(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該プログラムは、前記差出人情報と名前が一致し且つ住所が相違する前記アドレス情報が存在することに応じて、当該アドレス情報の住所を前記差出人情報の住所で上書きし、且つ当該アドレス情報に対応づけられた前記処理情報に前記第2の値を設定する請求項1に記載のプログラム。
該プログラムは、前記差出人情報と一致する前記アドレス情報が存在しないことに応じて、当該差出人情報で示される名前及び住所を前記アドレス情報として前記記憶装置に記憶させ、当該差出人情報又は当該アドレス情報で示される名前及び住所を前記第2記録紙の宛先を示す画像として前記記録装置に記録させる請求項1又は2に記載のプログラム。
該プログラムは、前記宛先情報と名前が一致し且つ住所が相違する前記アドレス情報に対応づけられた前記処理情報が前記第2の値であることに応じて、前記記録させる処理において、当該アドレス情報で示される名前及び住所を前記第2記録紙の宛先を示す画像として前記記録装置に記録させる請求項5に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0011】
図1は、本実施形態における情報処理システム100の概略図である。
図1に示される情報処理システム100は、複合機10と、情報処理装置50とで構成されている。複合機10及び情報処理装置50は、通信ネットワーク102を介して相互に通信可能とされている。通信ネットワーク102の具体例は特に限定されないが、例えば、有線LAN(Local Area Networkの略)、無線LAN、WAN(Wide Area Networkの略)、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
【0012】
[複合機10]
複合機10は、
図1に示されるように、プリンタ部11と、スキャナ部12と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、CPU27と、記憶部28と、通信バス29とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス29を介して相互に接続されている。複合機10は、画像処理装置或いは情報処理装置の一例である。
【0013】
プリンタ部11は、外部装置から取得した画像データで示される画像を記録用紙に記録するプリント処理を実行する。プリンタ部11のプリント方式は特に限定されないが、例えば、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。プリンタ部11は、記録装置或いは記録部の一例である。スキャナ部12は、記録用紙に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン処理を実行する。スキャナ部12は、読取装置或いは読取部の一例である。また、複合機10は、スキャナ部12で生成された画像データで示される画像をプリンタ部11で記録用紙に記録するコピー機能、或いはFAXの送受信を行うFAX機能等をさらに有していてもよい。
【0014】
[表示部23]
表示部23は、各種情報を表示する表示画面を備える。表示部23の具体的な構成は特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。表示部23は、表示装置の一例である。
【0015】
[操作部24]
操作部24は、表示部23の表示画面に表示されたオブジェクトを選択するユーザの操作を検知する。具体的には、操作部24は、例えば押ボタンを有しており、押下された押ボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU27へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されてもよい。タッチセンサには、静電容量方式、抵抗膜方式等の周知の方式を採用することができる。
【0016】
なお、「オブジェクト」とは、ユーザが操作部24を操作することによって選択可能な画像を指す。一例として、オブジェクトは表示部23に表示された文字列であって、操作部24の方向キーを押下することによってオブジェクトの1つがハイライト表示され、操作部24の決定ボタンを押下することによってハイライト表示されたオブジェクトが選択されてもよい。他の例として、操作部24がタッチパネルである場合のオブジェクトは表示部23に表示されたアイコン、ボタン、リンク等であって、タッチ位置に表示されたオブジェクトが選択されてもよい。
【0017】
[通信部25]
通信部25は、通信ネットワーク102を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機10は、通信部25を通じて情報処理装置50に各種データ又は各種情報を出力し、通信部25を通じて情報処理装置50から各種データ又は各種情報を取得する。
【0018】
[CPU27]
CPU(Central Processing Unitの略)27は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU27は、操作部24から出力される操作信号、及び通信部25を通じて情報処理装置50から取得した各種情報或いは各種データ等に基づいて、後述する各種プログラムを記憶部28から取得して実行する。すなわち、CPU27及び記憶部28は、制御部の一例を構成する。
【0019】
[記憶部28]
記憶部28は、プログラム記憶領域28Aと、データ記憶領域28Bとを有する。プログラム記憶領域28Aには、OS(Operating Systemの略)30と、画像処理プログラム31とが格納される。なお、画像処理プログラム31は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。後述する情報処理プログラム61についても同様である。データ記憶領域28Bには、画像処理プログラム31の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。
【0020】
なお、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
【0021】
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32”というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10”というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
【0022】
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
【0023】
記憶部28は、例えば、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memoryの略)、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU27が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。なお、記憶部28は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、non−transitoryな媒体には含まれない。
【0024】
プログラム記憶領域28Aに記憶されているプログラムは、CPU27によって実行される。しかしながら、本明細書では、CPU27を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムAが処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「CPU27がプログラムAに記述された処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する情報処理装置50についても同様である。
【0025】
OS30は、複合機10を構成するハードウェアであるプリンタ部11、スキャナ部12、表示部23、操作部24、及び通信部25等を制御するためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供する基本プログラムである。すなわち、上記の各プログラムは、OS30が提供するAPIを呼び出すことによって、各ハードウェアを制御する。しかしながら、本明細書では、OS30を省略して各プログラムの動作を説明する。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記述は、「プログラムBがOS30のAPIを通じてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。後述する情報処理装置50についても同様である。
【0026】
[情報処理装置50]
情報処理装置50は、
図1に示されるように、表示部53と、操作部54と、通信部55と、CPU57と、記憶部58と、通信バス59とを主に備える。情報処理装置50に含まれる表示部53、操作部54、通信部55、CPU57、記憶部58、及び通信バス59は、複合機10に含まれる表示部23、操作部24、通信部25、CPU27、記憶部28、及び通信バス29と共通するので、再度の説明は省略する。但し、記憶部58のプログラム記憶領域58Aには、OS60と、情報処理プログラム61とが格納されている。情報処理装置50は、例えば、PC(Personal Computerの略)、スマートフォン、或いはタブレット端末等であってもよい。
【0027】
情報処理装置50のデータ記憶領域58Bには、例えば
図2(A)に示されるように、情報処理装置50のユーザの名前及び住所を示す本人情報が記憶されている。本人情報は、例えば、情報処理装置50のユーザによって登録される。また、データ記憶領域58Bには、例えば
図2(B)に示されるように、識別子と、アドレス情報と、処理情報とが互いに対応づけられて記憶されている。識別子は、
図2(B)に示される各レコードを識別するための情報である。すなわち、本実施形態におけるデータ記憶領域58Bには、互いに対応づけられた上記の各情報が複数セット記憶されている。
【0028】
アドレス情報とは、人を特定するための情報であって、名前及び住所を少なくとも含む。すなわち、上述の本人情報もアドレス情報の一例である。但し、アドレス情報に含まれる情報はこれに限定されず、例えば、郵便番号、電話番号、或いはメールアドレス等をアドレス情報に含めてもよい。アドレス情報は、情報処理装置50のユーザによって予め登録されていてもよいし、後述する処理において情報処理プログラム61によって登録されてもよい。
【0029】
処理情報とは、対応するアドレス情報で示される名前及び住所がプリンタ部11ではがきの宛名面に既に記録されたか否かを示す情報である。本実施形態における処理情報には、対応するアドレス情報で示される名前及び住所が既に記録された場合に「済」が設定され、未だ記録されていない場合に「未」が設定される。「済」は第1の値の一例であり、「未」は第2の値の一例である。処理情報の設定値は、後述する処理において情報処理プログラム61によって設定される。
【0030】
なお、
図2(B)の例では、各アドレス情報に処理情報が1つずつ対応づけられているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、各アドレス情報に複数の処理情報が対応づけられていてもよい。複数の処理情報には、例えば、各年の年賀状に対応する処理情報と、各年の暑中見舞いに対応する処理情報とが含まれてもよい。または、
図2の例において、所定のタイミングで全ての処理情報に「未」が設定されてもよい。所定のタイミングとは、年賀状又は暑中見舞いを送り終わったタイミング、年賀状又は暑中見舞いを準備し始めるタイミング、或いはユーザによる指示が入力されたタイミングであってもよい。
【0031】
[情報処理システム100の動作]
図3〜
図6を参照して、情報処理システム100の動作を説明する。本実施形態における情報処理システム100は、
図4に示される年賀状80〜82の宛名面の内容に基づいて、新たな年賀状の宛名面に画像を記録すると共に、
図2(B)に示される各種情報を更新する。
図4に示される年賀状80〜82は第1記録紙の一例であり、新たに画像が記録される年賀状は第2記録紙の一例である。
【0032】
まず、複合機10の画像処理プログラム31は、ユーザによってスキャナ部12にセットされた年賀状80〜82に対するスキャン処理をスキャナ部12に実行させる(S11)。スキャナ部12は、
図4に示される年賀状80〜82の宛名面に記録された宛名面画像を示す画像データを生成する。また、画像処理プログラム31は、スキャナ部12によって生成された画像データを、通信部25を通じて情報処理装置50に出力する。情報処理装置50の情報処理プログラム61は、当該画像データを通信部55を通じて複合機10から取得する。ステップS11において画像データを取得する情報処理装置50のCPU57は、取得手段の一例である。
【0033】
次に、情報処理プログラム61は、複合機10から取得した画像データから宛先情報及び差出人情報を抽出する(S12)。宛先情報とは、年賀状80〜82の宛先の名前及び住所を示す情報である。また、差出人情報とは、年賀状80〜82の差出人を特定するための情報である。ステップS12の処理を実行する情報処理装置50のCPU57は、抽出手段の一例である。
【0034】
宛先情報及び差出人情報の具体的な抽出方法は特に限定されないが、例えば以下の方法によって抽出してもよい。まず、情報処理プログラム61は、官製はがきのレイアウトを示すレイアウト情報を予め記憶しておく。レイアウト情報とは、官製はがきの宛名面上における宛先情報及び差出人情報の位置を特定するための情報である。宛先情報は、例えば、宛名面の中央に横書きされるか、宛名面の左方から中央にかけて縦書きされる。一方、差出人情報は、例えば、宛名面の下の領域に横書き或いは縦書きされる。
【0035】
次に、情報処理プログラム61は、OCR(Optical Character Recognitionの略)によって画像データから文字列を読み取る。次に、情報処理プログラム61は、OCRによって読み取られた文字列から名前情報及び住所情報を抽出する。そして、情報処理プログラム61は、レイアウト情報に従って、抽出された名前情報及び住所情報が宛先情報であるか、差出人情報であるかを判断してもよい。なお、OCRによって読み取られた文字列から名前情報及び住所情報を抽出する手法には、公知の手法を用いることができる。また、本実施形態では、宛名面から差出人情報を抽出する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、通信面から宛先情報及び差出人情報を抽出してもよい。
【0036】
または、情報処理プログラム61は、抽出された名前情報のうち、「様」、「先生」、「御中」等の敬称が付加されている名前情報を宛先の名前情報と判断し、敬称が付されていない名前情報を差出人の名前情報と判断してもよい。さらに、情報処理プログラム61は、抽出された住所情報のうち、敬称が付された名前情報に隣接する住所情報を宛先の住所情報と判断し、敬称が付されていない名前情報に隣接する住所情報を差出人の住所情報と判断してもよい。
【0037】
本実施形態において、情報処理プログラム61は、年賀状80の宛名面の画像データから、名前情報「
○△太郎」及び住所情報「愛知県名古屋市A区B丁目C−D」を含む宛先情報と、名前情報「特許次郎」及び住所情報「大阪府大阪市W区X丁目Y−Z」を含む差出人情報とを抽出する。また、情報処理プログラム61は、年賀状81の宛名面の画像データから、名前情報「
○△太郎」及び住所情報「愛知県名古屋市A区B丁目C−D」を含む宛先情報と、名前情報「商標三郎」及び住所情報「神奈川県横浜市α区β丁目γ−θ」を含む差出人情報とを抽出する。さらに、情報処理プログラム61は、年賀状82の宛名面の画像データから、名前情報「商標三郎」及び住所情報「東京都K区L丁目M−N」を含む宛先情報と、名前情報「
○△太郎」及び住所情報「愛知県名古屋市A区B丁目C−D」を含む差出人情報とを抽出する。
【0038】
次に、情報処理プログラム61は、ステップS12において抽出された差出人情報と、データ記憶領域58Bに記憶されている本人情報とを比較する(S13)。そして、情報処理プログラム61は、差出人情報と本人情報とが一致したことに応じて(S13:Yes)、ステップS12において抽出された宛先情報と、データ記憶領域58Bに記憶されている複数のアドレス情報とを比較する(S21、S22)。なお、本明細書中の「に応じて」は、当該文字列の前に記載された条件が満たされた場合に、当該文字列の後に記載された処理が実行されることを示す。なお、処理が実行されるタイミングは、条件が満たされた後であればよく、当該条件が満たされた直後である必要は必ずしもない。
【0039】
また、情報処理プログラム61は、差出人情報と本人情報とが一致しないことに応じて(S13:No)、ステップS12において抽出された宛先情報と、データ記憶領域58Bに記憶されている本人情報とを比較する(S14)。そして、情報処理プログラム61は、宛先情報と本人情報とが一致したことに応じて(S14:Yes)、ステップS12において抽出された差出人情報と、データ記憶領域58Bに記憶されている複数のアドレス情報とを比較する(S15、S16)。一方、情報処理プログラム61は、宛先情報と本人情報とが一致しないことに応じて(S14:No)、ステップS15〜S20をスキップして
図3に示される処理を終了する。
【0040】
まず、
図4(A)に示される年賀状80の宛名面がスキャンされた場合について説明する。
図4(A)に示される年賀状80は、「特許次郎」から情報処理装置50のユーザに送られてきたものである。
図4(A)に示される年賀状80から抽出された差出人情報は本人情報と一致せず(S13:No)、宛先情報は本人情報と一致する(S14:Yes)。また、年賀状80から抽出された差出人情報の名前及び住所は、
図2(B)の識別子「001」で特定されるアドレス情報と一致する(S15:Yes&S16:Yes)。情報処理プログラム61は、名前及び住所の両方が差出人情報と一致するアドレス情報が存在することに応じて(S15:Yes&S16:Yes)、当該アドレス情報に対応づけられた処理情報を確認する(S17)。
図2(B)の識別子「001」で特定される処理情報には、「未」が設定されている。
【0041】
そして、情報処理プログラム61は、当該処理情報に「未」が設定されていることに応じて(S17:No)、ステップS12で抽出された差出人情報で示される名前及び住所を年賀状の宛先を示す宛名画像として宛名面に記録する処理を複合機10のプリンタ部11に実行させる(S20)。具体的には、情報処理プログラム61は、宛先画像データを含む記録指示を通信部55を通じて複合機10に出力する。複合機10の画像処理プログラム31は、通信部25を通じて情報処理装置50から記録指示を取得したことに応じて、宛先画像データで示される宛名画像を年賀状の宛名面に対してプリンタ部11に記録させる。
【0042】
また、情報処理プログラム61は、
図5(A)に示されるように、識別子「001」で特定される処理情報に「済」を設定し、
図3に示される処理を終了する。なお、ステップS20では、ステップS12で抽出された差出人情報に代えて、ステップS15、S16で発見されたアドレス情報を用いてもよい。ステップS20の処理を実行する情報処理装置50のCPU57は、記録手段の一例である。また、情報処理プログラム61は、識別子「001」で特定される処理情報に既に「済」が設定されていたことに応じて(S17:Yes)、ステップS20をスキップして
図3に示される処理を終了する。
【0043】
次に、
図4(B)に示される年賀状81、
図4(C)に示される年賀状82の順にスキャンされた場合について説明する。
図4(B)に示される年賀状81は、東京都から神奈川県に引っ越した「商標三郎」から送られてきたものである。
図4(B)に示される年賀状81から抽出された差出人情報は本人情報と一致せず(S13:No)、宛先情報は本人情報と一致する(S14:Yes)。また、年賀状81から抽出された差出人情報は、
図5(A)の識別子「002」で特定されるアドレス情報と名前が一致し且つ住所が相違する(S15:Yes&S16:No)。
【0044】
情報処理プログラム61は、差出人情報と名前が一致し且つ住所が相違するアドレス情報が存在することに応じて(S15:Yes&S16:No)、当該アドレス情報の住所を差出人情報の住所で上書きし、且つ当該アドレス情報に対応づけられた処理情報に「未」を設定する(S18)。すなわち、
図5(B)に示されるように、識別子「002」で特定されるアドレス情報の住所には「神奈川県横浜市α区β丁目γ−θ」が設定され、識別子「002」で特定される処理情報には「未」が設定される。
【0045】
次に、
図4(C)に示される年賀状82は、「
○△太郎」から「商標三郎」の東京都の住所に送られ、宛先不明で返送されてきたものである。
図4(C)に示される年賀状82から抽出された差出人情報は、本人情報と一致する(S13:Yes)。また、年賀状81から抽出された宛先情報は、
図5(B)の識別子「002」で特定されるアドレス情報と名前が一致し且つ住所が相違する(S21:Yes&S22:No)。
【0046】
情報処理プログラム61は、宛先人情報と名前が一致し且つ住所が相違するアドレス情報が存在することに応じて(S21:Yes&S22:No)、当該アドレス情報に対応づけられた処理情報を確認する(S24)。
図5(B)の識別子「002」で特定される処理情報には、「未」が設定されている。情報処理プログラム61は、処理情報に「未」が設定されていることに応じて(S24:No)、対応するアドレス情報の名前及び住所を年賀状の宛先を示す宛名画像として宛名面に記録する処理を複合機10のプリンタ部11に実行させる(S25)。ステップS25の処理はステップS20と共通するので、再度の説明は省略する。
【0047】
また、情報処理プログラム61は、
図5(C)に示されるように、識別子「002」で特定される処理情報に「済」を設定し、
図3に示される処理を終了する。一方、情報処理プログラム61は、処理情報に既に「済」が設定されていることに応じて(S24:Yes)、ステップS25をスキップして
図3に示される処理を終了する。また、情報処理プログラム61は、宛先情報と一致するアドレス情報が存在しないことに応じて(S21:No)、ステップS22〜S25をスキップして
図3に示される処理を終了する。
【0048】
次に、
図5(A)に示される情報がデータ記憶領域58Bに記憶されている場合において、年賀状82、81の順にスキャンする場合の動作を説明する。まず、
図4(C)に示される年賀状82から抽出された差出人情報は本人情報と一致(S13:Yes)し、宛先情報は
図5(A)の識別子「002」で特定されるアドレス情報と一致する(S21:Yes&S22:Yes)。情報処理プログラム61は、名前及び住所の両方が宛先情報と一致するアドレス情報が存在することに応じて(S21:Yes&S22:Yes)、当該アドレス情報及び当該アドレス情報に対応づけられた処理情報を削除(S23)し、
図3に示される処理を終了する。すなわち、
図6(A)に示されるように、識別子「002」で特定されるレコードが削除される。
【0049】
次に、
図4(B)に示される年賀状81から抽出された差出人情報は本人情報と一致せず(S13:No)、宛先情報は本人情報と一致する(S14:Yes)。さらに、
図6(A)に示されるデータ記憶領域58Bには、差出人情報に一致するアドレス情報が記憶されていない(S15:No)。情報処理プログラム61は、差出人情報と一致するアドレス情報が存在しないことに応じて(S15:No)、当該差出人情報で示される名前及び住所をアドレス情報として記憶装置に記憶させ(S19)、当該差出人情報で示される名前及び住所を年賀状の宛先を示す画像としてプリンタ部11に記録させる(S20)。
すなわち、
図6(B)に示されるように、識別子「002」で特定されるレコードが追加される。なお、ステップS20では、ステップS12で抽出された差出人情報に代えて、ステップS19で新たに登録したアドレス情報を用いてもよい。
【0050】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態において、年賀状80の差出人のアドレス情報に対応づけられた処理情報に「未」が設定されていることに応じて(S17:No)、当該差出人を宛先とする年賀状が作成される(S20)。その結果、年賀状80の差出人に既に年賀状を送ったか否かをユーザが確認しなくても、返信漏れを抑制することができる。
【0051】
また、「商標三郎」の例のように住所が変更された場合、新しい住所から届いた年賀状81と、宛先不明で戻ってきた年賀状82とが情報処理装置50のユーザの手元にあることが多い。このような場合において、年賀状81、82をどちらから先にスキャンしても、「商標三郎」の新しい住所を宛先とする年賀状が作成される。すなわち、年賀状81の差出人に既に年賀状を送ったか否かを確認する作業に加えて、「商標三郎」の住所を更新する作業も不要となる。
【0052】
なお、ステップS12において抽出された差出人情報にOCRで誤検出された文字が含まれる場合、ステップS18において誤った文字列を含む住所がアドレス情報に登録されてしまう可能性がある。そこで、情報処理プログラム61は、ステップS18において、差出人情報に含まれる郵便番号に対応する住所情報を、通信部55を通じて不図示のサーバ装置から取得してもよい。そして、情報処理プログラム61は、取得した住所情報で示される住所と、差出人情報に含まれる住所とが一致したことに応じて、ステップS15、S16で発見したアドレス情報の住所を差出人情報の住所で上書きしてもよい。
【0053】
また、情報処理プログラム61は、ステップS18を実行するのに先立って、住所を上書きするか否かをユーザに確認してもよい。情報処理プログラム61は、例えば、ステップS12で抽出された差出人情報に含まれる住所と、当該住所で対応するアドレス情報を上書きすることを指示するための「OK」ボタンと、上書きしないことを指示するための「キャンセル」ボタンとを表示部53に表示させる。そして、情報処理プログラム61は、「OK」ボタンを押下する操作が操作部54によって検知されたことに応じてステップS18を実行し、「キャンセル」ボタンを押下する操作が操作部54によって検知されたことに応じてステップS18をスキップしてもよい。なお、上記の処理は、ステップS18に限定されず、データ記憶領域58Bの記憶内容を更新するステップS19、S23等にも適用することができる。
【0054】
また、本実施形態では、年賀状81、82の両方がスキャンされて初めて、「商標三郎」の新しい住所を宛先とする年賀状が作成される。しかしながら、ステップS18の後に、ステップS20に相当する処理を追加することにより、年賀状82のスキャンを省略することができる。但し、
図3の例によれば、年賀状82が戻ってきたことに応じて新しい住所を宛先とする年賀状が作成されるので、年賀状82が新しい住所に転送された場合に「商標三郎」に2枚の年賀状が届くのを防止することができる。
【0055】
なお、本実施形態のステップS11において、スキャンされる記録媒体が年賀状80〜82に限定されないことは言うまでもない。すなわち、ステップS11でスキャンされる記録媒体は、暑中見舞い、クリスマスカード、転居通知等であってもよい。また、本発明の記録媒体は、官製はがきに限定されず、任意のフォーマットのはがきであってもよいし、封書等であってもよい。
【0056】
また、本実施形態のステップS11では、年賀状80をスキャナ部12にスキャンさせることによって、画像データを生成する例を説明したが、画像データの生成方法はこれに限定されない。例えば、情報処理装置50に搭載されたカメラで年賀状80の宛名面を撮影することによって、画像データを生成し、取得してもよい。
【0057】
また、情報処理プログラム61は、
図3に示される処理の一部を不図示のサーバ装置に実行させてもよい。例えば、情報処理プログラム61は、ステップS11で取得した画像データを通信部55を通じてサーバ装置に出力し、サーバ装置で抽出された宛先情報及び差出人情報を通信部55を通じてサーバ装置から取得してもよい。その他の処理についても同様である。また、データ記憶領域58Bに記憶される各種情報のうちの一部又は全部は、不図示のサーバ装置に記憶されていてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、
図3に示される処理が情報処理装置50の情報処理プログラム61によって実行された例を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、
図3に示される処理の一部及び全部は、複合機10の画像処理プログラム31によって実行されてもよい。
【0059】
また、各実施形態の複合機10及び情報処理装置50において、記憶部28、58のプログラム記憶領域28A、58Aに記憶された各種プログラムがCPU27、57によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路(IC(Integrated Circuitの略)とも言う。)等のハードウェアで実現してもよい。
【0060】
さらに、本発明は、複合機10或いは情報処理装置50として実現できるだけでなく、複合機10或いは情報処理装置50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク102を介して複合機10或いは情報処理装置50に接続可能なサーバ装置に搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバ装置の記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク102を介して配信されてもよい。