特許第6244516号(P6244516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6244516
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】バネ原動機及びバネ原動機システム
(51)【国際特許分類】
   F03G 1/02 20060101AFI20171204BHJP
   F03G 1/08 20060101ALI20171204BHJP
   F03G 5/06 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   F03G1/02
   F03G1/08
   F03G5/06 C
【請求項の数】5
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-203658(P2016-203658)
(22)【出願日】2016年10月17日
【審査請求日】2016年11月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507211923
【氏名又は名称】依田 峯夫
(73)【特許権者】
【識別番号】517140697
【氏名又は名称】依田 賢峰
(73)【特許権者】
【識別番号】517140701
【氏名又は名称】山本 孝
(73)【特許権者】
【識別番号】517140859
【氏名又は名称】高島 潤一
(74)【代理人】
【識別番号】100148068
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 洋平
(72)【発明者】
【氏名】依田 峯夫
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−233106(JP,A)
【文献】 特開昭62−139982(JP,A)
【文献】 実開昭54−43496(JP,U)
【文献】 米国特許第6196894(US,B1)
【文献】 実開昭62−42888(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03G 1/00, 5/00
F16H 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインシャフトと、
前記メインシャフト上に設けられており、手動で回転するハンドルの回転に伴って回転することで、前記メインシャフトに対して自由回転する第1メインギヤと、
外側端部が前記第1メインギヤに固定されていると共に、内側端部が前記メインシャフトに固定されており、前記第1メインギヤの回転に伴って巻き上げられる一方で、伸長することで前記メインシャフトを回転させるうず巻きバネと、
前記メインシャフトに固定されており、前記メインシャフトと一体となって回転する第2メインギヤと、
前記メインシャフトと平行に配置されているカウンターシャフトと、
前記カウンターシャフトに固定されていると共に、前記第2メインギヤと噛み合っており、前記第2メインギヤの回転に伴って回転することで、前記カウンターシャフトを回転させる第1カウンターギヤと、
前記カウンターシャフトに固定されており、前記カウンターシャフトと一体となって回転する第2カウンターギヤと、
前記メインシャフト上に設けられていると共に、前記第2カウンターギヤと噛み合っており、前記第2カウンターギヤの回転に伴って回転することで、前記メインシャフトに対して自由回転する第3メインギヤと、
前記うず巻きバネの伸長時に、前記第3メインギヤと前記第1メインギヤとの相対回転を制限することで、前記第3メインギヤと一体となって前記第1メインギヤを回転させる一方で、前記うず巻きバネの巻上げ時に、前記第3メインギヤと前記第1メインギヤとの相対回転を許容するラチェット機構と、
を備えることを特徴とするバネ原動機。
【請求項2】
前記メインシャフト、前記第1メインギヤ、前記うず巻きバネ、前記第2メインギヤ、前記第3メインギヤ及び前記ラチェット機構は、メインユニットを構成し、
前記カウンターシャフト、前記第1カウンターギヤ及び前記第2カウンターギヤは、カウンターユニットを構成し、
1つの前記カウンターユニットに対して、複数の前記メインユニットを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のバネ原動機。
【請求項3】
前記ハンドルと、
前記ハンドルが一端部に固定されており、前記ハンドルの回転に伴って回転する入力シャフトと、
前記入力シャフトに固定されていると共に、前記第1メインギヤと噛み合っており、ワンウェイクラッチを内蔵していることで、前記ハンドルの回転時に、前記入力シャフトと一体となって回転する一方で、前記うず巻きバネの伸長時に、前記入力シャフトに対して自由回転する入力ギヤと、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバネ原動機。
【請求項4】
前記うず巻きバネは、前記メインシャフトの軸方向に並んでいる複数のうず巻きバネ部品から構成されており、
前記第1メインギヤの側に他の前記うず巻きバネ部品が並んでいない前記うず巻きバネ部品は、外側端部が前記第1メインギヤに固定されており、
前記第1メインギヤの側と反対の側に他の前記うず巻きバネ部品が並んでいる前記うず巻バネ部品は、内側端部が、前記第1メインギヤの側と反対の側に並んでいる前記うず巻きバネ部品の外側端部に連結されており、
前記第1メインギヤの側に他の前記うず巻きバネ部品が並んでいる前記うず巻きバネ部品は、外側端部が、前記第1メインギヤの側に並んでいる前記うず巻きバネ部品の内側端部に連結されており、
前記第1メインギヤの側と反対の側に他の前記うず巻きバネ部品が並んでいない前記うず巻きバネ部品は、内側端部が前記メインシャフトに固定されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバネ原動機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のバネ原動機を複数備え、
複数の前記バネ原動機のうち1の前記バネ原動機が備える前記メインシャフトから、他の前記バネ原動機が備える前記メインシャフトに動力の伝達を行う動力伝達機構と、
前記動力伝達機構による動力の伝達を切断する動力切断機構と、
を更に備えることを特徴とするバネ原動機システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バネ原動機及びバネ原動機システムに係り、特に、例えば船舶等の様々な機械類に好適に利用できるバネ原動機及びバネ原動機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバネ原動機は、その一例として、直列に接続された複数のうず巻きバネの巻き方向が交互に反対になるように配置されたうず巻きバネ連鎖体が挙げられる。
【0003】
うず巻きバネ連鎖体を機械類のバネ原動機に利用すると、機械類の駆動時間の長期化を図ることができる(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4838672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のうず巻きバネ連鎖体には、複数のうず巻きバネを用いなければ機械類の駆動時間を制御することができないため、バネ原動機が大型化する原因となるといった問題があった。
【0006】
ところで、機械類などに回転動力を与えるために必要なエネルギーとしては、現在化石燃料や原子力、自然エネルギーなどが使われている。自然エネルギー以外のエネルギーは公害も危惧され、更に地球温暖化の問題の一因ともなっている。この為様々な技術革新が進められ、少しずつ変化の兆しはあるものの、まだ足踏みの感が否めない。また日本は、自然エネルギー以外は輸入に頼る処が大きいため、個人経費、企業経費、社会経費などに圧迫を与えているのが実状である。
【0007】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、1のメインシャフトに対して1個のうず巻きバネであっても機械類の駆動時間を長期化することができるバネ原動機及びバネ原動機システムを提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)前述した目的を達成するため、本発明のバネ原動機は、メインシャフトと、メインシャフト上に設けられており、手動で回転するハンドルの回転に伴って回転することで、メインシャフトに対して自由回転する第1メインギヤと、外側端部が第1メインギヤに固定されていると共に、内側端部がメインシャフトに固定されており、第1メインギヤの回転に伴って巻き上げられる一方で、伸長することでメインシャフトを回転させるうず巻きバネと、メインシャフトに固定されており、メインシャフトと一体となって回転する第2メインギヤと、メインシャフトと平行に配置されているカウンターシャフトと、カウンターシャフトに固定されていると共に、第2メインギヤと噛み合っており、第2メインギヤの回転に伴って回転することで、カウンターシャフトを回転させる第1カウンターギヤと、カウンターシャフトに固定されており、カウンターシャフトと一体となって回転する第2カウンターギヤと、メインシャフト上に設けられていると共に、第2カウンターギヤと噛み合っており、第2カウンターギヤの回転に伴って回転することで、メインシャフトに対して自由回転する第3メインギヤと、うず巻きバネの伸長時に、第3メインギヤと第1メインギヤとの相対回転を制限することで、第3メインギヤと一体となって第1メインギヤを回転させる一方で、うず巻きバネの巻上げ時に、第3メインギヤと第1メインギヤとの相対回転を許容するラチェット機構と、を備えることを特徴としている。
【0009】
これにより、うず巻きバネが、その伸び方向に伸長してカウンターシャフトを回転させつつ、その伸長力によって同時に、その巻き方向に巻き上げられる。その伸長する速度と巻き上げられる速度との関係は、第2メインギヤ、第1カウンターギヤ、第2カウンターギヤ及び第3メインギヤの各ギヤ比に応じて設定しておくことができる。そのため、うず巻きバネは一気に伸長することなくその伸長速度を設定しておくことができるので、うず巻きバネによる機械類の駆動時間を長期化することができる。
【0010】
(2)また、本発明のバネ原動機において、メインシャフト、第1メインギヤ、うず巻きバネ、第2メインギヤ、第3メインギヤ及びラチェット機構は、メインユニットを構成し、カウンターシャフト、第1カウンターギヤ及び第2カウンターギヤは、カウンターユニットを構成し、1つのカウンターユニットに対して、複数のメインユニットを備えることが好ましい。
【0011】
これにより、複数のメインユニットの各々においてうず巻きバネが伸長するので、カウンターユニットからメインユニットに動力が折り返す際に、うず巻きバネから受ける反発力による動力損失を補いつつ、また動力を増強することができる。
【0012】
(3)また、本発明のバネ原動機は、ハンドルと、ハンドルが一端部に固定されており、ハンドルの回転に伴って回転する入力シャフトと、入力シャフトに固定されていると共に、第1メインギヤと噛み合っており、ワンウェイクラッチを内蔵していることで、ハンドルの回転時に、入力シャフトと一体となって回転する一方で、うず巻きバネの伸長時に、入力シャフトに対して自由回転する入力ギヤと、を更に備えることが好ましい。
【0013】
これにより、バネ原動機が停止している時でも、また稼働中であってもハンドルによる自由な巻上げをすることができる。なお、バネ原動機の稼働中は、入力ギヤが空転することになる。
【0014】
(4)また、本発明のバネ原動機において、うず巻きバネは、メインシャフトの軸方向に並んでいる複数のうず巻きバネ部品から構成されており、第1メインギヤの側に他のうず巻きバネ部品が並んでいないうず巻きバネ部品は、外側端部が第1メインギヤに固定されており、第1メインギヤの側と反対の側に他のうず巻きバネ部品が並んでいるうず巻きバネ部品は、内側端部が、第1メインギヤの側と反対の側に並んでいるうず巻きバネ部品の外側端部に連結されており、第1メインギヤの側に他のうず巻きバネ部品が並んでいるうず巻きバネ部品は、外側端部が、第1メインギヤの側に並んでいるうず巻きバネ部品の内側端部に連結されており、第1メインギヤの側と反対の側に他のうず巻きバネ部品が並んでいないうず巻きバネ部品は、内側端部がメインシャフトに固定されていることが好ましい。
【0015】
これにより、バネの必要長の分だけ複数のうず巻きバネ部品を連結することができる。そのため、うず巻きバネを大きくすることなく、1個のうず巻きバネであっても機械類の駆動時間を長期化することができる。
【0016】
(5)また、本発明のバネ原動機システムは、バネ原動機を複数備え、複数のバネ原動機のうち1のバネ原動機が備えるメインシャフトから、他のバネ原動機が備えるメインシャフトに動力の伝達を行う動力伝達機構と、動力伝達機構による動力の伝達を切断する動力切断機構と、を更に備えることが好ましい。
【0017】
これにより、複数のバネ原動機の相互にメインシャフトの軸力を与えることができる。そのため、単体のバネ原動機で機械類を駆動しているときより、長時間の駆動を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のバネ原動機及びバネ原動機システムによれば、上記の構成を有するので、1個のうず巻きバネであっても機械類の駆動時間を長期化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1実施形態のバネ原動機の平面図である。
図2図2は、第1実施形態のバネ原動機の正面図である。
図3図3は、第1実施形態のバネ原動機の左側面図である。
図4図4は、第1実施形態のバネ原動機の左側面拡大図である。
図5図5は、第2実施形態のバネ原動機の横断面図である。
図6図6は、第2実施形態のバネ原動機を正面から見たA視断面図である。
図7図7は、第2実施形態のバネ原動機を右側面から見たB視断面図である。
図8図8は、第2実施形態のバネ原動機の分解斜視図である。
図9図9は、第3実施形態のバネ原動機システムの横断面図である。
図10図10は、第3実施形態のバネ原動機システムにおける出力ユニットを左側面から見たC視断面図である。
図11図11(A)は、第3実施形態のバネ原動機システムにおけるクラッチユニットを背面から見たD視断面図である。図11(B)は、第3実施形態のバネ原動機システムにおけるクラッチユニットの接続を切った状態を示すD視背面図である。図11(C)は、第3実施形態のバネ原動機システムにおける移動側クラッチの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のバネ原動機及びバネ原動機システムをその3つの実施形態により説明する。
【0021】
[第1実施形態のバネ原動機の構成]
はじめに、図1図4を用いて、第1実施形態のバネ原動機を説明する。図1は、第1実施形態のバネ原動機の平面図である。図2は、第1実施形態のバネ原動機の正面図である。図3は、第1実施形態のバネ原動機の左側面図である。図4は、第1実施形態のバネ原動機の左側面拡大図である。
【0022】
第1実施形態のバネ原動機1は、手動で巻き上げられたうず巻きバネ23の動力を出力し、その動力を機械類に用いるものである。このバネ原動機1は、手動回転を与える入力シャフト10と、入力シャフト10に平行に配置されており駆動軸となるメインシャフト20と、メインシャフト20に平行に配置されており出力軸となるカウンターシャフト30と、各シャフト10,20,30を支える支持体40と、を備える。
【0023】
(入力シャフト10)
バネ原動機1は、入力シャフト10上に、手動回転を与えるハンドル11と、入力ギヤ12と、を備える。
【0024】
ハンドル11は、入力シャフト10の一端部に固定されており、入力シャフト10と一体となって回転する。
【0025】
入力ギヤ12は、入力シャフト10に固定されていると共に、メインシャフト20上に設けられている第1メインギヤ21と噛み合っており、ハンドル11の回転に伴って入力シャフト10と一体となって回転することで、第1メインギヤ21を回転させる。
【0026】
(メインシャフト20)
バネ原動機1は、メインシャフト20上に、第1メインギヤ21と、香箱車22と、第2メインギヤ25と、第3メインギヤ24と、ラチェットギヤ221と、ラチェット爪241と、を備える。
【0027】
メインシャフト20、第1メインギヤ21、香箱車22が内蔵しているうず巻きバネ23、第2メインギヤ25、第3メインギヤ24、並びにラチェットギヤ221及びラチェット爪241が構成しているラチェット機構は、メインユニットを構成する。
【0028】
第1メインギヤ21は、入力シャフト10上に設けられている入力ギヤ12と噛み合っており、入力ギヤ12の回転に伴って回転することで、メインシャフト20に対して自由回転する。
【0029】
香箱車22は、第1メインギヤ21に固定されていると共に、うず巻きバネ23を内蔵しており、第1メインギヤ21の巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)への回転に伴って巻き方向へ回転することで、メインシャフト20に対して自由回転すると共に、うず巻きバネ23を巻き上げる。
【0030】
うず巻きバネ23は、外側端部が香箱車22に固定されていると共に、内側端部がメインシャフト20に固定されている。すなわち、うず巻きバネ23は、外側端部が香箱車22を介して第1メインギヤ21に固定されており、第1メインギヤ21の巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)への回転に伴って巻き上げられる一方で、伸長することでメインシャフト20を巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転させる。
【0031】
第2メインギヤ25は、メインシャフト20に固定されていると共に、カウンターシャフト30上に設けられている第1カウンターギヤ31と噛み合っており、メインシャフト20と一体となって回転することで、第1カウンターギヤ31を回転させる。
【0032】
第3メインギヤ24は、カウンターシャフト30上に設けられている第2カウンターギヤ32と噛み合っており、第2カウンターギヤ32の回転に伴って回転することで、メインシャフト20に対して自由回転する。
【0033】
ラチェットギヤ221は、香箱車22の外周に固定されていると共に、第3メインギヤ24に取り付けられているラチェット爪241と噛み合っており、ラチェット爪241と共にラチェット機構を構成する。
【0034】
ラチェット機構は、第3メインギヤ24に対する香箱車22の巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)への回転を許容する一方で、第3メインギヤ24に対する香箱車22の伸び方向(図1及び図2における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転を制限する。すなわち、ラチェット機構は、香箱車22に対する第3メインギヤ24の巻き方向への回転を制限することで、第3メインギヤ24は、巻き方向へ回転する場合、香箱車22と一体となって回転する。
【0035】
具体的に、ラチェット機構は、うず巻きバネ23の伸長時に、第3メインギヤ24の回転に伴って第3メインギヤ24と香箱車22との相対回転を制限する。すなわち、ラチェット機構は、うず巻きバネ23の伸長時に、第3メインギヤ24の巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)への回転に伴って第3メインギヤ24と第1メインギヤ21との相対回転を制限することで、第3メインギヤ24と一体となって第1メインギヤ21を巻き方向へ回転させて、うず巻きバネ23を巻き上げる。
【0036】
一方で、ラチェット機構は、うず巻きバネ23の巻上げ時に、第3メインギヤ24と香箱車22との相対回転を許容する。すなわち、ラチェット機構は、うず巻きバネ23の巻上げ時に、香箱車22の巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)への回転を許容する一方で、香箱車22の伸び方向(図1及び図2における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転を制限する。
【0037】
(カウンターシャフト30)
バネ原動機1は、カウンターシャフト30上に、第1カウンターギヤ31と、第2カウンターギヤ32と、を備える。
【0038】
カウンターシャフト30、第1カウンターギヤ31及び第2カウンターギヤ32は、カウンターユニットを構成する。
【0039】
第1カウンターギヤ31は、カウンターシャフト30に固定されていると共に、メインシャフト20上に設けられている第2メインギヤ25と噛み合っており、第2メインギヤ25の回転に伴って回転することで、カウンターシャフト30を回転させる。
【0040】
第2カウンターギヤ32は、カウンターシャフト30に固定されていると共に、メインシャフト20上に設けられている第3メインギヤ24と噛み合っており、カウンターシャフト30の回転に伴って回転することで、第3メインギヤ24を回転させる。
【0041】
次に、第1実施形態のバネ原動機1における動作を説明する。
【0042】
[巻上げ動作]
操作者がハンドル11を握ってハンドル11を手動で巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって反時計回りの方向)へ回転させると、ハンドル11が一端部に固定されている入力シャフト10がハンドル11と一体となって巻き方向へ回転する。入力シャフト10が巻き方向へ回転すると、入力シャフト10に固定されている入力ギヤ12が入力シャフト10と一体となって巻き方向へ回転する。入力ギヤ12が巻き方向へ回転すると、入力ギヤ12と噛み合っている第1メインギヤ21が巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。第1メインギヤ21が巻き方向へ回転すると、第1メインギヤ21に固定されている香箱車22が第1メインギヤ21と一体となって巻き方向へ回転する。香箱車22が巻き方向へ回転すると、香箱車22に外側端部が固定されているうず巻きバネ23が巻き上げられる。
【0043】
[伸長動作]
操作者がハンドル11を離すと、うず巻きバネ23が伸長する。うず巻きバネ23が伸長すると、うず巻きバネ23の内側端部が固定されているメインシャフト20が伸び方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。メインシャフト20が伸び方向へ回転すると、メインシャフト20に固定されている第2メインギヤ25がメインシャフト20と一体となって伸び方向へ回転する。第2メインギヤ25が伸び方向へ回転すると、第2メインギヤ25と噛み合っている第1カウンターギヤ31が伸び方向(図1及び図2における左から右に向かって反時計回りの方向)へ回転する。第1カウンターギヤ31が伸び方向へ回転すると、第1カウンターギヤ31が固定されているカウンターシャフト30が第1カウンターギヤ31と一体となって伸び方向へ回転する。カウンターシャフト30が伸び方向へ回転すると、カウンターシャフト30に固定されている第2カウンターギヤ32がカウンターシャフト30と一体となって伸び方向へ回転する。第2カウンターギヤ32が伸び方向へ回転すると、第2カウンターギヤ32と噛み合っている第3メインギヤ24が巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。第3メインギヤ24が巻き方向へ回転すると、第3メインギヤ24に取り付けられているラチェット爪241がラチェットギヤ221と噛み合うことで、ラチェットギヤ221が外周に固定されている香箱車22が第3メインギヤ24と一体となって巻き方向(図1及び図2における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。香箱車22が巻き方向へ回転すると、香箱車22に外側端部が固定されているうず巻きバネ23が巻き上げられる。
【0044】
[第1実施形態のバネ原動機1の効果]
次に、第1実施形態のバネ原動機1の効果を説明する。
【0045】
前述した目的を達成するために、第1実施形態のバネ原動機1は、メインシャフト20と、メインシャフト20上に設けられており、手動で回転するハンドル11の回転に伴って回転することで、メインシャフト20に対して自由回転する第1メインギヤ21と、外側端部が第1メインギヤ21に固定されていると共に、内側端部がメインシャフト20に固定されており、第1メインギヤ21の回転に伴って巻き上げられる一方で、伸長することでメインシャフト20を回転させるうず巻きバネ23と、メインシャフト20に固定されており、メインシャフト20と一体となって回転する第2メインギヤ25と、メインシャフト20と平行に配置されているカウンターシャフト30と、カウンターシャフト30に固定されていると共に、第2メインギヤ25と噛み合っており、第2メインギヤ25の回転に伴って回転することで、カウンターシャフト30を回転させる第1カウンターギヤ31と、カウンターシャフト30に固定されており、カウンターシャフト30と一体となって回転する第2カウンターギヤ32と、メインシャフト20上に設けられていると共に、第2カウンターギヤ32と噛み合っており、第2カウンターギヤ32の回転に伴って回転することで、メインシャフト20に対して自由回転する第3メインギヤ24と、うず巻きバネ23の伸長時に、第3メインギヤ24と第1メインギヤ21との相対回転を制限することで、第3メインギヤ24と一体となって第1メインギヤ21を回転させる一方で、うず巻きバネ23の巻上げ時に、第3メインギヤ24と第1メインギヤ21との相対回転を許容するラチェット機構(ラチェットギヤ221及びラチェット爪241)と、を備えることを特徴としている。
【0046】
これにより、うず巻きバネ23が、その伸び方向に伸長してカウンターシャフト30を回転させつつ、その伸長力によって同時に、その巻き方向に巻き上げられる。その伸長する速度と巻き上げられる速度との関係は、第2メインギヤ25、第1カウンターギヤ31、第2カウンターギヤ32及び第3メインギヤ24の各ギヤ比に応じて設定しておくことができる。そのため、うず巻きバネ23は一気に伸長することなくその伸長速度を設定しておくことができるので、うず巻きバネ23による機械類の駆動時間を長期化することができる。
【0047】
すなわち、第1実施形態のバネ原動機1によれば、上記構成を有するので、1個のうず巻きバネ23であっても機械類の駆動時間を長期化することができるという効果を奏する。
【0048】
[第2実施形態のバネ原動機の構成]
次に、図5図8を用いて、第2実施形態のバネ原動機を説明する。図5は、第2実施形態のバネ原動機の横断面図である。図6は、第2実施形態のバネ原動機を正面から見たA視断面図である。図7は、第2実施形態のバネ原動機を右側面から見たB視断面図である。図8は、第2実施形態のバネ原動機の分解斜視図である。
【0049】
第2実施形態のバネ原動機100は、第1実施形態のバネ原動機1を改良したものであり、1つのカウンターユニットに対して、複数のメインユニットを備える。このバネ原動機100は、手動回転を与える入力シャフト108,109と、入力シャフト108,109に平行に配置されており駆動軸となるメインシャフト105,107と、メインシャフト105,107に平行に配置されており出力軸となるカウンターシャフト106と、各シャフト105〜109を支える支持体(軸受フレーム101,102,103及び継ぎ板104−a,104−b,104−c,104−d)と、増速駆動ギヤ群142と、を備える。
【0050】
(入力シャフト108)
バネ原動機100は、入力シャフト108上に、手動回転を与えるハンドル141と、スプロケット139aと、ワンウェイクラッチ136aと、ワンウェイクラッチ固定カラー135aと、締結ボルト138aと、入力ギヤ137aと、を備える。
【0051】
ハンドル141は、入力シャフト108の一端部に固定されており、入力シャフト108と一体となって回転する。
【0052】
スプロケット139aは、入力シャフト108に固定されていると共に、入力シャフト109上に設けられているスプロケット139bとの間にチェーン140が架け渡されており、ハンドル141の回転に伴って入力シャフト108と一体となって回転することで、チェーン140を走行させてスプロケット139bを回転させる。
【0053】
ワンウェイクラッチ136aは、入力シャフト108に固定されていると共に、入力ギヤ137aを締結するためのワンウェイクラッチ固定カラー135aが固定されており、ハンドル141の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転時に、入力シャフト108と入力ギヤ137aとの相対回転を制限する一方で、ハンドル141の反対方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転時に、入力シャフト108と入力ギヤ137aとの相対回転を許容する。
【0054】
ワンウェイクラッチ固定カラー135aは、ワンウェイクラッチ136aに固定されていると共に、締結ボルト138aで入力ギヤ137aが締結されており、入力ギヤ137aをワンウェイクラッチ136aに固定している。
【0055】
締結ボルト138aは、入力ギヤ137aをワンウェイクラッチ固定カラー135aに締結している。
【0056】
入力ギヤ137aは、ワンウェイクラッチ136aを介して入力シャフト108に固定されていると共に、メインシャフト105上に設けられている第1メインギヤ124aと噛み合っており、ハンドル141の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転に伴って入力シャフト108と一体となって巻き方向へ回転することで、第1メインギヤ124aを巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転させる。
【0057】
すなわち、入力ギヤ137aは、ワンウェイクラッチ136aを内蔵していることで、ハンドル141の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転時に、入力シャフト108と一体となって回転する一方で、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aの伸長時に、入力シャフト108に対して自由回転する。
【0058】
(入力シャフト109)
バネ原動機100は、入力シャフト109上に、入力シャフト108上と同様の構成を備える。具体的に、バネ原動機100は、入力シャフト109上に、スプロケット139bと、ワンウェイクラッチ136bと、ワンウェイクラッチ固定カラー135bと、締結ボルト138bと、入力ギヤ137bと、を備える。
【0059】
スプロケット139bは、入力シャフト109に固定されていると共に、入力シャフト108上に設けられているスプロケット139aとの間にチェーン140が架け渡されており、チェーン140の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への走行に伴って入力シャフト109と一体となって回転する。なお、チェーン140は、チェーンカバー144で覆われている。
【0060】
ワンウェイクラッチ136bは、入力シャフト109に固定されていると共に、入力ギヤ137bを締結するためのワンウェイクラッチ固定カラー135bが固定されており、チェーン140の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への走行時に、入力シャフト109と入力ギヤ137bとの相対回転を制限する一方で、チェーン140の反対方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への走行時に、入力シャフト109と入力ギヤ137bとの相対回転を許容する。
【0061】
ワンウェイクラッチ固定カラー135bは、ワンウェイクラッチ136bに固定されていると共に、締結ボルト138bで入力ギヤ137bが締結されており、入力ギヤ137bをワンウェイクラッチ136bに固定している。
【0062】
締結ボルト138bは、入力ギヤ137bをワンウェイクラッチ固定カラー135bに締結している。
【0063】
入力ギヤ137bは、ワンウェイクラッチ136bを介して入力シャフト109に固定されていると共に、メインシャフト107上に設けられている第1メインギヤ(図示省略)と噛み合っており、チェーン140の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転に伴って入力シャフト109と一体となって巻き方向へ回転することで、第1メインギヤ(図示省略)を巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転させる。
【0064】
すなわち、入力ギヤ137bは、ワンウェイクラッチ136bを内蔵していることで、チェーン140の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転時に、入力シャフト109と一体となって回転する一方で、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)の伸長時に、入力シャフト109に対して自由回転する。
【0065】
(メインシャフト105)
バネ原動機100は、メインシャフト105上に、第1メインギヤ124aと、軸受プレート122aと、ディスタンスカラー123aと、ボス112aと、第1バネ部品(うず巻きバネ部品)113aと、第1バネ連結盤114aと、オイレス115aと、ディスタンスカラー116aと、第2バネ部品(うず巻きバネ部品)117aと、第2バネ連結盤118aと、オイレス119aと、第3バネガイド盤120aと、第3バネ部品(うず巻きバネ部品)121aと、第2メインギヤ111aと、第3メインギヤ130aと、ベアリング131aと、ラチェットギヤ125aと、オイレス125a1と、締結ボルト126aと、ラチェット爪受け盤127aと、ラチェット爪128aと、爪押え板バネ129aと、締結ボルト132aと、ブレーキ用ホイール110と、を備える。
【0066】
メインシャフト105、第1メインギヤ124a、第2メインギヤ111a、第3メインギヤ130a、ラチェットギヤ125a及びラチェット爪128aが構成しているラチェット機構、並びにうず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aは、第1のメインユニットを構成する。
【0067】
第1メインギヤ124aは、メインシャフト105との間に軸受プレート122a及びディスタンスカラー123aが介在していることで、メインシャフト105に対して自由回転が可能になっている。この第1メインギヤ124aは、入力シャフト108上に設けられている入力ギヤ137aと噛み合っており、入力ギヤ137aの巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転に伴って巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転することで、メインシャフト105に対して自由回転する。
【0068】
ボス112aは、メインシャフト105に固定されていると共に、第1バネ部品113aの内側端部が固定されている。
【0069】
第1バネ部品113aは、第1バネ連結盤114aに収容されている。この第1バネ部品113aは、内側端部が、ボス112aを介してメインシャフト105に固定されていると共に、外側端部が、第1バネ連結盤114aに固定されていることで第2バネ部品117aの内側端部に連結されている。
【0070】
第1バネ連結盤114aは、第1バネ部品113aを収容している。この第1バネ連結盤114aは、第1バネ部品113aの外側端部に固定されていると共に、第2バネ部品117aの内側端部に固定されていることで、第1バネ部品113aの外側端部と第2バネ部品117aの内側端部とを連結している。また、第1バネ連結盤114aは、メインシャフト105との間にオイレス115aが介在していることで、メインシャフト105に対して自由回転が可能になっている。
【0071】
オイレス115aは、メインシャフト105と第1バネ連結盤114aとの間に介在して、メインシャフト105に対する第1バネ連結盤114aの自由回転を可能にする。
【0072】
ディスタンスカラー116aは、第1バネ連結盤114aと第2バネ連結盤118aとの間に介在し、第1バネ連結盤114aと第2バネ連結盤118aとを所定の間隔に保ちつつ、第1バネ連結盤114aと第2バネ連結盤118aとの相対回転を可能にする。
【0073】
第2バネ部品117aは、第2バネ連結盤118aに収容されている。この第2バネ部品117aは、内側端部が、第1バネ連結盤114aに固定されていることで第1バネ部品113aの外側端部に連結されていると共に、外側端部が、第2バネ連結盤118aに固定されていることで第3バネ部品121aに連結されている。
【0074】
第2バネ連結盤118aは、第2バネ部品117aを収容している。この第2バネ連結盤118aは、第2バネ部品117aの外側端部に固定されていると共に、第3バネ部品121aの内側端部に固定されていることで、第2バネ部品117aの外側端部と第3バネ部品121aの内側端部とを連結している。また、第2バネ連結盤118aは、メインシャフト105との間にオイレス119aが介在していることで、メインシャフト105に対して自由回転が可能になっている。
【0075】
オイレス119aは、メインシャフト105と第2バネ連結盤118aとの間に介在して、メインシャフト105に対する第2バネ連結盤118aの自由回転を可能にする。
【0076】
第3バネガイド盤120aは、第3バネ部品121aを収容している。
【0077】
第3バネ部品121aは、第3バネガイド盤120aに収容されている。この第3バネ部品121aは、内側端部が、第2バネ連結盤118aに固定されていることで第2バネ部品117aの外側端部に連結されていると共に、外側端部が、第1メインギヤ124aに固定されている。
【0078】
第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aは、メインシャフト105の軸方向に並んでおり、互いに連結していることでうず巻きバネを構成している。
【0079】
具体的に、第1メインギヤ124aの側(図5及び図6における左側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいない第3バネ部品121aは、外側端部が第1メインギヤ124aに固定されている。
【0080】
そして、第1メインギヤ124aの側と反対の側(図5及び図6における右側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第3バネ部品121aは、内側端部が、第1メインギヤ124aの側と反対の側に並んでいる第2バネ部品117aの外側端部に連結されている。
【0081】
同様に、第1メインギヤ124aの側と反対の側(図5及び図6における右側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第2バネ部品117aは、内側端部が、第1メインギヤ124aの側と反対の側に並んでいる第1バネ部品113aの外側端部に連結されている。
【0082】
また、第1メインギヤ124aの側(図5及び図6における左側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第2バネ部品117aは、外側端部が、第1メインギヤ124aの側に並んでいる第3バネ部品121aの内側端部に連結されている。
【0083】
同様に、第1メインギヤ124aの側(図5及び図6における左側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第1バネ部品113aは、外側端部が、第1メインギヤ124aの側に並んでいる第2バネ部品117aの内側端部に連結されている。
【0084】
さらに、第1メインギヤ124aの側と反対の側(図5及び図6における右側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいない第1バネ部品113aは、内側端部がメインシャフト105に固定されている。
【0085】
このようなうず巻きバネは、第1メインギヤ124aの巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転に伴って、第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aが巻き上げられる一方で、第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aが伸長することでメインシャフト105を巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転させる。
【0086】
第2メインギヤ111aは、メインシャフト105に固定されていると共に、カウンターシャフト106上に設けられている第1カウンターギヤ133と噛み合っており、メインシャフト105と一体となって回転することで、第1カウンターギヤ133を回転させる。
【0087】
第3メインギヤ130aは、ベアリング131aを介してメインシャフト105に固定されていると共に、カウンターシャフト106上に設けられている第2カウンターギヤ134と噛み合っており、第2カウンターギヤ134の回転に伴って回転することで、メインシャフト105に対して自由回転する。
【0088】
ベアリング131aは、内輪がメインシャフト105に固定されていると共に、外輪が第3メインギヤ130a及びラチェット爪受け盤127aに固定されており、メインシャフト105に対する第3メインギヤ130a及びラチェット爪受け盤127aの自由回転を可能にする。
【0089】
ラチェットギヤ125aは、締結ボルト126aで第1メインギヤ124aに固定されていると共に、ラチェット爪受け盤127aに取り付けられているラチェット爪128aと噛み合っており、ラチェット爪128aと共にラチェット機構を構成する。このラチェットギヤ125aは、メインシャフト105との間にオイレス125a1が介在していることで、メインシャフト105に対して自由回転が可能になっている。
【0090】
オイレス125a1は、メインシャフト105とラチェットギヤ125aとの間に介在して、メインシャフト105に対するラチェットギヤ125aの自由回転を可能にする。
【0091】
締結ボルト126aは、ラチェットギヤ125aを第1メインギヤ124aに締結している。
【0092】
ラチェット爪受け盤127aは、ベアリング131aを介してメインシャフト105に固定されていると共に、締結ボルト132aで第3メインギヤ130aに固定されており、第3メインギヤ130aの回転に伴って回転することで、メインシャフト105に対して自由回転する。このラチェット爪受け盤127aには、ラチェット爪128a及び爪押え板バネ129aが取り付けられている。
【0093】
ラチェット爪128aは、ラチェット爪受け盤127aに取り付けられていると共に、爪押え板バネ129aによって、ラチェットギヤ125aと噛み合う方向に付勢されており、ラチェットギヤ125aと共にラチェット機構を構成する。
【0094】
爪押え板バネ129aは、ラチェット爪受け盤127aに取り付けられていると共に、ラチェット爪128aを、ラチェットギヤ125aと噛み合う方向に付勢している。
【0095】
締結ボルト132aは、ラチェット爪受け盤127aを第3メインギヤ130aに締結している。
【0096】
ラチェット機構は、第3メインギヤ130aに対する第1メインギヤ124aの巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転を許容する一方で、第3メインギヤ130aに対する第1メインギヤ124aの伸び方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転を制限する。すなわち、ラチェット機構は、第1メインギヤ124aに対する第3メインギヤ130aの巻き方向への回転を制限することで、第3メインギヤ130aは、巻き方向へ回転する場合、第1メインギヤ124aと一体となって回転する。
【0097】
具体的に、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aの伸長時に、第3メインギヤ130aの回転に伴って第3メインギヤ130aと第1メインギヤ124aとの相対回転を制限する。すなわち、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aの伸長時に、第3メインギヤ130aの巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転に伴って第3メインギヤ130aと第1メインギヤ124aとの相対回転を制限することで、第3メインギヤ130aと一体となって第1メインギヤ124aを巻き方向へ回転させて、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aを巻き上げる。
【0098】
一方で、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aの巻上げ時に、第3メインギヤ130aと第1メインギヤ124aとの相対回転を許容する。すなわち、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aの巻上げ時に、第1メインギヤ124aの巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転を許容する一方で、第1メインギヤ124aの伸び方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転を制限する。
【0099】
ブレーキ用ホイール110は、ブレーキをかけた状態の場合、メインシャフト105の回転を制限する一方、ブレーキを解除した状態の場合、メインシャフト105の回転を許容する。
【0100】
(メインシャフト107)
バネ原動機100は、メインシャフト107上に、メインシャフト105上と同様の構成を備える。具体的に、バネ原動機100は、メインシャフト107上に、第1メインギヤ(図示省略)と、軸受プレート(図示省略)と、ディスタンスカラー(図示省略)と、ボス(符号省略)と、第1バネ部品(うず巻きバネ部品)113bと、第1バネ連結盤114bと、オイレス(符号省略)と、ディスタンスカラー(図示省略)と、第2バネ部品(うず巻きバネ部品)117bと、第2バネ連結盤118bと、オイレス(図示省略)と、第3バネガイド盤120bと、第3バネ部品(うず巻きバネ部品)(符号省略)と、第2メインギヤ111bと、第3メインギヤ130bと、ベアリング(符号省略)と、ラチェットギヤ125bと、オイレス(図示省略)と、締結ボルト(図示省略)と、ラチェット爪受け盤127bと、ラチェット爪128bと、爪押え板バネ(図示省略)と、締結ボルト(図示省略)と、を備える。
【0101】
メインシャフト107、第1メインギヤ(図示省略)、第2メインギヤ111b、第3メインギヤ130b、ラチェットギヤ125b及びラチェット爪128bが構成しているラチェット機構、並びにうず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)は、第2のメインユニットを構成する。
【0102】
第1メインギヤ(図示省略)は、メインシャフト107との間に軸受プレート(図示省略)及びディスタンスカラー(図示省略)が介在していることで、メインシャフト107に対して自由回転が可能になっている。この第1メインギヤ(図示省略)は、入力シャフト109上に設けられている入力ギヤ137bと噛み合っており、入力ギヤ137bの巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転に伴って巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転することで、メインシャフト107に対して自由回転する。
【0103】
ボス(符号省略)は、メインシャフト107に固定されていると共に、第1バネ部品113bの内側端部が固定されている。
【0104】
第1バネ部品113bは、第1バネ連結盤114bに収容されている。この第1バネ部品113bは、内側端部が、ボス(符号省略)を介してメインシャフト107に固定されていると共に、外側端部が、第1バネ連結盤114bに固定されていることで第2バネ部品117bの内側端部に連結されている。
【0105】
第1バネ連結盤114bは、第1バネ部品113bを収容している。この第1バネ連結盤114bは、第1バネ部品113bの外側端部に固定されていると共に、第2バネ部品117bの内側端部に固定されていることで、第1バネ部品113bの外側端部と第2バネ部品117bの内側端部とを連結している。また、第1バネ連結盤114bは、メインシャフト107との間にオイレス(符号省略)が介在していることで、メインシャフト107に対して自由回転が可能になっている。
【0106】
オイレス(符号省略)は、メインシャフト107と第1バネ連結盤114bとの間に介在して、メインシャフト107に対する第1バネ連結盤114bの自由回転を可能にする。
【0107】
ディスタンスカラー(図示省略)は、第1バネ連結盤114bと第2バネ連結盤118bとの間に介在し、第1バネ連結盤114bと第2バネ連結盤118bとを所定の間隔に保ちつつ、第1バネ連結盤114bと第2バネ連結盤118bとの相対回転を可能にする。
【0108】
第2バネ部品117bは、第2バネ連結盤118bに収容されている。この第2バネ部品117bは、内側端部が、第1バネ連結盤114bに固定されていることで第1バネ部品113bの外側端部に連結されていると共に、外側端部が、第2バネ連結盤118bに固定されていることで第3バネ部品(符号省略)に連結されている。
【0109】
第2バネ連結盤118bは、第2バネ部品117bを収容している。この第2バネ連結盤118bは、第2バネ部品117bの外側端部に固定されていると共に、第3バネ部品(符号省略)の内側端部に固定されていることで、第2バネ部品117bの外側端部と第3バネ部品(符号省略)の内側端部とを連結している。また、第2バネ連結盤118bは、メインシャフト107との間にオイレス(図示省略)が介在していることで、メインシャフト107に対して自由回転が可能になっている。
【0110】
オイレス(図示省略)は、メインシャフト107と第2バネ連結盤118bとの間に介在して、メインシャフト107に対する第2バネ連結盤118bの自由回転を可能にする。
【0111】
第3バネガイド盤120bは、第3バネ部品(符号省略)を収容している。
【0112】
第3バネ部品(符号省略)は、第3バネガイド盤120bに収容されている。この第3バネ部品(符号省略)は、内側端部が、第2バネ連結盤118bに固定されていることで第2バネ部品117bの外側端部に連結されていると共に、外側端部が、第1メインギヤ(図示省略)に固定されている。
【0113】
第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)は、メインシャフト107の軸方向に並んでおり、互いに連結していることでうず巻きバネを構成している。
【0114】
具体的に、第1メインギヤ(図示省略)の側(図5及び図6における左側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいない第3バネ部品(符号省略)は、外側端部が第1メインギヤ(図示省略)に固定されている。
【0115】
そして、第1メインギヤ(図示省略)の側と反対の側(図5及び図6における右側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第3バネ部品(符号省略)は、内側端部が、第1メインギヤ(図示省略)の側と反対の側に並んでいる第2バネ部品117bの外側端部に連結されている。
【0116】
同様に、第1メインギヤ(図示省略)と反対の側(図5及び図6における右側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第2バネ部品117bは、内側端部が、第1メインギヤ(図示省略)の側と反対の側に並んでいる第1バネ部品113bの外側端部に連結されている。
【0117】
また、第1メインギヤ(図示省略)の側(図5及び図6における左側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第2バネ部品117bは、外側端部が、第1メインギヤ(図示省略)の側に並んでいる第3バネ部品(図示省略)の内側端部に連結されている。
【0118】
同様に、第1メインギヤ(図示省略)の側(図5及び図6における左側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいる第1バネ部品113bは、外側端部が、第1メインギヤ(図示省略)の側に並んでいる第2バネ部品117bの内側端部に連結されている。
【0119】
さらに、第1メインギヤ(図示省略)の側と反対の側(図5及び図6における右側)に他のうず巻きバネ部品が並んでいない第1バネ部品113bは、内側端部がメインシャフト107に固定されている。
【0120】
このようなうず巻きバネは、第1メインギヤ(図示省略)の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転に伴って、第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)が巻き上げられる一方で、第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)が伸長することでメインシャフト107を巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転させる。
【0121】
第2メインギヤ111bは、メインシャフト107に固定されていると共に、カウンターシャフト106上に設けられている第1カウンターギヤ133と噛み合っており、メインシャフト107と一体となって回転することで、第1カウンターギヤ133を回転させる。
【0122】
第3メインギヤ130bは、ベアリング(符号省略)を介してメインシャフト107に固定されていると共に、カウンターシャフト106上に設けられている第2カウンターギヤ134と噛み合っており、第2カウンターギヤ134の回転に伴って回転することで、メインシャフト107に対して自由回転する。
【0123】
ベアリング(符号省略)は、内輪がメインシャフト107に固定されていると共に、外輪が第3メインギヤ130b及びラチェット爪受け盤127bに固定されており、メインシャフト107に対する第3メインギヤ130b及びラチェット爪受け盤127bの自由回転を可能にする。
【0124】
ラチェットギヤ125bは、締結ボルト(図示省略)で第1メインギヤ(図示省略)に固定されていると共に、ラチェット爪受け盤127bに取り付けられているラチェット爪128bと噛み合っており、ラチェット爪128bと共にラチェット機構を構成する。このラチェットギヤ125bは、メインシャフト107との間にオイレス(図示省略)が介在していることで、メインシャフト107に対して自由回転が可能になっている。
【0125】
オイレス(図示省略)は、メインシャフト107とラチェットギヤ125bとの間に介在して、メインシャフト107に対するラチェットギヤ125bの自由回転を可能にする。
【0126】
締結ボルト(図示省略)は、ラチェットギヤ125bを第1メインギヤ(図示省略)に締結している。
【0127】
ラチェット爪受け盤127bは、ベアリング(符号省略)を介してメインシャフト107に固定されていると共に、締結ボルト(図示省略)で第3メインギヤ130bに固定されており、第3メインギヤ130bの回転に伴って回転することで、メインシャフト107に対して自由回転する。このラチェット爪受け盤127bには、ラチェット爪128b及び爪押え板バネ(図示省略)が取り付けられている。
【0128】
ラチェット爪128bは、ラチェット爪受け盤127bに取り付けられていると共に、爪押え板バネ(図示省略)によって、ラチェットギヤ125bと噛み合う方向に付勢されており、ラチェットギヤ125bと共にラチェット機構を構成する。
【0129】
爪押え板バネ(図示省略)は、ラチェット爪受け盤127bに取り付けられていると共に、ラチェット爪128bを、ラチェットギヤ125bと噛み合う方向に付勢している。
【0130】
締結ボルト(図示省略)は、ラチェット爪受け盤127bを第3メインギヤ130bに締結している。
【0131】
ラチェット機構は、第3メインギヤ130bに対する第1メインギヤ(図示省略)の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転を許容する一方で、第3メインギヤ130bに対する第1メインギヤ(図示省略)の伸び方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転を制限する。すなわち、ラチェット機構は、第1メインギヤ(図示省略)に対する第3メインギヤ130bの巻き方向への回転を制限することで、第3メインギヤ130bは、巻き方向へ回転する場合、第1メインギヤ(図示省略)と一体となって回転する。
【0132】
具体的に、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)の伸長時に、第3メインギヤ130bの回転に伴って第3メインギヤ130bと第1メインギヤ(図示省略)との相対回転を制限する。すなわち、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)の伸長時に、第3メインギヤ130bの巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転に伴って第3メインギヤ130bと第1メインギヤ(図示省略)との相対回転を制限することで、第3メインギヤ130bと一体となって第1メインギヤ(図示省略)を巻き方向へ回転させて、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)を巻き上げる。
【0133】
一方で、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)の巻上げ時に、第3メインギヤ130bと第1メインギヤ(図示省略)との相対回転を許容する。すなわち、ラチェット機構は、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)の巻上げ時に、第1メインギヤ(図示省略)の巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)への回転を許容する一方で、第1メインギヤ(図示省略)の伸び方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)への回転を制限する。
【0134】
(カウンターシャフト106)
バネ原動機100は、カウンターシャフト106上に、第1カウンターギヤ133と、第2カウンターギヤ134と、を備える。
【0135】
カウンターシャフト106、第1カウンターギヤ133及び第2カウンターギヤ134は、カウンターユニットを構成する。
【0136】
第1カウンターギヤ133は、カウンターシャフト106に固定されていると共に、メインシャフト105上に設けられている第2メインギヤ111a、及びメインシャフト107上に設けられている第2メインギヤ111bと噛み合っており、第2メインギヤ111a,111bの回転に伴って回転することで、カウンターシャフト106を回転させる。
【0137】
第2カウンターギヤ134は、カウンターシャフト106に固定されていると共に、メインシャフト105上に設けられている第3メインギヤ130a、及びメインシャフト107上に設けられている第3メインギヤ130bと噛み合っており、カウンターシャフト106の回転に伴って回転することで、第3メインギヤ130a,130bを回転させる。
【0138】
(支持体)
支持体を構成する軸受フレーム101,102,103及び継ぎ板104−a,104−b,104−c,104−dは、原動域146を形成している。
【0139】
(増速駆動ギヤ群142)
二点鎖線内に示す増速駆動ギヤ群142は、高速回転軸ギヤ143と、高速回転連結ギヤ145と、等を備える。この増速駆動ギヤ群142は、メインシャフト105,107を超低速で回転させる増速機構を構成する。すなわち、増速駆動ギヤ群142は、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)による機械類の駆動時間を更に長期化する。
【0140】
次に、第2実施形態のバネ原動機100における動作を説明する。
【0141】
[巻上げ動作]
ブレーキ用ホイール110によってブレーキをかけた状態で、操作者がハンドル141を握ってハンドル141を手動で巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)へ回転させると、ハンドル141が一端部に固定されている入力シャフト108がハンドル141と一体となって巻き方向へ回転する。
【0142】
入力シャフト108が巻き方向へ回転すると、入力シャフト108に固定されている入力ギヤ137aが入力シャフト108と一体となって巻き方向へ回転する。入力ギヤ137aが巻き方向へ回転すると、入力ギヤ137aと噛み合っている第1メインギヤ124aが巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。第1メインギヤ124aが巻き方向へ回転すると、第1メインギヤ124aに第3バネ部品121aの外側端部が固定されているうず巻きバネが巻き上げられる。
【0143】
また、入力シャフト108が巻き方向へ回転すると、入力シャフト108に固定されているスプロケット139aが入力シャフト108と一体となって巻き方向へ回転する。スプロケット139aが巻き方向へ回転すると、入力シャフト109上に設けられているスプロケット139bとの間に架け渡されているチェーン140が巻き方向へ走行する。チェーン140が巻き方向へ走行すると、入力シャフト109に固定されているスプロケット139bが入力シャフト109と一体となって巻き方向へ回転する。入力シャフト109が巻き方向へ回転すると、入力シャフト109に固定されている入力ギヤ137bが入力シャフト109と一体となって巻き方向へ回転する。入力ギヤ137bが巻き方向へ回転すると、入力ギヤ137bと噛み合っている第1メインギヤ(図示省略)が巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。第1メインギヤ(図示省略)が巻き方向へ回転すると、第1メインギヤ(図示省略)に第3バネ部品(図示省略)の外側端部が固定されているうず巻きバネが巻き上げられる。
【0144】
[伸長動作]
操作者が、ブレーキ用ホイール110によるブレーキを解除してからハンドル141を離すと、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aが伸長する。うず巻きバネを構成する第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121aが伸長すると、第1バネ部品113aの内側端部が固定されているメインシャフト105が伸び方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。メインシャフト105が伸び方向へ回転すると、メインシャフト105に固定されている第2メインギヤ111aがメインシャフト105と一体となって伸び方向へ回転する。
【0145】
また、操作者が、ブレーキ用ホイール110によるブレーキを解除してからハンドル141を離すと、うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)が伸長する。うず巻きバネを構成する第1バネ部品113b、第2バネ部品117b及び第3バネ部品(符号省略)が伸長すると、第1バネ部品113bの内側端部が固定されているメインシャフト107が伸び方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。メインシャフト107が伸び方向へ回転すると、メインシャフト107に固定されている第2メインギヤ111bがメインシャフト107と一体となって伸び方向へ回転する。
【0146】
第2メインギヤ111a,111bが伸び方向へ回転すると、第2メインギヤ111a,111bと噛み合っている第1カウンターギヤ133が伸び方向(図5及び図6における左から右に向かって反時計回りの方向)へ回転する。第1カウンターギヤ133が伸び方向へ回転すると、第1カウンターギヤ133が固定されているカウンターシャフト106が第1カウンターギヤ133と一体となって伸び方向へ回転する。カウンターシャフト106が伸び方向へ回転すると、カウンターシャフト106に固定されている第2カウンターギヤ134がカウンターシャフト106と一体となって伸び方向へ回転する。第2カウンターギヤ134が伸び方向へ回転すると、第2カウンターギヤ134と噛み合っている第3メインギヤ130a,130bが巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。
【0147】
第3メインギヤ130aが巻き方向へ回転すると、第3メインギヤ130aに固定されているラチェット爪受け盤127aが第3メインギヤ130aと一体となって巻き方向へ回転する。ラチェット爪受け盤127aが巻き方向へ回転すると、ラチェット爪受け盤127aに取り付けられているラチェット爪128aがラチェットギヤ125aと噛み合うことで、ラチェットギヤ125aが固定されている第1メインギヤ124aがラチェット爪受け盤127aと一体となって巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。第1メインギヤ124aが巻き方向へ回転すると、第1メインギヤ124aに第3バネ部品121aの外側端部が固定されているうず巻きバネが巻き上げられる。
【0148】
第3メインギヤ130bが巻き方向へ回転すると、第3メインギヤ130bに固定されているラチェット爪受け盤127bが第3メインギヤ130bと一体となって巻き方向へ回転する。ラチェット爪受け盤127bが巻き方向へ回転すると、ラチェット爪受け盤127bに取り付けられているラチェット爪128bがラチェットギヤ125bと噛み合うことで、ラチェットギヤ125bが固定されている第1メインギヤ(図示省略)がラチェット爪受け盤127bと一体となって巻き方向(図5及び図6における左から右に向かって時計回りの方向)へ回転する。第1メインギヤ(図示省略)が巻き方向へ回転すると、第1メインギヤ(図示省略)に第3バネ部品(符号省略)の外側端部が固定されているうず巻きバネが巻き上げられる。
【0149】
[第2実施形態のバネ原動機100の効果]
次に、第2実施形態のバネ原動機100の効果を説明する。
【0150】
(1)前述した目的を達成するために、第2実施形態のバネ原動機100は、メインシャフト105,107と、メインシャフト105,107上に設けられており、手動で回転するハンドル141の回転に伴って回転することで、メインシャフト105,107に対して自由回転する第1メインギヤ124a等と、外側端部が第1メインギヤ124a等に固定されていると共に、内側端部がメインシャフト105,107に固定されており、第1メインギヤ124a等の回転に伴って巻き上げられる一方で、伸長することでメインシャフト105,107を回転させるうず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)と、メインシャフト105,107に固定されており、メインシャフト105,107と一体となって回転する第2メインギヤ111a,111bと、メインシャフト105,107と平行に配置されているカウンターシャフト106と、カウンターシャフト106に固定されていると共に、第2メインギヤ111a,111bと噛み合っており、第2メインギヤ111a,111bの回転に伴って回転することで、カウンターシャフト106を回転させる第1カウンターギヤ133と、カウンターシャフト106に固定されており、カウンターシャフト106と一体となって回転する第2カウンターギヤ134と、メインシャフト105,107上に設けられていると共に、第2カウンターギヤ134と噛み合っており、第2カウンターギヤ134の回転に伴って回転することで、メインシャフト105,107に対して自由回転する第3メインギヤ130a,130bと、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)の伸長時に、第3メインギヤ130a,130bと第1メインギヤ124a等との相対回転を制限することで、第3メインギヤ130a,130bと一体となって第1メインギヤ124a等を回転させる一方で、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)の巻上げ時に、第3メインギヤ130a,130bと第1メインギヤ124a等との相対回転を許容するラチェット機構(ラチェットギヤ125a,125b及びラチェット爪128a,128b)と、を備えることを特徴としている。
【0151】
これにより、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)が、その伸び方向に伸長してカウンターシャフト106を回転させつつ、その伸長力によって同時に、その巻き方向に巻き上げられる。その伸長する速度と巻き上げられる速度との関係は、第2メインギヤ111a,111b、第1カウンターギヤ133、第2カウンターギヤ134及び第3メインギヤ130a,130bの各ギヤ比に応じて設定しておくことができる。そのため、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)は一気に伸長することなくその伸長速度を設定しておくことができるので、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)による機械類の駆動時間を長期化することができる。
【0152】
すなわち、第2実施形態のバネ原動機100によれば、上記構成を有するので、各メインユニット(メインシャフト105,107、第1メインギヤ124a等、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)、第2メインギヤ111a,111b、第3メインギヤ130a,130b及びラチェット機構(ラチェットギヤ125a,125b及びラチェット爪128a,128b))に1個ずつのうず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)であっても機械類の駆動時間を長期化することができるという効果を奏する。
【0153】
(2)また、本実施形態のバネ原動機100において、メインシャフト105,107、第1メインギヤ124a等、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)、第2メインギヤ111a,111b、第3メインギヤ130a,130b及びラチェット機構(ラチェットギヤ125a,125b及びラチェット爪128a,128b)は、メインユニットを構成し、カウンターシャフト106、第1カウンターギヤ133及び第2カウンターギヤ134は、カウンターユニットを構成し、1つのカウンターユニット(カウンターシャフト106、第1カウンターギヤ133及び第2カウンターギヤ134)に対して、複数のメインユニット(メインシャフト105,107、第1メインギヤ124a等、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)、第2メインギヤ111a,111b、第3メインギヤ130a,130b及びラチェット機構(ラチェットギヤ125a,125b及びラチェット爪128a,128b))を備えることが好ましい。
【0154】
これにより、複数のメインユニット(メインシャフト105,107、第1メインギヤ124a等、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)、第2メインギヤ111a,111b、第3メインギヤ130a,130b及びラチェット機構(ラチェットギヤ125a,125b及びラチェット爪128a,128b))の各々においてうず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)が伸長するので、カウンターユニット(カウンターシャフト106、第1カウンターギヤ133及び第2カウンターギヤ134)からメインユニット(メインシャフト105,107、第1メインギヤ124a等、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)、第2メインギヤ111a,111b、第3メインギヤ130a,130b及びラチェット機構(ラチェットギヤ125a,125b及びラチェット爪128a,128b))に動力が折り返す際に、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)から受ける反発力による動力損失を補いつつ、また動力を増強することができる。
【0155】
(3)また、本実施形態のバネ原動機100において、ハンドル141と、ハンドル141が一端部に固定されており、ハンドル141の回転に伴って回転する入力シャフト108と、入力シャフト108に固定されているとともに、第1メインギヤ124と噛み合っており、ワンウェイクラッチ136aを内蔵していることで、ハンドル141の回転時に、入力シャフト108と一体となって回転する一方で、うず巻きバネ(第1バネ部品113a、第2バネ部品117a及び第3バネ部品121a)の伸長時に、入力シャフト108に対して自由回転する入力ギヤ137aと、を更に備えることが好ましい。
【0156】
これにより、バネ原動機100が停止している時でも、また稼働中であってもハンドル141による自由な巻上げをすることができる。なお、バネ原動機100の稼働中は、入力ギヤ137aが空転することになる。
【0157】
(4)また、本実施形態のバネ原動機100において、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)は、メインシャフト105,107の軸方向に並んでいる複数のうず巻きバネ部品(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)から構成されており、第1メインギヤ124a等の側に他のうず巻きバネ部品が並んでいないうず巻きバネ部品(第3バネ部品121a等)は、外側端部が第1メインギヤ124a等に固定されており、第1メインギヤ124a等の側と反対の側に他のうず巻きバネ部品が並んでいるうず巻きバネ部品(第3バネ部品121a等及び第2バネ部品117a,117b)は、内側端部が、第1メインギヤ124a等の側と反対の側に並んでいるうず巻きバネ部品(第2バネ部品117a,117b及び第1バネ部品113a,113b)の外側端部に連結されており、第1メインギヤ124a等の側に他のうず巻きバネ部品が並んでいるうず巻きバネ部品(第2バネ部品117a,117b及び第1バネ部品113a,113b)は、外側端部が、第1メインギヤ124a等の側に並んでいるうず巻きバネ部品(第3バネ部品121a等及び第2バネ部品117a,117b)の内側端部に連結されており、第1メインギヤ124a等の側と反対の側に他のうず巻きバネ部品が並んでいないうず巻きバネ部品(第1バネ部品113a,113b)は、内側端部がメインシャフト105,107に固定されていることが好ましい。
【0158】
これにより、バネの必要長の分だけ複数のうず巻きバネ部品を連結することができる。そのため、うず巻きバネを大きくすることなく、各メインユニット(メインシャフト105,107、第1メインギヤ124a等、うず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)、第2メインギヤ111a,111b、第3メインギヤ130a,130b及びラチェット機構(ラチェットギヤ125a,125b及びラチェット爪128a,128b))に1個ずつのうず巻きバネ(第1バネ部品113a,113b、第2バネ部品117a,117b及び第3バネ部品121a等)であっても機械類の駆動時間を長期化することができる。
【0159】
[第3実施形態のバネ原動機システムの構成]
次に、図9図11を用いて、第3実施形態のバネ原動機システムを説明する。図9は、第3実施形態のバネ原動機システムの横断面図である。図10は、第3実施形態のバネ原動機システムにおける出力ユニットを左側面から見たC視断面図である。図11(A)は、第3実施形態のバネ原動機システムにおけるクラッチユニットを背面から見たD視断面図である。図11(B)は、第3実施形態のバネ原動機システムにおけるクラッチユニットの接続を切った状態を示すD視背面図である。図11(C)は、第3実施形態のバネ原動機システムにおける移動側クラッチの正面図である。
【0160】
第3実施形態のバネ原動機システム200は、第1実施形態のバネ原動機1及び第2実施形態のバネ原動機100を応用し、メインシャフトを3軸に増やした2組のバネ原動機を向かい合わせたものであり、バネ原動機を複数備え、複数のバネ原動機のうち1のバネ原動機が備えるメインシャフトから、他のバネ原動機が備えるメインシャフトに動力の伝達を行う動力伝達機構(スプロケットE及びチェーンF)と、動力伝達機構(スプロケットE及びチェーンF)による動力の伝達を切断する動力切断機構(移動側クラッチD及び固定側クラッチD)と、を更に備える。
【0161】
バネ原動機の軸回転及び手動によるバネの巻込み操作も前述のバネ原動機1,100と同じ手順で行われる。したがって、以下において、共通の部材及び構成に関する詳細な説明は省略している。
【0162】
バネ原動機システム200は、更なる長時間の回転を可能にするため、2組のバネ原動機のメインシャフトに、移動側クラッチDと、固定側クラッチDと、メインシャフトに対して自由回転するスプロケットEと、反転用ギヤOと、が取り付けられている。このバネ原動機システム200は、入力シャフトに、メインシャフトに取り付けられている反転用ギヤOと同径の反転用ギヤOが取り付けられている。また、バネ原動機システム200は、各バネ原動機において、入力シャフトに固定されているスプロケットN同士が、チェーンMで繋がれていると共に、2組のバネ原動機が備えるメインシャフトに固定されているスプロケットE同士が、チェーンFで繋がれている。
【0163】
次に、第3実施形態のバネ原動機システム200における動作を説明する。
【0164】
[動力伝達の動作]
初期駆動時は、バネ原動機1,100と同様であり、操作者が、軸力と軸回転の安定を確認した上でクラッチレバーのクラッチ解除ロックピン(安全ピン)Kを外すと、コイルスプリングの力で引かれるレバーにより、クラッチ(移動側クラッチD及び固定側クラッチD)が嵌められる。クラッチ(移動側クラッチD及び固定側クラッチD)が嵌められると、2組のバネ原動機の動力は、動力伝達機構(スプロケットE及びチェーンF)によって相互に伝達される。
【0165】
なお、停止を繰り返しているうちに、初期駆動時に起こるバネの戻り量が蓄積され、ある程度稼働時間が経過した時点で、クラッチ(移動側クラッチD及び固定側クラッチD)を外して巻上げ動作を行う必要があるが、クラッチ(移動側クラッチD及び固定側クラッチD)は3つ爪を向かい合わせた形であり、各爪の陵部と底隅が大きなR加工が施されているため、クラッチ(移動側クラッチD及び固定側クラッチD)の入り切りを、メインシャフトの回転中でも自由に行うことができる。
【0166】
[第3実施形態のバネ原動機システム200の効果]
次に、第3実施形態のバネ原動機システム200の効果を説明する。
【0167】
前述した目的を達成するために、第3実施形態のバネ原動機システム200は、バネ原動機を複数備え、複数のバネ原動機のうち1のバネ原動機が備えるメインシャフトから、他のバネ原動機が備えるメインシャフトに動力の伝達を行う動力伝達機構(スプロケットE及びチェーンF)と、動力伝達機構(スプロケットE及びチェーンF)による動力の伝達を切断する動力切断機構(移動側クラッチD及び固定側クラッチD)と、を更に備えることを特徴としている。
【0168】
これにより、複数のバネ原動機の相互にメインシャフトの軸力を与えることができる。そのため、単体のバネ原動機で機械類を駆動しているときより、長時間の駆動を行うことができる。
【0169】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0170】
例えば、他の実施形態においては、1つのカウンターユニットに対して、3つ以上のメインユニットを備えることも可能である。
【0171】
また、他の実施形態においては、2つ又は4つ以上のうず巻きバネ部品を連結して1つのうず巻きバネを構成することも可能である。
【0172】
また、他の実施形態においては、3つ以上のバネ原動機を備えてバネ原動機システムを構成することも可能である。
【0173】
また、他の実施形態においては、複数のバネ原動機のうち1のバネ原動機が備えるメインシャフトから、他のバネ原動機が備えるメインシャフトに動力の伝達を行う動力伝達機構に、自動車等に使用されているトルクコンバーターを応用することも可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 バネ原動機
10 入力シャフト
11 ハンドル
12 入力ギヤ
20 メインシャフト
21 第1メインギヤ
22 香箱車
221 ラチェットギヤ
23 うず巻きバネ
24 第3メインギヤ
241 ラチェット爪
25 第2メインギヤ
30 カウンターシャフト
31 第1カウンターギヤ
32 第2カウンターギヤ
100 バネ原動機
101,102,103 軸受フレーム
104−a,104−b,104−c,104−d 継ぎ板
105,107 メインシャフト
106 カウンターシャフト
108,109 入力シャフト
110 ブレーキ用ホイール
111a,111b 第2メインギヤ
112a ボス
113a,113b 第1バネ部品(うず巻きバネ部品)
114a,114b 第1バネ連結盤
115a オイレス
116a ディスタンスカラー
117a,117b 第2バネ部品(うず巻きバネ部品)
118a,118b 第2バネ連結盤
119a オイレス
120a,120b 第3バネガイド盤
121a 第3バネ部品(うず巻きバネ部品)
122a 軸受プレート
123a ディスタンスカラー
124a 第1メインギヤ
125a,125b ラチェットギヤ
125a1 オイレス
126a 締結ボルト
127a,127b ラチェット爪受け盤
128a,128b ラチェット爪
129a 爪押え板バネ
130a,130b 第3メインギヤ
131a ベアリング
132a 締結ボルト
133 第1カウンターギヤ
134 第2カウンターギヤ
135a,135b ワンウェイクラッチ固定カラー
136a,136b ワンウェイクラッチ
137a,137b 入力ギヤ
138a,138b 締結ボルト
139a,139b スプロケット
140 チェーン
141 ハンドル
142 増速駆動ギヤ群
143 高速回転軸ギヤ
144 チェーンカバー
145 高速回転連結ギヤ
146 原動域
200 バネ原動機システム
A 第1原動域
第1増速駆動ギヤ群
B 第2原動域
第2増速駆動ギヤ群
C 軸受フレーム
D 移動側クラッチ
固定側クラッチ
E スプロケット
F チェーン
G 切換えレバー
H レバー軸受
I 摺動駒
J コイルスプリング
K クラッチ解除ロックピン
L レバー支点ピン
M チェーン
N スプロケット
O 反転用ギヤ
P ハンドル
AC 第1切換域
BC 第2切換域

【要約】      (修正有)
【課題】1個のうず巻きバネであっても機械類の駆動時間を長期化することができるバネ原動機を提供する。
【解決手段】バネ原動機1は、メインシャフト20に対して自由回転する第1メインギヤ21と、第1メインギヤ21の回転で巻き上げられ伸長することでメインシャフト20を回転させるうず巻きバネ23と、メインシャフト20に固定されている第2メインギヤ25と、カウンターシャフトに固定され第2メインギヤ25と噛み合っている第1カウンターギヤ31と、カウンターシャフトに固定されている第2カウンターギヤ32と、第2カウンターギヤ32と噛み合いメインシャフト20に対して自由回転する第3メインギヤ24と、うず巻きバネ23の伸長時に第3メインギヤ24と第1メインギヤ21との相対回転を制限しうず巻きバネ23の巻上げ時に第3メインギヤ24と第1メインギヤ21との相対回転を許容するラチェット機構と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11