(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2方向において、前記第2コンタクトホールの端部と前記走査線の端部との間隔が、前記第1コンタクトホールの端部と前記走査線の端部との間隔より広いことを特徴とする請求項2または3に記載の電気光学装置。
前記第2コンタクトホールの端部と前記走査線の端部との間隔が、前記第1コンタクトホールの端部と前記走査線の端部との間隔の1.10倍以上、1.50倍以下であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、本発明の実施の形態に係る電気光学装置を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明で参照する図においては、画素電極、走査線、データ線等については、それらの数を少なく表してある。また、液晶パネルの面内方向で互いに交差する第1方向および第2方向のうち、第1方向をX方向とし、第2方向をY方向として説明する。
【0018】
図1は、本発明を適用した電気光学装置の液晶パネルの一形態の説明図であり、
図1(a)、(b)は各々、液晶パネルを対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
図2は、本発明を適用した電気光学装置の液晶パネルの各構成要素の位置関係の一形態を示す説明図である。
【0019】
図1(a)、(b)および
図2に示すように、本形態の電気光学装置100は液晶パネル100pを有している。液晶パネル100pは、素子基板10、素子基板10に対向配置された対向基板20と、素子基板10と対向基板20との間に設けられたシール材107とを有しており、素子基板10と対向基板20とは、所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされている。本形態において、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107では、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤107bにグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されており、ギャップ材107aによって、素子基板10と対向基板20との間隔が規定されている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には、各種液晶材料(電気光学物質)からなる液晶層50(電気光学物質層)が保持されている。本形態において、シール材107には、液晶注入口107cとして利用される途切れ部分が形成されており、かかる液晶注入口107cは、液晶材料の注入後、封止材107dによって封止されている。
【0020】
液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、素子基板10の基板本体である第1基板10w、および対向基板20の基板本体である第2基板20wも四角形である。素子基板10(第1基板10w)は、Y方向(第2方向)で対向する2つの辺10e、10f(端部)と、X方向(第1方向)で対向する2つの辺10g、10h(端部)とを備えている。対向基板20(第2基板20w)は、Y方向で対向する2つの辺20e、20f(端部)と、X方向で対向する2つの辺20g、20h(端部)とを備えている。液晶パネル100pの略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられており、かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられている。表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
【0021】
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10においてY軸方向の一方側に位置する辺10eに沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この辺10eに隣接する他の辺10g、10hの各々に沿って走査線駆動回路104が形成されている。端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して外部制御回路から各種電位や各種信号が入力される。
【0022】
図4等を参照して詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側において、表示領域10aには、第1画素電極9aや、
図3等を参照して後述する第1トランジスター30a等がマトリクス状に配列されている。従って、表示領域10aは、第1画素電極9aがマトリクス状に配列された画素電極配列領域10pとして構成されている。かかる構成の素子基板10において、第1画素電極9aに対して対向基板20側には配向膜16が形成されている。
【0023】
素子基板10の一方面10sの側において、外周領域10cのうち、表示領域10aとシール材107とに挟まれた周辺領域10bには、複数の第2画素電極9bが形成されている、また、第2画素電極9bが配列されている周辺領域10bと素子基板10の辺10e、10f、10g、10hとに挟まれた領域には、複数の第3画素電極9cが形成されている。かかる第3画素電極9cは、シール材107、走査線駆動回路104、およびデータ線駆動回路101と重なる領域に形成されている。第1画素電極9aは、表示に直接寄与する一方、第2画素電極9bおよび第3画素電極9cは表示に直接寄与しないダミー画素電極である。
【0024】
このため、第1画素電極9aが形成されている領域は各々、表示に直接寄与する表示画素100aとして構成されており、後述する第1トランジスター30aが形成されている。第2画素電極9bが形成されている領域は各々、常時、黒表示を行うダミー画素100bとして構成されており、後述する第2トランジスター30bが形成されている。これに対して、第3画素電極9cは、第1基板10wとの間にトランジスター等が形成されておらず、例えば、配向膜16と下地との接触面積を拡張して配向膜16の密着性を高める機能等を担っている。
【0025】
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の表示画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されている。
【0026】
対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21の下層側(素子基板10とは反対側)に遮光層29が形成され、共通電極21の上層側(素子基板10側)には配向膜26が形成されている。遮光層29は、表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されており、遮光層29の内周縁によって表示領域10aが規定されている。また、遮光層29は、隣り合う第1画素電極9aにより挟まれた画素間領域に重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。額縁部分29aは第3画素電極9cと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
【0027】
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極25が形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極25)と対向する位置に基板間導通用電極19が形成されている。本形態において、基板間導通用電極25は、共通電極21の一部からなる。基板間導通用電極19には、共通電位Vcomが印加されている。基板間導通用電極19と基板間導通用電極25との間には基板間導通材19aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極19、基板間導通材19aおよび基板間導通用電極25を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このようにして基板間導通部が形成されており、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられているが、対向基板20の角付近では、基板間導通部105を避けて内側を通るように設けられている。
【0028】
本形態において、電気光学装置100は透過型の電気光学装置であり、第1画素電極9aおよび共通電極21は、ITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成されている。かかる透過型の電気光学装置100では、例えば、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側から出射される間に変調されて画像を表示する。なお、電気光学装置100が反射型の電気光学装置である場合、共通電極21は、ITO膜やIZO膜等の透光性導電膜により形成され、第1画素電極9aは、アルミニウム膜等の反射性導電膜により形成される。かかる反射型の電気光学装置100では、素子基板10および対向基板20のうち、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0029】
電気光学装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、電気光学装置100は、電子ペーパーとして用いることができる。また、電気光学装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター/電子機器)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0030】
(素子基板10の電気的構成)
図3は、本発明を適用した電気光学装置100の素子基板10の電気的構成の一形態を示す説明図であり、
図3(a)、(b)は、素子基板10の回路や配線の平面的なレイアウトを示す説明図、および画素の電気的構成を示す説明図である。なお、以下の説明において、端子102を介して素子基板10に入力される信号名称と信号用の配線とは、同一のアルファベット記号を信号および配線Lの後に各々付与する。例えば、信号名称である「クロック信号CLX」に対して、対応する信号用の配線について「クロック信号線LCLX」とする。また、以下の説明において、端子102を介して素子基板10に入力される信号名称と信号用の端子とは、同一のアルファベット記号を信号および端子Tの後に各々付与する。例えば、信号名称である「クロック信号CLX」に対して、対応する端子102については「端子TCLX」とする。
【0031】
図3(a)、(b)に示すように、電気光学装置100において、素子基板10の中央領域には複数の表示画素100aおよび複数のダミー画素100bがマトリクス状に配列された画素電極配列領域10pが設けられており、かかる画素電極配列領域10pのうち、
図1(b)に示す額縁部分29aの内縁で囲まれた領域が表示領域10aである。素子基板10では、画素電極配列領域10pの内側に、X方向に延在する複数本の走査線3aと、Y方向に延在する複数本のデータ線6aとが形成されており、それらの交点に対応する位置に表示画素100aおよびダミー画素100bが構成されている。
【0032】
複数の表示画素100aの各々には、薄膜トランジスター等の電界効果型トランジスターからなる第1トランジスター30a(画素スイッチング素子)、および第1画素電極9aが形成されている。第1トランジスター30aのソースにはデータ線6aが電気的に接続され、第1トランジスター30aのゲートには走査線3aが電気的に接続され、第1トランジスター30aのドレインには、第1画素電極9aが電気的に接続されている。
【0033】
ダミー画素100bは、表示画素100aと基本的な構成が同一であり、薄膜トランジスター等の電界効果型トランジスターからなる第2トランジスター30b、および第2画素電極9bが形成されている。第2トランジスター30bのソースにはデータ線6aが電気的に接続され、第2トランジスター30bのゲートには走査線3aが電気的に接続され、第2トランジスター30bのドレインには、第2画素電極9bが電気的に接続されている。
【0034】
素子基板10において、画素電極配列領域10pより外側の外周領域10cには、走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路103、基板間導通用電極19、端子102等が構成されており、端子102から走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路103、および基板間導通用電極19に向けて複数の配線が延在している。サンプリング回路103は複数本のデータ線6aに電気的に接続しており、走査線駆動回路104は、複数本の走査線3aに電気的に接続している。
【0035】
表示画素100aおよびダミー画素100bにおいて、第1画素電極9aおよび第2画素電極9bは、
図1を参照して説明した対向基板20に形成された共通電極21と液晶層50を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、表示画素100aおよびダミー画素100bには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量55が付加されている。本形態では、保持容量55を構成するために、複数の表示画素100aおよび複数のダミー画素100bに跨って延びた容量線5aが形成され、かかる容量線5aには電位Vcomが印加されている。なお、電位Vcomとしては、共通電極21に印加される共通電位と同一電位を用いることができる。
【0036】
素子基板10の辺10eに沿って設けられた端子102は、共通電位線用、走査線駆動回路用、画像信号用、およびデータ線駆動回路用の4つの用途に大きく分類される複数の端子群により構成されている。具体的には、端子102は、共通電位線LVcom用として端子TVcomを備え、走査線駆動回路104用として端子TSPY、端子TVSSY、端子TVDDY、端子TCLYおよび端子TCLYINVを備えている。また、端子102は、画像信号VID1〜VID6用として端子TVID1〜TVID6を備え、データ線駆動回路101用として、端子TVSSX、端子TSPX、端子TVDDX、端子TCLX、端子TCLXINV、端子TENB1〜TENB4、および端子TVSSXを備えている。
【0037】
データ線駆動回路101は、シフトレジスタ回路101c、選択回路101b、およびバッファー回路101aを備えている。データ線駆動回路101において、シフトレジスタ回路101cは、外部制御回路から端子102(端子TVSSX、TVDDX)および配線105(配線LVSSX、LVDDX)を介して供給される負電源VSSXおよび正電源VDDXを電源として用い、外部制御回路から端子102(端子TSPX)および配線105(配線LSPX)を介して供給されるスタート信号SPXに基づいて転送動作を開始する。シフトレジスタ回路101cは、端子102(端子TCLX、TCLXINV)、および配線105(配線LCLX、LCLXINV)を介して供給されるクロック信号CLXおよび逆位相クロック信号CLXINVに基づき、転送信号を順次、所定タイミングで選択回路101bへ出力する。選択回路101bは、「イネーブル回路」とも称され、シフトレジスタ回路101cから順次出力される転送信号のパルス幅を、外部制御回路から端子102(端子TENB1〜TENB4)および配線105(配線LENB1〜LENB4)を介して供給されるイネーブル信号ENB1〜ENB4のパルス幅に制限することにより、後述のサンプリング回路103における各サンプリング期間を規定する。より具体的には、選択回路101bは、シフトレジスタ回路101cの各段に対応して設けられたNAND回路およびインバーター等により構成されており、シフトレジスタ回路101cより順次出力される転送信号がハイレベルとされており、かつ、イネーブル信号ENB1〜ENB4のいずれかがハイレベルとされているときにのみデータ線6aが駆動されるように時間軸上における波形の選択制御を行う。バッファー回路101aは、このように波形の選択が行われた転送信号をバッファリングした後、サンプリング回路駆動信号として、サンプリング回路駆動信号線109を介してサンプリング回路103に供給する。
【0038】
サンプリング回路103は、画像信号をサンプリングするためのスイッチング素子108を複数備えて構成されている。本形態において、スイッチング素子108は、TFT等の電界効果型トランジスターからなる。スイッチング素子108のドレインには、データ線6aが電気的に接続され、スイッチング素子108のソースには、配線106を介して配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)が接続されるとともに、スイッチング素子108のゲートには、データ線駆動回路101に接続されたサンプリング回路駆動信号線109が接続されている。そして、端子102(端子TVID1〜VID6)を介して配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)に供給された画像信号VID1〜VID6は、データ線駆動回路101からサンプリング回路駆動信号線109を通じてサンプリング回路駆動信号が供給されるのに応じ、サンプリング回路103によりサンプリングされ、各データ線6aに画像信号S1、S2、S3、・・Snとして供給される。本形態において、画像信号S1、S2、S3、・・Snは、6相にシリアル−パラレル展開された画像信号VID1〜VID6の各々に対応して、6本のデータ線6aの組に対してグループ毎に供給される。なお、画像信号の相展開数に関しては、6相に限られるものでなく、例えば、9相、12相、24相、48相等、複数相に展開された画像信号が、その展開数に対応した数を一組としたデータ線6aの組に対して供給される。
【0039】
走査線駆動回路104は、構成要素としてシフトレジスタ回路およびバッファー回路を備えている。走査線駆動回路104は、外部制御回路から端子102(端子TVSSY、TVDDY)および配線(配線LVSSY、LVDDY)を介して供給される負電源VSSYおよび正電源VDDYを電源として用い、同じく外部制御回路から端子102(端子TSPY)および配線(配線LSPY)を介して供給されるスタート信号SPYに応じて、その内蔵シフトレジスタ回路の転送動作を開始する。また、走査線駆動回路104は、端子102(端子TCLY、TCLYINV)および配線(配線LCLY、LCLYINV)を介して供給されるクロック信号CLYおよび逆位相クロック信号CLYINVに基づいて、所定のタイミングで走査線3aに走査信号をパルス的に線順次で印加する。
【0040】
素子基板10には、4つの基板間導通用電極19を通過するように共通電位線LVcomが形成されており、基板間導通用電極19には、端子102(端子TVcom)および共通電位線LVcomを介して共通電位Vcomが供給される。
【0041】
このように構成した電気光学装置100において、表示画素100aでは、所定の画像信号を第1画素電極9aに印加して表示領域10aで画像を表示する一方、ダミー画素100bの第2画素電極9bには共通電位Vcomを印加してベタの黒表示とする。
【0042】
(表示画素100aの具体的構成)
図4は、本発明を適用した電気光学装置100の表示画素100aの平面構成の一形態を示す説明図であり、素子基板10において隣り合う複数の表示画素100a等の平面構成が示されている。
図5は、本発明を適用した電気光学装置100の表示画素100aの断面構成の一形態を示す説明図であり、
図5(a)、(b)は、表示画素100aのF−F′断面図、およびダミー画素100bのG−G′断面である。
【0043】
図6は、
図4に示す第1トランジスター30a等の平面構成を示す説明図であり、
図6(a)、(b)、(c)は、隣り合う複数の表示画素100aの第1トランジスター30a等の説明図、第1トランジスター30aを拡大して示す平面図、および第2トランジスター30bを拡大して示す平面図である。
図7は、
図4に示す保持容量55等の平面構成を示す説明図である。
図8は、
図4に示すデータ線6a等の平面構成を示す説明図である。
図9は、
図4に示す上側遮光層7a等の平面構成を示す説明図である。
図10は、
図4に示す第1画素電極9a等の平面構成を示す説明図である。
【0044】
なお、
図4、
図6、
図7、
図8、
図9および
図10では、各層を以下の線
走査線3aおよび下側の遮光層3s=太い実線
第1半導体層1a=細くて長い破線
第1ゲート電極8aおよび第2ゲート電極8b=点線
ドレイン電極4a=細い実線
容量線5a=細い二点鎖線
データ線6aおよび中継電極6b=太い一点鎖線
上側遮光層7aおよび中継電極7b=細い一点鎖線
第1画素電極9aおよび第2画素電極9b=太い破線
で示してある。また、
図4、
図6、
図7、
図8、
図9および
図10では、互いの端部が平面視で重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
【0045】
図4〜
図10に示すように、素子基板10(第1基板10w)において対向基板20(第2基板20w)と対向する一方面10sには、複数の表示画素100aの各々に第1画素電極9aが形成されており、隣り合う第1画素電極9aにより挟まれた画素間領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。本形態において、画素間領域は縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域のうち、X方向(第1方向)に延在する第1画素間領域に沿って直線的に延在し、データ線6aは、Y方向(第2方向)に延在する第2画素間領域に沿って直線的に延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して第1トランジスター30aが形成されており、本形態において、第1トランジスター30aは、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。素子基板10には容量線5aが形成されており、かかる容量線5aには共通電位Vcomが印加されている。本形態において、容量線5aは、走査線3aに重なるように延在している。
【0047】
図5(a)に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の第1基板10wの液晶層50側の基板面(対向基板20と対向する一方面10s側)に形成された第1画素電極9a、第1トランジスター30a、および配向膜16を有している。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の第2基板20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面20s)に形成された遮光層29、共通電極21、および配向膜26を有している。
【0048】
素子基板10において、第1基板10wの一方面10s側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる走査線3aが形成されている。本形態において、走査線3aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなり、電気光学装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が第1半導体層1aに入射して第1トランジスター30aで光電流に起因する誤動作が発生することを防止する。
【0049】
第1基板10wの一方面10s側において、走査線3aの上層側(対向基板20の側)には、シリコン酸化膜等の透光性の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面側に、第1半導体層1aを備えた第1トランジスター30aが形成されている。第1トランジスター30aは、データ線6aと重なる位置でデータ線6aの延在方向に長辺方向を向けた第1半導体層1aと、第1半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なる第1ゲート電極8aとを備えている。第1ゲート電極8aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等からなり、本形態において、第1ゲート電極8aは、導電性のポリシリコン膜からなる。第1半導体層1aは、第1ゲート電極8aに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1eおよびドレイン領域1fを備えている。本形態において、第1トランジスター30aは、LDD構造を有している。従って、ソース領域1eおよびドレイン領域1fは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。第1半導体層1aと第1ゲート電極8aとの間には透光性のゲート絶縁層2が形成されている。第1半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、第1半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、温度が700〜900℃の高温条件での減圧CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。
【0050】
図6(a)に示すように、走査線3aは、X方向に直線的に延在した主線部分3a1と、データ線6aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた2つの副線部分3a2、3a3とを備えている。また、走査線3aは、データ線6aとの交差部分には、矩形部3a0を有している。
図6(a)、(b)に示すように、第1ゲート電極8aは、第1半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なる第1帯状部8a1と、第1帯状部8a1の両端からデータ線6aに沿って延在して、第1半導体層1aのX方向の両側に位置する2つの第2帯状部8a2とを有しており、2つの第2帯状部8a2が、ゲート絶縁膜2および絶縁膜12を貫通する2つの第1コンタクトホール12aを介して走査線3aに導通している。
【0051】
再び
図5(a)において、第1ゲート電極8aの上層側(対向基板20の側)には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層には、ドレイン電極4aが形成されている。本形態において、層間絶縁膜41は、シリコン酸化膜からなる。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ドレイン電極4aはチタン窒化膜からなる。ドレイン電極4aは、第1半導体層1aのドレイン領域1f(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してドレイン領域1fに導通している。
【0052】
ドレイン電極4aの上層側(対向基板20の側)には、シリコン酸化膜等からなる透光性の絶縁膜49、および透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には容量線5aが形成されている。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量線5aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線5aは、チタン窒化膜、アルミニウム膜、およびチタン窒化膜との3層構造を有している。ここで、容量線5aは、誘電体層40を介してドレイン電極4aと重なっており、保持容量55を構成している。
【0053】
図7に示すように、容量線5aは、走査線3aに重なってX方向に直線的に延在した主線部分5a1と、データ線6aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた2つの副線部分5a2、5a3とを備えている。また、容量線5aは、データ線6aとの交差部分には、矩形部5a0を有している。また、ドレイン電極4aは、容量線5aに重なってX方向に延在した第1帯状部4a1と、データ線6aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた2つの第2帯状部4a2、4a3とを備えている。また、ドレイン電極4aは、データ線6aとの交差部分には矩形部4a0を有しており、全体が容量線5aと重なっている。
【0054】
再び
図5(a)において、容量線5aの上層側(対向基板20の側)には層間絶縁膜42が形成されており、かかる層間絶縁膜42の上層側(対向基板20の側)には、データ線6aと中継電極6bとが同層に形成されている。層間絶縁膜42はシリコン酸化膜からなる。データ線6aと中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜42、絶縁膜49、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール42aを介してソース領域1e(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。中継電極6bは、層間絶縁膜42および絶縁膜49を貫通するコンタクトホール42bを介してドレイン電極4aに導通している。
【0055】
図8に示すように、データ線6aは、Y方向に直線的に延在し、中継電極6bは、ドレイン電極4aの帯状部4a1と重なる位置に形成されている。
【0056】
再び
図5(a)において、データ線6aおよび中継電極6bの上層側(対向基板20の側)にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜44が形成されており、層間絶縁膜44の表面(対向基板20の側の面)は平坦化されている。かかる層間絶縁膜44の上層側(対向基板20の側)には、上側遮光層7aおよび中継電極7bが同層に形成されている。層間絶縁膜44は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなり、その表面は平坦化されている。上側遮光層7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、上側遮光層7aおよび中継電極7bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。中継電極7bは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。上側遮光層7aは、データ線6aと重なるように延在しており、遮光層として機能している。なお、上側遮光層7aを容量線5aと導通させて、シールド層として利用してもよい。
【0057】
図9に示すように、上側遮光層7aは、データ線6aに重なるように直線的に延在しており、走査線3aと重なる領域に矩形部7a0を有している。中継電極7bは、中継電極6bと重なる位置に形成されている。
【0058】
再び
図5(a)において、上側遮光層7aおよび中継電極7bの上層側(対向基板20の側)には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜45が形成されており、かかる層間絶縁膜45の上層側(対向基板20の側)にはITO膜等からなる第1画素電極9aが形成されている。従って、
図1および
図2を参照して説明した第2画素電極9bおよび第3画素電極9cも、第1画素電極9aと同様、層間絶縁膜45の表面(対向基板20の側面)に形成されている。
【0059】
層間絶縁膜45には、層間絶縁膜45を貫通して中継電極7bまで到達したコンタクトホール45aが形成されており、第1画素電極9aは、コンタクトホール45aを介して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、第1画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域1fに電気的に接続している。層間絶縁膜45は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなる。また、層間絶縁膜45は、NSG(ノンシリケートガラス)からなる下層側の第1絶縁膜と、BSG(ボロンシリケートガラス)からなる上層側の第2絶縁膜との構造を有している場合がある。いずれの場合も、層間絶縁膜45の表面(対向基板20の側の面)は平坦化されている。
【0060】
第1画素電極9aの表面側には、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜16が形成されている。本形態において、配向膜16は、SiO
X(x<2)、SiO
2、TiO
2、MgO、Al
2O
3、In
2O
3、Sb
2O
3、Ta
2O
5等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)からなる。
【0061】
図10に示すように、第1画素電極9aは矩形の平面形状を有している。なお、本形態において、隣り合う第1画素電極9aでは、X方向における間隔がY方向における間隔より広くなっているが、Y方向における間隔がX方向における間隔より広くなっているレイアウトや、X方向における間隔とY方向における間隔とが等しくなっているレイアウト等を採用してもよい。
【0062】
(対向基板20の構成)
再び
図5(a)において、対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の第2基板20w(透光性基板)の液晶層50側の表面(素子基板10に対向する一方面20s)には、遮光層29、シリコン酸化膜等からなる絶縁膜28、およびITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜26が形成されている。本形態において、共通電極21はITO膜からなる。本形態において、配向膜26は、配向膜16と同様、SiO
X(x<2)、SiO
2、TiO
2、MgO、Al
2O
3、In
2O
3、Sb
2O
3、Ta
2O
5等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を傾斜垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。本形態では、配向膜16、26として、各種無機配向膜のうち、シリコン酸化膜(SiO
X)の斜方蒸着膜が用いられている。
【0063】
(ダミー画素100bの構成)
ダミー画素100bは、
図5(b)に示す断面構成を有している。ここで、ダミー画素100bは、表示画素100aと層間絶縁膜41と第1基板10wとの間の構成のみが相違し、他の構成は同様である。従って、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
【0064】
図4〜
図10に示すように、素子基板10(第1基板10w)において対向基板20(第2基板20w)と対向する一方面10sには、複数のダミー画素100bの各々に第2画素電極9bが形成されており、隣り合う第2画素電極9bにより挟まれた画素間領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して第2トランジスター30bが形成されており、本形態において、第2トランジスター30bは、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。
【0065】
ダミー画素100bには、表示画素100aの第1画素電極9aと同層の第2画素電極9bが形成されており、隣り合う第2画素電極9bにより挟まれた画素間領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して第2トランジスター30bが形成されている。
【0066】
図5(b)に示すように、ダミー画素100bが形成されている領域でも、表示画素100aが形成されている領域と同様、走査線3aが形成されている。また、絶縁膜12の表面側には、第1半導体層1aと同層の第2半導体層1bを備えた第2トランジスター30bが形成されている。第2トランジスター30bは、データ線6aと重なる位置でデータ線6aの延在方向に長辺方向を向けた第2半導体層1bと、第2半導体層1bの長さ方向の中央部分に重なる第2ゲート電極8bとを備えており、第2ゲート電極8bは、第1ゲート電極8aと同層である。第2トランジスター30bも、第1トランジスター30aと同様、LDD構造を有している。
【0067】
図6(a)に示すように、ダミー画素100bが形成されている領域でも、表示画素100aが形成されている領域と同様、走査線3aは、X方向に直線的に延在した主線部分3a1と、データ線6aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた2つの副線部分3a2、3a3とを備えている。また、走査線3aは、データ線6aとの交差部分には、矩形部3a0を有している。
図6(a)、(c)に示すように、第2ゲート電極8bは、第1ゲート電極8aと同様、第2半導体層1bの長さ方向の中央部分に重なる第1帯状部8b1と、第1帯状部8b1の両端からデータ線6aに沿って延在して、第2半導体層1bのX方向の両側に位置する2つの第2帯状部8b2とを有しており、2つの第2帯状部8b2が、ゲート絶縁層2および絶縁膜12を貫通する2つの第2コンタクトホール12bを介して走査線3aに導通している。
【0068】
ここで、走査線3aの幅寸法(Y方向の寸法)やデータ線6aの幅寸法(X方向の寸法)等は、ダミー画素100bと表示画素100aとにおいて同一である。また、第1半導体層1aと第2半導体層1bとは平面サイズが同じであり、第1ゲート電極8aと第2ゲート電極8bとは平面サイズが同一である。
【0069】
本形態において、ダミー画素100bには、第2画素電極9bと重なる領域に、走査線3aと同層の遮光層3sが形成されている。本形態において、遮光層3sは、走査線3aおよびデータ線6aとの間に隙間を隔てるように形成されているが、第2画素電極9bのうち、走査線3aおよびデータ線6aと重ならない領域の略全域に重なっている。すなわち、第2画素電極9bは、ダミー画素100bの開口領域の全域に重なっている。ここで、遮光層3sは、走査線3aおよびデータ線6aとの間に数μm程度しか空いていないので、十分な遮光性を有している。また、遮光層3sは、ダミー画素100b毎に分割して形成されているので、製造工程中、遮光層3sの近傍に応力が発生するのを抑制することができる。
【0070】
このように構成した電気光学装置100においては、
図6(b)に示す表示画素100aと、
図6(c)に示すダミー画素100bとを比較すれば分かるように、走査線3aが延在するX方向(走査線3aの延在方向)および走査線3aの延在方向と交差するY方向(走査線3aの幅方向)のうちの少なくとも一方において、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間隔が、第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの端部との間隔より広い。また、第1コンタクトホール12aおよび第2コンタクトホール12bは、X方向の寸法と、Y方向の寸法とが相違しており、X方向およびY方向のうち、第1コンタクトホール12aおよび第2コンタクトホール12bの寸法が大の方向において、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間隔が、第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの端部との間隔より広い。
【0071】
本形態では、第1コンタクトホール12aおよび第2コンタクトホール12bは、Y方向の寸法がX方向の寸法より大であるため、第2コンタクトホール12bのY方向の端部と走査線3aの矩形部3a0のY方向の端部との間隔Gbが、第1コンタクトホール12aのY方向の端部と走査線3aの矩形部3a0のY方向の端部との間隔Gaより広い。
【0072】
すなわち、本形態では、第1ゲート電極8aと第2ゲート電極8bとでは、Y方向の寸法が同一であるため、第2コンタクトホール12bのY方向の寸法が第1コンタクトホール12aのY方向の寸法より小になっている。本形態において、第2コンタクトホール12bのY方向の端部と走査線3aの矩形部3a0のY方向の端部との間隔Gbは、第1コンタクトホール12aのY方向の端部と走査線3aの矩形部3a0のY方向の端部との間隔Gaの1.10倍以上、1.50倍以下である。なお、第1コンタクトホール12aのX方向の寸法は、第2コンタクトホール12bのX方向の寸法と等しい。このため、第1コンタクトホール12aのX方向の端部と走査線3aのX方向の端部との間隔は、第2コンタクトホール12bのX方向の端部と走査線3aのX方向の端部との間隔と等しい。
【0073】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電気光学装置100では、表示領域10aと隣り合う領域に設けられたダミー画素100bに、第2画素電極9bと重なる遮光層3sが設けられている。このため、ダミー画素100bを透過した光が画像の品位を低下させることを防止することができる。
【0074】
また、表示領域10aと隣り合うダミー画素100bにおいては、露光の際、遮光層3sの分布の急激な変化に起因して露光異常が発生し、走査線3aと第2ゲート電極8bとを導通させる第2コンタクトホール12bが設計値より大きくなろうとするが、本形態では、その分を補正するように、設計の段階で、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間隔を広げてある。このため、第2コンタクトホール12bが設計時より大きくなった場合でも、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbが、第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaより広く、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間に十分な間隔を確保することができる。従って、第2コンタクトホール12bと遮光層3sとの間の絶縁膜12(第2コンタクトホール12b中の第2ゲート電極8bと遮光層3sとの間の絶縁膜12)が厚い。このため、製造工程中の熱履歴に起因して、パターンが大きく異なる第2コンタクトホール12b中の第2ゲート電極8bと遮光層3sとの間(遮光層3sの周辺)で応力が発生しても、かかる応力が小さいので、走査線3aにクラックが発生することを抑制することができる。従って、走査線3aの断線が発生しにくいので、走査線3aの断線に起因する不具合の発生を抑制することができる。
【0075】
また、本形態では、第1コンタクトホール12aおよび第2コンタクトホール12bの寸法が大のY方向において、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbが、第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaより広い。このため、露光時の精度低下が発生しても、かかる影響が大きいY方向では、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbが第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaより広くなっているので、露光異常に起因する不具合が発生しにくい。
【0076】
また、本形態において、第1ゲート電極8aおよび第2ゲート電極8bは、平面サイズが等しく、第2コンタクトホール12bの平面サイズを、第1コンタクトホール12aの平面サイズより小とすることにより、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbを第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaより広くしてある。このため、大幅な設計変更を行わなくても、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間隔を広げることができる。
【0077】
また、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbが、第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaの1.10倍以上、1.50倍以下である。すなわち、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbが、第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaの1.50倍以下である。このため、第2コンタクトホール12bを小さくし過ぎると、第2コンタクトホール12bによって第2トランジスター30bへの光の侵入を防止する効果が小さくなるが、上記の条件に設定しておけば、第2トランジスター30bへの光の侵入を防止することができる。それ故、第2トランジスター30bでの光電流に起因する輝点の発生等を防止することができる。
【0078】
また、本形態では、第2コンタクトホール12bの寸法を第1コンタクトホール12aの寸法より小にしたため、第2コンタクトホール12bが設計時より大きくなった場合でも、第2コンタクトホール12bに起因する凹部が小さい。それ故、第1コンタクトホール12aおよび第2コンタクトホール12bの上層側(対向基板20側)に形成される保持容量55への影響が小さい。
【0079】
また、走査線3aと遮光層3sとは同一の層からなるため、走査線3aと遮光層3sとを同時に形成することができる。
【0080】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、表示領域10aに対してX方向で隣り合う領域、および表示領域10aに対してY方向で隣り合う領域のいずれの領域のダミー画素100bにおいても、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbを第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaより広くした。但し、表示領域10aに対してX方向で隣り合う領域、およびY方向で隣り合う領域の一方の領域に設けたダミー画素100bにおいて、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gbを第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの矩形部3a0の端部との間隔Gaより広くしてもよい。また、上記実施の形態では、走査線3aが延在するX方向および走査線3aの延在方向と交差するY方向のうち、Y方向において、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間隔を第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの端部との間隔より広くした。但し、X方向およびY方向の双方において、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間隔を第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの端部との間隔より広くしてもよい。また、第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの端部との間隔が、Y方向よりX方向で狭い場合、X方向のみにおいて、第2コンタクトホール12bの端部と走査線3aの端部との間隔を第1コンタクトホール12aの端部と走査線3aの端部との間隔より広くしてもよい。
【0081】
[電子機器への搭載例]
(投射型表示装置および光学ユニットの構成例)
図11は、本発明を適用した投射型表示装置(電子機器)の概略構成図である。
図11に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119(合成光学系)と、リレー系120とを備えている。
【0082】
光源112は、赤色光R、緑色光G、および青色光Bを含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光Rを透過させるとともに、緑色光G、および青色光Bを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光Gおよび青色光Bのうち青色光Bを透過させるとともに緑色光Gを反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとに分離する色分離光学系を構成する。
【0083】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121および偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を、例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0084】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)、および第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光Rは、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0085】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光Rを変調し、変調した赤色光Rをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0086】
なお、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0087】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光Gを画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。かかる液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)、および第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光Gは、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)は、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光Gを変調し、変調した緑色光Gをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0088】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光Bを画像信号に応じて変調する透過型の電気光学装置である。かかる液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)、および第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光Bは、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0089】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光Bを変調し、変調した青色光Bをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a、および第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0090】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光Bの光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光Bをリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光Bを液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0091】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光Bを反射して緑色光Gを透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光Rを反射して緑色光Gを透過する膜である。従って、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117の各々で変調された赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
【0092】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射トランジスター特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光R、および青色光Bをs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光Gをp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0093】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の電気光学装置に供給するように構成してもよい。
【0094】
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。