(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【0024】
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、ヒンジ(図示省略)を介して前面パネル2が片開き形式に開閉可能に設けられている。
この前面パネル2の上部には、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う画像表示装置3、音による演出を行うスピーカ4等が設けられている。
画像表示装置3は、例えば液晶表示パネルで構成され、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報を表示する。そして、画像表示装置3における各種演出表示等は、演出制御装置70(
図2参照)によって制御される。
【0025】
前面パネル2の中央部には、後方を視認可能な(例えば、透明の)図柄表示窓5が形成されている。この図柄表示窓5を透して、筐体内に配設されたリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。
リール6は、円筒形の左リール6a、中リール6b、右リール6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a,6b,6cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄が形成されている(
図3参照)。また、各リール6a,6b,6cにはそれぞれ、ステッピングモータであるリール用モータ64a,64b,64c(
図2参照)が設けられており、各リール6a,6b,6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。
【0026】
リール用モータ64によりリール6を回転させることによって、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。
一方、リール6が停止している状態では、各リール6a,6b,6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっている。
すなわち、図柄表示窓5を透して、ゲームの停止結果を導出表示するためのリール6a,6b,6cの有効表示部を視認可能となっている。
【0027】
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、複数の有効化可能ラインが設定される。
例えば、各リール6a,6b,6c中段の図柄を横切る有効化可能ライン(中段ライン)と、各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切る有効化可能ライン(上段ライン)と、各リール6a,6b,6c下段の図柄を横切る有効化可能ライン(下段ライン)と、左リール6a下段−中リール6b中段−右リール6c上段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右上がりライン)と、左リール6a上段−中リール6b中段−右リール6c下段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切る有効化可能ライン(右下がりライン)との5ラインが、有効化可能ラインとして設定される。
【0028】
そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下「賭操作」という。)によって、すべての有効化可能ライン(上段ライン、中段ライン、下段ライン、右上がりライン及び右下がりラインの5つのライン)が有効化され、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞の成立/不成立が判断される。
なお、本実施形態では、スロットマシン1を、通常遊技状態時は賭数が3の場合でのみゲームを実行可能ないわゆる3枚がけ専用とするが、スロットマシン1はこれに限定されるものではない。スロットマシン1は、例えば、賭数に応じて所定の有効化可能ラインを有効化し、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞の成立/不成立を判断するように構成することも可能である。この場合、例えば、賭数1では中段ラインが有効ラインとなり、賭数2では中段ラインに加え、上下段ラインが有効ラインとなり、賭数3では上中下段ラインに加え、右上がり、右下がりラインが有効ラインとなる。また、賭数には無関係にすべてのラインを有効としてもよい。
【0029】
図柄表示窓5の左方には、特別入賞(BB入賞又はRB入賞)に内部当選していること内蔵ランプの点灯等によって報知(告知)するボーナス告知部29が設けられている。
図柄表示窓5の下方には、クレジット数表示部11と、遊技進行表示部12と、払出数表示部13とが設けられている。クレジット数表示部11は、メダル払出装置63(
図2参照)により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、遊技進行表示部12は、遊技進行状態を表示する。また、払出数表示部13は、入賞成立時の払出枚数を表示する。これらの表示部11,12,13は、例えば7セグメントのLEDで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。
【0030】
図柄表示窓5の下方右側には、リプレイ状態やウェイト状態、遊技可能な待機状態などの状態表示を行う遊技状態表示部18が設けられており、ランプの点灯により遊技状態を表示する。遊技状態表示部18は、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部と、遊技者がスタートレバー21を操作してからリールが回転するまでに待ち時間があること(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態であること)を示すウェイト表示部と、当該スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示し賭操作を促すインサートメダル表示部とで構成される。
また、図柄表示窓5の下方左側には、有効ベットラインの表示を行うベットライン表示部19が設けられている。
【0031】
図柄表示窓5の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面が前面棚14となっている。この前面棚14には、メダル投入口15と、賭操作受付手段としての1ベットボタン16及びマックスベットボタン17と、演出や通信の設定を行うための操作ボタン30とが設けられている。
【0032】
メダル投入口15は、前面棚14における当該スロットマシン1の前面側から見て右側(前面パネル2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入して賭操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ51(
図2参照)が設けられており、このメダル投入検出センサ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
【0033】
1ベットボタン16及びマックスベットボタン17は、前面棚14における当該スロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。1ベットボタン16は、押圧操作を一度行う毎にクレジットから1枚ずつ賭数を入力できる。また、マックスベットボタン17は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数の上限数(例えば、3枚)まで入力できる。
【0034】
前面棚14の下方には、払戻ボタン20、スタートレバー21、リールストップボタン24、鍵穴23等が設けられている。
払戻ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されクレジットとして記憶されているメダルを受け皿27に返却させる指令を与える際に用いられる。また、再遊技入賞(リプレイ入賞)の成立に基づく自動賭操作の後にメダル投入口15からメダルが投入された場合や、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルも受け皿27に返却される。
【0035】
スタートレバー21は、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。
鍵穴23は、前面パネル2を開く際、或いは当該スロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
リールストップボタン24は、左リール6a、中リール6b及び右リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた左リールストップボタン24a、中リールストップボタン24b及び右リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a,6b,6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリールストップボタン24a,24b,24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材等で形成されている。
【0036】
なお、リールストップボタン24a,24b,24cの内部には、このリールストップボタン24a,24b,24cの操作により対応するリール6を停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED66(
図2参照)がそれぞれ設けられている。
また、これらの操作ボタン類が設けられた部分の下方には、前面パネル2の下部領域を構成する化粧パネル25が設けられている。さらに、化粧パネル25の下方であって前面パネル2の最下部には、灰皿26、メダルを貯留するための受け皿27、メダル払出口28、音声を出力するためのスピーカ4等が設けられている。
【0037】
図2は、スロットマシン1の制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、
図1で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0038】
図2に示すように、当該スロットマシン1の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置)70と、これらの制御装置に電源を供給する電源装置40とを備えている。この制御系の構成要素は、それぞれ当該スロットマシン1の筐体内部に配設されている。また、電源装置40は、停電時にRAM50c(後述)に記憶されたデータが保持されるようにバックアップ電源を供給するよう構成されている。
【0039】
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read Only Memory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、入出力インタフェース(以下「I/F」という。)50d等を備えて構成されている。
CPU50aは、制御部や演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算処理やデータの入出力、制御信号の生成などを行う。
【0040】
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データのほか、内部抽選用の判定値(判定テーブル)等が格納されている。
また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブルなどである。停止制御テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるリール6の引き込み停止制御を行うためのデータ(最大4コマの滑りコマ数等)が格納されており、リール6の操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
【0041】
RAM50cは、スタート操作に基づきCPU50aがサンプリングした内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、内部当選状態のデータ、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU50aの作業領域を提供する。
【0042】
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53c、第1リール位置検出センサ54a、第2リール位置検出センサ54b、第3リール位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、払戻ボタンセンサ58、払出メダル検出センサ59、設定装置60、リセットセンサ61、前面枠開放検出センサ62等から出力された各種信号を、CPU50aに対して供給する。
【0043】
ここで、メダル投入検出センサ51は、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報に基づいてメダルの投入枚数がカウントされる。
スタートレバーセンサ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのセンサである。
第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a,24b,24cが操作されたことを検出するためのセンサである。
第1リール位置検出センサ54a、第2リール位置検出センサ54b、第3リール位置検出センサ54cは、それぞれに対応するリール6a,6b,6cの回動位相を検出するためのセンサである。
【0044】
1ベットセンサ56は、1ベットボタン16が操作されたことを検出するためのセンサである。
マックスベットセンサ57は、マックスベットボタン17が操作されたことを検出するためのセンサである。
払戻ボタンセンサ58は、払戻ボタン20が操作されたことを検出するためのセンサである。
払出メダル検出センサ59は、メダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、このセンサからの検出信号を計数することでメダルの払出枚数がカウントされる。
【0045】
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。この設定装置60により、例えば、1ゲーム毎の内部抽選における各種入賞の当選確率(内部当選確率)が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定される。
【0046】
リセットセンサ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面パネル2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づき当該スロットマシン1をリセットするためのセンサである。なお、遊技制御装置50は、リセットセンサ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。
また、前面枠開放検出センサ62は前面パネル2(前面枠)の開放状態を検出するためのセンサである。
【0047】
また、I/F50dは、CPU50aから出力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、クレジット数表示部11、遊技進行表示部12、払出数表示部13、遊技状態表示部18、ベットライン表示部19、メダル払出装置63、第1リール用モータ64a、第2リール用モータ64b、第3リール用モータ64c、外部信号出力端子(当該スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続する端子)33、ストップボタンLED66等に出力する。これによって、遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
ここで、遊技制御装置50(具体的にはRAM50c)が、所定量を上限に遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数に対応するクレジット数を記憶するクレジット手段をなす。また、メダル払出装置63が、遊技者の払出操作に基づき、クレジット手段(遊技制御装置50)に記憶されているクレジット数と対応する分の遊技媒体を遊技者に払い出す払出手段をなす。
【0048】
なお、外部信号出力端子33に出力される制御信号としては、例えば、スタートレバー21の操作時に出力される賭数を示す信号(遊技メダル投入信号)、メダルの払い出し時に出力される払い出されたメダル数を示す信号(遊技メダル払出信号)、ビッグボーナス状態中であることを示す信号(BB信号)、レギュラーボーナス状態中であることを示す信号(RB信号)、リプレイタイム状態中であることを示す信号(RT信号)、前面パネル2が開放された時又は設定変更時に出力される信号(セキュリティ信号)等がある。
【0049】
遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば、+1)し、スタートレバーセンサ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。
また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a,64b,64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a,6b,6cを停止させる。
【0050】
さらに、遊技制御装置50は、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引き込み停止制御を行う。
また、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置50による引き込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数(例えば、4コマ)以内とされている。
すなわち、遊技制御装置50は、遊技者による各リール6a,6b,6cの停止操作に基づいて、内部抽選によって当選した入賞役に対応する所定の図柄が、予め設定された有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行う停止表示制御手段をなす。
【0051】
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置3における演出表示の制御、ボーナス告知部29や枠発光装置7、スピーカ4などによる演出の制御等を行う。すなわち、演出制御装置70は、ゲームの進行に関連する演出を制御する演出制御手段をなす。
ここで、遊技に関する情報には、スタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数とを伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常遊技状態、BB状態、RB状態等)を示す遊技状態情報等が含まれる。
【0052】
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から入力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、ランプやLEDなどからなる枠発光装置7、ボーナス告知部29等に出力する。これによって、演出制御装置70による画像表示装置3やスピーカ4などの制御を可能としている。
【0053】
具体的には、演出制御装置70は、画像表示装置3において、小役入賞の予告表示や、特別入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示させる。また、演出制御装置70は、前面パネル2に設けられている枠発光装置7での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。また、演出制御装置70は、ボーナス告知部29において、特別入賞の告知表示を表示させる。
さらに、演出制御装置70は、操作ボタン30からの信号に基づいて演出や通信の設定を行う。
なお、前述した遊技制御装置50と演出制御装置70との間の通信は、遊技制御装置50から演出制御装置70へ向かう一方向にのみ制御信号の送信が可能な形態になっており、これによって遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
【0054】
ここで、本実施形態のスロットマシン1における遊技の進行について簡単に説明する。
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、まずメダルをメダル投入口15から投入するか、或いは1ベットボタン16又はマックスベットボタン17を操作して、賭数を入力する(賭入力)。
賭入力が行われると、すべての有効化可能ラインが有効化され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。
そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選が決定されるとともに、リール6a,6b,6cの変動が開始される。
【0055】
所定時間経過後、リールストップボタン24a,24b,24cの操作に基づいて、リール6a,6b,6cの回転が停止され、図柄表示窓5に所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応するメダルが払い出される。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
【0056】
次に、本実施形態のスロットマシン1が特徴とする、特別入賞に内部当選しているか否かと、払出枚数が同数である複数の小役入賞に同時当選した場合に優先して成立させる小役入賞との関係について説明する。
【0057】
図3には、本実施形態のスロットマシン1が備えるリール6a,6b,6cの外周面を構成するリールシールに形成されている図柄の配列の一例が示されている。
図3に示されているように、リールシールには、「黒7」、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」等の識別可能な6種類の図柄と、入賞の成立に関与しない「ブランク」の図柄とが、所定の順序で配置されている。
【0058】
図3に示されているように、「リプレイ」は、すべてのリール6a,6b,6cにおいて連続する5コマ以内に1つは配置されているので、4コマの引き込み停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
また、「ベル」は、左リール6aにおいて連続する7コマに1つ配置されているので、4コマの引き込み停止制御により左リール6aの上段、中段又は下段の何れかに必ず停止表示させることができる。そして、中リール6b、右リール6cにおいて連続する5コマ以内に1つは配置されているので、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行えば、4コマの引き込み停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
また、「スイカ」も、左リール6aにおいて連続する7コマに1つ配置されているので、4コマの引き込み停止制御により左リール6aの上段、中段又は下段の何れかに必ず停止表示させることができる。そして、中リール6b、右リール6cにおいて連続する5コマ以内に1つは配置されているので、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行えば、4コマの引き込み停止制御により必ず有効ライン上に停止表示させることができる。
また、「チェリー」は、左リール6aにおいて連続する7コマに1つ配置されているので、4コマの引き込み停止制御により左リール6aの上段、中段又は下段の何れかに必ず停止表示させることができる。
【0059】
一方、「黒7」及び「BAR」は、中リール6b、右リール6cにおいて1つしか配置されていないので、4コマの引き込み停止制御を行っても有効ライン上に停止表示できない場合がある。
すなわち、「黒7」及び「BAR」を有効ライン上に停止表示させるためには、所望の図柄を狙ってリールストップボタン24a,24b,24cを停止操作(目押し)する必要がある。
【0060】
図4には、本実施形態のスロットマシン1における入賞の種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容が示されている。
本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞としてビッグボーナス入賞(BB入賞)及びレギュラーボーナス入賞(RB入賞)が定められている。
なお、特別入賞(BB入賞又はRB入賞)に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該特別入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいて特別入賞を成立させることができる。
【0061】
また、本実施形態のスロットマシン1では、小役入賞としてベル入賞、スイカ入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞が定められている。
小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。例えば、停止操作のタイミングによって小役入賞(例えば、スイカ入賞)を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。
【0062】
図4に示すように、BB入賞は「黒7・黒7・黒7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。BB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのBB状態が発生する。BB入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。
BB状態では、例えば、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、
図5に示すように、BB状態中はゲームの実行に必要な賭数が1になり、BB状態中に遊技者に払い出したメダルの総数が345枚を超えたときにBB状態は終了となる。
なお、BB状態においては、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0063】
また、BB状態中に特定の小役入賞に当選する等の移行条件が成立すると、BB状態の終了後に特定遊技状態としてのリプレイタイム状態(RT状態)やアシストリプレイタイム状態(ART状態)が発生するように構成することも可能である。
ここで、RT状態とは、例えば、通常遊技状態よりもリプレイ入賞の内部当選確率が飛躍的に高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される状態である。
また、ART状態とは、RT状態と、リールストップボタン24の操作順序を報知するAT状態とを組み合わせた状態である。
【0064】
また、RB入賞は「黒7・黒7・BAR」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。RB入賞が成立すると、特別遊技状態としてのRB状態が発生する。RB入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。
RB状態では、例えば、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、
図5に示すように、RB状態中はゲームの実行に必要な賭数が1になり、RB状態中に遊技者に払い出したメダルの総数が105枚を超えたときにRB状態は終了となる。
なお、RB状態においても、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
【0065】
すなわち、遊技制御装置50は、内部抽選において特別入賞役に当選し、予め定められた特別図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示された場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技制御手段をなす。
【0066】
ベル入賞は「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、通常遊技状態において4枚のメダルが払い出され、特別遊技状態において15枚のメダルが払い出される。
ここで、本実施形態では、リール6a,6b,6cにおける図柄の配列が
図3に示すような配列であるため、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行えば、リール6の停止操作のタイミングにかかわらず、4コマの引き込み停止制御によりベル入賞を成立させることができる。すなわち、本実施形態では、ベル入賞に内部当選しても、左リール6a以外のリールから停止操作した場合には、リール6の停止操作のタイミングによってベル入賞を取りこぼす場合があるが、このような取りこぼしがないように各リール6a,6b,6cに「ベル」を配置しても良い。
【0067】
スイカ入賞は「スイカ・スイカ・スイカ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、通常遊技状態において4枚のメダルが払い出され、特別遊技状態において15枚のメダルが払い出される。
ここで、本実施形態では、リール6a,6b,6cにおける図柄の配列が
図3に示すような配列であるため、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行えば、リール6の停止操作のタイミングにかかわらず、4コマの引き込み停止制御によりスイカ入賞を成立させることができる。すなわち、本実施形態では、スイカ入賞に内部当選しても、左リール6a以外のリールから停止操作した場合には、リール6の停止操作のタイミングによってスイカ入賞を取りこぼす場合があるが、このような取りこぼしがないように各レール6a,6b,6cに「スイカ」を配置しても良い。
【0068】
チェリー入賞は「チェリー・―・―」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、通常遊技状態において4枚のメダルが払い出され、特別遊技状態において15枚のメダルが払い出される。ここで、「―」は何れの図柄であってもよいことを示す。
ここで、本実施形態では、リール6a,6b,6cにおける図柄の配列が
図3に示すような配列であるため、リール6の停止操作のタイミングや停止操作の順番にかかわらず、4コマの引き込み停止制御によりチェリー入賞を成立させることができる。
【0069】
リプレイ入賞は「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞で、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。メダルの払い出しは0枚である。
ここで、本実施形態では、リール6a,6b,6cにおける図柄の配列が
図3に示すような配列であるため、リール6の停止操作のタイミングや停止操作の順番にかかわらず、4コマの引き込み停止制御によりリプレイ入賞を成立させることができる。
なお、ベル入賞、スイカ入賞又はチェリー入賞の何れかが成立した場合、通常遊技状態において4枚のメダルが払い出されるが、3枚がけ時の最大払出枚数は4枚であるため、例え各小役が同時に有効ライン上に揃っても、すなわち、例え各小役入賞が同時に成立しても、払出枚数は4枚となる。
【0070】
本実施形態のスロットマシン1では、同一ゲームにおいて、小役入賞同士が同時に当選可能(すなわち、重複して内部当選可能)となっている。具体的には、例えば、
図7に示すように、ベル入賞とチェリー入賞とが同時に内部当選可能であり、スイカ入賞とチェリー入賞とが同時に内部当選可能となっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、同一ゲームにおいて、特別入賞と小役入賞とが同時に当選可能(重複して内部当選可能)となっている。具体的には、例えば、
図7に示すように、特別入賞とリプレイ入賞とが同時に内部当選可能であり、特別入賞とベル入賞とチェリー入賞とが同時に内部当選可能であり、特別入賞とスイカ入賞とチェリー入賞とが同時に内部当選可能であり、特別入賞とチェリー入賞とが同時に内部当選可能となっている。特別入賞と小役入賞とが同時に内部当選した場合、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、例えば、リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞>特別入賞とする。特別入賞に内部当選した以降のゲームにおいて、小役入賞に内部当選した場合も同様とする。
【0071】
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞に内部当選すると、この内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に導出可能とされる。一方、何れの入賞にも内部当選しない場合にははずれとなり、入賞に対応する図柄組合せ態様は有効ライン上に形成されない。
通常遊技状態では、BB入賞及びRB入賞を含めた上記すべての入賞が内部抽選の対象となる。また、特別遊技状態(BB状態又はRB状態)では、ベル入賞、スイカ入賞及びチェリー入賞が内部抽選の対象となる。
【0072】
図6は、本実施形態のスロットマシン1における通常遊技状態時の演出態様を説明するための演出態様遷移図である。
スロットマシン1では、電源を投入した直後は、通常遊技状態の通常遊技ゾーン(ボーナスフラグなし)Z1でゲームが開始される。
【0073】
通常遊技ゾーン(ボーナスフラグなし)Z1で、特別入賞とベル入賞とチェリー入賞とに同時当選した場合、或いは、特別入賞とチェリー入賞とに同時当選した場合には、特別入賞に内部当選したのでボーナスフラグをセットして、チャンスゾーン1(ボーナスフラグあり)Z2に移行する。そして、例えばベル入賞又はチェリー入賞が成立すると、特別入賞に内部当選している可能性を示唆する示唆演出を、ボーナス告知部29以外の手段(例えば、枠発光装置7等)によって行う。
その後、チャンスゾーン1(ボーナスフラグあり)Z2で、何れの入賞にも内部当選しないはずれとなった場合には、特別入賞に内部当選していることを報知(告知)するための報知演出(ボーナス告知演出)をボーナス告知部29等によって行い、ボーナス告知後ゾーン(ボーナスフラグあり)Z4に移行する。
【0074】
また、通常遊技ゾーン(ボーナスフラグなし)Z1で、ベル入賞とチェリー入賞とに同時当選した場合、或いは、チェリー入賞に単独当選した場合には、特別入賞に内部当選していないのでボーナスフラグをセットせずに、チャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3に移行する。そして、例えばベル入賞又はチェリー入賞が成立すると、チャンスゾーン1(ボーナスフラグあり)Z2の場合と同様の示唆演出(すなわち、特別入賞に内部当選している可能性を示唆する示唆演出)を、ボーナス告知部29以外の手段(例えば、枠発光装置7等)によって行う。チャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3では特別入賞には内部当選していないので、当該示唆演出は、いわゆるガセ演出となる。このように、チャンスゾーン1(ボーナスフラグあり)Z2と、チャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3とを区別し難くすることによって、ゲーム性を向上させることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0075】
その後、チャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3で、何れの入賞にも内部当選しないはずれとなった場合には、通常遊技ゾーン(ボーナスフラグなし)Z1に移行する。
また、チャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3で、特別入賞と小役入賞とに同時当選した場合には、特別入賞に内部当選したのでボーナスフラグをセットして、チャンスゾーン1(ボーナスフラグあり)Z2に移行する。
また、チャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3で、特別入賞に単独当選した場合には、特別入賞に内部当選していることを報知(告知)するための報知演出(ボーナス告知演出)をボーナス告知部29等によって行うとともに、ボーナスフラグをセットして、ボーナス告知後ゾーン(ボーナスフラグあり)Z4に移行する。
【0076】
また、通常遊技ゾーン(ボーナスフラグなし)Z1で、特別入賞と小役入賞との同時当選のうち、特別入賞とベル入賞とチェリー入賞との同時当選及び特別入賞とチェリー入賞との同時当選以外の同時当選に当選した場合、或いは、特別入賞に単独当選した場合には、特別入賞に内部当選していることを報知(告知)するための報知演出(ボーナス告知演出)をボーナス告知部29等によって行うとともに、ボーナスフラグをセットして、ボーナス告知後ゾーン(ボーナスフラグあり)Z4に移行する。
【0077】
そして、ボーナス告知後ゾーン(ボーナスフラグあり)Z4で、内部当選している特別入賞に対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態(BB状態又はRB状態)に移行して、ボーナス作動(具体的には、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲーム)が実行される。そして、遊技者に払い出したメダルの総数が規定の払出枚数に達すると特別遊技状態を終了して、通常遊技ゾーン(ボーナスフラグなし)Z1に移行する。
【0078】
図7には、本実施形態のスロットマシン1における通常遊技状態時の入賞役の抽選確率が示されている。
何れかの入賞役に内部当選する場合の中で、ベル入賞とチェリー入賞とに同時当選する場合の確率が最も高く設定されている。また、チェリー入賞に単独当選する場合の確率も比較的高く設定されている。
BB入賞に内部当選する場合の中で、BB入賞とチェリー入賞とに同時当選する場合の確率が最も高く設定されている。また、RB入賞に内部当選する場合の中で、RB入賞とチェリー入賞とに同時当選する場合の確率が最も高く設定されている。このように、特別入賞とチェリー入賞とが同時当選する確率が高く設定されているので、チェリー入賞が成立した場合に、特別入賞に内部当選しているのではという期待感を高めることができる。
また、後述する
図12に示すように引き込み率が一定(すなわち、通常時もボーナスフラグ成立時も成立確率が同じ)であるスイカ入賞とチェリー入賞との同時当選も、取りこぼしがないように重複にしている。
【0079】
図12には、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが示されている。なお、
図12は、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行った場合に選択される停止制御テーブルである。
【0080】
図12に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、特別入賞に内部当選していない通常時にも特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時にも、リプレイ入賞に内部当選したゲーム(特別入賞とリプレイ入賞とに同時に内部当選したゲームも含む)では、4コマの引き込み停止制御により必ずリプレイ入賞を成立させるように構成されている。
【0081】
また、特別入賞に内部当選していない通常時にも特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時にも、スイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲーム(特別入賞とスイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームも含む)では、チェリー入賞よりもスイカ入賞を優先して成立させるように構成されている。
なお、本実施形態では、スイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、4コマの引き込み停止制御により必ずスイカ入賞を成立させるように構成されているが、チェリー入賞よりもスイカ入賞を優先して成立させることができるのであれば、スイカ入賞の成立確率は100%に限らず適宜任意に変更可能である。具体的には、例えば、左リール6aの図柄番号5の図柄である「チェリー」(
図3参照)が中段に停止するタイミングで停止操作された場合のみ、当該「チェリー」を中段又は下段で停止させてチェリー入賞を成立させ、それ以外のタイミングで停止操作された場合はスイカ入賞を成立させるように構成することも可能である。
【0082】
また、特別入賞に内部当選していない通常時にも特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時にも、チェリー入賞に内部当選したゲーム(特別入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームも含む)では、4コマの引き込み停止制御により必ずチェリー入賞が成立するように構成されている。
【0083】
一方、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲーム(特別入賞とベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームも含む)では、特別入賞に内部当選していない通常時と特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時とで、優先して成立させる小役入賞が異なる。
具体的には、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、特別入賞に内部当選していない通常時であれば、チェリー入賞よりもベル入賞を優先して成立させ、特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時であれば、ベル入賞よりもチェリー入賞を優先して成立させるように構成されている。
【0084】
このように、本実施形態においては、入賞役に、第1入賞役(ベル入賞)と、第2入賞役(チェリー入賞)と、が含まれている。また、内部抽選の結果には、第1入賞役(ベル入賞)と第2入賞役(チェリー入賞)とに同時当選する第1抽選結果と、第2入賞役(チェリー入賞)に当選する第2抽選結果と、第1入賞役(ベル入賞)と第2入賞役(チェリー入賞)と特別入賞役とに同時当選する第3抽選結果と、第2入賞役(チェリー入賞)と特別入賞役とに同時当選する第4抽選結果と、第1入賞役(ベル入賞)と第2入賞役(チェリー入賞)に当選せず、特別入賞役に当選する第5抽選結果と、が含まれている。
【0085】
そして、停止表示制御手段(遊技制御装置50)は、特別入賞役に当選していない状態で(すなわち、特別入賞に内部当選していない通常時に)、内部抽選の結果が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合には、第1入賞役に対応する図柄(「ベル」)が有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行い、特別入賞役に当選している状態で(すなわち、特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時に)、内部抽選の結果が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合には、第1入賞役に対応する図柄(「ベル」)よりも第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が優先的に有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行い、特別入賞役に当選しているか否かに関わらず、内部抽選の結果が第2抽選結果(チェリー入賞に当選)となった場合には、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行うように構成されている。
【0086】
また、演出制御手段(演出制御装置70)は、停止表示制御手段(遊技制御装置50)によって第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示される場合に、特別入賞役に当選している可能性を示唆する示唆演出を実行するように構成されている。具体的には、前述したように、演出制御装置70は、
図6に示すチャンスゾーン1(ボーナスフラグあり)Z2やチャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3で、チェリー入賞が成立すると、特別入賞に内部当選している可能性を示唆する示唆演出を行うように構成されている。
【0087】
なお、本実施形態では、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームにおいて、特別入賞に内部当選していない通常時であれば、4コマの引き込み停止制御により必ずベル入賞を成立させるように構成されているが、チェリー入賞よりもベル入賞を優先して成立させることができるのであれば、ベル入賞の成立確率は100%に限らず適宜任意に変更可能である。
また、本実施形態では、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームにおいて、特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時であれば、左リール6aの図柄番号3、6、11、18、20の図柄(
図3の点線で囲った5個の図柄)のうちの何れかが中段に停止するタイミングで停止操作された場合には4コマの引き込み停止制御により「ベル」を左リール6aの上段、中段又は下段で停止させてベル入賞を成立させ、それ以外の16個の図柄のうちの何れかが中段に停止するタイミングで停止操作された場合には4コマの引き込み停止制御により「チェリー」を左リール6aの上段、中段又は下段で停止させてチェリー入賞を成立させるように構成されているが、ベル入賞よりもチェリー入賞を優先して成立させることができるのであれば、チェリー入賞の成立確率は適宜任意に変更可能である。具体的には、例えば、ボーナスフラグが成立した時点からの経過ゲーム数が増加するにつれて、チェリー入賞の成立確率が高くなるように構成することも可能である。
【0088】
このように、本実施形態のスロットマシン1においては、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、特別入賞が成立していない通常時であれば、ベル入賞を優先的に成立させ、特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時であれば、チェリー入賞を優先的に成立させるように構成されている。
したがって、チェリー入賞が成立すれば、特別入賞に内部当選しているのではという期待感が高まる。すなわち、特別入賞に内部当選していない通常時にもチェリー入賞に単独当選したゲームでは必ずチェリー入賞が成立するので、特別入賞に内部当選している状態でチェリー入賞に単独当選したゲームやベル入賞とチェリー入賞とに同時当選したゲームだけでなく、特別入賞に内部当選していない状態でチェリー入賞が単独当選したゲームでも、チェリー入賞の成立の際に、特別入賞に内部当選しているのではという期待感を高めることができる。
【0089】
次に、図を参照しながら、遊技制御装置50による処理について説明する。遊技制御装置50による処理は、遊技を統括的に制御する遊技制御処理(
図8参照)と、所定時間毎(例えば、約2ミリ秒毎)に行われるタイマ割込み処理(
図9参照)とからなる。
【0090】
〔遊技制御処理〕
まず、遊技制御処理について説明する。
図8は、遊技制御処理の一例を示すフローチャートである。
この遊技制御処理は、遊技制御装置50の電源が投入されると、CPU50aがROM50bに記憶されている遊技制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
【0091】
遊技制御処理が開始されると、まず、遊技制御装置50のCPU50a内のレジスタの初期化やRAM50cに記憶されている遊技データの初期化などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS1)。
次いで、リプレイ入賞の成立に基づく自動賭操作や、賭操作(すなわち、メダル投入口15からのメダル投入又はクレジットからの入力)により賭数を設定するBET(賭)処理を実行する(ステップS2)。
【0092】
次いで、払戻ボタン20が操作されたか否かを判定し、操作されたと判定した場合に、投入されたメダルの払い戻し及びクレジットとして記憶されているメダルの払い戻しを行う払戻制御処理を実行する(ステップS3)。
次いで、ベット数が上限値(例えば、3個)に達したか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4で、ベット数が上限値に達していないと判定した場合(ステップS4;N)には、ステップS2に戻る。
一方、ステップS4で、ベット数が上限値に達したと判定した場合(ステップS4;Y)には、スタートレバー21が操作されたか否かを判定する(ステップS5)。
【0093】
ステップS5で、スタートレバー21が操作されていないと判定した場合(ステップS5;N)には、ステップS2に戻る。
一方、ステップS5で、スタートレバー21が操作されたと判定した場合(ステップS5;Y)には、入賞役の内部抽選を行い、当該内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報(抽選結果コマンド)を演出制御装置70に送信するとともに、最小遊技間隔時間経過後にリール6a,6b,6cの回転を開始させる内部抽選処理を実行する(ステップS6)。具体的には、当該ステップS6の内部抽選処理でセットされたリール更新情報に基づいて、タイマ割込み処理(
図9参照)のリール動作処理(ステップS24)でリール6a,6b,6cの回転を開始させる。
すなわち、遊技制御装置50は、遊技者によるゲーム開始操作に伴い入賞役の当選を内部抽選によって決定する内部抽選手段をなす。
また、遊技制御装置50は、ゲーム開始操作に伴い複数の図柄をそれぞれ表示する複数のリール6a,6b,6cを変動表示させてゲームを実行するゲーム開始手段をなす。
【0094】
次いで、ステップS6の内部抽選処理でセットされた当選フラグ(具体的には、ボーナス入賞の当選フラグ(
図10のステップS39参照)、入賞役の当選フラグ(
図10のステップS40参照)、はずれフラグ(
図10のステップS41参照))と、リールストップボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、リール6a,6b,6cの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS7)。具体的には、当該ステップS7のリール停止処理でセットされたリール更新情報(
図11のステップS57参照)に基づいて、タイマ割込み処理(
図9参照)のリール動作処理(ステップS24)でリール6a,6b,6cの回転を停止させる。
【0095】
次いで、有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様に基づいて、ステップS6の内部抽選処理でセットされた入賞当選フラグ(具体的には、ボーナス入賞の当選フラグ(
図10のステップS39参照)、入賞役の当選フラグ(
図11のステップS40参照))に対応する入賞(内部当選している入賞)が成立しているか否かを判定し、入賞が成立していると判定した場合には、成立した入賞に対応する払出枚数情報をセットする入賞成立判定処理を実行する(ステップS8)。ここで、有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様は、リール位置検出センサ54からのリール位置情報(具体的には、リール位置検出センサ54により検出されたリール6の回動位相等)に基づき判断される。
【0096】
次いで、ステップS8の入賞成立判定処理でセットされた払出枚数情報に基づいて、クレジットの加算又はメダル払出装置63によるメダルの払い出しを行う払出制御処理を実行する(ステップS9)。
次いで、BB入賞の成立やRB入賞の成立を判定し、対応する遊技状態へと移行するための準備を行う遊技状態更新処理を実行する(ステップS10)。
【0097】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、停電が発生したか否かをハードウェアによる強制的な割り込みで監視して、停電が発生したと判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理、全出力ポートをオフにする処理、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブする処理、RAM50cへのアクセスを禁止する処理等を行う停電時処理を実行して、当該スロットマシン1の電源が遮断されるのを待つように構成するが、これに限定されるものではない。例えば、停電が発生したか否かをソフトウェアによる強制的な割り込みで監視するように構成することも可能である。
【0098】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図9は、タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
【0099】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、各種センサ(メダル投入検出センサ51、スタートレバーセンサ52、第1リール(左)停止センサ53a、第2リール(中)停止センサ53b、第3リール(右)停止センサ53c、第1リール位置検出センサ54a、第2リール位置検出センサ54b、第3リール位置検出センサ54c、1ベットセンサ56、マックスベットセンサ57、払戻ボタンセンサ58、払出メダル検出センサ59、リセットセンサ61、前面枠開放検出センサ62等)や設定装置60などからの入力の取り込み、すなわち各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップS21)。
【0100】
次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、演出制御装置70、遊技進行表示部12、ベットライン表示部19、クレジット数表示部11、払出数表示部13、遊技状態表示部18、メダル払出装置63、第1リール用モータ64a、第2リール用モータ64b、第3リール用モータ64c、外部信号出力端子33、ストップボタンLED66等に対して制御信号を出力する出力処理を実行する(ステップS22)。
【0101】
次いで、継続タイマ等のタイマを更新(例えば、−1)するタイマ更新処理を実行する(ステップS23)。
次いで、リール更新情報に基づいてリール6a,6b,6cの回転及び停止の出力設定を行うリール動作処理を実行して(ステップS24)、当該タイマ割込み処理を終了する。
【0102】
〔内部抽選処理〕
次に、前述の遊技制御処理(
図8)における内部抽選処理(ステップS6)について説明する。
図10は、内部抽選処理の一例を示すフローチャートである。
なお、当該内部抽選処理中は、賭操作やリール6の停止操作などの各種操作の入力を受け付けずに無効なものとするように構成されている。
【0103】
内部抽選処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、入賞抽選用の乱数を抽出する(ステップS31)。なお、入賞抽選用の乱数は、ハードウェアで生成されるハード乱数であってもよいし、ソフトウェアで生成されるソフト乱数であってもよい。
次いで、有効ライン数を取得する(ステップS32)。
【0104】
次いで、ボーナス当選中(特別遊技状態中)であるか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33で、ボーナス当選中(特別遊技状態中)であると判定した場合(ステップS33;Y)には、ボーナス状態(特別遊技状態)に対応する当選判定テーブルをセットし(ステップS34)、ステップS31で抽出した入賞抽選用乱数と当該セットした当選判定テーブルとを比較して(ステップS36)、何れかの入賞役に当選したか否かを判定する(ステップS37)。
具体的には、例えば、ボーナス状態(特別遊技状態)に対応する当選判定テーブルとして、ベル入賞とスイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選する確率が100%となるように設定されたテーブルがセットされる。したがって、ボーナス中(特別遊技状態中)は、ベル入賞とスイカ入賞とチェリー入賞とのすべてに1/1で重複当選し、停止タイミングに応じて、ベル入賞とスイカ入賞とチェリー入賞とのうちの何れかが成立するように構成されている。
【0105】
一方、ステップS33で、ボーナス当選中(特別遊技状態中)でないと判定した場合(ステップS33;N)には、通常状態(通常遊技状態)に対応する当選判定テーブルをセットし(ステップS35)、ステップS31で抽出した入賞抽選用乱数と当該セットした当選判定テーブルとを比較して(ステップS36)、何れかの入賞役に内部当選したか否かを判定する(ステップS37)。
具体的には、例えば、通常遊技状態中は、
図7に示す確率で、何れかの入賞役に当選するように構成されている。
【0106】
ステップS37で、何れかの入賞役に内部当選したと判定した場合(ステップS37;Y)には、ボーナス入賞(特別入賞)に内部当選したか否かを判定する(ステップS38)。
ステップS38で、ボーナス入賞(特別入賞)に内部当選したと判定した場合(ステップS38;Y)には、対応するボーナス入賞(特別入賞)の当選フラグをセットする(ステップS39)。そして、特別入賞だけでなく小役入賞にも内部当選した場合(すなわち、特別入賞と小役入賞との同時当選の場合)には、対応する入賞役(すなわち、対応する小役入賞)の当選フラグをセットする(ステップS40)。
次いで、当該セットした当選フラグに対応する当選フラグコマンドを設定し(ステップS42)、リール更新情報をセットして、当該内部抽選処理を終了する。
【0107】
一方、ステップS38で、ボーナス入賞(特別入賞)に内部当選していないと判定した場合(ステップS38;N)には、対応する入賞役(すなわち、対応する小役入賞)の当選フラグをセットする(ステップS40)。
次いで、当該セットした当選フラグに対応する当選フラグコマンドを設定し(ステップS42)、リール更新情報をセットして、当該内部抽選処理を終了する。
【0108】
また、ステップS37で、何れの入賞役にも内部当選していないと判定した場合(ステップS37;N)には、はずれフラグをセットする(ステップS41)。
次いで、当該セットした当選フラグ(この場合、はずれフラグ)に対応する当選フラグコマンドを設定し(ステップS42)、リール更新情報をセットして、当該内部抽選処理を終了する。
【0109】
〔リール停止処理〕
次に、前述の遊技制御処理(
図8)におけるリール停止処理(ステップS7)について説明する。
図11は、リール停止処理の一例を示すフローチャートである。
なお、当該リール停止処理中は、賭操作やリール6の停止操作などの各種操作の入力を受け付けずに無効なものとするように構成されている。
【0110】
リール停止処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、停止ボタンとしてのリールストップボタン24a,24b,24cの何れか一つが操作されたか否かを判定する(ステップS51)。
ステップS51で、リールストップボタン24a,24b,24cの何れもが操作されていないと判定した場合(ステップS51;N)には、ステップS51を繰り返し行う。
【0111】
一方、ステップS51で、リールストップボタン24a,24b,24cの何れか一つが操作されたと判定した場合(ステップS51;Y)には、リール6a,6b,6cのうち何れのリール6が回転中であり何れのリール6が停止中であるかを判別するための情報であるリール停止情報に基づいて、回転中のリール6に対応するリールストップボタン24が操作されたかチェックし(ステップS52)、有効なボタン操作であるか否かを判定する(ステップS53)。具体的には、操作されたリールストップボタン24が、回転中のリール6に対応するリールストップボタン24であるか否かを判定する。
【0112】
ステップS53で、有効なボタン操作でないと判定した場合(ステップS53;N)、すなわち、操作されたリールストップボタン24が、停止中のリール6に対応するリールストップボタン24である場合には、ステップS51に戻る。
一方、ステップS53で、有効なボタン操作であると判定した場合(ステップS53;Y)、すなわち、操作されたリールストップボタン24が、回転中のリール6に対応するリールストップボタン24である場合には、ステップS54に移行する。
これにより、操作中のリールストップボタン24以外のリールストップボタン24の操作が無効になるとともに、有効なリールストップボタン24操作の入力しか受け付けないことになる。
【0113】
次いで、内部抽選処理(
図10)のステップS39でセットされるボーナスフラグ(ボーナス入賞の当選フラグ)を確認する(ステップS54)。
次いで、ボーナスフラグ(ボーナス入賞の当選フラグ)の有無、リール停止情報及び操作されたリールストップボタン24に対応する停止制御テーブル(
図12参照)をセットする(ステップS55)。これにより、ボーナスフラグの有無(すなわち、特別入賞に内部当選しているか否か)と、停止中のリール6の位置や個数などと、操作されたリールストップボタン24に対応するリール6の位置などとに対応する停止制御テーブルがセットされる。
【0114】
次いで、成立フラグ、すなわち、内部抽選処理(
図10)のステップS39、ステップS40又はステップS41でセットした当選フラグ(ボーナス入賞の当選フラグ、入賞役の当選フラグ又ははずれフラグ)と、リール位置検出センサ54からのリール位置情報とに基づいて、引き込み停止制御や蹴飛ばし停止制御を考慮した残りステップ数を取得する(ステップS56)。
【0115】
次いで、リール更新情報として、ステップS56で取得した残りステップ数をセットする(ステップS57)。このステップS57の処理により、ステッピングモータであるリール用モータ64a,64b,64cの停止までのステップ数として、ステップS56で取得した残りステップ数が設定される。
【0116】
次いで、操作されたリールストップボタン24に対応するリール6が停止したか否かを判定する(ステップS58)。
ステップS58で、操作されたリールストップボタン24に対応するリール6が未だ停止していないと判定した場合(ステップS58;N)には、ステップS61に移行する。
一方、ステップS58で、操作されたリールストップボタン24に対応するリール6が停止したと判定した場合(ステップS58;Y)には、リール停止情報を更新するために、当該停止したリール6に対応するリール停止情報をセットする(ステップS59)。
【0117】
次いで、リール停止情報に対応するリール停止コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS60)。
次いで、リール停止情報に基づいて、すべてのリール6が停止しているか否かを判定する(ステップS61)。
ステップS61で、すべてのリール6が停止していないと判定した場合(ステップS61;N)には、ステップS51に戻る。
一方、ステップS61で、すべてのリール6が停止したと判定した場合(ステップS61;Y)には、リール停止情報をリセットして(ステップS62)、当該リール停止処理を終了する。
【0118】
〔遊技状態更新処理〕
次に、前述の遊技制御処理(
図8)における遊技状態更新処理(ステップS10)について説明する。
図13は、遊技状態更新処理の一例を示すフローチャートである。
【0119】
遊技状態更新処理が開始されると、遊技制御装置50のCPU50aは、まず、ボーナス状態(特別遊技状態)中であるか否かを判定する(ステップS71)。
ステップS71で、ボーナス状態(特別遊技状態)中でないと判定した場合(ステップS71;N)には、ボーナス入賞(特別入賞)が成立したか否かを判定する(ステップS72)。
ステップS72で、ボーナス入賞(特別入賞)が成立したと判定した場合(ステップS72;Y)には、対応するボーナス入賞(特別入賞)の状態フラグをセットする(ステップS73)。このボーナス入賞(特別入賞)の状態フラグがセットされているか否かに基づいて、ステップS71等においてボーナス状態(特別遊技状態)中であるか否かが判定される。
【0120】
次いで、対応するボーナス入賞(特別入賞)の当選フラグをクリアし(ステップS74)、ボーナス入賞(特別入賞)以外の当選フラグをクリアして(ステップS75)、当該遊技状態更新処理を終了する。
一方、ステップS72で、ボーナス入賞(特別入賞)が成立していないと判定した場合(ステップS72;N)には、ボーナス入賞(特別入賞)以外の当選フラグをクリアして(ステップS75)、当該遊技状態更新処理を終了する。
【0121】
また、ステップS71で、ボーナス状態(特別遊技状態)中でないと判定した場合(ステップS71;Y)には、総払出枚数、すなわち、遊技者に払い出したメダルの総数を取得する(ステップS76)。
次いで、ステップS76で取得した総払出枚数に今回の払出枚数を加算して、加算後の総払出枚数が規定の払出枚数を越したかチェックし(ステップS77)、加算後の総払出枚数が規定の払出枚数を越したか否かを判定する(ステップS78)。
【0122】
ステップS78で、加算後の総払出枚数が規定の払出枚数を越したと判定した場合(ステップS78;Y)には、成立しているボーナス入賞(特別入賞)の状態フラグをクリアして(ステップS79)、当該遊技状態更新処理を終了する。
一方、ステップS78で、加算後の総払出枚数が規定の払出枚数を越していないと判定した場合(ステップS78;N)には、当該遊技状態更新処理を終了する。
【0123】
ここで、
図14に、遊技制御装置50による制御に係るタイムチャートの一例を示す。
まず、BET操作(賭操作)無効期間がOFFである間に、賭操作(自動賭操作も含む)が行われると(タイミングt1)、BET操作無効期間がONになるとともに、スタート操作無効期間がOFFになりスタートレバー21操作の入力を受け付け可能な状態になる。
【0124】
次いで、スタート操作無効期間がOFFである間に、スタートレバー21が操作されると(タイミングt2)、スタート操作無効期間がONになるとともに、ゲームが開始されて、第1リールである左リール6a、第2リールである中リール6b、第3リールである右リール6cの回転が開始される。リール6a,6b,6cの回転が開始されると、まず、加速回転期間となって、リール6a,6b,6cの回転速度が所定の速度になるまでリール6a,6b,6cが加速回転し、その後、等速回転期間となって、リール6a,6b,6cの回転速度が当該所定の速度で維持されるようリール6a,6b,6cが等速回転する。
また、加速回転期間から等速回転期間へと切り替わる時点で(タイミングt3)、停止操作無効期間がOFFになりリールストップボタン24a,24b,24c操作の入力を受け付け可能な状態になる。
【0125】
次いで、停止操作無効期間がOFFである間に、回転中の3つのリール6のうち何れか一つに対応するリールストップボタン24(
図14の場合、第1リールである左リール6aに対応する左リールストップボタン24a)が操作されると(タイミングt4)、対応するリール6の回転が停止する。
また、このリールストップボタン24の操作が開始された時点(タイミングt4)から、当該操作が解除される時点(タイミングt5)まで、停止操作無効期間がONになる。これにより、操作中のリールストップボタン24以外のリールストップボタン24の操作が無効になる。また、スタート操作無効期間もONのままである。
【0126】
次いで、停止操作無効期間がOFFである間に、残り2つの回転中のリール6のうち何れか一方に対応するリールストップボタン24(
図14の場合、第2リールである中リール6bに対応する中リールストップボタン24b)が操作されると(タイミングt6)、対応するリール6の回転が停止する。
また、このリールストップボタン24の操作が開始された時点(タイミングt6)から、当該操作が解除される時点(タイミングt7)まで、停止操作無効期間がONになる。これにより、操作中のリールストップボタン24以外のリールストップボタン24の操作が無効になる。また、スタート操作無効期間もONのままである。
【0127】
次いで、停止操作無効期間がOFFである間に、残り1つの回転中のリール6に対応するリールストップボタン24(
図14の場合、第3リールである右リール6cに対応する右リールストップボタン24c)が操作されると(タイミングt8)、対応するリール6の回転が停止するとともに、停止操作無効期間がONになる。また、スタート操作無効期間もONのままである。
【0128】
そして、このリールストップボタン24の操作が解除されると(タイミングt9)、払出動作がONになり、入賞が成立していれば、クレジットの加算又はメダル払出装置63によるメダルの払い出しが行われる。その後、払出動作がOFFになると(タイミングt10)、ゲームが終了するとともに、BET操作無効期間がOFFになり賭操作の入力を受け付け可能な状態になる。
【0129】
次に、
図15に、本実施形態における図柄の停止表示例の一例として、ボーナスフラグが成立している時、すなわち、ボーナスフラグ(ボーナス入賞の当選フラグ)がセットされている時に、ベル入賞とチェリー入賞とに同時当選した場合の図柄の停止表示例を示す。
【0130】
前述したように、本実施形態では、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームにおいて、特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時であれば、左リール6aの図柄番号3、6、11、18、20の図柄(
図3の点線で囲った5個の図柄)のうちの何れかが中段に停止するタイミングで停止操作された場合には4コマの引き込み停止制御により「ベル」を左リール6aの上段、中段又は下段で停止させてベル入賞を成立させ、それ以外の16個の図柄のうちの何れかが中段に停止するタイミングで停止操作された場合には4コマの引き込み停止制御により「チェリー」を左リール6aの上段、中段又は下段で停止させてチェリー入賞を成立させるように構成されている。
【0131】
したがって、
図15(a)に示すように、各リール6a,6b,6cが回転している際に、
図15(b)に示すように、左リール6aの図柄番号3の図柄である「リプレイ」が中段に停止するタイミングで停止操作された場合、
図15(c)に示すように、「ベル」を左リール6aの上段、中段又は下段(この例の場合、中段)で停止させる。そして、
図15(d)に示すように、ベル入賞を成立させる。
【0132】
一方、
図15(a)に示すように、各リール6a,6b,6cが回転している際に、
図15(e)に示すように、左リール6aの図柄番号7の図柄である「リプレイ」が中段に停止するタイミングで停止操作された場合、
図15(f)に示すように、「チェリー」を左リール6aの上段、中段又は下段(この例の場合、下段)で停止させる。そして、
図15(g)に示すように、チェリー入賞を成立させる。
なお、本実施形態では、
図15(g)に示すように、チェリー入賞を成立させる場合、左リール6aの下段と中リール6bの下段とに「チェリー」が停止するように構成したが、チェリー入賞を成立させる場合の「チェリー」の停止位置は適宜任意に変更可能である。
【0133】
次に、図を参照しながら、演出制御装置70による処理について説明する。演出制御装置70による処理は、演出を統括的に制御する演出制御処理(
図16参照)と、所定時間毎(例えば、約2ミリ秒毎)に行われるタイマ割込み処理(
図17参照)とからなる。
【0134】
〔演出制御処理〕
まず、演出制御処理について説明する。
図16は、演出制御処理の一例を示すフローチャートである。
この演出制御処理は、演出制御装置70の電源が投入されると、CPU70aがROM70bに記憶されている演出制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
【0135】
演出制御処理が開始されると、まず、演出制御装置70のCPU70a内のレジスタの初期化やRAM70cに記憶されている遊技データの初期化などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS101)。
【0136】
次いで、ゲームの演出に関する設定を行う演出設定処理(ステップS102)、画像表示装置3における表示を制御する表示制御処理(ステップS103)、スピーカ4における音声を制御する音声制御処理(ステップS104)を実行する。このステップS102〜S104の処理で、対応するゾーン(
図6)に応じた演出に関する設定が行われ、当該設定に基づき画像表示装置3における表示やスピーカ4における音声が制御される。
次いで、メダルの精算時に所定の演出を実行するための精算時処理(ステップS105)、画像表示装置3において履歴情報を表示するための情報閲覧処理(ステップS106)、閲覧に供する履歴情報を生成して記憶する履歴情報記憶処理(ステップS107)を実行する。
【0137】
次いで、停電が発生したか否かを判定する(ステップS108)。
ステップS108で、停電が発生していないと判定した場合(ステップS108;N)には、ステップS102に戻る。
一方、ステップS108で、停電が発生したと判定した場合(ステップS108;Y)には、一旦割込みを禁止する処理、全出力ポートをオフにする処理、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブする処理、RAM70cへのアクセスを禁止する処理等を行う停電時処理を実行して(ステップS109)、当該スロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。
【0138】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図17は、タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、演出制御装置70に入力される信号を処理する入力処理(ステップS111)、演出制御装置70から出力する信号を処理する出力処理(ステップS112)を実行する。
【0139】
次いで、停止ボタンであるリールストップボタン24a,24b,24cを発光させる停止ボタン発光処理(ステップS113)、スタートレバー21を発光させるスタートレバー発光処理(ステップS114)、枠発光装置7を発光させる枠ライト発光処理(ステップS115)、演出乱数等の乱数を更新(例えば、+1)する乱数更新処理(ステップS116)を実行して、当該タイマ割込み処理を終了する。
【0140】
〔精算時処理〕
次に、前述の演出制御処理(
図16)における精算時処理(ステップS105)について説明する。
図18は、精算時処理の一例を示すフローチャートである。
【0141】
精算時処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、まず、メダルの精算中であるか否かを判定する(ステップS121)。
ステップS121で、メダルの精算中でないと判定した場合(ステップS121;N)には、遊技制御装置50から精算開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS122)。
【0142】
ステップS122で、精算開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS122;N)には、当該精算時処理を終了する。
一方、ステップS122で、精算開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS122;Y)には、ボーナスフラグ(ボーナス入賞の当選フラグ)が成立しているか否か、すなわち、遊技制御装置50のRAM50c等にボーナスフラグ(ボーナス入賞の当選フラグ)がセットされているか否かを判定する(ステップS123)。
【0143】
ステップS123で、ボーナスフラグ(ボーナス入賞の当選フラグ)が成立していると判定した場合(ステップS123;Y)には、ボーナス告知(一発告知)演出、すなわち、特別入賞に内部当選していることを報知(告知)するための報知演出は実行済みであるか否かを判定する(ステップS124)。このボーナス告知(一発告知)演出は、スピーカ4等からのボーナス告知音の出力や、ボーナス告知部29の内蔵ランプの点灯等によって実行される。
【0144】
ステップS124で、ボーナス告知(一発告知)演出は実行済みでないと判定した場合(ステップS124;N)には、所定期間のボーナス告知音の出力やボーナス告知部29の点灯等を設定する(ステップS125)。
すなわち、演出制御装置70は、特別入賞役に当選している状態で、遊技者の払出操作があった場合に、特別入賞役に当選していることを遊技者に報知する報知手段をなす。
【0145】
次いで、精算音の開始を設定するとともに精算音の音量として「小」を設定し(ステップS126)、精算中であることを遊技者に報知するための筐体枠装飾を設定して(ステップS128)、当該精算時処理を終了する。この筐体枠装飾の設定によって、枠発光装置7の点灯等が設定される。
【0146】
また、ステップS123で、ボーナスフラグ(ボーナス入賞の当選フラグ)が成立していないと判定した場合(ステップS123;N)や、ステップS124で、ボーナス告知(一発告知)演出は実行済みであると判定した場合(ステップS124;N)には、精算音の開始を設定するとともに精算音の音量として「大」を設定し(ステップS127)、精算中であることを遊技者に報知するための筐体枠装飾を設定して(ステップS128)、当該精算時処理を終了する。
【0147】
また、ステップS121で、メダルの精算中であると判定した場合(ステップS121;Y)には、メダルの精算期間が終了するか否かを判定する(ステップS129)。
ステップS129で、メダルの精算期間が終了しないと判定した場合(ステップS129;N)には、精算音の音量として「小」が設定された状態で精算音の出力を実行中であるか否かを判定する(ステップS130)。
【0148】
ステップS130で、精算音の音量として「小」が設定された状態で精算音の出力を実行中でないと判定した場合(ステップS130;N)、すなわち、精算音の音量として「大」が設定された状態で精算音の出力を実行中である場合には、当該精算時処理を終了する。
一方、ステップS130で、精算音の音量として「小」が設定された状態で精算音の出力を実行中であると判定した場合(ステップS130;Y)には、ボーナス告知音の出力が終了するか否かを判定する(ステップS131)。
【0149】
ステップS131で、ボーナス告知音の出力が終了しないと判定した場合(ステップS131;N)には、当該精算時処理を終了する。
一方、ステップS131で、ボーナス告知音の出力が終了すると判定した場合(ステップS131;Y)には、精算音の音量として「大」を設定し(ステップS132)、当該精算時処理を終了する。
また、ステップS129で、メダルの精算期間が終了すると判定した場合(ステップS129;Y)には、精算音の終了を設定し(ステップS133)、所定時間後(例えば、15秒後)に筐体枠装飾を終了する設定を行って(ステップS134)、当該精算時処理を終了する。
【0150】
ここで、
図19に、演出制御装置70によるメダル精算時に実行する演出に係るタイムチャートの一例を示す。
【0151】
図19(a)は、ボーナスフラグが成立していない場合のタイムチャートである。
メダルの精算が開始されると、筐体枠装飾がONとなって枠発光装置7の点灯等が開始され、精算音がONとなってスピーカ4等からの精算音の出力が開始される。この際、ボーナスフラグが成立していない場合には、精算音の開始の設定とともに精算音の音量として「大」が設定される(
図18のステップS127参照)ので、スピーカ4等からは、音量「大」の精算音が出力される。
そして、メダルの精算が終了すると、精算音の終了が設定され(
図18のステップS133参照)、所定時間後に筐体枠装飾を終了する設定が行われる(
図18のステップS134参照)。したがって、メダルの精算が終了すると、精算音がOFFとなり、メダルの精算の終了から所定時間経過後(この例の場合、15秒経過後)に筐体枠装飾がOFFとなる。
【0152】
図19(b)は、ボーナスフラグが成立している場合であって、精算時のメダルの払出枚数が多い場合のタイムチャートである。
メダルの精算が開始されると、筐体枠装飾がONとなって枠発光装置7の点灯等が開始され、精算音がONとなってスピーカ4等からの精算音の出力が開始される。また、ボーナスフラグが成立している場合、ボーナス告知音が設定される(
図18のステップS125参照)ので、スピーカ4等からのボーナス告知音(確定音)の出力も開始される。この際、ボーナスフラグが成立しているので、精算音の開始の設定とともに精算音の音量として「小」が設定され(
図18のステップS126参照)、ボーナス告知音の出力が終了すると精算音の音量として「大」が設定される(
図18のステップS132参照)。したがって、ボーナス告知音の出力が終了するまでは、スピーカ4等から音量「小」の精算音が出力され、ボーナス告知音の出力が終了すると、スピーカ4等から音量「大」の精算音が出力される。
そして、メダルの精算が終了すると、精算音の終了が設定され(
図18のステップS133参照)、所定時間後に筐体枠装飾を終了する設定が行われる(
図18のステップS134参照)。したがって、メダルの精算が終了すると、精算音がOFFとなり、メダルの精算の終了から所定時間経過後に筐体枠装飾がOFFとなる。
【0153】
図19(c)は、ボーナスフラグが成立している場合であって、精算時のメダルの払出枚数が少ない場合のタイムチャートである。
メダルの精算が開始されると、筐体枠装飾がONとなって枠発光装置7の点灯等が開始され、精算音がONとなってスピーカ4等からの精算音の出力が開始される。また、ボーナスフラグが成立している場合、ボーナス告知音が設定される(
図18のステップS125参照)ので、スピーカ4等からのボーナス告知音(確定音)の出力も開始される。ボーナスフラグが成立している場合、精算音の開始の設定とともに精算音の音量として「小」が設定され(
図18のステップS126参照)、ボーナス告知音の出力が終了すると精算音の音量として「大」が設定される(
図18のステップS132参照)。しかしながら、
図19(c)のような場合、すなわち、精算時のメダルの払出枚数が少なく、メダルの精算開始から精算終了までに要する期間が、ボーナス告知音の出力期間(
図18のステップS125の「所定期間」)よりも短い場合には、ボーナス告知音の出力が終了する前に精算音の出力が終了するので、精算音の音量として「大」が設定されることなく、精算音の出力は終了する。
【0154】
このように、メダルの精算時にボーナスフラグが成立している場合にはボーナス告知音を出力することで、特別入賞に内部当選しているにもかかわらず、それを知らずに遊技を終了してしまうことを防止できるので、遊技者にとって有利である。
また、メダルの精算時にボーナスフラグが成立している場合にはボーナス告知音を出力することで、遊技の途中で精算ボタン(払戻ボタン20)を押せば、ボーナスフラグが成立しているか否か、すなわち、特別入賞に内部当選しているか否かを確かめることができるので、遊技者にとって有利である。
また、ボーナス告知音の出力の有無に応じて精算音の音量を変化させることで、ボーナス告知音と精算音との双方が聞き取り易く、効率がよい。すなわち、ボーナス告知音を出力しているのに精算音の音量が「大」だとボーナス告知音が聞き取り難くボーナス告知音の出力が無駄になったり、ボーナス告知音の出力が終了しているのに精算音の音量が「小」のままだと精算音が聞き取り難く精算音の出力が無駄になったりするという不都合が生じるが、ボーナス告知音の出力の有無に応じて精算音の音量を変化させることで、このような不都合を回避可能となっている。
【0155】
以上説明した第1実施形態のスロットマシン1によれば、遊技者によるゲーム開始操作に伴い入賞役の当選を内部抽選によって決定する内部抽選手段(遊技制御装置50)と、ゲーム開始操作に伴い複数の図柄をそれぞれ表示する複数のリール6a,6b,6cを変動表示させてゲームを実行するゲーム開始手段(遊技制御装置50)と、遊技者による各リール6a,6b,6cの停止操作に基づいて、内部抽選によって当選した入賞役に対応する所定の図柄が、予め設定された有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行う停止表示制御手段(遊技制御装置50)と、内部抽選において特別入賞役に当選し、予め定められた特別図柄組合せ態様が有効ライン上に停止表示された場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技制御手段(遊技制御装置50)と、ゲームの進行に関連する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置70)と、を備えたスロットマシン1において、入賞役には、第1入賞役(ベル入賞)と、第2入賞役(チェリー入賞)と、が含まれ、内部抽選の結果には、第1入賞役(ベル入賞)と第2入賞役(チェリー入賞)とに同時当選する第1抽選結果と、第2入賞役(チェリー入賞)に当選する第2抽選結果と、が含まれ、停止表示制御手段(遊技制御装置50)は、
図12に示すように、特別入賞役に当選していない状態で(すなわち、特別入賞に内部当選していない通常時に)、内部抽選の結果が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合には、第1入賞役に対応する図柄(「ベル」)が有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行い、特別入賞役に当選している状態で(すなわち、特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時に)、内部抽選の結果が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合には、第1入賞役に対応する図柄(「ベル」)よりも第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が優先的に有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行い、特別入賞役に当選しているか否かに関わらず、内部抽選の結果が第2抽選結果(チェリー入賞に当選)となった場合には、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行い、演出制御手段(演出制御装置70)は、停止表示制御手段(遊技制御装置50)によって第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示される場合に、特別入賞役に当選している可能性を示唆する示唆演出を実行するように構成されている。
ここで、「遊技媒体」とはメダル等の遊技媒体そのものやクレジットのような遊技媒体数のデータを含むことを意味する。
【0156】
すなわち、特別入賞役に当選していない状態で第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合と、特別入賞役に当選している状態で第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合とで、リール制御を変化させることで、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示された場合に、単に第2入賞役(チェリー入賞)に当選した場合のリール制御によって第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が停止表示されたのか、特別入賞役に当選している状態で第1入賞役(ベル入賞)と第2入賞役(チェリー入賞)とに同時に当選した場合のリール制御によって第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が停止表示されたのかを判別できなくしている。これにより、特別入賞役の当選が判別し難いため、ゲーム性が向上する。
また、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)の停止表示が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)に基づく停止表示であるか第2抽選結果(チェリー入賞に当選)に基づく停止表示であるかに関わらず、特別入賞役へ当選した可能性を示唆する示唆演出を実行するので、遊技を盛り上げることができる。
【0157】
また、以上説明した第1実施形態のスロットマシン1によれば、内部抽選の結果には、第1入賞役(ベル入賞)と第2入賞役(チェリー入賞)と特別入賞役とに同時当選する第3抽選結果と、第2入賞役(チェリー入賞)と特別入賞役とに同時当選する第4抽選結果と、が含まれている。
【0158】
したがって、
図6に示すように、チャンスゾーン1(ボーナスフラグあり)Z2やチャンスゾーン2(ボーナスフラグなし)Z3で、チェリー入賞が成立すると、特別入賞に内部当選している可能性を示唆する示唆演出が実行される、すなわち、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)の停止表示が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)と第2抽選結果(チェリー入賞に当選)と第3抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞+特別入賞に当選)と第4抽選結果(チェリー入賞+特別入賞に当選)との何れに基づく停止表示であるのかわからない状態で示唆演出が実行されるので、ゲーム性が向上する。
また、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が停止表示される時に、特別入賞役が同時に当選していることがあるため、示唆演出の突入時と特別入賞役の当選とに関連性があり、示唆演出の興趣が高まる。
【0159】
また、以上説明した第1実施形態のスロットマシン1によれば、内部抽選の結果には、第1入賞役(ベル入賞)と第2入賞役(チェリー入賞)に当選せず、特別入賞役に当選する第5抽選結果が含まれ、
図7に示すように、内部抽選の結果が第4抽選結果(チェリー入賞+特別入賞に当選)となる確率は、内部抽選の結果が第5抽選結果(特別入賞に当選)となる確率よりも高く設定されている。
【0160】
したがって、第2入賞役(チェリー入賞)と特別入賞役との同時当選の確率が、少なくとも特別入賞役の単独当選の確率よりも高いので、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示された時に、特別入賞役に当選しているのではという期待度が高まり易い。
【0161】
また、以上説明した第1実施形態のスロットマシン1によれば、所定量を上限に遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体の数に対応するクレジット数を記憶するクレジット手段(遊技制御装置50)と、遊技者の払出操作に基づき、クレジット手段に記憶されているクレジット数と対応する分の遊技媒体を遊技者に払い出す払出手段(メダル払出装置63)と、を備え、演出制御手段(演出制御装置70)は、特別入賞役に当選している状態で、遊技者の払出操作があった場合に、特別入賞役に当選していることを遊技者に報知する報知手段(演出制御装置70)を有している。
【0162】
したがって、意外性のある報知を行うことが可能となる。
また、特別入賞役に当選している状態で遊技者の払出操作があった場合には特別入賞役に当選していることを遊技者に報知(具体的には、例えば、ボーナス告知音を出力)することで、特別入賞役に当選しているにもかかわらず、それを知らずに遊技を終了してしまうことを防止できるので、遊技者にとって有利である。
また、特別入賞役に当選している状態で遊技者の払出操作があった場合には特別入賞役に当選していることを遊技者に報知することで、遊技の途中で払出操作を行えば(具体的には、精算ボタン(払戻ボタン20)を押せば)、特別入賞役に当選しているか否かを確かめることができるので、遊技者にとって有利である。
【0163】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のスロットマシン1について説明する。
なお、第2実施形態のスロットマシン1においては、2種類のBB入賞がある点が第1実施形態のスロットマシン1と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0164】
図20に、本実施形態のスロットマシン1が備えるリール6a,6b,6cの外周面を構成するリールシールに形成されている図柄の配列の一例が示されている。
図20に示されているように、本実施形態のスロットマシン1では、中リール6b(具体的には、中リール6bの図柄番号3の位置)に「黒7」によく似た(色、大きさ等が同一で、細部のデザインのみ異なる)「黒7*」が配置されている。
【0165】
図21には、本実施形態のスロットマシン1における入賞の種類、各入賞に対応する図柄の組合せ態様及び入賞内容が示されている。
本実施形態のスロットマシン1では、BB入賞として「黒7−黒7−黒7」からなるBB1入賞と、「黒7−黒7*−黒7」からなるBB2入賞とが設けられている。
BB1入賞は「黒7−黒7−黒7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。BB1入賞が成立すると、特別遊技状態としてのBB状態が発生する。BB1入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。
また、BB2入賞は「黒7−黒7*−黒7」のボーナス図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に成立する入賞である。BB2入賞が成立すると、特別遊技状態としてのBB状態が発生する。BB2入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。
【0166】
図22(a)に「黒7」の拡大図を示し、
図22(b)に「黒7*」の拡大図を示す。
図22(a)、(b)に示すように、「黒7」と「黒7*」とは酷似しているので、遊技者から見れば、BB1入賞が成立したのか、BB2入賞が成立したのかが識別困難となっている。
【0167】
図23には、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが示されている。なお、
図12は、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行った場合に選択される停止制御テーブルである。
【0168】
ここで、本実施形態の場合、BB1入賞又はRB入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時をボーナスフラグ1成立時と称し、BB2入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時をボーナスフラグ2成立時と称する。
図23に示すように、本実施形態のスロットマシン1における特別入賞に内部当選していない通常時のリール制御は、第1実施形態のスロットマシン1における通常時のリール制御(
図12の「通常時」参照)と同一であり、ボーナスフラグ1成立時のリール制御は、第1実施形態のスロットマシン1におけるボーナスフラグ成立時のリール制御(
図12の「ボーナスフラグ成立時」参照)と同一である。また、ボーナスフラグ2成立時のリール制御は、通常時のリール制御と同一である。すなわち、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、ボーナスフラグ2成立時であれば、チェリー入賞よりもベル入賞を優先して成立させ、ボーナスフラグ1成立時であれば、ベル入賞よりもチェリー入賞を優先して成立させるように構成されている。
このように、BB入賞としてBB1入賞とBB2入賞とを設け、BB2入賞に内部当選している場合には、通常時のリール制御と同じリール制御を実行することで、特別入賞の内部当選が察知され難い特別入賞を用意することができ、ゲーム性が向上する。
また、前述したように、「黒7」と「黒7*」とは酷似しており、遊技者から見れば、BB1入賞が成立したのか、BB2入賞が成立したのかが識別困難となっているので、遊技者に対して、同じ特別入賞役に当選してもリール制御が異なるように感じさせることが可能となる。
【0169】
以上説明した第2実施形態のスロットマシン1によれば、特別入賞役には、第1特別入賞役(BB1入賞)と、第2特別入賞役(BB2入賞)と、が含まれ、停止表示制御手段(遊技制御装置50)は、第1特別入賞役(BB1入賞)に当選している状態で、内部抽選の結果が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合には、第1入賞役に対応する図柄(「ベル」)よりも第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が優先的に有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行い、第2特別入賞役(BB2入賞)に当選している状態で、内部抽選の結果が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合には、第1入賞役に対応する図柄(「ベル」)が有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行うように構成されている。
【0170】
したがって、特別入賞役に当選していても、第1入賞役に対応する図柄(「ベル」)よりも第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が優先的に有効ライン上に停止表示されない場合(具体的には、BB2入賞の場合)もあるため、特別入賞役の当選が察知され難く、ゲーム性が向上する。
【0171】
なお、本実施形態では、BB入賞として、第1特別入賞役としてのBB1入賞と、第2特別入賞役としてのBB2入賞とを設けたが、BB入賞を2つに分けなくても同様の制御を行うことは可能である。具体的には、第1実施形態のように特別入賞役としてBB入賞とRB入賞とを設けて、BB入賞が第1特別入賞役となり、RB入賞が第2特別入賞役となるように制御することも可能であるし、RB入賞が第1特別入賞役となり、BB入賞が第2特別入賞役となるように制御することも可能である。
【0172】
また、以上説明した第2実施形態のスロットマシン1によれば、第1特別入賞役(BB1入賞)に対応する図柄は、第1図柄(「黒7」)によって構成され、第2特別入賞役(BB2入賞)に対応する図柄は、第1図柄(「黒7」)と第2図柄(「黒7*」)によって構成され、第1図柄(「黒7」)と第2図柄(「黒7*」)は、遊技者が各図柄の差異を認識困難に構成されている。
【0173】
したがって、第1特別入賞役(BB1入賞)に当選している状態と第2特別入賞役(BB2入賞)に当選している状態とでリール制御が異なっていても、各特別入賞役を構成する図柄の差異を認識することが困難なため、同じ特別入賞役に当選したと感じさせることができる。そのため、同じ特別入賞役に当選しても、リール制御が異なるように感じさせることが可能となる。
【0174】
なお、「黒7」や「黒7*」の形状は、遊技者が「黒7」と「黒7*」との差異を認識困難であれば、
図22(a),(b)に示す形状に限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0175】
[第2実施形態の変形例]
次に、第2実施形態の変形例について説明する。
第2実施形態では、BB2入賞に内部当選している時のリール制御を、通常時のリール制御と同一とし、RB入賞に内部当選している時のリール制御を、BB1入賞に内部当選している時のリール制御と同一としたが、BB2入賞に内部当選している時のリール制御やRB入賞に内部当選している時のリール制御は、
図24に示すように、その他の時のリール制御と異なるものであってもよい。
【0176】
ここで、本変形例の場合、BB1入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時をボーナスフラグ1成立時と称し、BB2入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時をボーナスフラグ2成立時と称し、RB入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時をレギュラーボーナスフラグ成立時と称する。
図24に示すように、本変形例のスロットマシン1における特別入賞に内部当選していない通常時のリール制御は、第2実施形態のスロットマシン1における通常時のリール制御(
図23の「通常時」参照)と同一であり、ボーナスフラグ1成立時のリール制御は、第2実施形態のスロットマシン1におけるボーナスフラグ1成立時のリール制御(
図23の「ボーナスフラグ1成立時」参照)と同一である。
【0177】
そして、ボーナスフラグ2成立時のリール制御は、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、チェリー入賞よりもベル入賞を優先して成立させるよう構成され、スイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、スイカ入賞よりもチェリー入賞を優先して成立させるように構成されている。
【0178】
また、レギュラーボーナスフラグ成立時のリール制御は、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、ベル入賞よりもチェリー入賞を優先して成立させるよう構成され、スイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでは、スイカ入賞よりもチェリー入賞を優先して成立させるように構成されている。
なお、本変形例では、レギュラーボーナスフラグ成立時には、リプレイ入賞か、チェリー入賞か、はずれしか出現しないように、すなわち、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームにおいても、スイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームにおいても、4コマの引き込み停止制御により必ずチェリー入賞を成立させるように構成されているが、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでもスイカ入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでもチェリー入賞を優先して成立させることができるのであれば、チェリー入賞の成立確率は適宜任意に変更可能である。
【0179】
以上説明した第2実施形態の変形例のスロットマシン1によれば、特別入賞役には、第3特別入賞役(RB入賞)が含まれ、第3特別入賞役(RB入賞)に当選している状態で、内部抽選の結果が第1抽選結果(ベル入賞+チェリー入賞に当選)となった場合には、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示されるように停止制御を行うように構成されている。
【0180】
したがって、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が頻繁に停止表示された場合には、第3特別入賞役(RB入賞)の当選を察知できるため、第2入賞役に対応する図柄(「チェリー」)が有効ライン上に停止表示された時に、特別入賞役に当選しているのではという期待が持てる。
【0181】
なお、第1実施形態における各リール制御(具体的には、通常時のリール制御及びボーナスフラグ成立時のリール制御)、第2実施形態における各リール制御(具体的には、通常時のリール制御、ボーナスフラグ1成立時のリール制御及びボーナスフラグ2成立時のリール制御)、第2実施形態の変形例における各リール制御(具体的には、通常時のリール制御、ボーナスフラグ1成立時のリール制御、ボーナスフラグ2成立時のリール制御及びレギュラーボーナスフラグ成立時のリール制御)は、適宜任意に変更可能である。
【0182】
具体的には、第1実施形態では、RB入賞に内部当選している時のリール制御を、BB入賞に内部当選している時のリール制御と同一としたが、RB入賞に内部当選している時のリール制御は、例えば、通常時のリール制御と同一であってもよい。
【0183】
第2実施形態では、RB入賞に内部当選している時のリール制御を、BB1入賞に内部当選している時のリール制御と同一としたが、RB入賞に内部当選している時のリール制御は、例えば、通常時のリール制御と同一であってもよいし、BB2入賞に内部当選している時のリール制御と同一であってもよい。
また、第2実施形態では、例えば、ボーナスフラグ1成立時のリール制御を、第2実施形態の変形例におけるレギュラーボーナスフラグ成立時のリール制御と同一にして、ボーナスフラグ2成立時のリール制御を、第1実施形態におけるボーナスフラグ成立時のリール制御と同一にしてもよい。
【0184】
また、第2実施形態の変形例では、例えば、ボーナスフラグ1成立時のリール制御を、上記第2実施形態の変形例におけるレギュラーボーナスフラグ成立時のリール制御と同一にして、ボーナスフラグ2成立時のリール制御を、上記第2実施形態の変形例におけるボーナスフラグ1成立時のリール制御と同一にして、レギュラーボーナスフラグ成立時のリール制御を、上記第2実施形態の変形例におけるボーナスフラグ2成立時のリール制御と同一にしてもよい。
【0185】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のスロットマシン1について説明する。
なお、第3実施形態のスロットマシン1は、遊技者所有の携帯端末2000を介したネットワークサービスに適用可能な点が第1実施形態のスロットマシン1と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0186】
本実施形態における携帯端末2000を介したネットワークサービスとは、スロットマシン1において遊技者が好む演出態様を、パチンコ遊技機100(以下「遊技機100」と称する。)での演出に反映させたり、遊技機100において遊技者が好む演出態様を、スロットマシン1での演出に反映させたりするサービスである。
本実施形態のスロットマシン1は、例えば
図25に示すように、演出態様反映システムSTに導入されている。
この演出態様反映システムSTは、スロットマシン1の他に、遊技機100と、遊技者が所有する携帯電話機等の携帯端末2000と、スロットマシン1や遊技機100を製造する遊技機メーカー等が所有するサーバコンピュータ3000とを備えて構成されている。
【0187】
まず、遊技者が好む演出態様について説明する。
例えば、スロットマシン1では、停止ボタンであるリールストップボタン24a,24b,24cの操作や、スタートレバー21の操作に対応して演出が進行する。
ここで、
図26に、スロットマシン1における演出の進行例を説明するためのタイムチャートの一例を示す。また、
図27及び
図28に、
図26の表示演出の一例を示す。
図26(a)のタイムチャートは、演出の進行が遅い場合のタイムチャートであり、
図26(b)のタイムチャートは、演出の進行が速い場合のタイムチャートである。
【0188】
まず、スタートレバー21が操作されると(タイミングt21)、ゲームが開始されて、第1リールである左リール6a、第2リールである中リール6b、第3リールである右リール6cの回転が開始される。リール6a,6b,6cの回転が開始されると、表示演出として導入演出が実行される。ここで、この例の場合、当該ゲームにボーナス入賞(特別入賞)の当選フラグが持ち越されているか、或いは、当該ゲームで特別入賞に内部当選したとする。
次いで、回転中の3つのリール6のうち何れか一つに対応するリールストップボタン24(この例の場合、第1リールである左リール6aに対応する左リールストップボタン24a)が操作されると(タイミングt22)、対応するリール6の回転が停止して、表示演出として第1段階の演出が実行される。
【0189】
この際、遊技者によって、
図26(a)に示すように、導入演出の終了後の時点(具体的には、画像表示装置3における表示が導入演出の最終表示態様で停止している時点)でリールストップボタン24を操作する場合と、
図26(b)に示すように、導入演出の終了前の時点でリールストップボタン24を操作する場合とがある。
導入演出の終了時には、例えば、特別入賞に内部当選している可能性(信頼度)を報知するための演出が行われる。この例の場合、例えば、
図27(a)の左側に示すように、導入演出の最終表示態様として、信頼度を報知するための文字(「ファイト!」等)が出現する画面が表示されている。しかし、導入演出の終了前の時点でリールストップボタン24が操作されると、
図27(a)の右側に示すように、そのような画面が表示されることなく、導入演出の途中で強制的に次の演出(第1段階の演出)が実行される。
【0190】
次いで、残り2つの回転中のリール6のうち何れか一方に対応するリールストップボタン24(この例の場合、第2リールである中リール6bに対応する中リールストップボタン24b)が操作されると(タイミングt23)、対応するリール6の回転が停止して、表示演出として第2段階の演出が実行される。
【0191】
この際も、遊技者によって、
図26(a)に示すように、第1段階の演出の終了後の時点(具体的には、画像表示装置3における表示が第1段階の演出の最終表示態様で停止している時点)でリールストップボタン24を操作する場合と、
図26(b)に示すように、第1段階の演出の終了前の時点でリールストップボタン24を操作する場合とがある。
第1段階の演出の終了時には、例えば、表示演出を盛り上げるための演出が行われる。この例の場合、プレイヤー側のキャラクタが敵のキャラクタと戦う表示演出が実行されており、例えば、
図27(b)の左側に示すように、第1段階の演出の最終表示態様として、どちらが先に攻撃するか決定する画面が表示されている。しかし、第1段階の演出の終了前の時点でリールストップボタン24が操作されると、
図27(b)の右側に示すように、そのような画面が表示されることなく、第1段階の演出の途中で強制的に次の演出(第2段階の演出)が実行される。
【0192】
次いで、残り1つの回転中のリール6に対応するリールストップボタン24(この例の場合、第3リールである右リール6cに対応する右リールストップボタン24c)が操作されると(タイミングt24)、対応するリール6の回転が停止して、表示演出として第3段階の演出が実行される。ここで、この例の場合、このゲームにおいて、内部当選状態の特別入賞が成立しなかったとする。
【0193】
この際も、遊技者によって、
図26(a)に示すように、第2段階の演出の終了後の時点(具体的には、画像表示装置3における表示が第2段階の演出の最終表示態様で停止している時点)でリールストップボタン24を操作する場合と、
図26(b)に示すように、第2段階の演出の終了前の時点でリールストップボタン24を操作する場合とがある。
第2段階の演出の終了時には、例えば、特別入賞に内部当選している可能性(信頼度)を報知するための演出が行われる。この例の場合、例えば、
図27(c)の左側に示すように、第2段階の演出の最終表示態様として、信頼度を報知等するための技やその名称(「スーパーパンチ」等)が出現する画面が表示されている。しかし、第2段階の演出の終了前の時点でリールストップボタン24が操作されると、
図27(c)の右側に示すように、そのような画面が表示されることなく、第2段階の演出の途中で強制的に次の演出(第3段階の演出)が実行される。
【0194】
前述したように、この例の場合、特別入賞が成立しなかったので、第3段階の演出として、例えば、プレイヤー側のキャラクタが敵のキャラクタに攻撃されて負ける敗北演出が実行される。具体的には、例えば、
図28(a)の左側に示すように、第3段階の演出の最終表示態様として、敵のキャラクタに負けたプレイヤー側のキャラクタが出現する画面が表示されている。しかし、第3段階の演出の終了前の時点で再びスタートレバー21が操作されると(タイミングt25)、
図28(a)の右側に示すように、そのような画面が表示されることなく、第3段階の演出の途中で強制的に次の演出(第4段階の演出)が実行される。ここで、この例の場合、第4段階の演出として、特別入賞に内部当選していることを報知するための復活演出が実行されるとする。
【0195】
第4段階の演出の終了後には、例えば、
図28(c)に示すように、特別入賞に内部当選していることを報知するための演出が行われる。しかし、
図26(b)に示すように第4段階の演出の終了前の時点でリールストップボタン24が操作されると(タイミングt26)、
図28(b)の右側に示すように、第4段階の演出の終了後の時点でリールストップボタン24が操作される場合(
図28(b)の左側参照)に比べ、第4段階の演出が短縮される。
このように、スロットマシン1では、遊技者によるリールストップボタン24やスタートレバー21の操作に対応して演出が進行する。すなわち、演出の内容に興味があり演出を楽しみながらゲームを消化したい遊技者等はリールストップボタン24やスタートレバー21をゆっくり操作し、演出の内容に興味がなくゲームを次々と消化したい遊技者等はリールストップボタン24やスタートレバー21をすばやく操作する。
【0196】
その際、本実施形態のスロットマシン1は、当該スロットマシン1における遊技の内容に関連する演出の進行態様に関する演出進行態様情報(具体的には、どのようなタイミングで演出を進行させているか等に関する情報)等に対応する所定の情報(本実施形態の場合、QRコード(登録商標))を付与するように構成されている。そして、遊技者が付与されたQRコードに基づいて当該遊技者の携帯端末2000によってサーバコンピュータ3000にアクセスすることで、スロットマシン1の演出進行態様情報等は、当該遊技者の遊技履歴としてサーバコンピュータ3000に保存される。
その後、遊技者が遊技機100等の他の遊技機で遊技する際に当該遊技者の携帯端末2000によってサーバコンピュータ3000にアクセスすることで、サーバコンピュータ3000は、当該遊技者の遊技履歴(演出進行態様情報等)を識別可能な識別情報(本実施形態の場合、パスワード)を付与する。そして、遊技者がサーバコンピュータ3000から得たパスワードを遊技機100等の他の遊技機に入力すると、当該他の遊技機は、スロットマシン1において当該遊技者が好む演出態様(演出の進行態様等)を判別して、その判別結果を自身(当該他の遊技機)の演出に反映させるように構成されている。
【0197】
スロットマシン1は、例えば、
図25に示すように、遊技履歴暫定保存手段1aと、演出進行分析手段1bと、QRコード発行手段1cと、サーバコンピュータ3000において付与されたパスワードを遊技者の操作によって入力可能な入力手段(図示省略)と、パスワード受付手段1dと、遊技履歴反映手段1eとを備えて構成されている。
ここで、本実施形態においては、スロットマシン1の演出制御装置70が、遊技履歴暫定保存手段1a、演出進行分析手段1b、QRコード発行手段1c、パスワード受付手段1d及び遊技履歴反映手段1eとして機能する。
【0198】
遊技履歴暫定保存手段1aは、遊技や演出の履歴に関する遊技履歴情報を一時的に保存する。
ここで、遊技履歴暫定保存手段1aに保存される遊技履歴情報は、例えば、当該スロットマシン1における特定演出(後述)の発生回数に関する特定演出発生回数情報や、当該スロットマシン1における演出キャンセル回数(後述)に関する演出キャンセル回数情報、当該スロットマシン1において特別入賞や各小役入賞が成立した回数に関する入賞回数情報等である。
【0199】
演出進行分析手段1bは、当該スロットマシン1における演出の進行態様を分析する。
QRコード発行手段1cは、遊技履歴暫定保存手段1aに保存されている遊技履歴情報や、演出進行分析手段1bによって分析された演出の進行態様に基づいてQRコードを発行(付与)する。
パスワード受付手段1dは、入力手段(図示省略)によって入力されたパスワードを受け付ける。
遊技履歴反映手段1eは、パスワード受付手段1dによって受け付けられたパスワードに基づいて、遊技機100等の他の遊技機における遊技履歴に対応する演出態様(演出の進行態様等)を判別し、その判別結果を当該スロットマシン1の演出に反映させる。
【0200】
また、遊技機100は、
図25に示すように、スロットマシン1と同様の手段を備えている。具体的には、遊技機100は、例えば、遊技履歴暫定保存手段100aと、演出進行分析手段100bと、QRコード発行手段100cと、サーバコンピュータ3000において付与されたパスワードを遊技者の操作によって入力可能な入力手段(図示省略)と、パスワード受付手段100dと、遊技履歴反映手段100eとを備えて構成されている。
ここで、本実施形態においては、遊技機100の演出制御装置1300(後述)が、遊技履歴暫定保存手段100a、演出進行分析手段100b、QRコード発行手段100c、パスワード受付手段100d及び遊技履歴反映手段100eとして機能する。
【0201】
遊技履歴暫定保存手段100aは、遊技や演出の履歴に関する遊技履歴情報を一時的に保存する。
ここで、遊技履歴暫定保存手段100aの保存される遊技履歴情報は、例えば、当該遊技機100におけるボタン操作演出(後述)の発生回数に関するボタン操作演出発生回数情報や、当該遊技機100におけるボタン操作(後述)の実行回数に関するボタン操作実行回数情報、当該遊技機100において大当りが発生した回数に関する大当り発生回数情報、当該遊技機100において始動記憶のオーバーフロー(後述)が発生した回数に関するオーバーフロー発生回数情報等である。
【0202】
演出進行分析手段100bは、当該遊技機100における演出の進行態様を分析する。
QRコード発行手段100cは、遊技履歴暫定保存手段100aに保存されている遊技履歴情報や、演出進行分析手段100bによって分析された演出の進行態様に基づいてQRコードを発行(付与)する。
パスワード受付手段100dは、入力手段(図示省略)によって入力されたパスワードを受け付ける。
遊技履歴反映手段100eは、パスワード受付手段100dによって受け付けられたパスワードに基づいて、スロットマシン1等の他の遊技機における遊技履歴に対応する演出態様(演出の進行態様等)を判別し、その判別結果を当該遊技機100の演出に反映させる。
【0203】
ここで、携帯端末2000を介したネットワークサービスの流れの一例について説明する。
まず、スロットマシン1において遊技者が好む演出態様を、遊技機100での演出に反映させる場合について説明する。
遊技者は、例えば、スロットマシン1での遊技が終了すると、スロットマシン1の操作ボタン30等を操作する。それに応じて、スロットマシン1のQRコード発行手段1cは、当該スロットマシン1における遊技履歴(具体的には、例えば、遊技履歴暫定保存手段1aに保存されている遊技履歴情報や、演出進行分析手段1bによって分析された演出の進行態様)に基づいてQRコードを付与して、スロットマシン1の画像表示装置3等に表示する。
【0204】
次いで、遊技者は、当該遊技者の携帯端末2000のQRコード撮影手段2000aによって、画像表示装置3等に表示されているQRコードを撮影する。それに応じて、携帯端末2000のサーバアクセス手段2000bは、撮影されたQRコードに基づいてサーバコンピュータ3000にアクセスする。これにより、スロットマシン1における当該遊技者の遊技履歴に関する遊技履歴情報が、当該遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともにサーバコンピュータ3000の遊技履歴保存手段3000aに保存される。
【0205】
そして、遊技者は、遊技機100で遊技する場合、遊技の前に当該遊技者の携帯端末2000によってサーバコンピュータ3000にアクセスしてパスワードを付与するよう指示する。それに応じて、サーバコンピュータ3000のパスワード発行手段3000bは、当該遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともに保存されている遊技履歴情報を遊技履歴保存手段3000aから取得し、取得した遊技履歴情報に基づく遊技履歴を識別するためのパスワードを発行(付与)して当該携帯端末2000に送信する。これにより、当該パスワードが、携帯端末2000のパスワード受信手段2000cによって受信されて、携帯端末2000の表示装置(図示省略)に表示される。
【0206】
次いで、遊技者が当該遊技者の携帯端末2000において表示されているパスワードを遊技機100の入力手段(図示省略)を操作して入力すると、遊技機100のパスワード受付手段100dは、入力されたパスワードを受け付ける。それに応じて、遊技機100の遊技履歴反映手段100eは、当該パスワードに基づいて、スロットマシン1等の他の遊技機における遊技履歴に対応する演出態様(演出の進行態様等)を判別し、その判別結果を当該遊技機100の演出に反映させる。これにより、当該遊技機100の演出に、スロットマシン1等の他の遊技機において当該遊技者が好む演出態様(演出の進行態様等)が反映される。
【0207】
なお、サーバコンピュータ3000の遊技履歴保存手段3000aには、遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともに、スロットマシン1等の他の遊技機における遊技履歴に関する遊技履歴情報だけでなく、当該遊技機100(当該遊技機100と同一機種のパチンコ遊技機等も含む)における遊技履歴に関する遊技履歴情報も保存されているので、入力されたパスワードに基づいて、当該遊技機100における遊技履歴に対応する演出態様や遊技態様も判別して、判別した態様を当該遊技機100の演出や遊技に反映させることも可能である。
【0208】
次に、遊技機100において遊技者が好む演出態様を、スロットマシン1での演出に反映させる場合について説明する。
遊技者は、例えば、遊技機100での遊技が終了すると、遊技機100の演出ボタン125(後述)等を操作する。それに応じて、遊技機100のQRコード発行手段100cは、当該遊技機100における遊技履歴(具体的には、例えば、遊技履歴暫定保存手段100aに保存されている遊技履歴情報や、演出進行分析手段100bにより分析された演出の進行態様)に基づいてQRコードを付与して、遊技機100の表示装置141(後述)等に表示する。
【0209】
次いで、遊技者は、当該遊技者の携帯端末2000のQRコード撮影手段2000aによって、表示装置141等に表示されているQRコードを撮影する。それに応じて、携帯端末2000のサーバアクセス手段2000bは、撮影されたQRコードに基づいてサーバコンピュータ3000にアクセスする。これにより、遊技機100における当該遊技者の遊技履歴に関する遊技履歴情報が、当該遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともにサーバコンピュータ3000の遊技履歴保存手段3000aに保存される。
【0210】
そして、遊技者は、スロットマシン1で遊技する場合、遊技の前に当該遊技者の携帯端末2000によってサーバコンピュータ3000にアクセスしてパスワードを付与するよう指示する。それに応じて、サーバコンピュータ3000のパスワード発行手段3000bは、当該遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともに保存されている遊技履歴情報を遊技履歴保存手段3000aから取得し、取得した遊技履歴情報に基づく遊技履歴を識別するためのパスワードを発行(付与)して当該携帯端末2000に送信する。これにより、当該パスワードが、携帯端末2000のパスワード受信手段2000cによって受信されて、携帯端末2000の表示装置(図示省略)に表示される。
【0211】
次いで、遊技者が当該遊技者の携帯端末2000において表示されているパスワードをスロットマシン1の入力手段(図示省略)を操作して入力すると、スロットマシン1のパスワード受付手段1dは、入力されたパスワードを受け付ける。それに応じて、スロットマシン1の遊技履歴反映手段1eは、当該パスワードに基づいて、遊技機100等の他の遊技機における遊技履歴に対応する演出態様(演出の進行態様等)を判別し、その判別結果を当該スロットマシン1の演出に反映させる。これにより、当該スロットマシン1の演出に、遊技機100等の他の遊技機において当該遊技者が好む演出態様(演出の進行態様等)が反映される。
【0212】
なお、サーバコンピュータ3000の遊技履歴保存手段3000aには、遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともに、遊技機100等の他の遊技機における遊技履歴に関する遊技履歴情報だけでなく、当該スロットマシン1(当該スロットマシン1と同一機種のスロットマシン等も含む)における遊技履歴に関する遊技履歴情報も保存されているので、入力されたパスワードに基づいて、当該スロットマシン1における遊技履歴に対応する演出態様や遊技態様も判別して、判別した態様を当該スロットマシン1の演出や遊技に反映させることも可能である。
【0213】
また、遊技者が、当該遊技者の携帯端末2000によってサーバコンピュータ3000にアクセスして、当該遊技者の遊技履歴を公開するよう指示すると、それに応じて、サーバコンピュータ3000の遊技履歴公開手段3000cは、当該遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともに保存されている遊技履歴情報を遊技履歴保存手段3000aから取得して当該携帯端末2000に送信する。そして、サーバコンピュータ3000から送信された遊技履歴情報を携帯端末2000が受信すると、携帯端末2000の遊技履歴閲覧手段2000dは、当該遊技履歴情報に基づく遊技履歴を携帯端末2000の表示手段(図示省略)に表示する。
【0214】
さらに、遊技者が、当該遊技者の携帯端末2000によってサーバコンピュータ3000にアクセスして、スロットマシン1や遊技機100と連動した携帯コンテンツ(例えば、待ち受け画面)等の特典を付与するよう指示すると、それに応じて、サーバコンピュータ3000の特典付与手段3000dは、当該遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともに保存されている遊技履歴情報を遊技履歴保存手段3000aから取得し、取得した遊技履歴情報に基づく遊技履歴に対応する特典を付与して当該携帯端末2000に送信する。そして、サーバコンピュータ3000から送信された特典を携帯端末2000が受信すると、携帯端末2000の特典保存手段2000eは、当該特典を保存する。
【0215】
〔演出制御処理〕
第3実施形態のスロットマシン1は、
図16に示した演出制御処理に替えて、
図29に示す演出制御処理を行う。
この演出制御処理では、閲覧に供する履歴情報を生成して記憶する履歴情報記憶処理(ステップS107)を実行した後、当該スロットマシン1における演出の進行態様を分析する演出進行分析処理(ステップS201)、携帯端末2000を介したネットワークサービスを受けるための連動サービス制御処理(ステップS202)を実行し、その後、停電が発生したか否かを判定する(ステップS108)。
【0216】
〔演出進行分析処理〕
次に、前述の演出制御処理(
図29)における演出進行分析処理(ステップS201)について説明する。
図30は、演出進行分析処理の一例を示すフローチャートである。
【0217】
演出進行分析処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、演出進行分析手段1bとして機能する。そして、まず、1ゲームが終了したか否かを判定する(ステップS211)。
ステップS211で、1ゲームが終了していないと判定した場合(ステップS211;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップS211で、1ゲームが終了したと判定した場合(ステップS211;Y)には、当該1ゲームで特定演出が発生したか否かを判定する(ステップS212)。ここで、特定演出とは、例えば
図27及び
図28に示したような、プレイヤー側のキャラクタと敵のキャラクタとが対決して最終的に勝敗を決するようなストーリー性のあるバトル演出等の遊技者を煽る演出等のことである。
【0218】
ステップS212で、当該1ゲームで特定演出が発生していないと判定した場合(ステップS212;N)には、ステップS222の処理に移行する。
一方、ステップS212で、当該1ゲームで特定演出が発生したと判定した場合(ステップS212;Y)には、今回発生した特定演出における演出進行情報を遊技履歴暫定保存手段1aに記憶させる(ステップS213)。ここで、特定演出における演出進行情報とは、演出(例えば、
図26に示す導入演出や第1〜第4段階の演出等)の途中でリールストップボタン24やスタートレバー21が操作された回数(以下「演出キャンセル回数」と称する。)に関する情報等のことである。
【0219】
次いで、遊技履歴暫定保存手段1aに記憶されている特定演出の発生回数に関する特定演出発生回数情報を更新して(ステップS214)、更新後の特定演出発生回数情報に基づく特定演出の発生回数が所定回数(例えば、10回)に到達したか否かを判定する(ステップS215)。なお、遊技履歴暫定保存手段1aに記憶されている特定演出発生回数情報は、スロットマシン1の電源が遮断された時点やQRコードが付与された時点でクリアされる。
ステップS215で、特定演出の発生回数が所定回数に到達していないと判定した場合(ステップS215;N)には、ステップS222の処理に移行する。
一方、ステップS215で、特定演出の発生回数が所定回数に到達したと判定した場合(ステップS215;Y)、すなわち、特定演出の発生回数が所定回数以上である場合には、遊技履歴暫定保存手段1aに累積された特定演出における演出進行情報を確認して(ステップS216)、演出キャンセル回数を確認する(ステップS217)。
【0220】
次いで、特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合(例えば、6割)以上であるか否かを判定する(ステップS218)。
ステップS218で、特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合以上でないと判定した場合(ステップS218;N)、すなわち、演出キャンセル回数が比較的少ない場合には、演出傾向1(後述)と判定して(ステップS219)、判定した演出傾向(この場合、演出傾向1)に対応するQRコード設定情報を設定する(ステップS221)。これにより、QRコード発行手段1cがQRコードを付与する際に、演出傾向1に対応するQRコードが付与される。
【0221】
一方、ステップS218で、特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合以上であると判定した場合(ステップS218;Y)、すなわち、演出キャンセル回数が比較的多い場合には、演出傾向2(後述)と判定して(ステップS220)、判定した演出傾向(この場合、演出傾向2)に対応するQRコード設定情報を設定する(ステップS221)。これにより、QRコード発行手段1cがQRコードを付与する際に、演出傾向2に対応するQRコードが付与される。
【0222】
次いで、当該1ゲームがボーナスフラグの成立中に実行されたゲームであるか否かを判定する(ステップS222)。
ステップS222で、当該1ゲームがボーナスフラグの成立中に実行されたゲームでないと判定した場合(ステップS222;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップS222で、当該1ゲームがボーナスフラグの成立中に実行されたゲームであると判定した場合(ステップS222;Y)には、当該1ゲームがベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームであるか否かを判定する(ステップS223)。
【0223】
ステップS223で、当該1ゲームがベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでないと判定した場合(ステップS223;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップS223で、当該1ゲームがベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームであると判定した場合(ステップS223;Y)には、当該1ゲームでチェリー入賞が成立したか否かを判定する(ステップS224)。
ここで、前述したように、スロットマシン1は、ベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームにおいて、特別入賞に内部当選しているボーナスフラグ成立時であれば、左リール6aの図柄番号3、6、11、18、20の図柄(
図3の点線で囲った5個の図柄)のうちの何れかが左リール6aの中段に停止するタイミングで停止操作された場合には4コマの引き込み停止制御により「ベル」を左リール6aの上段、中段又は下段で停止させてベル入賞を成立させ、それ以外の16個の図柄のうちの何れかが左リール6aの中段に停止するタイミングで停止操作された場合には4コマの引き込み停止制御により「チェリー」を左リール6aの上段、中段又は下段で停止させてチェリー入賞を成立させるように構成されている(ただし、左リール6a以外のリールから停止操作した場合には、ベル入賞やチェリー入賞を取りこぼす場合あり)。したがって、当該1ゲームでチェリー入賞が成立したということは、左リール6aの図柄番号3、6、11、18、20の図柄以外の図柄のうちの何れかが中段に停止するタイミングで確実に停止操作されたということである。すなわち、当該1ゲームでチェリー入賞が成立したということは、ベル入賞も成立可能であるのに確実にチェリー入賞を成立させたということなので、当該1ゲームでチェリー入賞が成立した場合、当該スロットマシン1で遊技中の遊技者は上級者であると判断する。
【0224】
ステップS224で、当該1ゲームでチェリー入賞が成立していないと判定した場合(ステップS224;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップS224で、当該1ゲームでチェリー入賞が成立したと判定した場合(ステップS224;Y)には、遊技履歴暫定保存手段1aに記憶されているチェリー優先時のチェリー入賞回数に関するチェリー優先時チェリー入賞回数情報を更新して(ステップS225)、更新後のチェリー優先時チェリー入賞回数情報に基づくチェリー優先時のチェリー入賞回数が所定回数(例えば、10回)に到達したか否かを判定する(ステップS226)。なお、遊技履歴暫定保存手段1aに記憶されているチェリー優先時チェリー入賞回数情報は、スロットマシン1の電源が遮断された時点やQRコードが付与された時点でクリアされる。ここで、チェリー優先時のチェリー入賞回数とは、チェリー入賞を優先して成立させるリール制御が実行される時(すなわち、本実施形態の場合、ボーナスフラグ成立時にベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームの時)に、チェリー入賞が成立した回数のことである。
【0225】
ステップS226で、チェリー優先時のチェリー入賞回数が所定回数に到達していないと判定した場合(ステップS226;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップS226で、チェリー優先時のチェリー入賞回数が所定回数に到達したと判定した場合(ステップS226;Y)、すなわち、チェリー優先時のチェリー入賞回数が所定回数以上である場合には、QRコード設定情報として上級者情報(後述)を設定して(ステップS227)、当該演出進行分析処理を終了する。これにより、QRコード発行手段1cがQRコードを付与する際に、上級者情報に対応するQRコードが付与される。
【0226】
なお、本実施形態では、特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合以上でない場合に演出傾向1と判定し、所定割合以上である場合に演出傾向2と判定するように構成したが、演出傾向1及び演出傾向2の判定の仕方は、適宜任意に変更可能である。
例えば、第3段階の演出(
図26参照)とスタートレバー21の操作タイミングとの関係に応じて、具体的には、例えば、第3段階の演出の終了前ではなく第3段階の演出の終了後にスタートレバー21が操作されたか否かや、第3段階の演出の終了後にスタートレバー21が操作された場合には当該第3段階の演出の終了からスタートレバー21が操作されるまでの時間等に応じて、演出傾向1及び演出傾向2を判定するように構成することも可能である。
【0227】
また、本実施形態では、ボーナスフラグ成立時にベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでチェリー入賞に成立した場合に、遊技者を上級者と判定したが、上級者の判定の仕方は適宜任意に変更可能である。
例えば、ボーナスフラグ成立時にベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでベル入賞に成立した場合に、遊技者を上級者と判定することも可能である。ボーナスフラグ成立時にベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでベル入賞が成立したということは、左リール6aの図柄番号3、6、11、18、20の5つの図柄のうちの何れかが中段に停止するタイミングで確実に停止操作されたということである。すなわち、ボーナスフラグ成立時にベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでベル入賞が成立したということは、成立し難いベル入賞を確実に成立させたということなので、この場合に、当該スロットマシン1で遊技中の遊技者は上級者であると判断することも可能である。
また、本実施形態のスロットマシン1は、左リール6aから停止操作(いわゆる順押し又は挟み押し)を行った場合には取りこぼしが生じない機種であるが、左リール6aから停止操作を行った場合であっても取りこぼしが生じる機種であれば、取りこぼしの少ない遊技者を上級者と判定することも可能である。
【0228】
〔連動サービス制御処理〕
次に、前述の演出制御処理(
図29)における連動サービス制御処理(ステップS202)について説明する。
図31は、連動サービス制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0229】
連動サービス制御処理が開始されると、演出制御装置70のCPU70aは、まず、パスワード受付手段1dとして機能する。そして、遊技者がスロットマシン1の操作ボタン30や入力手段(図示省略)等を操作して、連動サービス設定操作を実行しているか否かを判定する(ステップS231)。なお、この連動サービス設定操作は、スロットマシン1が客待ち中である際に実行可能である。
【0230】
ステップS231で、連動サービス設定操作を実行していないと判定した場合(ステップS231;N)には、当該連動サービス制御処理を終了する。
一方、ステップS231で、連動サービス設定操作を実行していると判定した場合(ステップS231;Y)には、遊技者がスロットマシン1の入力手段(図示省略)を操作して、パスワード入力操作を実行しているか否かを判定する(ステップS232)。
【0231】
ステップS232で、パスワード入力操作を実行していないと判定した場合(ステップS232;N)には、ステップS237の処理に移行する。
一方、ステップS232で、パスワード入力操作を実行していると判定した場合(ステップS232;Y)には、遊技者がスロットマシン1の入力手段(図示省略)等を操作して、パスワードの入力を確定したか否かを判定する(ステップS233)。
【0232】
ステップS233で、パスワードの入力を確定していないと判定した場合(ステップS233;N)には、ステップS237の処理に移行する。
一方、ステップS233で、パスワードの入力を確定したと判定した場合(ステップS233;Y)には、入力されたパスワードが有効なパスワードであるか否かを判定する(ステップS234)。
【0233】
ステップS234で、入力されたパスワードが有効なパスワードでないと判定した場合(ステップS234;N)には、ステップS237の処理に移行する。
一方、ステップS234で、入力されたパスワードが有効なパスワードであると判定した場合(ステップS234;Y)には、演出制御装置70のCPU70aは、連動サービスにログインし、遊技履歴反映手段1eとして機能する。そして、入力されたパスワードに対応する遊技データが当該スロットマシン1の演出等に反映されるよう設定し(ステップS235)、入力されたパスワードに対応する演出パターンが当該スロットマシン1の演出等に反映されるよう設定する(ステップS236)。
【0234】
なお、本実施形態では、パスワードとそれに対応する遊技データやパスワードとそれに対応する演出パターンが、予めスロットマシン1に記憶されており、記憶されている遊技データや演出パターンの中から、入力されたパスワードに対応する遊技データや演出パターンを取得して演出に反映させるように構成されていることとするが、入力されたパスワードに対応する遊技データや演出パターンの取得の仕方は適宜任意に変更可能である。例えば、遊技機100等の他の遊技機における遊技データや演出パターンを、入力されたパスワードに基づいて当該他の遊技機から取得して(すなわち、入力されたパスワードに基づき当該他の遊技機との間で通信を行って、当該入力されたパスワードに対応する他の遊技機における遊技データや演出パターンを当該他の遊技機から受信して)、演出等に反映させるように構成することも可能である。
これにより、入力されたパスワードに基づいて、遊技機100等の他の遊技機において当該遊技者が好む演出態様(演出の進行態様等)等が判別され、その判別結果が当該スロットマシン1の演出に反映される。
【0235】
次いで、連動サービスにログイン中であるか否かを判定する(ステップS237)。
ステップS237で、連動サービスにログイン中でないと判定した場合(ステップS237;N)には、当該連動サービス制御処理を終了する。
一方、ステップS237で、連動サービスにログイン中であると判定した場合(ステップS237;Y)には、演出制御装置70のCPU70aは、QRコード発行手段1cとして機能する。そして、遊技者が当該スロットマシン1の操作ボタン30や入力手段(図示省略)等を操作してQRコードの付与を要求しているか否かを判定する(ステップS238)。
【0236】
ステップS238で、QRコードの付与を要求していないと判定した場合(ステップS238;N)には、当該連動サービス制御処理を終了する。
一方、ステップS238で、QRコードの付与を要求していると判定した場合(ステップS238;Y)には、演出進行分析処理(
図30)のステップS221やステップS227等で設定されたQRコード設定情報を確認し(ステップS239)、QRコード設定情報に対応するQRコードを生成して、画像表示装置3に表示する(ステップS240)。ここで、複数のQRコード設定情報が設定されている場合には、設定されているQRコード設定情報すべてに対応するQRコードを生成する。
次いで、ログイン中に更新した各種情報(特定演出発生回数情報やチェリー優先時チェリー入賞回数情報等)をクリアして(ステップS241)、当該連動サービス制御処理を終了する。
【0237】
<遊技機>
次に、本発明の遊技機を図面に基づいて説明する。
図32は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0238】
本実施形態の遊技機100は前面枠112を備え、該前面枠112は本体枠(外枠)111にヒンジ113を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤130(
図33参照)は前面枠112の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)112には、遊技盤130の前面を覆うカバーガラス(透明部材)114を備えたガラス枠115が開閉可能に取り付けられている。
【0239】
また、ガラス枠115の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)116や払出異常報知用のランプ(LED)117が設けられている。また、ガラス枠115の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置118や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)119aが設けられている。さらに、前面枠112の下部にもスピーカ(下スピーカ)119bが設けられている。
【0240】
また、前面枠112の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿121、遊技機100の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口122、上皿121が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿123、打球発射装置の操作部124等が設けられている。さらに、上皿121の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン125が設けられている。さらに、前面枠112下部右側には、前面枠112を開放したり施錠したりするための鍵126が設けられている。
【0241】
本実施形態の遊技機100においては、遊技者が上記操作部124を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿121から供給される遊技球を遊技盤130前面の遊技領域132(
図33参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン125を操作することによって、表示装置141(
図33参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿121上方のガラス枠115の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン127、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン128、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0242】
次に、
図33を用いて遊技盤130の一例について説明する。
図33は、本実施形態の遊技盤130の正面図である。
【0243】
遊技盤130の表面には、ガイドレール131で囲われた略円形状の遊技領域132が形成されている。遊技領域132は、遊技盤130の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース133及びガイドレール131に囲繞されて構成される。遊技領域132には、ほぼ中央に表示装置141を備えたセンターケース140が配置されている。表示装置141は、センターケース140に設けられた凹部に、当該センターケース140の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース140は表示装置141の表示領域の周囲を囲い、表示装置141の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0244】
表示装置141は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別図柄(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置141の表示画面においては、識別図柄として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0245】
遊技領域132のセンターケース140の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)134が設けられている。センターケース140の左下側には、三つの一般入賞口135が配置され、センターケース140の右下側には、一つの一般入賞口135が配置されている。
これら一般入賞口135、…には、各一般入賞口135に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ135a〜135n(
図34参照)が配設されている。
【0246】
また、センターケース140の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口136(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材137b,137bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)137が配設されている。
【0247】
普通変動入賞装置137の一対の可動部材137b,137bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置137の上方には、始動入賞口136が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド137c(
図34参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置137に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0248】
また、普通変動入賞装置137の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)138が配設されている。
【0249】
特別変動入賞装置138は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉138cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
すなわち、特別変動入賞装置138は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド138b(
図34参照)により駆動される開閉扉138cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ138a(
図34参照)が配設されている。
特別変動入賞装置138の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口139が設けられている。
【0250】
また、遊技領域132の外側(例えば、遊技盤130の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート134への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置150が設けられている。
【0251】
一括表示装置150は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)151及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)152を備える。
また、一括表示装置150には、図示は省略するが、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された特
図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特
図1保留表示器及び特
図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特
図2保留表示器と、同じくLEDランプで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器と、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機100の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置138の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
【0252】
特
図1表示器151と特
図2表示器152における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置141において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0253】
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0254】
特
図1保留表示器は、特
図1表示器151の変動開始条件となる始動入賞口136への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特
図2保留表示器は、特
図2表示器152の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置137)の始動記憶数(=保留数)を、特
図1保留表示器と同様にして表示する。
【0255】
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート134の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
【0256】
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
【0257】
高確率報知器は、例えば遊技機100の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機100の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
【0258】
ラウンド数表示器は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0259】
本実施形態の遊技機100では、打球発射装置から遊技領域132に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域132内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域132を流下し、普図始動ゲート134、一般入賞口135、始動入賞口136、普通変動入賞装置137又は特別変動入賞装置138に入賞するか、遊技領域132の最下部に設けられたアウト口139へ流入し遊技領域132から排出される。そして、一般入賞口135、始動入賞口136、普通変動入賞装置137又は特別変動入賞装置138に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置1200(
図34参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠112の上皿121又は下皿123に排出される。
【0260】
一方、普図始動ゲート134内には、該普図始動ゲート134を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ134a(
図34参照)が設けられており、遊技領域132内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート134内を通過すると、ゲートスイッチ134aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置137が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート134を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置150の普図保留表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0261】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置150に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別図柄(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別図柄の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別図柄として例えば数字、記号、キャラクタ図柄等を用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置137の一対の可動部材137bが所定時間(例えば、普図低確率状態ならば0.3秒間、普図高確率状態ならば0.8秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置137の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0262】
普図始動ゲート134への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置137は、内蔵されている普電ソレノイド137c(
図34参照)が駆動されることにより、可動部材137bが所定の時間(例えば、普図低確率状態ならば0.3秒間、普図高確率状態ならば0.8秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0263】
始動入賞口136への入賞球及び普通変動入賞装置137への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aによって検出される。始動入賞口136へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置137へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置1100(
図34参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置150の始動入賞数報知用の特
図1保留表示器、特
図2保留表示器に表示されるとともに、センターケース140の表示装置141においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0264】
遊技制御装置1100は、始動入賞口136若しくは普通変動入賞装置137への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特
図1表示器151又は特
図2表示器152で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置141にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0265】
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器151若しくは特
図2表示器152の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置141の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
すなわち、遊技制御装置1100は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段をなす。
【0266】
表示装置141における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別図柄)を、左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別図柄により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置141では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
すなわち、演出制御装置1300は、変動表示ゲームの進行に関連して変動表示される補助図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御する補助図柄制御手段をなす。
そして、補助図柄制御手段(演出制御装置1300)は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となる場合に、補助図柄(飾り特別図柄)を当該特別表示結果(特別結果)と対応する特別態様(特別結果態様)に制御するように構成されている。
【0267】
なお、特
図1表示器151、特
図2表示器152は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置141も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機100に特
図1表示器151、特
図2表示器152を備えずに、表示装置141のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0268】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口136(若しくは、普通変動入賞装置137)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口136(若しくは、普通変動入賞装置137)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0269】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口136内の始動口1スイッチ136a、普通変動入賞装置137内の始動口2スイッチ137a、ゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機100のガラス枠115等に設けられた前枠開放検出スイッチ163や前面枠(遊技枠)112等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ164には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0270】
図34は、本実施形態の遊技機100の制御システムのブロック図である。
遊技機100は遊技制御装置1100を備え、遊技制御装置1100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)1111を有するCPU部1110と、入力ポートを有する入力部1120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部1130と、CPU部1110と入力部1120と出力部1130との間を接続するデータバス1140などからなる。
【0271】
上記CPU部1110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)1111と、入力部1120内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(近接I/F)1121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン1111に入力させるインバータなどからなる反転回路1112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)1113などを有する。遊技制御装置1100及び該遊技制御装置1100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置1400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0272】
電源装置1400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部1410と、遊技用マイコン1111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部1420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置1100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部1430などを備える。
【0273】
本実施形態では、電源装置1400は、遊技制御装置1100と別個に構成されているが、バックアップ電源部1420及び制御信号生成部1430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置1100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤130及び遊技制御装置1100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置1400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部1420及び制御信号生成部1430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0274】
上記バックアップ電源部1420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部1430は、例えば通常電源部1410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0275】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン1111内のRAM1111C及び払出制御装置1200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン1111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0276】
遊技用マイコン1111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)1111Aと、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)1111Bと、随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)1111Cとを備える。
【0277】
ROM1111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM1111Cは、遊技制御時にCPU1111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM1111B又はRAM1111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0278】
また、ROM1111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間(変動表示時間)、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU1111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0279】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機100において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0280】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別図柄を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別図柄)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別図柄となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0281】
CPU1111Aは、ROM1111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置1200や演出制御装置1300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置141の駆動信号を生成して出力して遊技機100全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン1111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間(変動表示時間)等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路1113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU1111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
すなわち、遊技制御装置1100は、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの変動表示時間を決定する遊技制御手段をなす。
【0282】
また、CPU1111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理や特図普段処理にて、ROM1111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU1111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置137の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0283】
払出制御装置1200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置1100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置1200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置1200は、カードユニットと電気的に接続されていることを条件に打球発射装置を制御する発射制御装置1201に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
【0284】
遊技用マイコン1111の入力部1120には、始動入賞口136内の始動口1スイッチ136a、普通変動入賞装置137内の始動口2スイッチ137a、普図始動ゲート134内のゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aが近接I/F1121を介して接続される。近接I/F1121は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。近接I/F1121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0285】
近接I/F1121の出力はすべて第2入力ポート1122へ供給されデータバス1140を介して遊技用マイコン1111に読み込まれるとともに、主基板1100から中継基板170を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F1121の出力のうち始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aの検出信号は、第2入力ポート1122の他、反転回路1112を介して遊技用マイコン1111へ入力されるように構成されている。反転回路1112を設けているのは、遊技用マイコン1111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0286】
従って、始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路1112を設けずに直接遊技用マイコン1111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ136aと始動口2スイッチ137aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン1111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F1121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F1121には、電源装置1400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0287】
また、入力部1120には、遊技機100の前面枠112等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ161及び振動センサスイッチ162からの信号及び上記近接I/F1121により変換された始動入賞口136内の始動口1スイッチ136a、普通変動入賞装置137内の始動口2スイッチ137a、ゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aからの信号を取り込んでデータバス1140を介して遊技用マイコン1111に供給する第2入力ポート1122が設けられている。第2入力ポート1122が保持しているデータは、遊技用マイコン1111が第2入力ポート1122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0288】
さらに、入力部1120には、遊技機100のガラス枠115等に設けられた前枠開放検出スイッチ163及び前面枠(遊技枠)112等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ164からの信号及び払出制御装置1200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス1140を介して遊技用マイコン1111に供給する第1入力ポート1123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿123に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0289】
また、入力部1120には、電源装置1400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン1111等に入力するためのシュミットトリガ回路1124が設けられており、シュミットトリガ回路1124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置1400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート1123に入力され、データバス1140を介して遊技用マイコン1111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン1111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0290】
一方、シュミットトリガ回路1124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン1111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部1130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部1130を介さずに直接中継基板170に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板170のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板170を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部1120の各ポート1122,1123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン1111によって出力部1130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部1120の各ポートから遊技用マイコン1111が読み込んだデータは、遊技用マイコン1111のリセットによって廃棄されるためである。
【0291】
出力部1130は、データバス1140に接続され払出制御装置1200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置1300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート1131と、演出制御装置1300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート1132とを備える。遊技制御装置1100から払出制御装置1200及び演出制御装置1300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部1130には、演出制御装置1300の側から遊技制御装置1100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート1131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート1132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ1133が設けられている。なお、第1出力ポート1131から払出制御装置1200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。また、第1出力ポート1131においては、該第1出力ポート1131から払出制御装置1200へ出力する信号線の本数を増やすことが可能となっている。
【0292】
さらに、出力部1130には、データバス1140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板170を介して出力するバッファ1134が実装可能に構成されている。このバッファ1134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F1121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ1134を通さずに中継基板170を介して試射試験装置へ供給される。
【0293】
一方、磁気センサスイッチ161や振動センサスイッチ162のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン1111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス1140からバッファ1134、中継基板170を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板170には、上記バッファ1134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板170上のポートには、遊技用マイコン1111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0294】
また、出力部1130には、データバス1140に接続され特別変動入賞装置138を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)138bや普通変動入賞装置137の可動部材137bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)137cの開閉データと、一括表示装置150のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート1135、一括表示装置150に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート1136、大当り情報など遊技機100に関する情報を外部情報端子171へ出力するための第5出力ポート1137が設けられている。外部情報端子171から出力された遊技機100に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0295】
さらに、出力部1130には、第3出力ポート1135から出力される大入賞口ソレノイド138bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド137cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)1138a、第3出力ポート1135から出力される一括表示装置150の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ1138b、第4出力ポート1136から出力される一括表示装置150の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ1138c、第5出力ポート1137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子171へ出力する第4ドライバ1138dが設けられている。
【0296】
上記第1ドライバ1138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置1400から供給される。また、一括表示装置150のセグメント線を駆動する第3ドライバ1138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ1138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ1138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ1138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子171へ出力する第4ドライバ1138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ1134や第3出力ポート1135、第1ドライバ1138a等は、遊技制御装置1100の出力部1130、すなわち、主基板ではなく、中継基板170側に設けるようにしてもよい。
【0297】
さらに、出力部1130には、外部の検査装置1500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ1139が設けられている。フォトカプラ1139は、遊技用マイコン1111が検査装置1500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン1111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート1122,1123のようなポートは設けられていない。
【0298】
次に、
図35を用いて、演出制御装置1300の構成について説明する。
演出制御装置1300は、遊技用マイコン1111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)1311と、該1stCPU1311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)1312と、該2ndCPU1312からのコマンドやデータに従って表示装置141への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)1313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ119a,119bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI1314を備えている。
【0299】
上記主制御用マイコン(1stCPU)1311と映像制御用マイコン(2ndCPU)1312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM1321,1322がそれぞれ接続され、VDP1313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM1323が接続され、音源LSI1314には音声データが記憶された音声ROM1324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)1311は、遊技用マイコン1111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン1312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI1314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)1311と映像制御用マイコン(2ndCPU)1312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
すなわち、演出制御装置1300は、遊技制御手段(遊技制御装置1100)が決定した変動表示時間に基づき、変動表示ゲームにおける演出を制御する演出制御手段をなす。
【0300】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)1311と映像制御用マイコン(2ndCPU)1312との間、主制御用マイコン(1stCPU)1311と音源LSI1314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)1312との間、主制御用マイコン(1stCPU)1311とVDP1313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP1313には、画像ROM1323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)1313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ1313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置141へ送信する映像信号を生成する信号変換回路1313cなどが設けられている。
【0301】
VDP1313から主制御用マイコン1311へは表示装置141の映像と前面枠112や遊技盤130に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP1313から映像制御用マイコン1312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン1312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン1312から主制御用マイコン1311へは、映像制御用マイコン1312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン1311と音源LSI1314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0302】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)1312には、主制御用マイコン(1stCPU)1311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)1311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)1312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)1311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置141に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)1312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0303】
また、演出制御装置1300には、遊技制御装置1100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)1331が設けられている。このコマンドI/F1331を介して、遊技制御装置1100から演出制御装置1300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、エラー指定コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、及び始動口入賞演出コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111はDC5Vで動作し、演出制御装置1300の主制御用マイコン(1stCPU)1311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F1331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0304】
また、演出制御装置1300には、遊技盤130(センターケース140を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置142を駆動制御する盤装飾LED制御回路1332、前面枠112に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置118等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路1333、遊技盤130(センターケース140を含む)に設けられている盤演出装置144(例えば表示装置141における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路1334、前面枠112に設けられている枠演出装置145(例えば前記ムービングライト116を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路1335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路1332〜1335は、アドレス/データバス1340を介して主制御用マイコン(1stCPU)1311と接続されている。
【0305】
さらに、演出制御装置1300には、前面枠112に設けられた演出ボタン125に内蔵されているスイッチ125aや上記盤演出装置144内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)1311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路1336、前面枠112に設けられた上スピーカ119aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路1337a、前面枠112に設けられた下スピーカ119bを駆動するアンプ回路1337bが設けられている。
【0306】
電源装置1400の通常電源部1410は、上記のような構成を有する演出制御装置1300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置141を駆動するためのDC12V、コマンドI/F1331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)1311や映像制御用マイコン(2ndCPU)1312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置1300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部1410に設けるようにしてもよい。
【0307】
電源装置1400の制御信号生成部1430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン1311、映像制御用マイコン1312、VDP1313、音源LSI1314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路1332〜1335、スピーカを駆動するアンプ回路1337a,1337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、本実施形態においては、映像制御用マイコン1312の有する汎用のポートを利用して、VDP1313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン1312とVDP1313の動作の連携性を向上させることができる。
【0308】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111のCPU1111Aでは、普図始動ゲート134に備えられたゲートスイッチ134aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM1111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド137cを動作させ、普通変動入賞装置137の可動部材137b,137bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0309】
また、始動入賞口136に備えられた始動口1スイッチ136aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM1111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置137に備えられた始動口2スイッチ137aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM1111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
【0310】
そして、遊技制御装置1100のCPU1111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置1300に出力する。そして、特
図1表示器151や特
図2表示器152に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置1300では、遊技制御装置1100からの制御信号に基づき、表示装置141で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置1300では、遊技制御装置1100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定、スピーカ119a,119bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0311】
そして、遊技制御装置1100のCPU1111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特
図1表示器151や特
図2表示器152に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU1111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド138bにより特別変動入賞装置138の開閉扉138cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器151や特
図2表示器152にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0312】
また、遊技制御装置1100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。
この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0313】
また、遊技制御装置1100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置137を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置137が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置137の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
【0314】
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000ミリ秒が600ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604ミリ秒が704ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置137が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、300ミリ秒が800ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置137の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。
【0315】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置137を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。
また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
【0316】
次に、上記遊技制御装置1100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)1111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン1111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に
図36及び
図37参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば、4ミリ秒)で行われるタイマ割込み処理(
図38参照)とからなる。
【0317】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、遊技機100の電源が投入されることで開始される。
このメイン処理においては、
図36に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップA1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップA2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップA3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップA4)を行う。
【0318】
次いで、払出制御装置(払出基板)1200のプログラムが正常に起動するのを待つため、例えば4ミリ秒の時間待ちを行う(ステップA5)。これにより、遊技機100の電源投入の際に仮に遊技制御装置1100が先に立ち上がって払出制御装置1200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置1200へ送ってしまい、払出制御装置1200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
次いで、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするOFFデータを出力する(ステップA6,A7)。
次いで、シリアルポート(遊技用マイコン1111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置1200や演出制御装置1300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップA8)。
【0319】
次いで、電源装置1400内の初期化スイッチがONしているか否かを判定する(ステップA9)。
ステップA9で、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップA9;N)には、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックし(ステップA10)、停電検査領域1の値が正常であるか否かを判定する(ステップA11)。
ステップA11で、停電検査領域1の値が正常であると判定した場合(ステップA11;Y)には、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックし(ステップA12)、停電検査領域2の値が正常であるか否かを判定する(ステップA13)。
ステップA13で、停電検査領域2の値が正常であると判定した場合(ステップA13;Y)には、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップA14)、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップA15)、チェックサムが一致するか否かを判定する(ステップA16)。
ステップA16で、チェックサムが一致すると判定した場合(ステップA16;Y)には、
図37のステップA17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0320】
また、ステップA9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップA9;Y)や、ステップA11又はステップA13で停電検査領域の値が正常でないと判定した場合(ステップA11;N又はステップA13;N)、ステップA16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップA16;N)には、
図37のステップA24へ移行して、初期化の処理を行う。
【0321】
図37のステップA17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップA18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップA19)。
次いで、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップA20)。
ステップA20で、高確率状態でないと判定した場合(ステップA20;N)には、ステップA21,A22をスキップしてステップA23へ移行する。
【0322】
一方、ステップA20で、高確率状態であると判定した場合(ステップA20;Y)には、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップA21)、例えば一括表示装置150に設けられる高確率報知LED(高確率報知器)をオン(点灯)させるONデータをセグメント領域にセーブする(ステップA22)。
次いで、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置1300へ送信する処理(ステップA23)を行ってステップA29へ進む。
【0323】
一方、ステップA9,A11,A13,A16からステップA24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップA24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップA25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップA26)。
次いで、RWMをクリアしたことに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブし(ステップA27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置1300へ送信して(ステップA28)、ステップA29へ進む。
【0324】
ステップA29では、遊技用マイコン1111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン1111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器1113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU1111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0325】
上記ステップA29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップA30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU1111Aによって行われる。
次いで、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップA31)、割込みを許可する(ステップA32)。本実施形態で使用するCPU1111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0326】
次いで、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップA33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0327】
上記ステップA33の初期値乱数更新処理の後、電源装置1400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップA34)、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップA35)。
ステップA35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップA35;N)には、初期値乱数更新処理(ステップA33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップA33)の前に割り込みを許可する(ステップA32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0328】
なお、上記ステップA33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0329】
また、ステップA35で、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップA35;Y)には、ステップA35で設定したチェック回数の分だけ停電監視信号のONが継続しているか否かを判定する(ステップA36)。
ステップA36で、継続していないと判定した場合(ステップA36;N)には、停電監視信号がONであるか否かの判定(ステップA35)に戻る。
一方、ステップA36で、継続していると判定した場合(ステップA36;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップA37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップA38)を行う。
【0330】
次いで、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA39)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA40)。
次いで、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップA41)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップA42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップA43)を行ってから、遊技機100の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機100の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機100の電源再投入時に判断することができる。
【0331】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU1111Aに入力されることで開始される。CPU1111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、
図38のタイマ割込み処理が開始される。
【0332】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップA51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。
次いで、各種センサ(始動口1スイッチ136a、始動口2スイッチ137a、普図のゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aなど)からの入力の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップA52)を行う。
次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL138b、普電SOL137c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップA53)を行う。
【0333】
次いで、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置1300や払出制御装置1200等に出力するコマンド送信処理(ステップA54)、乱数更新処理1(ステップA55)、乱数更新処理2(ステップA56)を行う。
次いで、始動口1スイッチ136a、始動口2スイッチ137a、普図のゲートスイッチ134a、一般入賞口スイッチ135a〜135n、カウントスイッチ138aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップA57)を行う。
次いで、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップA58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップA59)を行う。
【0334】
次いで、遊技機100に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップA60)、磁気センサスイッチ161や振動センサスイッチ162からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップA61)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップA62)を行う。
次いで、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップA63)を行い、ステップA51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップA64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップA65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0335】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理(
図38)における特図ゲーム処理(ステップA58)について説明する。
当該特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ136a及び始動口2スイッチ137aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0336】
図39に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置1100の遊技用マイコン1111は、まず、始動口1スイッチ136a及び始動口2スイッチ137aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA71)を行う。
この始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口136、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置137に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0337】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA72)を行う。
このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置138内に設けられたカウントスイッチ138aのカウント数を監視する処理を行う。
【0338】
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイプアップしているか否か、又は、当該特図ゲーム処理タイマの更新(−1)によりタイムアップしたかをチェックして(ステップA73)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA74)。
ステップA74で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA74;Y)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA75)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA76)を行う。
次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA77)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA78)を行う。
【0339】
ステップA78で、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA79)を行う。
また、ステップA78で、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA80)を行う。
また、ステップA78で、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA81)を行う。
【0340】
また、ステップA78で、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA82)を行う。
また、ステップA78で、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA83)を行う。
また、ステップA78で、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA84)を行う。
また、ステップA78で、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA85)を行う。
【0341】
次いで、特
図1表示器151の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA86)、特
図1表示器151に係る図柄変動制御処理(ステップA87)を行う。
次いで、特
図2表示器152の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA88)、特
図2表示器152に係る図柄変動制御処理(ステップA89)を行う。
一方、ステップA74にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA74;N)には、処理をステップA86に移行して、それ以降の処理を行う。
【0342】
次に、演出制御装置1300での制御について説明する。
前述したように演出制御装置1300は、主制御用マイコン(1stCPU)1311と、当該主制御用マイコン1311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)1312とを備えている。
そして、主制御用マイコン1311による制御処理は、主に、
図40に示す1stメイン処理と、所定時間周期(例えば、2ミリ秒)で行われる割込み処理とからなる。
【0343】
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。
当該1stメイン処理においては、
図40に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。
このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。
次いで、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理を行い(ステップB15)、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
【0344】
当該1stメイン処理では、次にメインループ処理としてループの処理を行う。
このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン125の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。
次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置1100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0345】
次いで、表示装置141や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置141での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理(後述のステップB25〜B27)において制御を行う。なお、テストモードは遊技機100の電源遮断で終了するようになっている。
【0346】
次いで、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。
次いで、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置1100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を実行するための情報設定を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置141での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(後述のステップB25〜B27)において制御を行う。
【0347】
次いで、映像制御用マイコン(2ndCPU)1312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行う。
次いで、スピーカ(上スピーカ119a、下スピーカ119b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)、盤装飾装置142、枠装飾装置118のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置144、枠演出装置145のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)、当該遊技機100における演出の進行態様を分析する演出進行分析処理(ステップB29)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
【0348】
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述の1stメイン処理(
図40)における1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細について説明する。
図41に示すように、1stシーン制御処理において、演出制御装置1300の主制御用マイコン1311は、まず、テストモード中であるかを判定する(ステップB61)。
ステップB61で、テストモード中であると判定した場合(ステップB61;Y)には、1stシーン制御処理を終了する。
一方、ステップB61で、テストモード中でないと判定した場合(ステップB61;N)には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。このシーン変更コマンドは、遊技制御装置1100から演出制御装置1300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。
【0349】
ステップB62で、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合(ステップB62;Y)には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるか否か、すなわち、有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップB64)。
ステップB64で、有効なコマンドであると判定した場合(ステップB64;Y)には、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセーブして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、ステップB62でシーン変更コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB62;N)や、ステップB64で有効なコマンドでないと判定した場合(ステップB64;N)には、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
【0350】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。
電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。
また、停電復旧コマンドを受信した場合には、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。
また、客待ちデモコマンドを受信した場合には、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
【0351】
また、変動パターンコマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置1100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否かや変動パターン情報など)に基づき演出(演出パターンや演出時間など)の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの変動時間が終了した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別図柄の変動表示の停止や停止表示時間の設定等を行う。
【0352】
また、図柄停止コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別図柄の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。この図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。
また、大入開放n回目コマンドを受信した場合には、ラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。
また、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。
また、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。
【0353】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された前述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。
この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド(飾り特
図1保留数コマンド、飾り特
図2保留数コマンド)に基づく処理を行う飾り特図保留数コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
【0354】
次いで、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(始動口入賞演出コマンド、入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB79)を行う。
次いで、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行い、1stシーン制御処理を終了する。なお、確率情報コマンド受信処理では、確率情報コマンドとして、時短状態の開始、終了に関する情報や、特殊遊技状態の開始、終了に関する情報、大当りや小当り終了時の遊技状態に関する情報などを受信する。
【0355】
〔演出進行分析処理〕
次に、前述の1stメイン処理(
図40)における演出進行分析処理(ステップB29)について説明する。
図42は、演出進行分析処理の一例を示すフローチャートである。
当該演出進行分析処理は、スロットマシン1における演出進行分析処理(
図30)に相当する。
【0356】
演出進行分析処理が開始されると、演出制御装置1300の主制御用マイコン1311は、演出進行分析手段100bとして機能する。そして、まず、1ゲームが終了したか否かを判定する(ステップB101)。
ステップB101で、1ゲームが終了していないと判定した場合(ステップB101;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップB101で、1ゲームが終了したと判定した場合(ステップB101;Y)には、当該1ゲームがボタン操作演出の発生するゲームであったか否かを判定する(ステップB102)。ここで、ボタン操作演出とは、遊技者による演出ボタン125等の操作が介入可能な演出等のことである。
【0357】
ステップB102で、当該1ゲームがボタン操作演出の発生するゲームでなかったと判定した場合(ステップB102;N)には、ステップB112の処理に移行する。
一方、ステップB102で、当該1ゲームがボタン操作演出の発生するゲームであったと判定した場合(ステップB102;Y)には、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されているボタン操作演出の発生回数に関するボタン操作演出発生回数情報を更新する(ステップB103)。なお、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されているボタン操作演出発生回数情報は、遊技機100の電源が遮断された時点やQRコードが付与された時点でクリアされる。
【0358】
次いで、当該1ゲームがボタン操作の実行されたゲームであったか否かを判定する(ステップB104)。
ステップB104で、当該1ゲームがボタン操作の実行されたゲームでなかったと判定した場合(ステップB104;N)、すなわち、当該1ゲームで遊技者による演出ボタン125等の操作がなかった場合には、ステップB106の処理に移行する。
一方、ステップB104で、当該1ゲームがボタン操作の実行されたゲームであったと判定した場合(ステップB104;Y)、すなわち、当該1ゲームで遊技者による演出ボタン125等の操作があった場合には、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されているボタン操作の実行回数に関するボタン操作実行回数情報を更新する(ステップB105)。なお、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されているボタン操作実行回数情報は、遊技機100の電源が遮断された時点やQRコードが付与された時点でクリアされる。
【0359】
次いで、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されている情報に基づいて、ボタン操作演出の発生回数が所定回数(例えば、10回)に到達したか否かを判定する(ステップB106)。
ステップB106で、ボタン操作演出の発生回数が所定回数に到達していないと判定した場合(ステップB106;N)には、ステップB112の処理に移行する。
一方、ステップB106で、ボタン操作演出の発生回数が所定回数に到達したと判定した場合(ステップB106;Y)、すなわち、ボタン操作演出の発生回数が所定回数以上である場合には、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されている情報に基づいて、ボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合を確認し(ステップB107)、ボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合(例えば、6割)以上であるか否かを判定する(ステップB108)。
【0360】
ステップB108で、ボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合以上でないと判定した場合(ステップB108;N)、すなわち、ボタン操作の実行回数が比較的少ない場合には、演出傾向3(後述)と判定して(ステップB109)、判定した演出傾向(この場合、演出傾向3)に対応するQRコード設定情報を設定する(ステップB111)。これにより、QRコード発行手段100cがQRコードを付与する際に、演出傾向3に対応するQRコードが付与される。
【0361】
一方、ステップB108で、ボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合以上であると判定した場合(ステップB108;Y)、すなわち、ボタン操作の実行回数が比較的多い場合には、演出傾向4(後述)と判定して(ステップB110)、判定した演出傾向(この場合、演出傾向4)に対応するQRコード設定情報を設定する(ステップB111)。これにより、QRコード発行手段100cがQRコードを付与する際に、演出傾向4に対応するQRコードが付与される。
【0362】
次いで、当該1ゲームで指導記憶のオーバーフローが発生したか否かを判定する(ステップB112)。
ここで、始動記憶のオーバーフローとは、第1始動記憶が所定の上限数(例えば、4個)に達している際に第1始動入賞口をなす始動入賞口136に遊技球が入賞したり、第2始動記憶が所定の上限数(例えば、4個)に達している際に第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置137に遊技球が入賞したりすることである。すなわち、始動記憶のオーバーフローが発生したということは、無効となる始動入賞が発生したということなので、当該1ゲームで始動記憶のオーバーフローが発生した場合、当該遊技機100で遊技中の遊技者は初級者であると判断する。
【0363】
ステップB112で、当該1ゲームで始動記憶のオーバーフローが発生していないと判定した場合(ステップB112;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップB112で、当該1ゲームで始動記憶のオーバーフローが発生したと判定した場合(ステップB112;Y)には、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されている始動記憶のオーバーフローの発生回数に関するオーバーフロー発生回数情報を更新して(ステップB113)、更新後のオーバーフロー発生回数情報に基づく始動記憶のオーバーフローの発生回数が所定回数(例えば、10回)に到達したか否かを判定する(ステップB114)。なお、遊技履歴暫定保存手段100aに記憶されているオーバーフロー発生回数情報は、遊技機100の電源が遮断された時点やQRコードが付与された時点でクリアされる。
【0364】
ステップB114で、始動記憶のオーバーフローの発生回数が所定回数に到達していないと判定した場合(ステップB114;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップB114で、始動記憶のオーバーフローの発生回数が所定回数に到達したと判定した場合(ステップB114;Y)、すなわち、始動記憶のオーバーフローの発生回数が所定回数以上である場合には、QRコード設定情報として初級者情報(後述)を設定して(ステップB115)、当該演出進行分析処理を終了する。これにより、QRコード発行手段100cがQRコードを付与する際に、初級者情報に対応するQRコードが付与される。
【0365】
なお、本実施形態では、始動記憶のオーバーフローの発生回数として始動記憶のオーバーフローが発生したゲーム数をカウントし、そのゲーム数が所定回数に到達した場合に、遊技者を初級者と判定したが、初級者の判定の仕方は適宜任意に変更可能である。
例えば、始動記憶のオーバーフローの発生回数として当該1ゲームの間に発生したオーバーフロー数をカウントし、そのオーバーフロー数が所定回数に到達した場合に、遊技者を初級者と判定することも可能である。
【0366】
また、本実施形態では、ボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合以上でない場合に演出傾向3と判定し、所定割合以上である場合に演出傾向4と判定するように構成したが、演出傾向3及び演出傾向4の判定の仕方は、適宜任意に変更可能である。
【0367】
〔客待ち処理〕
次に、前述の1stシーン制御処理(
図41)における客待ち処理(ステップB70)について説明する。
図43は、客待ち処理の一例を示すフローチャートである。
客待ち処理が開始されると、演出制御装置1300の主制御用マイコン1311は、遊技制御装置1100から受信したコマンドを確認し(ステップB121)、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB122)。
【0368】
ステップB122で、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップB122;Y)には、変動中処理移行設定処理を実行して(ステップB123)、当該客待ち処理を終了する。
一方、ステップB122で、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB122;N)には、演出ボタン125等の操作ボタンが操作されたか否かを判定する(ステップB124)。
【0369】
ステップB124で、演出ボタン125等の操作ボタンが操作されていないと判定した場合(ステップB124;N)には、客待ち画面を設定して(ステップB125)、当該客待ち処理を終了する。
一方、ステップB124で、演出ボタン125等の操作ボタンが操作されたと判定した場合(ステップB124;Y)には、連動サービス制御処理を実行して(ステップB126)、当該客待ち処理を終了する。
【0370】
〔連動サービス制御処理〕
前述の客待ち処理(
図43)における連動サービス制御処理(ステップB126)は、スロットマシン1における連動サービス制御処理(
図31)と同一であるため、詳細な説明は省略し、要点だけ説明する。
連動サービス制御処理が開始されると、演出制御装置1300の主制御用マイコン1311は、まず、パスワード受付手段100dとして機能する。そして、遊技者が遊技機100の入力手段(図示省略)を操作して入力したパスワードが有効なパスワードであると判定した場合には、演出制御装置1300の主制御用マイコン1311は、連動サービスにログインし、遊技履歴反映手段100eとして機能する。そして、入力されたパスワードに対応する遊技データが当該遊技機100の演出等に反映されるよう設定し、入力されたパスワードに対応する演出パターンが当該遊技機100の演出等に反映されるよう設定する。
これにより、入力されたパスワードに基づいて、スロットマシン1等の他の遊技機における遊技情報(具体的には、スロットマシン1等の他の遊技機において当該遊技者が好む演出態様(演出の進行態様等)等)が判別され、その判別結果が当該遊技機100の演出に反映される。
すなわち、演出制御装置1300は、入力手段(図示省略)によって入力された識別情報(本実施形態の場合、パスワード)に基づいて、他の遊技機(スロットマシン1等)における遊技情報(遊技の内容に関連する演出の進行態様等)を判別可能な判別手段をなす。
【0371】
また、連動サービスにログイン中であると判定した場合には、演出制御装置1300の主制御用マイコン1311は、QRコード発行手段100cとして機能する。そして、遊技者が当該遊技機100の演出ボタン125や入力手段(図示省略)等を操作してQRコードの付与を要求していると判定した場合には、演出進行分析処理(
図42)のステップB111やステップB115等で設定されたQRコード設定情報を確認し、QRコード設定情報に対応するQRコードを生成して、表示装置141に表示する。その後、ログイン中に更新した各種情報(ボタン操作演出発生回数情報やボタン操作実行回数情報、オーバーフロー発生回数情報等)をクリアして、当該連動サービス制御処理を終了する。
【0372】
ここで、本実施形態における、演出傾向1情報〜演出傾向4情報と、初級者情報及び上級者情報とについて、
図44を参照して説明する。
前述したように、本実施形態のスロットマシン1は、演出進行分析処理(
図30)で特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合以上でないと判定した場合に、QRコード設定情報として演出傾向1情報を設定するように構成されている。
特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合以上でない場合とは、遊技者が演出(例えば、
図26に示す導入演出や第1〜第4段階の演出等)の途中でリールストップボタン24やスタートレバー21を操作した回数が比較的少ない場合である。そのため、当該遊技者は、リールストップボタン24やスタートレバー21をゆっくり操作する遊技者、すなわち、演出の内容に興味があり演出を楽しみながらゲームを消化したい遊技者等であると言える。
したがって、スロットマシン1においてQRコード設定情報として演出傾向1情報が設定された場合、遊技機100等の他の遊技機は、当該スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は遅い進行態様であると判別し、その判別結果を自身の演出に反映させる。これにより、遊技機100等の他の遊技機において、例えば、演出間の時間が長めに設定される。
【0373】
また、前述したように、本実施形態のスロットマシン1は、演出進行分析処理(
図30)で特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合以上であると判定した場合に、QRコード設定情報として演出傾向2情報を設定するように構成されている。
特定演出の発生回数に対する演出キャンセル回数の割合が所定割合以上である場合とは、遊技者が演出(例えば、
図26に示す導入演出や第1〜第4段階の演出等)の途中でリールストップボタン24やスタートレバー21を操作した回数が比較的多い場合である。そのため、当該遊技者は、リールストップボタン24やスタートレバー21をすばやく操作する遊技者、すなわち、演出の内容に興味がなくゲームを次々と消化したい遊技者等であると言える。
したがって、スロットマシン1においてQRコード設定情報として演出傾向2情報が設定された場合、遊技機100等の他の遊技機は、当該スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は速い進行態様であると判別し、その判別結果を自身の演出に反映させる。これにより、遊技機100等の他の遊技機において、例えば、演出間の時間が短めに設定される。
【0374】
ここで、
図45(a)に、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は遅い進行態様であると判別した場合の演出の進行例の一例を示し、
図45(b)に、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は速い進行態様であると判別した場合の演出の進行例の一例を示す。
遊技機100の演出制御装置1300は、表示装置141の表示画面において特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを開始すると(タイミングt31)、リーチ状態の発生を報知するリーチ前演出を実行する。
次いで、リーチ前演出が終了し(タイミングt32)、例えば
図46(a)に示すようにリーチが発生すると、例えば
図46(b)に示すように、遊技制御装置1100により決定された特図変動表示ゲームの変動表示時間(この例の場合、60秒)に対応するリーチ演出(この例の場合、スペシャル1リーチ演出)を実行する。
【0375】
次いで、リーチ演出が終了すると(タイミングt33)、特別図柄を仮停止表示(例えば、定位置で揺動表示)させる待機演出を実行し、待機演出が終了すると(タイミングt34)、復活演出を実行する。
この際、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は速い進行態様であると判別した場合(すなわち、演出傾向2の場合)には、例えば
図45(b)や
図46(c)の右側に示すように、例えば
図45(a)や
図46(c)の左側に示すスロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は遅い進行態様であると判別した場合(すなわち、演出傾向1の場合)に比べ、待機演出の演出時間を短くする。そして、その分、例えば
図45(b)や
図47の右側に示すように、例えば
図45(a)や
図47の左側に示すスロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は遅い進行態様であると判別した場合(すなわち、演出傾向1の場合)に比べ、復活演出の演出時間を長くする。
【0376】
このように、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は速い進行態様であると判別した場合には待機演出の演出時間を短くすることで、当該遊技者(具体的には、ゲームを次々と消化したい遊技者等)も、不満を募らせることなく遊技を楽しむことが可能となる。すなわち、待機演出では飾り特別図柄が仮停止表示されているだけなので、待機演出の演出時間が長いと、ゲームを次々と消化したい遊技者等は特に冗長に感じてしまう可能性が高い。これに対し、このような遊技者が遊技機100で遊技を行っている場合には、待機演出の演出時間を短くすることで、特図変動表示ゲームの変動時間を変化させることなく、冗長に感じてしまうことを抑制することができる。
【0377】
すなわち、演出制御手段(演出制御装置1300)は、一の変動表示ゲームにおける演出の進行態様を、当該変動表示ゲームに対して遊技制御手段(遊技制御装置1100)が決定した変動表示時間と、判別手段(演出制御装置1300)によって判別された他の遊技機(スロットマシン1等)における演出の進行態様と、に対応する態様に制御するように構成されている。
また、判別手段(演出制御装置1300)は、スロットマシン1における演出の進行態様として、第1進行態様(演出傾向2に対応する進行態様、すなわち速い進行態様)と、当該第1進行態様よりも演出の進行態様の変化が遅い第2進行態様(演出傾向1に対応する進行態様、すなわち遅い進行態様)と、を判別可能となるように構成されている。
【0378】
なお、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は速い進行態様であると判別した場合、演出制御装置1300は、待機演出を行わないように、遊技制御装置1100により決定された特図変動表示ゲームの変動表示時間(この例の場合、60秒)の範囲内で演出内容を変更してもよい。
具体的には、演出制御装置1300は、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は速い進行態様であると判別した場合、例えば
図45(c)に示すように、遊技制御装置1100により決定された特図変動表示ゲームの変動表示時間(この例の場合、60秒)に対応するリーチ演出(この例の場合、スペシャル1リーチ演出)に替えて、当該リーチ演出よりも演出時間の長いリーチ演出(この例の場合、スペシャル2リーチ演出)を実行するとともに、待機演出及び復活演出に変えて、大当り告知演出等を実行してもよい。
このように、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は速い進行態様であると判別した場合には待機演出を実行しないようにすることで、当該遊技者(具体的には、ゲームを次々と消化したい遊技者等)も、不満を募らせることなく遊技を楽しむことが可能となる。
【0379】
ここで、大当り告知演出は、例えば、表示装置141の表示態様(停止結果態様)を特別結果態様とした状態で、大当りを告知する演出である。
この場合、大当り告知演出の開始とともに、表示装置141の表示態様(停止結果態様)を特別結果態様とするので、スロットマシン1において遊技者が好む演出の進行態様は遅い進行態様であると判別した場合(すなわち、演出傾向1の場合)に比べ、表示装置141の表示態様(停止結果態様)を特別結果態様とするタイミングが早くなる。
すなわち、この場合、補助図柄制御手段(演出制御装置1300)は、判別手段(演出制御装置1300)によって、スロットマシン1における演出の進行態様が第1進行態様(演出傾向2に対応する進行態様、すなわち速い進行態様)であると判別された場合に、スロットマシン1における演出の進行態様が第2進行態様(演出傾向1に対応する進行態様、すなわち遅い進行態様)であると判別された場合よりも、補助図柄(飾り特別図柄)を特別態様(特別結果態様)に制御するタイミングを早めるように構成されている。
【0380】
また、前述したように、本実施形態の遊技機100は、演出進行分析処理(
図42)でボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合以上でないと判定した場合に、QRコード設定情報として演出傾向3情報を設定するように構成されている。
ボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合以上でない場合とは、遊技者が演出ボタン125等の操作が介入可能な演出(具体的には、例えば、演出ボタン125等の操作を促すような演出)等が実行されているにもかかわらず演出ボタン125等を操作した回数が比較的少ない場合である。そのため、当該遊技者は、演出ボタン125等を積極的に操作しない遊技者、すなわち、ボタン操作演出に興味がない遊技者等であると言える。
したがって、遊技機100においてQRコード設定情報として演出傾向3情報が設定された場合、スロットマシン1等の他の遊技機は、当該遊技機100において遊技者が好む演出の進行態様はボタン操作演出のない進行態様(或いは、ボタン操作演出の発生頻度が低い進行態様等であってもよい。)であると判別し、その判別結果を自身の演出に反映させる。
【0381】
また、前述したように、本実施形態の遊技機100は、演出進行分析処理(
図42)でボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合以上であると判定した場合に、QRコード設定情報として演出傾向4情報を設定するように構成されている。
ボタン操作演出の発生回数に対するボタン操作の実行回数の割合が所定割合以上である場合とは、遊技者が演出ボタン125等の操作が介入可能な演出(具体的には、例えば、演出ボタン125等の操作を促すような演出)等が実行された際に演出ボタン125等を操作した回数が比較的多い場合である。そのため、当該遊技者は、演出ボタン125等を積極的に操作する遊技者、すなわち、ボタン操作演出に興味がある遊技者等であると言える。
したがって、遊技機100においてQRコード設定情報として演出傾向4情報が設定された場合、スロットマシン1等の他の遊技機は、当該遊技機100において遊技者が好む演出の進行態様はボタン操作演出の発生頻度が高い進行態様であると判別し、その判別結果を自身の演出に反映させる。
【0382】
また、前述したように、本実施形態の遊技機100は、演出進行分析処理(
図42)で、当該遊技機100で遊技中の遊技者が初級者であると判定可能である場合(具体的には、始動記憶のオーバーフローの発生回数が所定回数に到達したと判定した場合)に、QRコード設定情報として初級者情報を設定するように構成されている。
遊技者が初級者である場合、当該遊技者がスロットマシン1で遊技をする際には、有効ライン上に形成された図柄組合せ態様や特定の図柄組合せ態様が導出される頻度等に基づいて特別入賞に内部当選しているか否か等を察知できない場合が多い。そのため、特別入賞に内部当選している旨を明確に報知するボーナス告知(一発告知)演出の発生頻度、すなわち、スピーカ4等からボーナス告知音の出力やボーナス告知部29の内蔵ランプの点灯等の発生頻度を高めると、遊技の興趣が向上する可能性が高い。
したがって、遊技機100においてQRコード設定情報として初級者情報が設定された場合、スロットマシン1等の他の遊技機は、遊技者が好む演出の進行態様は初級者用の進行態様であると判別し、その判別結果を自身の演出に反映させる。これにより、スロットマシン1等の他の遊技機において、例えば、ボーナス告知(一発告知)演出の発生頻度が高めに設定される。
【0383】
また、前述したように、本実施形態のスロットマシン1は、演出進行分析処理(
図30)で、当該スロットマシン1で遊技中の遊技者が上級者であると判定可能である場合(具体的には、チェリー優先時のチェリー入賞回数が所定回数に到達したと判定した場合)に、QRコード設定情報として上級者情報を設定するように構成されている。
遊技者が上級者である場合、当該遊技者が遊技機100で遊技をする際には、見かけ上のにぎやかし演出等には興味がない場合が多い。そのため、特図変動表示ゲームの実行開始時に照明装置(ムービングライト)116を動作させる等して当該特図変動表示ゲームの結果は大当りである旨を報知する一発告知演出や、特図変動表示ゲームの実行前に表示装置141に表示されている飾り特図始動記憶表示に「当り」と表示する等して対応する特図変動表示ゲームの結果は大当りである旨を報知する先読み確定報知演出の発生頻度を高めると、遊技の興趣が向上する可能性が高い。
したがって、スロットマシン1においてQRコード設定情報として上級者情報が設定された場合、遊技機100等の他の遊技機は、遊技者が好む演出の進行態様は上級者用の進行態様であると判別し、その判別結果を自身の演出に反映させる。これにより、遊技機100等の他の遊技機において、例えば、一発告知演出や先読み確定報知演出の発生頻度が高めに設定される。
【0384】
すなわち、演出制御装置1300は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となる前に、当該変動表示ゲームの表示結果が特別表示結果(特別結果)となることを所定確率で、一発告知演出や先読み確定演出を実行することによって、遊技者に事前報知する事前報知手段をなす。
そして、事前報知手段(演出制御装置1300)は、判別手段(演出制御装置1300)によって、スロットマシン1における演出の進行態様が所定の第3進行態様(本実施形態の場合、上級者用の進行態様)であると判別されている場合に、事前報知(一発告知演出や先読み確定報知演出)を行う確率を、スロットマシン1における演出の進行態様が当該第3進行態様(上級者用の進行態様)以外の進行態様であると判別された場合よりも高めるように構成されている。
【0385】
なお、本実施形態では、遊技者が好む演出の進行態様は初級者用の進行態様であると判別した場合には、ボーナス告知(一発告知)演出の発生頻度を高めに設定することによって、初級者用の進行態様を演出に反映し、遊技者が好む演出の進行態様は上級者用の進行態様であると判別した場合には、一発告知演出や先読み確定報知演出の発生頻度を高めに設定することによって、上級者用の進行態様を演出に反映するように構成したが、初級者用の進行態様や上級者用の進行態様の反映の仕方は適宜任意に変更可能である。
具体的には、例えば、遊技者が好む演出の進行態様は上級者用の進行態様であると判別した場合には、モード移行等を頻繁に行う複雑な演出内容を設定することによって、上級者用の進行態様を演出に反映させるように構成することも可能である。
【0386】
また、遊技機100が、当該遊技機100で遊技中の遊技者が初級者であるか否か判定して、QRコード設定情報として初級者情報を設定し、スロットマシン1が、当該スロットマシン1で遊技中の遊技者が上級者であるか否か判定して、QRコード設定情報として上級者情報を設定するように構成したが、その逆であってもよい。すなわち、スロットマシン1が、当該スロットマシン1で遊技中の遊技者が初級者であるか否か判定して、QRコード設定情報として初級者情報を設定し、遊技機100が、当該遊技機100で遊技中の遊技者が上級者であるか否か判定して、QRコード設定情報として上級者情報を設定するように構成することも可能である。
【0387】
以上説明した第3実施形態の遊技機100によれば、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの変動表示時間を決定する遊技制御手段(遊技制御装置1100)と、遊技制御手段(遊技制御装置1100)が決定した変動表示時間に基づき、変動表示ゲームにおける演出を制御する演出制御手段(演出制御装置1300)と、を備える遊技機100において、遊技者の操作によって識別情報(本実施形態の場合、パスワード)を入力可能な入力手段(図示省略)と、入力手段(図示省略)によって入力された識別情報(パスワード)に基づいて、他の遊技機(スロットマシン1等)における遊技の内容に関連する演出の進行態様を判別可能な判別手段(演出制御装置1300)と、を備え、識別情報(パスワード)は、他の遊技機(スロットマシン1等)における演出のうち、遊技者の操作に応じて進行態様が変化する演出の進行態様に関する演出進行態様情報を識別可能であって、遊技者が取得可能な情報であり、演出制御手段(演出制御装置1300)は、一の変動表示ゲームにおける演出の進行態様を、当該変動表示ゲームに対して遊技制御手段(遊技制御装置1100)が決定した変動表示時間と、判別手段(演出制御装置1300)によって判別された他の遊技機(スロットマシン1等)における演出の進行態様と、に対応する態様に制御するように構成されている。
【0388】
すなわち、遊技者の操作によって入力された識別情報(パスワード)に応じて、一の変動表示ゲームにおける演出の進行態様が変化するので、一の変動表示ゲームにおける演出の進行態様が、遊技者の好みの演出の進行態様となり、遊技の興趣が向上する。
特に、遊技者の操作に応じて演出の進行態様を変化させる他の遊技機(スロットマシン1)の演出進行態様情報を利用するので、簡易かつ確実に、遊技者の好みを反映することが可能となる。
【0389】
また、以上説明した第3実施形態の遊技機100によれば、識別情報(本実施形態の場合、パスワード)は、情報端末(携帯端末1000)を介して取得可能な情報であり、入力手段(図示省略)は、情報端末(携帯端末1000)を介して取得された識別情報(パスワード)の入力操作が可能に構成されている。
【0390】
すなわち、情報端末(携帯端末1000)を介して識別情報(パスワード)を取得できるので、識別情報(パスワード)が他の遊技者に知られ難い。したがって、セキュリティを保つことが可能となる。
【0391】
また、以上説明した第3実施形態の遊技機100によれば、識別情報(本実施形態の場合、パスワード)は、遊技者が、外部サーバ(サーバコンピュータ3000)に対して、他の遊技機(スロットマシン1等)における演出進行態様情報に応じて付与される所定の情報(本実施形態の場合、QRコード)に基づいて、遊技者所有の情報端末(携帯端末2000)によってアクセスしたことで、当該外部サーバに記憶されている演出進行態様情報に応じて付与され、遊技者所有の情報端末(携帯端末2000)を介して外部サーバ(サーバコンピュータ3000)から取得可能な情報であり、入力手段(図示省略)は、遊技者所有の情報端末(携帯端末2000)を介して外部サーバ(サーバコンピュータ3000)から取得された識別情報(パスワード)の入力操作が可能に構成されている。
【0392】
すなわち、他の遊技機(スロットマシン1等)において付与される所定の情報(QRコード)に基づき情報端末(携帯端末2000)によって外部サーバ(サーバコンピュータ3000)へアクセスするだけで、当該他の遊技機(スロットマシン1等)の演出進行態様情報を外部サーバ(サーバコンピュータ3000)に記憶させることができるので、演出進行態様情報の保存が簡易である。
また、外部サーバ(サーバコンピュータ3000)は当該外部サーバ(サーバコンピュータ3000)に記憶されている演出進行態様情報に応じて識別情報(パスワード)を付与するので、遊技者の操作に応じて演出の進行態様を変化させる他の遊技機(スロットマシン1等)の演出進行態様情報を確実に反映することが可能となる。
【0393】
また、以上説明した第3実施形態の遊技機100によれば、他の遊技機には、遊技者によるリール変動開始操作又はリール停止操作に基づき演出が進行するスロットマシン1が含まれ、判別手段(演出制御装置1300)は、識別情報(本実施形態の場合、パスワード)に基づいて、スロットマシン1における演出の進行態様を判別可能である。
【0394】
したがって、遊技者によるリール変動開始操作又はリール停止操作に基づき演出が進行する、すなわち、遊技者の操作に応じて演出の進行態様を変化させるスロットマシン1の演出進行態様情報を利用するので、簡易かつ確実に、遊技者の好みを反映することが可能となる。
また、遊技機100では、遊技制御手段(遊技制御装置1100)が変動表示ゲームの変動表示時間を予め決定し、その変動表示時間に基づき演出制御手段(演出制御装置1300)が変動表示ゲームにおける演出を制御するので、遊技者が好む演出の進行態様を判断し難い。これに対し、スロットマシン1では、遊技者の操作に応じて演出の進行態様を変化させる、すなわち遊技者が演出の進行態様をコントロールすることができるので、遊技者が好む演出の進行態様を判断し易い。このように、遊技者が好む演出の進行態様を判断し難いパチンコ遊技機(遊技機100)ではなく、遊技者が好む演出の進行態様を判断し易いスロットマシン1で、遊技者の好みの演出の進行態様を判断しているので、確実に遊技者の好みを判断することが可能となる。
【0395】
また、以上説明した第3実施形態の遊技機100によれば、遊技制御手段(遊技制御装置1100)は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段(遊技制御装置1100)を有し、演出制御手段(演出制御装置1300)は、変動表示ゲームの進行に関連して変動表示される補助図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御する補助図柄制御手段(演出制御装置1300)を有し、判別手段(演出制御装置1300)は、スロットマシン1における演出の進行態様として、第1進行態様(演出傾向2に対応する進行態様、すなわち速い進行態様)と、当該第1進行態様よりも演出の進行態様の変化が遅い第2進行態様(演出傾向1に対応する進行態様、すなわち遅い進行態様)と、を判別可能であり、補助図柄制御手段(演出制御装置1300)は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となる場合に、補助図柄(飾り特別図柄)を当該特別表示結果(特別結果)と対応する特別態様(特別結果態様)に制御するとともに、判別手段(演出制御装置1300)によって、スロットマシン1における演出の進行態様が第1進行態様(演出傾向2に対応する進行態様、すなわち速い進行態様)であると判別された場合に、スロットマシン1における演出の進行態様が第2進行態様(演出傾向1に対応する進行態様、すなわち遅い進行態様)であると判別された場合よりも、補助図柄(飾り特別図柄)を特別態様(特別結果態様)に制御するタイミングを早めるように構成することも可能である。
【0396】
したがって、スロットマシン1における演出の進行態様が第1進行態様(演出傾向2に対応する進行態様)であると判定された場合、すなわち、遊技者の好みの演出の進行態様が速い進行態様である場合には、演出として表示される補助図柄(飾り特別図柄)が特別態様(特別結果態様)となるタイミングを早めるので、遊技者の好みを反映することが可能となる。
【0397】
また、以上説明した第3実施形態の遊技機100によれば、演出制御手段(演出制御装置1300)は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となる前に、当該変動表示ゲームの表示結果が特別表示結果(特別結果)となることを所定確率で遊技者に事前報知する事前報知手段(演出制御装置1300)を備え、事前報知手段(演出制御装置1300)は、判別手段(演出制御装置1300)によって、スロットマシン1における演出の進行態様が所定の第3進行態様(本実施形態の場合、上級者用の進行態様)であると判別されている場合に、事前報知(一発告知演出や先読み確定報知演出)を行う確率を、スロットマシン1における演出の進行態様が当該第3進行態様(上級者用の進行態様)以外の進行態様であると判別された場合よりも高めるように構成されている。
【0398】
すなわち、スロットマシン1における演出の進行態様が第3進行態様(上級者用の進行態様)であると判別されている場合には、事前報知(一発告知演出や先読み確定報知演出)を行う確率を高めることができる。
したがって、例えば、スロットマシン1等の他の遊技機で遊技者が上級者であると判断された場合、当該遊技者の好みの演出の進行態様は上級者用の進行態様であると判別し、事前報知の発生頻度を高めるので、遊技者の好みを反映することが可能となる。
【0399】
なお、入力手段によって入力する識別情報は、パスワードに限定されるものではなく、演出進行態様情報を識別可能な情報であれば適宜任意に変更可能である。
また、他の遊技機(スロットマシン1等)において付与される所定の情報は、QRコードに限定されるものではなく、演出進行態様情報に応じて付与される情報であれば適宜任意に変更可能であり、例えば、バーコードであってもよい。
また、識別情報(本実施形態の場合、パスワード)は、他の遊技機(スロットマシン1等)の演出進行態様情報を記憶する外部サーバ(サーバコンピュータ3000)によって発行(付与)される情報に限定されるものではなく、遊技者所有の情報端末(携帯端末2000)を介して識別情報を取得可能であれば、当該識別情報の発行元は適宜任意に変更可能である。
【0400】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のスロットマシン1及び遊技機100について説明する。
なお、第4実施形態のスロットマシン1及び遊技機100は、スロットマシン1が遊技機100等の他の遊技機における演出に対応する演出を実行可能であり、遊技機100がスロットマシン1等の他の遊技機における演出に対応する演出を実行可能な点が第3実施形態のスロットマシン1及び遊技機100と異なる。したがって、以下、第3実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0401】
本実施形態のスロットマシン1及び遊技機100は、互いにタイアップしており、スロットマシン1と遊技機100とで共通の共通演出を実行可能であるとする。
具体的には、遊技機100は、スロットマシン1の画像表示装置3に表示される画像と略同一の画像(キャラクタ画像や背景画像等)を表示装置141に表示する等して、スロットマシン1において実行される演出と共通の共通演出を実行可能に構成されている。なお、共通演出は、スロットマシン1において実行される演出の全部と共通の演出であってもよいし、スロットマシン1において実行される演出の一部と共通の演出であってもよい。
また、スロットマシン1は、遊技機100の表示装置141に表示される画像と略同一の画像(キャラクタ画像や背景画像等)を画像表示装置3に表示する等して、遊技機100において実行される演出と共通の共通演出を実行可能に構成されている。なお、共通演出は、遊技機100において実行される演出の全部と共通の演出であってもよいし、遊技機100において実行される演出の一部と共通の演出であってもよい。
【0402】
〔スロットマシンにおける演出進行分析処理〕
第4実施形態のスロットマシン1は、
図30に示した演出進行分析処理に替えて、
図48に示す演出進行分析処理を行う。
この演出進行分析処理では、ステップS223で、当該1ゲームがベル入賞とチェリー入賞とに同時に内部当選したゲームでないと判定した場合(ステップS223;N)には、当該1ゲームでボーナス入賞(特別入賞)が成立したか否かを判定する(ステップS301)。
ステップS301で、当該1ゲームでボーナス入賞(特別入賞)が成立していないと判定した場合(ステップS301;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップS301で、当該1ゲームでボーナス入賞(特別入賞)が成立したと判定した場合(ステップS301;Y)には、QRコード設定情報として当該1ゲームで発生した演出情報を設定して(ステップS302)、当該演出進行分析処理を終了する。これにより、QRコード発行手段1cがQRコードを付与する際に、当該1ゲームで発生した演出情報に対応するQRコードが付与されて、当該演出情報に基づく演出(具体的には、ボーナス演出)に対応する演出が遊技機100等の他の遊技機で優先的に出現する。
【0403】
〔遊技機における演出進行分析処理〕
第4実施形態の遊技機100は、
図42に示した演出進行分析処理に替えて、
図49に示す演出進行分析処理を行う。
この演出進行分析処理では、ステップB112で、当該1ゲームで始動記憶のオーバーフローが発生していないと判定した場合(ステップB112;N)、或いは、QRコード設定情報として初級者情報を設定する処理(ステップB115)を実行した後に、当該1ゲームで大当りが発生したか否かを判定する(ステップB201)。
ステップB201で、当該1ゲームで大当りが発生していないと判定した場合(ステップB201;N)には、当該演出進行分析処理を終了する。
一方、ステップB201で、当該1ゲームで大当りが発生したと判定した場合(ステップB201;Y)には、QRコード設定情報として当該大当り時に発生した演出情報を設定して(ステップS202)、当該演出進行分析処理を終了する。これにより、QRコード発行手段100cがQRコードを付与する際に、当該大当り時に発生した演出情報に対応するQRコードが付与されて、当該演出情報に基づく演出(具体的には、最終大当り演出)に対応する演出がスロットマシン1等の他の遊技機で優先的に出現する。
【0404】
〔連動サービス制御処理〕
第4実施形態のスロットマシン1は、
図31に示した連動サービス制御処理に替えて、
図50に示す連動サービス制御処理を行う。
この連動サービス制御処理では、入力されたパスワードに対応する演出パターンが当該スロットマシン1の演出等に反映されるよう設定する処理(ステップS236)を行った後、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出パターンが当該スロットマシン1の演出に反映されるよう設定する処理(ステップS401)を行い、その後、連動サービスにログイン中であるか否かを判定する(ステップS237)。これにより、スロットマシン1で特別入賞に内部当選した場合等に、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出パターンに基づく最終大当り演出(以下「入力されたパスワードに対応する最終大当り演出」と称する。)と共通の共通演出が優先的に実行される。
【0405】
ここで、本実施形態における共通演出(最終大当り演出と共通の共通演出)について、
図51(a)を参照して説明する。本実施形態のスロットマシン1は、当該共通演出を、当該スロットマシン1での遊技開始後、最初の特別入賞内部当選時に実行するように構成されている。
スロットマシン1は、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出がノーマルリーチ演出である場合、当該最終大当り演出と共通の共通演出として、何らの演出も実行しないように構成されている。
また、スロットマシン1は、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出がスペシャル1リーチ演出である場合、当該最終大当り演出と共通の共通演出として、スペシャル1リーチ演出に対応する演出を実行するように構成されている。
また、スロットマシン1は、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出がスペシャル2リーチ演出である場合、当該最終大当り演出と共通の共通演出として、スペシャル2リーチ演出に対応する演出を実行するように構成されている。
また、スロットマシン1は、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出がスペシャル3リーチ演出である場合、当該最終大当り演出と共通の共通演出として、スペシャル3リーチ演出に対応する演出を実行するように構成されている。
また、スロットマシン1は、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出が全回転リーチ(プレミアムリーチ)演出である場合、当該最終大当り演出と共通の共通演出として、スタートレバー21の操作時にボーナス告知(一発告知)演出を実行するように構成されている。
【0406】
なお、本実施形態では、当該スロットマシン1での遊技開始後、最初の特別入賞内部当選時に、必ず共通演出を実行するように構成したが、共通演出の実行タイミングは適宜任意に変更可能である。
具体的には、例えば、当該スロットマシン1での遊技開始後、最初であるか否かにかかわらず、特定入賞内部当選時には、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出と共通の共通演出を、他の演出よりも優先的に実行するように構成してもよい。すなわち、特定入賞に当選した時における共通演出(入力されたパスワードに対応する最終大当り演出と共通の共通演出)の出現頻度を、予め設定されている出現頻度よりも高くするとともに、特定入賞に当選していない時における共通演出(入力されたパスワードに対応する最終大当り演出と共通の共通演出)の出現頻度を、予め設定されている出現頻度よりも低くするように構成してもよい。
また、例えば、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出と共通の共通演出の出現割合が、予め規定されている設定値に近づくよう調整するように構成してもよい。より詳細には、例えば、共通演出Aを、特別入賞に内部当選した時に70%の割合で出現させ、特別入賞に内部当選していない時には10%の割合で出現させると予め規定されているとする。そして、所定のパスワードが入力され、そのパスワードに対応する最終大当り演出と共通の共通演出が共通演出Aである場合には、特別入賞に内部当選した時における実際の共通演出Aの出現割合を計測し、その計測値が70%に近づくように、特別入賞に内部当選した時における共通演出Aの出現頻度を高くする等して、特別入賞に内部当選した時における共通演出Aの出現割合を調整するとともに、特別入賞に内部当選していない時における実際の共通演出Aの出現割合を計測し、その計測値が10%に近づくように、特別入賞に内部当選していない時における共通演出Aの出現頻度を低くする等して、特別入賞に内部当選していない時における共通演出Aの出現割合を調整するように構成してもよい。
また、例えば、当該スロットマシン1での遊技開始後、最初であるか否かにかかわらず、特定入賞内部当選時には、入力されたパスワードに対応する最終大当り演出と共通の共通演出として、スロットマシン1と遊技機100とで共通のキャラクタを予告演出として出現させるように構成してもよい。
【0407】
第4実施形態の遊技機100が実行する連動サービス制御処理は、第4実施形態のスロットマシン1における連動サービス制御処理(
図50)とほぼ同一であるため、詳細な説明は省略し、要点だけ説明する。
遊技機100における連動サービス制御処理では、入力されたパスワードに対応する演出パターンが当該遊技機100の演出等に反映されるよう設定する処理を行った後、入力されたパスワードに対応するボーナス演出パターンが当該遊技機100の演出に反映されるよう設定する処理を行い、その後、連動サービスにログイン中であるか否かを判定する。これにより、遊技機100で大当りが発生する場合等に、入力されたパスワードに対応するボーナス演出パターンに基づくボーナス演出(以下「入力されたパスワードに対応するボーナス演出」と称する。)と共通の共通演出が優先的に実行される。なお、一の変動表示ゲームにおいて共通演出を実行する場合に、演出制御装置1300は、当該変動表示ゲームに対して遊技制御装置1100が決定した変動表示時間内に当該共通演出を実行するように構成されているとする。
【0408】
ここで、本実施形態における共通演出(ボーナス演出と共通の共通演出)について、
図51(b)を参照して説明する。本実施形態の遊技機100は、当該共通演出を、当該遊技機100での遊技開始後、最初の大当り発生時に実行するように構成されている。
遊技機100は、入力されたパスワードに対応するボーナス演出が何らの演出も実行しない演出なしである場合、当該ボーナス演出と共通の共通演出として、ノーマルリーチ演出を実行するように構成されている。
また、遊技機100は、入力されたパスワードに対応するボーナス演出がスペシャル1リーチ演出に対応する演出である場合、当該ボーナス演出と共通の共通演出として、スペシャル1リーチ演出を実行するように構成されている。
また、遊技機100は、入力されたパスワードに対応するボーナス演出がスペシャル2リーチ演出に対応する演出である場合、当該ボーナス演出と共通の共通演出として、スペシャル2リーチ演出を実行するように構成されている。
また、遊技機100は、入力されたパスワードに対応するボーナス演出がスペシャル3リーチ演出に対応する演出である場合、当該ボーナス演出と共通の共通演出として、スペシャル3リーチ演出を実行するように構成されている。
また、遊技機100は、入力されたパスワードに対応するボーナス演出が、リール6a,6b,6cの加速回転期間(
図14参照)に実行されるフリーズ演出や、スタートレバー21の操作時に実行されるボーナス告知(一発告知)演出である場合、当該ボーナス演出と共通の共通演出として、全回転リーチ(プレミアムリーチ)演出を実行するように構成されている。
さらに、遊技機100は、入力されたパスワードに対応するボーナス演出が、所定のボーナス演出(例えば、スタートレバー21の操作時に実行されるボーナス告知(一発告知)演出)である場合、当該ボーナス演出と共通の共通演出として、事前報知(一発告知演出)を実行するように構成することも可能である。
すなわち、演出制御手段(演出制御装置1300)は、判別手段(演出制御装置1300)によって判別されたスロットマシン1における遊技情報(本実施形態の場合、スロットマシン1において実行されたボーナス演出パターン)に基づいて、当該スロットマシン1において実行される演出と共通の演出(共通演出)を実行可能となっている。
【0409】
なお、本実施形態では、当該遊技機100での遊技開始後、最初の大当り発生時に、必ず共通演出を実行するように構成したが、共通演出の実行タイミングは適宜任意に変更可能である。
具体的には、例えば、当該遊技機100での遊技開始後、最初であるか否かにかかわらず、大当り発生時には、入力されたパスワードに対応するボーナス演出と共通の共通演出を、他の演出よりも優先的に実行するように構成してもよい。
また、例えば、入力されたパスワードに対応するボーナス演出と共通の共通演出の出現割合が、予め規定されている設定値に近づくよう調整するように構成してもよい。
また、例えば、当該遊技機100での遊技開始後、最初であるか否かにかかわらず、大当り発生時には、入力されたパスワードに対応するボーナス演出と共通の共通演出として、遊技機100とスロットマシン1とで共通のキャラクタを予告演出として出現させるように構成してもよい。
【0410】
以上説明した第4実施形態の遊技機100によれば、演出制御手段(演出制御装置1300)は、スロットマシン1において実行される演出と共通の共通演出を実行可能とし、判別手段(演出制御装置1300)は、スロットマシン1における共通演出の進行態様の変化を判別するように構成されている。
【0411】
すなわち、遊技機100とスロットマシン1とは、共通の共通演出を実行可能であり、遊技機100は、スロットマシン1における共通演出の進行態様の変化を判別するので、遊技者の好みを確実に反映することが可能となる。
また、大当り発生時に共通演出を実行するので、大当りへの期待度が高まり、遊技の興趣が向上する。
【0412】
また、以上説明した第4実施形態の遊技機100によれば、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの変動表示時間を決定する遊技制御手段(遊技制御装置1100)と、遊技制御手段(遊技制御装置1100)が決定した変動表示時間に基づき、変動表示ゲームにおける演出を制御する演出制御手段(演出制御装置1300)と、を備える遊技機100において、遊技者の操作によって識別情報(本実施形態の場合、パスワード)を入力可能な入力手段(図示省略)と、入力手段(図示省略)によって入力された識別情報(パスワード)に基づいて、遊技者によるリール変動開始操作又はリール停止操作に基づき演出が進行するスロットマシン1における遊技情報(遊技の内容に関連する演出の進行態様等)を判別可能な判別手段(演出制御装置1300)と、を備え、演出制御手段(演出制御装置1300)は、判別手段(演出制御装置1300)によって判別されたスロットマシン1における遊技情報(本実施形態の場合、スロットマシン1において実行されたボーナス演出パターン)に基づいて、当該スロットマシン1において実行される演出の一部と共通の演出(共通演出)を実行可能とし、一の変動表示ゲームにおいて共通の演出(共通演出)を実行する場合に、当該変動表示ゲームに対して遊技制御手段(遊技制御装置1100)が決定した変動表示時間内に当該共通の演出(共通演出)を実行するように構成されている。
【0413】
したがって、遊技機100(パチンコ遊技機)とスロットマシン1において共通の演出(共通演出)を実行可能なので、両方を遊技する遊技者の興趣を高めることができる。
特に、遊技機100では一の変動表示ゲームの変動表示時間が予め定められているが、その変動表示時間内に共通の演出(共通演出)を実行するので、遊技における不都合も生じない。
また、スロットマシン1の遊技情報を遊技機100と共有化可能なため、両方を遊技する遊技者の興趣を高めることができる。
【0414】
また、以上説明した第4実施形態の遊技機100によれば、遊技制御手段(遊技制御装置1100)は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段(遊技制御装置1100)を有し、演出制御手段(演出制御装置1300)は、変動表示ゲームの結果が特別表示結果(特別結果)となる前に、当該変動表示ゲームの表示結果が特別表示結果(特別結果)となることを所定確率で遊技者に事前報知する事前報知手段(演出制御装置1300)を備え、事前報知手段(演出制御装置1300)は、共通の演出(共通演出)で事前報知(一発告知演出)を実行することも可能である。
【0415】
したがって、変動表示ゲームの表示結果が特別表示結果(特別結果)になるという特別な報知をスロットマシン1と共通の演出(共通演出)で行うため、遊技者の興趣をより一層高めることができる。
【0416】
また、以上説明した第4実施形態の遊技機100によれば、演出制御手段(演出制御装置1300)は、所定期間における遊技情報(本実施形態の場合、遊技機100において実行された大当り(最終大当り)演出パターン)に基づいて、スロットマシン1において当該遊技情報を反映した演出(本実施形態の場合、共通演出)を実行可能にするための所定の情報(本実施形態の場合、QRコード)を遊技者に付与するように構成されている。
【0417】
すなわち、スロットマシン1において遊技情報を反映した演出(共通演出)を実行可能にするための所定の情報(QRコード)が付与されるので、確実に遊技情報を反映した演出(共通演出)を実行することが可能となる。
【0418】
なお、本実施形態では、スロットマシン1及び遊技機100が、互いにタイアップしており、スロットマシン1と遊技機100とで共通の共通演出を実行可能となるように構成したが、スロットマシン1が遊技機100における遊技情報を反映した演出を実行可能であり、遊技機100がスロットマシン1における遊技情報を反映した演出を実行可能であれば、スロットマシン1及び遊技機100は、共通の共通演出を実行可能でなくてもよい。
【0419】
また、どちらかでしか手に入らないアイテムを付与し、WEBサービス上などで使用可能にしてもよい。
具体的には、例えば、遊技機100は、入力されたパスワードに対応するアイテム(具体的には、当該遊技機100によって遊技しなければ取得できない待ち受け画面等の特典のうち、入力されたパスワードに対応する特典)を付与する権利に関するアイテム付与権利情報をQRコード設定情報として設定する。これにより、QRコード発行手段100cがQRコードを付与する際に、アイテム付与権利情報に対応するQRコードが付与されて、当該アイテム付与権利情報がサーバコンピュータ3000に記憶される。そして、遊技者が、当該遊技者の携帯端末2000によってサーバコンピュータ3000にアクセスして、アイテム取得権利情報に基づくアイテムを付与するよう指示すると、それに応じて、サーバコンピュータ3000の特典付与手段3000dは、当該遊技者の携帯端末2000の製造番号等とともに保存されているアイテム取得権利情報に基づくアイテムを付与して当該携帯端末2000に送信するように構成してもよい。
なお、パスワードが入力される遊技機が遊技機100ではなく、スロットマシン1である場合も、同様に動作するので、説明は省略する。
【0420】
また、遊技機100とスロットマシン1をその日に両方遊技した場合に、特別なデータ共有ができるようにしてもよい。
具体的には、例えば、サーバコンピュータ3000の遊技履歴保存手段3000aに、遊技者の遊技履歴情報として日付も記憶するように構成する。そして、遊技機100は、入力されたパスワードに基づいて、スロットマシン1等の他の遊技機において遊技者が遊技した日付も判別し、判別した日付の中に今日の日付がある場合には、スロットマシン1等の他の遊技機との間で共有可能な特別なデータを、当該遊技者に付与するように構成してもよい。
【0421】
また、第3実施形態及び第4実施形態では、スロットマシン1については遊技機100等を他の遊技機とし、遊技機100についてはスロットマシン1等を他の遊技機としたが、例えば、スロットマシン1については当該スロットマシン1以外のスロットマシン等を他の遊技機としてもよいし、遊技機100については当該遊技機100以外のパチンコ遊技機を他の遊技機としてもよい。
【0422】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0423】
例えば、本発明の遊技機100は、遊技機として、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機及びスロットマシンに適用可能である。
【0424】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、前述の実施形態及び変形例の構成を組み合わせて適用しても良い。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。