(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載の右座標センサユニット及び左座標センサユニットを1つのユニットとして構成して、当該ユニットの構成及び配置を簡略化することが考えられる。
一方、赤外LEDは、発熱体であるが熱に弱い性質を有するため、冷却する必要がある。このことから、赤外LEDに熱伝導可能に接続される放熱部材をそれぞれ設け、当該各放熱部材により、対応する赤外LEDの熱を放熱する構成が考えられる。
そこで、赤外LED等の固体光源と、当該固体光源からの光を平行化する平行化レンズと、平行化された光を拡散させる拡散レンズ(例えばパウエルレンズ)とを有するセンサユニットを複数備える光出射装置とし、平行化レンズに対して固体光源及び拡散レンズを位置調整した上で、当該固体光源とヒートシンクとを熱伝導可能に接続する構成が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記構成では、平行化レンズに対して固体光源を位置調整するため、当該固体光源を把持して位置調整する治具を、当該固体光源の光出射側とは反対側に配置する必要がある。このような構成では、比較的大型のヒートシンクを設けるスペースが十分にないという問題がある。また、各固体光源を位置調整した後に、それぞれの固体光源に対してヒートシンクを接続する必要がある。これらのことから、それぞれの固体光源に個別にヒートシンクを設けなければならず、部品点数が増加する他、冷却効率がそれほど高くないという問題がある。
【0007】
本発明は、光源部の冷却効率を向上できる光出射装置及び光出射装置の製造方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る光出射装置は、それぞれ所定の平面に沿って光を出射して前記所定の平面に沿う光の層を形成する複数の光源部と、前記複数の光源部のそれぞれに熱伝導可能に接続される1つの放熱部材と、前記放熱部材が取り付けられるフレームと、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記第1態様によれば、上記光出射装置は、複数の光源部のそれぞれに熱伝導可能に接続される1つの放熱部材を備える。これによれば、複数の光源部を1つの放熱部材により冷却することができるので、光源部ごとにヒートシンクを設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制できる。また、1つの放熱部材により各光源部で生じた熱を放熱することにより、比較的大きな放熱部材を採用できる。従って、各光源部の冷却効率を向上できる。
【0010】
上記第1態様では、前記複数の光源部は、それぞれ、光を出射する固体光源と、前記固体光源からの光を平行化する平行化レンズと、前記平行化レンズにより平行化された光を拡散させて前記光の層を形成する拡散レンズと、を有し、前記放熱部材は、前記複数の光源部が有する前記固体光源のそれぞれと接続されていることが好ましい。
【0011】
上記第1態様によれば、複数の光源部が有する固体光源のそれぞれが放熱部材と直接接続されている。これによれば、当該固体光源にて発生する熱を効率よく放熱部材に伝導できる。従って、各光源部を効果的に冷却できる。
なお、各固体光源に対して平行化レンズ及び拡散レンズの位置を調整すれば、複数の固体光源の位置を変更することなく、上記光の出射方向を調整できる。このため、各固体光源を把持する治具を、当該各固体光源からの光の出射方向とは反対側に配置する必要がないので、各固体光源に対して光の出射方向とは反対側にスペースを形成できる。この場合、当該スペースに比較的大きな放熱部材を配置できるので、光源部で生じた熱の放熱面積を確実に拡大できる。従って、各光源部の冷却効率を向上できる。
【0012】
上記第1態様では、前記放熱部材は、前記フレームと熱伝導可能に接続されていることが好ましい。
上記第1態様によれば、放熱部材に伝導された光源部の熱を、フレームに伝導させて放熱できる。従って、光源部で生じた熱の放熱面積を更に拡大でき、各光源部の冷却効率を更に向上できる。
【0013】
上記第1態様では、前記複数の光源部は、第1方向を中心として光を拡散させて出射して、前記所定の平面に沿う光の層を形成する第1光源部と、前記第1方向とは異なる第2方向を中心として光を拡散させて出射して、前記所定の平面に沿う光の層を形成する第2光源部と、を含み、前記第1光源部と前記第2光源部とは、前記第1方向の延長線及び前記第2方向の延長線が、前記第1方向とは反対側で、かつ、前記第2方向とは反対側で交差するように配置され、前記放熱部材は、前記第1光源部及び前記第2光源部からの光の出射方向とは反対側の位置に配置されることが好ましい。
【0014】
上記第1態様によれば、第1光源部により形成される光の層と、第2光源部により形成される光の層とにより構成される光の層の面積を拡大できる。
ここで、第1方向と第2方向とは、当該第1方向とは反対側で、かつ、第2方向とは反対側にて交差する。このことから、第1光源部及び第2光源部のそれぞれの光出射側とは反対側には、第1光源部及び第2光源部により挟まれる挟角を有する略三角形状のスペースが生じる。このため、第1光源部及び第2光源部からの光の出射方向とは反対側の位置に配置される放熱部材を、当該スペース内に配置することにより、当該スペースを有効活用でき、光出射装置が大型化することなく、比較的大きな放熱部材を採用できる。従って、第1光源部及び第2光源部のそれぞれの冷却効率を一層向上できる。
【0015】
本発明の第2態様に係る光出射装置の製造方法は、所定の平面に沿う光の層を形成する光出射装置の製造方法であって、前記光出射装置は、前記光の層を形成する光源部と、前記光源部が固定されるフレームと、前記フレームに取り付けられ、前記光源部に熱伝導可能に接続される放熱部材と、を備え、前記光源部は、固体光源と、前記固体光源から入射される光を平行化する平行化レンズと、前記平行化レンズから入射される光を拡散させて出射して前記光の層を形成する拡散レンズと、を有し、当該製造方法は、前記放熱部材に固定された前記固体光源に対して前記平行化レンズを位置調整して固定する平行化レンズ固定工程と、固定された前記平行化レンズに対して、前記拡散レンズを位置調整して固定する拡散レンズ固定工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
上記第2態様によれば、放熱部材に固定された固体光源に対して平行化レンズを位置調整した後、拡散レンズを位置調整するので、固体光源を正確に位置調整する必要がない。すなわち、固体光源に対して放熱部材が設置される側に当該固体光源の位置を調整する治具を配置するスペースを設ける必要がない。このため、固体光源に対して放熱部材が設置されるスペースを拡大できるので、比較的大きな放熱部材を採用できる。従って、光源部の冷却効率が向上された光出射装置を好適に製造できる。
【0017】
上記第2態様では、前記平行化レンズ固定工程の前に実施され、前記フレームに固定された前記放熱部材に前記固体光源を設置する固体光源設置工程を含むことが好ましい。
上記第2態様によれば、固体光源が予め放熱部材に設置された後、各レンズの位置調整がなされるので、平行化レンズ等に対して位置調整された固体光源に放熱部材を取り付ける必要がない。従って、光出射装置の製造工程を簡略化できる。
【0018】
上記第2態様では、前記平行化レンズ固定工程では、前記固体光源が配置される設計上の光軸に対する直交方向への移動により前記平行化レンズの位置を調整し、前記拡散レンズ固定工程では、前記光軸を中心とする回動、前記光軸に直交する回動軸を中心とする回動、及び、前記光軸に対する直交方向への移動の少なくともいずれかにより前記拡散レンズの位置を調整することが好ましい。
【0019】
上記第2態様によれば、平行化レンズの調整は、上記設計上の光軸に対する直交方向への移動のみであるため、平行化レンズの調整を容易に実施できる。また、拡散レンズの調整は、上記光軸を中心とする回動、当該光軸に直交する回動軸を中心とする回動、及び、当該光軸に対する直交方向への移動の少なくともいずれかにより実施される。これによれば、拡散レンズを適切な位置及び向きに確実に調整できる。更に、このような平行化レンズ及び拡散レンズの調整は、設計上の光軸を基準として行われるので、固体光源から出射される光の中心軸に合わせて行う必要がない。このため、当該固体光源が設計上の光軸に対して傾いて配置される場合でも、設計上の光軸を基準として平行化レンズ及び拡散レンズの位置調整を実施できる。従って、各レンズの位置調整を比較的容易に実施できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[画像表示システムの概略構成]
図1は、画像表示システム10の使用状態を示す図である。
本実施形態に係る画像表示システム10は、
図1に示すように、光出射装置1、プロジェクターPJ、スクリーンSC及び画像生成装置GNを備える。
この画像表示システム10では、光出射装置1は、スクリーンSCに沿って光(例えば赤外光)を出射して、当該スクリーンSCの被投射面SC1に沿う光の層を形成する。
また、プロジェクターPJは、画像生成装置GNから受信された画像を上記被投射面SC1に投射して、当該画像を視認可能に表示する。この他、プロジェクターPJは、被投射面SC1において画像が表示される画像表示領域を含む撮像領域を撮像する撮像装置CMを備え、当該撮像装置CMによる撮像画像を画像生成装置GNに送信する。
一方、画像生成装置GNは、上記画像表示領域において、光出射装置1から出射されて使用者の指や指示具により反射された光の反射位置(指や指示具による指示位置)を上記撮像画像に基づいて解析する。そして、画像生成装置GNは、当該解析結果に基づいて上記反射位置を点や線で表した画像を生成し、当該画像をプロジェクターPJに送信する。
これにより、画像表示システム10では、被投射面SC1上での指や指示具による指示位置の軌跡を含む画像が当該被投射面SC1に表示されることとなる。
以下、画像表示システム10の各構成について説明する。
【0022】
光出射装置1は、所定の平面に沿う光の層を形成する機能を有する。
本実施形態では、光出射装置1は、
図1に示すように、スクリーンSCが設置される壁面WSに配設される。そして、当該光出射装置1は、所定の平面である被投射面SC1に沿う領域(相互作用領域LE)内に光の層を形成する。
なお、光出射装置1の具体的な構成については、後に詳述する。
【0023】
[プロジェクターの構成]
プロジェクターPJは、上記壁面WSに固定された天吊り金具Mにより吊り下げられ、天井面RSに近接した位置に設置される。このプロジェクターPJは、内部に設けられた光源装置からの光を変調して、上記画像生成装置GNから受信される画像情報に応じた画像を形成し、形成した画像を上記被投射面SC1に拡大投射する表示装置である。
また、プロジェクターPJは、上記撮像装置CMを備え、当該撮像装置CMによる撮像画像を画像生成装置GNに送信する。この撮像装置CMは、画像生成装置GNと合わせて、上記画像表示領域における上記指示位置を検出する検出装置を構成する。
【0024】
[画像生成装置の構成]
画像生成装置GNは、例えばPC(Personal Computer)等により構成され、プロジェクターPJから送信される撮像画像を取得して、取得された撮像画像における上記光の反射位置を指示位置として検出する検出装置としての機能を有する。なお、撮像画像における画像表示領域の範囲は、キャリブレーションを実行することにより予め把握できる。このため、上記反射位置を検出することにより、被投射面SC1における指示具等による指示位置の座標を取得できる。
また、画像生成装置GNは、取得された指示位置を点や線で表した画像を生成する。なお、生成された画像は、プロジェクターPJに送信される。
【0025】
[光出射装置の構成]
図2は、光出射装置1の外観を示す斜視図である。
光出射装置1は、上記のように、被投射面SC1に沿って光を拡散させて出射し、これにより、上記光の層を形成する。このような光出射装置1は、
図2に示すように、装置本体3(
図5参照)を内部に収納する筐体2を備える。
筐体2は、それぞれ互いに組み合わされるアッパーケース21、ロアーケース22及びカバー23を備え、これらのより形成される天面部2A、底面部2B、正面部2C、背面部2D、左側面部2E、及び右側面部2Fを有する。
【0026】
具体的に、アッパーケース21は、天面部2Aと、正面部2C、背面部2D、左側面部2E及び右側面部2Fのそれぞれの一部とを構成する。
ロアーケース22は、底面部2Bと、正面部2C、背面部2D、左側面部2E、及び右側面部2Fそれぞれの一部とを構成する。
カバー23は、アッパーケース21に取り付けられ、当該アッパーケース21に操作部材として設けられるダイヤル211(
図4及び
図5参照)を被覆する。
【0027】
なお、底面部2Bは、上記壁面WS(
図1参照)に光出射装置1が設置された際に、当該壁面WSと対向する。また、天面部2Aは、底面部2Bとは反対側に位置する。更に、正面部2Cは、後述する光源部5から出射される光の出射方向側に位置しており、光出射装置1が上記壁面WSに設置された際には、スクリーンSC側(被投射面SC1側)を向く。背面部2Dは、当該正面部2Cとは反対側に位置する。そして、天面部2Aが上方に位置するように、正面部2Cと正対した際に、左側面部2Eは左側に位置し、右側面部2Fは右側に位置する。
【0028】
図3は、光出射装置1を底面側から見た図である。
ロアーケース22は、
図2及び
図3に示すように、底面部2B、正面部2C及び左側面部2Eに跨る左側凹部2Gと、底面部2B、正面部2C及び右側面部2Fに跨る右側凹部2Hと、を有する。
左側凹部2G内には、後述する光源部5を構成する第1光源部52L(
図6及ぶ
図7参照)が露出される。そして、第1光源部52Lは、
図3におけるL1方向を中心とする一点鎖線の範囲に、光を拡散させて出射する。
右側凹部2H内には、後述する光源部5を構成する第2光源部52R(
図6及ぶ
図7参照)が露出される。そして、第2光源部52Rは、
図3におけるL2方向を中心とする一点鎖線の範囲に、光を拡散させて出射する。
これら第1光源部52L及び第2光源部52Rにより形成される光の層(それぞれ一点鎖線内に形成される光の層)の一部は互いに重なり、これら光の層により、被投射面SC1(
図1)の全面が当該光の層により覆われる。
【0029】
図4は、カバー23を取り外した状態の光出射装置1を示す斜視図である。
カバー23を取り外すと、
図4に示すように、天面部2Aの一部が露出する。このカバー23により覆われていた天面部2Aの部位には、
図4に示すように、2つのダイヤル211と、2つの凹部212とが配置されている。
【0030】
ダイヤル211(左側面部2E側及び右側面部2F側に位置するダイヤルを、それぞれ211L,211Rとする)は、本体部211Aと、軸部及びギア(ともに図示省略)とを有する。
本体部211Aは、略円筒状に形成され、筐体2外に位置する。この本体部211Aは、ダイヤル211を回動させる際に使用者により把持される部位であり、当該本体部211Aの側面には、凹凸が形成されている。また、軸部の一端は、本体部211Aと接続され、他端には、ギアが固定されている。このため、本体部211Aが軸部を中心として回動されると、当該軸部及びギアも同方向に回動する。このギアには、後述する調整機構8を構成するギア821と噛合する。
凹部212(左側面部2E側及び右側面部2F側に位置する凹部を、それぞれ212L,212Rとする)は、対応するダイヤル211(本体部211A)の周囲に位置し、当該ダイヤル211の回動方向に沿って円弧状に形成されている。これら凹部212は、例えば、本体部211Aを操作する使用者の指の一部を挿入可能な程度の深さに形成されている。
【0031】
[装置本体の構成]
図5は、アッパーケース21を取り外した状態の光出射装置1を示す平面図である。
装置本体3は、
図5に示すように、ライトカーテンユニット4と基板9とを備え、これらはロアーケース22内に配置されている。
これらのうち、基板9は、ロアーケース22内における右側面部2F側に配置され、ライトカーテンユニット4に電力を供給するとともに、当該ライトカーテンユニット4を制御する制御基板である。この基板9とライトカーテンユニット4とは、ケーブル(図示省略)により電気的に接続されている。
【0032】
[ライトカーテンユニットの構成]
図6は、ライトカーテンユニット4の裏面を示す平面図である。
ライトカーテンユニット4は、上記被投射面SC1に沿う光の層を形成する。このライトカーテンユニット4は、光源部5、基板6、支持部材7及び調整機構8を備える。なお、光源部5については、後に詳述する。
基板6は、回路素子が実装された略矩形状の回路基板である。この基板6は、前述の基板9と接続され、当該基板9から入力される制御信号に応じて光源部5を点灯させる。
【0033】
支持部材7は、光源部5及び基板6を支持する他、後述する調整機構8と係合する。この支持部材7は、天面部2A側から見て、正面部2C側の端部7Cが背面部2D側の端部7Dより幅広の略T字状に形成されている。
この支持部材7における略中央には、後述する光源部5が嵌め込まれる開口部(図示省略)が形成されている。また、端部7Cの略中央には基板6が固定され、当該端部7Cの両端(上記左側面部2E側及び右側面部2F側の端部)には、後述する調整機構8の第1調整機構82L及び第2調整機構82Rが配置される。
このような支持部材7における端部7D側の位置には、天面部2A側に突出する支点部(図示省略)が突設されている。この支点部は、後述する調整機構8により、支持部材7が傾斜する際の支点となる部位である。
【0034】
[調整機構の構成]
調整機構8は、支持部材7の上記被投射面SC1に対する傾きを調整し、ひいては、当該支持部材7に配置された光源部5による光の出射方向(被投射面SC1に対する光の層の傾き)を調整する。この調整機構8は、
図5及び
図6に示すように、固定部材81と、第1調整機構82L及び第2調整機構82Rとを有する。
これらのうち、固定部材81は、平面視略U字状に形成された板体であり、上記支持部材7の端部7C側の一部を覆うように設けられる。この固定部材81は、当該支持部材7とは独立してロアーケース22の内面に固定される。
【0035】
第1調整機構82L及び第2調整機構82Rは、それぞれ、ギア821、軸部材822(
図6)、移動部材823(
図6)及び付勢部材(図示省略)を備える。
ギア821は、上記固定部材81に対して天面部2A側に配置される。このギア821は、対応する上記ダイヤル211のギアと噛合する。
軸部材822の一端は、ギア821の中央にねじ固定されている。この軸部材822の側面には、当該軸部材822の中心軸に沿う螺旋状のねじ山(図示省略)が形成されており、当該ねじ山には、移動部材823が螺合する。
【0036】
移動部材823は、当該軸部材822の他端側に取り付けられている。具体的に、移動部材823の中央には孔が形成されており、当該孔の内面には、上記ねじ山と螺合するねじ溝が形成されている。このような移動部材823は、上記支持部材7に対して底面部2B側にて当該支持部材7に固定されている。
付勢部材は、固定部材81と支持部材7との間に配置されている。そして、付勢部材は、支持部材7を移動部材823に付勢する付勢力を作用させる。このような付勢部材は、本実施形態では圧縮コイルばねにより構成され、一端が固定部材81と当接し、他端が支持部材7と当接している。しかしながら、付勢部材の構成はコイルばねに限らず、他の構成でもよい。
【0037】
このような調整機構8では、例えば、ダイヤル211Lの本体部211A(
図4参照)が当該ダイヤル211Lの回動方向のうち一方に回動されると、当該ダイヤル211Lのギア(図示省略)と噛合する第1調整機構82Lのギア821が、ダイヤル211Lとは反対方向に回動する。ギア821が回動すると、軸部材822が同方向に回動するが、当該軸部材822に取り付けられた移動部材823は、支持部材7に固定されている。このため、軸部材822の回動に応じて、移動部材823及び当該移動部材823側に付勢された支持部材7は、当該軸部材822の中心軸に沿って天面部2A側に移動する。逆に、上記本体部211Aが、ダイヤル211Lの回動方向のうち他方に回動されると、ギア821及び軸部材822は、上記とは反対方向に回動し、これにより、移動部材823及び支持部材7は、軸部材822の中心軸に沿って底面部2B側に移動する。
【0038】
このようなダイヤル211L及び第1調整機構82Lにより、支持部材7における左側面部2E側の端部の傾き(被投射面SC1に対する傾き)が調整される。
なお、ダイヤル211Rが回動された場合も同様に、支持部材7は、第2調整機構82Rを構成する軸部材822の中心軸に沿って天面部2A側及び底面部2B側に移動し、支持部材7における右側面部2F側の端部の傾き(被投射面SC1に対する傾き)が調整される。
このようにして支持部材7の傾きが調整されることにより、当該支持部材7に固定された光源部5からの光の出射方向(被投射面SC1に対する光の層の傾き)が調整される。
【0039】
[光源部の構成]
図7は、光源部5を底面部2B側から見た斜視図であり、
図8は、第1光源部52Lを分解した光源部5の分解斜視図である。
光源部5は、光を出射して上記光の層を形成する。この光源部5は、
図6〜
図8に示すように、フレーム51と、第1光源部52L及び第2光源部52Rと、放熱部材53と、を有する。
【0040】
[フレームの構成]
フレーム51は、上記支持部材7に固定される略L字状の板体である。このフレーム51には、放熱部材53を支持部材7に固定するねじが挿通する孔部(図示省略)が複数箇所に形成されている。このようなフレーム51に対して、放熱部材53は、背面部2D側に配置され、当該フレーム51と放熱部材53とは熱伝導可能に接続される。
【0041】
[第1光源部及び第2光源部の構成]
第1光源部52L及び第2光源部52Rは、
図3及び
図6に示したように、それぞれ異なる方向であるL1方向及びL2方向を中心として光を拡散させて出射する。これら第1光源部52L及び第2光源部52Rは、L1方向の延長線とL2方向の延長線とが当該L1方向とは反対側で、かつ、L2方向とは反対側で交差するように配置される。
これらのうち、第1光源部52Lは、
図8に示すように、固体光源521、平行化レンズ522、拡散レンズ523、第1保持枠524及び第2保持枠525を有する。なお、第2光源部52Rも第1光源部52Lと同様に上記構成521〜525を有する。このため、以下では、第1光源部52Lについて説明し、第2光源部52Rについては説明を省略する。
【0042】
固体光源521は、赤外光を出射する。本実施形態では、固体光源521は、LD(Laser Diode)としているが、他の固体光源であってもよい。
平行化レンズ522は、固体光源521から入射される光を平行化する。
拡散レンズ523は、平行化レンズ522から入射される平行光を所定範囲に均等に拡散させて出射するレーザーラインジェネレーターレンズ(いわゆる、パウエルレンズ)である。
【0043】
第1保持枠524は、平行化レンズ522を保持した状態で、後述する放熱部材53の第1支持部53Lに取り付けられる。この第1保持枠524は、
図8に示すように、嵌合部5241と、固体光源521側に突出する突出部5242と、複数の孔部5243と、拡散レンズ523側に突出する筒状部5244及び一対の突出部5245と、を有する。
嵌合部5241は、第1保持枠524を貫通する略円形状の孔により構成されている。この嵌合部5241には、上記平行化レンズ522が嵌合される。
突出部5242は、略円筒状に形成されており、第1光源部52Lが第1支持部53Lに取り付けられる際に、当該第1支持部53Lの固体光源配置部531内に挿入される。
【0044】
複数の孔部5243には、第1保持枠524が第1支持部53Lに取り付けられる際に、保持枠支持部532が挿入される。
筒状部5244は、嵌合部5241の周囲に、拡散レンズ523側から見て円の一部を切り欠いた形状に形成されている。この筒状部5244には、第1光源部52Lが組み合わされる際に、第2保持枠525の一部が挿入される。
一対の突出部5245は、筒状部5244を挟む位置に形成されている。これら突出部5245は、第1光源部52Lが組み合わされる際に、第2保持枠525に挿入される。
【0045】
第2保持枠525は、拡散レンズ523を保持した状態で、第1保持枠524に取り付けられる。この第2保持枠525は、嵌合部5251、突出部5252及び一対の凹部5253を有する。
嵌合部5251は、第2保持枠525を貫通するように形成されている。この嵌合部5251には、上記拡散レンズ523が嵌合される。
突出部5252は、上記筒状部5244に応じた形状に形成されており、第2保持枠525が第1保持枠524に取り付けられる際に、当該筒状部5244内に挿入される。
一対の凹部5253は、突出部5252を挟む位置に形成されている。この一対の凹部5253には、第2保持枠525が第1保持枠524に取り付けられる際に、上記一対の突出部5245が挿入される。
【0046】
[放熱部材の構成]
放熱部材53は、第1光源部52L及び第2光源部52Rの光出射側に配置される。この放熱部材53は、底面部2B側から見て略等脚台形状に形成されており、当該台形状の上底部分及び斜辺部分(上底及び下底におけるそれぞれ同じ側の端部間を接続する辺の部分)がフレーム51と重なるように配置される。
このような放熱部材53は、第1光源部52L及び第2光源部52Rを支持する。また、放熱部材53は、これら各光源部52L,52Rを構成する固体光源521、及び、フレーム51と熱伝導可能に接続され、当該固体光源521にて生じた熱を放熱する。この放熱部材53は、本実施形態では、熱伝導性のよい金属により形成された、いわゆるヒートシンクであり、天面部2A側及び底面部2B側のそれぞれに突出する複数のフィン53Aを有する。
【0047】
このような放熱部材53は、
図7及び
図8に示すように、上記等脚台形の斜辺部分に対応する部位のうち、左側面部2E側の斜辺部分に位置する第1支持部53Lと、右側面部2F側の斜辺部分に位置する第2支持部53Rと、を有する。これらのうち、第1支持部53Lは第1光源部52Lを支持する部位であり、第2支持部53Rは第2光源部52Rを支持する部位である。
【0048】
第1支持部53Lは、
図8に示すように、固体光源配置部531及び保持枠支持部532を有する。
固体光源配置部531は、第1支持部53Lにおける略中央に位置する凹部であり、当該凹部の底に、第1光源部52Lの固体光源521が光出射方向を外側に向けるようにして配置される。なお、放熱部材53には、固体光源配置部531と接続され、当該固体光源配置部531内に配置された固体光源521の光出射方向とは反対方向に延出する凹部53Bが形成されている。この凹部53B内には、当該固体光源521から延びる電極線が配置される。
【0049】
保持枠支持部532は、第1支持部53Lから突出する4つの突出部である。これら保持枠支持部532は、それぞれ第1支持部53Lに沿う面が長方形状に形成されている。そして、当該保持枠支持部532のうち、第1支持部53Lにおける左側及び右側に位置する2つの保持枠支持部532は、当該長方形の長辺方向が上下方向(天面部2A及び底面部2B間を接続する方向)に沿うように配置され、他の2つの保持枠支持部532は、当該長方形の長辺方向が左右方向(左側面部2E及び右側面部2F間を接続する方向)に沿うように配置される。すなわち、保持枠支持部532のうち、少なくともいずれかは、他とは異なる方向に長手方向が沿っている。これら保持枠支持部532は、上記孔部5243に挿入され、これにより、第1保持枠524が第1支持部53Lに支持される。
なお、図示を省略するが、第2支持部53Rも第1支持部53Lと同様に、固体光源配置部531及び保持枠支持部532を有する。そして、当該固体光源配置部531内には、第2光源部52Rの固体光源521が配置され、保持枠支持部532は、第2光源部52Rを構成する第1保持枠524を支持する。
【0050】
[光出射装置の製造方法(平行化レンズ及び拡散レンズの位置調整方法)]
図9は、第1光源部52Lの構成を示す模式図である。なお、以下の図及び説明において、設計上の光軸AXに沿い、かつ、固体光源521から出射される光が進行する方向をZ方向とし、Z方向と直交し、かつ、互いに直交する方向をX方向及びY方向とする。
上記光出射装置1を製造する際には、上記第1光源部52L及び第2光源部52Rを構成する固体光源521、平行化レンズ522及び拡散レンズ523の位置を合わせる必要がある。このため、光出射装置1の製造工程には、放熱部材53に対して固体光源521を設置する固体光源設置工程の他、以下に示す平行化レンズ固定工程及び拡散レンズ固定工程が含まれる。
【0051】
図10は、平行化レンズ522の位置を調整する前の状態を示す模式図である。
平行化レンズ固定工程では、固体光源設置工程にて固体光源配置部531への固体光源521の配置及び固定が行われた後、平行化レンズ522の位置を調整した上で、当該平行化レンズ522を固定する。
ここで、第1光源部52Lを組み立てる際に、固体光源521は、
図10に示すように、設計上の光軸AXに対して傾いた状態で固定される場合がある。このような場合、上記光軸AXに直交する面(XY平面)内において、固体光源521から出射された光のうち中心軸C1の光が平行化レンズ522を介して入射される位置(入射位置)は、上記光軸AXからずれる。このように当該入射位置が上記光軸AXからずれると、固体光源521から出射された光が拡散レンズ523に適切に入射されなくなる。
【0052】
図11は、平行化レンズ522を位置調整した後の状態を示す模式図である。
これに対し、
図11に示すように、平行化レンズ固定工程では、上記光軸AXに対する直交方向(すなわちXY平面に沿う方向)に平行化レンズ522を移動させて、上記入射位置を調整する。また、必要に応じて、設計上の光軸AXに沿う方向(すなわちZ方向)に平行化レンズ522を移動させて、上記入射位置を調整する。このような平行化レンズ522の位置調整及び固定は、第1保持枠524を把持する治具を用いて行われる。
このような平行化レンズ固定工程により、固体光源521が上記光軸AXに対して傾いて固定された場合でも、上記入射位置を当該光軸AXと合わせることができる。
なお、第1保持枠524の第1支持部53Lへの固定は、紫外線硬化接着剤等の各種接着剤による接着固定で行われる。しかしながら、これに限らず、他の方法により固定してもよい。
【0053】
図12は、拡散レンズ523を位置調整した後の状態を示す模式図である。
上記平行化レンズ固定工程の後に実施される拡散レンズ固定工程では、上記光軸AXに対して拡散レンズ523の位置を調整した上で固定する。
ここで、いわゆるパウエルレンズにより構成された拡散レンズ523は、
図12に示すように、平行化レンズ522側の端部、すなわち、光入射側の端部に、2つの傾斜面5231,5232が交差するエッジ5233を有する。このエッジ5233に適切に光が入射されないと、当該光を適切な範囲に拡散させて出射することが困難となる。
また、上記光軸AXに対して拡散レンズ523が適切な向きに設定されていないと、所定の平面(例えば被投射面SC1)に沿う光の層を形成することが困難となる。
【0054】
このため、上記光軸AXを中心とする回動、及び、当該光軸AXに直交する回動軸を中心とする回動の他、光軸AXに沿う方向への移動、及び、当該光軸AXに対する直交方向への移動を実施することにより、拡散レンズ523の位置を調整した後、当該拡散レンズ523を固定する。なお、上記入射位置に拡散レンズ523が位置していれば、上記光軸AXを中心とする回動、当該光軸AXに直交する回動軸を中心とする回動、及び、当該光軸AXに対する直交方向への移動により、拡散して出射される光の層が上記所定の平面に沿うように拡散レンズ523の位置を調整することが可能である。
このような拡散レンズ523の位置調整は、当該拡散レンズ523を保持する第2保持枠525を、平行化レンズ522を把持していた治具に把持させ、当該治具を回動及び移動させることにより実施できる。
また、第1保持枠524への第2保持枠525の固定は、紫外線硬化接着剤等の各種接着剤による接着固定で行われる。しかしながら、これに限らず、他の方法により固定してもよい。
【0055】
以上のように、平行化レンズ522及び拡散レンズ523を治具等により調整して固定することで、設計上の光軸AXに対して傾いた状態で固体光源521が放熱部材53に固定された場合でも、当該固体光源521のずれを吸収でき、適切な方向に光を拡散して出射する第1光源部52Lを構成できる。
なお、第2光源部52Rは、上記のように、第1光源部52Lと同様の構成を有する。このことから、当該第2光源部52Rにおいても、上記固体光源設置工程、平行化レンズ固定工程及び拡散レンズ固定工程を経ることにより、当該第2光源部52Rを組み立てることができる。
【0056】
以上、説明した画像表示システム10によれば、以下次の効果がある。
光出射装置1は、第1光源部52L及び第2光源部52Rのそれぞれに熱伝導可能に接続される1つの放熱部材53を備える。これによれば、各光源部52L,52Rごとに放熱部材をそれぞれ設ける場合に比べて、部品点数の増加を抑制できる。また、1つの放熱部材53により各光源部52L,52Rで生じた熱を放熱することにより、比較的大きな放熱部材53を採用できる。従って、各光源部52L,52Rの冷却効率を向上できる。
【0057】
第1光源部52L及び第2光源部52Rのそれぞれが有する固体光源521は、放熱部材53と直接接続されている。これによれば、各固体光源521にて発生する熱を効率よく放熱部材53に伝導できる。従って、各光源部52L,52Rを効果的に冷却できる。
【0058】
放熱部材53は、フレーム51に熱伝導可能に接続されている。これによれば、放熱部材53に伝導された各光源部52L,52Rの熱を、フレーム51に伝導させて放熱できる。従って、各光源部52L,52Rで生じた熱の放熱面積を更に拡大でき、当該光源部52L,52Rの冷却効率を更に向上できる。
【0059】
光出射装置1は、L1方向を中心として光を拡散させて出射して被投射面SC1に沿う光の層を形成する第1光源部52Lと、当該L1方向とは異なるL2方向を中心として光を拡散させて出射して被投射面SC1に沿う光の層を形成する第2光源部52Rと、を備える。これによれば、形成される光の層の面積を拡大できる。
また、L1方向とL2方向とは、
図3及び
図6に示したように、L1方向とは反対側で、かつ、L2方向とは反対側にて交差する。このことから、
図6に示したように、第1光源部52L及び第2光源部52Rのそれぞれの光出射側とは反対側には、第1光源部52L及び第2光源部52Rにより挟まれる挟角を有する略三角形状のスペースが生じる。このスペース内に放熱部材53を配置することにより、当該スペースを有効活用でき、光出射装置1が大型化することなく、比較的大きな放熱部材53を採用できる。従って、第1光源部52L及び第2光源部52Rのそれぞれの冷却効率をより向上できる。
【0060】
また、上記光出射装置1の製造工程では、放熱部材53に固定された固体光源521に対して平行化レンズ522を位置調整した後、拡散レンズ523を位置調整する。これによれば、設計上の光軸AXに対して固体光源521を正確に位置調整する必要がない。すなわち、固体光源521に対して放熱部材53が設置される側(光出射側とは反対側)に当該固体光源521の位置を調整する治具を配置するスペースを設ける必要がない。このため、固体光源521に対して放熱部材53が設置されるスペースを拡大できるので、比較的大きな放熱部材53を採用できる。従って、各光源部52L,52Rの冷却効率が向上された光出射装置1を好適に製造できる。
【0061】
上記製造工程では、上記平行化レンズ固定工程が実施される前に、放熱部材53が有する固体光源配置部531内に固体光源521を固定する固体光源設置工程が実施される。これによれば、固体光源が予め放熱部材に設置された後、各レンズ522,523の位置が調整されるので、平行化レンズ522等に対して位置調整された固体光源521に放熱部材53を取り付ける必要がない。従って、光出射装置1の製造工程を簡略化できる。
【0062】
平行化レンズ522の調整は、上記設計上の光軸AXに対する直交方向への移動のみであるため、当該調整を容易に実施できる。また、拡散レンズ523の調整は、当該光軸AXを中心とする回動、当該光軸AXに直交する回動軸を中心とする回動、及び、当該光軸AXに対する直交方向への移動の少なくともいずれかにより実施される。これによれば、拡散レンズ523を適切な位置及び向きに確実に調整できる。
更に、このような平行化レンズ522及び拡散レンズ523の調整は、設計上の光軸AXを基準として行われるので、固体光源521から出射される光の中心軸C1に合わせて行う必要がない。このため、固体光源521が当該光軸AXに対して傾いて配置される場合でも、当該光軸AXを基準として平行化レンズ522及び拡散レンズ523を適切に調整できる。従って、各レンズ522,523の調整操作を比較的容易に実施できる。
【0063】
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、光出射装置1は、第1光源部52L及び第2光源部52Rを有し、これら各光源部52L,52Rは、放熱部材53に熱伝導可能に接続されていた。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、1つの放熱部材53に熱伝導可能に接続される光源部の数は、適宜変更可能である。
【0064】
上記実施形態では、第1光源部52L及び第2光源部52Rは、それぞれ、固体光源521、平行化レンズ522及び拡散レンズ523を有するとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、他の光学部品が含まれていてもよい。
また、放熱部材53は、各固体光源521と熱伝導可能に接続されているとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、固体光源521と放熱部材53との間に、他の部材が設けられていてもよい。すなわち、固体光源521で発生した熱が放熱部材53に伝導可能であればよく、例えば、固体光源521がフレーム51に固定されていてもよい。更に、放熱部材53は、フレーム51に固定されていなくてもよい。なお、各光源部52R,52Lが放熱部材53に固定され、当該放熱部材53がフレーム51に固定される構成であれば、光源部5を一体化できる。
【0065】
上記実施形態では、第1光源部52L及び第2光源部52Rは、それぞれ異なる方向であるL1方向及びL2方向を中心として光を拡散させて出射するとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、各光源部52L,52Rによる光の出射方向は、適宜変更可能である。例えば、各光源部からの光の出射方向が、各光源部における光出射側にて交差するように、当該各光源部を配置してもよい。更に、それぞれ同じ方向に光を出射するように、各光源部が配置されていてもよい。
【0066】
上記実施形態では、平行化レンズ固定工程では、設計上の光軸AXに対する直交方向に平行化レンズ522を移動させることで、当該平行化レンズ522の位置を調整するとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、当該光軸AXに沿って平行化レンズ522を移動させてもよく、当該光軸AXに直交する回動軸を中心として回動させてもよい。更に、平行化レンズ522は、固体光源521から出射される光の中心軸に対して位置調整してもよく、拡散レンズ523も、当該中心軸或いは平行化レンズ522から出射された光の中心軸に対して位置調整してもよい。
【0067】
上記実施形態では、フレーム51は略L字形状を有するとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、平面視略U字形状等、他の形状を有していてもよい。すなわち、第1光源部52L及び第2光源部52Rからの光の出射方向とは反対側に放熱部材53を配置するスペースが設けられれば、どのような形状であってもよい。更に、フレーム51を平板状に形成し、当該フレーム51における底面部2B側に放熱部材53を配置する構成としてもよい。加えて、各光源部52L,52R及び放熱部材53を、フレーム51における天面部2A側に配置してもよい。
【0068】
上記実施形態では、筐体2は、ダイヤル211を被覆するカバー23を備えるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、ダイヤル211を不用意に操作することを防止できれば、どのような構成であってもよい。例えば、被投射面SC1に対する光出射装置1により形成される光の層の傾きを調整した後、ダイヤル211を固定するロック機構を設けてもよい。
上記実施形態では、固体光源521は、赤外光を出射する構成としたが、本発明はこれに限らない。すなわち、所定波長域の光であればよい。
上記実施形態では、ライトカーテンユニット4は、調整機構8を備えることとしたが、調整機構8とは異なる機構を用いて、光源部5から出射される光の出射角度を調整するようにしてもよい。また、調整機構8はなくてもよい。
【0069】
上記実施形態では、画像表示システム10における撮像装置CMは、プロジェクターPJに設けられているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、プロジェクターPJと撮像装置CMとは別体であってもよい。
また、画像生成装置GNは、当該撮像装置CMによる撮像画像に基づいて、指示具等による使用者の指示位置を検出するとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、撮像装置CMが、プロジェクターPJによる被投射面SC1における指示位置を検出し、当該被投射面SC1における画像表示領域内の指示位置の座標を解析し、当該座標を画像生成装置GNに送信する構成としてもよい。
更に、画像表示システム10では、表示装置としてプロジェクターPJを備え、当該プロジェクターPJにより画像が投射及び表示されるスクリーンSCの被投射面SC1を、本発明の所定の平面とした。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、プロジェクターPJ及びスクリーンSCに代えて、液晶、プラズマ及び有機EL(Electro-Luminescence)等の各種ディスプレイを採用してもよい。この場合、当該ディスプレイの表示面を、本発明の所定の平面とすればよい。