアンロック位置との間で移動可能な係合部材と、上記係合部材を上記アンロック位置に向けて付勢する付勢部材とを含み、上記係合部材は、上記本体の一面から離反する向きに上記第2軸まわりに回動される上記ディスプレイに押圧されて上記ロック位置に移動される。
【0125】
また、本明細書に開示された撮像装置は、撮像素子を有する本体と、上記本体の一面に沿って配置された矩形のディスプレイと、上記ディスプレイを上記本体に可動に連結しているヒンジユニットと、を備え、上記ヒンジユニットは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち一辺に沿って延びる第1軸上の一対の第1ヒンジによって上記第1軸まわりに回動可能に上記本体に連結された第1支持部と、上記第1軸に対して上記第1軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に偏倚した上記第1軸と平行な第2軸上の一対の第2ヒンジによって上記第2軸まわりに回動可能に上記第1支持部に連結された第2支持部と、を含み、上記ディスプレイは、上記ディスプレイの直交する二辺のうち他辺に沿って延びる第3軸上の一対の第3ヒンジによって上記第3軸まわりに回動可能に上記第2支持部に支持されており、上記一対の第1ヒンジの一方及び上記一対の第2ヒンジの一方の少なくともいずれかは、上記一対の第3ヒンジの間に配置されている。
【0126】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記第2支持部が、上記第1軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に上記第1軸から外れ、上記ディスプレイの外周に露出して設けられた第1回動操作部と、上記第1軸が沿う上記ディスプレイの一辺側に上記第2軸から外れて配置され、上記ディスプレイの外周に露出して設けられた第2回動操作部とを有し、上記ディスプレイは、上記第3軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に上記第3軸から外れて配置された第3回動操作部を有する。
【0127】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記第1回動操作部が、上記ディスプレイの外周において上記第1軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺に露出して設けられている。
【0128】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記ディスプレイが、上記第3軸が沿う上記ディスプレイの一辺とは反対側の一辺側に上記第3軸から外れて配置された回動操作部を有し、上記回動操作部は、上記第2支持部と係合することによって上記ディスプレイの上記第3軸まわりの回動を阻止するロック位置と上記第2支持部との係合から解放されるアンロック位置との間で移動可能な係合部材と、上記係合部材を上記ロック位置に向けて付勢する付勢部材とを含む。
【0129】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記ディスプレイの上記第3軸まわりの回動初動トルクは、上記第1支持部の上記第1軸まわりの回動初動トルク及び上記第2支持部の前記第2軸まわりの回動初動トルクより大きい。
【0130】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記本体が、上記第2支持部と係合することによって上記第2支持部を上記本体に固定するロック位置と上記第2支持部との係合から解放されるアンロック位置との間で移動可能な係合部材と、上記係合部材を上記アンロック位置に向けて付勢する付勢部材とを含み、上記係合部材は、上記本体の一面から離反する向きに上記第3軸まわりに回動される上記ディスプレイに押圧されて上記ロック位置に移動される。
【0131】
また、本明細書に開示された撮像装置は、上記ディスプレイが、上記ヒンジユニットを覆うカバーを有する。