(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244576
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】着脱式ワッペン状装飾体
(51)【国際特許分類】
G09F 3/00 20060101AFI20171204BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20171204BHJP
B44C 5/00 20060101ALI20171204BHJP
C09J 7/02 20060101ALI20171204BHJP
C09J 133/00 20060101ALI20171204BHJP
A44C 3/00 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
G09F3/00 D
G09F3/10 A
B44C5/00 G
C09J7/02 Z
C09J133/00
A44C3/00
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-91177(P2016-91177)
(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公開番号】特開2016-153916(P2016-153916A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2016年5月20日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年4月27日、阪急うめだ本店1階にて販売
(73)【特許権者】
【識別番号】516129699
【氏名又は名称】株式会社OHS
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】南 景純
【審査官】
谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−037511(JP,A)
【文献】
特開2010−084310(JP,A)
【文献】
米国特許第05491006(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00−3/20
A44C 1/00−3/00
B44C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象に着脱可能に貼付される着脱式ワッペン状装飾体であって、
熱圧着層を有するワッペン本体と、
このワッペン本体と前記取付対象の間に設けられる粘着シート部材と、を備え、
前記粘着シート部材は、前記熱圧着層に粘着可能な第1の粘着層と、
前記取付対象に粘着可能な第2の粘着層と、
前記第1の粘着層と前記第2の粘着層の間に設けられる着色された支持層と、を有し、
前記支持層は、厚さが50〜100μmの範囲に設定されたフィルムにより形成されており、
前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、接着力が2.0〜4.0N/cmの範囲に設定されており、
前記粘着シート部材の外縁部は、前記ワッペン本体の外縁部と一致するよう加工されていることを特徴とする、着脱式ワッペン状装飾体。
【請求項2】
取付対象に着脱可能に貼付される着脱式ワッペン状装飾体であって、
熱圧着層を有するワッペン本体と、
このワッペン本体と前記取付対象の間に設けられる粘着シート部材と、を備え、
前記粘着シート部材は、前記熱圧着層に粘着可能な第1の粘着層と、
前記取付対象に粘着可能な第2の粘着層と、
前記第1の粘着層と前記第2の粘着層の間に設けられる支持層と、
着色された着色層と、を有し、
前記支持層は、厚さが50〜100μmの範囲に設定されたフィルムにより形成されており、
前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、接着力が2.0〜4.0N/cmの範囲に設定されており、
前記粘着シート部材の外縁部は、前記ワッペン本体の外縁部と一致するよう加工されていることを特徴とする、着脱式ワッペン状装飾体。
【請求項3】
前記フィルムの材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートから選ばれることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の着脱式ワッペン状装飾体。
【請求項4】
前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、皮膚貼付用アクリル系粘着材であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の着脱式ワッペン状装飾体。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のワッペン本体に貼付される粘着シート部材であって、
前記熱圧着層に粘着可能な第1の粘着層と、
前記取付対象に粘着可能な第2の粘着層と、
前記第1の粘着層と前記第2の粘着層の間に設けられる着色された支持層と、を有し、
前記支持層は、厚さが50〜100μmの範囲に設定されたフィルムにより形成されており、
前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、接着力が2.0〜4.0N/cmの範囲に設定されており、
前記粘着シート部材の外縁部は、前記ワッペン本体の外縁部と一致するよう加工されていることを特徴とする、粘着シート部材。
【請求項6】
請求項1〜4の何れかに記載のワッペン本体に貼付される粘着シート部材であって、
前記熱圧着層に粘着可能な第1の粘着層と、
前記取付対象に粘着可能な第2の粘着層と、
前記第1の粘着層と前記第2の粘着層の間に設けられる支持層と、
着色された着色層と、を有し、
前記支持層は、厚さが50〜100μmの範囲に設定されたフィルムにより形成されており、
前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、接着力が2.0〜4.0N/cmの範囲に設定されており、
前記粘着シート部材の外縁部は、前記ワッペン本体の外縁部と一致するよう加工されていることを特徴とする、粘着シート部材。
【請求項7】
前記フィルムの材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートから選ばれることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の粘着シート部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付対象に着脱可能に貼付される着脱式ワッペン状装飾体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、おしゃれを楽しむため、衣料品やバッグ、靴、帽子、スポーツ用品、各種小物等にワッペンを取付け、自分好みのデザインにカスタマイズすることが行われている。従来、この種のワッペンは、糸による縫い付けや接着剤等によって取付けられていた。
【0003】
中でも、接着剤を利用するものとしては、裏面に感熱接着剤を塗布したワッペンが普及している。この感熱接着剤は、常温ではほとんど接着性を示さないが、熱アイロンなどにより熱を与えながら圧着し、自然冷却させることで所望の接着が達成される。このように、感熱接着剤を塗布したワッペンは、感熱接着剤の塗布面を布等の取付対象に当て、アイロンをかけることにより接着が達成されるという取扱の容易さから広く利用されている。
【0004】
しかしながら、上記のような縫い付けや接着剤を用いる方法は、半永久的に接着することを想定しているため、取り外すことが極めて困難であり、流行や好みもしくはそれらの変化等に応じて、簡単に模様替えできるものではなかった。また、仮に取り外せたとしても取付対象の表面に針跡や接着跡が残ってしまうため、模様替えが事実上不可能であった。
【0005】
このような状況に鑑み、貼付する位置を容易に変更することができ、取付対象の生地に針跡や接着跡などをつけることなく剥離することができる着脱自在のワッペン状刺繍装飾品が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1には、「常温で繰り返し使用可能な、特殊粘着エラストマーによる粘着シートを半永久的に接着した、あらゆる固形物に対して脱着自在のワッペン状刺繍装飾品」の技術が記載されている。このように、ワッペンに特殊粘着エラストマーの粘着シートを設けることにより、天然繊維や合成繊維・皮革等に施した刺繍装飾の脱着させることができ、簡単かつ生地に針跡や接着跡などをつけずに、流行や好みもしくはこれらの変化等に応じて、簡単に装飾の模様替えができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平7−10767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、スポーツ観戦等においては、顔等の人間の皮膚にステッカーやペイントを施すことが行われている。このようなステッカーやペイントは、基本的にその場限りのものであり、観戦後はステッカーを剥がして捨てたり、ペイントを落としてしまうことがほとんどであった。
そこで、本発明者は、観戦時には人間の皮膚に貼付することができ、観戦後にはタオルや鞄等の持ち物に貼付する等して再使用することが望ましいと考えた。
【0009】
特許文献1に記載の脱着自在のワッペン状刺繍装飾品は、貼付した箇所から剥がして、異なる箇所に再度貼付することができるものの、繰り返し使用している内に粘着シートが劣化して、粘着力が落ちてくることが想定される。
ところが、この特許文献1の粘着シートは接着剤によって刺繍装飾品に接着されているため、交換することが難しかった。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされた発明であり、粘着層を交換可能な着脱式ワッペン状装飾体を提供することを課題とする。
また、本発明は、粘着シート部材を容易に交換することができる着脱式ワッペン状装飾体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る着脱式ワッペン状装飾体は、取付対象に着脱可能に貼付される着脱式ワッペン状装飾体であって、熱圧着層を有するワッペン本体と、このワッペン本体と前記取付対象の間に設けられる粘着シート部材と、を備え、前記粘着シート部材は、前記熱圧着層に粘着可能な第1の粘着層と、前記取付対象に粘着可能な第2の粘着層と、前記第1の粘着層と前記第2の粘着層の間に設けられる支持層と、を有していることを特徴とする。
【0012】
このように、支持層の両面に粘着層を有する粘着シート部材を備えることにより、粘着シート部材の粘着力が低下した場合であっても、粘着シート部材を容易に交換することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記支持層は、着色されていることを特徴とする。
このように、支持層が着色されていることにより、粘着シート部材の外縁部の位置を目視で正確に把握することができる。そのため、粘着シート部材の交換時には、粘着シート部材の外縁部を集中的に剥がすことで容易に剥離させることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記粘着シート部材は、着色された着色層をさらに有していることを特徴とする。
このように、粘着シート部材が着色層をさらに有することにより、粘着シート部材の外縁部の位置を把握でき容易に剥がすことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記支持層は、ポリエチレンフィルムで形成されており、このポリエチレンフィルムは、50〜100μmの厚さに設定されていることを特徴とする。
このように、支持層を50〜100μm厚のポリエチレンフィルムで形成することにより、粘着シート部材を容易に剥がすことができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、皮膚貼付用アクリル系粘着材であることを特徴とする。
このように、粘着層に皮膚貼付用アクリル系粘着材を採用することにより、皮膚トラブルを起こすことなく人間の皮膚に貼付することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記第1の粘着層及び前記第2の粘着層は、2.0〜
4.0N/cmの接着力を有していることを特徴とする。なお、この接着力の値は、ポリプロピレン板に対して測定した場合の結果を示している。
このように、2.0〜
4.0N/cmの接着力を有していることにより、粘着時には容易に剥がれてしまうことがなく、交換時には取付対象の表面に大きなダメージを与えることなく容易に剥がすことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、粘着層を交換可能な着脱式ワッペン状装飾体を提供することができる。
また、本発明によれば、粘着シートを容易に交換することができる着脱式ワッペン状装飾体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態1に係る着脱式ワッペン状装飾体の外観斜視図である
【
図2】本発明の実施形態1に係る着脱式ワッペン状装飾体の断側面図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係る着脱式ワッペン状装飾体の使用状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係る着脱式ワッペン状装飾体の断側面図である。
【
図5】本発明の実施形態3に係る着脱式ワッペン状装飾体の断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図面に示した好ましい実施形態1〜3について
図1〜5を用いて詳細に説明する。本発明の技術的範囲は、添付図面に示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。
【0021】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る着脱式ワッペン状装飾体Aの斜視図を示しており、
図2は、
図1の縦断面図を示している。
図3は、本発明に係る着脱式ワッペン状装飾体Aを革製品K(取付対象の一例)に取り付けた様子を示している。なお、
図3においては、取付対象として革製品Kを例示したが、天然繊維や合成繊維・皮革はもとより、布製品をはじめ、人間の皮膚、木製品・合成樹脂製品・ガラス製品・金属製品・その他の鉱物製品に対しても取り付けることが可能である。
【0022】
本発明の実施形態1に係る着脱式ワッペン状装飾体Aは、熱圧着層12を有するワッペン本体10と、このワッペン本体10と革製品Kの間に設けられる粘着シート部材20と、を備えている。
【0023】
ワッペン本体10は、表面側が装飾された装飾層11と、この装飾層11の裏面側に設けられる熱圧着層12と、を有している。このようにワッペン本体10は、従来の熱アイロンによって布製品等に接着される熱圧着式のワッペンと同様の構成であるため、熱圧着層12を熱アイロン等で溶かして取付対象に取り付けることもできる。本実施形態では、この装飾層11がワッペンである例を示したが、ワッペン状であれば当然に適用する
ことができ、例えば、アップリケやゼッケン、ステッカー等であっても良い。
【0024】
熱圧着層12としては、一般的な熱アイロンにより熱圧着されるワッペンに用いられる感熱接着剤を採用することができ、例えば、ナイロンフィルムやウレタンフィルム等の熱可塑性のホットメルト合成樹脂フィルムを例示することができる。
【0025】
粘着シート部材20は、熱圧着層12に粘着可能な第1の粘着層21と、取付対象に粘着可能な第2の粘着層22と、第1の粘着層21と第2の粘着層22の間に設けられる支持層23と、を有している。
この粘着シート20の全体の厚さとしては、0.1〜0.2mm程度の厚さに設定されている。
【0026】
第1の粘着層21及び第2の粘着層2
2は、皮膚貼付用のアクリル系粘着材で形成されている。この皮膚貼付用のアクリル系粘着材の好ましい接着力の範囲は、ポリプロピレン板に対して接着力を測定した場合において、2.0〜4.0N/cmであり、さらに好ましい範囲は、2.5〜3.0N/cmである。接着力が2.0未満では粘着力が弱すぎるため、着脱式ワッペン状装飾体が物に接触した際等に取付対象から剥がれてしまう場合がある。一方で、接着力が4.0N/cmを超えると粘着シート部材20が剥がし難くなり、剥がす際に取付対象に接着跡等を残してしまうことがある。
なお、この皮膚貼付用のアクリル系粘着材は、かつらや付け爪等の固定に使用される粘着材である。
【0027】
支持層23は、ポリエチレンフィルムで形成されている。このポリエチレンフィルムの好ましい厚さの範囲は、50〜100μmであり、さらに好ましい範囲は、70〜80μmである。ポリエチレンフィルムの厚さが50μm未満では、支持層23が薄すぎて指で剥がすことが難しい場合がある。一方、ポリエチレンフィルムの厚さが100μmを超えると、ワッペン本体10の形状に沿って加工しにくくなってしまう場合がある。また、支持層23が厚くなりすぎると、着脱式ワッペン状装飾体A全体が厚くなり、障害物等と接触した際に捲れやすくなってしまう。そのため、粘着シート部材20に埃等が接触しやすくなり、粘着シート部材20の劣化を速めてしまう。
【0028】
支持層23としてポリエチレンフィルムである例を示したが、ポリプロピレンやポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等で形成されたフィルムを採用しても良い。
この支持層23は、白色や黒色、有彩色等に着色されていることが望ましい。通常、上記のようなフィルムは、無
色透明に形成されているため、どの領域に貼付されているか目視で確認することが難しい。そのため、支持層23を着色することで、貼付領域を明確にすることができる。
【0029】
本発明によれば、取り替え可能な粘着シート部材20を備えることにより、取付対象への着脱(模様替え)を繰り返し粘着シート部材20の粘着力が弱くなってきた際に、新しい粘着シート部材20と交換することができ、粘着力の劣化による剥離を抑制することができる。そのため、スポーツ観戦時には人間の皮膚に貼付していたワッペン状装飾体を、粘着力の劣化を気にすることなく、タオルや鞄等の持ち物に貼付して再使用することができる。また、鞄などに貼付する場合には、何度も模様替えを行い、自分好みのデザインにカスタマイズしておしゃれを楽しむことができる。
【0030】
また、本発明によれば、第1の粘着層21と第2の粘着層22に、皮膚貼付用のアクリル系粘着材を採用することにより、人間の皮膚に皮膚かぶれ等の皮膚トラブルが発生することを抑制することができる。すなわち、皮膚かぶれの原因となる機械的刺激やアレルギー物質、化学的刺激の少ない皮膚貼付用のアクリル系粘着材を採用することにより、安心して皮膚に粘着させることができる。
【0031】
また、本発明によれば、支持層23が着色されていることにより、熱圧着層12のどの領域に粘着シート部材20が貼付されているかを目視することできる。そのため、粘着シート部材20の外縁部の位置を正確に把握することができ、容易に剥がすことができる。
【0032】
また、本発明によれば、ワッペン本体10を気に入った位置に熱圧着することもできる。すなわち、ワッペン本体10は、従来のワッペンと同じように熱圧着層12を有しているため、熱アイロンを用いて接着することができる。そのため、粘着シート部材20を用いて、気に入る位置を模索した後、粘着シート部材20を剥がして熱圧着することもできる。
【0033】
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2に係る着脱式ワッペン状装飾体Bについて、
図4を参照して詳細に説明する。この実施形態2に係る着脱式ワッペン状装飾体Bは、先の実施形態1に係る着脱式ワッペン状装飾体Aとは異なる粘着シート部材30を備えることを特徴とする。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0034】
本発明の実施形態2に係る着脱式ワッペン状装飾体Bは、
図4に示すように、熱圧着層12を有するワッペン本体10と、このワッペン本体10と革製品Kの間に設けられる粘着シート部材30と、を備えている。
【0035】
この粘着シート部材30は、熱圧着層12に粘着可能な第1の粘着層21と、取付対象に粘着可能な第2の粘着層22と、第1の粘着層21と第2の粘着層22の間に設けられる支持層23と、第1の粘着層21と第2の粘着層22の間に設けられる着色層31と、支持層23と着色層31との間に設けられる接着層32と、を有している。
【0036】
この着色層31は、白色や黒色、有彩色等に着色されている。このように、着色層31を有していることにより、熱圧着層12のどの領域に粘着シート部材30が貼付されているかを目視することできる。そのため、粘着シート部材30の外縁部の位置を正確に把握することができ、容易に剥がすことができる。
【0037】
<実施形態3>
以下、本発明の実施形態3に係る着脱式ワッペン状装飾体Cについて、
図5を参照して詳細に説明する。この実施形態3に係る着脱式ワッペン状装飾体Cは、有色フィルム41(着色層の一例)を、先の実施形態1に係る着脱式ワッペン状装飾体Aの粘着シート部材20で挟んだ構成を有した粘着シート部材40を備えることを特徴とする。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0038】
本発明の実施形態3に係る着脱式ワッペン状装飾体Cは、
図5に示すように、熱圧着層12を有するワッペン本体10と、このワッペン本体10と革製品Kの間に設けられる粘着シート部材40と、を備えている。
【0039】
この粘着シート部材40は、2枚の粘着シート部材20と、有色フィルム41と、を有し、粘着シート20の間に有色フィルム41が配置されている。
粘着シート20の第1の粘着層21及び第2の粘着層22を、有色フィルム41に粘着可能なフィルム用粘着層24として機能させることにより、有色フィルム41の上下に粘着されている。
【0040】
有色フィルム41としては、粘着シート40が厚くなり過ぎないよう、厚さ100μm以下の薄く形成された有色フィルム41を採用することが望ましい。
【0041】
このように、有色フィルム41を粘着シート部材20で挟むことにより、容易に色付の粘着シート40を製造することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 ワッペン本体
11 装飾層
12 熱圧着層
20 粘着シート部材
21 第1の粘着層
22 第2の粘着層
23 支持層
24 フィルム用粘着層
30 粘着シート部材
31 着色層
32 接着層
40 粘着シート部材
41 有色フィルム
A,B,C 着脱式ワッペン状装飾体
K 革製品