特許第6244769号(P6244769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000002
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000003
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000004
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000005
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000006
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000007
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000008
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000009
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000010
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000011
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000012
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000013
  • 特許6244769-半導体装置及び半導体装置の製造方法 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244769
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20171204BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20171204BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20171204BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H01L29/80 H
   H01L21/205
   H02M3/28 T
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-194412(P2013-194412)
(22)【出願日】2013年9月19日
(65)【公開番号】特開2015-60986(P2015-60986A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100146776
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 昭則
(72)【発明者】
【氏名】石黒 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】小谷 淳二
(72)【発明者】
【氏名】中村 哲一
【審査官】 棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−033575(JP,A)
【文献】 特開2012−009630(JP,A)
【文献】 特開2014−222716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/337−338
H01L 21/205
H01L 27/095−098
H01L 29/778
H01L 29/80−812
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層と、
前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上に形成されたゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、
前記バッファ層にドープされるSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度は、前記基板側から前記第1の半導体層側に向かって高くなっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層と、
前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上に形成されたゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、
前記バッファ層は、前記基板側より第1のバッファ層と第2のバッファ層を積層したものであって、
前記第1のバッファ層よりも前記第2のバッファ層の方が、ドープされているSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度が高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記バッファ層にドープされるC、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素の濃度は、略均一であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記バッファ層は、AlGa1−xNにより形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記バッファ層には、Cがドープされており、
前記バッファ層にドープされているCの濃度は、1.0×1018atoms/cm以上、1.0×1020atoms/cm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記バッファ層には、Siがドープされており、
前記バッファ層にドープされているSiの最も濃度の高い部分における濃度は、1.0×1016atoms/cm以上、1.0×1019atoms/cm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記バッファ層には、SiとCがドープされていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、
前記バッファ層にドープされるSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度は、前記基板側から前記第1の半導体層側に向かって高くなっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、
前記バッファ層は、前記基板側より第1のバッファ層と第2のバッファ層を積層したものであって、
前記第1のバッファ層よりも前記第2のバッファ層の方が、ドープされているSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度が高いことを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窒化物半導体は、高い飽和電子速度及びワイドバンドギャップ等の特徴を利用し、高耐圧及び高出力の半導体デバイスへの適用が検討されている。例えば、窒化物半導体であるGaNのバンドギャップは3.4eVであり、Siのバンドギャップ(1.1eV)及びGaAsのバンドギャップ(1.4eV)よりも大きく、高い破壊電界強度を有する。そのため、GaN等の窒化物半導体は、高電圧動作かつ高出力を得る電源用の半導体デバイスの材料として極めて有望である。
【0003】
窒化物半導体を用いた半導体デバイスとしては、電界効果トランジスタ、特に高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)についての報告が数多くなされている。例えば、GaN系のHEMT(GaN−HEMT)では、GaNを電子走行層として、AlGaNを電子供給層として用いたAlGaN/GaNからなるHEMTが注目されている。AlGaN/GaNからなるHEMTでは、GaNとAlGaNとの格子定数差に起因した歪みがAlGaNに生じる。これにより発生したピエゾ分極及びAlGaNの自発分極差により、高濃度の2DEG(Two-Dimensional Electron Gas:2次元電子ガス)が得られる。そのため、高効率のスイッチ素子、電気自動車用等の高耐圧電力デバイスとして期待されている。また、回路設計と安全性の観点からは、ノーマリーオフ型の特性を有する窒化物半導体トランジスタの実現が求められている。
【0004】
具体的には、窒化物半導体トランジスタは、基板の上にMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)により、窒化物半導体からなる電子走行層及び電子供給層を成長させることにより作製される。この際基板としては、サファイア、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)等を用いることができるが、シリコン基板の場合には、安価で口径の大きい基板を用いることができるため、大幅な低コスト化を図ることが可能である。
【0005】
しかしながら、シリコン基板を形成しているシリコンと窒化物半導体層を形成している窒化物半導体との格子定数や熱膨張係数が大きく異なる。このため、シリコンと窒化物半導体との格子定数や熱膨張係数が大きく異なることに起因して、シリコン基板には反りや、また、窒化物半導体層にはクラックが発生しやすくなり、窒化物半導体層の膜厚を厚くすることは困難であった。このように窒化物半導体層を厚くすることができないと、本来半導体装置の破壊耐圧の向上等を目的として窒化物半導体を用いたことに反し、半導体装置の破壊耐圧の向上や、転位密度の低減を図ることが制限されてしまい好ましくない。
【0006】
ところで、基板の反りやクラックの発生を抑制しつつ、窒化物層を厚膜化する手法としては、階段Al組成型AlGaNバッファ構造やSLS(Strained Layer Superlattice、歪超格子)バッファ構造を形成する方法がある。具体的には、シリコン基板等の上に、これらのバッファ構造のバッファ層を形成し、これらのバッファ層の上に、窒化物半導体により電子走行層及び電子供給層を形成する方法である。尚、階段Al組成型AlGaNバッファ構造のバッファ層は、Al組成の異なるAlGaN層を数層積層した構造のものであり、SLSバッファ構造のバッファ層は、GaN系薄膜とAlN系薄膜を多周期にわたり積層した構造のものである。
【0007】
上述したいずれのバッファ構造のバッファ層においても、GaNにより形成される電子走行層に大きな圧縮歪を内包させることで、成膜後の降温過程において生じる窒化物半導体層全体の強い引張歪を相殺し、反りやクラックの抑制を図るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−023314号公報
【特許文献2】特開2007−067077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述したバッファ構造は必然的に構造が複雑となり、バッファ層を形成する時間が長くなるため、スループットの低下を招き、また、高価な有機金属材料を中心とする原料消費量も多くなることから、製造される半導体装置が高コストなものとなる。
【0010】
このため、シリコン基板等の上に窒化物半導体が形成されている半導体装置において、低コストで、シリコン基板等の反りや窒化物半導体層にクラックの発生が抑制されており、良好な特性の半導体装置及び半導体装置の製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本実施の形態の一観点によれば、基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層と、前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、前記第2の半導体層の上に形成されたゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、前記バッファ層にドープされるSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度は、前記基板側から前記第1の半導体層側に向かって高くなっていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層と、前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、前記第2の半導体層の上に形成されたゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、を有し、前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、前記バッファ層は、前記基板側より第1のバッファ層と第2のバッファ層を積層したものであって、前記第1のバッファ層よりも前記第2のバッファ層の方が、ドープされているSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度が高いことを特徴とする。
【0012】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の半導体層の上に、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、前記バッファ層にドープされるSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度は、前記基板側から前記第1の半導体層側に向かって高くなっていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の半導体層の上に、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、を有し、前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされており、前記バッファ層は、前記基板側より第1のバッファ層と第2のバッファ層を積層したものであって、前記第1のバッファ層よりも前記第2のバッファ層の方が、ドープされているSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度が高いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
開示の半導体装置及び半導体装置の製造方法によれば、シリコン基板等の上に窒化物半導体が形成されている半導体装置において、低コストで、シリコン基板等の反りや窒化物半導体層にクラックが生じることを抑制することができ、また、特性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】GaN層成膜後の熱収縮により生じる基板の上に凹の反りの説明図
図2】反りの検討のため作製した試料の構造図
図3】バッファ層にドープされたSiの濃度と基板の上に凸の反り量との相関図(1)
図4】バッファ層にドープされたSiの濃度とXRC法におけるTwistとの相関図
図5】バッファ層にドープされたSiの濃度と基板の上に凸の反り量との相関図(2)
図6】第1の実施の形態における半導体装置の構造図
図7】第1の実施の形態における半導体装置にドープされるC及びSiの説明図
図8】第1の実施の形態における半導体装置の製造方法の製造工程図
図9】第2の実施の形態における半導体装置の構造図
図10】第2の実施の形態における半導体装置にドープされるC及びSiの説明図
図11】第3の実施の形態におけるディスクリートパッケージされた半導体デバイスの説明図
図12】第3の実施の形態における電源装置の回路図
図13】第3の実施の形態における高出力増幅器の構造図
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0016】
〔第1の実施の形態〕
最初に、シリコン基板の反りについて説明する。図1(a)に示すように、シリコン基板910の上にバッファ層922を形成し、バッファ層922の上にGaN層931をMOVPEにより形成した場合、図1(b)に示すように、シリコン基板910は、降温時の熱収縮等により下に凸に反ってしまう。このシリコン基板910の反りは、成膜されるGaN層931の膜厚に依存しており、GaN層931の膜厚が厚くなると、シリコン基板910の下に凸の反りも大きくなり、これに起因して、GaN層931にクラック等が発生する。尚、シリコン基板910に反りが発生すると、半導体製造装置に設けられている真空チャック等によるシリコン基板910を搬送することが困難となり、また、露光時において所望のパターンを露光することができなくなる。このため、半導体装置を製造することが不可能となる場合や、所望の特性の半導体装置を製造することができなくなる場合がある。また、GaN層931にクラック等が発生してしまうと、半導体装置として用いることができない。
【0017】
次に、図2に示す構造の試料を作製してシリコン基板910の反りについて検討を行なった。具体的には、シリコン基板910の上に、核形成層921、バッファ層922、GaN層931を積層形成した試料を作製して検討を行なった。尚、この試料のGaN層931の上に電子供給層となるAlGaN層を形成し、AlGaN層の上に、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極を形成することにより、GaN層931を電子走行層とした半導体装置を作製することができる。核形成層921はAlNにより形成されており、バッファ層922はAlGaNにより形成されている。
【0018】
このような試料において、バッファ層922にドープされるSiの濃度を変化させて、シリコン基板910の上に凸の反り量を調べた。この結果を図3に示す。図3に示されるように、バッファ層922にドープされるSiの濃度を高くすると、シリコン基板910の上に凸の反り量は大きくなる。
【0019】
バッファ層922にドープされるSiの濃度と、シリコン基板910の上に凸の反り量とは線形な関係にある。よって、電子走行層となるGaN層931の膜厚に応じて、所定の濃度のSiをバッファ層922にドープすることにより、GaN層931の熱収縮に起因した下に凸の反りと、バッファ層922にドープされたSiに起因した上に凸の反りとを相殺することができる。これにより、シリコン基板910の反りを抑制することができ、窒化物半導体層に生じるクラック等の発生を抑制することができる。
【0020】
図4は、バッファ層922にドープされるSiの濃度とGaN層931におけるXRC(X線ロッキング カーブ)法により測定されたTwistの値との関係を示す。尚、このTwistの値は、転位密度の指標となるものであり、Twistの値が大きいと、転位密度が高いことを示している。図4に示されるように、バッファ層922にドープされているSiの濃度が高いと、Twistの値が大きくなるため、転位密度が高くなる。従って、バッファ層922であるAlGaNにSiをドープすることにより、転位が増加し、降温時においてGaN層931において生じる応力が、バッファ層922により緩和されるため、シリコン基板910の反りを抑制することができるものと考えられる。
【0021】
尚、図5は、バッファ層922がGaNにより形成されている場合において、バッファ層922にドープされるSiの濃度と、シリコン基板910の上に凸の反り量との関係を示す。バッファ層922がGaNにより形成されている場合においても、バッファ層922にドープされるSiの濃度を高くすることにより、シリコン基板910の上に凸の反り量が増えるものの、AlGaNの場合と比べると小さい。よって、バッファ層922は、GaNよりもAlGaNにより形成されていることが好ましい。
【0022】
ところで、バッファ層922における抵抗が低いと、シリコン基板910に対し略垂直方向となる縦方向に流れるリーク電流が増加するため好ましくない。従って、本実施の形態においては、バッファ層922にC(炭素)をドープすることにより、バッファ層922の高抵抗化を図っている。これにより、縦方向に流れるリーク電流を減らすことができ、半導体装置の特性を良好なものにすることができる。
【0023】
よって、本実施の形態においては、バッファ層に、SiとCの双方をドープすることにより、シリコン基板等の反りや窒化物半導体層にクラックが生じることを抑制することができ、半導体装置の特性を良好にすることができる。また、本実施の形態は、歪超格子構造等を形成する必要がないため、低コストで半導体装置を製造することができる。
【0024】
(半導体装置)
次に、第1の実施の形態における半導体装置について説明する。本実施の形態における半導体装置は、図6に示されるように、シリコン基板10の上に、窒化物半導体層が積層されている構造のものである。具体的には、シリコン基板10の上に、核形成層21が形成されており、核形成層21の上には、バッファ層22が形成されており、バッファ層22の上に、電子走行層31、電子供給層32、キャップ層33が積層して形成されている。また、キャップ層33の上には、ゲート電極41、ソース電極42及びドレイン電極43が形成されている。
【0025】
核形成層21はAlNにより形成されており、バッファ層22はAlGaN(AlGa1−xN)により形成されている。また、電子走行層31はGaNにより形成されており、電子供給層32はAlGaN(AlGa1−yN)により形成されており、キャップ層33はn−GaNにより形成されている。これにより、電子走行層31においては、電子走行層31と電子供給層32との界面近傍に2DEG31aが生成される。尚、シリコン基板10に代えて、SiC基板、サファイア基板等を用いてもよい。また、キャップ層33は形成しなくともよい場合がある。
【0026】
図7に示されるように、本実施の形態においては、バッファ層22にSiとCの双方がドープされている。バッファ層22にドープされているCの濃度は、1.0×1019atoms/cmであり、略均一である。また、バッファ層22にドープされているSiは、シリコン基板10側となる核形成層21との界面から電子走行層31との界面に向かって、徐々にSiの濃度が増加するようにドープされている。
【0027】
即ち、バッファ層22においては、核形成層21との界面近傍のSiの濃度は1.0×1015atoms/cmとなり、電子走行層31側に向かって徐々に増加し、電子走行層31との界面近傍のSiの濃度が1.0×1018atoms/cmとなっている。このように、バッファ層22において、Siの濃度を核形成層21との界面から電子走行層31との界面に向かって、徐々に増加するようにドープすることにより、高抵抗化に寄与する実効的なアクセプタ濃度を徐々に減らすことができる。
【0028】
即ち、バッファ層22にSiがドープされていないと、電子走行層31との界面近傍におけるバッファ層22にドープされているCにより電流コラプスが発生しやすくなる。しかしながら、本実施の形態においては、バッファ層22におけるSiの濃度が、電子走行層31との界面近傍において高いため、高抵抗化に寄与する実効的なアクセプタ濃度を低下させることができ、電流コラプスの発生を抑制することができる。これにより、より一層半導体装置の特性を向上させることができる。即ち、本実施の形態における半導体装置は、耐圧の向上と電流コラプスの発生の抑制を図ることができ、半導体装置の特性を良好にすることができる。
【0029】
本実施の形態においては、バッファ層22が所望の高抵抗な膜となるように、バッファ層22にドープされるCの濃度は、1.0×1018atoms/cm以上、1.0×1020atoms/cm以下であることが好ましい。また、バッファ層22においてSiの濃度が最も高くなる領域のSiの濃度、即ち、電子走行層31との界面近傍におけるSiの濃度は、1.0×1016atoms/cm以上、1.0×1019atoms/cm以下であることが好ましい。
【0030】
尚、本実施の形態における半導体装置においては、核形成層21にドープされているCの濃度は、1.0×1019atoms/cmであり、Siの濃度は、1.0×1015atoms/cmである。また、本実施の形態は、核形成層21またはバッファ層22のいずれか一方に、CとSiの双方がドープされているものであってもよい。
【0031】
また、本実施の形態においては、バッファ層22に、CとSiをドープする場合について説明したが、Cに代えて、Mg、Fe、Co等をドープしてもよく、Siに代えて、Ge、Sn、O等をドープしてもよい。
【0032】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図8に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置の製造方法は、基板となるシリコン基板10の上に、窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることにより形成する。窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる方法としては、MOVPEまたはMBE(Molecular Beam Epitaxy)がある。
【0033】
尚、本実施の形態における説明では、窒化物半導体層は、MOVPEにより形成する場合について説明する。窒化物半導体層をMOVPEにより成膜する際には、Alの原料ガスにはTMA(トリメチルアルミニウム)が用いられ、Gaの原料ガスにはTMG(トリメチルガリウム)が用いられ、Nの原料ガスにはNH(アンモニア)が用いられる。また、原料ガスを供給する際には、H等のキャリアガスを用いて供給してもよい。
【0034】
最初に、図8(a)に示されるように、シリコン基板10の上に、窒化物半導体により核形成層21及びバッファ層22を順次形成する。
【0035】
核形成層21は、膜厚が数10nm〜数100nm、例えば、200nmのAlN膜により形成されており、バッファ層22は、膜厚が500nm〜1000nmのAlGa1−xNにより形成されている。バッファ層22の上には、GaN等により電子走行層31が形成されるため、xの値は、0以上、0.5以下が好ましく、更には、0よりも大きく、0.5以下が好ましい。本実施の形態においては、バッファ層22は、xの値が0.3となるAl0.3Ga0.7Nにより形成されている。
【0036】
尚、バッファ層22は、AlNにより形成された核形成層21の上に形成されており、バッファ層22の上には、GaN等により電子走行層31が形成されている。このため、格子定数を近づけるため、バッファ層22は、核形成層21との界面近傍から電子走行層31の界面近傍に向かって、徐々にAlの組成比が減少するように、即ち、xの値が減少するように形成してもよい。また、バッファ層22は、組成比の異なる2層以上のAlGaNにより形成してもよい。この場合、核形成層21に近い層よりも、電子走行層31に近い層の方が、Alの組成比が少なくなるように形成されることが好ましい。
【0037】
本実施の形態においては、バッファ層22において、Cは略均一にドープされており、ドープされているCの濃度は、1.0×1019atoms/cmである。また、バッファ層22にドープされているSiは、シリコン基板10側となる核形成層21との界面から電子走行層31との界面に向かって、徐々にSiの濃度が増加するようにドープされている。即ち、バッファ層22においては、核形成層21との界面近傍のSiの濃度は1.0×1015atoms/cmとなり、電子走行層31側に向かって徐々に増加し、電子走行層31との界面近傍のSiの濃度が1.0×1018atoms/cmとなっている。
【0038】
バッファ層22を形成する際には、TMA、TMG、NHの他に、所定の濃度のSiをドープするため、SiH(モノシラン)が供給されている。また、Cは、バッファ層22における成長条件を調整することにより、Cをオートドーピングしてもよく、また、Cのドーパント原料として、CBr(四臭化炭素)を供給してもよい。
【0039】
尚、バッファ層22にドープされるSiの濃度は、核形成層21との界面から電子走行層31との界面に向かって、線形にSiの濃度が増加していてもよく、指数関数的、または、階段状に増加するものであってもよい。
【0040】
次に、図8(b)に示すように、バッファ層22の上に、電子走行層31、電子供給層32及びキャップ層33を積層して形成する。具体的には、電子走行層31は、膜厚が500nm〜1000nm、例えば、1000nmのGaNにより形成されている。電子供給層32は、膜厚が約20nmのAlGa1−yNにより形成されており、yの値は0.3以下であることが好ましく、本実施の形態においては、Al0.2Ga0.8Nにより形成されている。キャップ層33は、膜厚が約5nmのn−GaNにより形成されており、n型となる不純物元素としてSiが、所定の濃度ドープされている。
【0041】
次に、図8(c)に示すように、キャップ層33の上に、ソース電極42及びドレイン電極43を形成し、更に、キャップ層33の上に、ゲート電極41を形成する。具体的には、キャップ層33の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ソース電極42及びドレイン電極43が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、Ti/Al膜からなる金属積層膜を真空蒸着により成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜されている金属積層膜をレジストパターンとともに除去する。これにより、残存する金属積層膜によりソース電極42及びドレイン電極43が形成される。この後、RTA(ラピッドサーマルアニール)を行なうことにより、ソース電極42及びドレイン電極43をオーミックコンタクトさせる。尚、Ti/Al膜からなる金属積層膜において、Ti膜の膜厚は約100nmであり、Al膜の膜厚は約300nmである。
【0042】
この後、再びキャップ層33の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、ゲート電極41が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、Ni/Au膜からなる金属積層膜を真空蒸着により成膜した後、有機溶剤等に浸漬させることにより、レジストパターンの上に成膜されている金属積層膜をレジストパターンとともに除去する。これにより、残存する金属積層膜によりゲート電極41が形成される。尚、Ni/Au膜からなる金属積層膜において、Ni膜の膜厚は約50nmであり、Au膜の膜厚は約300nmである。
【0043】
以上の工程の製造方法により、本実施の形態における半導体装置を製造することができる。
【0044】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図9に示すように、バッファ層120が、第1のバッファ層121と第2のバッファ層122により形成されているものであってもよい。本実施の形態においては、第1のバッファ層121と第2のバッファ層122は、ドープされているSiの濃度が異なっており、図10に示されるように、第1のバッファ層121よりも第2のバッファ層122の方が、Siが多くドープされている。尚、第1のバッファ層121と第2のバッファ層122とにおけるCの濃度は、略同じである。
【0045】
第1のバッファ層121と第2のバッファ層122は、AlGaNにより形成されており、組成比が異なっていてもよく、また、同じであってもよい。組成比が異なっている場合には、第1のバッファ層121よりも、第2のバッファ層122の方が、Alの組成比が低い方が好ましい。
【0046】
本実施の形態においては、第1のバッファ層121及び第2のバッファ層122にドープされているCの濃度は1.0×1019atoms/cmである。また、第1のバッファ層121にドープされているSiの濃度は3.0×1016atoms/cmであり、第2のバッファ層122にドープされているSiの濃度は1.0×1018atoms/cmである。
【0047】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、半導体デバイス、電源装置及び高周波増幅器である。
【0048】
本実施の形態における半導体デバイスは、第1または第2の実施の形態におけるいずれかの半導体装置をディスクリートパッケージしたものであり、このようにディスクリートパッケージされた半導体デバイスについて、図11に基づき説明する。尚、図11は、ディスクリートパッケージされた半導体装置の内部を模式的に示すものであり、電極の配置等については、第1または第2の実施の形態に示されているものとは、異なっている。
【0049】
最初に、第1または第2の実施の形態において製造された半導体装置をダイシング等により切断することにより、GaN系の半導体材料のHEMTの半導体チップ410を形成する。この半導体チップ410をリードフレーム420上に、ハンダ等のダイアタッチ剤430により固定する。尚、この半導体チップ410は、第1または第2の実施の形態における半導体装置に相当するものである。
【0050】
次に、ゲート電極411をゲートリード421にボンディングワイヤ431により接続し、ソース電極412をソースリード422にボンディングワイヤ432により接続し、ドレイン電極413をドレインリード423にボンディングワイヤ433により接続する。尚、ボンディングワイヤ431、432、433はAl等の金属材料により形成されている。また、本実施の形態においては、ゲート電極411はゲート電極パッドであり、第1または第2の実施の形態における半導体装置のゲート電極41と接続されている。また、ソース電極412はソース電極パッドであり、第1または第2の実施の形態における半導体装置のソース電極42と接続されている。また、ドレイン電極413はドレイン電極パッドであり、第1または第2の実施の形態における半導体装置のドレイン電極43と接続されている。
【0051】
次に、トランスファーモールド法によりモールド樹脂440による樹脂封止を行なう。このようにして、GaN系の半導体材料を用いたHEMTのディスクリートパッケージされている半導体デバイスを作製することができる。
【0052】
次に、本実施の形態における電源装置及び高周波増幅器について説明する。本実施の形態における電源装置及び高周波増幅器は、第1または第2の実施の形態におけるいずれかの半導体装置を用いた電源装置及び高周波増幅器である。
【0053】
最初に、図12に基づき、本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置460は、高圧の一次側回路461、低圧の二次側回路462及び一次側回路461と二次側回路462との間に配設されるトランス463を備えている。一次側回路461は、交流電源464、いわゆるブリッジ整流回路465、複数のスイッチング素子(図12に示す例では4つ)466及び一つのスイッチング素子467等を備えている。二次側回路462は、複数のスイッチング素子(図12に示す例では3つ)468を備えている。図12に示す例では、第1または第2の実施の形態における半導体装置を一次側回路461のスイッチング素子466及び467として用いられている。尚、一次側回路461のスイッチング素子466及び467は、ノーマリーオフの半導体装置であることが好ましい。また、二次側回路462において用いられているスイッチング素子468はシリコンにより形成される通常のMISFET(metal insulator semiconductor field effect transistor)を用いている。
【0054】
次に、図13に基づき、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器470は、例えば、携帯電話の基地局用パワーアンプに適用してもよい。この高周波増幅器470は、ディジタル・プレディストーション回路471、ミキサー472、パワーアンプ473及び方向性結合器474を備えている。ディジタル・プレディストーション回路471は、入力信号の非線形歪みを補償する。ミキサー472は、非線形歪みが補償された入力信号と交流信号とをミキシングする。パワーアンプ473は、交流信号とミキシングされた入力信号を増幅する。図13に示す例では、パワーアンプ473は、第1または第2の実施の形態におけるいずれかの半導体装置を有している。方向性結合器474は、入力信号や出力信号のモニタリング等を行なう。図13に示す回路では、例えば、スイッチの切り替えにより、ミキサー472により出力信号を交流信号とミキシングしてディジタル・プレディストーション回路471に送出することが可能である。
【0055】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
【0056】
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層と、
前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上に形成されたゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされていることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記バッファ層にドープされるSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度は、前記基板側から前記第1の半導体層側に向かって高くなっていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記バッファ層は、前記基板側より第1のバッファ層と第2のバッファ層を積層したものであって、
前記第1のバッファ層よりも前記第2のバッファ層の方が、ドープされているSi、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の濃度が高いことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記4)
前記バッファ層にドープされるC、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素の濃度は、略均一であることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5)
前記バッファ層は、AlGa1−xNにより形成されていることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の半導体装置。
(付記6)
xの値は、0以上、0.5以下であることを特徴とする付記5に記載の半導体装置。
(付記7)
前記バッファ層には、Cがドープされており、
前記バッファ層にドープされているCの濃度は、1.0×1018atoms/cm以上、1.0×1020atoms/cm以下であることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記8)
前記バッファ層には、Siがドープされており、
前記バッファ層にドープされているSiの最も濃度の高い部分における濃度は、1.0×1016atoms/cm以上、1.0×1019atoms/cm以下であることを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の半導体装置。
(付記9)
前記バッファ層には、SiとCがドープされていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記10)
前記基板は、Si、SiC、サファイアのうちのいずれかにより形成されていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の半導体装置。
(付記11)
前記基板と前記バッファ層との間には、AlNを含む材料により核形成層が形成されていることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の半導体装置。
(付記12)
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から11のいずれかに記載の半導体装置。
(付記13)
前記第2の半導体層は、AlGaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の半導体装置。
(付記14)
前記第2の半導体層の上には、n型の窒化物半導体により第3の半導体層が形成されており、
前記ゲート電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記第3の半導体層の上に形成されていることを特徴とする付記1から13のいずれかに記載の半導体装置。
(付記15)
前記第3の半導体層は、n−GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記14のいずれかに記載の半導体装置。
(付記16)
付記1から15のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
(付記17)
付記1から15のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする増幅器。
(付記18)
基板の上に、窒化物半導体により形成されたバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層の上に、窒化物半導体により形成された第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に、窒化物半導体により形成された第2の半導体層を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
を有し、
前記バッファ層には、C、Mg、Fe、Coのうちから選ばれる元素と、Si、Ge、Sn、Oのうちから選ばれる元素の双方がドープされていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0057】
10 シリコン基板
21 核形成層
22 バッファ層
31 電子走行層(第1の半導体層)
31a 2DEG
32 電子供給層(第2の半導体層)
33 キャップ層(第3の半導体層)
41 ゲート電極
42 ソース電極
43 ドレイン電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13