【文献】
TOULZA E et al.,Database GenBank[online],Accession No.DQ991251,<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/116090709?sat=4&satkey=15443166>,18−OCT−2006 uploaded,13−MAR−2015 retrieved,Definition: Homo sapiens late cornified envelope 6A(LCE6A)mRNA,complete cds.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
「皮膚のバリア機能を増強すること」とは、皮膚のバリア機能が、その通常レベルの有効性、すなわち、それが身体を保護するその機能を果たすレベルに相当する、最小レベルの有効性に維持されることを確実にすることを意味する。
【0021】
「乾燥肌の徴候」とは、特に表皮の脱水による、皮膚の外見上のあらゆる変化、例えば、くすんだ、粗い、絹のようでない、赤みがかったおよび/または鱗状の外見、ならびに柔軟性の損失および皮膚の厚さにおける減少を意味する。重症の場合、乾燥肌の徴候としては、かゆみ、ヒリヒリ感および/またはつっぱりなどの、乾燥の現象に伴われる感覚などが挙げられ、これは、過敏症、皮膚萎縮、アトピー性皮膚炎または冬の乾燥症などの、実際の障害の発症をもたらしうる。
【0022】
「乾燥肌の徴候を予防および/または治療すること」とは、表皮のバリア、特にその保護機能もしくは調節機能を増強、保護および/もしくは修復すること、表皮の細胞接着を改良および/もしくは増強すること、侵襲性の薬剤に対する表皮の耐性を増大させること、表皮の構造を改良および/もしくは増強すること、その厚さを増大させること、ならびに/または皮膚の完全性を保証することを結果的に意味する。
【0023】
「皮膚の老化の徴候を予防および/または治療すること」とは、光で誘発された老化または光老化を意味することが好ましい。「皮膚の老化の徴候」とは、老化による皮膚の外見上のあらゆる変化、例えば、しわおよび線、しわしわの皮膚、軟らかい皮膚、薄い皮膚、皮膚の弾性および/または引き締まりの欠如、輝きのないくすんだ皮膚を意味する。
【0024】
「有効量」とは、本発明の意味では、予想される効果、すなわち、化粧効果または治療効果を認めるために必要な最低限の量を意味し、化粧効果または治療効果を得るために必要とされる有効量は、状況に依存して、同一であってもまたは異なっていてもよいことが理解される。
【0025】
「栄養性皮膚障害」とは、特に血管由来の皮膚(表皮、真皮および皮下組織)の異常である障害または動脈由来もしくは静脈由来の微小循環性機能不全によって引き起こされる病変を意味する。これらは、血流が悪い、皮膚の栄養不良から結果として生じるので栄養障害と呼ばれる。
【0026】
本発明のポリペプチド
「ポリペプチド」とは、ペプチド結合によって互いに結合されたアミノ酸の直鎖を含む分子を意味する。
【0027】
本明細書において、ポリペプチドという用語は、タンパク質またはペプチドを表すためにも使用されることになる。
【0028】
本発明のポリペプチドは、80アミノ酸以下の長さを有する。好ましくは、該ポリペプチドは、4から20個、より好ましくは7から15個のアミノ酸からなる。
【0029】
このポリペプチドの必須の特性のうちの1つは、それが、トランスグルタミナーゼの基質として役割を果たすことができるように、少なくとも1つのグルタミン(Q、Gln)−リシン(K、Lys)ドメインを有していなければならないことである。
【0030】
本発明によれば、該ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列、配列番号2の配列の断片および配列番号2の配列またはその断片の類似体から選択され、前記断片および類似体は、少なくとも1つのグルタミン(Gln)−リシン(Lys)ドメインを有する。
【0031】
本発明の意味では、LCE6Aは、一般に、他に明記がない限り、タンパク質の配列番号2の配列を意味することが意図され、これは、翻訳後修飾を受けていてもまたは受けていなくてもよい。
【0032】
本発明のポリペプチドは、単離されたポリペプチドである。「単離された」ポリペプチドとは、ヒトの身体からまたは生物から単離された、好ましくは精製された形態の、ポリペプチドを意味する。
【0033】
「ポリペプチドの類似体」とは、(a)アミノ酸配列の相同性、特に、前記ポリペプチドまたはその断片に特徴的な配列のうちの1つについて、ならびに(b)同一の性質の生物活性、を有するあらゆるポリペプチドを意味することが意図される。該相同性は、少なくとも80%、例えば少なくとも85%、および例えば少なくとも95%でありうる。この配列相同性は、本発明のポリペプチドの配列における1つまたは複数の変異(置換、挿入または欠失)による変化から生じうる。好ましくは、前記ポリペプチドは、置換型の変異のみを含む。これらの置換は、保存的であってもなくてもよい。百分率の相同性は、2つの配列間での同一残基の数を意味し、前記配列は、最大の一致が得られるようにアライメントされる。2つの配列間の相同性を評価するために、従来技術から知られている多様なアルゴリズムを使用することができる。例えば、ポリヌクレオチド配列は、Wisconsin Package Version 10.0、Genetics Computer Group(GCG)、Madison、Wisからのプログラムである、FASTA、GapまたはBestfitを使用して比較することができる。代替的に、これらの配列は、BLASTプログラム(Altschulら、J. Mol. Biol. 215:403-410(1990);GishおよびStates、Nature Genet. 3:266-272(1993);Maddenら、Meth. Enzymol. 266:131-141(1996);Altschulら、Nucleic Acids Res. 25:3389-3402(1997);ZhangおよびMadden、Genome Res. 7:649-656(1997))、特に、blastpまたはtblastn(Altschulら、Nucleic Acids Res. 25:3389-3402(1997))を使用して比較することもできる。
【0034】
「同一の性質の生物活性」とは、特に、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列の類似体または断片が、特に、(i)本発明のポリペプチドの特異的抗体によって認識されることが可能であること;(ii)以下に定義されるような少なくとも1つのドメインまたは領域を有すること;(iii)角化膜の形成に関与するヒトのTGM1、3および5などのトランスグルタミナーゼ(TGM)を結合することができることにおいて、本発明のポリペプチドの少なくとも1つの機能的な特徴または性質を有することを意味する。
【0035】
好ましい一実施形態によれば、本発明のポリペプチドの類似体は、保存的置換の存在のみによってLCE6Aタンパク質の配列(配列番号2)と異なっている。本発明において考慮されうる保存的変異の例として、すべて網羅しているわけではないが、同一クラスのアミノ酸での1種または複数のアミノ酸残基の置換、例えば、(アスパラギン、グルタミン、セリン、システインおよびチロシンなどの)非荷電性側鎖上でのアミノ酸の置換、(リシン、アルギニン、およびヒスチジンなどの)塩基性側鎖上でのアミノ酸の置換、(アスパラギン酸およびグルタミン酸などの)酸性側鎖上でのアミノ酸の置換、(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニンおよびトリプトファンなどの)非極性側鎖上でのアミノ酸の置換などを挙げることができる。
【0036】
本発明は、1つまたは複数の翻訳後修飾を受けているポリペプチドでありうる、ポリペプチドまたは類似体にも関する。
【0037】
「(1つまたは複数の)翻訳後修飾」という用語は、ポリペプチドがその合成後に細胞内で受けうる、例えば、1つまたは複数のリン酸化、1つまたは複数のチオール化、1つまたは複数のアセチル化、1つまたは複数のグリコシル化、1つまたは複数の脂質化、例えばパルミトイル化など、ペプチド配列中のジスルフィド架橋の形成の型の構造的再編成などのあらゆる修飾を含むことが意図される。
【0038】
本発明の意味では、「ポリペプチド断片」とは、少なくとも5個、好ましくは少なくとも7個、好ましくは少なくとも9個、特に少なくとも15個の連続した、前記ポリペプチドのアミノ酸を含む、本発明のポリペプチドのあらゆる部分を意味することが意図され、前記部分は、さらに、同一の性質の生物活性を有する。
【0039】
好ましい一実施形態によれば、本発明に好適なポリペプチド断片は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、およびこれらの混合の配列から選択される。
【0040】
他の一実施形態によれば、本発明の実施に好適なポリペプチドは、他のポリペプチドと融合された、上に定義したようなポリペプチド、親水性または疎水性のターゲティング剤、生物変換前駆物質、発光性、放射性または比色の標識剤でもある。完全に網羅しているわけではないが、本発明のポリペプチドに結合されうる化合物の例として、蛍光タンパク質、蛍光化学物質、例えば、ローダミン、フルオレセインなど、リン光性化合物、放射性元素または比色標識剤、例えば、ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アセチルトランスフェラーゼなどの特定の酵素の作用に感受性がある発色性基質などを挙げることができる。
【0041】
本発明のポリペプチドに結合されうる化合物の性質に依存して、該結合は、化学的方法によって、特に、反応性の化学官能基によって、または当業者に知られている分子生物学の方法によって行われうる。
【0042】
本発明のポリペプチドは、分解に対するその耐性またはその生物学的利用能を改良する1つまたは複数の化学修飾をさらに含みうる。この修飾は、生物学的に適合していなければならず、化粧品または薬学の分野における使用と適合していなければならない。これらの化学的または酵素的な修飾は、当業者によく知られている。完全に網羅しているわけではないが、例えば、該ポリペプチドのC末端またはN末端の修飾(アセチル化);2個のアミノ酸間の結合の修飾(アシル化またはアルキル化);キラリティーの変化を挙げることができる。好ましくは、アミノ末端のアシル化もしくはアセチル化に、またはカルボキシ末端のアミド化もしくはエステル化に、またはその双方のいずれかに基づいた保護が使用される。
【0043】
したがって、本発明は、上に定義したようなポリペプチドに関し、前記ポリペプチドは、保護されたまたは保護されていない形態である。
【0044】
アミノ酸の分野において、分子の幾何学的配置は、それらが理論的に異なる光学異性体の形態でありうるようなものである。実際に、偏光面を右に回転させるようなアミノ酸(AA)の分子立体配座(右旋性立体配置またはD−aa)と、偏光面を左に回転させるようなアミノ酸(aa)の分子立体配置(左旋性立体配置またはL−aa)とがある。天然アミノ酸の場合、自然界では、左旋性の立体配置のみがとられる。したがって、天然由来のポリペプチドは、L−aa型のアミノ酸のみで構成されることになる。しかし、研究所における化学合成では、可能性がある双方の立体配置を有するアミノ酸を調製することが可能となる。したがって、この基礎材料から出発して、ポリペプチド合成中に、右旋性または左旋性の光学異性体の型のアミノ酸を組み込むことも可能である。
【0045】
したがって、本発明のポリペプチドを構成しているアミノ酸は、L−立体配置およびD−立体配置でありうる;好ましくは、該アミノ酸はL型である。したがって、本発明のポリペプチドは、L−型、D−型またはDL−型でありうる。
【0046】
本発明のポリペプチドは、天然または合成の由来でありうる。これらは、当業者によく知られているいかなる方法によって合成されてもよい。こうした方法としては、(固相中または均質な液相中での)古典的な化学的合成、構成的アミノ酸またはその誘導体からの酵素的合成(Kullmanら、J. Biol. Chem. 1980、225、8234)などが挙げられる。
【0047】
本発明のポリペプチドは、改変されたまたは未改変の細菌の株の発酵などの生物学的産生の方法によって、組換え技術を使用して本発明のポリペプチドまたは断片を作製するための遺伝子工学によって(実施例参照)、または動物由来もしくは植物由来のタンパク質の抽出に続いての本発明の中程度の大きさのペプチド断片および小さいペプチド断片を放出する制御された加水分解によっても得られうる。より簡単なまたはより複雑な他の方法は、タンパク質およびペプチドの合成、抽出および精製に精通している当業者によって想定されうる。
【0048】
好ましくは、本発明のポリペプチドは、化学合成によって得られ、この技術は、純度、抗原特異性、望ましくない反応副産物がないことおよびその生成の容易性の理由で特に有利である。
【0049】
本発明の有利な実施形態によれば、本発明の上述のポリペプチドは、1種または複数の美容的または薬学的に許容される溶媒中に最初に溶解される。こうした溶媒は、例えば、水、グリセロール、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシル化もしくはプロポキシル化されたジグリコール、環状ポリオール、石油ゼリー、植物油またはこれらの溶媒の任意の混合物のように、当業者によって従来通りに使用される。
【0050】
本発明の他の有利な一実施形態によれば、上述のポリペプチドは、リポソームなどの1種の美容的または薬学的な担体中に最初に溶解されるか、または粉末化された有機ポリマー上、タルクおよびベントナイトなどの鉱物性支持体上に吸着され、より一般的には、美容的または薬学的に許容されるあらゆる担体中に溶解またはその上に固定される。
【0051】
本発明の核酸配列
一実施形態によれば、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列および本発明の多様な使用におけるその適用にも関する。
【0052】
「核酸」という用語は、ハイブリダイゼーションを可能にする少なくとも1個の修飾されたヌクレオチドを場合によっては含む(例えば修飾された結合、修飾されたプリン塩基もしくはピリミジン塩基、または修飾された糖を含む)、少なくとも2個のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドの鎖(a chain(strands))を意味する。
【0053】
核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはリボ核酸(RNA)またはこの2種の混合物でありうる。それは、単鎖(一本鎖)もしくは二重鎖(二本鎖)、またはこの2種の混合物でありうる。
【0054】
したがって、本発明は、本発明の組成物を調製するための、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列、特に、配列番号1によって表される核酸配列に少なくとも対応する配列、その類似体またはその断片の使用にも関する。
【0055】
本発明の意味では、「核酸配列の断片」とは、本発明のポリペプチドの一部をコードする核酸配列、または後者の類似体、および特に、配列番号1によって表される配列または後者の類似体を意味する。
【0056】
「核酸配列の類似体」とは、前記核酸配列によってコード化されたポリペプチドのものと同一または類似の配列を有するポリペプチドをコードする、およびコードする核酸の変性から場合によって生じるあらゆる核酸配列を意味する。
【0057】
該核酸は、天然または合成の、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、核酸の断片、メッセンジャーRNA、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)などの酵素による増幅技術によって得られる核酸でありうる。
【0058】
該核酸配列は、可能性があるあらゆる起源から、すなわち、動物、特に哺乳類およびより詳細にはヒトも、または植物のいずれでも、または微生物(ウイルス、ファージ、中でも細菌)からもしくは菌類から、それらが前記起源生物において天然に存在しているかまたはいないかどうかを予め判断することなく、得られるものでありうる。
【0059】
好ましい一実施形態によれば、本発明のポリヌクレオチドは、特にPCR技術を用いる、方法においてプライマーおよび/またはプローブとして使用されうる。
【0060】
この技術では、増幅されることになっている断片の両端に位置するオリゴヌクレオチドプライマーの対を選択する必要がある。増幅された断片は、例えば、アガロースもしくはポリアクリルアミドのゲル電気泳動の後、またはゲル濾過もしくはイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー技術の後に、確認されうる。増幅の特異性は、本発明のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列、これらの配列を含むプラスミドまたはこれらの増幅産物を、プローブとして使用する分子ハイブリダイゼーションによって調節されうる。
【0061】
増幅されたヌクレオチド断片は、ハイブリダイゼーション反応において、増幅された前記ヌクレオチド断片のものと相補的な配列を有する標的核酸の、生体試料における存在を検出するための試薬として使用されうる。
【0062】
本発明は、本発明のプライマーを使用する増幅によって得ることができるヌクレオチド断片にも関する。
【0063】
標的核酸を増幅するための他の技術は、本発明のヌクレオチド配列を有するプライマー対を使用する(PCR様の)PCRの代替として有利に使用されうる。PCR様とは、核酸配列の直接的または間接的な複製を使用する、または他に標識システムが増幅されているすべての方法を意味することになり、これらの技術は当然知られており、一般に、ポリメラーゼによってDNAを増幅することについての問題である;元の試料がRNAである場合、逆転写が最初に行われなければならない。
【0064】
検出される標的ポリヌクレオチドがRNA、例えばmRNAである場合には、生体試料中に含まれるRNAから相補的DNA(cDNA)を得るために、本発明のプライマーを用いた増幅の反応の適用または本発明のプローブを用いた検出の方法の適用の前に、逆転写酵素型の酵素を使用するのが有利であろう。得られたcDNAは、次いで、本発明の増幅または検出の方法において用いられるプライマーまたはプローブの標的として役割を果たすことになる。
【0065】
この場合には、本発明は、本発明であるとみなされるポリペプチドをコードする単離および精製された核酸断片の使用にも関する。
【0066】
本発明の核酸配列は、本発明のポリペプチドをコードする配列に対応するセンス配列、アンチセンス配列または干渉配列を含みうる。
【0067】
したがって、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸、特にデオキシリボ核酸、またはリボ核酸の配列の使用にも関する。本発明の核酸配列は、特に、対応するセンスまたはアンチセンスのリボ核酸の配列を調製するために使用されうる。
【0068】
本発明は、センス配列またはアンチセンス配列を含むリボ核酸配列またはデオキシリボ核酸配列を有するポリヌクレオチド、特に、配列番号1の核酸配列またはその類似体に少なくとも対応している「低分子干渉RNA」(siRNA)の使用にも関する。
【0069】
「有効量」とも呼ばれる、本発明の組成物中に含まれる本発明のポリペプチドまたは核酸配列の量は、当然、その化合物の性質および必要とされる効果の関数であり、したがって広範に変化しうる。量の桁を示すには、組成物は、本発明のポリペプチドまたは核酸配列を、該組成物の総重量の0.00001%から20%までに相当する量で、特に、該組成物の総重量の0.0001%から5%までに相当する量で、より詳細には、該組成物の総重量の0.003%から3%までに相当する量で含みうる。
【0070】
本発明の組成物
好ましくは、本発明の組成物は、病理学的または非病理学的な乾燥肌上に適用される。それは、顔、首および場合によって開裂の皮膚上に、または身体のあらゆる部分におけるバリアントとして、有利に適用されうる。
【0071】
該化粧組成物および/または医薬組成物は、朝および/または夕に、顔中、首および場合によって開裂またはさらに身体上に適用されうる。
【0072】
本発明に従って用いられる化粧組成物および/または医薬組成物は、一般に、生理学的に許容され、好ましくは美容的に許容される媒体を含む、すなわち、それは、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応のリスクなしでヒトの皮膚と接触する使用に好適であり、特に、使用者に許容されない不快の感覚(発赤、つっぱり、ヒリヒリ感など)を引き起こさない。
【0073】
好ましくは、生理学的に許容される媒体は水からなる。
【0074】
本発明に従って使用される化粧組成物および/または医薬組成物は、皮膚上の局所適用に好適なあらゆる形態、特に、場合によってはマイクロエマルションもしくはナノエマルションであってもよく、水中油型エマルション、油中水型エマルションもしくは多重(W/O/WまたはO/W/O)エマルションの形態、または水性分散液、溶液、水性ゲルもしくは粉末の形態でありうる。好ましくは、前記組成物は、水中油型エマルションの形態である。
【0075】
この組成物は、顔および/または身体の皮膚用のケア製品または洗浄製品として使用されるときには、特に、例えばポンプで機能するスプレーボトル、エアロゾルもしくはチューブ中にパッケージングされた、液体、ゲルもしくはムース、または例えばポット中にパッケージングされたクリームの形態でありうる。変形として、これは、化粧製品、および特に、ファンデーションまたはルースパウダーもしくはプレストパウダーの形態であってもよい。
【0076】
上述したポリペプチドの他に、本発明の化粧組成物および/または医薬組成物は、化粧品または薬学の分野において通常用いられている少なくとも1種の添加物、例えば、ゲル化剤および/または増粘剤、界面活性剤または共界面活性剤、液体脂肪または油、ワックス、シリコーンエラストマー、サンフィルター、染料、マット化剤またはフィラー、顔料、リフティング剤、保存剤、金属イオン封鎖剤、香料およびこれらの混合物から選択される化合物も含みうる。
【0077】
特に、好ましい一実施形態によれば、本発明の化粧組成物は、すべて網羅しているわけではないが、1種または複数の以下の添加物を含みうる:
−水相の1種または複数のゲル化剤および/または増粘剤、例えば、以下から選択されるもの:架橋されたまたは架橋されていない、親水性または両親媒性の、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸(AMPS)のおよび/またはアクリルアミドのおよび/またはアクリル酸のおよび/またはアクリル酸の塩またはエステルの、ホモポリマーおよびコポリマー、例えば、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VPコポリマーおよびアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ベヘネス−25メタクリレートコポリマー、特に、Clariantから名称Aristoflex(登録商標)AVCおよびHMBの下で販売されているもの、またはNoveon社によって商品名PEMULEN(登録商標)TR−1もしくはTR−2、Carbopol(登録商標)1382、Carbopol(登録商標)Ultrezの下で販売されているアクリレーツ/C10−30アクリル酸アルキルクロスポリマー、セルロース誘導体、植物由来のガム(アカシアガムまたはアラビアガム、寒天、グアー、キャロブ、アルギネート、カラギーナン、ペクチン)または微生物由来のガム(キサンタン、プルラン)、クレー(ラポナイト)。前記ゲル化剤および/または増粘剤は、該組成物の総重量に相対して、0.01から5重量%の桁の含有量で該組成物中に存在しうる;
−非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性にかかわらず、1種または複数の界面活性剤、好ましくは、乳化剤、特に脂肪酸およびポリオールのエステル、例えば、脂肪酸およびグリセロールのアルコキシル化(より詳細には、ポリエトキシル化)エステル、脂肪酸およびソルビタンのアルコキシル化エステル、脂肪酸のアルコキシル化(エトキシル化および/またはプロポキシル化)エステル、例えば、混合物ステアリン酸PEG−100/ステアリン酸グリセリル、例えば、Croda社によって名称Arlacel(登録商標)165の下で販売されているもの、ならびに脂肪酸およびスクロースのエステル、例えば、ステアリン酸スクロース;脂肪アルコールのエーテルおよび糖のエーテル、特に、アルキルポリグルコシド(APG)、例えば、デシルグルコシドおよびラウリルグルコシド、ケトステアリルアルコールと場合によっては混合されるケトステアリルグルコシド、例えば、Seppic社によって名称Montanov(登録商標)68の下で販売されているもの、ならびにアラキジルグルコシド、例えば、Seppic社によって名称Montanov(登録商標)202の下で販売されているアラキジン酸アルコールとベヘン酸アルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態のもの;脂肪アルコールのエーテルおよびポリエチレングリコールのエーテル;ポリシロキサン修飾ポリエーテル;ベタインおよびその誘導体;ポリクオタニウム;脂肪アルコールのエトキシ化硫酸塩;スルホサクシネート;サルコシネート;アルキルリン酸およびジアルキルリン酸ならびにこれらの塩;ならびに脂肪酸のセッケン。前記界面活性剤は、該組成物の総重量に相対して、0.1から8%、好ましくは0.5から3重量%の桁の含有量で該組成物中に存在しうる;
−1種または複数の共界面活性剤、例えば、長い炭素鎖(C14〜C20)を有する直鎖脂肪アルコールならびに特にセチルアルコールおよびステアリルアルコール、前記界面活性剤は、該組成物の総重量に相対して、0.1から5重量%、好ましくは0.5から2重量%の割合で該組成物中に存在する;
−一般的に油と呼ばれる、室温で液体である1種または複数の脂肪、揮発性または不揮発性の、炭化水素、シリコーン、直鎖状、環状または分枝状の、例えば、シリコーン油、例えば、ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、ポリアルキルシクロシロキサン(シクロメチコン)およびポリアルキルフェニルシロキサン(フェニルジメチコン);合成油、例えば、フッ化油、安息香酸アルキルおよび分岐炭化水素、例えば、ポリイソブチレン、イソドデカン;鉱油(パラフィン);植物油(スイートアーモンド油、マカダミア油、クロフサスグリ種子油、ホホバ油またはアマナズナ(Camelina sativa)の油、例えば、Unipex社によって商品名Lipex(登録商標)Omega3/6の下で販売されている油);脂肪アルコール、脂肪アミド、脂肪酸またはエステル、例えば、Innospec社によって商品名Finsolv(登録商標)TNの下で販売されているC12〜C15アルコールの安息香酸塩、カプリン酸/カプリル酸のものを含むトリグリセリド、Cognis社によって名称Cetiol(登録商標)CCの下で販売されている炭酸ジカプリリル;該組成物の総重量に相対して、好ましくは0.1から約10重量%まで、好ましくは0.5から5重量%までの割合で;
−1種または複数のワックス(室温で固体または実質的に固体である化合物)、その融点は一般に35℃を超える、例えば、オゾケライト、ポリエチレンワックス、蜜蝋またはカルナウバ蝋、該組成物の総重量に相対して、好ましくは0.01から約5重量%まで、好ましくは0.5から5重量%の割合で;
−少なくとも1個の反応基(特に、水素またはビニル)を有するポリシロキサンの、触媒の存在下での、オルガノシリコーンとの反応によって特に得られ、少なくとも1個のアルキル(特にメチル)またはフェニルの末端基または側基を有する、1種または複数のシリコーンエラストマー、例えば、オルガノハイドロジェン−ポリシロキサン、該組成物の総重量に相対して、好ましくは0.1から約20重量%まで、好ましくは0.25から15重量%の割合で;
−1種または複数のサンフィルター、特に有機フィルター、例えばジベンゾイルメタンの誘導体(特にDSMによって商品名Parsol(登録商標)1789の下で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む)、桂皮酸の誘導体(特にDSMによって商品名Parsol(登録商標)MCXの下で販売されているエチルヘキシルメトキシシンナメートを含む)、サリチル酸塩、パラ−アミノ安息香酸、β−β’−ジフェニルアクリレート、ベンゾフェノン、ベンジリデンカンファーの誘導体、フェニルベンゾイミダゾール、トリアジン、フェニルベンゾトリアゾールおよびアントラニル誘導体;または無機フィルター、コーティングされているまたはコーティングされていない、顔料もしくはナノ顔料の形態である鉱物酸化物に基づいているもの、および特に二酸化チタンまたは酸化亜鉛に基づいているもの;該組成物の総重量に相対して、好ましくは0.1から約30重量%まで、さらに良好には0.5から20重量%の割合で;
−1種または複数の水溶性染料、例えば、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスの三ナトリウム塩、タルトラジンの二ナトリウム塩、ローダミンの一ナトリウム塩、フクシンまたはキサントフィルの二ナトリウム塩、該組成物の総重量に相対して、好ましくは0.1から約2重量%までの割合で;
−1種または複数のフィラー、特にマット化剤またはぼかし効果のあるフィラー、特にソフトフォーカス効果のある粉末。
【0078】
フィラーは、身体に、または組成物に堅さ、および/または柔らかさ、マット仕上げおよび適用に対する即時の均一性を与えるための、無色または白色、無機または合成、層状または非層状の粒子として理解される。これらのフィラーは、カモフラージュ効果、またはぼかし効果によって、しわを特に修正またはさらにマスクすることができる。
【0079】
マット化剤は、(溶液中の、分散液中の、または粒子の形態の)マット化ポリマーおよび皮膚のテカリを減少させて肌の色を統一する無機粒子から選択されうる。マット化剤は、特に以下から選択されうる:デンプン、タルク、セルロースマイクロビーズ、植物繊維、合成繊維、特にポリアミドのもの(Nylon(登録商標)粉末、例えば、Nylon−12(Atochem社によって販売されているOrgasol(登録商標))、アクリルコポリマーのマイクロスフェア、特にポリメチル(メタ)アクリレートのもの(PMMA粒子またはSeppic社によって販売されているMicropearl(登録商標)M310粒子)、シリカ粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマーの粉末、ポリエチレン粉末、エラストマー性架橋オルガノポリシロキサン(特に、信越化学工業株式会社によって名称KSG(登録商標)の下で、Dow Corning社によって名称Trefil(登録商標)、BY29(登録商標)もしくはEPSX(登録商標)の下で、または、Grant Industries社によって名称Gransil(登録商標)の下で販売されているもの)、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉、シリケートの粉末、およびこれらの混合物。
【0080】
「ソフトフォーカス」効果を有するフィラーは、肌の色に透明感を与え、ぼかし効果を示しうる。好ましくは、「ソフトフォーカス」フィラーは、30ミクロン以下、より好ましくは15ミクロン以下の平均粒径を有する。これらの「ソフトフォーカス」フィラーは、いかなる形状であってもよく、特に球状または非球状でありうる。これらは、粉末化されたシリカおよびシリケート、特に、アルミナ、ポリメタクリル酸メチル型の粉末(PMMAまたはMicropearl(登録商標)M310)、タルク、シリカ/TiO
2またはシリカ/酸化亜鉛複合材、ポリエチレン粉末、デンプン粉末、ポリアミド粉末、スチレン/アクリルコポリマーの粉末、シリコーンエラストマー、ならびにこれらの混合物から選択されうる。
【0081】
好ましくは、ソフトフォーカス効果を有するこれらのマット化剤またはフィラーは、該組成物の総重量に相対して、0.1から約10重量%までの割合、好ましくは0.1から約7重量%までの割合で使用される。
【0082】
1種または複数の顔料−白色または有色、真珠光沢または非真珠光沢、無機および/または有機、コーティングされているまたはコーティングされていない、媒体中に不溶性、該組成物を着色および/または不透明化することが意図されているもの。これらは、通常の大きさまたはナノメートルの大きさを有しうる。無機顔料の中で、二酸化チタン、場合によっては表面処理された、鉄またはクロムの酸化物、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水酸化クロムおよびフェリックブルーを挙げることができる。有機顔料の中で、カーボンブラック、D&C型の顔料、およびカーミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウムに基づいたレーキ顔料を挙げることができる。真珠光沢顔料または真珠層は、光を反射する虹色の粒子である。これらの真珠光沢顔料は白色真珠光沢顔料、例えば、チタンで、またはオキシ塩化ビスマスでコーティングされた雲母、有色真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄を有するチタン雲母から選択されうる。顔料は、表面処理を受けてもよい。好ましくは、これらの顔料は、該組成物の総重量に相対して、0.1から約10重量%の割合で、好ましくは0.1から約5重量%の割合で使用される。
−1種または複数のリフティング剤。「リフティング剤」とは、皮膚を引っ張ることができ、この引っ張り効果の結果として、皮膚を平らにし、しわおよび線を減少させるかまたはさらにこれらを即時に消すことができる化合物を意味する。リフティング剤として、天然由来のポリマー;混合シリケート;無機フィラーのコロイド状粒子;合成ポリマー;およびこれらの混合物を挙げることができる。特に、植物または微生物の由来のポリマー、皮膚付属器由来のポリマー、卵タンパク質および天然由来のラテックスを挙げることができる。これらのポリマーは、好ましくは親水性である。植物由来のポリマーとしては、特に、タンパク質およびタンパク質の加水分解物、より詳細には、穀類の、マメ科植物のおよび油性植物の抽出物、例えば、トウモロコシ、ライムギ、コムギ、ソバ、ゴマ、スペルト、エンドウマメ、タピオカ、マメ、ヒラマメ、ダイズおよびハウチワマメの抽出物などを挙げることができる。本発明に従って使用されうる他のリフティング剤は、天然由来の多糖類、特に、デンプン、特に、米、トウモロコシ、タピオカ、ジャガイモ、キャッサバ、エンドウマメから得られるもの;カラギーナン、アカシアガム(アラビアガム)、アルギネート、寒天、ジェランガム、キサンタンガム、セルロースポリマーおよびペクチン、有利には、ゲルマイクロ粒子の水性分散液において、セルロース誘導体、およびこれらの混合物である。該合成ポリマーは、一般に、ラテックスまたは擬似ラテックスの形態であり、重縮合物型であってもよく、またはラジカル重合によって得ることもできる。特に、ポリエステル/ポリウレタンの分散液およびポリエーテル/ポリウレタンの分散液を挙げることができる。好ましくは、該リフティング剤は、PVP/ジメチコニルアクリレートと親水性ポリウレタンとのコポリマー(Hydromer社からのAquamere(登録商標)S−2011(登録商標))である。
−1種または複数の保存剤;
−金属イオン封鎖剤、例えば、EDTAの塩など;
−香料;
−およびこれらの混合物。
【0083】
こうした添加物の例は、特に、CTFA Dictionary(The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Associationによって出版されたInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第11版、2006)に挙げられており、これには、完全に網羅しているわけではないが、スキンケア業界において通常用いられる豊富な種類の化粧品および医薬成分が記載されており、それらは、本発明の組成物におけるさらなる成分としての使用に好適である。
【0084】
当業者は、これらの可能なすべての添加物から、該組成物と、該組成物に添加されるそれらの量との双方を、後者がその性質のすべてを維持するような方法で選択することができる。
【0085】
さらに、本発明の組成物は、多様な活性剤を場合によって含んでいてもよく、これは、ビタミン、抗酸化剤、保湿剤、抗汚染剤、角質溶解剤、収斂剤、抗炎症剤、ホワイトニング剤および微小循環を促進する作用剤からなる群から選択されうる。
【0086】
ビタミンの例としては、ビタミンA、B1、B2、B6、CおよびEおよびこれらの誘導体、パントテン酸およびその誘導体ならびにビオチンなどが挙げられる。
【0087】
抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸およびその誘導体、例えば、パルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルグルコシド、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウムおよびソルビン酸アスコルビルなど;トコフェロールおよびその誘導体、例えば、酢酸トコフェロール、ソルビン酸トコフェロールおよびトコフェロールの他のエステルなど;BHTおよびBHA;没食子酸エステル、リン酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、セファリン、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸、ならびに植物抽出物、例えば、ショウガ(Zingiber officinale)(ジンジャー)の根からの抽出物、例えば、BIOLANDES社によって販売されているBlue Malagasy Gingerなど、ヤハズツノマタ(Chondrus crispus)、イワベンケイ属(Rhodiola)、高度好熱菌(Thermus thermophilus)、マテ葉、オーク材、カユラペ(Rapet Kayu)の樹皮、サクラ葉およびイランイラン葉からの抽出物などが挙げられる。
【0088】
保湿剤の例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ムコ多糖、例えばコンドロイチン硫酸、高分子量もしくは低分子量のヒアルロン酸またはシラノール誘導体で増強されたヒアルロン酸、例えばExymol社によって販売されている有効成分Epidermosil(登録商標)、およびムコイチン硫酸;カロン酸;胆汁酸塩、NMF(天然保湿因子)の主な構成要素、例えばピロリドンカルボン酸の塩および乳酸の塩、アミノ酸の類似体、例えば、尿素、システインおよびセリン;短鎖可溶性コラーゲン、PPGジグリセリン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのホモポリマーまたはコポリマー、例えばNOFからのLipidure HMおよびLipidure PBM;アラントイン;グリセリン誘導体、例えばNOFから商品名Wilbride(登録商標)S753の下で販売されているPEG/PPG/ポリブチレングリコール−8/5/3グリセリンまたはSedermaから商品名Lubragel(登録商標)MSの下で販売されているポリメタクリル酸グリセリル;旭化成ケミカルズ株式会社によって商品名Aminocoat(登録商標)の下で販売されているトリメチルグリシン;ならびに多様な植物抽出物、例えば、ヨーロッパグリ(Castanea sativa)の抽出物、加水分解されたヘーゼルナッツタンパク質、チューベローズ(Polianthes tuberosa)からの多糖類、アルガニアスピノサ(Argania spinosa)核油および特に丸善製薬株式会社(日本)によって商品名真珠エキス(Pearl Extract)(登録商標)の下で販売されている、コンキオリンを含む真珠貝の抽出物などが挙げられる。
【0089】
保湿剤の他の例としては、マトリプターゼMT/SP1の発現を刺激する化合物、例えば、キャロブ果肉の抽出物、ならびにFN3Kの発現を刺激する作用剤;ケラチノサイトの増殖または分化を増加させる作用剤、例えば、高度好熱菌(Thermus thermophilus)の抽出物、またはツバキアルバプレナ(Camellia Japonica Alba Plena)花の抽出物またはカカオ(Theobroma cacao)マメの外皮の抽出物、水溶性トウモロコシ抽出物、バンバラマメ(Voandzeia subterranea)のペプチド抽出物およびナイアシンアミド;表皮脂質および表皮脂質の合成を、直接か、またはグルコシルセラミドからセラミドへのような脂質前駆物質の脱グリコシルをモジュレートする特定のβ−グルコシダーゼを刺激することによってかのいずれかで、増加させる作用剤、例えば、リン脂質、セラミド、ハウチワマメタンパク質加水分解物などが挙げられる。
【0090】
抗汚染剤の例としては、ワサビノキ(Moringa pterygosperma)種子の抽出物(例えば、LSNからのPurisoft(登録商標));シアバター抽出物(例えば、SilabからのDetoxyl(登録商標))、ツタ抽出物の混合物、フィチン酸、ヒマワリ種子抽出物(例えば、SedermaからのOsmopur(登録商標))などが挙げられる。
【0091】
角質溶解剤の例としては、α−ヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、マンデル酸、または酒石酸)およびβ−ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸)、ならびにこれらのエステル、例えば、乳酸アルキル(C12,13)、ならびにこれらのヒドロキシ酸を含む植物抽出物、例えば、ローゼル(Hibiscus sabdriffa)の抽出物などが挙げられる。
【0092】
抗炎症剤の例としては、ビサボロール、アラントイン、トラネキサム酸、酸化亜鉛、硫黄酸化物およびその誘導体、コンドロイチン硫酸、グリチルリチン酸およびその誘導体、例えば、グリチルリチン酸塩などが挙げられる。
【0093】
収斂剤の例としては、ハマメリスの抽出物などが挙げられる。
【0094】
ホワイトニング剤の例としては、アルブチンおよびその誘導体、フェルラ酸(例えば、BASFによって販売されている、Cytovector(登録商標):水、グリコール、レシチン、フェルラ酸、ヒドロキシエチルセルロース)およびその誘導体、コウジ酸、レゾルシノール、リポ酸およびその誘導体、例えば、特許出願WO2006134282に記載のレスベラトロールジアセテートモノリポエート(resveratrol diacetate monolipoate)、エラグ酸、ロイコドーパクロムおよびその誘導体、ビタミンB3、リノール酸およびその誘導体、セラミドおよびそれらのホモログ、特許出願WO2009010356に記載のペプチド、特許出願WO2006134282に記載のバイオプレカーサーまたはトラネキサム酸塩、例えば、トラネキサム酸セチルの塩酸塩、甘草抽出物(スペインカンゾウ(Glycyrrhiza glabra)の抽出物)(これは、特に、丸善製薬株式会社によって商品名カンゾウエキス(Licorice extract)(登録商標)の下で販売されている)、抗酸化剤効果も有するホワイトニング剤、例えば、ビタミンCの化合物、例えば、アスコルビン酸塩、脂肪酸またはソルビン酸のアスコルビルエステル、およびアスコルビン酸の他の誘導体、例えば、リン酸アスコルビル塩(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウムなど)、またはアスコルビン酸の糖のエステル(これには、例えば、アスコルビル−2−グルコシド、2−O−アルファ−D−グルコピラノシルのL−アスコルビン酸塩、または6−O−ベータ−D−ガラクトピラノシルのL−アスコルビン酸塩が含まれる)などが挙げられる。この種の活性剤は、特に、DKSH社によって商品名アスコルビルグルコシド(登録商標)の下で販売されている。
【0095】
微小循環を促進する作用剤の例としては、ハウチワマメの抽出物(例えば、SilabからのEclaline(登録商標))、ルスカスの、トチノキの、ツタの、ニンジンのまたはメリロートの抽出物、カフェイン、ニコチン酸塩およびその誘導体、サンゴモ(Corallina officinalis)の藻の抽出物、例えば、CODIFによって販売されているもの;およびこれらの混合物などが挙げられる。皮膚の微小循環に対して働くこれらの作用剤は、肌の色のくすみを予防するためにならびに/または肌の色の均一性および輝きを改良するために使用されうる。
【0096】
本発明により使用される組成物は、本発明のポリペプチドに加えて、以下から選択される少なくとも1種の有効成分をさらに含みうる:tensin1の発現を刺激する作用剤、例えば、エレミ抽出物;FN3Kおよび/またはFN3K RPの発現を刺激する作用剤、例えば、ハナモツヤクノキ(Butea frondosa)の抽出物;CERTまたはARNT2の発現を刺激する作用剤;成長因子の産生を刺激する作用剤;抗グリケーション剤または脱グリケート剤;コラーゲンの合成を増加させるか、またはその分解を防ぐための作用剤(抗コラゲナーゼ剤、特に、マトリックスメタロプロテイナーゼの阻害剤)、特に、コラーゲンIVおよび/またはヒアルロナンおよび/またはフィブロネクチンの合成を増加させるための作用剤、例えば、少なくとも1種のアシル化されたオリゴペプチド、特に、SEDERMA社によって商品名Matrixyl(登録商標)3000の下で販売されているもの;エラスチンの合成を増加させるか、またはその分解を防ぐための作用剤(抗エラスターゼ剤);グリコサミノグリカンもしくはプロテオグリカンの合成を増加させるか、またはこれらの分解を防ぐための作用剤(抗プロテオグリカナーゼ剤)、例えば、Exsymol社によって販売されている有効成分Epidermosil(登録商標)(メチルシラントリオールに結合されたヒアルロン酸);線維芽細胞によるインテグリンの合成を刺激するための作用剤;線維芽細胞の増殖を増加させるための作用剤;経皮吸収を促進する作用剤、例えば、アルコール、脂肪アルコールおよび脂肪酸ならびにこれらのエステルまたはエーテル誘導体、ピロリドン、4−アルキル−オキサゾリジン−2−オンズ、例えば、4−デシルオキサゾリジン−2−オン;テルペン、精油およびα−ヒドロキシ酸;ならびにこれらの混合物、このリストは、すべてを網羅しているとみなされるものではない。
【0097】
本発明を以下の非限定的な実施例によってこれから説明する。
実施例
【実施例1】
【0098】
遺伝子工学による、LCE6Aをコードする相補的DNAのクローニングおよびポリペプチドLCE6Aの合成
出願人は、ヒトLCE6Aをコードする相補的DNA(cDNA)をクローニングし、細菌の組換え型の、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)と融合させたLCE6Aタンパク質を作製した。
【0099】
プロトコル:
1− ヒトLCE6Aをコードする相補的DNAのクローニング
出願人は、以前に公表された研究(Toulzaら、Large scale identification of human genes implicated in epidermal barrier function、Genome Biology 2007、8:R107)に記載されているように、ヒトの顆粒ケラチノサイトの濃縮された画分から生成されたcDNAを得た。これらのcDNAを使用して、プライマー5’atgtcacagcagaagcagca3’および5’gtcgccttcacactcttcctc3’を使用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、LCE6AをコードするcDNAのクローニングを行った。このPCR産物は、240塩基対の大きさを有し、これを、製造業者の説明書に従って、クローニングキットTOPO TA Cloning(登録商標)(Invitrogen)を使用してベクターpCR(登録商標)2.1−TOPO(登録商標)に挿入した。陽性クローンを選択して、pCR2.1−TOPO−LCE6Aとした。プラスミドpCR2.1−TOPO−LCE6Aを、制限酵素EcoRIによって消化させ、258塩基対を有するcDNA LCE6Aに該当する断片を精製し、EcoRIによって消化される原核生物の発現ベクターpGEX6P1(GE Healthcare)にサブクローニングした。得られたクローンの方向性をスクリーニングすることにより、クローンを選択して、pGEX6P1−LCE6Aとすることができた。
【0100】
2− 遺伝子工学による、ポリペプチドLCE6Aの合成
大腸菌(E. coli)BL21−CodonPlus(登録商標)−DE3−RIL細菌(Stratagene)をプラスミドpGEX6P1−LCE6Aによって形質転換させ、LCE6A組換えタンパク質の作製を以下のように行った:形質転換させた細菌を、10mlのLB−アンピシリン−クロラムフェニコール培地(10g/l NaCl、10g/l トリプトン、8g/l 酵母エキス、100mg/l アンピシリン、50mg/ml クロラムフェニコール、pH7)中、2回転/分(rpm)で撹拌しながら37℃で一晩培養した。この培養物を、翌日に使用して、500mlのLB−アンピシリン−クロラムフェニコール培地に播種し、培養物が600nmで0.6と0.8との間の光学濃度を有するまで、培養を約2時間継続する。次いで、0.1mMのイソプロピル チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)の存在下で培養を4時間継続することにより、そのN末端でグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)と融合された組換えLCE6Aタンパク質(以下、GST−LCE6Aと呼ぶ)の産生を誘導する。次いで、この細菌培養物を氷上に10分間放置し、次いで、+4℃において6000rpmで10分間遠心処理する。この上清を除去した後に、ペレットを−20℃で少なくとも12時間保管する。
【0101】
細菌溶解液を以下のように得る:該細菌ペレットを、50mlの可溶化緩衝液(100μlの細菌性プロテアーゼ阻害剤のカクテル(P8465、Sigma)を添加した、20mM Tris、150mM NaCl、1mM EDTA)中に懸濁し、次いで、+4℃において13000rpmで10分間遠心処理する。この上清を除去して、ペレットを50mlの可溶化緩衝液中に懸濁する。100mg/mlのリゾチームを5ml添加し、これを、氷上で15分間インキュベートする。次いで、500μlの1Mジチオスレイトールおよび7.75mlの10%Sarkosylを添加し、これを、逆さにすることによって混合して、その懸濁液を、各回の超音波処理の間に5分間氷上に戻しながら、3回、20秒間超音波処理(ultrasonic cell disruptor XL2000、Misonix)する。次いで、この溶解液を、+4℃において10000rpmで30分間遠心処理する。この上清を回収して、これに、20mlの10%のTriton−X−100および16.75mlの可溶化緩衝液を添加する。この溶液を、室温で穏やかに撹拌しながら30分間インキュベートすることで溶解が完了し、次いで、この溶解液を(0.45μmの直径を有する細孔で)濾過する。
【0102】
この細菌溶解液から、GST−LCE6Aを、「glutathione−sepharose 4 fast flow」カラム(2.5mlの基質)(GE−Healthcare Amersham)上の親和性により、製造業者の説明書に従って精製する。この濾液をカラムに入れて、保持されない画分を捨てる。このカラムを、40mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(1.47mM KH
2PO
4、4.3mM Na
2HPO
4、137mM NaCl、2.7mM KCl、0.9mM CaCl
2、pH7.4)ですすぎ、緩衝液Tris 50mM pH8中の10mMのグルタチオンを8ml、次いで、4mlのPBSを適用することによって溶出を行う。カラムの出口で1mlの溶出画分を12収集する。これらの各画分のうち12.5μlの分量を、変性条件のSDS−PAGE15%中の電気泳動(「SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動」)によって分離し、電気転写によってニトロセルロース膜上に転写する。次いで、この膜を、ウエスタンブロッティング(免疫転写)による、溶出画分における組換えタンパク質の存在についての試験に使用する。一次抗体は、1/10000倍で使用する、GSTを認識するモノクローナル抗体(マウスmAb 26H1、Cell Signaling Technology)であり、ペルオキシダーゼに結合された二次抗体(ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)、Zymed)は、1/10000倍で使用し、検出は、試薬ECL(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて行う。該細菌組換えタンパク質を含む溶出画分を合わせて、透析袋(MWCO 3500)を使用して、1000倍量のPBSに対して、撹拌しながら+4℃で一晩透析する。次いで、この透析液を、「BioRad protein assay」キット(BioRad)を使用してBradfordの方法によって試験する。
【0103】
収率は、500mlの細菌培養物あたり、平均して3mgの組換えタンパク質である。
【実施例2】
【0104】
正常なヒト表皮におけるLCE6Aタンパク質の発現および局在の調査
プロトコル:
1.LCE6Aタンパク質を特異的に認識するウサギ抗血清の作製および精製:
LCE6Aタンパク質の一次配列を解析した後に、出願人は、LCEファミリーの他のタンパク質と相同でない、LCE6Aの残基42〜56に相当する、以下配列番号6と称する、15アミノ酸CHSSSQRPEVQKPRRを有するポリペプチドを選択した。このポリペプチドを作製して、2匹のウサギを免疫化するために使用した(第1、4、7および9週目における4回の連続した注射)。この抗血清を、第11週目に採取する。これらのステップは、Genosphere Biotechnologies社が行った。次いで、出願人が、この抗ペプチド血清を親和性によって精製した。このために、配列番号6のアミノ酸配列に相当するポリペプチドを、Sulfolink(登録商標)キット(Pierce)を使用してアガロースビーズ上に固定した。このビーズを、添加緩衝液「Gentle Ag/Ab binding buffer」(Pierce)中で1/2に希釈した10mlの抗血清と共に、穏やかに撹拌しながら室温で1時間インキュベートする。このビーズをカラム内に沈降させて、保持されない液体を捨てる。このカラムを、0.5MのNaClを添加した25mlの添加緩衝液ですすぎ、次いで、5mlの添加緩衝液ですすぐ。9mlの「Gentle Ag/Ab elution buffer」(Pierce)をカラムに入れることによって、抗ペプチド血清LCE6Aを溶出させ、9つの溶出画分のそれぞれの反応性を、GST−LCE6A組換えタンパク質におけるウエスタンブロッティングによって試験する。1/50倍に希釈したそれぞれの溶出画分の一定分量とインキュベートを行い、次いで、1/10000倍に希釈した、ペルオキシダーゼに結合された二次ウサギ抗免疫グロブリン抗体(Zymed)とインキュベートを行う。ECLキット(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて検出を行う。該組換えタンパク質に対して最も高い反応性を示している画分を合わせて、透析袋(MWCO 3500)を使用して、1000倍量のTBS緩衝液(0.05M Tris、0.15M NaCl、pH7.6)に対して、撹拌しながら+4℃で一晩透析する。この透析液を、限外濾過(Vivaspin 15R、30000 MWCO、Vivascience)によって約20倍に濃縮する。精製された抗血清に相当する、濃縮した透析液を、ウエスタンブロットによって該組換えタンパク質について力価測定する。それは、1/2000倍の希釈まで100ngのGST−LCE6Aを認識する。
【0105】
2.免疫組織学によるLCE6Aタンパク質の検出:
正常なヒト表皮におけるLCE6Aタンパク質の発現および局在を、LCE6A抗ペプチド血清を使用した免疫組織化学法および免疫蛍光法によって解析した。正常なヒトの腹部皮膚の試料を、ホルモールで24時間固定して、パラフィンに包埋した。95℃の50mM グリシン−HCl pH3.5中で40分間インキュベートすることによって抗原をアンマスキングした後に、該切片上で免疫検出を行う。
【0106】
免疫組織化学試験において、免疫検出は、1/250倍に希釈したLCE6A抗ペプチド血清を使用して、「Impress rabbit」キット(Vector Laboratories)を製造業者の説明書に従って用いて行う。
【0107】
免疫蛍光試験において、二重標識は、1/100倍に希釈したLCE6A抗ペプチド血清と、1/1000倍に希釈した、(プロ)フィラグリンに指向されるマウスモノクローナル抗体(AHF3、Simonら、J Invest Dermatol 1995、105:432)とを使用して行った。二次抗体は、AlexaFluor488に結合された抗マウス免疫グロブリン免疫グロブリンおよびAlexaFluor555に結合された抗ウサギ免疫グロブリン免疫グロブリン(Invitrogen)であり、1/1000倍で使用する。
【0108】
結果:
LCE6A抗ペプチド血清を用いた免疫組織化学法または免疫蛍光法によって得られる標識は、表皮の分化の間に、顆粒層/角質層の移行において、および角質層の下方部分において遅れて出現する。免疫蛍光法においてLCE6A抗ペプチド血清と抗(プロ)フィラグリンモノクローナル抗体とで得られた標識の比較により、2種のタンパク質、LCE6Aおよびフィラグリンは、ヒト表皮の顆粒層内および角質層の底部で発現されていることが示された。
【実施例3】
【0109】
乾癬のヒト表皮におけるLCE6Aタンパク質の発現および局在の調査
プロトコル:
1.LCE6Aタンパク質を特異的に認識するウサギ抗血清:
使用する、ヒトLCE6Aタンパク質を特異的に認識するウサギ抗血清は、その作製および精製について実施例2に記載したものと同一である。
【0110】
2.免疫組織学によるLCE6Aタンパク質の検出:
正常なヒト表皮におけるLCE6Aタンパク質の発現および局在を、LCE6A抗ペプチド血清を使用した間接免疫蛍光法によって解析した。この試料は、正常なヒトの腹部皮膚からのもの、または乾癬を有する15名の対象者から採取された乾癬の病変からのものである。これらの皮膚試料を凍結固定して−80℃で保管した。凍結切片が得られ、これを、開放した空気中で約2時間乾燥させて、アセトンで10分間固定し、次いで、−80℃で保管した。95℃の「target retrieval solution pH9」(Dako)中で20分間インキュベートすることによって抗原をアンマスキングした後に、該切片上で免疫蛍光法により免疫検出を行う。LCE6A抗ペプチド血清は、1/250倍の希釈で使用する。二次抗体は、AlexaFluor555に結合された抗ウサギ免疫グロブリン免疫グロブリン(Invitrogen)であり、1/1000倍で使用する。
【0111】
結果:
乾癬を有する15名の対象者から得られた病変を有する皮膚の切片の観察結果より、正常な皮膚と比較して、表皮の顆粒層および角質層の底部でのLCE6Aの発現における大きな低下が示される。したがって、ケラチノサイトの増殖および分化の深刻な障害、ならびに表皮のバリア機能の相当な障害を示すこの疾患は、顆粒ケラチノサイトによって発現され、次いで、角化膜に組み込まれる、大きく減少された量のLCE6Aタンパク質を示すようである。
【実施例4】
【0112】
LCE6Aの生化学的および機能的な特性評価−トランスグルタミナーゼ結合アッセイ
出願人は、C末端ヒスチジンタグを有する組換えLCE6A(LCE−His)を使用して、in vitroでトランスグルタミナーゼ結合アッセイを行った。
【0113】
1.LCE6A−Hisタンパク質のクローニングおよび精製:
プロトコル:
LCE6A−HisをコードするcDNAのクローニングでは、pGEX6P1−LCE6Aベクターを起点としたPCRにより、プライマー5’catatgtcacagcagaagcagcaa3’および5’ctcgaggtcgccttcacactc3’を使用して、LCE6AのcDNAを増幅した。このPCR産物は、248塩基対の大きさを有し、これを、製造業者の説明書に従って、TOPO TA Cloning(登録商標)クローニングキット(Invitrogen)を使用してベクターpCR(登録商標)2.1−TOPO(登録商標)に挿入した。陽性クローンを選択して、pCR2.1−TOPO−LCE6A−NdeI−XhoIとした。このプラスミドを、制限酵素NdeIおよびXhoIによって消化させ、248塩基対を有するLCE6AのcDNAに該当する断片を精製し、NdeIおよびXhoIによって消化した原核生物の発現ベクターpET41b(Novagen)にサブクローニングした。得られたクローンをスクリーニングすることにより、pET41b−LCE6A−Hisというクローンを選択することができた。
【0114】
大腸菌(E. coli)BL21−CodonPlus(登録商標)−DE3−RIL細菌(Stratagene)をpET41b−LCE6A−Hisプラスミドによって形質転換させ、組換えタンパク質の作製を以下のように行った:形質転換させた細菌を、10mlのLB−カナマイシン−クロラムフェニコール培地(10g/l NaCl、g/l トリプトン、8g/l 酵母エキス、50mg/l カナマイシン、50mg/ml クロラムフェニコール、pH7)中、250rpmで撹拌しながら37℃で一晩培養した。この培養物を、翌日に使用して、500mlのLB−カナマイシン−クロラムフェニコール培地に播種し、培養物が600nmで0.6と0.8との間の光学濃度を有するまで、培養を約2時間継続する。次いで、0.1mMのイソプロピル チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)の存在下で培養を4時間継続することにより、組換えLCE6A−Hisタンパク質の産生を誘導する。次いで、この細菌培養物を氷上に10分間放置し、次いで、+4℃において6000rpmで10分間遠心処理する。この上清を除去した後に、ペレットを−20℃で少なくとも12時間保管する。
【0115】
細菌溶解液を以下のように得る:該細菌ペレットを、100mlの溶解緩衝液(100μlの細菌性プロテアーゼ阻害剤のカクテル(P8465、Sigma)を添加した、50mM NaH
2PO
4、300mM NaCl、10mM イミダゾール、pH8、0.1mg/ml リゾチーム)中に懸濁し、穏やかに撹拌しながら+4℃で1.5時間インキュベートする。この溶解液を、各回の超音波処理の間に5分間氷上に戻しながら、6回、5秒間超音波処理(ultrasonic cell disruptor XL2000、Misonix)し、次いで、+4℃において14000rpmで30分間遠心処理する。この上清を回収して(0.45μmの直径を有する細孔で)濾過した後に、ニッケルカラム(1mlの基質)「His−Trap High Performance」(Amersham Biosciences)上の親和性による精製を行う。このカラムを、10倍量の溶解緩衝液で平衡化し、次いで、該溶解液を入れる。保持されない液体を捨て、カラムを15倍量の洗浄緩衝液(50mM NaH
2PO
4、300mM NaCl、20mM イミダゾール、pH8)ですすぐ。10倍量の溶出緩衝液(50mM NaH
2PO
4、300mM NaCl、0.5M イミダゾール、pH8)で溶出を行う。これらの溶出画分中の該組換えタンパク質の存在をウエスタンブロットによって検出する。一次抗体は、1/2000倍で使用する、抗テトラHisモノクローナル抗体(マウスモノクローナルIgG1「Tetra−His抗体」、Qiagen)であり、ペルオキシダーゼに結合された二次抗体(ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG(H+L)、Zymed)は、1/10000倍で使用し、検出は、試薬ECL(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて行う。該細菌組換えタンパク質を含む溶出画分を合わせて、透析袋(MWCO 3500)を使用して、1000倍量のPBSに対して、撹拌しながら+4℃で一晩透析する。次いで、この透析液を、「BioRad protein assay」キット(BioRad)を使用してBradfordの方法によって試験する。収率は、500mlの細菌培養物あたり、平均して3mgの組換えタンパク質である。
【0116】
2.in vitroトランスグルタミナーゼ2(TGM2)結合アッセイ:
プロトコル:
トランスグルタミナーゼ2(モルモット肝臓から精製されたトランスグルタミナーゼ、Sigma T5398)によるLCE6Aの結合アッセイをin vitroで行った。
【0117】
第1の試験において、出願人は、LCE−Hisと、アミン結合を有する分子であるモノダンシルカダベリン(MDC)との間で架橋を形成するTGM2の能力を試験した。このために、10mMのCaCl
2および500μMのMDC(Fluka)を添加した、緩衝液である50mMのTris、100mMのDTT、pH7.4中の溶液中、0.35μgのLCE6A−Hisの存在下でTGM2(10ng/μL)をインキュベートした。37℃で2時間または18時間のインキュベート後、最終25mMまでEDTAを添加することによってこの反応を停止させる。陰性対照は、CaCl
2の非存在下かつ18時間のインキュベート後に100mMのETDAの存在下で行われる同一の試験に相当する。この反応生成物を、15%のSDS−PAGEによって分離し、次いでUVでの照射によって可視化する。
【0118】
第2の試験において、出願人は、TGM2の、それ自体とLCE6Aの架橋を形成する能力も試験した。このために、10mMのCaCl
2を添加した、緩衝液である50mMのTris、100mMのDTT、pH7.4中、0.35μgのLCE6A−Hisの存在下でTGM2(10ng/μL)をインキュベートした。37℃で2時間または18時間のインキュベート後、最終25mMまでEDTAを添加することによってこの反応を停止させる。陰性対照は、CaCl
2の非存在下かつ18時間のインキュベート後に100mMのETDAの存在下で行われる同一の試験に相当する。この反応生成物を15%のSDS−PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜上に転写する。分子間結合は、上述したようなウエスタンブロットによって抗His抗体(マウスモノクローナルIgG1「Tetra−His抗体」、Qiagen)を用いて可視化される。
【0119】
結果:
第1の試験において、2時間のインキュベートから始まり、いくつかの蛍光バンドが検出され、遊離MDC(前方移動)またはLCE6A−His(約17kDa)の高さまで移動した。より大きい分子量を有する、弱い、他のバンドは、LCE6A−Hisの二量体または多量体の大きさまで移動する。同一の試験を100mMのEDTAの存在下かつカルシウムの非存在下で行うときには、遊離MDCに相当するもの以外には、蛍光バンドは検出されない。
【0120】
第2の試験において、ウエスタンブロットの結果より、単量体のLCE6A−Hisに相当する約17kDaのバンドが1本示され、より大きい分子量のいくつかのバンドは、LCE6A−Hisの二量体または多量体と同等の大きさまで移動する。同一の条件で、しかしカルシウムの非存在下かつ100mMのEDTAの存在下でこの試験を行うときには、単量体のLCE6A−Hisに相当するバンドのみが検出される。
【0121】
したがって、これらの試験により、LCE6Aタンパク質が実際にトランスグルタミナーゼ2の基質であることを確認できる。LCE6Aは、ε−(γ−グルタミル)リジルをトランスグルタミナーゼに結合させるのに必要なアミノ酸残基のドナーおよびアクセプターの双方として機能する。
【0122】
3.in vitroトランスグルタミナーゼ3(TGM3)結合アッセイ:
トランスグルタミナーゼ3(ヒトの組換えトランスグルタミナーゼ3、R&D Systems)によるLCE6Aの結合アッセイをin vitroで行った。これらのアッセイは、実施例4の第2段落にトランスグルタミナーゼ2について記載しているものと同一の試験プロトコルに従って行う。
【0123】
第1の試験において、出願人は、LCE−Hisとモノダンシルカダベリン(MDC)との間で架橋を形成するTGM3の能力を試験した。このために、10mMのCaCl
2および500μMのMDC(Fluka)を添加した、緩衝液である50mMのTris、100mMのDTT、pH7.4中の溶液中、0.35μgのLCE6A−Hisの存在下でTGM3(10ng/μL)をインキュベートした。37℃で2時間または18時間のインキュベート後、最終25mMまでEDTAを添加することによってこの反応を停止させる。陰性対照は、CaCl
2の非存在下かつ18時間のインキュベート後に100mMのETDAの存在下で行われる同一の試験に相当する。この反応生成物を、15%のSDS−PAGEによって分離し、次いで、UVでの照射によって可視化する。
【0124】
第2の試験において、出願人は、TGM3の、それ自体とLCE6Aの架橋を形成する能力を試験した。このために、10mMのCaCl
2を添加した、緩衝液である50mMのTris、100mMのDTT、pH7.4中、0.35μgのLCE6A−Hisの存在下でTGM3(10ng/μL)をインキュベートした。37℃で2時間または18時間のインキュベート後、最終25mMまでEDTAを添加することによってこの反応を停止させる。陰性対照は、CaCl
2の非存在下かつ18時間のインキュベート後に100mMのETDAの存在下で行われる同一の試験に相当する。この反応生成物を、15%のSDS−PAGEによって分離し、ニトロセルロース膜上に転写する。分子間結合は、上述したようなウエスタンブロットによって抗His抗体(マウスモノクローナルIgG1「Tetra−His抗体」、Qiagen)を用いて可視化される。
【0125】
結果:
第1の試験において、2時間のインキュベートから始まり、いくつかの蛍光バンドが検出され、遊離MDC(前方移動)またはLCE6A−His(約17kDa)の高さまで移動した。より大きい分子量を有する弱い他のバンドは、LCE6A−Hisの二量体または多量体の大きさまで移動する。同一の試験を100mMのEDTAの存在下かつカルシウムの非存在下で行うときには、遊離MDCに相当するもの以外には、蛍光バンドは検出されない。
【0126】
第2の試験において、ウエスタンブロットの結果より、単量体のLCE6A−Hisに相当する約17kDaのバンドが1本示され、より大きい分子量のいくつかのバンドは、LCE6A−Hisの二量体または多量体と同等の大きさまで移動する。同一の条件で、しかしカルシウムの非存在下かつ100mMのEDTAの存在下でこの試験を行うときには、単量体のLCE6A−Hisに相当するバンドのみが検出される。
【0127】
したがって、これらの試験により、LCE6Aタンパク質が実際にトランスグルタミナーゼ3の基質であることを確認できる。LCE6Aは、ε−(γ−グルタミル)リジルをトランスグルタミナーゼに結合させるのに必要なアミノ酸残基のドナーおよびアクセプターの双方として機能する。TGM2と同一の反応を触媒する、トランスグルタミナーゼ1、3および5は、in vivoにおいて、角質層の形成、ならびに角化膜の強度および不溶性に必要なイソペプチド結合の形成に関与する。したがって、LCE6Aは、in vitroにおいて、角化膜の形成に、in vivoで、関与する少なくとも1種のトランスグルタミナーゼの基質である。
【実施例5】
【0128】
トランスグルタミナーゼに対する結合に関与するLCE6Aのペプチド配列の特性評価
プロトコル:
LCE6Aタンパク質のどの領域がトランスグルタミナーゼによる結合に必要であるかを決定するために、出願人は、MilleGen社に手配して、LCE6Aのアミノ酸配列の種々の領域に相当する、9から13アミノ酸の長さを有する、それらのN末端でビオチン化された、多様なポリペプチドを合成した。
【0129】
これらのポリペプチドを、in situでの結合アッセイに使用した。PBS中に1%のウシアルブミンの存在下で室温で30分間のインキュベートによって含浸させた、ヒトの腹部皮膚の凍結切片を、100μMのビオチン化ポリペプチドおよび5mMのCaCl
2を含む100mMのTris(pH7.4)と接触させた。室温で2時間のインキュベート後、25mMのEDTAを5分間添加することによってこの反応を停止させる。次いで、これらの切片を、1%のSDSを含むPBS中でインキュベートして、非共有結合を破壊させる。
【0130】
組織内に存在し活性があるトランスグルタミナーゼによって角化膜に結合されたビオチン化ポリペプチドの存在は、該切片を5μg/mlのストレプトアビジン−AlexaFluor555(Invitrogen)と共にインキュベートして共焦点顕微鏡で可視化することによって検出される。
【0131】
陽性対照は、同様の試験で、しかし、切片を、ポリペプチドの代わりに、AlexaFluor555に結合されたカダベリン(Invitrogen)100μMとインキュベートすることによって行う。陰性対照については、凍結切片を、各ビオチン化ポリペプチドと共にまたはAlexaFluor555に結合されたカダベリンと共にインキュベートするが、インキュベートは、100mMのEDTAの存在下かつカルシウムの非存在下で行われる。
【0132】
結果:
陽性対照は、活性なトランスグルタミナーゼがある切片の領域に相当する、顆粒ケラチノサイトの輪郭の標識を示す。配列番号3、4および5のアミノ酸配列に相当するポリペプチドは、カダベリン−AlexaFluor555とのインキュベート後に得られるものと同様の標識を示すのに対して、これらの同ポリペプチドまたはカダベリン−AlexaFluor555を、EDTAの存在下かつカルシウムの非存在下でインキュベートするときには標識が得られない。該切片を、LCE6Aのいかなる断片にも相当しない配列を有する、ポリペプチドRPAPPPISGGGYRARと共にカルシウムの存在下でインキュベートすると、顆粒層のケラチノサイトの細胞周囲のいかなる標識も示されない。最後に、変異した配列番号3に相当するポリペプチドMSQAKQQSW(配列番号7)、および変異した配列番号5に相当するポリペプチドEVAKPRRARQALR(配列番号8)では、顆粒層のケラチノサイトの細胞周囲のいかなる標識も示されない。
【0133】
したがって、配列番号3、4および5のアミノ酸配列は、ヒトの表皮の顆粒層内に存在するトランスグルタミナーゼが角化膜との共有結合を形成するのに必要な残基を含んでいる。変異した配列番号1および番号3に相当するポリペプチドが、角化膜を結合する能力を損失していることより、前記結合を可能にするために、LCE6Aタンパク質の配列中のグルタミン残基(Q)とリシン残基(K)との連結が必要であることが示唆される。
【実施例6】
【0134】
化粧組成物(O/W血清)
以下の組成物は、当業者によって従来通りに調製されうる。以下に述べる量は、重量パーセントで表している。大文字で示している成分は、INCI名によるものと同一である。
【0135】
【表1】
【0136】
この組成物は、快適性を向上させ、肌の色を均一にするために、特に水分を奪われかつ/または侵襲性の環境因子に曝露された皮膚上に、毎日朝および/または夕に適用されうる。