特許第6244614号(P6244614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244614
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】車両用前照灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/12 20060101AFI20171204BHJP
   B60Q 1/14 20060101ALI20171204BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20171204BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171204BHJP
【FI】
   F21S8/12 263
   F21S8/12 210
   B60Q1/14 H
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-212814(P2013-212814)
(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公開番号】特開2015-76319(P2015-76319A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】山形 真司
(72)【発明者】
【氏名】宮本 尚司
(72)【発明者】
【氏名】小柳 哲
(72)【発明者】
【氏名】菅又 恵
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−099413(JP,A)
【文献】 特開2007−022420(JP,A)
【文献】 特開2006−302713(JP,A)
【文献】 特開2007−207528(JP,A)
【文献】 特開2012−119276(JP,A)
【文献】 特開2013−152855(JP,A)
【文献】 特開2012−071786(JP,A)
【文献】 特開2011−029145(JP,A)
【文献】 特開2009−301980(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0129083(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−19/00
F21V 1/00−15/04
B60Q 1/00− 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影レンズ、第1光源、シェード及び第1反射面を備え、前記第1光源からの光が、前記第1反射面で反射され、前記シェードで一部が遮光された後、前記投影レンズを透過して前方に照射されて、すれ違いビーム用配光パターンを形成するプロジェクタ型の光学ユニットと、第2光源及び第2反射面を備え、前記第2光源からの光が、前記第2反射面で反射され、前方に照射されて、走行ビーム用配光パターン中の少なくとも一部を形成する反射型の光学ユニットと、を備えた車両用前照灯において、
前記すれ違いビーム用配光パターンは、前記第1光源が点灯しかつ前記第2光源が消灯することで形成され、
前記走行ビーム用配光パターンは、前記第1光源及び前記第2光源が同時に点灯することで形成され、
前記第1光源は、前記走行ビーム用配光パターンを形成する場合、前記すれ違い用配光パターンを形成する場合と比べ、減光した状態で点灯し、
前記反射型の光学ユニットの発光領域は、灯具正面視において、前記プロジェクタ型の光学ユニットの発光領域の直下に配置されており、
前記プロジェクタ型の光学ユニットの発光領域及び前記反射型の光学ユニットの発光領域は、灯具正面視において、円形の発光領域を構成している車両用前照灯。
【請求項2】
前記投影レンズは、その下部がカットされた形状に構成され、かつ、灯具正面視において、円領域内の上側領域に配置されており、
前記第2反射面は、灯具正面視において、前記円領域内の下側領域に配置されており、
前記プロジェクタ型の光学ユニットの発光領域は、前記第1光源からの光が前記投影レンズを透過することで形成され、
前記反射型の光学ユニットの発光領域は、前記第2光源からの光が前記第2反射面で反射されることで形成される請求項に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記円形の発光領域の直径は70mm以下である請求項又はに記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記第1光源は、後方側から前方に延びる固定部の上部に配置され、前記第2光源が前記固定部の下面に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯に係り、特に、プロジェクタ型の光学ユニットと反射型の光学ユニットとを組み合わせた構造の車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用灯具の分野においては、プロジェクタ型の光学ユニットと反射型の光学ユニットとを組み合わせた構造の車両用前照灯が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
本願の発明者らは、プロジェクタ型の光学ユニットを、投影レンズ、第1光源(例えばLED光源)、シェード及び第1反射面を備え、第1光源からの光が、第1反射面で反射され、シェードで一部が遮光された後、投影レンズを透過して前方に照射されて、すれ違いビーム用配光パターンを形成する光学ユニットとして構成し、反射型の光学ユニットを、第2光源(例えばLED光源)及び第2反射面を備え、第2光源からの光が、第2反射面で反射され、前方に照射されて、走行ビーム用配光パターン中の少なくとも一部(例えば集光領域)を形成する光学ユニットとして構成し、第1光源及び第2光源を同時に点灯することで、第1光源からの光により形成されるすれ違いビーム用配光パターンと第2光源からの光により形成される走行ビーム用配光パターン中の少なくとも一部(例えば集光領域)とが重畳された走行ビーム用配光パターンを形成することを検討した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−207528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記検討した車両用前照灯においては、同時に点灯される第1光源及び第2光源で発生する熱を適切に放熱するため、ヒートシンクが大型化する(その結果、車両用前照灯が大型化する)という問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プロジェクタ型の光学ユニットと反射型の光学ユニットとを備え、第1光源及び第2光源を同時に点灯することで、走行ビーム用配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、ヒートシンクを小型化すること(その結果、車両用前照灯を小型化すること)を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、投影レンズ、第1光源、シェード及び第1反射面を備え、前記第1光源からの光が、前記第1反射面で反射され、前記シェードで一部が遮光された後、前記投影レンズを透過して前方に照射されて、すれ違いビーム用配光パターンを形成するプロジェクタ型の光学ユニットと、第2光源及び第2反射面を備え、前記第2光源からの光が、前記第2反射面で反射され、前方に照射されて、走行ビーム用配光パターン中の少なくとも一部を形成する反射型の光学ユニットと、を備えた車両用前照灯において、前記すれ違いビーム用配光パターンは、前記第1光源が点灯しかつ前記第2光源が消灯することで形成され、前記走行ビーム用配光パターンは、前記第1光源及び前記第2光源が同時に点灯することで形成され、前記第1光源は、前記走行ビーム用配光パターンを形成する場合、前記すれ違い用配光パターンを形成する場合と比べ、減光した状態で点灯し、前記反射型の光学ユニットの発光領域は、灯具正面視において、前記プロジェクタ型の光学ユニットの発光領域の直下に配置されており、前記プロジェクタ型の光学ユニットの発光領域及び前記反射型の光学ユニットの発光領域は、灯具正面視において、円形の発光領域を構成していることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、プロジェクタ型の光学ユニットと反射型の光学ユニットとを備え、第1光源及び第2光源を同時に点灯することで、走行ビーム用配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、ヒートシンクを小型化すること(その結果、車両用前照灯を小型化すること)ができる。
【0009】
これは、第1光源及び第2光源を同時に点灯する場合(すなわち走行ビーム用配光パターンを形成する場合)、第1光源を減光した状態で点灯することにより、第1光源で発生する熱を少なくすることができることによるものである。
【0011】
請求項に記載の発明によれば、プロジェクタ型の光学ユニットと反射型の光学ユニットとを組み合わせた構造の車両用前照灯であるにもかかわらず、従来のプロジェクタ型の光学ユニット(例えば光源としてHID電球を用いた一般的な2灯式のプロジェクタ型の光学ユニット)と同等の発光見栄え(すなわち円形の発光領域)を実現することができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記投影レンズは、その下部がカットされた形状に構成され、かつ、灯具正面視において、円領域内の上側領域に配置されており、前記第2反射面は、灯具正面視において、前記円領域内の下側領域に配置されており、前記プロジェクタ型の光学ユニットの発光領域は、前記第1光源からの光が前記投影レンズを透過することで形成され、前記反射型の光学ユニットの発光領域は、前記第2光源からの光が前記第2反射面で反射されることで形成されることを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明によれば、投影レンズ及び第2反射面により、プロジェクタ型の光学ユニット(例えば光源としてHID電球を用いた一般的な2灯式のプロジェクタ型の光学ユニット)と同等の発光見栄え(すなわち円形の発光領域)を実現することができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の発明において、前記円形の発光領域の直径は70mm以下であることを特徴とする。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、従来のプロジェクタ型の光学ユニット(例えば光源としてHID電球を用いた一般的な2灯式のプロジェクタ型の光学ユニット)と同等の発光見栄え(すなわち直径が70mm又はそれ以下の円形の発光領域)を実現することができる。

【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プロジェクタ型の光学ユニットと反射型の光学ユニットとを備え、第1光源及び第2光源を同時に点灯することで、走行ビーム用配光パターンを形成するように構成された車両用前照灯において、ヒートシンクを小型化すること(その結果、車両用前照灯を小型化すること)が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態である車両用前照灯10の縦断面図である。
図2】車両用前照灯10の分解斜視図である。
図3】車両用前照灯10の正面図である。
図4】(a)すれ違いビーム用配光パターンPLoの例、(b)走行ビーム用配光パターンPHiの例、(c)走行ビーム用配光パターンPHiを形成する場合、第1光源18を減光せずに点灯すると、水平線Hと鉛直線Vとの交点からずれた位置の光度が最大となることを説明するための図、(d)走行ビーム用配光パターンPHi中の少なくとも一部(例えば集光領域P1)の例、(e)すれ違いビーム用配光パターンPLo´の例である。
図5】(a)上側領域Aに形成される発光領域の例、(b)下側領域Aに形成される発光領域の例、(c)円形の発光領域の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態である車両用前照灯10について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態である車両用前照灯10の縦断面図、図2は車両用前照灯10の分解斜視図、図3は正面図である。
【0020】
図1に示すように、車両用前照灯10は、プロジェクタ型の光学ユニット12と反射型の光学ユニット14とを備えている。反射型の光学ユニット14は、プロジェクタ型の光学ユニット12の直下に配置されている。
【0021】
プロジェクタ型の光学ユニット12は、投影レンズ16、第1光源18、シェード20、第1反射面22、第1付加反射面24、第2付加反射面26等を備え、第1光源18からの光が、第1反射面22で反射され、シェード20で一部が遮光された後、投影レンズ16を透過して前方に照射されて、すれ違いビーム用配光パターンを形成するプロジェクタ型の光学ユニットとして構成されている。
【0022】
投影レンズ16は、レンズ部16aと、その周囲を取り囲むフランジ部16bと、を含んでいる。投影レンズ16は、ポリカーボネイト製であってもよいし、それ以外のアクリル等の透明樹脂製であってもよいし、ガラス製であってもよい。
【0023】
レンズ部16aは、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズとして構成されている。フランジ部16bは、図2図3に示すように、平板形状かつ灯具正面視において外形が円形に構成されている。投影レンズ16(レンズ部16a及びフランジ部16b)は、その下部がカットされた形状に構成されている。図3は、水平面Pでカットされた形状の例であるが、これに限らず、水平面に対して傾斜した面でカットされた形状であってもよいし、曲面でカットされた形状であってもよいし、それ以外の面でカットされた形状であってもよい。
【0024】
投影レンズ16は、レンズホルダ30に保持されて、車両前後方向に延びる基準軸AX上に配置されている。投影レンズ16(レンズ部16a)の光軸AX16は基準軸AXに一致している。レンズホルダ30は、ヒートシンク32に固定された保持部材28に保持されて、図1に示す位置に配置されている。
【0025】
投影レンズ16は、図3に示すように、灯具正面視において、円領域A内の上側領域Aに配置されている。円領域Aとは、レンズホルダ30の内径により定義される円領域のことである。上側領域Aとは、例えば、図3に示すように、投影レンズ16(レンズ部16a及びフランジ部16b)の下部が水平面Pでカットされた形状に構成されている場合、当該水平面Pと円領域A(外形)とで囲まれた上下二つの領域のうち上側の領域のことである。
【0026】
第1光源18は、図2に示すように、例えば、金属製の基板18a、当該基板18aの表面に実装された白色LED光源18b(又は白色LD光源)等を備えている。基板18aの表面には、例えば4つの白色LED光源18bが所定間隔をおいて車幅方向に一列に実装されて、横長矩形の発光面(例えば、4mm×1mm)を構成している。なお、白色LED光源18bの個数は、1以上であればよい。
【0027】
第1光源18は、図1に示すように、発光面が後方斜め上向き、かつ、基板18aの裏面がヒートシンク32の固定部34の上面(第1装着面34a)に接触した状態で当該ヒートシンク32の固定部34に固定されて、投影レンズ16(レンズ部16a)の後側焦点Fより車両後方側かつ基準軸AX近傍に配置されている。なお、第1光源18は、ヒートシンク32に固定された第1ホルダ36aとヒートシンク32の固定部34(第1装着面34a)との間に挟まれた状態で固定されている。なお、図1中の符号C1で指示された部材は、第1光源18に給電する給電カプラを表している。
【0028】
ヒートシンク32は、第1光源18及び第2光源42兼用の放熱部材で、固定部34及び放熱フィン38等を含んでいる。固定部34は、その上面に第1光源18が装着される第1装着面34aを含み、かつ、その下面に第2光源42が装着される第2装着面34bを含んでいる。第1装着面34aは車両後方側に配置され、第2装着面34bは車両前方側に配置されている(図1参照)。ヒートシンク32は、アルミダイカスト製であってもよいし、それ以外の金属製であってもよい。
【0029】
第1反射面22は、当該第1反射面22で反射され、シェード20で一部が遮光された後、投影レンズ16を透過して前方に照射される第1光源18からの光が、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上にすれ違いビーム用配光パターンPLoを形成するように、その面形状が構成された反射面で、具体的には、基準軸AXを含む断面形状が、第1焦点F1と第2焦点F2とを含む楕円形状で、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定された回転楕円系の反射面(回転楕円面又はこれに類する自由曲面等)として構成されている。
【0030】
第1付加反射面24は、第1反射面22の前端より前方かつ第1反射面22からの反射光を遮らない位置に配置されている。第1付加反射面24は、前方斜め上方に向けて放出される第1光源18からの光を、第2付加反射面26に向けて反射するように、その面形状が構成されている。
【0031】
第1反射面22及び第1付加反射面24は、第1リフレクタ40に形成されている。第1リフレクタ40は、保持部材28に保持されて、図1に示す位置に配置されている。
【0032】
図1に示すように、保持部材28は、投影レンズ16(レンズ部16a)の後側焦点F近傍から前方斜め下方に向かって延びる第2付加反射面26、投影レンズ16の後側焦点F近傍から第1光源18に向かって延びるシェード20等を備えている。
【0033】
第2付加反射面26は、当該第2付加反射面26で反射され、投影レンズ16を透過して前方斜め上向きに照射される第1付加反射面24からの反射光が、仮想鉛直スクリーン上にオーバーヘッド用配光パターンPOHを形成するように、その面形状が構成されている。
【0034】
シェード20の前端縁20aは、すれ違いビーム用配光パターンPLo中のカットオフラインCLを明瞭なものとする観点から、直線ではなく、湾曲した形状(図2参照)とされている。なお、シェード20は、ミラー面として構成されていてもよい。
【0035】
図1に示すように、反射型の光学ユニット14は、第2光源42、第2反射面44等を備え、第2光源42からの光が、第2反射面44で反射され、前方に照射されて、走行ビーム用配光パターン中の少なくとも一部(例えば集光領域)を形成する反射型の光学ユニットとして構成されている。
【0036】
第2光源42は、第1光源18と同様の光源として構成されている。
【0037】
第2光源42は、発光面が鉛直下向き、かつ、基板42aの裏面がヒートシンク32の固定部34の下面(第2装着面34b)に接触した状態で当該ヒートシンク32の固定部34に固定されて、車両前後方向に延びる基準軸AX近傍に配置されている。なお、第2光源42は、ヒートシンク32に固定された第2ホルダ36bとヒートシンク32の固定部34(第2装着面34b)との間に挟まれた状態で固定されている。なお、図1中の符号C2で指示された部材は、第2光源42に給電する給電カプラを表している。
【0038】
第2反射面44は、当該第2反射面44で反射され、前方に照射される第2光源42からの光が走行ビーム用配光パターンPHi中の少なくとも一部(例えば集光領域P1)を形成するように、その面形状が構成された反射面で、具体的には、第2光源42近傍に位置する焦点F42とこの焦点F42を通って車両前後方向に延びる回転軸(基準軸AX)を含む回転放物面系の反射面(回転放物面又はこれに類する自由曲面等)として構成されている。
【0039】
第2反射面44は、図3に示すように、灯具正面視において、円領域A内の下側領域Aに配置されている。下側領域Aとは、例えば、図3に示すように、投影レンズ16(レンズ部16a及びフランジ部16b)の下部が水平面Pでカットされた形状に構成されている場合、当該水平面Pと円領域A(外形)とで囲まれた上下二つの領域のうち下側の領域のことである。
【0040】
第2反射面44は、第2リフレクタ46に形成されている。第2リフレクタ46は、保持部材28に保持されて、図1に示す位置に配置されている。
【0041】
次に、上記構成の車両用前照灯10の動作例について説明する。
【0042】
以下の処理は、各光源18、42が電気的に接続されたECU等の制御手段(図示せず)が、所定ソフトウエア(プログラム)を実行することで実現される。
【0043】
制御手段は、すれ違いビーム用配光パターンPLoを形成する場合、第1光源18が点灯しかつ第2光源42が消灯するように、各光源18、42を制御する。具体的には、第1光源18に予め定められた定電流Iを印加し、かつ、第2光源42に予め定められた定電流を印加しないように制御する。
【0044】
この場合、第1光源18からの光は、第1反射面22で反射され、シェード20で一部が遮光された後、投影レンズ16を透過して前方に照射されて、図4(a)に示すように、シェード20により規定されるカットオフラインCLを上端縁に含むすれ違いビーム用配光パターンPLoを形成する。その際、第1光源18からの光が投影レンズ16(レンズ部16a及びフランジ部16b)を透過することで、図5(a)に示すように、灯具正面視において、上側領域Aに発光領域(図5(a)中ハッチングで示す領域参照。本発明のプロジェクタ型の光学ユニットの発光領域に相当)が形成される。
【0045】
また、第1光源18からの光の一部は、第1付加反射面24及び第2付加反射面26で二回反射され、投影レンズ16を透過して前方斜め上方に照射されて、図4(a)に示すように、オーバーヘッド用配光パターンPOHを形成する。
【0046】
一方、制御手段は、走行ビーム用配光パターンPHiを形成する場合、第1光源18及び第2光源42が同時に点灯するように、各光源18、42を制御する。この場合、制御手段は、第1光源18が、すれ違いビーム用配光パターンPLoを形成する場合(すなわち第1光源18が点灯しかつ第2光源42が消灯する場合)と比べ、減光した状態(例えばすれ違いビーム用配光パターンPLoを形成する場合の第1光源18の光量(100%)に対して50%の状態)で点灯するように、第1光源18を制御する。具体的には、第1光源18に予め定められた定電流I(定電流Iより小さい定電流)を印加し、かつ、第2光源42に予め定められた定電流を印加するように制御する。
【0047】
この場合、第1光源18からの光は、第1反射面22で反射され、シェード20で一部が遮光された後、投影レンズ16を透過して前方に照射されて、図4(e)に示すように、シェード20により規定されるカットオフラインCL´を上端縁に含むすれ違いビーム用配光パターンPLo´を形成する。その際、第1光源18からの光が投影レンズ16(レンズ部16a及びフランジ部16b)を透過することで、図5(a)に示すように、灯具正面視において、上側領域Aに発光領域(図5(a)中ハッチングで示す領域参照。本発明のプロジェクタ型の光学ユニットの発光領域に相当)が形成される。
【0048】
また、第1光源18からの光の一部は、第1付加反射面24及び第2付加反射面26で二回反射され、投影レンズ16を透過して前方斜め上方に照射されて、図4(e)に示すように、オーバーヘッド用配光パターンPOH´を形成する。
【0049】
一方、第2光源42からの光は、第2反射面44で反射され、前方に照射されて、図4(d)に示すように、走行ビーム用配光パターンPHi中の少なくとも一部(例えば集光領域P1)を形成する。その際、第2光源42からの光が第2反射面44で反射されることで、図5(b)に示すように、灯具正面視において、下側領域Aに発光領域(図5(b)中ハッチングで示す領域参照。本発明の反射型の光学ユニットの発光領域に相当)が形成される。上側領域Aに形成される発光領域(図5(a)中ハッチングで示す領域参照)及び下側領域Aに形成される発光領域(図5(b)中ハッチングで示す領域参照)は、図5(c)に示す円形の発光領域(図5(c)中ハッチングで示す領域参照)を構成している。
【0050】
本実施形態では、円形の発光領域の直径は、70mmに設定されている。これにより、プロジェクタ型の光学ユニット12と反射型の光学ユニット14とを組み合わせた構造の車両用前照灯10であるにもかかわらず、従来のプロジェクタ型の光学ユニット(例えば光源としてHID電球を用いた一般的な2灯式のプロジェクタ型の光学ユニット)と同等の発光見栄え(すなわち直径が70mmの円形の発光領域A)を実現することができる。なお、円形の発光領域の直径は、70mm以下に設定されていてもよい。
【0051】
走行ビーム用配光パターンPHiは、図4(b)に示すように、図4(e)に示すすれ違いビーム用配光パターンPLo´と図4(d)に示す走行ビーム用配光パターンPHi中の少なくとも一部(例えば集光領域P1)とが重畳された配光パターンとして形成される。
【0052】
以上のように、第1光源18及び第2光源42を同時に点灯する場合(すなわち走行ビーム用配光パターンPHiを形成する場合)、第1光源18を減光した状態で点灯することにより、第1光源18で発生する熱を少なくすることができる。その結果、ヒートシンク32を小型化すること(その結果、車両用前照灯10を小型化すること)ができる。
【0053】
また、第1光源18及び第2光源42を同時に点灯する場合(すなわち走行ビーム用配光パターンPHiを形成する場合)、第1光源18を減光した状態で点灯することにより、水平線Hと鉛直線Vとの交点近傍の光度が最大となる(図4(b)参照)ため、車両用前照灯10を2灯式の一体型ランプとして評価した場合、規格が求める要件を満たすことができる。
【0054】
仮に、第1光源18及び第2光源42を同時に点灯する場合(すなわち走行ビーム用配光パターンPHiを形成する場合)、第1光源18を減光せずに点灯すると、水平線Hと鉛直線Vとの交点からずれた位置の光度が最大となる(図4(c)参照)ため、車両用前照灯10を2灯式の一体型ランプとして評価した場合、規格が求める要件を満たすことができない。
【0055】
以上説明したように、本実施形態の車両用前照灯10によれば、プロジェクタ型の光学ユニット12と反射型の光学ユニット14とを備え、第1光源18及び第2光源42を同時に点灯することで、走行ビーム用配光パターンPHiを形成するように構成された車両用前照灯10において、ヒートシンク32を小型化すること(その結果、車両用前照灯10を小型化すること)ができる。
【0056】
これは、第1光源18及び第2光源42を同時に点灯する場合(すなわち走行ビーム用配光パターンPHiを形成する場合)、第1光源18を減光した状態で点灯することにより、第1光源18で発生する熱を少なくすることができることによるものである。
【0057】
また、本実施形態の車両用前照灯10によれば、プロジェクタ型の光学ユニット12と反射型の光学ユニット14とを組み合わせた構造の車両用前照灯であるにもかかわらず、従来のプロジェクタ型の光学ユニット(例えば光源としてHID電球を用いた一般的な2灯式のプロジェクタ型の光学ユニット)と同等の発光見栄え(すなわち直径が70mm又はそれ以下の円形の発光領域A)を実現することができる。
【0058】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0059】
10…車両用前照灯、12…プロジェクタ型の光学ユニット、14…反射型の光学ユニット、16…投影レンズ、16a…レンズ部、16b…フランジ部、18…第1光源、18a…基板、18b…LED光源、20…シェード、20a…前端縁、22…第1反射面、24…第1付加反射面、26…第2付加反射面、28…保持部材、30…レンズホルダ、32…ヒートシンク、34…固定部、34a…第1装着面、34b…第2装着面、36a…第1ホルダ、36b…第2ホルダ、38…放熱フィン、40…第1リフレクタ、42…第2光源、42a…基板、44…第2反射面、46…第2リフレクタ、A…発光領域、A…上側領域、A…下側領域
図1
図2
図3
図4
図5