(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の情報処理装置における一実施形態に係るGPS受信装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
GPS受信装置1は、例えば腕時計型端末として構成される。
【0011】
GPS受信装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、センサ部16と、GPS部17と、入力部18と、時計部19と、記憶部20と、通信部21と、を備えている。
【0012】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部20からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0013】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0014】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、センサ部16、GPS部17、入力部18、時計部19、記憶部20及び通信部21が接続されている。
【0015】
センサ部16は、装置の移動を検出することが可能なセンサで構成されており、例えば、加速度センサや方位センサ等により構成される。
GPS部17は、少なくとも1つの衛星から、時刻の補正に用いるGPSの電波を受信可能に構成される。
【0016】
入力部18は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
時計部19は、デジタルやアナログの時計を表示可能に構成される。
記憶部20は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部21は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0017】
このように構成されるGPS受信装置1においては、GPSの電波が受信できないような場所にある場合にはGPSの電波受信の動作を行わない機能を有する。このため、GPS受信装置1では、不要なGPSの電波受信の動作を行わないために、電力消費を抑えることができる。
具体的には、GPS受信装置1では、装置の移動状態から装置を装着するユーザの状態を推測して、GPS電波の受信ができない屋内か、GPS電波の受信が可能な屋外かを判定して、屋外であると判定した場合に、GPS電波の受信の動作を行うように構成する。
本実施形態において、屋外である判定は、所定の時間を連続的に歩行しているか否かで行う。屋外は、屋内とは異なり広い範囲であることから、所定の時間を連続的に歩行しない蓋然性が高いからである。また、歩行を周期的な振動とすることで、屋内のような狭い範囲を巡回的に移動したり、不規則に移動したりしても、周期的な振動を得にくいことから、当該移動を屋内として判定することが可能となる。
【0018】
図2は、このようなGPS受信装置1の機能的構成のうち、自動時刻補正処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
自動時刻補正処理とは、GPSの電波受信が可能であるかを判定し、GPSの電波受信が可能である場合には、GPSの電波受信の動作を行って、時刻の補正を行うまでの処理をいう。
【0019】
自動時刻補正処理は、
図2に示すように、CPU11において、歩行状態検出部51と、歩行判定部52と、GPS制御部53と、時刻補正部54と、が機能する。
また、記憶部20の一領域には、歩行情報記憶部71と、GPS情報記憶部72と、が設定される。
【0020】
歩行情報記憶部71には、センサ部16から取得した歩数、歩行ピッチ及び歩行方向等の歩行状態の歩行情報が記憶される。また、歩行情報記憶部71には、歩行の時刻も記憶される。また、歩行情報記憶部71には、一般的なユーザ(例えば、一般成人男性等)の歩行の振動周期が記憶されたり、過去の歩数及び歩行ピッチ等を用いて、割り出された歩行の振動周期が記憶されたりする。
【0021】
GPS情報記憶部72には、GPS部17から取得したGPS値が記憶される。また、GPS情報記憶部72には、過去にGPS値を取得した時刻も記憶される。
【0022】
歩行状態検出部51は、歩行状態を検出する。詳細には、歩行状態検出部51は、センサ部16からのセンサ情報から、歩行振動の有無を検出するとともに、歩数、歩行ピッチ及び歩行方向等の歩行状態の歩行情報を取得する。取得した歩数、歩行ピッチ及び歩行方向等の歩行状態の歩行情報は、歩行情報記憶部71に記憶される。
【0023】
歩行判定部52は、検出された歩行情報記憶部71に記憶された一連の歩行状態の歩行情報からGPS電波の受信ができる屋外か否かを判定する。詳細には、歩行判定部52は、検出した歩行ピッチが過去の歩行ピッチ(本実施形態においては、一般ユーザの振動周期である2Hz)と一致している場合に、歩行状態であると判定し、さらに、その一連の歩行状態における連続して歩行している時間が所定時間(本実施形態においては、1分)以上であれば、GPS電波の受信ができる屋外であると判定する。
なお、本実施形態においては、歩数がカウントされている時間、即ち、歩行している時間を歩行の判断の要素としたが、単に歩数を歩行の判定の要素としてもよい。また、過去の歩行ピッチは、統計等から算出した一般的な歩行ピッチでもよく、また、ユーザ固有の歩行ピッチであってもよい。
また、歩行判定部52は、検出された歩行状態の歩行情報の他に、過去の検出時刻を加味して、歩行を判定してもよい。
【0024】
GPS制御部53は、GPS部17の起動や受信等を制御し、受信したGPS値をGPS情報記憶部72に記憶させる。詳細には、GPS制御部53は、歩行判定部52により、歩行していると判定された場合には、GPS部17を起動してGPSからの電波が受信可能な状態にする等のGPS部17の制御を行う。また、GPS制御部53は、GPS部17におけるGPSからの電波の受信強度を確認判定する。
【0025】
時刻補正部54は、GPS情報記憶部72に記憶されるGPS値に基づいて、時計部19の時刻を修正する。
【0026】
図3は、
図2の機能的構成を有する
図1のGPS受信装置1が実行する自動時刻補正処理の流れを説明するフローチャートである。
自動時刻補正処理は、ステップS11において、所定の受信時刻である時刻補正タイミングとなった場合に開始される。
【0027】
ステップS11において、CPU11は、時刻補正タイミングか否かを判定する。即ち、CPU11は、所定の受信時刻になり時刻の補正のタイミングとなったか否かを判定する。
時刻補正タイミングでない場合には、ステップS11においてNOと判定されて、時刻補正タイミングとなるまで待機状態となる。
時刻補正タイミングとなった場合には、ステップS11においてYESと判定されて、処理はステップS12に進む。
【0028】
ステップS12において、CPU11はタイムアウトのカウントを開始する。
【0029】
ステップS13において、CPU11は、センサ部16からのセンサ情報に基づいて、振動があったか否かを判定する。
振動がない場合には、ステップS13においてNOと判定されて、自動時刻補正処理は終了する。
振動が有った場合には、ステップS13においてYESと判定されて、処理はステップS14に進む。
【0030】
ステップS14において、CPU11は、タイムアウトしたか否かを判定する。即ち、CPU11は、タイムアウトのカウント開始から所定の時間が経過してタイムアウトしたか否かを判定する。
タイムアウトした場合には、ステップS14においてNOと判定されて、自動時刻補正処理は終了する。
タイムアウトしていない場合には、ステップS14においてYESと判定されて、処理はステップS15に進む。
【0031】
ステップS15において、歩行状態検出部51は、センサ部16からのセンサ情報から歩行状態であるか否かを判定する。
歩行状態でない場合には、ステップS15においてNOと判定されて、処理はステップS24に進む。ステップS24以降の処理については後述する。
歩行状態である合には、ステップS15においてYESと判定されて、処理はステップS16に進む。
【0032】
ステップS16において、歩行状態検出部51は、センサ部16からのセンサ情報から歩数と歩行ピッチを取得し、歩行情報記憶部71に記憶させる。
【0033】
ステップS17において、歩行判定部52は、歩行ピッチが安定しているか否かを判定する。本例では、2Hzの歩行ピッチが安定的に検出されている場合に、安定していると判定する。
歩行ピッチが安定していない場合には、ステップS17においてNOと判定されて、処理はステップS24に進む。
歩行ピッチが安定している場合には、ステップS17においてYESと判定されて、処理はステップS18に進む。
【0034】
ステップS18において、歩行判定部52は、屋外歩行の判定用に連続歩行時間をカウントする。
【0035】
ステップS19において、歩行判定部52は、屋外判定を行う。即ち、歩行判定部52は、屋外判定として、本例では、1分以上の連続歩行時間をカウントとした場合には、屋外と判定し、1分未満であった場合には屋内と判定する。
屋外判定により屋内とされた場合には、ステップS19においてNOと判定されて処理はステップS13に戻る。
屋外判定により屋外とされた場合には、ステップS19においてYESと判定されて処理はステップS20に進む。
【0036】
ステップS20において、GPS制御部53は、歩行判定部52により屋外の歩行であると判定されたため、GPS部17を起動する。
【0037】
ステップS21において、GPS制御部53は、GPS部17におけるGPSの電波の受信感度が高いか否かを判定する。
受信感度は低い場合には、ステップS21においてNOと判定されて、処理はステップS25に進む。ステップS25以降の処理は後述する。
受信感度が高い場合には、ステップS21においてYESと判定されて、処理はステップS22に進む。
【0038】
ステップS22において、GPS制御部53は、GPS部17は、GPS電波を受信する。GPS制御部53は、受信したGPS電波をGPS値として、GPS情報記憶部72に記憶させる。
【0039】
ステップS23において、時刻補正部54は、GPS情報記憶部72に記憶されるGPS値に基づいて、時計部19の時刻を補正する。
これにより、GPS受信装置1においては、屋外でない場合はGPSの受信を行わずに、無駄な電力消費を抑え、GPSが受信可能な屋外の場合のみGPSによる時刻修正を行うことができる。
【0040】
ステップS24において、歩行判定部52は、連続歩行時間をリセットする。
【0041】
ステップS25において、CPU11は、FG=1であるか否かを判定する。即ち、CPU11は、受信感度は低くGPSの正確な電波を受信できないため、フラグの確認を行う。
FG=0の場合は、リトライフラグ未設定の状態である。FG=1の場合には、リトライフラグがすでに設定された後の受信感度は低い状態であるため、電力消費を抑えるために、自動時刻補正処理を終了する。
FG=1の場合には、ステップS25においてYESと判定されて、自動時刻補正処理は終了する。
FG=1でない場合には、ステップS25においてNOと判定されて、処理はステップS26に進む。
【0042】
ステップS26において、CPU11は、リトライFGを設定する(FG=1)。そして、ステップS13に戻る。
【0043】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、屋外判定は、連続歩行時間をカウントし、所定の時間以上連続歩行時間がカウントされた場合には、屋外と判定するように構成した。これに対して、第2の実施形態では、屋外判定は、進行方位から同じ方向に直線的に歩行した時間(以下、「直線歩行時間」という。)をカウントし、所定の時間以上直線歩行時間がカウントされた場合には、屋外と判定するように構成する。特定の方向に連続的に移動しているのは、狭い屋内ではなく、屋外の蓋然性が高いため、屋外判定の判断基準となるからである。
なお、以下において第1の実施形態と同様の構成となる場合には、説明を省略する。
【0044】
第2の実施形態における自動時刻補正処理を実行する場合には、CPU11において、歩行状態検出部51と、歩行判定部52とが第1の実施形態とは異なる。
即ち、歩行状態検出部51は、センサ部16から進行方位を取得する。その後、歩行状態検出部51は、取得した進行方位の情報を歩行情報記憶部71に記憶させる。
また、歩行判定部52は、直線歩行時間をカウントする。そして、歩行判定部52は、カウントした直線歩行時間が一定時間以上あった場合には、屋外と判定する。
【0045】
図4は、
図2の機能的構成を有する
図1のGPS受信装置において、第2の実施形態の自動時刻補正処理の流れを説明するフローチャートである。
本例では、第1の実施形態の
図3のフローチャートとは、ステップS116〜ステップS119、及びステップS124が異なる。
【0046】
ステップS116において、歩行状態検出部51は、センサ部16からのセンサ情報から進行方位を取得し、歩行情報記憶部71に記憶させる。
【0047】
ステップS117において、歩行判定部52は、進行方位に基づいて直進歩行か否かを判定する。
直進歩行でない場合には、ステップS117においてNOと判定されて、処理はステップS124に進む。
直進歩行である場合には、ステップS117においてYESと判定されて、処理はステップS118に進む。
【0048】
ステップS118において、歩行判定部52は、屋外歩行の判定用に直進歩行時間をカウントする。
【0049】
ステップS119において、歩行判定部52は、屋外判定を行う。即ち、歩行判定部52は、屋外判定として、本例では、1分以上の直進歩行時間をカウントとした場合には、屋外と判定し、1分未満であった場合には屋内と判定する。
屋外判定により屋内とされた場合には、ステップS119においてNOと判定されて処理はステップS113に戻る。
屋外判定により屋外とされた場合には、ステップS119においてYESと判定されて処理はステップS120に進む。
このように第2の実施形態の自動時刻補正処理を構成することにより、所定の方角を所定時間歩行した場合を、屋外と判定することができ、当該状況下においてGPS電波の受信を行うことができる。
【0050】
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、屋外判定は、連続歩行時間をカウントし、所定の時間以上連続歩行時間がカウントされた場合には、屋外と判定するように構成した。これに対して、第3の実施形態では、屋外判定は、一定時間内における歩行の累積的な時間(以下、「累積歩行時間」という。)をカウントし、所定の時間以上累積歩行時間がカウントされた場合には、屋外と判定するように構成する。
なお、以下において第1の実施形態と同様の構成となる場合には、説明を省略する。
【0051】
第3の実施形態における自動時刻補正処理を実行する場合には、CPU11において、歩行判定部52が第1の実施形態とは異なる。
即ち、歩行判定部52は、累積歩行時間をカウントする。そして、歩行判定部52は、一定時間内における累積歩行時間が一定時間以上あった場合には、屋外と判定する。
【0052】
図5は、
図2の機能的構成を有する
図1のGPS受信装置において、第3の実施形態の自動時刻補正処理の流れを説明するフローチャートである。
本例では、第1の実施形態の
図3のフローチャートとは、ステップS218及びS219が異なる。また、第1の実施形態のステップS24〜ステップS26の処理が略式化されて省略される。
【0053】
ステップS218において、歩行判定部52は、屋外歩行の判定用に累積歩行時間をカウントする。
【0054】
ステップS219において、歩行判定部52は、屋外判定を行う。即ち、歩行判定部52は、屋外判定として、本例では、タイムアウトするまでの10分以内に5分以上の累積歩行時間をカウントとした場合には、屋外と判定し、5分未満であった場合には屋内と判定する。
屋外判定により屋内とされた場合には、ステップS219においてNOと判定されて処理はステップS213に戻る。
屋外判定により屋外とされた場合には、ステップS219においてYESと判定されて処理はステップS220に進む。
このように第3の実施形態の自動時刻補正処理を構成することにより、所定時間以上の累積的な歩行の時間を屋外と判定することができ、当該状況下においてGPS電波の受信を行うことができる。
【0055】
以上のように構成されるGPS受信装置1は、GPS部17と、歩行状態検出部51と、歩行情報記憶部71と、歩行判定部52と、GPS制御部53と、を備える。
GPS部17は、GPS電波を受信する。
歩行状態検出部51は、所定の間隔で連続的に装着者の歩行状態を判定する。
歩行情報記憶部71は、歩行状態検出部51により判定された歩行状態を記憶する。
歩行判定部52は、歩行情報記憶部71に記憶された一連の歩行状態に基づいて、GPS電波を受信可能な状態であるか否かを判定する。
GPS制御部53は、歩行判定部52により受信可能な状態であると判定された場合に、前記GPS電波受信手段にGPS電波の受信をおこなわせる。
これにより、GPS受信装置1においては、歩行状態を判定の判断基準とすることで、昼夜においてもGPSが受信可能か否かを判定することができ、GPS受信不可な状態で受信動作を行うことがないため不要な電力消費をすることなく、確実にGPSを受信し、時刻補正に供することができる。即ち、GPS受信装置1においては、ユーザに意識させることなく、GPS電波受信を受信可能な状態であるかを判定し、受信可能な場合には確実にGPS電波受信を行うことができ、さらには、受信可能でない場合には不要なGPS電波受信を行わないため電力消費を抑えることができる。
【0056】
また、歩行判定部52は、検出された歩行情報記憶部71に記憶された一連の前記歩行状態が所定時間以上連続している歩行の場合に、GPS電波を受信可能な状態であると判定する。
これにより、GPS受信装置1においては、確実に歩行状態を判定することができるようになり、GPS受信不可な状態で受信動作を行うことがないため不要な電力消費をすることなく、確実にGPSを受信し、時刻補正に供することができる。
【0057】
また、歩行判定部52は、一連の前記歩行状態が直線的な歩行であり所定時間以上連続している場合に、GPS電波を受信可能な状態であると判定する。
これにより、GPS受信装置1においては、直線的な移動(進行方位)及び移動時間を判定要素とすることで、確実に歩行状態を判定することができるようになり、GPS受信不可な状態で受信動作を行うことがないため不要な電力消費をすることなく、確実にGPSを受信し、時刻補正に供することができる。
【0058】
また、歩行判定部52は、一定時間内における一連の前記歩行状態の累積歩行時間が所定時間以上である場合に、GPS電波を受信可能な状態であると判定する。
これにより、一定時間内における累積歩行時間を判定要素とすることで、確実に歩行状態を判定することができるようになり、GPS受信不可な状態で受信動作を行うことがないため不要な電力消費をすることなく、確実にGPSを受信し、時刻補正に供することができる。
【0059】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0060】
上述の実施形態では、センサ部16から歩行状態を検出するように構成したが、これに限られず、例えば、歩行状態の情報を、センサ手段を備えた外部機器から取得するように構成することもできる。
【0061】
また、上述の実施形態では、GPS受信機能を搭載した腕時計型端末として構成したが、GPS機能を外部機器に搭載したように構成し、機器同士、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標)) Watch等の通信機能を搭載した時計型端末とGPS−Pod、又はBLE Watch等の通信機能を搭載した時計型端末とGPS搭載端末(例えば、スマートフォン等)との間において、加速度センサ等のセンサ部がいずれかに搭載されていれば、屋外の歩行の推定により同様の機能を実現できる。
【0062】
また、上述の実施形態では、屋外か屋内かを判定できればよく、例えば、屋内と屋外では気圧が異なる特性を利用して、気圧センサ手段での気圧の状態をみて屋内か屋外かを判定するように構成してもよい。
具体的には、GPS受信装置1に設けられる判定手段は、移動方向及び移動時間を歩行状態の判定要素として用いるように構成してもよい。
【0063】
また、上述した実施形態では、屋外の判断要素として、所定の時間以上特定の状態が連続的に続いていることを判断要素としているものがあるが、これに限られず、特定の状態が不連続でも累積的に続きことを判断要素とするように構成することができる。
具体的には、歩行判定部52は、時間を判断要素とする場合には、連続的な時間ではなく累積的な時間を歩行状態の判断要素として用いるように構成する。
【0064】
また、上述の実施形態では、本発明が適用されるGPS受信装置1は、腕時計型端末を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、自動時刻補正処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0065】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がGPS受信装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図2の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0066】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0067】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。記録媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray Disc(ブルーレイディスク)(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図1のROM12や、
図1の記憶部20に含まれるハードディスク等で構成される。
【0068】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0069】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0070】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
GPS電波を受信するGPS電波受信手段と、
所定の間隔で連続的に装着者の歩行状態を判定する歩行状態判定手段と、
前記歩行状態判定手段により判定された歩行状態を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された一連の前記歩行状態に基づいて、GPS電波を受信可能な状態であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により受信可能な状態であると判定された場合に、前記GPS電波受信手段にGPS電波の受信をおこなわせる制御手段と、
を備えることを特徴とするGPS受信装置。
[付記2]
前記判定手段は、一連の前記歩行状態が所定時間以上連続している歩行の場合に、GPS電波を受信可能な状態であると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載のGPS受信装置。
[付記3]
前記判定手段は、一連の前記歩行状態が直線的な歩行であり所定時間以上連続している場合に、GPS電波を受信可能な状態であると判定する、
ことを特徴とする付記2に記載のGPS受信装置。
[付記4]
前記判定手段は、一定時間内における一連の前記歩行状態の累積歩行時間が所定時間以上である場合に、GPS電波を受信可能な状態であると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載のGPS受信装置。
[付記5]
付記1から付記4のいずれか一項に記載のGPS受信装置を備えることを特徴とする電子時計。
[付記6]
GPS受信装置で実行される制御方法であって、
GPS電波を受信するGPS電波受信ステップと、
所定の間隔で連続的に装着者の歩行状態を判定する歩行状態判定ステップと、
前記歩行状態判定ステップにより判定された歩行状態を記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップに記憶された一連の前記歩行状態に基づいて、GPS電波を受信可能な状態であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより受信可能な状態であると判定された場合に、前記GPS電波受信ステップにGPS電波の受信をおこなわせる制御ステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
[付記7]
GPS受信装置を制御するコンピュータを、
GPS電波を受信するGPS電波受信手段、
所定の間隔で連続的に装着者の歩行状態を判定する歩行状態判定手段、
前記歩行状態判定手段により判定された歩行状態を記憶する記憶手段、
前記記憶手段に記憶された一連の前記歩行状態に基づいて、GPS電波を受信可能な状態であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により受信可能な状態であると判定された場合に、前記GPS電波受信手段にGPS電波の受信をおこなわせる制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。