(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ケースの側面のうちで、前記スピーカが取付られた側とは反対側の側面と、前記磁気回路との間には、前記スピーカを駆動する電子回路が設けられ、前記受熱部は、前記電子回路と前記磁気回路との間に挿入された請求項8に記載のスピーカシステム。
装置本体と、前記装置本体に搭載された駆動部と、前記装置本体内に設置された請求項1に記載のスピーカシステムと、前記装置本体内に設けられた前記スピーカシステムの固定部とを備え、前記スピーカシステムは前記第1放熱部が上側となる方向で設置された移動体装置。
前記ケースの外周に設けられた取付部と、前記放熱体に設けられた第2放熱部をさらに備え、前記固定部は金属製であり、前記第2放熱部は、前記取付部と前記固定部との間に狭持された請求項11に記載の移動体装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態のスピーカシステムについて図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるスピーカシステム101を背面方向から見た断面図である。スピーカシステム101は、樹脂製のケース102、金属製の放熱体103と、動電型のスピーカ111を含んでいる。スピーカ111は、磁気回路112を含んで構成されている。さらに、放熱体103は、ケース102へ植設されている。
【0012】
放熱体103には、第1放熱部103Aと受熱部103Bを含んでいる。第1放熱部103Aは、ケース102の外へ突出して形成されている。受熱部103Bは、ケース102の内側に露出するように設けられている。そして、放熱体103は、磁気回路112の上方となる位置に配置され、受熱部103Bと磁気回路112との間に隙間104が形成されている。
【0013】
これにより、磁気回路112から隙間104の空気に伝達した熱は、放熱体103を介して、第1放熱部103Aからケース102の外部へと放熱できる。したがって、ケース102内部の温度の上昇を良好に抑制できる。
【0014】
以下、本実施の形態におけるスピーカシステムについてさらに詳しく説明する。最初に、本発明の実施の形態のスピーカシステムを搭載した移動体装置を説明する。
図2は、本発明の実施の形態のスピーカシステムを搭載した移動体装置の概略図である。
図3は、本発明の実施の形態のスピーカシステムを移動体装置へ装着した状態の概略図である。
【0015】
移動体装置201は、装置本体部202、駆動部203、固定部204とスピーカシステム301を含んでいる。なお、本実施の形態では、移動体装置201として、電気自動車を例にとって説明している。しかし、移動体装置201は、電気自動車に限らない。たとえば、移動体装置201は、エンジンによって駆動される車両や、エンジンとモータを搭載したハイブリッドタイプの車両でも良い。さらに、移動体装置201は、自動車に限らない。たとえば、バイク、電動自転車、フォークリフトなどでもかまわない。
【0016】
装置本体部202には、乗車空間202Aと、エンジンルーム202Bあるいはモータルーム202Cを含んでいる。なお、移動体装置201が、電気自動車である場合、装置本体部202には、モータルーム202Cを含んでいる。また移動体装置201が、エンジン車である場合、装置本体部202には、エンジンルーム202Bを含んでいる。なお、移動体装置201がハイブリッドタイプの車両である場合、エンジンルーム202B内に電動機も収納されている。
【0017】
駆動部203は、装置本体部201内に搭載され、移動体装置201を駆動している。なお、駆動部203には、タイヤなどを含んでも良い。さらに移動体装置201が、電気自動車である場合、駆動部203には、電動機を含んでいる。そしてこの場合、電動機はモータルーム202C内に設置されている。あるいは移動体装置201が、エンジン車やハイブリッド車である場合、エンジンや電動機はともにエンジンルーム202B内に収納されている。一方、移動体装置201が、エンジン車やハイブリッド車である場合、駆動部203にはエンジンを含んでいる。そしてこの場合、エンジンや電動機は、エンジンルーム202B内に収納されている。
【0018】
本実施の形態におけるスピーカシステム301は、車両接近警報装置である。スピーカシステム301は、エンジンルーム202Bあるいはモータルーム202C内に収納されている。この場合、歩行者などへ車両の接近を知らせるために、スピーカシステム301は、移動体装置201の前方を向いて設置されている。したがって、スピーカシステム301は、エンジンなどが発する熱や、砂・埃、さらには雨水などのような劣悪な環境下にさらされた状態で動作している。このように、スピーカシステム301は、エンジンルーム202Bあるいはモータルーム202C内に収納され、音を出力する機器などに用いることが好ましい。
【0019】
なお、スピーカシステム301は、車両接近警報装置に限らない。たとえば、スピーカシステム301は、擬似エンジン音発生装置、あるいは能動型の騒音低減装置などに用いてもかまわない。また、スピーカシステム301は、エンジンルーム202Bあるいはモータルーム202C内において、駆動部203よりも前方となる位置に配置することが好ましい。この位置に配置することにより、歩行者などは、スピーカシステム301から出力される警報音を気付きやすくできる。さらに、スピーカシステム301の設置場所は、エンジンルーム202Bやモータルーム202Cに限らない。たとえば、ドアミラーのハウジング内や、バンパー内、さらにはトランクルーム内などに設置してもかまわない。
【0020】
装置本体部202内には、固定部204が設けられている。そして、スピーカシステム301は、固定部204へとねじなどによって固定されている。なお、本実施の形態の固定部204は、金属製である。なお、スピーカシステム301には、取付部302Dが設けられている。そのために取付部302Dは、スピーカシステム301のケース302の外周面から突出して形成されている。そして、取付部302D、金属製のねじ205などによって固定部204へと固定されている。したがって、スピーカシステム301は強固に固定部204へと固定されている。その結果、移動体装置201の移動などによる振動が、スピーカシステム301へ加わったとしても、スピーカシステム301が固定部204から外れることなどを抑制できる。
【0021】
次に、スピーカシステム301について説明する。
図4は、本発明の実施の形態のスピーカシステム301を背面方向から見た断面図である。
図5は、スピーカシステム301を側面方向から見た断面図である。なお、
図4は、スピーカシステム301を、
図5に示す断面線4−4で切断した図面である。
図5は、スピーカシステム301を、
図4に示す断面線5−5で切断した図面である。
【0022】
スピーカシステム301は、ケース302、放熱体303、電子回路304および動電型のスピーカ311を含んでいる。スピーカ311および電子回路304は、樹脂製のケース302内に収納されている。
【0023】
ケース302は、箱部302Aと蓋部302Bを含んで構成することが好ましい。箱部302A内は中空の空間であり、箱部302Aの一方側には開口部302Cが形成されている。そして、蓋部302Bは、開口部302Cを塞ぐようにして、箱部302Aへ装着されている。この構成により、雨水などのスピーカシステム301内への浸入を抑制できる。スピーカシステム301は、スピーカ311が出力した音をケース302の外部へ放音することが必要である。そこで、蓋部302Bには、音をケース302の外へ放音するための貫通孔が設けられている。そして、貫通孔から雨水がスピーカシステム301内へ浸入することを抑制するため、蓋部302Bには貫通孔を隠すようにしてルーバが設けられている。
【0024】
電子回路304は、スピーカ311へ音声信号を供給している。そしてスピーカ311は、電子回路304から入力した音声信号を音へと変換して出力している。電子回路304は、ケース302の底部302Eと、磁気回路313との間の空間内に収納されている。なお、底部302Eとは、ケース302の側面のうちで、スピーカ311が取付られた側とは反対側の側面である。
【0025】
動電型のスピーカ311は、フレーム312、磁気回路313、振動板314、ボイスコイル315、磁気ギャップ316を含んでいる。磁気回路313は、フレーム312の中央部に装着されている。一方振動板314は、フレーム312の外周部に結合されている。振動板314の中央部にはボイスコイル315が連結されている。そしてボイスコイル315の先端は、磁気回路313に形成された磁気ギャップ316内に挿入されている。磁気回路313には、たとえば外磁型を用いることができる。この場合、スピーカ311の背面方向から磁気回路313を見た場合、磁気回路313の外形の形状はたとえば略円形状としている。なお、磁気回路313は外磁型を用いているが、これに限らない。たとえば、磁気回路313には内磁型あるいは、内磁型と外磁型とを組合せて使用してもかまわない。
【0026】
移動体装置201には、ケース302の近傍にエンジンなどの発熱体が存在する。したがってこれらが発する熱によって、ケース302内の温度は上昇する。そこで、ケース302には樹脂を用いることが好ましい。このような構成としたことにより、ケース302は熱伝導性が小さくできるので、ケース302の外部の熱がケース302の内部へ伝導しにくくできる。その結果電子回路304の温度が上昇することを抑制できる。
【0027】
このように、ケース302は樹脂製であるので、ケース302の外部からの熱の進入を抑制している。ところが逆に、ケース302は、ボイスコイル315において発生する熱を、ケース302の外部へ放熱しにくくなる。
【0028】
そこで、スピーカシステム301には、金属製の放熱体303を設ける。放熱体303には熱伝導性の良好な材料を用いることが好ましい。たとえば、放熱体303には、銅やアルミなどを用いることができる。銅は非常に熱伝導率の値が大きいので、良好に放熱できる。あるいはアルミは、比重が小さいので、スピーカシステム301の軽量化に貢献できる。なお、放熱体303は、ケース302に植設されている。そして、放熱体303は、磁気回路313の上方となる位置に配置している。放熱体303には、第1放熱部303Aと受熱部303Bを含んでいる。第1放熱部303Aは、ケース302の外へ突出し、ケース302の内部の熱をケース302外へと放熱している。一方受熱部303Bは、ケース302の内面から露出している。なお、受熱部303Bは、磁気回路313の上方の位置に配置することが好ましい。
【0029】
以上の構成により、ボイスコイル315において発生する熱は、放熱体303を介して、ケース302の外部へ放熱できる。したがって、ケース302の内部の温度の上昇を良好に抑制できる。
【0030】
さらに、受熱部303Bと磁気回路313との間には隙間305が形成されている。したがって、受熱部303Bと磁気回路313が、当たることが抑制できる。受熱部303Bと磁気回路313とが当たることによって発生する異音を抑制できる。また、磁気回路313の振動は、直接に放熱体303へ伝達しないので、放熱体303が共振振動することを抑制できる。したがって、放熱体303が共振音を発生することも抑制できる。
【0031】
そして、スピーカシステム301は、
図3に示すように、放熱体303側が上となる方向で、移動体装置201へ設置される。その結果、磁気回路313の発熱による熱によって暖められた隙間305の空気の熱は、受熱部303Bにて放熱体303へ伝達する。そして受熱部303Bへ到達した熱は、第1放熱部303Aへ伝導する。その結果、磁気回路313で発生した熱は、第1放熱部303Aからケース302の外部の空気へと伝達されることにより、ケース302の外部へと放熱される。
【0032】
電子回路304には、たとえば増幅回路などを含んでおり、発熱する。電子回路304で発生した熱も、放熱体303によって放熱できる。したがって、さらに、電子回路304の温度の上昇を抑制できる。
【0033】
この場合、受熱部303Bは、電子回路304の上方となる位置まで延在しておくことが好ましい。これにより、電子回路304で発生する熱は受熱部303Bへ良好に伝達できる。さらに、第1放熱部303Aは、電子回路304の上方となる位置まで延在しておくことが好ましい。これにより、電子回路304で発生する熱は第1放熱部303Aから良好に外部へと放熱できる。
【0034】
以上の構成により、スピーカシステム301の外部で発生した熱が、スピーカシステム301内部へ侵入することを抑制し、かつスピーカシステム301内部で発生した熱は、スピーカシステム301外へと放出することができる。したがって、ケース302内部の温度の上昇を良好に抑制できるので、電子回路304の温度の上昇も抑制できる。その結果、電子回路304が熱により異常な動作をしたり、あるいは動作を停止するなどのような不具合の発生を抑制できる。
【0035】
放熱体303は、金属板を折り曲げられて形成することが好ましい。この構成により、放熱体303は、容易にプレス加工によって製作できるので、放熱体303は安価である。また、放熱体303は、軽量であるので、スピーカシステム301を軽量化できる。そしてスピーカシステム301の軽量化は、移動体装置201の燃料や電気の消費量の削減に貢献できる。
【0036】
第1放熱部303Aは中空としている。この構成とすることにより、プレス加工での加工が容易である。さらに、第1放熱部303Aの内側も受熱部として作用するので、さらに良好に放熱できる。なお、放熱体303は、第1放熱部303Aの先端で、折り返した構成としてもかまわない。また、放熱体303は、金属板の折り曲げ加工によって製作することに限らない。放熱体303は、たとえば鍛造やダイカストによって製作してもかまわない。
【0037】
ケース302内の空気は、磁気回路313で発生した熱によって、比重が小さくなりケース302内の上方へと移動する。そこで、受熱部303Bは下方から上方に向かって、幅が狭まる方向の傾斜を設けることが好ましい。この構成により、磁気回路313で発生した熱は、第1放熱部303Aへ集中するので、第1放熱部303Aから磁気回路313で発生した熱を良好に放熱できる。なお、磁気回路313の形状が略円形状である場合、受熱部303Bにおいて、磁気回路313と対向する面の形状は、略円形状とする。そして、磁気回路313と対向する面は、磁気回路313と同心円上となるような形状とすることが好ましい。この構成により、さらに良好に磁気回路313が発生した熱を放熱できる。
【0038】
また、ケース302をスピーカシステム301の前面方向から見た場合、ケース302には、放熱体303の植設された位置から、下方へ向かうに従って、幅が広がるような傾斜を設けることが好ましい。すなわち第1放熱部303Aは、ケース302の最も上方の位置に配置される。したがって、磁気回路313で発生した熱は、放熱体303へ集中するので、放熱体303で磁気回路313で発生した熱を良好に放熱できる。そのために、ケース302をスピーカシステム301の前面方向から見た場合、ケース302の形状はたとえば略円形状としている。しかし、ケース302の形状は、円形に限らない。たとえば、略三角形や、略台形、さらには楕円やトラック状でもかまわない。
【0039】
スピーカシステム301を前面方向から見た場合のケース302の形状が略円形状である場合、スピーカ311を振動板314側から見た場合のスピーカ311の外形の形状も略円形状であることが好ましい。すなわち、スピーカシステム301の前面方向からフレーム312を見た場合、フレーム312の外形の形状も略円形である。この場合、フレーム312は、ケース302の内周にはめ込まれた構成とできる。その結果、フレーム312の外周とケース302の内周との間の隙間に容易に接着剤を充填できるので、雨水などがスピーカシステム301内部へ侵入することを容易に抑制できる。また、フレーム312の外周とケース302の内周との間は、接着剤によって容易に固定することもできる。
【0040】
さらに、第1放熱部303Aは、ケース302と一体に成形しておくことが好ましい。ケース302は樹脂製であるので、第1放熱部303Aは、ケース302を射出成形する工程で、容易に一体に成形できる。たとえば、第1放熱部303Aは、インサート成型によってケース302と一体化できる。あるいは、第1放熱部303Aは、アウトサート成型によってケース302と一体化しても良い。この場合、第1放熱部303Aとケース302との間には隙間が生じないので、雨水がスピーカシステム301内へ浸入することを容易に抑制できる。
【0041】
もちろん、ケース302には、放熱体303を装着するための貫通孔を設けておく構成としてもかまわない。この場合、この貫通孔と第1放熱部303Aとの間には隙間が生じる。そこで、ケース302と第1放熱部303Aとの間の隙間には、接着剤を充填する。この構成により、接着剤は、ケース302と放熱体303を固定し、かつ雨水のスピーカシステム301内への浸入を抑制する。
【0042】
さらにまた、放熱体303には、第2放熱部303Cが設けられている。第2放熱部303Cは、たとえば第1放熱部303Aから延在して、形成することが好ましい。この構成により、放熱体303の放熱面積が大きくできるので、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。
【0043】
そして、
図3に示すように、スピーカシステム301が固定部204へ取り付けられた状態で、第2放熱部303Cは、取付部302Dと固定部204との間に狭持されるように形成されている。この構成により、放熱体303へ伝わった熱は、第2放熱部303Cを介して、固定部204へと放熱する経路でも放熱できる。したがって、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。この場合、固定部204は金属製であることが好ましい。さらにこの場合、取付部302Dも金属製とすることが好ましい。
【0044】
図6は、他の例の放熱体を用いたスピーカシステム401を背面方向から見た断面図である。本例のスピーカシステム401は、
図4に示す放熱体303に対して、放熱体403を用いてる点が異なっている。放熱体403には、第1放熱部403Aが2箇所に設けられている。なお、第1放熱部403Aは、2箇所としているが、これに限らない。たとえば、第1放熱部403Aは、3箇所以上設けてもかまわない。この構成により、放熱体403には、複数の第1放熱部403Aが形成されているので、第1放熱部403Aが外気と接する面積を大きくできる。したがって、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。
【0045】
なお、受熱部403Bは、第1放熱部403A同士の間を連結している。すなわち、受熱部403Bは、第1放熱部403A同士を連結する連結部でもある。そして、受熱部403Bは、磁気回路313の真上となる位置に配置されている。この構成により、磁気回路313で発した熱は、受熱部403Bへ良好に伝達するので、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。
【0046】
図7は、さらに他の例の放熱体413を用いたスピーカシステムの断面図である。本例のスピーカシステム411は、
図4に示す放熱体303に対して、放熱体413を用いてる点が異なっている。放熱体413には、凹凸413Dを形成している。この場合、凹凸413Dは第1放熱部413Aに形成することが好ましい。この構成により、第1放熱部413Aが外気と接する面積を大きくできるので、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。さらに、凹凸413Dは受熱部413Bに形成することが好ましい。この構成により、受熱部413Bがケース302内の空気と接する面積を大きくできるので、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。本例では、第1放熱部413Aと受熱部413Bの双方に凹凸413Dを設けたが、これに限らない。凹凸413Dは、第1放熱部413Aと受熱部413Bのいずれか一方だけに形成してもかまわない。
【0047】
さらに、放熱体413とケース302とが一体に形成されている場合、凹凸413Dは放熱体413のケース302に埋設された箇所にも設けておくことが好ましい。この構成により、ケース302と放熱体413とが接する面積も大きくできる。したがって、ケース302へ伝達した熱も放熱体413を介して放熱できる。さらに、放熱体413は、ケース302へしっかりと固定できる。
【0048】
図8は、他の例の受熱部を有する放熱体を搭載したスピーカシステムを背面方向から見た断面図である。本例のスピーカシステム511は、
図4に示す放熱体303に対して、放熱体513を用いてる点が異なっている。放熱体513の受熱部513Bは、ケース302内に突出するようにして形成してもかまわない。この構成により、受熱部513Bと磁気回路313との間の隙間305の距離を短くできる。したがって、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。
【0049】
図9は、さらに他の例の受熱部523Bを有する放熱体を搭載したスピーカシステムを背面方向から見た断面図である。
図10は、本例のスピーカシステムを側面方向から見た断面図である。なお、
図9は、
図10における断面線9−9において切断した状態の断面を示している。本例のスピーカシステム521は、
図4に示す放熱体303に対して、放熱体523を用いてる点が異なっている。放熱体523は、
図4に示す放熱体303に加えて、受熱部523Bを有している。そして、受熱部523Bは、電子回路304と磁気回路313との間に配置されている。この構成により、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。また、受熱部523Bは、電子回路304の近傍に配置できるので、電子回路304で発生する熱を良好に第1放熱部303Aへと伝導できる。したがって、さらに、電子回路304で発生する熱を良好に外部へと放熱できる。なお、本例における放熱体523では、受熱部523Bが設けられているので、必ずしも受熱部303Bを設ける必要はない。
【0050】
ただし、この場合、受熱部523Bが電子回路304と磁気回路313との間の位置に配置されてるので、電子回路304は開口部302C側から挿入することが困難である。そこで、本例のスピーカシステム521はさらに、
図4に示すケース302に対して、ケース522を用いてる点が異なっている。ケース522は、蓋部302Bと箱部522Aによって形成されている。そして箱部522Aは、枠体部522Fと、底部522Eとが、たとえば接着剤などによって、接続されて構成されている。なお、枠体部522Fと、底部522Eの接続は、接着剤に限らない。たとえば、溶着によって接続してもかまわない。以上の構成とすることにより、放熱体523が電子回路304と磁気回路313との間の位置に配置された構成であっても、電子回路304は容易に箱部522A内へ収納できる。
【0051】
図11は、さらに他の例のスピーカシステムを側面方向から見た断面図である。本例のスピーカシステム531は、
図4に示すケース302に代えてケース532を用いている点が異なっている。ケース532には、通気孔532Fが形成されている。なお、通気孔532Fは、ケース532の底部532Eを貫通して形成されている。この構成とすることにより、磁気回路313が発熱した場合に、ケース532内の空気は外部へと流出できる。したがって、ケース532内の気圧上昇が抑制できるので、振動板314の動作の妨げにならない。その結果、特に低域の音を良好に再生できる。
【0052】
さらに、本例のスピーカシステム531では、
図4に示す放熱体303に代えて、放熱体533を用いてる点が異なっている。放熱体533は、
図4に示す放熱体303に加えて、露出部533Dと連結部533Eを有している。そして露出部533Dは、通気孔532Fの内壁で露出している。なお、連結部533Eは、第1放熱部533Aと露出部533Dの間を連結している。
【0053】
このような構成とすることにより、露出部533Dでは放熱あるいは受熱できる。たとえば、通気孔532Fを通過する空気の温度が、露出部533Dの温度よりも低い場合、第1放熱部533Aに伝導した熱は、露出部533Dを介して外部へ廃熱される。逆に通気孔532Fを通過する空気の温度が、露出部533Dの温度よりも高い場合、通気孔532Fを通過する空気の熱の一部は、露出部533Dへ伝達される。その結果、露出部533Dへ伝達された熱は、連結部533Eあるいは第1放熱部533Aから、ケース532の外部へと放熱される。したがって、さらに磁気回路313が発した熱を良好に放熱できる。