(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遊動部材が、支点に対して前記第2の方向に傾動可能な基端部材と、前記基端部材に対して前記第1の方向に傾動可能な先端部材を有し、前記遊動関与部材は、前記先端部材に接触可能であることを特徴とする請求項3又は4に記載のゲーム機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来のゲーム機は、いずれも、ゲームが終了する時点(景品取得の成否が判る時点)まで、遊戯者が遊動関与部材の移動操作を行うことはできないものであった。
【0008】
すなわち、上記従来のゲーム機では、景品取得の成否が判るのは取得動作の段階であるが、遊戯者が景品取得の成否に関与できるのは移動操作の段階までであり、取得動作に遊戯者が関与することはできない。このように、景品取得の成否が判る時点(ゲームが終了する時点)まで遊戯者が関与することができないことに遊戯者が不満を感じる場合がある。また、ゲーム機の自動制御による取得動作が行われてから景品取得の成否が判ることから、遊戯者が、操作の技量だけでは景品取得の成否が決まらない、或いは、景品取得の成否をゲーム機にコントロールされているなどの印象を受ける場合があり、これにより、遊戯者の挑戦意欲が削がれることが考えられる。更に、遊戯者の移動操作が終わった時点の景品と遊動関与部材の位置関係等によって景品が取得できないことが明らかな場合は、ゲームの途中で興味が失われてしまう。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、以下のいずれか一以上をその目的とする。
【0010】
すなわち、本発明の目的は、ゲームが終了する時点(景品取得の成否が判る時点)まで、或いは、その時点により近い時点まで、遊戯者が景品取得の成否に関与できるゲーム機を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、ゲームが終了する時点(景品取得の成否が判る時点)まで、或いは、その時点により近い時点まで、遊戯者が遊動関与部材の移動操作を行うことができるゲーム機を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、景品取得の成否が操作の技量によって決まることを理解し易いゲーム機を提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われないゲーム機を提供することである。
【0014】
本発明の更に他の目的は、従来に無い新しい態様で景品を取得することができるゲーム機を提供することである。
【0015】
本発明の更に他の目的は、従来に無い新しい態様で景品を展示する景品展示具及び/又はこれを有するゲーム機を提供することである。
【0016】
特開2010−042056号公報のゲーム機は、景品を遊動部材34に吊下して展示する方式であるため、景品を見易い態様で展示することが可能である点、遊動関与部材がターゲット部材35bに係合する構成であり、遊動関与部材と景品を係合させる(例えば、クレーン30で景品をつかむなど)ものではないために、景品の破損等の可能性を小さくできる点などで、上述の従来のゲーム機の中では特に優れている。また、係止部材32により係止されるターゲット部材35bと、景品を吊下する遊動部材34が別個の部材であるため、サイズの大きい景品の展示が可能になる点でも優れている。
【0017】
このため、本発明は、景品を遊動部材から吊下して展示する方式のゲーム機、或いは、遊動関与部材が遊動部材に係合する方式(遊動関与部材を景品に接触させることが必要でない方式)のゲーム機において、上記の各目的を達成するゲーム機を提供することをもその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願には、以下の発明が開示される。
【0019】
(1)遊戯者が操作する操作部と、
遊動可能な遊動部材と、
失敗領域と成功領域を含む判定領域と、
移動可能な遊動関与部材であって、前記遊動部材に接触することで前記遊動部材を遊動させる遊動関与部材を有し、
前記遊動関与部材との接触により前記遊動部材が前記成功領域に遊動したことを条件として、景品が払い出されることを特徴とするゲーム機。
【0020】
(2) 遊戯者が操作する操作部と、
第1及び第2の方向に遊動可能な遊動部材であって、前記第2の方向への付勢力を受ける、前記遊動部材と、
前記第1の方向に所定の長さを有する判定領域であって、失敗領域と成功領域を含む、前記判定領域と、
前記遊動部材に接触して前記第1及び前記第2の方向に移動することにより、前記遊動部材を前記第1及び前記第2の方向に遊動させることが可能な遊動関与部材を有するゲーム機であって、
前記遊動関与部材は、コンピュータの自動制御により前記第2の方向に移動するとともに、前記操作部の操作に従って前記第1の方向に移動し、
前記遊動部材は、前記遊動関与部材による接触から開放された場合、前記付勢力に従って前記判定領域まで遊動し、
前記遊動部材が前記遊動関与部材による接触から開放される時点まで、前記遊動関与部材が前記操作部の操作に従って前記第1の方向に移動し、
前記遊動部材が前記判定領域まで遊動したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が前記成功領域であったことを条件として、景品が払い出されることを特徴とするゲーム機。
【0021】
(3) 前記遊動部材に前記景品が吊下されており、
前記遊動部材が前記判定領域まで遊動したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が前記成功領域であったときに、前記遊動部材が傾動することで前記遊動部材に吊下されていた前記景品が落下して払い出されることを特徴とする(2)に記載のゲーム機。
【0022】
(4) 前記失敗領域は、前記遊動部材の前記第2の方向への通過を禁止し、
前記成功領域は、前記遊動部材の前記第2の方向への通過を許容し、
前記遊動部材は、前記成功領域を通過することにより、前記第2の方向に傾動し、前記遊動部材に吊下されていた前記景品が落下して払い出されることを特徴とする(3)に記載のゲーム機。
【0023】
(5) 前記遊動部材が、支点に対して前記第2の方向に傾動可能な基端部材と、前記基端部材に対して前記第1の方向に傾動可能な先端部材を有し、前記遊動関与部材は、前記先端部材に接触可能であることを特徴とする(3)又は(4)に記載のゲーム機。
【0024】
(6) 前記遊動部材が前記判定領域まで遊動したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が前記成功領域であったときに傾動するトレイを更に備え、
前記トレイが傾動することにより、前記トレイに載置された前記景品が落下して払い出されることを特徴とする(2)に記載のゲーム機。
【0025】
(7) 前記遊動関与部材は、前記遊動部材に係合可能な前記第1の方向に所定の長さを有する係合領域を有し、
前記遊動関与部材が前記第2の方向に移動する過程で前記係合領域が前記遊動部材を係合できたときに、前記遊動部材が遊動することを特徴とする(2)〜(6)のいずれかに記載のゲーム機。
【0026】
(8) 前記失敗領域が、前記成功領域との境界から前記第2の方向に延びる爪部を有することを特徴とする(2)〜(7)のいずれかに記載のゲーム機。
【0027】
(9) 前記遊動部材が、前記爪部に係留可能な係留部を有することを特徴とする(8)に記載のゲーム機。
【0028】
(10) 遊戯者が操作する操作部と、
第1及び第2の方向に遊動可能な遊動部材と、
前記第1の方向に所定の長さを有する判定領域であって、失敗領域と成功領域を含む、前記判定領域と、
前記遊動部材に接触して前記第1及び前記第2の方向に移動することにより、前記遊動部材を前記第1及び前記第2の方向に遊動させることが可能な遊動関与部材を有するゲーム機であって、
前記遊動関与部材は、前記遊動部材に接触して前記第2の方向における第1の位置まで移動することにより、前記遊動部材を前記判定領域まで遊動させることが可能であり、
前記遊動関与部材は、コンピュータの自動制御により前記第1の位置に到達するまで前記第2の方向に移動するとともに、前記操作部の操作に従って前記第1の方向に移動し、
前記遊動関与部材が前記第1の位置に到達する時点まで、前記遊動関与部材が前記操作部の操作に従って前記第1の方向に移動し、
前記遊動関与部材が前記第1の位置に到達したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が前記成功領域であったことを条件に景品が払い出されることを特徴とするゲーム機。
【0029】
(11) 前記第1の方向に所定の長さを有する第2判定領域であって、第2失敗領域と第2成功領域を含む、前記第2判定領域を更に有し、
前記遊動部材には、前記第2の方向への付勢力が作用し、
前記遊動部材は、前記遊動関与部材による接触から開放された場合、前記付勢力に従って前記第2判定領域まで遊動し、
前記遊動部材が前記遊動関与部材による接触から開放される時点まで、前記遊動関与部材が前記操作部の操作に従って前記第1の方向に移動し、
前記遊動部材が前記第2判定領域まで遊動したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が前記第2成功領域であったことを条件として、景品が払い出されることを特徴とする(19)にゲーム機。
【0030】
(12) 前記景品を収容する収容室と、開閉可能な扉を更に有し、
前記遊動関与部材が前記第1の位置に到達したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が前記成功領域であったときに、前記扉が開いて前記収容室の景品が払い出されることを特徴とする(11)に記載のゲーム機。
【0031】
(13) 遊戯者が操作する操作部と、
第1の方向に遊動可能な遊動部材と、
前記第1の方向に所定の長さを有する判定領域であって、失敗領域と成功領域を含む、前記判定領域と、
前記遊動部材に対する衝突動作を行うことにより前記遊動部材を前記判定領域まで遊動させることが可能な遊動関与部材を有するゲーム機であって、
前記遊動関与部材は、前記操作部の操作に従って前記第1の方向に移動し、
前記衝突動作の際の前記遊動部材と前記遊動関与部材の前記第1の方向における位置関係によって、前記遊動部材が前記判定領域まで遊動したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が変化し、
前記衝突動作の直前まで、前記遊動関与部材が前記操作部の操作に従って前記第1の方向に移動し、
前記衝突動作により前記遊動部材が前記判定領域まで遊動したときの前記遊動部材の前記第1の方向における位置が前記成功領域であったことを条件として、景品が払い出されることを特徴とするゲーム機。
【0032】
(14) 前記操作部は、前記遊動関与部材の前記第1の方向における前進方向又は後退方向のいずれかの移動方向を指示するものであり、
前記遊動関与部材は、前記操作部での直近の操作で指示された前記前進方向又は後退方向に継続的に移動することを特徴とする(2)〜(13)のいずれかに記載のゲーム機。
【0033】
以下に、本願におけるいくつかの用語を定義する。
【0034】
「遊動」は、移動(例えば、遊動部材が並進運動をすることによって重心の位置が変化すること)及び傾動(例えば、遊動部材が支点の周りで回転することにより、傾斜角度が変化すること)を含む概念である。
【0035】
「判定領域」は、「失敗領域」及び「成功領域」を含む領域である。「失敗領域」は、例えば、所定の長さを有する1又は複数の部材で構成し得る。当該部材の形状は、板状、棒状等、任意である。「成功領域」は、遊動部材が通過できるサイズの1又は複数のスリットであり得る。
【0036】
「第1の方向」は、3次元空間における任意の方向であり、「第2の方向」は、第1の方向と異なる任意の方向である。「第1の方向」は、水平面内の方向(例えば、左右方向)であり得る。「第2の方向」は、上下方向であり得る。
【0037】
「付勢力」は、遊動部材に対して作用する第2の方向に向かう力を言う。「第2の方向」が上下方向である場合、「付勢力」は重力であり得る。「付勢力」が重力である場合、(2)、(12)の発明は、「付勢力」を発生させるための構成を有することを要しない。「付勢力」は、バネ等の弾性体により発生する力であっても構わない。
【0038】
(1)の発明では、遊動関与部材によって遊動部材を成功領域に遊動させることができたことを条件として、景品が払い出されるゲームを行い得る。(1)の発明では、遊動関与部材との接触により遊動部材が成功領域に遊動したという条件(第1の条件)のみが成立したときに、景品が払い出されても良く、第1の条件と、他の任意の条件(第2の条件)の両方が成立したときに景品が払い出されても良い。
【0039】
(2)の発明では、操作部の操作に従って第1の方向に移動する遊動関与部材が接触することによって遊動部材を第1の方向に遊動させることが可能であり、遊動関与部材から開放された場合、遊動部材は付勢力に従って判定領域まで遊動し、そのときの遊動部材の第1の方向における位置が成功領域であることを条件として、景品が払い出される。したがって、遊戯者は、判定領域まで遊動したときの遊動部材の位置が成功領域になるように狙って、遊動関与部材を第1の方向に移動させる操作を行うことが可能である。そして、遊動部材が前記遊動関与部材による接触から開放される時点まで、遊動関与部材は、操作部の操作に従って第1の方向に移動する。したがって、遊戯者は、遊動関与部材が遊動部材を開放する時点(景品取得の成否が判る直前)まで、遊動関与部材の第1の方向への移動操作を行うことが可能である。そのため、従来のゲーム機における遊戯者の不満を解消し、及び/又は、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止できる。
【0040】
更に、(2)の発明では、遊動関与部材が遊動部材を開放した後は、遊動部材が付勢力に従って遊動する動作を行うだけである。(従来のゲーム機のように、ゲーム機の自動制御による取得動作は行われない。)そのため、操作の技量で景品取得の成否が決まることが理解し易くなり、また、ゲーム機に景品取得の成否をコントロールされているという疑いを生じ難くなる。
【0041】
(3)の発明では、遊動部材が傾動することにより、遊動部材に吊下された景品が落下して払い出されることから、直感的に理解し易いゲームとすることができる。
【0042】
(4)の発明では、成功領域は、遊動部材の第2の方向(例えば、上下方向)への通過を許容する領域であり、遊動部材が成功領域を通過して第2の方向に傾動することで遊動部材に吊下された景品が落下して払い出されることから、直感的に一層理解し易いゲームとすることができる。
【0043】
(5)の発明では、遊動部材の第1の方向への遊動は、先端部材の第1の方向への傾動により実現することが可能であるため、基端部材が第1の方向に傾動しない(又は、大きくは傾動しない)構造とすることが可能である。したがって、基端部材から景品を吊下することで、遊動部材の第1の方向への傾動による景品の揺れを防止又は抑制することが可能である。
【0044】
(6)の発明では、トレイが傾動することにより、トレイに載置された景品が払い出されることから、直感的に理解し易いゲームとすることができる。
【0045】
(7)の発明では、遊動関与部材で遊動部材を係合させることができたかどうかを第1段階とし、遊動関与部材を成功領域に遊動させることができたかどうかを第2段階として、第1段階及び第2段階の両方に成功したときに景品が払い出されるゲームを行うことが可能である。本発明では、係合領域の長さを調整することで、第1段階の容易度を調整することが可能である。ゲーム機内に複数の景品展示具(遊動部材及び判定領域を有する部材/道具/装置)を配置し、第1段階で、遊動関与部材をどの景品展示具の遊動部材に係合させるかを遊戯者が選択できるようにすることも可能である。
【0046】
(8)の発明では、失敗領域が、成功領域との境界から第2の方向に延びる爪部を有するため、遊動関与部材等によって遊動部材が第1の方向に押されることで遊動部材が成功領域に遊動するなど、ゲーム機の設置者が意図しない態様で景品が払い出されることを防止することができる。
【0047】
(9)の発明では、遊動部材が爪部に係留可能な係留部を有することにより、爪部における遊動部材の係止を安定化することが可能である。これにより、爪部(失敗領域と成功領域の境界)において遊動部材が不安定な状態で係止されることを防止することが可能である。
【0048】
(10)の発明では、遊動関与部材がコンピュータの自動制御により第2の方向における第1の位置まで移動することにより遊動部材を判定領域まで遊動させることが可能であり、そのときの遊動部材の第1の方向における位置が成功領域であることを条件として、景品が払い出される。したがって、遊戯者は、遊動関与部材が第1の位置まで移動したときの遊動部材の第1の方向における位置が成功領域になるように狙って、遊動関与部材を第1の方向に移動させる操作を行うことが可能である。そして、遊動関与部材が第1の位置に到達する時点まで、遊動関与部材が操作部の操作に従って第1の方向に移動する。したがって、遊戯者は、遊動部材が判定領域に到達する時点(景品取得の成否が判る直前)まで、遊動関与部材の移動操作を行うことが可能である。そのため、従来のゲーム機における遊戯者の不満を解消し、及び/又は、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止できる。
【0049】
(11)の発明では、景品が払い出されるためには、遊動部材が成功領域に遊動するという条件(第1の条件)と、遊動部材が第2成功領域に遊動するという条件(第2の条件)の2つの条件が成立することが必要であるため、景品取得の難易度やゲームの面白味を高めることが可能である。
【0050】
(12)の発明では、扉が開くことで扉内に収納されていた景品が払い出されることから、直感的に理解し易いゲームとすることができる。
【0051】
(13)の発明では、遊動関与部材の衝突動作によって遊動部材を成功領域に遊動させることができたことを条件として、景品が払い出されるものであるため、ゲームの興趣性を一層高めることが可能である。また、(13)の発明では、衝突動作の際の遊動部材と遊動関与部材の第1の方向における位置関係によって、景品取得の成否が決まり、衝突動作の直前まで操作部の操作に従って遊動関与部材を第1の方向に移動させることが可能であることから、従来のゲーム機における遊戯者の不満を解消し、及び/又は、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止できる。
【0052】
(14)の発明では、遊戯者は、遊動関与部材の移動方向を前進方向と後退方向の間で切り換えることで遊動関与部材の第1の方向における位置操作を行うことが可能である。しかし、遊動関与部材は、直近の操作で指示された前進方向又は後退方向に継続的に移動する(停止することがない)ため、特定のタイミング(例えば、遊動関与部材が遊動部材を開放するタイミング)における遊動関与部材の位置を正確に制御することの難易度が高くなり、移動操作を行うゲームとしての面白味を高めることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0055】
図1は、好ましい実施形態に係る景品取得ゲーム機1を示す。図示の景品取得ゲーム機1は、台座部分10と景品室20を有する。
【0056】
台座部分10には、遊戯者が操作を行うための操作パネル11が設けられている。操作パネル11は、景品取得ゲーム機1で実行されるゲームの内容に応じた適宜の種類(規格)、個数の操作部材を有する。操作部材の種類、個数は任意である。本実施形態の操作パネル11は、後述の棚A〜Cのいずれかを選択するための操作ボタン12a,12b,12cと、アーム(遊動関与部材)50の移動方向を入力するためのジョイスティック13を有する。ジョイスティック13に代えて、トラックボール、マウス、ボタン等、他の種類の操作部材を使用することも可能である。これらの操作部材には、操作のタイミングを遊戯者に知らせる等のために、発光式のものを使用し得る。
【0057】
台座部分10は更に、ゲーム料金を受け入れるための料金受入部14を有し得る。ゲーム料金の種類は、コイン、紙幣、電子マネー、ポイント等、任意であり、料金受入部14は、ゲーム料金の種類に応じた適切な機能、構造を有する。図示の例では、コインを受け入れる料金受入部14が示されている。料金受入部14で受け入れたコインは、コインセンサー76(
図4)で検出される。
【0058】
図示の景品取得ゲーム機1は、1人プレイ用のため、一組の操作部材12a,12b,12c,13及び料金受入部14を有するが、複数人プレイ用の場合は、複数組の操作部材12a,12b,12c,13及び料金受入部14を有し得る。
【0059】
台座部分10は更に、ゲームによって取得した景品Pが払い出される景品払出口15を有し得る。
【0060】
景品室20には、1又は複数の景品Pが展示され得る。景品Pには、ぬいぐるみやお菓子、電気製品など任意の物を使用し得る。景品Pとして、記号や番号を付したカード等を展示し、カード等を取得したときに、取得したカード等に対応する物や金銭等と交換できるようにすることも可能である。
【0061】
景品室20の形状や構造は任意であるが、図の景品室20は、四方を後壁21、左右壁22,23、前壁24で囲まれた概略直方体状の形状を有する。景品室20の後壁21には、不透明な金属等の板部材を使用し、左右壁22,23、前壁24には、景品室20の視認性を確保するために、透明なアクリルやガラス等の板部材を使用し得る。
【0062】
景品室20には、景品Pを展示し得る1又は複数の景品展示具30が設置される。景品展示具30は、後壁21等に直接取り付けても良いし、景品室20内に棚板を置いて、その棚板に景品展示具30を取り付けても良い。景品Pは景品展示具30(より正確には、後述の遊動部材36)から吊下する態様で展示され得る。
【0063】
景品展示具30の個数や配置は任意であるが、本実施形態では、景品室20の異なる3つの高さ位置(棚A〜C)にそれぞれ1又は複数の景品展示具30が配置されており、遊戯者は、操作ボタン12a,12b,12cでどの棚A〜Cの景品Pを狙うかを選択することが可能である。操作ボタン12a,12b,12cと棚A〜Cの対応を分かり易くするために、景品室20には、各棚A〜Cを示す札25が表示されている。各棚A〜Cの間には、景品展示具30から落下した景品Pがその下の景品展示具30等に引っかかることを防止し、及び/又は、落下した景品Pを景品取出口(不図示)等に導くための仕切板26を配置し得る。
【0064】
景品室20の下方等には、景品展示具30から落下した景品Pを景品払出口15に導く景品回収口(不図示)を配置し得る。
【0065】
景品室20は、更に、景品Pの取得に使用する部材(遊動関与部材)であるアーム50及び当該アーム50を移動させるアーム移動機構を有する。
【0066】
アーム移動機構は、景品取得ゲームを行う上で必要な態様でアーム50を移動させることができる任意の構成を有し得る。本実施形態のアーム移動機構は、左右方向(X軸方向/第1の方向)に延びるX軸レール51と、X軸モーター61(
図5)の駆動によってX軸レール51上を走行するX軸走行体52と、X軸走行体52に固定された上下方向(Y軸方向/第2の方向)に延びるY軸レール53と、Y軸モーター62(
図5)の駆動によってY軸レール53上を走行するY軸走行体54を有し、Y軸走行体54には、Z軸モーター63(
図5)の駆動によって伸縮する伸縮シャフト55が取り付けられている。アーム50は、伸縮シャフト55の先端に取り付けられており、伸縮シャフト55が伸縮することによりアーム50は前後方向(Z軸方向)に移動する。
【0067】
X,Y,Z軸モーター61〜63の配置や、X,Y軸走行体52,54、伸縮シャフト55の駆動方法等は任意である。例えば、台座部分10に搭載したX軸モーター61によりタイミングベルト等を用いてX軸走行体52を駆動し、X軸走行体52に搭載したY軸モーター62によりタイミングベルト等を用いてY軸走行体54を駆動し、Y軸走行体54に搭載したZ軸モーター63により伸縮シャフト55を駆動する、などが可能である。X軸モータ61は、X軸走行体52に搭載し、Y軸モーター62及びZ軸モータ63は、Y軸走行体54に搭載することも可能である。各モーター61〜63は、例えば、ステッピングモーターを使用し得る。
【0068】
図では、直線状のX軸レール51,Y軸レール53,伸縮シャフト55が示されているが、これらを曲線状にする(X軸走行体52,Y軸走行体54が曲線状の経路で左右及び上下方向に走行し、伸縮シャフト55が曲線的に伸縮する)ことも可能である。
【0069】
図2(A),(B)は、アーム50の斜視図及び正面図である。
【0070】
アーム50は、景品展示具30の遊動部材36に係合(接触)することが可能な領域(係合領域)を有する部材である。図示のアーム50は、内辺56及び外辺57を有する概略V字形状の板部材であり、内辺56が遊動部材36に係合可能な係合領域となっている。
【0071】
係合領域の長さL1を調整することにより、遊動部材36の係合のし易さを調整することができる。アーム50は、伸縮シャフト55を取り付けるためにネジ穴等の取付構造59を有し得る。
【0072】
図では、外辺57が水平に対する角度α及びβが異なる2つの直線部分57a及び57bを有するが、外辺57は、1本の直線でも良く、曲線でも良い。
【0073】
図3は、例示的な景品展示具30を示す説明図であり、
図4は、遊動部材36を分解して示す説明図である。
【0074】
図示のように、景品展示具30は、基台部分31と、左右一対のL字部分32L,32Rを有するフレーム33を有する。フレーム33は、景品室20の後壁21等に取り付けるためのフック等の取付構造33aを有し得る。
【0075】
フレーム33には、左右方向(第1の方向)及び上下方向(第2の方向)に遊動(傾動)可能な遊動部材36が取り付けられている。遊動部材36の形状、寸法、材質等や、遊動部材36をフレーム33に対して傾動可能にする方法等は任意であるが、本実施形態では、遊動部材36が以下に述べる2重関節構造を有することによって上下方向及び左右方向に傾動可能となっている。好ましい実施形態では、遊動部材36は、所定の長さ及び太さの棒状の形状を有する。
【0076】
フレーム33の基台部分31には、一対の対向板34が立設されており、当該対向板34により、左右方向(X軸方向)を指向する第1ピン35が保持されている。
【0077】
遊動部材36は、所定の長さ及び太さを有する基端部材37及び所定の長さ及び太さを有する先端部材38を有している。基端部材37は、その基端側の軸孔37aに挿通した第1ピン35により軸支されており、これにより、基端部材37は、第1ピン35の周りで上下方向に傾動可能となっている。基端部材37は、その先端に、軸孔37aに直交する方向の軸孔37bが形成された凹部37cを有し、当該軸孔37bに上下方向(Y軸方向)を指向する第2ピン39が保持されている。先端部材38は、その基端側に、軸孔38aが形成された凸部38bを有している。先端部材38は、凸部38bを凹部37cに挿入させた状態で軸孔38aに挿通した第2ピン39により軸支されており、これにより、第2ピン39の周りで左右方向に傾動可能となっている。
【0078】
このように、遊動部材36は、2つの方向に傾動可能な2つの回転軸(第1ピン35及び第2ピン39)を有することにより、フレーム33に対して上下左右方向に傾動可能である。
【0079】
なお、本実施形態では、第1ピン35はフレーム33に対して並進不能であり、第2ピン39は基端部材37に対して並進不能のため、遊動部材36は上下左右方向への傾動のみが可能であるが、例えば、第1ピン35及び/又は第2ピン39を上下及び/又は左右及び/又は前後方向に並進可能とするなどにより、上下左右方向への傾動に加えて、並進可能に構成しても良い。
【0080】
遊動部材36(先端部材38)は、アーム50に係合することが可能なサイズ、形状を有し、遊動部材36を係合したアーム50を上方向及び左右方向に移動させることにより、遊動部材36を上方向及び左右方向に傾動させることが可能である。
【0081】
先端部材38は、後述の爪部44に係留可能な係留部38cを有し得る。係留部38cは、先端部材38の下面に形成された爪部44に対応する形状の溝(切れ込み)の形態を有し得る。係留部38cが爪部44に係留することにより、遊動部材36の左右方向への傾動が制限され得る(遊動部材36が左右方向に傾動出来ない状態になり得る)。
【0082】
L字部分32L,32Rは、所定高さの側板40L,40Rと、側板40L,40Rの先端位置41L,41Rから左右方向に延びる所定長さの正面板42(42L,42R)を有し、正面板42L,42Rの間にスリット43が形成されている。
【0083】
正面板42L,42Rは、第1ピン35までの距離D1が遊動部材36の長さ(第1ピン35から遊動部材36の先端までの長さ)L2よりも小さくなる位置に配置される。正面板42L,42Rの材質、形状、寸法等は任意である。スリット43は、遊動部材36(先端部材38)が通過できる形状、寸法を有する。好ましい実施形態では、スリット43は、遊動部材36の太さよりも僅かに大きい幅寸法を有する。
【0084】
正面板42L,42Rは、更に、スリット43との境界から上方向に延びる爪部44(44L,44R)を有し得る。爪部44L,44Rは、係留部38cを係留可能な形状を有し得る。側板40L,40Rは、更に、先端位置41L,41Rに向けて下降するスロープ45L,45Rを有し得る。
【0085】
本実施形態の景品展示具30では、遊動部材36の左右方向への傾動は、側板40L,40R及び/又はスロープ45L,45Rにより規制される。そのため、正面板42L,42Rよりも上方に傾動させた遊動部材36を落下させる(下方に傾動させる)と、遊動部材36は、スロープ45L,45R、正面板42L,42R又はスリット43のいずれかに落下する。遊動部材36が落下し得る領域であるスロープ45L,45R、正面板42L,42R及びスリット43が、(1)の発明の「判定領域」に対応する。なお、本実施形態では、遊動部材36がスロープ45L,45Rに落下した場合、スロープ45L,45Rの勾配により、遊動部材36は正面板42L,42Rの両端位置まで滑り落ちる。そのため、遊動部材36が最終的に落下する領域である正面板42L,42R及びスリット43が(1)の発明の「判定領域」に対応すると考えることも可能である。
【0086】
正面板42L,42Rに落下した場合(又は、スロープ45L,45Rに落下してから正面板42L,42Rに滑り落ちた場合)、遊動部材36は、正面板42L,42Rにより係止されて停止する(下方の傾動が阻止される)。スリット43に落下した場合、遊動部材36はスリット43を通過して更に下方に傾動する(下方への傾動が許容される)。遊動部材36の通過を禁止する正面板42L,42Rは、(1)の発明の「失敗領域」に対応し、遊動部材36の通過を許容するスリット43は、(1)の発明の「成功領域」に対応する。図から明らかなように、失敗領域は、判定領域の左右方向の一部を占めており、成功領域は、判定領域の左右方向の一部を占めている。
【0087】
本実施形態の景品展示具30では、判定領域の概略中央に1つの成功領域を有するが、判定領域における失敗領域及び成功領域の位置及び個数は任意に変更可能である。
【0088】
図5は、景品取得ゲーム機1におけるシステム構成を示す説明図である。
【0089】
図示するように、本実施形態の景品取得ゲーム機1は、制御部71、操作部74、駆動部75及びコインセンサー76を有する。
【0090】
制御部71は、CPU72や記憶装置73を有するコンピュータ等の情報処理装置である。記憶装置73は、ROM、RAM、ハードディスク、その他等の公知の記憶装置を単独又は組み合わせて構成することができる。
【0091】
操作部74は、操作パネル11に配置される操作ボタン12a,12b,12cやジョイスティック13等の操作部材を含み、駆動部75は、景品室20内でアーム50を移動させるためのX軸モーター61,Y軸モーター62,Z軸モーター63を含む。コインセンサー76は、料金受入部14に投入されたコインを検出する。
【0092】
これらの機器74〜76は、任意のインターフェイスを介して制御部71と接続されており、CPU72が記憶装置73に記憶されたプログラムに従ってこれらの機器74〜76との間で信号の授受を行うことにより、以下に述べるゲーム処理が実行される。
【0093】
図6は、景品取得ゲーム機1において実行されるゲーム処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、ゲーム処理中の景品展示具30とアーム50の位置関係を側面から示す。
【0094】
ステップS1のゲーム開始時点では、アーム50は、景品室20内の左下等の適宜の位置(ホームポジション)にあり、伸縮シャフト55は、アーム50が景品展示具30の遊動部材36に届かないところまで収縮した状態にある。
【0095】
ステップS2では、コインセンサー76からの信号に基づいてコイン投入の有無が検査され、コイン投入が検出された場合(Yes)には、処理はステップS3に移行し、遊戯者にいずれかの棚A〜Cの選択を促すために、操作ボタン12a,12b,12cを点灯させる。
【0096】
続くステップS4では、棚Aを選ぶ操作ボタン12aへの操作の有無が検査され、操作が検出された場合(Yes)には、ステップS5において操作ボタン12aのみを点灯させる処理(操作ボタン12b,12cを消灯する処理/以下、同様)が実行され、ステップS6では、Y軸モーター62の駆動により、アーム50を棚Aの開始高さまで上昇させる(
図7矢印A)。なお、「棚Aの開始高さ」は、棚Aの景品展示具30の正面板42の上辺よりも所定距離D2だけ下の位置である。以下の「棚B,Cの開始高さ」についても同様である。
【0097】
ステップS4で操作が検出されない場合(No)には、処理はステップS7に移行する。
【0098】
ステップS7では、棚Bを選ぶ操作ボタン12bへの操作の有無が検査され、操作が検出された場合(Yes)には、ステップS8において操作ボタン12bのみを点灯させる処理が実行され、ステップS9では、Y軸モーター62の駆動により、アーム50を棚Bの開始高さまで上昇させる。
【0099】
ステップS7で操作が検出されない場合(No)には、処理はステップS10に移行する。
【0100】
ステップS10では、棚Cを選ぶ操作ボタン12cへの操作の有無が検査され、操作が検出された場合(Yes)には、ステップS11において操作ボタン12cのみを点灯させる処理が実行され、ステップS12では、Y軸モーター62の駆動により、アーム50を棚Cの開始高さまで上昇させる。
【0101】
ステップS10で操作が検出されない場合(No)には、処理はステップS4に移行する。
【0102】
ステップS4,S7,S10で一定以上の時間に渡って操作が検出されない場合には、棚A〜Cのいずれかが選択されたものと見なして、処理をステップS5,S8,S11のいずれかに移行させることも可能である。
【0103】
ステップS6,S9,S12の後、処理はステップS13に移行し、ステップS5,8,11で点灯した選択ボタンを消灯する処理が実行される。
【0104】
続くステップS14では、Z軸モーター63の駆動により伸縮シャフト55を伸長させることにより、アーム50を所定の前進位置まで前進させる(
図7矢印B)。この「前進位置」は、アーム50が遊動部材36に係合可能になる位置(第1ピン35からアーム50までの距離D3が遊動部材36の長さL2よりも小さくなる位置)である。
【0105】
ステップS15では、Y軸モーター62の駆動によりアーム50を上方向に移動させる処理を開始する。この処理は、ステップS25の処理が実行されるまで継続して実行され、この間、アーム50は上方向に移動し続ける。移動の速度は、一定でも良く、変化させても構わない。上昇と下降を繰り返しながら最終的に上昇させることも可能である。
【0106】
ステップS16では、X軸モーター61の駆動により左右いずれかの方向(ここでは、右方向として説明する)にアーム50を移動させる処理を開始する。この処理は、ステップS21又はS25の処理が実行されるまで継続して実行され、その間、アーム50は右方向に移動し続ける。
【0107】
続くステップS17では、ジョイスティック13の操作が有効化される。このとき、操作が有効になったことを遊戯者に知らせるために、ジョイスティック13に設けたランプを点灯しても良い。
【0108】
続くステップS18では、アーム50が所定の高さに到達したか否かが判断される。この高さは、ステップS4,S7,S10で選択された棚A〜Cの景品展示具30よりも充分上方まで移動し(
図7矢印C)、第1ピン35からアーム50までの距離D4が遊動部材36の長さL2より大きくなることで、確実にアーム50が遊動部材36を開放する(アーム50と遊動部材36の係合が外れる)高さとすることができる。ステップS18の判断は、Y軸モーター62の回転数に基づいて行うことも可能であり、ステップS15からの経過時間をタイマーによって計測することで判断することも可能である。
【0109】
ステップS18の判断が否定(No)の場合、処理はステップS19に移行する。
【0110】
ステップS19では、ジョイスティック13で左方向への操作が行われた否かが検査され、肯定(Yes)の場合には、処理はステップS20に移行する。
【0111】
ステップS19では、アーム50が右限界位置(例えば、景品室20の右端)まで到達したか否かを併せて判断し、到達した場合にも処理をステップS20に移行させるものとすることも可能である。この判断は、X軸モーター61の回転数に基づいて行うことも可能であり、アーム50の位置をリミッターにより検出することで判断することも可能である。
【0112】
ステップS20では、アーム50が右方向に移動中であるか否かが判断され、肯定(Yes)の場合には、処理はステップS21に移行する。
【0113】
ステップS21では、X軸モーター61の駆動方向を反転させ、アーム50を左方向に移動させる処理を開始する。アーム50を左方向に移動させる処理は、ステップS21の実行後、ステップS24又はS25が実行されるまで継続して実行され、その間、アーム50は左方向に移動し続ける。
【0114】
ステップS19の判断が否定(No)の場合、処理はステップS22に移行する。
【0115】
ステップS22では、ジョイスティック13で右方向への操作が行われたか否か検査され、肯定(Yes)の場合には、処理はステップS23に移行する。
【0116】
ステップS22では、アーム50が左限界位置(例えば、景品室20の左端)まで到達したか否かを併せて判断し、到達した場合にも処理をステップS23に移行させるものとすることも可能である。この判断は、X軸モーター61の回転数に基づいて行うことも可能であり、アーム50の位置をリミッターにより検出することで判断することも可能である。
【0117】
ステップS23では、アーム50が左方向に移動中であるか否かが判断され、肯定(Yes)の場合には、処理はステップS24に移行する。
【0118】
ステップS24では、X軸モーター61の駆動方向を反転させ、アーム50を右方向に移動させる処理を開始する。アーム50を右方向に移動させる処理は、ステップS24の実行後、ステップS21又はS25が実行されるまで継続して実行され、その間、アーム50は右方向に移動し続ける。
【0119】
ステップS16,S21,S24に関して述べた左右方向への移動の速度は、一定でも良く、変化させても構わない。
【0120】
ステップS21,S24の後、処理はステップS18に移行する。ステップS20,S22,S23の判断が否定(No)の場合も、処理はステップS18に移行する。
【0121】
ステップS18での判断が肯定(Yes)の場合、処理はステップS25に移行し、X軸モーター61及びY軸モーター62が停止され、その後、ステップS26では、Z軸モーター63の駆動により伸縮シャフト55を所定長だけ収縮させることにより、アーム50が遊動部材36に係合できない位置までアーム50を後退させる。最後に、ステップS27において、X軸モーター61及びY軸モーター62の駆動によりアーム50をホームポジションに戻して一連のゲーム処理が終了となる。
【0122】
上記のゲーム処理が実行されることにより、遊戯者は、以下の態様でゲームを行うことができる。
【0123】
なお、以下では、説明の便宜上、ゲームの進行を準備段階、第1段階及び第2段階の3つに分けて説明する。ステップS1〜S14が準備段階であり、ステップS15〜S25において、アーム50が遊動部材36に係合するまで(アーム50が正面板42の上辺の高さに到達するまで)が第1段階、それ以後が第2段階である。
【0124】
<準備段階>
ゲーム開始(ステップS1)の時点では、各景品展示具30の遊動部材36は、正面板42に係止した状態であり、景品Pは、遊動部材36に吊下されている。景品Pの吊下位置は、基端部材37でも良いし、先端部材38でも良い。
【0125】
遊戯者が、料金受入部14にコインを投入し(ステップS2)、いずれかの棚A〜Cを操作ボタン12a,12b,12cにより選択すると(ステップS4,S7,S10)、アーム50が、ホームポジションから選択された棚A〜Cの開始高さまで上昇し(ステップS6,S9,S12/
図7矢印A)、更に、遊動部材36に係合可能な前進位置まで前進し(ステップS14/
図7矢印B)、これにより、準備段階は完了する。
【0126】
<第1段階>
図8は、第1段階での景品展示具30及びアーム50の例示的な動作を正面から示す。
【0127】
第1段階では、アーム50は、上方への移動と、右方向への移動を開始し(ステップS15,S16)、ジョイスティック13の操作が可能になる(ステップS17)。そこで、遊戯者は、取りたい景品Pが吊り下げられている景品展示具30の遊動部材36にアームを係合させることができるように、ジョイスティック13の操作でアーム50の移動方向を左方向又は右方向に切り換える(ステップS21,S24)。ステップS21で左方向に切り換えられた場合は、それ以降、アーム50は、左方向への移動を継続し、ステップS21が右方向に切り換えられた場合は、それ以降、アーム50は、右方向への移動を継続する。
【0128】
これにより、アーム50は
図8(A)の矢印Aに例示するような経路で上昇していき、ステップS4,S7,S10で選択した棚A〜Cのいずれかの景品展示具30の遊動部材36にアーム50を係合させることができれば、第1段階は成功である。
【0129】
第1段階の難易度は、係合領域の長さL1によって調整することが可能である。第1段階でほとんど失敗することがない程度に長さL1を充分大きくすることも可能である。
【0130】
第1段階では、
図8(B)に示すように、アーム50で遊動部材36をスリット43の方に押すような操作が行われることも考えられるが、正面板42がスリット43との境界に爪部44を有するため、このような操作によって、遊動部材36がスリット43に落下してしまうことを防止できる。また、外辺57の角度α及び/又はβ(
図2参照)を適切な値(好ましくは、50度以下、40度以下等)にすることで、このような操作によって、爪部44やアーム50に過大な力が掛かることを防止することが可能である。左右方向に一定以上の力が掛かったときに
図8(C)のようにアーム50が回転等できるようにするなど、爪部44やアーム50に掛かる力を逃がす構造を採用することも可能である。
【0131】
<第2段階>
図9(A),(B),(C)は、第2段階での景品展示具30及びアーム50の例示的な動作を正面、側面及び上面から示す。
図10(A)〜(F)は、第2段階での景品展示具30の例示的な動作を示す側面及び斜めから示す。
【0132】
第2段階では、アーム50は、遊動部材36を係合した状態で、上方向への移動と、左右方向への移動を継続し、これにより、アーム50に係合された遊動部材36は、上方向及び左右方向に傾動する。遊戯者は、第1段階と同様、ジョイスティック13の操作でアーム50の移動方向を左方向又は右方向に切り換えることができる(ステップS21,S24)。
【0133】
ここで、遊動部材36は、基端の第1ピン35を回転軸として上下に傾動可能となっている。そのため、遊動部材36を係合したアーム50が上方向に移動する(
図9(A),(B)矢印A1)ことにより、遊動部材36は、その全体(基端部材37及び先端部材38の両方)が上方向に傾動する(
図9(B)矢印B1)。したがって、ゲーム開始の時点の景品Pの吊下位置が先端部材38であったとしても、ゲームが進むにつれて、遊動部材36の上方への傾動により、景品Pの吊下位置は基端部材37に移動する(
図9(B)矢印C)。遊動部材36の上方への最大傾動角度は、前進位置のアーム50から第1ピン35までの距離D3に対する遊動部材36の長さL2の比(
図7参照)により概ね決まるため、当該比を調整する(好ましくは、1.2以上、より好ましくは、1.3以上にする)ことで、ゲームの終盤までに(第2段階の途中で)景品Pが基端部材37に移動することを確実にすることができる。
【0134】
一方、遊動部材36の左右方向の回転軸は、遊動部材36の中間(基端部材37と先端部材38の間)の第2ピン39である。そのため、遊動部材36を係合したアーム50が左右方向に移動することにより、遊動部材36は、先端部材38の部分のみが左右方向に傾動する(
図9(C)矢印B2)。上記の通り、少なくとも、ゲームの終盤までに(第2段階の途中で)、景品Pの吊下位置を基端部材37に移動させる(
図9(B)矢印C)ことが可能である。そのため、遊動部材36(先端部材38)の左右方向への傾動に伴う景品Pの揺れを小さくすることが可能であり、景品Pの揺れにより遊動部材36の落下位置が変化することでゲーム結果の予測性が低下するなどの不都合を防止することが可能である。また、揺れを抑えることで、景品Pの破損等も防止し得る。
【0135】
図9の状態から更にアーム50が上方向に移動すると、第1ピン35からアーム50までの距離D4(
図7参照)が遊動部材36の長さL2より大きくなったところで、アーム50は遊動部材36を開放し、遊動部材36は、重力によって正面板42又はスリット43(判定領域)の位置まで落下する。景品Pの左右方向への揺れ等の影響が無いものとすれば、アーム50から開放された遊動部材36は、開放時点の左右方向の位置を変えずに真下に落下する。
【0136】
遊動部材36が落下した位置が正面板42(失敗領域)であった場合、遊動部材36は、正面板42に係止され(
図10(A),(B))、遊動部材36はそれ以上は下方向に傾動できない。このため、遊動部材36に吊下された景品Pが落下することはなく、遊戯者は景品Pを取得することはできない。遊動部材36が落下した位置が爪部44であった場合、係留部38cが爪部44に係留する(溝部38cに爪部44が差し込まれる)ことにより遊動部材36は安定に(左右方向への傾動が規制された状態で)正面板42に係止される(
図10(C),(D))。これにより、遊動部材36が揺れや衝撃でスリット43に落下してしまうような不安定な状態でゲームが終了することを防止することが可能である。
【0137】
遊動部材36が落下した位置がスリット43であった場合、遊動部材36はスリット43を通過して下方向に傾動する(
図10(E),(F))。これにより、遊動部材36に吊下されていた景品Pが落下し、景品払出口15から遊戯者に払い出される(
図10(E),(F)矢印A)。
【0138】
上記のように、本実施形態の景品取得ゲーム機1では、アーム50が遊動部材36を開放する瞬間の遊動部材36の位置がスリット43の真上になるように(遊動部材36が判定領域まで遊動したときの左右方向の位置が成功領域(スリット43)と一致するように)、アーム50の移動操作を行うことができたときに、遊動部材36がスリット43から下方に傾動して景品Pが払い出される。そして、この移動操作は、景品取得の成否が判る直前(アーム50が遊動部材36を開放する時点)まで行うことが可能である。そのため、ゲームの途中までしか移動操作を行うことができない場合の遊戯者の不満を解消することが可能であり、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止できる。また、アーム50が遊動部材36を開放した後は、遊動部材36が重力で落下する動作を行うだけである。そのため、操作の技量で景品取得の成否が決まることが理解し易くなり、また、ゲーム機に景品取得の成否をコントロールされているという疑いを持たれ難くなる。
【0139】
景品取得ゲーム機1は、景品Pを遊動部材36から吊下する方式であるため、景品Pを上下方向及び左右方向に配列可能である(
図1参照)ため、多数の景品を見易く展示することが可能であり、また、アーム50を遊動部材36に係合させる方式である(アーム50を景品Pに係合させる必要のない方式である)ため、景品Pの破損等の可能性を小さくできる、或いは、壊れやすい景品Pを使用することが可能になる等の利点がある。
【0140】
図11は、アーム50(又はアーム50と遊動部材36)の変形形態を示す。
【0141】
図11(A)のアーム50Aは、内辺56Aに遊動部材36が嵌合可能な凹部58Aが形成されている点を除いてアーム50と同様の形状を有する。凹部58Aは、遊動部材36の太さと同程度又はそれより僅かに大きい幅寸法を有し得る。遊動部材36が凹部58Aに嵌合されることで、アーム50Aと遊動部材36の位置関係が一定に保たれ易くなる。
【0142】
図11(B)のアーム50Bは、内辺56Bに平坦部58Bが形成されている。平坦部58Bの長さは、遊動部材36の太さより充分長くすることができる。アーム50Bでは、遊動部材36の係合位置が平坦部58B上で移動し得るため、アーム50Bの移動操作で遊動部材36を思った通りに傾動させることの難易度を高めることが可能である。
【0143】
図11(C)のアーム50Cは、上に湾曲した上辺56Cを有する。アーム50Cでは、上辺56Cの真ん中付近で遊動部材36を係合しなければ、遊動部材36が滑り落ちてしまうため、アーム50Cの移動操作の難易度が一層高くなる。アーム50C及び/又は遊動部材36の材料や表面状態によって上辺56Cと遊動部材36の摩擦係数を適切に設定することで、移動操作の難易度を調整することも可能である。
【0144】
図11(D)のアーム50Dは、遊動部材36と係合可能な複数(図の例では3つ)の
内辺56D1〜56D3を有する。アーム50Dでは、内辺56D1〜56D3の個数や幅によって、第1段階におけるアーム50と遊動部材36の係合の難易度を調整することが可能である。図では、各内辺56D1〜56D3が、アーム50の内辺56と同様の形状を有する場合を示すが、アーム50A〜Cの内辺56A,56B又は上辺56Cと同様の形状を有することも可能である。各内辺56D1〜56D3が相互に異なる形状を有することも可能である。例えば、内辺56D1を内辺56Aと同様の形状とし、内辺56D2を内辺56Bと同様の形状とし、内辺56D3を内辺56Cと同様の形状にすることが考えられる。この場合、第1段階でどの内辺56D1〜56D3が遊動部材36に係合するかによって、第2段階で遊動部材36を思った通りに傾動させることの難易度が変わるため、ゲームに新たな面白さが追加され得る。
【0145】
図11(E)では、アーム50Eは、楔型の形状を有し、遊動部材36(又は先端部材38)の下部に、アーム50Eに係合可能な係合部36Eが形成されている。
図11(E)のアーム50E及び遊動部材36を使用した場合、係合部36Eの幅等によって、第1段階におけるアーム50Eと遊動部材36の係合の難易度を調整することが可能である。アーム50E及び係合部36Eは、相互に係合が可能である限り、図示以外の任意の形状を有することができる。
【0146】
図12,13は、景品展示具30の変形形態を示す。
【0147】
図12の景品展示具30Aは、本体の下方に景品Pを載置可能な可動式のトレイ80有する点で景品展示具30と相違する。トレイ80は、蝶番81で連結された縦板82及び横板83と、横板83に形成された景品載置部84と、連結部材85を有し、連結部材85の両端は、基端部材37及び横板83にそれぞれ回転可能に取り付けられている。
【0148】
景品展示具30Aでは、遊動部材36が正面板42に係合した状態(
図12(A),(B))では、連結部材85により横板83が概略水平に保たれるため、景品Pを景品載置部84に載置することが可能であり、遊動部材36がスリット43を通過して下方向に傾動した場合(
図12(C),(D))には、横板83が蝶番81の周りで下方向に回転し、景品載置部84に載置された景品Pが落下する。
【0149】
図13の景品展示具30Bは、正面板42に遊動部材36がスリット43を通過したことを検出するセンサー86Bが取り付けられている点で景品展示具30と相違する。センサー86Bは、フォトカプラー等の光学式センサーであり得る。
【0150】
景品展示具30Bを使用する場合、景品取得ゲーム機1は、景品Pの払い出しを行うための払出機構を更に有し得る。払出機構は、例えば、施錠可能な扉付きボックスに景品Pを収用し、制御部71がセンサー86Bからの信号に基づいてボックスの扉を電子的に解錠することで景品Pを払い出すものであり得る。
【0151】
図14は、他の実施形態に係る景品取得ゲーム機101の要部構成を示し、
図15は、景品展示具130及びアーム150の動作を側方から示す。
【0152】
景品取得ゲーム機101は、1又は複数の棚A〜Cに配置された1又は複数の景品展示具130を有する。景品展示具130は、左右方向に延びる回転軸131と、回転軸131の周りで上下方向に傾動(回転)可能なトレイ132と、トレイ132に垂直な回転軸(不図示)の周りで左右方向に傾動(回転)可能な遊動部材136を有する。遊動部材136は、トレイ132とともに上下方向に傾動可能であるとともに、トレイ132に対して左右方向に傾動可能である。トレイ132には、景品Pが載置可能である。トレイ132(又は、景品Pが載置されたトレイ132)は、重心が回転軸131よりも後ろ側になるように設計されており、トレイ132が後傾し、遊動部材136が上方向に傾動する方向(
図14の真ん中の景品展示具130、
図15(C)の景品展示具130を参照)の付勢力を受ける。
【0153】
トレイ132は、景品Pが景品取得ゲーム機1の振動等によって落下する等を防ぐための落下防止板133を有し得る。
図15に示す例では、トレイ132が左右方向に延びる回転軸134を有し、落下防止板133の下端側が回転軸134に傾動(回転)可能に取り付けられており、落下防止板133の上端側を後壁21等に固定された係止板135に係止できるようになっている。トレイ132が後傾していないとき(
図15(A),(B))は、係止板135に係止した落下防止板133により景品Pの落下が防止され、トレイ132が後傾すると(
図15(C))は、係止板135の係止が外れた落下防止板133が倒れて、景品Pの落下が可能になる。
【0154】
景品展示具130は、更に、トレイ132の前面側に配置された正面板140を有する。正面板140は、左右方向に延びる下辺142と、下辺142から上方に向けて延びる遊動部材136が通過可能なスリット143を有する。正面板140は、アクリル等の透明な部材で構成し得る。
【0155】
景品取得ゲーム機101のアーム150は、遊動部材136に係合可能な係合領域156を下側に有する。アーム150の形状は任意である。図示のアーム150は、アーム50の上下を逆にした形状を有している。
【0156】
景品取得ゲーム機101では、棚A〜Cの開始高さが、各棚A〜Cの景品展示具130の正面板140の下辺142よりも所定距離だけ上方の位置に設定されており、ステップS15以降の処理でY軸モーター62の駆動によりアーム50を下方向に移動させる処理が実行される点を除いて、景品取得ゲーム機1と実質的に同様のゲーム処理が実行される。
【0157】
景品取得ゲーム機101では、遊戯者は、以下のような態様で、ゲームを行うことができる。
【0158】
<準備段階>
ゲーム開始(ステップS1)の時点では、各景品展示具130の遊動部材136は、上方向への付勢力を受けて正面板140の下辺142に係止した状態であり、ステップS2〜S14の処理によって、アーム150がいずれかの棚A〜Cの開始高さまで移動し、更に、遊動部材36に係合可能な前進位置まで前進する(
図15(A))。
【0159】
<第1段階>
第1段階では、ステップS15以降の処理で、アーム150が上方に移動するのではなく、下方に移動する点を除いて、景品取得ゲーム機1のアーム50と同様の態様でアーム150が移動する。遊戯者が、ジョイスティック13の操作により、いずれかの景品展示具130の遊動部材136にアーム150を係合させることができれば、第1段階は成功である。
【0160】
<第2段階>
第2段階では、アーム150は、遊動部材136を係合した状態で、下方向への移動と、左右方向への移動を継続し、これにより、アーム150に係合された遊動部材136は、左右方向に傾動しながら、下方向に押し下げられていく(
図15(B))。この間、遊戯者は、第1段階と同様、ジョイスティック13の操作でアーム150の移動方向を左方向又は右方向に切り換えることができる。
【0161】
アーム150がある高さ位置まで下方向に傾動すると、遊動部材136は、アーム150から開放され、遊動部材136は、上方に向かう付勢力によって、下辺142又はスリット143の位置まで上昇する。
【0162】
そして、遊動部材136が上昇した位置が下辺142であった場合、遊動部材136は、下辺142に係止されるため、それ以上、上方に傾動することができない。このため、トレイ132は後傾することができず、景品Pの払い出しは行われない。
【0163】
遊動部材136が落下した位置がスリット143であった場合、遊動部材136は、スリット143を通って上方に傾動する。これにより、トレイ132が後傾してトレイ132上の景品Pが落下し、景品払出口15から遊戯者に払い出される(
図15(C))。
【0164】
本実施形態では、下辺142が「失敗領域」であり、スリット143が「成功領域」であり、この両者を合わせた領域が「判定領域」である。
【0165】
上記のように、本実施形態の景品取得ゲーム機101では、アーム150が遊動部材136を開放したときの遊動部材136の位置がスリット143の真下になるように(遊動部材136が判定領域まで遊動したときの左右方向の位置が成功領域(スリット143)と一致するように)、アーム150の移動操作を行うことができたときに、上方への付勢力(重力)によって遊動部材136がスリット143に遊動し、遊動部材136がスリット143を通って上方に傾動し、トレイ132が後傾することで景品Pが払い出される。そして、この移動操作は、景品取得の成否が判る直前(アーム150が遊動部材136を開放する時点)まで行うことが可能である。そのため、ゲームの途中までしか移動操作を行うことができない場合の遊戯者の不満を解消し、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止するなどの効果が達成される。
【0166】
図16は、他の実施形態に係る景品取得ゲーム機201の要部構成を示す。
【0167】
図16の景品取得ゲーム機201は、1又は複数の棚A〜Cに配置された1又は複数の景品展示具230を有する。景品展示具230は、正面板42と異なる形状の正面板242を有する。景品取得ゲーム機201の正面板242以外の構成は、景品取得ゲーム機1の正面板42以外の構成と同様とすることができる。
図16では、簡略のため、景品展示具230の正面板242及び遊動部材36及びアーム50以外の部分は図示省略されている。
【0168】
正面板242は、図示のように、下板242a,左右の側板242b(242bL,242bR)、左右の上板242c(242cL,242cR)を有する。左右の上板242cL,242cRcの間には、遊動部材36が通過可能なスリット243が形成されている。上板242cは、スリット243との境界から下方向に延びる爪部244を有し得る。
【0169】
上板242cは、概略直線状の下辺242dと、頂点242eを境にスリット243に向けて下降する第1上辺242f及び側板242bに向けて下降する第2上辺242gを有する。
【0170】
景品取得ゲーム機201では、棚A〜Cの開始高さが、各棚A〜Cの景品展示具230の正面板242の下辺242aよりも所定距離だけ下の位置に設定されている点を除いて、景品取得ゲーム機1と実質的に同様のゲーム処理が実行される。
【0171】
景品取得ゲーム機201では、遊戯者は、以下のような態様で、ゲームを行うことができる。
【0172】
<準備段階〜第1段階>
ゲーム開始(ステップS1)の時点では、各景品展示具230の遊動部材36は、正面板242の下板242aに係止した状態であり、この状態から、景品取得ゲーム機1と同様にして、準備段階及び第1段階が進行する。景品Pは、遊動部材36に吊下され得る。
【0173】
<第2段階>
第2段階では、アーム50は、遊動部材36を係合した状態で、上方向への移動と、左右方向への移動を継続し、これにより、アーム50に係合された遊動部材36は、上方向及び左右方向に傾動する。遊戯者は、ジョイスティック13の操作でアーム50の移動方向を左方向又は右方向に切り換えることができる(ステップS21,S24)。
【0174】
この操作によって、遊動部材36がスリット243の高さに到達したときの左右方向の位置をスリット243の位置に合わせることができれば、遊動部材36は、スリット243を通過して、上板242cよりも上方に傾動するが、そうでなければ、遊動部材36は上辺242cに遮られるため、上板242cよりも上方に傾動することはできない。
【0175】
なお、Y軸モーター52等のY軸走行体54の駆動系にある程度以上の負荷が掛かったときにY軸モーター52を停止させるためのトルクリミッタ等の機構を設け、遊動部材36がスリット243を通過できなかったとき(上板242cに遮られたとき)に、遊動部材36の上昇への移動を停止させ、その時点でゲームを終了させることが可能である。
【0176】
遊動部材36をスリット243に通過させることができた場合は、アーム50は、遊動部材36を係合した状態で、上方向への移動と、左右方向への移動を継続し、遊動部材36は、上辺242よりも上方に傾動していく。そして、第1ピン35からアーム50までの距離が遊動部材36の長さより大きくなったところで、アーム50は遊動部材36を開放し、遊動部材36は重力によって落下する。
【0177】
遊動部材36が落下した位置がスリット243であった場合には、遊動部材36は、スリット243を通過して落下し、下板242aに係止されて停止する。遊動部材36が落下した位置が第1上辺242fであった場合、遊動部材36は、第1上辺242fの傾斜によりスリット243に導かれ、同様にして、下辺242aまで落下したところで停止する。これらの場合、遊動部材36は、下辺242aよりも下方向に傾動しないため、遊動部材36に吊下された景品Pが落下することはなく、遊戯者は景品Pを取得することはできない。
【0178】
遊動部材36が落下した位置が第2上辺242gであった場合、遊動部材36は、第2上辺242gの傾斜により正面板242の外側(側板242bRの右側又は側板242bLの左側)に導かれる。正面板242の外側には、遊動部材36を係止する構造が設けられていないため、遊動部材36は、下板242aよりも下方向に傾動する。これにより、遊動部材36に吊下されていた景品Pが落下し、景品払出口15から遊戯者に払い出される。遊動部材36が落下した位置が正面板242の外側であった場合も同様である。
【0179】
景品取得ゲーム機201では、遊動部材36の上方向への通過を阻止する下辺242d及び爪部244は、「失敗領域」であり、遊動部材36の上方向への通過を許容するスリット243は、「成功領域」であり、この両者を合わせた領域が「判定領域」である。アーム50に係合された遊動部材36が判定領域(下辺242d,爪部244,スリット243)の高さまで上昇したときのアーム50の上下方向の位置が「第1の位置」である。左右の上板242cの頂点242eの間の部分が「第2失敗領域」であり、その外側の部分が「第2成功領域」であり、この両者を合わせた領域が「第2判定領域」である。
【0180】
上記のように、本実施形態の景品取得ゲーム機201では、アーム50が第1の位置に到達したときの遊動部材36の位置が成功領域(スリット243)に一致するようにアーム50の移動操作を行い、更に、アーム50が遊動部材36を開放する瞬間の遊動部材36の位置が第2上辺242g又はその外側になるように(遊動部材136が第2判定領域まで遊動したときの左右方向の位置が第2成功領域(左右の上板242cの頂点242eの外側)になるように)、アーム50の移動操作を行うことができたときに、遊動部材36が下板242aよりも下方に傾動して景品Pが払い出される。そして、この移動操作は、景品取得の成否が判る瞬間(アーム50が第1の位置に到達する時点、及び、アーム50が遊動部材36を開放する時点)まで行うことが可能である。そのため、ゲームの途中までしか移動操作を行うことができない場合の遊戯者の不満を解消し、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止するなどの効果が達成される。
【0181】
図17(A),(B)は、他の実施形態に係る景品取得ゲーム機301の要部構成を示す。
【0182】
景品取得ゲーム機301は、1又は複数の棚A〜Cに配置された1又は複数の景品展示具330を有する。
図17では、簡略のため、景品展示具330及びアーム350以外の部分は図示省略されている。アーム350は、景品取得ゲーム機1のアームと同様の構成を有し得る。
【0183】
景品展示具330は、支持軸331と、長手方向の一端側に棒状の遊動部材332が取り付けられ、長手方向の中間から他端側に向けて延びる支持軸331を挿通する長穴333が形成された長板334を有する。遊動部材332は、支持軸331を長穴333に挿通した状態で長板334がスライドできる範囲でのみ上下左右方向に遊動可能である。
【0184】
景品展示具330は、更に、遊動部材332の左右方向への遊動を阻止する左右一対の側板341(341L,341R)と、遊動部材332の上方への遊動を阻止する左右一対の上板342(342L,342R)を有し、左右の上板342L,342Rの間には、遊動部材332が通過可能な幅寸法のスリット343が形成されている。上板342は、スリット343との境界から下方向に延びる爪部344を有し得る。
【0185】
景品展示具330は、更に、前方に向けて下降する床面361を有する景品室360と、蝶番362の周りで回転することで景品室360の前方側を開閉する扉363を有する。扉363には、長板334を挿通可能な留具364が取り付けられており、長板334が留具364に挿通された状態では、扉363は閉じた状態に保たれ(
図17(A))、長板334が留具364から抜けると、扉363は自重で回転して開くようになっている(
図17(B))。
【0186】
景品取得ゲーム機301では、棚A〜Cの開始高さが、各棚A〜Cの景品展示具330において長板334が留具364に挿通された状態の遊動部材332よりも所定距離だけ下方の位置に設定されている点を除いて、景品取得ゲーム機1と実質的に同様のゲーム処理が実行される。
【0187】
景品取得ゲーム機301では、遊戯者は、以下のような態様で、ゲームを行うことができる。
【0188】
<準備段階〜第1段階>
ゲーム開始(ステップS1)の時点では、各景品展示具330の長板334が留具364に挿通された状態であり、この状態から、景品取得ゲーム機1と同様にして、準備段階及び第1段階が進行する。景品Pは、景品室360内に配置され得る。
【0189】
<第2段階>
第2段階では、アーム350は、遊動部材332を係合した状態で、上方向への移動と、左右方向への移動を継続し、これにより、アーム350に係合された遊動部材332は、上方向及び左右方向に傾動する。遊戯者は、ジョイスティック13の操作でアーム350の移動方向を左方向又は右方向に切り換えることができる(ステップS21,S24)。
【0190】
この操作によって、遊動部材332がスリット343の高さに到達したときの左右方向の位置をスリット343の位置に合わせることができれば、遊動部材332は、スリット343を通過して、上板342よりも上方に傾動するが、そうでなければ、遊動部材332は上板342に遮られるため、上板342よりも上方に傾動することはできない。
【0191】
なお、Y軸モーター62等のY軸走行体54の駆動系にある程度以上の負荷が掛かったときにY軸モーター62を停止させるためのトルクリミッタ等の機構を設け、遊動部材332がスリット343を通過できなかったとき(上板342に遮られたとき)に、遊動部材332の上昇への移動を停止させ、その時点でゲームを終了させることが可能である。
【0192】
遊動部材332をスリット343に通過させることができた場合は、長板334が留具364から抜けるところまで持ち上げられ、これにより、扉363が開いて景品室360内の景品Pが落下し、景品払出口15から遊戯者に払い出される(
図17(B))。
【0193】
景品取得ゲーム機301では、遊動部材332の上方向への通過を阻止する上板342及び爪部344は、「失敗領域」であり、遊動部材332の上方向への通過を許容するスリット343は、「成功領域」であり、この両者を合わせた領域が「判定領域」である。アーム350に係合された遊動部材332が判定領域(上板342及びスリット343)の高さまで上昇したときのアーム350の上下方向の位置が「第1の位置」である。
【0194】
上記のように、本実施形態の景品取得ゲーム機301では、アーム350が第1の位置に到達したときの遊動部材332の位置が成功領域(スリット343)に一致するように移動操作を行うことができたときに、扉363が開いて景品Pが払い出される。そして、この移動操作は、景品取得の成否が判る瞬間(アーム350が第1の位置に到達する時点)まで行うことが可能である。そのため、ゲームの途中までしか移動操作を行うことができない場合の遊戯者の不満を解消し、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止するなどの効果が達成される。
【0195】
図18は、他の実施形態に係る景品取得ゲーム機401の要部構成を示す。
【0196】
図18の景品取得ゲーム機401は、1又は複数の棚A〜Cに配置された1又は複数の景品展示具430を有する。景品展示具430は、正面板42と異なる形状の正面板440と、アーム50と異なる形態の遊動関与部材450を有する。景品取得ゲーム機401の正面板440及び遊動関与部材450以外の構成は、景品取得ゲーム機1の正面板42及びアーム50以外の構成と同様とすることができる。
図18では、簡略のため、景品展示具430の正面板440及び遊動部材36及び遊動関与部材450以外の部分は図示省略されている。
【0197】
正面板440は、左右の下板441(441L,441R)、左右の側板442(442L,442R)及び上板443を有する。左右の下板441L,441Rの間には、遊動部材36が通過可能なスリット444が形成されている。下板441は、スリット444との境界から上方向に延びる爪部を更に有し得る。正面板440は、アクリル等の透明の部材で構成し得る。
【0198】
遊動関与部材450は、伸縮シャフト55先端の回転軸451に回転可能に取り付けられた打撃体452と、打撃体452を駆動するための押し部材454を有する。打撃体452は、遊動部材36に衝突可能な打撃面453を有する。打撃面453は所定の態様の湾曲を有し得る。押し部材454は、ソレノイド等によって伸縮するプランジャー等で構成し得る。
【0199】
図19は、景品取得ゲーム機401において実行されるゲーム処理を示す。
【0200】
景品取得ゲーム機401のゲーム処理におけるステップS31〜S44は、景品取得ゲーム機1におけるステップS1〜S14と同様である。なお、景品取得ゲーム機401では、棚A〜Cの開始高さが、各棚A〜Cの景品展示具430の下板441よりも所定距離だけ下方の位置であって、打撃体452を回転軸451の周りで回転させたときに打撃体452が遊動部材36に衝突し得る高さ位置に設定されている。
【0201】
ステップS45では、タイマーによる経過時間Tの計測が開始され、続いて、ステップS16,S17と同様のステップS46,S47が実行される。
【0202】
続くステップS48では、タイマーにより計測される経過時間Tが予め定められた制限時間Tmaxとなったか否かが判断され、その判断が肯定(Yes)の場合は、ステップS55に移行し、否定(No)の場合は、ステップS49に移行する。ステップS49〜S54は、ステップS19〜S24と同様の処理である。
【0203】
なお、景品取得ゲーム機401では、景品取得ゲーム機1におけるステップS15(及びステップS16〜S24)のY軸モーター62の駆動は実行されない。したがって、ステップS46〜S54において、遊動関与部材450は、上下方向の移動を行わない。
【0204】
ステップS55では、X軸モーター61が停止され、ソレノイド等によって押し部材454を伸長させることにより打撃体452を駆動して回転軸451の周りで回転させる処理が実行される。
【0205】
その後のステップS56,S57は、ステップS26,S27と同様である。
【0206】
ステップS36,S39,S42及びステップS46〜S54における遊動関与部材450のX軸及びY軸方向への移動によって遊動関与部材450が遊動部材36や景品等に接触する心配がなければ、ステップS44,S56を省略し、及び/又は、Z軸モーター63及び伸縮シャフト55を伸縮させるための構造を設けないことも可能である。
【0207】
景品取得ゲーム機401では、遊戯者は、以下のような態様で、ゲームを行うことができる。
【0208】
ゲーム開始(ステップS1)の時点では、各景品展示具430の遊動部材36は、正面板440の下板441に係止した状態であり、この状態から、景品取得ゲーム機1と同様の態様で準備段階が進行する。
【0209】
その後、ステップS46で遊動関与部材450が右方向への移動を開始し、続いて、ジョイスティック13の操作により、遊動関与部材450の移動方向を左方向又は右方向に切り換えることが可能になる(ステップS51,S54)。これにより、遊戯者は、制限時間Tmaxが経過する時点における打撃体452と遊動部材36の位置関係が適切になるように、遊動関与部材450の移動操作を行うことができる。
【0210】
制限時間Tmaxが経過すると、ステップS55が実行される。
図20は、ステップS55における打撃体452及び遊動部材36の動作を示す。
【0211】
ステップS55の時点における遊動関与部材450(打撃体452)の左右方向の位置が、遊動部材36の位置と一致している場合、打撃体452が回転することにより、打撃体452が下方から遊動部材36に衝突する。その衝撃により、遊動部材36は、上方に傾動し、その後、自重により落下する。打撃体452が湾曲した打撃面453を有しているため、遊動部材36が傾動する軌道(遊動部材36が落下する位置)は、遊動部材36が打撃面453のどの位置に衝突したかによって、
図20のP1〜P3に示すように様々に変化する。
【0212】
そして、遊動部材36が落下した位置が下板441であった場合には、遊動部材36は、下板441よりも下方向に傾動できないため、遊動部材36に吊下された景品Pが落下することはなく、遊戯者は景品Pを取得することはできない。
【0213】
遊動部材36が落下した位置がスリット444であった場合、遊動部材36は、スリット444を通過して下板441よりも下方に傾動する。これにより、遊動部材36に吊下されていた景品Pが落下し、景品払出口15から遊戯者に払い出される。
【0214】
景品取得ゲーム機401では、遊動部材36の通過を阻止する下板441は、「失敗領域」であり、遊動部材36の通過を許容するスリット444は、「成功領域」であり、この両者を合わせた領域が「判定領域」である。
【0215】
上記のように、本実施形態の景品取得ゲーム機401では、制限時間Tが経過する時点における打撃体452と遊動部材36の位置関係が適切になるように(遊動部材36が判定領域まで遊動したときの左右方向の位置が成功領域(スリット444)と一致するように)、遊動関与部材450の移動操作を行うことができたときに、遊動部材36が下方に傾動して景品Pが払い出される。そして、この移動操作は、景品取得の成否が判る瞬間(制限時間Tmaxが経過する直前/打撃体452による打撃が行われる直前)まで行うことが可能である。そのため、ゲームの途中までしか移動操作を行うことができない場合の遊戯者の不満を解消し、ゲームの途中で遊戯者の興味が失われることを防止するなどの効果が達成される。
【0216】
図21は、景品取得ゲーム機401におけるゲーム処理の変形形態を示す。
【0217】
ステップS61,S62においてステップS31,S32と同様の処理が行われ、ステップS63において、操作部材(操作ボタン12a及びジョイスティック13)への操作が有効化された後、ステップS64,S66,S68において、ジョイスティック13への操作が検査される、そして、右操作が検出された場合(ステップS64:Yes)は、ステップS65において、X軸モーター61の駆動により遊動関与部材450を右方向に移動させる処理が実行され、左操作が検出された場合(ステップS66:Yes)は、ステップS67において、X軸モーター61の駆動により遊動関与部材450を左方向に移動させる処理が実行される。ジョイスティック13が中立の位置であった場合(ステップS68:Yes)には、ステップS69において、X軸モーター61の駆動を停止する(遊動関与部材450を停止させる)。
【0218】
更に、ステップS70では、操作ボタン12aへの操作が検査され、操作ボタン12aが押下されていない場合(No)は、ステップS64に移行し、操作ボタン12aが押下されている場合(Yes)には、ステップS71に移行する。
【0219】
ステップS71では、ジョイスティック13への操作が無効化され、続くステップS72でY軸モーター62の駆動により遊動関与部材450を上方向に移動させる処理を開始する。この処理は、ステップS74が実行されるまで継続して実行され、この間、遊動関与部材450は上方向に移動し続ける。
【0220】
ステップS73では、操作ボタン12aの押下が解除されたか(遊戯者が操作ボタン12aから手を離したか)否かが検査され、肯定(Yes)の場合は、ステップS74に移行し、否定(No)の場合は、ステップS72に移行する。
【0221】
ステップS74では、Y軸モーター62を停止させることで遊動関与部材450の上方向への移動を停止し、続くステップS75では、ソレノイド等によって押し部材454を伸長させることにより打撃体452を駆動して回転軸451の周りで回転させる処理が実行される。その後実行されるステップS76,S77は、ステップS55〜57と同様の処理である。
【0222】
この変形形態では、遊戯者は、狙いの景品Pが吊下されている景品展示具430の誘導部材36を狙って、最初に(ステップS63〜S69の間)、ジョイスティック13によって遊動関与部材450を左右方向に移動操作し、その後(ステップS70〜S73)、操作ボタン12aによって遊動関与部材450を上方向に移動操作する。操作が終わった時点(ステップS73で操作ボタン12aから手を離した時点)の位置で、遊動関与部材450は、打撃体452による打撃動作を行う。
【0223】
なお、この変形形態の場合、操作ボタン12b,12cを省略することが可能である。
【0224】
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施形態におけるゲーム機又はこれを構成する部材の形状、寸法、材質、機能、動作態様、制御態様、操作態様等は例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲に記載の発明の範囲内で任意に変更することが可能である。