(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の変化率は、入力値が前記所定の入力値から最大の入力値に変化するときに、出力値が前記所定の入力値に対応する出力値から前記最大の入力値と同じ値である出力値に直線的に変化する場合の変化率である請求項1または請求項2に記載の表示装置。
前記所定の入力値に対応する出力値が前記所定値以下の場合、前記所定の入力値以上の前記入出力特性において、第1の演算式に基づいて、前記ルックアップテーブルを変更し、
前記所定の入力値に対応する出力値が前記所定値よりも大きい場合、前記所定の入力値以上の前記入出力特性において、第2の演算式に基づいて、前記ルックアップテーブルを変更し、
前記所定の変化率は、前記所定の入力値に対応する出力値が前記所定値以下の場合に、前記所定の入力値以上の前記入出力特性において、前記第2の演算式に基づいて演算した場合の出力値の変化率である請求項1または請求項2に記載の表示装置。
前記制御部は、前記操作部によって調整された1又は2以上の調整点に基づいて、前記ルックアップテーブルを変更し、調整点の一つは前記所定の入力値に対応し、前記ルックアップテーブルの調整点の数を任意に変更できる請求項1から請求項5のいずれかに記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明にかかる画像表示装置の一例である液晶テレビの概略構成を示すブロック図である。
図1に示す液晶テレビAは、地上放送波、衛星放送波(BS、CS)等の放送波を受信し、放送波に基づく画像データによる画像を表示し、音声データによる音声を出力する。また、液晶テレビAには、DVDやBD等の外部機器を接続することが可能となっており、これらの外部機器から画像データ及び音声データを受け取り、画像データによる画像を表示し、音声データによる音声を出力する。
【0018】
また、液晶テレビAは、表示画像を調整するための補正データのテーブルであるLUT(Look Up Table)を備えている。そして、液晶テレビAでは、画像データによる画像をLUTの補正データに基づいて補正した後、表示するようになっている。
【0019】
図1に示すように、液晶テレビAは、チューナ1、入力部2、液晶パネル3(画像表示手段)、画像処理部4(画像処理手段)、スピーカ5、音声処理部6、リモートコントローラ7、リモートコントローラ受信部8、制御部9(制御手段)及び記憶部10を備えている。
【0020】
チューナ1は、外部に配置され、放送波を受信するためのアンテナAntが接続されている。アンテナAntが受信した放送波(地上波、BS、CS)を復調し画像データ及び音声データを生成する。チューナ1は、制御部9に制御されている。
【0021】
入力部2は、図示を省略したDVD、BD等の外部機器からの画像データ、音声データが入力される。チューナ1及び入力部2はそれぞれ画像データと音声データとを分離して取り扱うことが可能な構成となっており、画像データは画像処理部4に、音声データは音声処理部6にそれぞれ送信される。なお、入力部2は、上述の外部機器以外にも、LUTの補正データを調整するときの調整用画像データの供給装置(不図示)が接続される場合もある。
【0022】
液晶パネル3は、バックライトユニット及び液晶ユニット(いずれも不図示)を含み、画像を表示するための表示部である。液晶ユニット3は、画素(サブセル)毎に透過する光の透過率を調整可能である。そして、液晶パネル3では、画像処理部4からの画像データに基づいて、画素の光透過率を適切に調整し、バックライトユニットからの光を透過させることで、表面に画像を表示する。
【0023】
画像処理部4は、チューナ1又は入力部2から画像データを受け取る。そして、画像データに補正処理を施す装置である。なお、画像処理部4は、制御部9に制御されるものであり、詳細は、後述する。
【0024】
音声処理部6は、チューナ1又は入力部2からの音声データが入力される。音声処理部6は音声データに対し、各種の処理を行い、処理後の音声データをスピーカ5に供給する。スピーカ5は音声処理部6から供給された音声データに基づいて音声を出力する。
【0025】
リモートコントローラ7は、液晶テレビAの遠隔操作用の操作装置である。リモートコントローラ7はユーザからの操作入力を受け付け、操作入力の情報を含む操作信号をリモートコントローラ受信部8に送信する。なお、リモートコントローラ7からリモートコントローラ受信部8への信号の送信には、赤外光等の光や電波等の無線手段が用いられる。
【0026】
リモートコントローラ受信部8は、操作信号を受信すると、操作信号に基づいて制御部9で取り扱うことができる受信信号に変換し、制御部9に送信する。液晶テレビAにおいて、制御部9は、チューナ1、画像処理部4、音声処理部6を制御している。また、これら以外の構成部材の制御も行う構成となっていてもよい。制御部9としては、例えば、演算処理を行うCPU等を備えた構成を挙げることができる。
【0027】
また、制御部9は記憶部10と接続している。記憶部10は、揮発性及び(又は)不揮発性のメモリを含む構成である。記憶部10には、制御部9が液晶テレビAの動作を制御するためのプログラム、各種データ等を記憶しており、制御部9はこれらのプログラムや各種データに基づき、液晶テレビAの各種動作を制御する。なお、液晶テレビAでは、画像処理部4及び音声処理部6は独立した回路として設けられているものを示しているが、制御部9で動作するプログラムであってもよい。また、詳細は後述するが、記憶部10には、画像データの補正に用いられるLUTが収納されている。
【0028】
次に、本発明にかかる液晶テレビの詳細について図面を参照して説明する。
図2は本発明にかかる画像表示装置に含まれる画像処理部の一例の電気的な接続を示すブロック図である。画像処理部4は画像データにおける赤、緑、青の各色の輝度レベルに対して、補正処理を行う処理部(回路)であり、赤色の輝度レベルを示す入力値In
R、緑色の輝度レベルを示す入力値In
G、青色の輝度レベルを示す入力値In
Bが入力される。なお、以下の説明において、添え字のRGBはそれぞれ、赤、緑、青のデータであることを示している。
【0029】
図2に示すように、画像処理部4は赤、緑、青のそれぞれの入力値のゲイン調整を行うゲイン調整部41R、41G、41Bと、入力値を補正する入力値補正部42R、42G、42Bとを備えている。そして、画像処理部4では、入力値In
Rはゲイン調整部41Rに、入力値In
Gはゲイン調整部41Gに、入力値In
Bはゲイン調整部41Bにそれぞれ入力される。
【0030】
ゲイン調整部41R、41G、41Bは、画像データにおける赤、緑、青の各色の輝度レベルを示す入力値In
R、In
G、In
Bにゲインを与えるものである。ゲイン調整部41R、41G、41Bはそれぞれ、乗算回路43R、43G、43Bとゲイン設定部44R、44G、44Bとを備えている。
【0031】
ゲイン調整部41Rでは、乗算回路43Rによって、赤色の輝度レベルを示す入力値In
Rとゲイン設定部44Rに設定されているゲイン値とを乗算する。これにより、赤色の輝度レベルを示す入力値In
Rにゲインを与える。同様に、ゲイン調整部41Gでは、乗算回路43Gによって、緑色の輝度レベルを示す入力値In
Gとゲイン設定部44Gに設定されているゲイン値とを乗算し、緑色の輝度レベルを示す入力値In
Gにゲインを与える。さらに、ゲイン調整部41Bでは、乗算回路43Bによって、青色の輝度レベルを示す入力値In
Bとゲイン設定部44Bに設定されているゲイン値とを乗算し、青色の輝度レベルを示す入力値InBにゲインを与える。ゲインが与えられた各色の輝度レベルを示す値In2
R、In2
G、In2
Bとし、ゲイン設定部44R、44G、44Bにより与えられる(ゲイン設定部44R、44G、44Bに設定されている)ゲインの値をG
R、G
G、G
Bとすると、次の通りとなる。
In2
R=G
R×In
R
In2
G=G
G×In
G
In2
B=G
B×In
B
【0032】
入力値補正部42R、42G、42Bは、液晶パネル3で表示する画像の色度(ホワイトバランス)を調整するためのもの(回路)である。入力値補正部42R、42G、42Bはそれぞれ、LUT45R、45G、45Bを有している。
【0033】
LUT45R、45G、45Bは、液晶パネル3で表示する画像の色バランスを補正するための補正データのテーブルである。LUT45R、45G、45Bの補正データは、赤、緑、青の各色の補正前の輝度レベルを示す補正前値と、補正して出力された補正後値との関係を示すデータである。すなわち、LUT45Rの補正データは、赤色の補正前の輝度レベルを示す補正前の値である補正前値x
Rと補正後の値である補正後値y
Rとの関係を示すデータである。LUT45Gの補正データは、緑色の補正前の輝度レベルを示す補正前の値である補正前値x
Gと補正後の値である補正後値y
Gとの関係を示すデータである。LUT45Bの補正データは、青色の補正前の輝度レベルを示す補正前の値である補正前値x
Bと補正後の値である補正後値y
Bとの関係を示すデータである。
【0034】
図2に示すように、画像処理部4では、入力補正部42R、42G、42Bはゲイン調整部41R、41G、41Bでゲインが与えられた入力値In2
R、In2
G、In2
BをLUT45R、45G、45Bの補正データに基づいて補正する。つまり、入力値補正部42RはLUT45Rを参照し、入力値In2
Rを補正前値x
Rとし、対応する補正後値y
Rを出力値Out
Rとして出力する。同様に、入力値補正部42GはLUT45Gを参照し、入力値In2
Gを補正前値x
Gとし、対応する補正後値y
Gを出力値Out
Gとして出力する。入力値補正部42BはLUT45Bを参照し、入力値In2
Bを補正前値x
Bとし、対応する補正後値y
Bを出力値Out
Bとして出力する。
【0035】
入力値補正部42R、42G、42Bから出力された(補正された)出力値Out
R、Out
G、Out
Bは、画像処理部4の出力であり、液晶パネル3に供給され、出力値Out
R、Out
G、Out
Bによる画像が液晶パネル3に表示される。
【0036】
このように画像処理部4では、画像データにおける赤、緑、青の各色の輝度レベルを示す入力値In
R、In
G、In
Bにゲイン調整部41R、41G、41Bでゲインを与える。このゲインが与えられた入力値In2
R、In2
G、In2
Bが入力値補正部42R、42G、42BでLUT45R、45G、45Bの補正データに基づいて補正し、出力値Out
R、Out
G、Out
Bを液晶パネル3に供給する。これにより、液晶パネル3では、出力値Out
R、Out
G、Out
Bによる画像が表示される。
【0037】
液晶テレビAにおいて、画像処理部4のLUT45R、45G、45Bの補正データは、液晶パネル3ごとに表示される画像が所望の色度特性(ホワイトバランス特性)となるよう設定している。一方で、ユーザによっては、液晶パネル3に表示される画像のホワイトバランス特性を任意に変更することを望む場合がある。そこで、液晶テレビAでは、LUT45R、45G、45Bをユーザの操作に合わせて再計算し、その再計算結果を用いて赤、緑、青の各色の輝度レベルを補正する。
【0038】
補正前値をx
R、x
G、x
B、補正後値をy
R、y
G、y
Bとすると、補正データを再計算する前のLUT45R、45G、45Bで補正した補正後値は次の式で与えられる。
y
R=F
R(x
R)
y
G=F
G(x
G)
y
B=F
B(x
B)
そして、画像のホワイトバランスをユーザの要求に合わせて調整するために、補正データの再計算を行った後のLUT45R、45G、45Bで補正した補正後値は次の式で与えられる。
y
R=G
R(x
R)
y
G=G
G(x
G)
y
B=G
B(x
B)
【0039】
液晶テレビAのホワイトバランスをユーザの要求に応じて調整(変更)可能な構成について図面を参照して説明する。
図3はLUTの補正データの再計算の方法を示す図である。
図3は便宜上赤色を示す輝度レベルを補正するためのLUTを示している。また、
図3は第2調整点でのゲイン値が1以下又は1よりも大きい場合の2通りの補正データを示している。
【0040】
補正前値の最小値xMIN
Rと最大値xMAX
Rの間に任意の2点の補正前値x1
R、x2
Rを設定し、そのときの補正後値y1
R、y2
Rをユーザが任意に設定することができるようになっている。このユーザが設定することができる点P1(x1
R、y1
R)、P2(x2
R、y2
R)を第1調整点P1、第2調整点P2とする。なお、
図3において、補正前値x
Rは、xMIN
R(=0)≦x1
R<x2
R≦xMAX
R(=1)となっている。また、補正後値y
Rの採り得る値の最小値、最大値をyMIN
R、yMAX
Rとすると、補正後値y
RはyMIN
R(=0)≦y1
R<y2
R≦yMAX
R(=1)となっている。
【0041】
本実施形態における、補正データの再計算は、第1調整点P1及び第2調整点での値の間を線形で補完している。そのため、補正後値y
R=G
R(x
R)は補正前値x
Rの範囲ごとに与えられる。
xMIN
R≦x
R≦x1
Rのとき、
y
R=G
R(x
R)=F
R(Gain1
R×x
R)・・・・(式1)
x1
R<x
R<x2
Rのとき、
y
R=G
R(x
R)=F
R(a0
R×x
R+b0
R)・・・・(式2)
x2
R≦x
R≦xMAX
R、且つ、Gain2
R≦1のとき、
y
R=G
R(x
R)=F
R(Gain2
R×x
R)・・・・(式3)
x2
R≦x
R≦xMAX
R、且つ、Gain2
R>1のとき、
y
R=G
R(x
R)=F
R(a1
R×x
R+b1
R)・・・・(式4)
(ただし、
a0
R=(x21
R−x11
R)/(x2
R−x1
R)、
b0
R=x11
R−x1
R×(x21
R−x11
R)/(x2
R−x1
R)、
a1
R=(x2MAX
R−x21
R)/(xMAX
R−x2
R)、
b1
R=x21
R−x2
R×(x2MAX
R−x21
R)/(xMAX
R−x2
R)、
x11
R=Gain1
R×x1
R、
x21
R=Gain2
R×x2
R、
x2MAX
R=xMAX
R
Gain1
R:調整点P1の色バランスが所定の色バランスとなるように与えられるゲイン値。
Gain2
R:調整点P2の色バランスが所定の色バランスとなるように与えられるゲイン値。)
【0042】
そして、緑色及び青色のLUT45G、45Bについても同様に、補正データの修正を行うことが可能である。このような補正データを再計算したLUT45R、45G、45Bを用いることで、液晶パネル3にユーザが指定した、ホワイトバランスの画像を表示することが可能となっている。
【0043】
再計算の計算方法について詳しく説明する。ゲインGain2
Rが1以下又は1よりも大きいかで、再計算の式を変えている。通常、入力値と出力値が同じである状態を
図3に示すと破線に示すような比例の関係となる。
図3には、調整点が破線よりも上の場合と下の場合とを示している。x
RがxMIN
Rからx2
Rまでの間は、調整点が破線よりも上又は下でも同じ補完の式、すなわち、上述した「式1」、「式2」を用いて補正データの再計算を行う。一方、第2調整点P2が破線よりも上側に配置されるとき、ゲインGain2
Rが1よりも大きくなる。このとき、高階調側の輝度の飽和を防ぐため、補正データの再計算には、「式4」を採用する。
【0044】
逆に破線よりも下側に配置されるとき、ゲインGain2
Rが1以下となる。このとき、色度の急激な変化を避けるため、補正データの再計算には、「式3」を採用する。このような再計算した補正データを備えたLUTを用いることで、高階調側を飽和させることなく、ホワイトバランスの調整を行うことがきる。なお、
図3では、第1調整点P1、第2調整点P2が破線に対して同じ側(上側又は下側)にあるものを示しているが、異なる側に配置される場合もある。
【0045】
図4は調整点を1〜3点としたとの赤色を示す輝度レベルを補正するLUTの例を示す図である。上述の再計算の方法では、2点の調整点を変更し、補正データを再計算するものとしているが、調整点の数は2点に限定されるものではない。3点以上であってもよいし、1点であってもよい。1点の場合、「式1」と「式3」又は「式4」とを用いる。また、3点以上の場合、隣合う調整点の間の補完は「式2」で示す補完式で計算する。このように、調整点が増減した場合でも、補正データの再計算が可能である。
【0046】
本発明にかかる液晶テレビAのホワイトバランスの調整の手順について図面を参照して説明する。ユーザによる画像の表示特性の調整を行う場合の再計算の方法は上述した通りであるが、実際の液晶テレビAでは、画面の表示を見ながらどのように変化したか確認することが好ましい。そのため、液晶テレビAでは、液晶パネル3に画像を表示しながらOSD表示でLUT45R、45G、45Bを表示して行う。
【0047】
図5はホワイトバランスの調整を行う手順を示すフローチャートであり、
図6は画像の調整を行うときに表示される画像の一例を示す図であり、
図7はホワイトバランスの調整するときの調整点数を決定するときの図であり、
図8はホワイトバランスの調整を行うときの液晶パネルに表示される画像を示す図である。なお、液晶テレビAの液晶パネル3で表示する画像の調整は、ユーザによるリモートコントローラ7の操作によって行われる。
【0048】
ユーザがリモートコントローラ7を操作し、制御部9がリモートコントローラ受信部8から画質調整要求の操作入力を受信すると(ステップS11)、ホワイトバランス調整が開始される。制御部9は画像処理部4にユーザメニュー表示Mn1の画像データを画像処理部4に送信し、画像処理部4はユーザメニュー表示Mn1を画像信号として液晶パネル3に送る。これにより、液晶パネル3にユーザメニュー表示Mn1が表示される(ステップS12)。
【0049】
ここでユーザメニュー表示Mn1について説明する。
図6に示すように、ユーザメニュー表示Mn1は、第1表示部101と、第1選択部102と、第2選択部103とを備えている。第1表示部101は、現在表示しているメニュー画像Mn1が何を操作するためのメニュー画像であるかを表示している。ここでは、画像を調整するためのメニューであるため、第1表示部101には、画像を示す「Picture」を示している。
【0050】
第1選択部102には、画像の調整を行うときに変更する項目が上下に並んで配置されている。ここでは、「Picture Mode」、「Backlight」、「Contrast」、「Color」、「Sharpness」・・・「White Blance」等の項目が挙げられている。「Picture Mode」は、表示画像の種類(映画、スポーツ、ニュース等)に合わせて又は抽象的な表現(明るい、暗い、鮮明)に関連付けられた調整設定(LUT)を選択するための項目である。「Backlight」はバックライトの輝度を調整する項目である。「Contrast」はコントラストの調整を行う項目である。「Color」は色の調整を行う項目である。「Sharpness」は画像をくっきり見せるか、ぼやけさせてみせるかの調整を行う項目である。「White Blance」はホワイトバランスの調整を行う項目である。
【0051】
そして、これらの項目を選択すると、さらに詳細な項目を選択する第2選択部103を表示するようになっている。
図6に示すユーザメニュー表示Mn1では、「White Blance」が選択されており、第2選択部103として「White Blance」の詳細項目である、「初期設定」、「カスタム」、「リセット」を表示している。なお、第2選択部103は、第1選択部102の項目ごとに異なる表示が行われるものである。
【0052】
ユーザメニュー表示Mn1では、第1選択部102及び第2選択部103の各項目を選択するための、カーソルCrの表示が行われる。カーソルCrは、リモートコントローラ7の操作に合わせて、項目を移動する。なお、
図6のユーザメニュー表示Mn1では、項目を囲む長方形状の線描のカーソルCrを用いている。
【0053】
ユーザメニュー表示Mn1の第1選択部102の項目の中から、「White Balance」が選択されると(ステップS13)、ユーザメニュー表示Mn1には、「White Balance」に関連付けられた第2選択部103が表示される(
図6参照)。この第2選択項目103の項目の中で、「初期設定」が選択されると(ステップS14)、制御部9は記憶部10から、初期設定の補正データを画像処理部4のLUT45R、45G、45Bに送信し、初期設定のLUTを適用する(ステップS15)。なお、初期設定とは、液晶テレビAに予め備えられている補正データであり、
図3の破線に相当するものである。
【0054】
また、ユーザメニュー表示Mn1の第2選択部103から、「カスタム」が選択されると(ステップS16)、制御部9は調整点数決定用のユーザメニューMn2(
図7参照)の画像を記憶部10より取出し、画像処理部4を介して液晶パネル3で表示させる。そして、ユーザによって、調整点数の決定が行われる。
【0055】
図7に示すように、メニューMn2は選択項目201が備えられており、上ボタン2002と下ボタン203とが備えられている。選択項目201は、調整点の個数が表示されており、上ボタン202で調整点数が増え、下ボタン203で調整点数が減る。上ボタン202と下ボタン203とを利用して、調整点数を決定する(ステップS17)。なお、調整点数の決定方法として、これに限定されず、例えばテンキー等の数字を入力する入力装置を用いて個数を直接入力する構成であってもよい。調整点の数が多すぎると調整が煩わしくなるため、ここでは、1〜3点としているが、これに限定されるものではない。
【0056】
調整点数が決定されると、制御部9はホワイトバランス調整用画像Mn3(
図8参照)の画像データを記憶部より取出し、画像処理部4を介して液晶パネル3に表示させる(ステップS18)。
【0057】
図8に示す、調整用画像Mn3について説明する。調整用画像Mn3は、赤色を示す輝度レベルを補正するためのLUT45Rを示すグラフ301と、緑色を示す輝度レベルを補正するためのLUT45Gを示すグラフ302と、青色を示す輝度レベルを補正するためのLUT45Bを示すグラフ303とを並べて表示する。また、調整用画像Mn3は、LUT45R、45G、45Bの再設定結果を採用する「決定ボタン304」と、破棄する「キャンセルボタン305」とを備えている。調整用画像Mn3は、液晶パネル3の下部に配置されて表示される。
【0058】
また、グラフ301、302、303以外の部分には、任意の画像が表示される。例えば、チューナ1で受信しているテレビ放送の視聴中又は入力部2からの画像データを視聴している場合、液晶パネル3は、チューナ1又は入力部3からの画像データを表示する。また、外部からの信号が入力されていない状態で調整を行う場合、制御部9は、記憶部より調整用の表示画像を取り出し、画像処理部4を介して液晶パネル3に表示させる。なお、外部入力がある場合でも調整用の表示画像に切り替えるようにしてもよい。調整用の表示画像としては、従来よく知られている、ラスタパターン、グレイランプ、グレイスケール等を用いる。ここでは、入力部2から入力される画像データPict1を表示している。
【0059】
制御部9は、これらの画像データと重なるように(
図8では、画面下部)にグラフ301、302、303の表示を行う。なお、グラフ301、302、303の大きさは、予め決められたものであってもよいし、ユーザが任意に設定できるようにしていてもよい。グラフ301、302、303の大きさとしては、全てのグラフを同時に表示し、さらに、調整点を視認しやすい大きさが好ましい。
【0060】
調整用画像Mn3が表示されると、LUT45R、45G、45Bの再設定、すなわち、補正データの再計算を実行する(ステップS19)。LUTの再設定は、ここでは、LUT45R、LUT45G、LUT45Bの順番に行われる。
【0061】
まず、赤色用のLUT45Rを示すグラフの調整点が選択され、赤色用のLUT45Rの補正データの再計算が開始される。調整点の調整方法について
図3を参照して説明する。なお、調整点の調整には、リモートコントローラ7に備えられた十字キー71と、決定キー72(
図1参照)とを用いて行われる。十時キー71は、調整点のx
R軸、y
R軸に沿う方向の移動の入力を行い、決定キー72は調整点の調整を終了する入力を行う。
【0062】
図3では、調整点を2点としたときを示している。まず、調整点の調整を行う場合、補正前値x
Rが小さい調整点側から調整が行われる。なお、図示は省略しているが、カーソルで調整点を示してもよいし、x
R軸、y
R軸それぞれに平行で且つ調整点で交差する、いわゆる、クロスラインカーソルで調整点を示してもよい。
【0063】
調整用画像Mn3が表示されると、補正前値x
Rが小さい、ここでは、第1調整点P1が選択される。第1調整点P1の補正前値x1
Rを変更する場合、第1調整点P1はグラフに沿って移動する。
図3において、実線は再計算後の補正データであるので、補正前値x1
Rを変更すると、第1補正点P1が破線上を動くように補正後値y1
Rの値も変化する。そして、任意の補正前値x1
Rで変更を停止し、その後、補正後値y1
Rを変更する。補正後値y1
Rを変更する場合、補正前値x1
Rはそのままで、y1
Rの値のみ変更される。すなわち、補正後値y1
Rが変更されることで、第1調整点P1は破線上から外れる。
【0064】
そして、第1調整点P1の調整が完了すると、制御部9は、第1調整点P1の値を取得し、その値と「式1」より、最小点xMIN
R〜第1調整点P1の間の補正データの再計算を行う。第1調整点P1の調整が完了すると、第2調整点P2が選択される。第2調整点P2も第1調整点P1と同様の操作で、決定される。
【0065】
第2調整点P2が決定されると、制御部9は、第1調整点P1と第2調整点P2の各値と「式2」より、第1調整点P1〜第2調整点P2の補正データの再計算を行う。また同様に、第2調整点P2〜最大点(xMAX
R、yMAX
R)の補正データの再計算を、「式3」又は「式4」を用いて行う。「式3」又は「式4」のいずれを用いるかは、上述のとおりである。
【0066】
なお、第1調整点P1及び第2調整点P2の位置関係は常に一定、つまり、
図3において、第1調整点P1は常に第2調整点P2よりもx
R軸の原点側となるように調整が行われる。また、第1調整点P1のx1
Rは最小点xMIN
R(=0)よりも大きく、第2調整点P2のx2
Rは最大点xMAX
R(=1)よりも小さい。そして、第1調整点P1及び第2調整点P2の補正後値y
Rの最小値yMIN
R(=0)よりも大きく、最大値(yMAX
R(=1)を超えないように設定される。
【0067】
以上のようにして、赤色を示す輝度レベルを補正するためのLUT45Rの補正データの再計算を行う。LUT45Rの補正データの再計算が終了すると、次に、グラフ302、すなわち、緑色用のLUT45Gの補正データの再計算を行う。そして、LUT45Gの補正データの再計算が終了すると、グラフ303、すなわち、青色用のLUT45Bの補正データの再計算を行う。なお、LUT45G、LUT45Bの補正データの再計算は、LUT45Rの補正データの再計算と同じであるため、詳細は省略する。
【0068】
図8に示すように、ユーザは、LUT45R、45G、45Bを見ながら補正データの再計算を行うとき、液晶パネル3に画像を表示しつつ行う。このとき、LUT45R、45G、45Bの変更は瞬時(リアルタイム)に行われるため、補正データの再計算結果は表示している画像にすぐに反映される。そのため、ユーザは、調整点の変更による画像の変化を確認しつつ、調整点の変更を行うことができるため、実際の変化を直感的に認識することができる。
【0069】
そして、LUT45R、45G、45Bの再設定が完了すると、LUT45R、45G、45Bの再設定結果を「カスタム」のデータとして決定するかどうかの入力を待つ(ステップS110)。キャンセルボタン305を選択し、決定せず破棄する選択がされた場合(ステップS110でNoの場合)、ユーザメニューMn1の表示(ステップS12)に戻る。決定ボタン304を選択しLUTの再設定結果を「カスタム」のデータとして決定する選択がされた場合(ステップS110でYesの場合)、再計算された補正データをカスタムの補正データに上書きし、カスタムのデータを適用する(ステップS111)。
【0070】
ユーザメニュー表示Mn1の第2選択部103から「リセット」が選択されると(ステップS112)、制御部9は、リセットしてもよいかどうかの表示を行うとともに、ユーザによる可否の入力を検出する(ステップS113)。リセットしないことが選択されたことを検出した場合(ステップS113でNoの場合)、制御部9は、ユーザメニューMn1の表示(ステップS12に戻る)。リセットすることが選択されたことを検出した場合(ステップS113でYesの場合)、制御部9は、現在のカスタム用のLUTに初期値(ここでは、初期設定のLUTの値)を上書きし(ステップS114)、初期設定のLUTを適用する(ステップS15)。
【0071】
以上のように、ユーザはRGBそれぞれに対応するLUTの調整を任意の個数の調整点を移動させることで、行うことができる。また、このとき、表示された画面を見ながら行うことができるので、調整によりどのような変化が起こるか確認することができるため、直感的なホワイトバランスの調整が可能である。
【0072】
(第2実施形態)
本発明にかかる画像表示装置である液晶テレビの他の例について説明する。
図9は本発明にかかる画像表示装置の画像データの処理に用いられるLUTのさらに他の例を示す図である。なお、本実施形態で説明する液晶テレビの構成は、LUTが異なる以外、第1実施形態の液晶テレビAと同じであり実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0073】
第1実施形態において、液晶テレビAの画像処理部4のLUTは、ゲインGain2
Rが1以下の場合、補正前値と補正後値とが比例の関係となるように、補正データを再計算している。しかしながら、このような補正を行った場合、補正前値x
Rとして最大値xMAX
Rとしても、補正後値y
Rは最大値yMAX
Rよりも低くなる。つまり、ゲインGain2
Rが1以下の場合、高階調側の輝度が低くなってしまう。
【0074】
そこで、本実施形態では、ゲインGain2
Rが1以下のときの高階調部の輝度を高めるように補正する。
図9に示すLUT45Rにおいて、ゲインGain2
Rが1よりも大きい場合は、
図3に示すLUT45Rと同じであるので詳細な説明は省略する。
【0075】
図9に示すLUT45Rでは、ゲインGain2
Rが1以下のときも、「式4」を用いて補正データを再計算している。すなわち、補正前値x
RがxMIN
RからX1
Rまでの間は「式1」で再計算し、第1調整点P1と第2調整点P2との間は「式2」で再計算している。そして、第2調整点P2よりも高階調側の再計算はゲインGain2
Rの値にかかわらず、「式4」で計算している。このような補正値とすることで、ゲインGain2
Rの値にかかわらず、補正前値x
Rの最大値xMAX
Rのときの補正後値y
Rは最大値yMAX
Rとなる。
【0076】
このLUTを用いることで、ゲインGain2
Rが1以下のとき、補正データが急激に変化するため、高階調部で色温度が急激に変化するが、ホワイトバランスの調整による輝度の低下を抑制することができる。
【0077】
(第3実施形態)
本発明にかかる画像表示装置である液晶テレビの他の例について説明する。
図10は本発明にかかる画像表示装置の画像データの処理に用いられるLUTのさらに他の例を示す図である。なお、本実施形態で説明する液晶テレビの構成は、LUTが異なる以外、第1実施形態の液晶テレビAと同じであり実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0078】
第1実施形態において、液晶テレビAの画像処理部4のLUTは、高階調側(補正前値の最大値xMAX
R)側が、補正後値の最大値yMAX
Rを越えないように、補正データを再計算していた。つまり、高階調部の出力が飽和しないように補正データの再計算をしている。
【0079】
一方、本実施形態では、高階調部の出力の飽和を許容するような計算を行う。
図10に示すように、LUT45Rの補正データは、第2調整点P2よりも下の部分では、
図3に示すLUTと同じ計算方法で補正データを再計算している。すなわち、補正前値x
RがxMIN
RからX1
Rまでの間は「式1」で再計算し、第1調整点P1と第2調整点P2との間は「式2」で再計算している。そして、第2調整点P2よりも高階調側の再計算を「式2」で計算している。
【0080】
ゲインGain2
Rが1よりも大きいとき、第2調整点P2よりも高階調側の補正データを「式2」で再計算した場合、補正前値x
Rが最大値xMAX
Rに到達する前の点Pnで補正後値の最大値yMAX
Rに到達する。その後、補正前値x
Rが増加しても、補正後値y
Rは最大値yMAX
R(=1)としている。また、ゲインGain2
Rが1以下のとき、補正後値y
Rは最大値yMAX
Rよりも小さくなるため、補正データはそのまま用いられる。
【0081】
このLUTを用いることで、高階調部で輝度が飽和してしまうが、一方で、高階調部での色温度を上げやすい。すなわち、
図10に示すLUTを用いることで、高階調部分の輝度の精度が低くなるが、ホワイトバランスの補正精度を高めることが可能である。
【0082】
(第4実施形態)
本発明にかかる画像表示装置である液晶テレビの他の例について説明する。
図11は本発明にかかる画像表示装置の画像データの処理に用いられるLUTのさらに他の例を示す図である。なお、本実施形態で説明する液晶テレビの構成は、LUTが異なる以外、第1実施形態の液晶テレビAと同じであり実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
【0083】
図11に示すLUTでは、第2調整点P2よりも階調が低い部分では、
図3等に示すLUTと同じ補正データとなっている。そして、第2調整点P2よりも階調が高い部分では、ゲインGain2
Rが1以下又は1よりも大きいかで変更している。
【0084】
具体的には、ゲインGain2
Rが1よりも大きいとき、「式2」で補正データを再計算する。つまり、
図10に示すLUTと同じ計算方法で補正データの再計算を行う。また、ゲインGain2
Rが1以下のとき、「式4」で補正データを再計算する。つまり、
図9に示すLUTと同じ計算方法で補正データの再計算を行う。
【0085】
このLUTを用いることで、ゲインGain2
Rが1よりも大きいとき高階調部で輝度が飽和することを許容し、ゲインGain2
Rが1以下のとき補正前値x
Rの最大値xMAX
Rのとき、補正後値y
Rは最大値yMAX
Rとなる。ユーザがグラフを見つつ調整を行うとき、第2調整点P2を破線よりも上に設定したとき、画像処理部4は、ホワイトバランスの調整精度を高めるため高階調部の輝度の飽和を許容し、破線よりも下にした場合、高階調部のホワイトバランス調整時の輝度低下を抑制することが可能である。
【0086】
(第5実施形態)
本発明にかかる画像表示装置である液晶テレビの他の例について説明する。上述したように、
図8〜
図11に示すLUTはそれぞれ、特徴を備えている。本実施形態にかかる液晶テレビは、記憶部10にこれらのLUTを備えておき、制御部9はユーザの選択によってこれらのモードのうちいずれかを選択するようになっている。
【0087】
以下の説明では、
図8に示すLUTを、ホワイトバランスの調整と輝度とをバランスよく調整するためバランスモードとする。また、
図9に示すLUTを、ホワイトバランス調整による輝度低下を抑制する輝度低下抑制モード、
図10に示すLUTを、ホワイトバランス調整の精度の低下を許容しつつ輝度を高める輝度優先モードとする。さらに
図11は、ゲインGain2
Rの値にかかわらず輝度を高める高輝度モードとする。
【0088】
図12はホワイトバランスの調整を行う手順を示すフローチャートである。なお、
図12に示すフローチャートは、調整点数の決定工程(ステップS17)と、調整用画面表示工程(ステップS18)との間に、調整モード選択工程(ステップS171)を備えている。これ以外の点は、
図5に示すフローチャートと同じであり、以下の説明では、異なる点のみ説明する。
【0089】
図12に示すように、ステップS17で調整点数を決定した後、制御部9は、上述した、バランスモード、輝度低下抑制モード、輝度優先モード、高輝度モードのうちから、ユーザが選択した調整モードを検出する(ステップS171)。これにより、制御部9は、選択されたモードに対応するLUTの補正データの計算方法を設定する。その後、制御部9は、選択されたモードに対応したLUTの表示を液晶パネル3に表示させる(ステップS18)。
【0090】
このような構成とすることで、ユーザの調整に対する要求に細かく対応することができ、より高度な画像の調整が可能となる。なお、ここでは、調整モードとして4個のモードを設定しているがこれに限定されるものではない。
【0091】
なお、調整モードを設定し、調整用画面表示を行うとき、選択されたモードの特徴、注意点を表示するようにしてもよい。
【0092】
(第6実施形態)
本発明にかかる画像表示装置である液晶テレビの他の例について説明する。
図13は本発明にかかる画像表示装置の画像データの処理に用いられるLUTのさらに他の例を示す図である。
【0093】
上述の各実施形態において、LUTは補正後値y
R予め設定された範囲、すなわち、最小値yMIN
R及び最大値yMAX
Rは固定の値としていた。しかしながら、最小値yMIN
R又は最大値yMAX
Rの値を調整が可能とすることで、ユーザの好みに対応することができる場合がある。そのため本実施形態では、補正前値x
Rが最小値又は最大値の点を調整点として変更できるものとしている。
図13に示す調整方法では、補正前値x
Rが最大値xMAX
Rとなる点を調整点Pmaxとして調整可能としている。
【0094】
また、LUTの補正データの再計算方法は、
図9に示す輝度低下抑制モードとしている。LUTの補正データの再計算を行うとき、第1調整点P1及び第2調整点P2の調整の前又は後に、調整点Pmaxの調整を行う。
図9に示すように、調整点Pmaxは他の調整点とは異なり、y
R方向のみ調整するようになっている。そして、調整点Pmaxの補正後値y
Rが最大値yMAX
Rを越える方向、
図13中上方向に移動させる場合がある。この場合、調整点Pmaxは仮想の点であり、補正データの演算値を計算する時のみ用いられる値となる。
【0095】
図13に示すLUTでは、第2調整点P2から調整点Pmaxまでの間で「式4」を用いて補正データを再計算している。この場合、補正前データx
Rが最大値xMAX
Rのとき、Pmaxとなるので、補正後値y
Rが最大値yMAX
Rを越えてしまう。実質上、補正後値y
Rは最大値yMAX
Rを越えないので、補正前値x
Rが最大値xMAX
Rに到達する前の点Pnで補正後値の最大値yMAX
Rに到達する。その後、補正前値x
Rが増加しても、補正後値y
Rは最大値yMAX
R(=1)としている。
【0096】
また、調整点Pmaxを低く設定する場合もあり、その場合は、そのまま調整点Pmaxの補正後値y
Rを最大値yMAX
Rとして補正データの再計算を行う。
【0097】
なお、このような最大点及び(又は)最小点の調整が可能なホワイトバランス調整について図面を参照して説明する。
図14はホワイトバランスの調整を行う手順を示すフローチャートである。なお、
図14に示すフローチャートは、調整点数の決定工程(ステップS17)と、調整用画面表示工程(ステップS18)との間に、最大値の変更指示を検出する工程(ステップS172)と、最大値を調整点として調整する工程(ステップS173)とを備えている。これ以外の点は、
図5に示すフローチャートと同じであり、以下の説明では、異なる点のみ説明する。
【0098】
調整点数を決定(ステップS17)した後、制御部9はユーザよりLUTの補正後値(出力)の最大値の変更の指示があったかどうか確認する(ステップS172)。最大値の変更の指示がない場合(ステップS172でNoの場合)、制御部9は調整用画面表示を行う(ステップS18)。一方、最大値の変更の指示があった場合(ステップS172でYesの場合)、制御部9は調整点として最大値を含む点を追加し(ステップS173)、調整用画面表示工程(ステップS18)に進む。
【0099】
以上のように、LUTの最大点及び(又は)最小点を調整点として調整することで、従来設定できなかったような、補正データを得ることができる。これにより、ユーザの要求により細かく対応することが可能である。
【0100】
なお、上述のLUTでは、最大値側の調整点を調整しているものについて説明しているが、最小値側に調整点を設け、その調整点を変更するようにしてもよい。この場合、補正データの再計算に用いる式は、「式1」ではなく、別途補完の式が与えられる。
【0101】
以上示した各実施形態において、補正データの再計算として、調整点、最小点、最大点の間を直線(線形)で補完するものとしているが、これに限定されるものではない。線形外の補完の方法を利用してもよい。
【0102】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。