特許第6244705号(P6244705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6244705半導体装置、及び半導体装置のスイッチング制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244705
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】半導体装置、及び半導体装置のスイッチング制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/786 20060101AFI20171204BHJP
   H01L 51/05 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 51/30 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 51/40 20060101ALI20171204BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20171204BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 27/092 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 29/66 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H01L29/78 617N
   H01L29/78 618B
   H01L29/78 618E
   H01L29/78 622
   H01L29/28 100A
   H01L29/28 250E
   H01L29/28 310E
   B82Y30/00
   H01L21/28 301B
   H01L27/092 C
   H01L29/06 601N
   H01L29/44 L
   H01L29/44 Y
   H01L29/66 T
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-145663(P2013-145663)
(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2015-18961(P2015-18961A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100146776
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 昭則
(72)【発明者】
【氏名】大淵 真理
【審査官】 川原 光司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0175594(US,A1)
【文献】 特開2011−216714(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0088283(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B82Y 30/00
H01L 21/28
H01L 21/336
H01L 21/8234−21/8238
H01L 27/06
H01L 27/08
H01L 27/088−27/092
H01L 27/28
H01L 29/06
H01L 29/41
H01L 29/66
H01L 29/786
H01L 51/00
H01L 51/05−51/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1グラフェン層と第2グラフェン層を有し、ドープされた不純物を含まない二層グラフェンと、
前記二層グラフェンの前記第1グラフェン層の側に第1絶縁層を介して配置される第1電極と、
前記二層グラフェンの前記第2グラフェン層の側に第2絶縁層を介して配置される第2電極と、
を有し、前記二層グラフェンは、前記第1電極と前記第2電極に印加される電圧に応じて、前記第1グラフェン層と前記第2グラフェン層の間に(1.2±0.01)×1013 cm-2の電荷密度差を保ったまま、第1導電型の特性と第2導電型の特性を切り換え可能に示すことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極と前記第2電極に印加される電圧に応じて、前記電荷密度差を保ったまま前記二層グラフェンに(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子又は正孔が誘発されて、前記第1導電型と前記第2導電型が切り換え可能に発現することを特徴とする請求項1に半導体装置。
【請求項3】
前記第1グラフェン層の側に前記第1絶縁層を介して配置される第3電極と、
前記第2グラフェン層の側に前記第2絶縁層を介して配置される第4電極と、
をさらに有し、
前記第1電極と前記第2電極の組に正電圧が印加されたときに、前記第1電極と前記第2電極に挟まれる前記二層グラフェンの第1領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子が誘発されてn型半導体領域が形成され、
前記第3電極と前記第4電極の組に負電圧が印加されたときに、前記第3電極と前記第4電極に挟まれる前記二層グラフェンの第2領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の正孔が誘発されてp型半導体領域が形成されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1グラフェン層の側に前記第1絶縁層を介して配置され、前記第1電極と前記第3電極の間に配置される第5電極と、
前記第2グラフェン層の側に前記第2絶縁層を介して配置され、前記第2電極と前記第4電極の間に配置される第6電極と、
をさらに有し、
前記第5電極と前記第6電極に印加される電圧値に応じて、前記p型半導体領域と前記n型半導体領域の間に流れる電流のオン・オフが制御されることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
ドープされた不純物を含まない二層グラフェンの積層方向の上下に絶縁層を介して第1の電極ペアを配置し、
前記第1の電極ペアの各電極に印加する電圧を切り換えて、前記二層グラフェンを構成する2つの層の間に(1.2±0.01)×1013 cm-2の電荷密度差を保ちながら、前記二層グラフェンの導電型を切り換えることを特徴とする半導体装置のスイッチング制御方法。
【請求項6】
前記第1の電極ペアの各電極に印加する電圧を切り換えて、前記電荷密度差を保ちながら、前記二層グラフェンに(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子又は正孔を誘発することによって、第1導電型と第2導電型を切り換えることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置のスイッチング制御方法。
【請求項7】
前記二層グラフェンの前記積層方向の上下に前記絶縁を介して第2の電極ペアを配置し、
前記第1の電極ペアに正電圧を印加して、前記第1の電極ペアに挟まれる前記二層グラフェンの第1領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子を誘発してn型半導体領域を形成し、
前記第2の電極ペアに負電圧を印加して、前記第2の電極ペアに挟まれる前記二層グラフェンの第2領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の正孔を誘発してp型半導体領域を形成することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置のスイッチング制御方法。
【請求項8】
前記二層グラフェンの前記積層方向の上下に、前記絶縁を介して、前記第1の電極ペアと前記第2の電極ペアの間に第3の電極ペアを配置し、
前記第3の電極ペアに印加する電圧値を制御することで、前記p型半導体領域と前記n型半導体領域の間に流れる電流のオン・オフを制御することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置のスイッチング制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置とスイッチング制御方法に関し、特にグラフェン膜を用いた半導体装置とそのスイッチング制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシリコンLSIの微細化による性能向上は限界に近づいており、新しいチャネル材料の導入が望まれている。たとえば、ナノカーボン材料の代表であるグラフェンは、薄膜材料でありショートチャネル効果の抑制が期待されること、高移動度を有することなどから、トランジスタチャネルへの適用が期待される。
【0003】
しかし、通常のグラフェンシートはエネルギーバンドギャップを持たない半金属であるため、半導体として利用するためにはバンドギャップの形成が大きな課題である。また、従来のシリコンLSIで利用されているMOSトランジスタでは、室温においては原理的にサブスレッショルド係数(S値)を60mV/decより小さくすることができないため、MOS構造に替わる新しいアーキテクチャの導入も望まれている。
【0004】
グラフェンにバンドギャップを形成するひとつの方法として、ナノリボン化がある。基本的には、グラフェンの細線幅を小さくするにつれバンドギャップが大きくなるが、同じナノカーボン材料であるカーボンナノチューブの特性としてよく知られるように、その向きにより電子特性が異なる。また、グラフェンナノリボン特有の問題として、リボン端が正しく制御されていなければ端部で散乱が発生し、グラフェンの電子伝導特性を劣化させるという問題がある。
【0005】
グラフェンをシートのまま利用する方法として期待されるのが、二層グラフェンシートに電界を印加することにより形成されるバンドギャップである。二層グラフェンが、層に対して垂直に印加される電界によりバンドギャップを持つことはすでに知られている。また、それを新しいアーキテクチャであるトンネルFET構造に適用する例も知られている(たとえば、非特許文献1参照)。この例では、図1に示すように、二層グラフェン111のソース部分をn+に、ドレイン部分をp+にドープし、全体をダブルゲートで挟んだトンネルFETの構成が示されている。トップゲートGtopとボトムゲートGbottomに電圧をかけることで二層グラフェンチャネルにバンドギャップを生じさせて、トンネルFETを構成する。
【0006】
一方で、グラフェンへのドーピングについては、まだその方法は確立されていない。たとえば、グラフェン表面への分子の吸着によるドーピングが試みられているが、弱い相互作用である化学吸着によるドープ量の制御は困難であり、デバイスの微細化によるばらつきの問題はより顕著になると考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】G. Fiori et al., “Ultralow-Voltage Bilayer Graphene Tunnel FET”,IEEE Electron Device Letters 30, 1096 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
不純物のドープを利用せず、グラフェン膜への電界印加により形成されるバンドギャップを利用して、室温で良好なスイッチング特性を有する半導体装置とスイッチング制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ひとつの態様では、半導体装置は、
第1グラフェン層と第2グラフェン層を有し、ドープされた不純物を含まない二層グラフェンと、
前記二層グラフェンの前記第1グラフェン層の側に第1絶縁層を介して配置される第1電極と、
前記二層グラフェンの前記第2グラフェン層の側に第2絶縁層を介して配置される第2電極と、
を有し、前記二層グラフェンは、前記第1電極と前記第2電極に印加される電圧に応じて、前記第1グラフェン層と前記第2グラフェン層の間に(1.2±0.01)×1013 cm-2の電荷密度差を保ったまま、第1導電型と第2導電型の特性を切り換え可能に示すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
不純物のドープを利用せずに、グラフェン膜への電界印加により形成されるバンドギャップを利用して、良好なスイッチング特性を有する半導体装置とスイッチング制御方法が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の二層グラフェンを用いたトンネルFETの構成例である。
図2】実施形態の二層グラフェンを用いたトンネルFETの構成例である。
図3】実施形態で用いる電子伝導計算のためのモデルの模式図である。
図4】ゲート面電荷及びソース-ドレイン間電位差の関数としてのソース・ドレイン電流を示すグラフである。
図5】ゲートに面電荷ρGをおいたときにチャネルに誘起される電荷ρchを示すグラフである。
図6】実施形態のトンネルFETで二層グラフェンを用いたときの導電型の変化を示す図である。
図7】実施形態のトンネルFET構造に対応するバンドダイアグラムである。
図8】実施例1の半導体素子の構成例を示す図である。
図9】実施例1の半導体素子の作製工程図である。
図10】実施例2の半導体素子の構成例を示す図である。
図11】実施例2の半導体素子の作製工程図である。
図12】実施例2の半導体素子の作製工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図2は、実施形態の半導体装置10として、トンネルFET(Field Effect Transistor)10の概略構成を示す。実施形態では、グラフェン膜への不純物ドーピングを行わず、グラフェンシートの高移動度特性と、層に対して垂直方向の電界により形成されるバンドギャップを利用して、高いスイッチング特性を有するトンネルFET10を実現する。
【0013】
トンネルFET10は、グラフェン層L1、L2を含む二層グラフェン11と、二層グラフェン11の一方の層(たとえばL2)の側に絶縁膜17を介して配置されるゲート電極15a〜15cと、二層グラフェン11の他方の層(たとえばL1)の側に絶縁膜18を介して配置されるゲート電極16a〜16cと、ソース電極(あるいはドレイン電極)12及びドレイン電極(あるいはソース電極)13を有する。
【0014】
ゲート電極15a〜15cとゲート電極16a〜16cは、3つのゲート電極ペア(15a、16a)、(15b、16b)、(15c、16c)を形成する。このうち、1つのゲート電極ペアはオン・オフ制御のためのコントロールゲートとして用いられ、2つのゲート電極ペアは二層グラフェン11の所定領域の導電型を制御するために用いられる。
【0015】
先にも述べたように、二層グラフェン11に対し、層と垂直方向に電界をかけると、バンドギャップが形成される。バンドギャップは、一般に第一原理電子状態計算という量子力学に基づく数値シミュレーションで再現することができる。
【0016】
発明者は、通常の第一原理電子状態計算ではなく、非平衡グリーン関数法による第一原理電子伝導計算を実施し、上下の電極間の電圧差を保ちながら、さらに電界をかけることで、二層グラフェン11をp型及びn型に制御できることを見出した。これは、電極との相対的な電子構造、すなわち電子及び正孔を誘起させるための条件を解明して始めて知ることのできるものであり、単なる電子状態計算からは見出せない。
【0017】
図3図6を参照して、発明者により見出された電界印加による所望の導電型の生成について説明する。まず、実施形態で行った非平衡グリーン関数法による第一原理電子伝導計算を説明する。このシミュレーションは、二層グラフェン11をそのままソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域とし、二層グラフェン11を挟む上下のゲートモデルとして面電荷をおく方法で行った。
【0018】
図3は、電子伝導計算モデルの模式図である。図3(A)のx-y平面とx-z断面で示すように、二層グラフェン11のゲート直下の領域をチャネル、その両側をソースおよびドレインとする。二層グラフェン11の一方の層L1から1nmの真空層(絶縁層)を介した位置での面電荷ρGと、他方の層L2から1nmの真空層(絶縁層)を介した位置での面電荷−ρGを、それぞれモデルゲートとする。
【0019】
図3(B)に示すように、面電荷がx方向に−aからaまで広がる場合(チャネル長=2a)、面電荷がつくるポテンシャルは、式(1)で解析的に表わされる。
【0020】
【数1】
式(1)は、QG=−eρGと表現することができる(eは係数)。
【0021】
図3(C)は、a=3nm、ρG=−10×1012cm-2としたときのポテンシャル分布である。このポテンシャルを外場ポテンシャルとし、さらに図3(A)のようにソース・ドレイン間に電位差VSDを与えて、非平衡グリーン関数法によりセルフコンシステントに電子状態を求める。求めた電子状態に基づいて電子の透過率を求め、ソース-ドレイン間の電位差について積分することで、ρG、VSDの関数としてソース-ドレイン間電流ISDを得ることができる。
【0022】
図4は、ρG及びVSDの関数としてのISD[μA/nm]を示すグラフである。ρGがゼロから大きくなるにつれソース-ドレイン間に流れる電流が小さくなる。VSD=0.05VのときはρG=12.5´1012 cm-2でISDが最少となる。これは、二層グラフェン11に電界がかかり、バンドギャップが形成されていることを示している。
【0023】
SDが最少となるときにチャネルに誘起される電荷の量は、第一原理伝導計算の結果から、図5のようになる。図5(A)は、各原子に誘起された電荷の量を電子密度ρに変換したもの、図5(B)は、ゲートの面電荷ρGと、チャネルに誘起される電荷ρchとの関係を示すグラフである。図5(A)を平均することにより、ρchが6.05×1012
cm-2のときにオフ電流が最小になることが分かる。したがって、ρchについて(1.21±0.01)×1013 cm-2の電子密度の差を保ちながら(このデバイス構造の条件では、ρGについて(25.0±0.1)×1012 cm-2の差を保ちながら)、上下のゲートのρGを変化させる。
【0024】
図6(A)は、二層グラフェン11の上下の面電荷ρG[1012 cm-2]を(0,0)とした状態A、(12.5,-12.5)とした状態B、(100,75)とした状態Cの電子の透過率を示している。Aはゲートのない状態であり、エネルギーがゼロのところで大きく窪んだグラフェンのディラック・コーンの特徴を示している。
【0025】
一方、状態Bのように上下に逆符号の電荷をおいた場合は、エネルギーゼロの周りに、0.3eV程度の伝導ギャップが生じ、真正半導体となっていることがわかる。この電荷量の差を保ったまま、上下とも電荷量を正の方向へ大きくすると、状態Cのように伝導ギャップが高エネルギー側にシフトし、p型となっていくことがわかる。図6(A)が2つの谷が存在する複雑な形状を示すのは、グラフェン本来のディラック・コーンに由来するものである。
【0026】
図6(B)は、状態Bから状態Cへ変化したときの電流を示している。この電流値は、ρGの重心に対する電流値である。電流の少ない真正半導体から、電流が増加してp型に変化していることがわかる。この例では、電流値が飽和するρG=60.0×1012〜90.0×1012 cm-2の範囲をp型の状態とみなすことができる。なお、図6(B)で電流の変化が1桁程度と小さいのは、図3のモデルを用いたシミュレーションではチャネル長が6nm程度と短くしているため、電極間のトンネル電流が生じるためである。
【0027】
図6では、電荷量を状態Bから正の方向へ大きくして状態Cとしているが、逆に負の方向へ大きくするとグラフェンに電子が誘起され、エネルギーギャップを保持したまま、n型半導体が構成される。
【0028】
図5(B)と同様に、第一原理伝導計算からp型あるいはn型の状態を作り出す上記ρGの範囲に対応するρchを計算すると、2層のグラフェン11に(1.2±0.01)×1013 cm-2の電化密度の差を保ちながら、(L1,L2)に(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の正孔を誘起させることで、p型半導体を構成することができる。同様に、2層のグラフェン11に(1.2±0.01)×1013
cm-2の電荷密度の差を保ちながら、(L1,L2)に(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子を誘起させることで、n型半導体を構成することができる。
【0029】
図2に戻って、二層グラフェン11の一方の側に、1nmの真空層(絶縁層)17を介して3つのゲート15a、15b、15cを配置し、他方の側に1nmの真空層(絶縁層)18を介して3つのゲート16a、16b、16cを配置した構成を考える。ゲート(16a、15a)の組に印加する電圧を(VG1,VG2)、ゲート(16b、15b)の組に印加する電圧を(VG3,VG4)、ゲート(16c、15c)の組に印加する電圧を(VG5,VG6)とする。
【0030】
たとえば、(VG1,VG2)=(-6V,-8V)、(VG3,VG4)=(1V,-1V)、(VG5,VG6)=(8V,6V)を印加することで、VG1,VG2が印加される領域のグラフェンL1、L2に、3.6´1013
cm-2と4.8´1013 cm-2の正孔が誘起され、VG5,VG6が印加される領域の二層グラフェン11に、4.8´1013
cm-2と3.8´1013 cm-2の電子が誘起される。このとき、図7のバンドダイアグラムに示すように、pin構造(オフ状態)が形成される。
【0031】
図2の中央のゲート電極ペア16b、15bに印加する電圧を、たとえば(VG3,VG4)=(-8V,-6V)に変化させることで、図7の破線で示すようにオン状態が得られ、ソース-ドレイン電圧を与えることで、電子がトンネルして電流が流れるトンネルFETを構成することができる。
【実施例1】
【0032】
図8は、二層グラフェンを利用した半導体素子の概略構成図を示す。図8(A)の半導体素子20Aは、二層グラフェン31の一方の側に絶縁膜27を介して金属電極(ボトムゲート)25が配置され、他方の側に絶縁膜28を介して金属電極(トップゲート)26が配置される。
【0033】
金属電極26に−6Vを印加し、金属電極25に−8Vを印加すると、二層グラフェン31に、バンドギャップが形成されたままp型特性を示す半導体が形成される。また、金属電極26に6Vを印加し、金属電極25に8Vを印加すると、二層グラフェン31にバンドギャップが形成されたままn型特性を示す半導体が形成される。
【0034】
この構成によると、不純物をドープすることなく、電圧の印加により二層グラフェン31の導電型を制御することができる。
【0035】
図8(B)の半導体素子20Bは、二層グラフェン31の一方の側に絶縁膜27を介して2つの金属電極25a、25bが配置され、他方の側に絶縁膜28を介して2つの金属電極26a、26bが配置される。
【0036】
金属電極26aと25aの組に、それぞれ−6Vと−8Vを印加し、金属電極26bと25bの組に、それぞれ8Vと6Vを印加する。これにより、金属電極26aと25aに対応する二層グラフェン31の領域にバンドギャップが形成されたままp型特性を示す半導体が形成される。また、金属電極26bと25bに対応する二層グラフェン31の領域にバンドギャップが形成されたままn型特性を示す半導体が形成される。
【0037】
この構成では、不純物をドープしなくても、電圧の印加によりpn接合を形成することができる。この状態で、p型領域の図示しないアノード電極に正の電圧を印加すると、p型領域からn型領域へ電流が流れる。n型領域の図示しないカソード電極に正の電圧を印加することで電流を止めることができる。
【0038】
二層グラフェン31の積層方向の上下に形成される電極ペアを3つにすると、図2の構成になる。この場合、チャネルに与える電界によってソース-ドレイン間の電流をオン・オフ制御する電界効果トランジスタが構成される。
【0039】
図9は、実施形態の二層グラフェンを利用した半導体素子の作製工程図である。図9(A)において、基板21上に下部ゲート電極25を形成する。基板21は任意の絶縁基板あるいはシリコン基板上に十分な厚さの絶縁膜が形成された基板である。下部ゲート電極25は、たとえばリソグラフィ技術と蒸着・リフトオフ技術を用いて、所望の形状に形成される。
【0040】
次に、図9(B)に示すように、SiO2膜などの絶縁膜27を全面に形成し、平坦に研磨する。絶縁膜27の膜厚は、たとえば2nm、ゲート電極25上の絶縁膜27の厚さは2nmである。ゲート電極25に対応する位置の絶縁膜27上に2層のグラフェン膜31を転写する。二層グラフェン膜31の転写は、たとえばSiC基板や金属触媒上に成長したグラフェン2層分を樹脂シートなどにより剥がして、絶縁膜27上に貼り付ける。
【0041】
次に、図9(C)に示すように、ソース/ドレイン電極22、23を、リソグラフィと蒸着・リフトオフにより形成する。
【0042】
次に、図9(D)に示すように、全面に絶縁膜28をたとえば厚さ2nmに形成する。
【0043】
最後に、図9(E)に示すように、絶縁膜28上に、二層グラフェン31を介して下部電極25と対向する位置に、上部電極26を形成する。その後全面に図示しない絶縁膜を形成する。ゲート電極25、26の数が複数になっても工程は同じである。たとえば、下部電極25と上部電極26を2つずつ配置する形状にすると、図8(B)の構成になる。下部電極25と上部電極26を3つずつ配置する形状にすると、図2の構成になる。
【実施例2】
【0044】
図10は、実施例2の半導体素子の構成例を示す。図10(A)の半導体素子40Aと図10(B)の半導体素子40Bは、ゲート電極としてカーボンナノチューブを用いている。
【0045】
図10(A)において、半導体素子40Aは、二層グラフェン41と、この二層グラフェン41の一方の層411の側に配置される金属カーボンナノチューブ45a、45b、45cと、他方の層412の側に配置される金属カーボンナノチューブ46a、46b、46cを有する。この例で用いられるカーボンナノチューブ45a〜45c、46a〜46cは、単層の金属カーボンナノチューブである。
【0046】
カーボンナノチューブは、一般的に金属性を示すナノチューブと半導体性を示すナノチューブが混在した状態で合成されることが知られているが、過酸化水素水を用いる方法やアガロースゲルを用いる方法などにより、単層金属ナノチューブと単層半導体ナノチューブに分離することができる。
【0047】
カーボンナノチューブ45a、45b、45cは互いに所定の間隔をおいて配置され、かつ、グラフェン層411との間に0.3〜3nmの絶縁層を介して配置される。カーボンナノチューブ46a、46b、46cも互いに所定の間隔をおいて配置され、かつ、グラフェン層412との間に0.3〜3nmの絶縁層を介して配置される。カーボンナノチューブ45aと46a、45bと46b、45cと46cで、それぞれゲート電極ペアを形成する。グラフェン層411、412と各カーボンナノチューブ45、46の間の絶縁物は、成膜した絶縁膜であってもよいし、空気層であってもよい。
【0048】
図2の構成と同様に、カーボンナノチューブ45bと46bのペアは、二層グラフェン41のチャネル領域に垂直方向に印加される電界を制御するコントロールゲートとして用いられる。カーボンナノチューブ45aと46aのペア、及びカーボンナノチューブ45cと46cのペアはそれぞれ、二層グラフェン41の対応する領域の導電型を制御するために用いられる。この構成により、二層グラフェン41に不純物をドープしなくても、スイッチング特性に優れたトンネルFETを実現することができる。なお、図示はしていないが、図2と同様に、スイッチオン時にソース-ドレイン間に電位差を与えるためのソース/ドレイン電極が、カーボンナノチューブ配列45a〜45c(または55a〜55c)の両側に配置される。
【0049】
図10(B)の半導体素子40Bは、多層カーボンナノチューブ55a〜55c、56a〜56cをゲート電極として用いる。多層のカーボンナノチューブにも、金属ナノチューブと半導体ナノチューブが混在しているが、径の太い多層カーボンナノチューブは金属性、またはごく小さいエネルギーギャップの半導体性を示すので、電極として利用可能である。
【0050】
図10(A)と同様に、多層カーボンナノチューブ55a、55b、55cは互いに所定の間隔をおいて配置され、かつ、グラフェン層411との間に0.3〜3nmの絶縁層を介して配置される。多層カーボンナノチューブ56a、56b、56cも互いに所定の間隔をおいて配置され、かつ、グラフェン層412との間に0.3〜3nmの絶縁層を介して配置される。カーボンナノチューブ55aと56a、55bと56b、55cと56cのペアで、3つのゲート電極ペアを形成する。カーボンナノチューブ55bと56bのペアは、チャネルに対して層と垂直方向に印加される電界を制御するコントロールゲートとして用いられる。カーボンナノチューブ55aと56aのペアと、カーボンナノチューブ55cと56cのペアは、二層グラフェン41の対応する領域の導電型を制御する電極として用いられる。
【0051】
図11及び図12は、図10の半導体素子の作製工程図である。図11(A)に示すように、たとえばクォーツ基板50上に、エタノールガスなどの炭素源ガスを用いたCVD(化学気相成長)法により、カーボンナノチューブ46を配向成長する。
【0052】
次に、図11(B)に示すように、基板50上に樹脂などの接着層52を形成する。
【0053】
次に、図11(C)に示すように、基板50から接着層52を剥離することで、カーボンナノチューブ46を基板50から樹脂層52上に転写する。剥離した樹脂層52を、カーボンナノチューブ46を下方に向けて、基板51に対向させる。
【0054】
次に、図11(D)に示すように、樹脂層52を基板51上に配置する。次に、図11(E)に示すように、樹脂層52をエッチングして、カーボンナノチューブ46を基板51上に転写する。
【0055】
上記とは別に、グラフェンシートを作製しておく。図12(A)に示すように、金属触媒70上にグラフェン41を合成し、図12(B)に示すように、グラフェン41上に樹脂層72を形成する。図12(C)に示すように、金属触媒70をエッチング除去して、樹脂層72上にグラフェンシート41を写し取る。
【0056】
図12(D)に示すように、図11(D)で作製したカーボンナノチューブ46を有する基板51上に、グラフェンシート41を有する樹脂層72を配置する。
【0057】
その後、図12(E)に示すように、樹脂層72をエッチングすることで、カーボンナノチューブ46上にグラフェンシート41が配置される。このとき、グラフェンシート41上に1〜3nmの厚さで樹脂層72の一部を残してもよい。さらに、図11と同様の工程で別の樹脂層にカーボンナノチューブ45を写し取って、カーボンナノチューブ45と樹脂層を、基板51上のグラフェンシート41上に配置することで、図10の半導体素子40を作製することができる。
【0058】
なお、実施例2の単層または多層のカーボンナノチューブ電極を、図8(A)の1つの電極ペアを有する構成や、図8(B)の2つの電極ペアを有する構成に適用してもよい。
【0059】
上述した例でゲート電極に印加される電圧は一例であり、絶縁膜の材料や厚さ、寄生容量に応じて異なるが、二層グラフェンの層に対して垂直方向に電界をかけることで、バンドギャップを維持しながら、二層グラフェンの導電型を制御することができる。特に、2つの層の間に(1.2±0.01)×1013
cm-2の電荷密度の差を保ちながら、2つのグラフェン層(L1,L2)に(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子又は正孔を誘起させることで、不純物のドープなしに、二層グラフェンをn型またはp型の半導体に制御することができる。
【0060】
以下の説明に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
第1グラフェン層と第2グラフェン層を有し、ドープされた不純物を含まない二層グラフェンと、
前記二層グラフェンの前記第1グラフェン層の側に第1絶縁層を介して配置される第1電極と、
前記二層グラフェンの前記第2グラフェン層の側に第2絶縁層を介して配置される第2電極と、
を有し、前記二層グラフェンは、前記第1電極と前記第2電極に印加される電圧に応じて、前記第1グラフェン層と前記第2グラフェン層の間に(1.2±0.01)×1013 cm-2の電荷密度差を保ったまま、第1導電型の特性と第2導電型の特性を切り換え可能に示すことを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記第1電極と前記第2電極に印加される電圧に応じて、前記電荷密度差を保ったまま前記二層グラフェンに(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子又は正孔が誘発されて、前記第1導電型と前記第2導電型が切り換え可能に発現することを特徴とする付記1に半導体装置。
(付記3)
前記第1グラフェン層の側に前記第1絶縁層を介して配置される第3電極と、
前記第2グラフェン層の側に前記第2絶縁層を介して配置される第4電極と、
をさらに有し、
前記第1電極と前記第2電極の組に正電圧が印加されたときに、前記第1電極と前記第2電極に挟まれる前記二層グラフェンの第1領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子が誘発されてn型半導体領域が形成され、
前記第3電極と前記第4電極の組に負電圧が印加されたときに、前記第3電極と前記第4電極に挟まれる前記二層グラフェンの第2領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の正孔が誘発されてp型半導体領域が形成されることを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記第1グラフェン層の側に前記第1絶縁層を介して配置され、前記第1電極と前記第3電極の間に配置される第5電極と、
前記第2グラフェン層の側に前記第2絶縁層を介して配置され、前記第2電極と前記第4電極の間に配置される第6電極と、
をさらに有し、
前記第5電極と前記第6電極に印加される電圧値に応じて、前記p型半導体領域と前記n型半導体領域の間に流れる電流のオン・オフが制御されることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記5)
前記第1電極と前記第2電極は、金属カーボンナノチューブ電極であることを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置。
(付記6)
前記第1電極と第3電極は、前記第1グラフェン層の側に所定の間隔で配置される単離された金属カーボンナノチューブ電極であり、前記第2電極と第4電極は、前記第2グラフェン層の側に前記所定の間隔で配置される単離された金属カーボンナノチューブ電極であることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記7)
前記第1電極、前記第3電極、及び前記第5電極は、前記第1グラフェン層の側に所定の間隔で配置される単離された金属カーボンナノチューブ電極であり、前記第2電極、前記第4電極、及び前記第6電極は、前記第2グラフェン層の側に前記所定の間隔で配置される単離された金属カーボンナノチューブ電極であることを特徴とする付記4に記載の半導体装置。
(付記8)
ドープされた不純物を含まない二層グラフェンの積層方向の上下に絶縁層を介して第1の電極ペアを配置し、
前記第1の電極ペアの各電極に印加する電圧を切り換えて、前記二層グラフェンを構成する2つの層の間に(1.2±0.01)×1013 cm-2の電荷密度差を保ちながら、前記二層グラフェンの導電型を切り換えることを特徴とするスイッチング制御方法。
(付記9)
前記第1の電極ペアの各電極に印加する電圧を切り換えて、前記電荷密度差を保ちながら、前記二層グラフェンに(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子又は正孔を誘発することによって、第1導電型と第2導電型を切り換えることを特徴とする付記8に記載のスイッチング制御方法。
(付記10)
前記二層グラフェンの前記積層方向の上下に前記絶縁膜を介して第2の電極ペアを配置し、
前記第1の電極ペアに正電圧を印加して、前記第1の電極ペアに挟まれる前記二層グラフェンの第1領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の電子を誘発してn型半導体領域を形成し、
前記第2の電極ペアに負電圧を印加して、前記第2の電極ペアに挟まれる前記二層グラフェンの第2領域に、前記電荷密度差を保ちながら、(2.3×1013 cm-2,3.5×1013 cm-2)〜(3.8×1013 cm-2,5.0×1013 cm-2)の範囲の正孔を誘発してp型半導体領域を形成することを特徴とする付記9に記載のスイッチング制御方法。
(付記11)
前記二層グラフェンの前記積層方向の上下に、前記絶縁膜を介して、前記第1の電極ペアと前記第2の電極ペアの間に第3の電極ペアを配置し、
前記第3の電極ペアに印加する電圧値を制御することで、前記p型半導体領域と前記n型半導体領域の間に流れる電流のオン・オフを制御することを特徴とする付記10に記載のスイッチング制御方法。
(付記12)
前記第3の電極ペアに、前記第1の電極ペアと前記第2の電極ペアに印加される電圧の中間の電圧を印加することで、pin構造を形成して電流オフ状態にすることを特徴とする付記11に記載のスイッチング制御方法。
【符号の説明】
【0061】
10、20A、20B、40A、40B 半導体素子(半導体装置)
11、31、41 二層グラフェン
12、13、22、23 ソース/ドレイン電極
15a〜15c、16a〜16b、25、26 電極
17,18、27、28 絶縁膜
45a〜45c、46a〜46c、55a〜55c、56a〜56c カーボンナノチューブ電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12