(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る記憶媒体発行システム、記憶媒体発行装置、入力表示装置、読取書込装置、及び入力表示装置用プログラムを、ICタグ発行システム、ICタグ発行装置、携帯端末、読取書込装置、及び携帯端末用プログラムに適用した場合の実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施形態におけるICタグ発行システム1の構成を示す概念図である。
図2は、携帯端末10の構成を示すブロック図である。
図3は、読取書込装置20の構成を示すブロック図である。
図4は、携帯端末10と読取書込装置20とが通信可能状態にある場合の概念図である。
図5は、発行登録サーバ30で管理されるデータベースの一例を示す説明図である。
【0017】
図1に示すように、ICタグ発行システム1は、ICタグ発行装置2と、発行登録サーバ30と、審査サーバ40を、を備える。このうち、ICタグ発行装置2は、ICタグ80の発行サービスを提供する店舗(不図示)に設置される。
【0018】
ユーザは、ICタグ80の発行サービスを申し込む場合に、店舗にクレジットカード70を持参する。店舗側からは、ユーザに未発行のICタグ80が渡される。
未発行のICタグ80には、ICタグの固有情報等がタグ情報としてメモリ(不図示)の書込み領域に記憶されている。なお、
図1では、ICタグ80の形状を模式的に示しているが、記憶媒体としてのICタグ80の形状は、ボタンやカード等の形状であってもよいし、キーホルダーやフィギュア等を模した形状であってもよい。
【0019】
ICタグ発行装置2は、入力表示装置としての携帯端末10と、読取書込装置20と、を備える。
携帯端末10は、ユーザがICタグ80の発行サービスを申し込む際に、必要なデータを入力するための通信端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末等である。携帯端末10は、ユーザがICタグ80の発行サービスに申し込むと、店舗側から貸与される。すなわち、携帯端末10は、店舗において、複数のユーザに共用される。
【0020】
図2に示すように、携帯端末10は、通信部としての近距離通信部11と、通信部としてのネットワーク通信部12と、ユーザ情報取得部としてのタッチパネル13と、検出部としての加速度センサ14及びGPS受信機15と、記憶部16と、制御部17と、を備える。
【0021】
近距離通信部11は、近距離でデータ通信を行うための通信インターフェースである。近距離通信部11は、携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に設置された状態で、読取書込装置20の近距離通信部22(後述)との間でデータ通信を行うことができる。近距離通信部11と、読取書込装置20の近距離通信部22との間は、Bluetooth(登録商標)通信、Wi−Fi(無線LAN)通信等によりデータ通信が行われる。
【0022】
ネットワーク通信部12は、通信ネットワーク50及び基地局60(
図1参照)を介して、発行登録サーバ30等との間でデータ通信を行うための通信インターフェースである。
ネットワーク通信部12は、基地局60を介して通信ネットワーク50に接続することができる。
ネットワーク通信部12と基地局60との間は、携帯電話用の無線通信方式によりデータ通信が行われる。
【0023】
タッチパネル13は、タッチスクリーン等の操作検出デバイス、及び液晶パネル等の表示デバイスの機能を備える。ユーザは、タッチパネル13の入力部に指等で触れることにより、制御部17に対してデータの入力や動作の指示を行うことができる。また、タッチパネル13の表示部には、ユーザがユーザ情報としての申込情報を入力する際の受付画面等(後述)が表示される。
【0024】
加速度センサ14は、携帯端末10が読取書込装置20の設置部21(後述)に設置されたときの傾斜角度を検出する。加速度センサ14は、
図1に示すように、携帯端末10のX軸回りの傾斜角度を検出する。加速度センサ14で検出された傾斜角度の検出値θ´は、傾斜角度検出信号として制御部17に出力される。
【0025】
GPS受信機15は、GPS(Global Positioning System)機能により、携帯端末10の位置情報(緯度経度情報)を取得する。GPS受信機15で取得された位置情報の検出値P´は、位置検出信号として制御部17に出力される。
【0026】
後述する記憶部16には、読取書込装置20の設置される店舗の位置情報として、位置情報の規定値Pが記憶されている。従って、携帯端末10が正規の店舗で使用されていれば、GPS受信機15において検出された位置情報の検出値P´は、位置情報の規定値Pを満たすことになる。なお、本実施形態において「満たす」とは、検出値と規定値とが一致、又は検出値が規定値を基準とする所定範囲に含まれることをいう。一方、携帯端末10が正規の店舗で使用されていなければ、GPS受信機15で検出された位置情報の検出値P´は、位置情報の規定値Pを満たさないことになる。
【0027】
記憶部16は、制御部17で実行されるオペレーティングシステム(OS)や各種のアプリケーションプログラム、データ等を記憶する。記憶部16には、ユーザがタッチパネル13から入力した申込情報、発行登録サーバ30(後述)から受信した受付ID、読取書込装置20のカード読取部23(後述)で読取られたクレジットカード70のクレジットカード情報(以下、「カード情報」ともいう)、読取書込装置20のICタグ読取書込部24(後述)からICタグ80へ書込まれる発行情報等のデータが一時的に記憶される。また、記憶部16には、傾斜角度の規定値θ、位置情報の規定値P等が記憶される。傾斜角度の規定値θは、読取書込装置20に設けられた設置部21の傾斜角度(後述)である。位置情報規定値Pは、読取書込装置20の設置される店舗の位置情報である。
【0028】
また、記憶部16には、携帯端末用プログラム161が記憶される。携帯端末用プログラム161は、例えば、発行登録サーバ30から配信されるアプリケーションソフトウェアである。携帯端末用プログラム161は、携帯端末10の記憶部16に予めダウンロードされる。
【0029】
携帯端末用プログラム161は、コンピュータとしての制御部17を、読取書込装置20との間が通信可能状態か否かを判定する第1判定手段と、加速度センサ14及びGPS受信機15の検出結果に基づいて、入力表示装置10が読取書込装置20の設置部21に保持されているか否かを判定する第2判定手段と、第1判定手段及び第2判定手段の判定が共に肯定された場合に、読取書込装置20との間におけるデータの送受信、及び通信ネットワーク50を介して接続された発行登録サーバ30との間におけるデータの送受信を許可する通信制御手段と、して機能させるプログラムである。
【0030】
制御部17は、携帯端末10の動作や機能を統括的に制御するCPU(中央処理装置)である。制御部17は、記憶部16からオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、各ハードウェアと協働して、後述する各種の機能を実現する。制御部17は、第1判定手段として動作する第1判定部、第2判定手段として動作する第2判定部、及び通信制御手段として動作する通信制御部の機能を備える。制御部17により実行される処理については後述する。
【0031】
読取書込装置20は、携帯端末10の設置台であり、クレジットカード70からのカード情報の読取り、及びICタグ80への発行情報の書込みを行う機能を備える。読取書込装置20は、
図1に示すように、設置部21を備える。また、読取書込装置20は、
図3に示すように、近距離通信部22と、読取部としてのカード読取部23と、書込部としてのICタグ読取書込部24と、記憶部25と、制御部26と、を備える。
【0032】
設置部21は、携帯端末10を規定の位置且つ規定の傾斜角度で設置可能なスリットである。規定の位置とは、携帯端末10を設置部21に設置したときに、携帯端末10と読取書込装置20とが通信可能状態となる位置である。携帯端末10を設置部21に設置することにより、携帯端末10と読取書込装置20との間で通信が可能となる。設置部21は、
図1に示すように、読取書込装置20の幅方向(X軸方向)に沿って形成されている。
【0033】
また、規定の傾斜角度とは、傾斜角度の規定値(規定傾斜角度)θである。
図4に示すように、設置部21のスリット21aは、読取書込装置20の上面Fに対して、傾斜角度がθとなるように形成されている。従って、設置部21のスリット21aに携帯端末10を挿入(設置)すると、携帯端末10は、読取書込装置20に対して傾斜角度の規定値θだけ傾いた状態で保持される。
【0034】
携帯端末10を設置部21に設置すると、加速度センサ14では、傾斜角度の検出値θ´が検出される。携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に正しく設置されていれば、加速度センサ14で検出された傾斜角度の検出値θ´は、記憶部16に記憶された傾斜角度の規定値θを満たすことになる。一方、携帯端末10が設置部21に設置されていない、又は、携帯端末10が設置部21に正しく設置されていなければ、加速度センサ14で検出された傾斜角度の検出値θ´は、傾斜角度の規定値θを満たさないことになる。
【0035】
近距離通信部22は、近距離でデータ通信を行うための通信インターフェースである。近距離通信部22は、
図4に示すように、携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に設置された状態で、携帯端末10の近距離通信部11との間でデータ通信を行う。携帯端末10の近距離通信部11と、読取書込装置20の近距離通信部22との間は、Bluetooth通信、Wi−Fi(無線LAN)通信等によりデータ通信が行われる。
【0036】
図4に示すように、携帯端末10を読取書込装置20の設置部21に設置して、携帯端末10と読取書込装置20とが通信可能状態になると、携帯端末10のアンテナ部10aと、読取書込装置20のアンテナ部20aとは、互いの通信可能範囲(図中、破線)に配置された状態となる。
【0037】
カード読取部23は、クレジットカード70の磁気ストライプ(不図示)から、クレジットカード番号、有効期限、カード会員氏名等の、ユーザの保有情報としてのカード情報を読取る磁気カードリーダである。ユーザは、カード読取部23のスロット23aに沿ってクレジットカード70をスライドさせることにより、クレジットカード70の磁気ストライプに記録されたカード情報を読取らせることができる。カード読取部23で読取られたカード情報は、記憶部25に記憶されると共に、近距離通信部22を介して携帯端末10へ送信される。
【0038】
ICタグ読取書込部24は、発行登録サーバ30(後述)から送信された、ユーザへの付与情報としての発行情報を、ICタグ80に書込む、非接触ICリーダライタである。ユーザは、発行情報書込処理(後述)において、未発行のICタグ80をICタグ読取書込部24にかざすことにより、ICタグ80に発行情報を書込ませることができる。
【0039】
記憶部25は、制御部26で実行されるオペレーティングシステム(OS)や各種のアプリケーションプログラム、データ等を記憶する。記憶部25には、カード読取部23で読取られたクレジットカード70のカード情報、カード読取部23におけるクレジットカード70の読取結果、発行登録サーバ30から送信された発行情報、ICタグ80に記憶されたタグ情報等のデータが記憶される。
【0040】
制御部26は、読取書込装置20の動作や機能を統括的に制御するCPU(中央処理装置)である。制御部26は、記憶部25からオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを読み出して実行することにより、各ハードウェアと協働して、後述する各種の機能を実現する。制御部26により実行される処理については後述する。
【0041】
発行登録サーバ30は、ICタグ80の発行サービスを提供する企業等(以下、「発行サービス提供者」ともいう)により管理・運営されるサーバである。発行登録サーバ30と携帯端末10との間は、通信ネットワーク50を介して接続される。
【0042】
発行登録サーバ30には、受付ID、携帯端末10で取得されたユーザの申込情報、読取書込装置20のカード読取部23で読取られたクレジットカード70のカード情報、読取書込装置20のICタグ読取書込部24からICタグ80に書込まれる発行情報等が記憶される。
【0043】
ここで、発行登録サーバ30で管理されるデータベース(DB)について説明する。発行登録サーバ30は、
図5に示すように、会員DB31と、カードDB32と、を備える。
会員DB31は、発行サービスに申込みをしたユーザの個人情報、ICタグ80への発行履歴等が保存される。会員DB31のデータ書込み領域には、受付ID毎に、姓、名、電話番号、登録タグ識別ID、発行完了フラグ、中断事由の項目が設定されている。
【0044】
受付IDは、ユーザ毎に割り当てられた固有の識別番号であり、発行サービス提供者により予め用意される。受付IDは、初番の「10000001」から順に数値を1増させることにより割り振られた固有の番号である。なお、受付IDは、携帯端末10からユーザの申込情報を受信した際に、他のユーザと共通しない固有の番号を割り当てて発行するようにしてもよい。会員DB31及び後述するカードDB32において、各項目に書込まれるデータは、受付IDに関連付けて記憶される。
【0045】
姓、名、電話番号は、携帯端末10から入力されたユーザの申込情報である。登録タグ識別IDは、ICタグ80毎に割り当てられた固有の識別番号である。
発行完了フラグは、ICタグ80への発行情報の書込みが完了したか否かを示す。本実施形態では、ICタグ80への発行情報の書込みが完了した場合には「TRUE」となり、申込をやめるボタンが押下された場合や、通信回線の状態によりデータ通信ができなくなった場合等には、「CANCEL」となる。
【0046】
中断事由は、申込み処理の途中で中断が生じた場合に書込まれるデータである。中断事由の項目は、発行完了フラグが「CANCEL」の場合に書込まれる。本実施形態において、中断事由は、「I00X−YY−ZZ」で表される。このうち、「I00X」は、中断理由を表す。例えば、処理の途中で「申込をやめる」ボタン(後述)が押下された場合には「I001」、通信回線の状態によりデータ通信ができなくなった場合には「I002*」、クレジットカード70のカード情報が有効でない場合には「I003」等である。また、「YY」の部分は、発行完了フラグが「CANCEL」となった時点で処理がどこまで進んでいたかを表す。例えば、「YY」が「01」であれば、申込み開始からカード情報読取処理の完了までの間、「02」であればカード情報読取処理の完了からタグ情報読取・送信処理の完了までの間、「03」であればタグ情報読取・送信処理完了から申込み完了前までの間を表す。更に、「ZZ」の部分は、カード情報の審査結果を表す。例えば、「ZZ」の部分が「01」であれば審査結果がOK、「02」であれば審査結果NGを表す。
【0047】
例えば、中断事由「I002−03−01」は、中断の理由が通信回線の状態によりデータ通信ができなくなったこと、中断がカード情報読取処理の完了からタグ情報読取・送信処理の完了までの間で発生したこと、カード情報の審査結果がOKであることを示している。
【0048】
カードDB32は、発行サービスに申込みをしたユーザのクレジットカード70のカード情報が保存される。カードDB32には、受付ID、カード情報(クレジットカード情報)の項目が設定されている。受付IDは、ユーザ毎に割り当てられた固有の識別番号であり、会員DB31の受付IDと対応する。すなわち、カードDB32には、会員DB31において、同じ受付IDが割り当てられたユーザの所有するクレジットカード70のカード情報が保存される。
【0049】
本実施形態のICタグ発行システム1では、ユーザのクレジットカード情報(カードDB32)を、ユーザの個人情報(会員DB31)と区別して保存するため、セキュリティをより高めることができる。
【0050】
審査サーバ40は、クレジットカード70を発行したカード会社により管理・運営されるサーバである。
図1では、1つの審査サーバ40を図示しているが、カード会社毎に審査サーバ40が接続されていてもよい。その場合に、発行登録サーバ30では、取得したカード情報に対応するカード会社の審査サーバ40にカード情報を送信する。審査サーバ40のデータベース(不図示)には、顧客のクレジットカード情報、個人情報、決済履歴等のデータが保存されている。
なお、審査サーバ40において、データベースに保存されているデータの管理、及び通信部(不図示)による発行登録サーバ30との間のデータの送受信は、制御部(不図示)により実行される。
【0051】
次に、ICタグ発行システム1において、ICタグの発行サービスに申込みをしたユーザに、ICタグ80が発行されるまでの処理について説明する。
【0052】
図6〜
図8は、携帯端末10による発行サービスの処理を示すフローチャートである。
図6は、申込情報の入力処理を示すフローチャートである。
図7は、カード情報の読取り処理を示すフローチャートである。
図8は、ICタグへの発行情報の書込み処理を示すフローチャートである。
図9は、接続判定処理を示すフローチャートである。
図10は、申込情報送信処理を示すフローチャートである。
図11は、カード情報読取処理を示すフローチャートである。
図12は、カード情報送信処理を示すフローチャートである。
図13は、タグ情報読取・送信処理を示すフローチャートである。
図14は、発行情報書込処理を示すフローチャートである。
図15は、申込みキャンセル処理を示すフローチャートである。
図10〜
図15のフローチャートは、サブルーチンとして実行される処理を示す。また、
図16〜
図20は、携帯端末10における画面の表示例、ICタグ発行装置2の使用例を示す概念図である。
【0053】
まず、申込情報の入力処理について、
図6を参照しながら説明する。
図6に示すステップ(以下、「S」という)11において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に受付画面を表示させる。例えば、携帯端末10制御部17は、タッチパネル13に、
図16(a)に示す受付画面A1を表示させる。
図16(a)に示す「非接触決済タグ」は、本実施形態のICタグ80を指す。
【0054】
S12において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13にユーザがタッチしたか否かを判定する。S12の判定がYESであれば、処理はS13へ移行する。また、S12の判定がNOであれば、処理はS11へ戻る。
S13において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に申込入力画面を表示させる。ユーザが、
図16(a)に示すタッチパネル13の受付画面A1にタッチすることにより、
図16(b)に示す申込入力画面A2が表示される。
【0055】
S14において、携帯端末10の制御部17は、ユーザによる申込情報の入力があったか否かを判定する。S14の判定がYESであれば、処理はS15へ移行する。また、S14の判定がNOであれば、処理はS13へ戻る。
S15において、携帯端末10の制御部17は、ユーザの入力した申込情報を、記憶部16に一時記憶する。ユーザは、
図16(b)に示す申込入力画面A2に姓、名、電話番号を入力する。ユーザが入力欄に指を触れると、タッチパネル13にキーボードの画面(不図示)が表示される。ユーザは、画面に表示されたキーボードのキーに指を触れることにより、
図16(c)に示すように、申込入力画面A2に文字や数字を入力することができる。
【0056】
S16において、携帯端末10の制御部17は、「発行へ」ボタン(
図16(c)参照)が押下されたか否かを判定する。S16の判定がYESであれば、処理はS17へ移行する。また、S16の判定がNOであれば、処理はS16へ戻る。
【0057】
携帯端末10の制御部17は、「発行へ」ボタンが押下されたときに、申込情報の内容に不備が無いことをチェックする。ここで、不備がある場合、例えば、電話番号の桁数に誤りがある場合には、「もう一度、電話番号入力してください」というメッセージ画面(不図示)をタッチパネル13に表示させる。
【0058】
また、携帯端末10の制御部17は、「発行へ」ボタンが押下されたときに、タッチパネル13に、
図17(a)に示す「端末を台座に設置してください」という端末案内画面A3を表示させる。端末案内画面A3において、「端末」とは携帯端末10であり、「台座」とは読取書込装置20の設置部21である。また、「非接続」のアイコンは、携帯端末10が読取書込装置20に設置されていないことを表している。
【0059】
携帯端末10のタッチパネル13に端末案内画面A3を表示することにより、携帯端末10を読取書込装置20の設置部21に正しく設置することをユーザに促すことができる。携帯端末10は、端末案内画面A3を見たユーザにより読取書込装置20に設置される。
S17において、携帯端末10の制御部17は、カード情報の読取り処理(
図7)へ移行し、本フローチャートの処理を終了する。なお、申込情報の入力処理中に、「申込をやめる」ボタンが押下された場合には、申込キャンセル処理(後述)が実行される。
【0060】
次に、カード情報の読取り処理について、
図7を参照しながら説明する。
図7に示すS21において、携帯端末10の制御部17は、接続判定処理(後述)を実行して、携帯端末10が読取書込装置20に接続されているか否かを判定する。ユーザのクレジットカード70からカード情報を読取る前に、携帯端末10と読取書込装置20との接続を確認するためである。
【0061】
S22において、携帯端末10の制御部17は、接続判定処理の判定結果がOKか否かを判定する。S22の判定結果がOK(YES)であれば、処理はS23へ移行する。また、S22の判定結果がNG(NO)であれば、処理はS29へ移行する。
S23において、携帯端末10の制御部17は、申込情報送信処理(後述)を実行して、発行登録サーバ30から受付IDを取得する。取得された受付IDは、携帯端末10の記憶部16に一時記憶される。
【0062】
S24において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に、
図18(a)に示すカード読取画面A4を表示させる。カード読取画面A4において、「接続中」のアイコンは、携帯端末10と読取書込装置20とが通信中であること、言い換えると、携帯端末10と読取書込装置20とが通信可能状態であることを表している。
【0063】
S25では、カード情報読取処理(後述)が実行され、読取書込装置20の制御部26は、カード情報を取得する。
図18(b)に示すように、ユーザがカード読取部23に沿ってクレジットカード70をスライドさせることにより、クレジットカード70の磁気ストライプ(不図示)に記録されたカード情報が読取られる。読取書込装置20で読取られたカード情報が携帯端末10に送信されると、カード情報は読取書込装置20の記憶部25から削除される。なお、クレジットカード70の読取りエラーが発生した場合に、読取書込装置20又は携帯端末10において、警告音を発生するようにしてもよい。
【0064】
S26では、カード情報送信処理(後述)が実行され、携帯端末10の制御部17は、審査サーバ40による審査の判定結果を取得する。携帯端末10が判定結果を取得すると、カード情報は携帯端末10の記憶部16から削除される。
【0065】
S27において、携帯端末10の制御部17は、審査サーバ40による審査の判定結果に基づいて、発行サービスへの申込みが可能か否かを判定する。S27の判定がYESであれば、処理はS28へ移行する。また、S27の判定がNOであれば、処理はS30へ移行する。
【0066】
S28において、携帯端末10の制御部17は、タグ情報の書込み処理(
図8)へ移行し、本フローチャートの処理を終了する。
一方、S29(S22:NO)において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に、
図17(a)に示す端末案内画面A3を表示させる。
また、S30(S27:NO)において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に、
図17(b)に示す申込不可画面A5を表示させる。
なお、カード情報の読取り処理中に、「申込をやめる」ボタンが押下された場合には、申込キャンセル処理(後述)が実行される。
【0067】
次に、発行情報の書込み処理について、
図8を参照しながら説明する。
図8に示すS41において、携帯端末10の制御部17は、接続判定処理(後述)を実行して、携帯端末10が読取書込装置20に接続されているか否かを判定する。ユーザのICタグ80に発行情報を書込む前に、携帯端末10と読取書込装置20との接続を確認するためである。S41で実行される接続判定処理は、
図7のS21で実行される接続判定処理と同じである。
【0068】
S42において、携帯端末10の制御部17は、接続判定処理の判定結果がOKか否かを判定する。S42の判定がYESであれば、処理はS43へ移行する。また、Sの判定がNOであれば、処理はS49へ移行する。
【0069】
S43において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に、
図19(a)に示すタグ発行画面A6を表示させる。ユーザがICタグ80を読取書込装置20のICタグ読取書込部24にかざすことにより、ICタグ80からタグ情報が読取られる。
S44では、タグ情報読取・送信処理(後述)が実行され、携帯端末10の制御部17は、発行登録サーバ30から発行情報を取得する。
【0070】
S45では、発行情報書込処理(後述)が実行され、ICタグ80に発行情報が書込まれる。
図19(b)に示すように、ユーザがICタグ80を読取書込装置20のICタグ読取書込部24にかざすことにより、ICタグ80に発行情報が書込まれる。ICタグ80へ発行情報の書込みをしている間、携帯端末10の制御部17は、
図19(b)に示すように、タッチパネル13に発行していることを知らせるメッセージ画面A7を表示させる。
【0071】
S46において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に、
図19(c)示す発行完了画面A8を表示させる。
S47において、携帯端末10の制御部17は、
図19(c)に示す「確認」ボタンが押下されたか否かを判定する。S47の判定がYESであれば、処理はS48へ移行する。また、S47の判定がNOであれば、処理はS46へ戻る。
S48において、携帯端末10の制御部17は、受付IDを記憶部16から削除して、処理を終了する。
【0072】
一方、S49(S42:NO)において、携帯端末10の制御部17は、タッチパネル13に、
図17(a)に示す端末案内画面A3を表示させる。
なお、タッチパネル13にタグ発行画面A6を表示させている間に「申込をやめる」ボタンが押下された場合には、申込キャンセル処理(後述)が実行される。
【0073】
次に、
図7のS21で実行される接続判定処理について、
図9を参照しながら説明する。
S101において、携帯端末10の制御部17は、携帯端末10と読取書込装置20とが通信可能状態か否かを判定する。携帯端末10の制御部17は、近距離通信部11と読取書込装置20の近距離通信部22との間で、接続判定用のダミーデータの送受信を行うことにより、携帯端末10と読取書込装置20とが通信可能状態か否かを判定する。
【0074】
なお、ダミーデータを送受信する代わりに、他の手法により通信可能状態か否かを判定してもよい。例えば、読取書込装置20との間の通信距離により通信可能状態か否かを判定してもよいし、読取書込装置20との間の電波強度により通信可能状態か否かを判定してもよい。また、これらの手法を適宜に組み合わせて、通信可能状態か否かを判定してもよい。
【0075】
携帯端末10の制御部17は、ダミーデータを送受信することにより、読取書込装置20と通信可能状態か否かを判定するが、更に、読取書込装置20との間でデータの送受信が良好に行えることが確認された場合に、携帯端末10と読取書込装置20とが通信可能状態であると判定する。また、携帯端末10の制御部17は、読取書込装置20と通信を確保する際に、読取書込装置20に設定された固有IDを確認した上で、データを送受信する。
【0076】
S101の判定がYESであれば、処理はS102へ移行する。また、S101の判定がNOであれば、処理はS109へ移行する。
S102において、携帯端末10の制御部17は、加速度センサ14から傾斜角度検出信号(傾斜角度の検出値θ´)を取得する。
S103において、携帯端末10の制御部17は、記憶部16から傾斜角度の規定値θを取得する。
【0077】
S104において、携帯端末10の制御部17は、傾斜角度の検出値θ´が規定値θを満たすか否かを判定する。S104の判定がYESの場合、処理はS105へ移行する。また、S104の判定がNOの場合、処理はS109へ移行する。
S105において、携帯端末10の制御部17は、GPS受信機15から位置検出信号(位置情報の検出値P´)を取得する。
【0078】
S106において、携帯端末10の制御部17は、記憶部16から位置情報の規定値Pを取得する。
S107において、携帯端末10の制御部17は、位置情報の検出値P´が規定値Pを満たすか否かを判定する。S107の判定がYESの場合、処理はS108へ移行する。また、S107の判定がNOの場合、処理はS109へ移行する。
【0079】
S108において、携帯端末10の制御部17は、携帯端末10が読取書込装置20に接続されていると判定する。携帯端末10の制御部17は、判定結果(OK)を記憶部16に記憶して処理を終了する。なお、携帯端末10が読取書込装置20に接続されているとは、携帯端末10が正規の店舗において使用され、且つ携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に正しく設置されている状態をいう。
【0080】
一方、S109において、携帯端末10の制御部17は、携帯端末10が読取書込装置20に接続されていないと判定する。携帯端末10の制御部17は、判定結果(NG)を記憶部16に記憶して処理を終了する。なお、携帯端末10が読取書込装置20に接続されていないとは、携帯端末10が正規の店舗において使用されていない、又は携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に正しく設置されていない、或いはその両方の状態をいう。
【0081】
次に、
図7のS23で実行される申込情報送信処理について、
図10を参照しながら説明する。
S201において、携帯端末10の制御部17は、ユーザの申込情報を、発行登録サーバ30へ送信する。
S301において、発行登録サーバ30の制御部(不図示)は、携帯端末10から送信されたユーザの申込情報を受信する。
S302において、発行登録サーバ30の制御部は、受信した申込情報を会員DB31の新規受付領域(データ書込み領域)へ保存する。
【0082】
S303において、発行登録サーバ30の制御部は、会員DB31から、申込情報を保存したデータ書込み領域に対応する受付IDを取得する。
S304において、発行登録サーバ30の制御部は、携帯端末10に受付IDを送信して、処理を終了する。
S202において、携帯端末10の制御部17は、発行登録サーバ30から受付IDを受信して、記憶部16に一時記憶する。
【0083】
S203において、携帯端末10の制御部17は、ユーザの申込情報を記憶部16から削除して、申込情報送信処理を終了する。このように、携帯端末10では、ユーザの受付IDを取得した時点で、ユーザの個人情報である申込情報が記憶部16から削除される。従って、
図7のS110におけるカード情報読取処理(後述)では、携帯端末10にユーザの申込情報が残っていない状態でカード情報の読取りが行われる。
【0084】
次に、
図7のS25で実行されるカード情報読取処理について、
図11を参照しながら説明する。
S501において、携帯端末10の制御部17は、カード情報の読取処理開始指示(読取書込許可)を読取書込装置20へ送信する。
S601において、読取書込装置20の制御部26は、携帯端末10から送信された読取処理開始指示を受信する。
S602において、読取書込装置20の制御部26は、読取処理を開始して、カード情報を取得する。
S603において、読取書込装置20の制御部26は、読取結果及びカード情報を記憶部25に一時記憶する。
【0085】
S604において、読取書込装置20の制御部26は、読取結果及びカード情報を携帯端末10へ送信する。
S605において、読取書込装置20の制御部26は、カード情報を記憶部25から削除して、処理を終了する。このように、読取書込装置20では、読取結果及びカード情報を携帯端末10へ送信した後、ユーザの個人情報であるカード情報が記憶部25から削除される。
【0086】
S502において、携帯端末10の制御部17は、読取書込装置20から送信された読取結果及びカード情報を受信する。なお、携帯端末10の制御部17は、S502において、読取書込装置20カード情報を受信できなかった場合には、タッチパネル13に、
図20(a)に示すエラー画面A9を表示させる。
S503において、携帯端末10の制御部17は、受信した読取結果に基づいて、カード情報の読取りに成功したか否かを判定する。例えば、カード情報に含まれるカード番号の桁数を照合することにより、カード情報の読取りに成功したか否かを判定することができる。S503の判定がYESの場合、処理はS504へ移行する。また、S503の判定がNOの場合、処理を終了する。なお、S503の判定がNOの場合に、S501に戻り、読取書込装置20へカード情報の読取処理開始指示を送信してもよい。
【0087】
S504において、携帯端末10の制御部17は、受信したカード情報を記憶部16に一時記憶して、処理を終了する。なお、先に実行された申込情報送信処理(
図7:S23参照)において、ユーザの個人情報である申込情報は、記憶部16から削除されている。そのため、S504において、ユーザの申込情報とカード情報とが同時に携帯端末10の記憶部16に保持されることはない。
【0088】
次に、
図7のS26で実行されるカード情報送信処理について、
図12を参照しながら説明する。
S701において、携帯端末10の制御部17は、受付ID及びカード情報を関連付けて、発行登録サーバ30へ送信する。
S801において、発行登録サーバ30の制御部は、携帯端末10から送信された受付ID及びカード情報を受信して、所定の記憶領域に一時記憶する。
【0089】
S802において、発行登録サーバ30の制御部は、カード情報を審査サーバ40へ送信する。
S901において、審査サーバ40の制御部は、発行登録サーバから送信されたカード情報を受信して、所定の記憶領域に一時記憶する。
S902において、審査サーバ40の制御部は、カード情報の判定(審査)を行う。
【0090】
S903において、審査サーバ40の制御部は、判定結果を発行登録サーバ30へ送信して、処理を終了する。
S803において、発行登録サーバ30の制御部は、審査サーバ40から送信された判定結果を受信して、所定の記憶領域に一時記憶する。
【0091】
S804において、発行登録サーバ30の制御部は、判定結果(OK/NG)に基づいて、ユーザの発行サービスへの申込みが可能か否かを判定する。S804の判定がYES(判定結果:OK)であれば、処理はS805へ移行する。また、S804の判定がNO(判定結果:NG)であれば、処理はS806へ移行する。
【0092】
S805において、発行登録サーバ30の制御部は、S801で携帯端末10受信した受付ID及びカード情報を、カードDB32(
図5参照)に保存する。
S806において、発行登録サーバ30の制御部は、審査サーバ40から受信した判定結果を携帯端末10へ送信して、処理を終了する。
【0093】
S702において、携帯端末10の制御部17は、発行登録サーバ30から送信された判定結果を受信して、記憶部16に一時記憶する。
S703において、携帯端末10の制御部17は、カード情報を記憶部16から削除して、処理を終了する。このように、携帯端末10では、発行登録サーバ30から判定結果を受信した後、カード情報が記憶部16から削除される。
【0094】
次に、
図8のS44で実行されるタグ情報読取・送信処理について、
図13を参照しながら説明する。
S1001において、携帯端末10の制御部17は、タグ情報の読取処理開始指示を読取書込装置20へ送信する。
S1101において、読取書込装置20の制御部26は、携帯端末10から送信された読取処理開始指示を受信する。
【0095】
S1102において、読取書込装置20の制御部26は、読取処理を開始して、タグ情報を取得する。
S1103において、読取書込装置20の制御部26は、読取結果及びタグ情報を記憶部25に一時記憶する。
S1104において、読取書込装置20の制御部26は、読取結果及びタグ情報を携帯端末10へ送信する。
【0096】
S1105において、読取書込装置20の制御部26は、タグ情報を記憶部25から削除して、処理を終了する。このように、読取書込装置20では、読取結果及びタグ情報を携帯端末10へ送信した後、タグ情報が記憶部25から削除される。
【0097】
S1002において、携帯端末10の制御部17は、読取書込装置20から送信された読取結果及びタグ情報を受信して、記憶部16に一時記憶する。
S1003において、携帯端末10の制御部17は、受付ID及びタグ情報を発行登録サーバ30へ送信する。
S1201において、発行登録サーバ30の制御部は、携帯端末10から送信された受付ID及びタグ情報を受信して、所定の記憶領域に一時記憶する。
【0098】
S1202において、発行登録サーバ30の制御部は、受信した受付IDがカードDB32に登録済みか否かを判定する。なお、S1202において、発行登録サーバ30の制御部は、タグ情報が登録可能か否かについても判定する。S1202の判定がYESの場合、処理はS1204へ移行する。また、S1202の判定がNOの場合、処理はS1203へ移行する。
【0099】
S1203において、発行登録サーバ30の制御部は、受付IDに対応する会員DB31の登録タグ識別IDの項目にタグ情報を保存(登録)する。
S1204において、発行登録サーバ30の制御部は、ICタグ80の発行に必要な発行情報を取得する。発行情報とは、登録を許可することを示す情報、受付ID等である。発行情報には、発行登録サーバ30に保存されているユーザのデータ(申込情報、カード情報等)を暗号化した際の復号キーが含まれていてもよい。
【0100】
S1205において、発行登録サーバ30の制御部は、発行情報を携帯端末10へ送信して、処理を終了する。
S1004において、携帯端末10の制御部17は、発行登録サーバ30から送信された発行情報を受信すると共に、記憶部16へ記憶して、処理を終了する。なお、携帯端末10の制御部17は、発行登録サーバ30から発行情報を受信できなかった場合には、タッチパネル13に、
図20(b)に示すエラー画面A10を表示させる。
【0101】
次に、
図8のS45で実行される発行情報書込処理について、
図14を参照しながら説明する。
S1301において、携帯端末10の制御部17は、発行情報及び発行情報書込処理開始指示を読取書込装置20へ送信する。
【0102】
S1401において、読取書込装置20の制御部26は、携帯端末10から送信された発行情報及び発行情報書込処理開始指示を受信して、発行情報を記憶部25に一時記憶する。
S1402において、読取書込装置20の制御部26は、ICタグ読取書込部24によりICタグ80へ発行情報を書込ませる。
【0103】
S1403において、読取書込装置20の制御部26は、書込結果を携帯端末10へ送信する。
S1404において、読取書込装置20の制御部26は、発行情報を記憶部25から削除する。
【0104】
S1302において、携帯端末10の制御部17は、読取書込装置20から送信された書込結果を受信して、記憶部16に一時記憶する。
S1303において、携帯端末10の制御部17は、受付ID及び書込結果を発行登録サーバ30へ送信する。
S1501において、発行登録サーバ30の制御部は、携帯端末10から送信された受付ID及び書込結果を受信して、所定の記憶領域へ一時記憶する。
【0105】
S1502において、発行登録サーバ30の制御部は、受信した受付IDに対応する会員DB31の発行完了フラグを「TRUE」に設定する。
S1503において、発行登録サーバ30の制御部は、会員DB31への登録が完了したことを登録結果として携帯端末10へ送信する。
S1304において、携帯端末10の制御部17は、読取書込装置20から送信された登録結果を受信して、記憶部16に一時記憶する。
【0106】
S1305において、携帯端末10の制御部17は、発行情報を記憶部16から削除して、処理を終了する。このように、ICタグ80への発行情報の書込みが完了すると、携帯端末10の記憶部16には、ユーザの申込情報、カード情報、発行情報等の情報がすべて削除された状態となる。
【0107】
次に、申込キャンセル処理について、
図15を参照しながら説明する。申込キャンセル処理は、上述した発行サービスの処理中に、「申込をやめる」ボタンが押下された場合等において実行される。
【0108】
S1601において、携帯端末10の制御部17は、申込みを中断する受付ID及び中断事由を、発行登録サーバ30へ送信する。
S1701において、発行登録サーバ30の制御部は、携帯端末10から送信された受付IDを受信して、所定の記憶領域へ一時記憶する。
【0109】
S1702において、発行登録サーバ30の制御部は、会員DB31において、受信した受付IDに対応する発行完了フラグを「CANCEL」に設定する。また、発行登録サーバ30の制御部は、会員DB31において、受信した受付IDに対応する中断事由を記録する。
S1703において、発行登録サーバ30の制御部は、発行完了フラグを「CANCEL」に設定したことを登録結果として携帯端末10へ送信する。
S1602において、携帯端末10の制御部17は、発行登録サーバ30から送信された登録結果を受信して、記憶部16へ一時記憶する。
【0110】
S1603において、携帯端末10の制御部17は、受付IDを記憶部16から削除して、処理を終了する。なお、
図8に示すS132の申込キャンセル処理では、受付IDのほか、発行情報、タグ情報等が記憶部16から削除される。
【0111】
上述した本実施形態のICタグ発行システム1によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
(1)ICタグ発行システム1は、携帯端末10が読取書込装置20と通信可能状態にあり、且つ携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に設置されている場合に、携帯端末10と読取書込装置20との間、及び携帯端末10と発行登録サーバ30との間でデータの送受信が許可される。そのため、ICタグ発行システム1では、携帯端末10と各装置間において、セキュリティ性の高い安全なデータの送受信を行うことができる。
【0112】
(2)ICタグ発行システム1は、携帯端末10が読取書込装置20と通信可能状態にあり、且つ携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に設置されている場合に、カード情報の読取りや、発行情報の書込みを行う。これによれば、例えばカード情報や発行情報の送信中に通信が途絶えて、携帯端末10又は読取書込装置20にカード情報や発行情報が残った状態となる可能性が少なくなるため、セキュリティ性をより高めることができる。
【0113】
(3)ICタグ発行システム1は、携帯端末10の加速度センサ14で検出される傾斜角度に基づいて、携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に正しく設置されていることを判定するため、携帯端末10と読取書込装置20との接続判定処理を正確に行うことができる。
【0114】
(4)ICタグ発行システム1は、携帯端末10のGPS受信機15で検出される位置情報に基づいて、携帯端末10が正規の店舗で使用されていることを判定するため、セキュリティ性をより高めることができる。
【0115】
(5)ICタグ発行システム1は、読取書込装置20とは別体の携帯端末10に記憶された携帯端末用プログラム161により接続判定処理を実行するため、携帯端末10と読取書込装置20を一体型とした場合に比べて、利便性に優れている。
【0116】
(6)ICタグ発行システム1は、読取書込装置20の設置部21が所定の傾斜角度で形成されている。従って、携帯端末10を設置部21に設置した場合に、携帯端末10のタッチパネル13がユーザに対して傾斜した状態となるため、タッチパネル13の視認性や操作性を高めることができる。
【0117】
(7)ICタグ発行システム1は、携帯端末10が発行登録サーバ30から受付IDを受信した後で申込情報を削除した後に、携帯端末10でカード情報を記憶する。これによれば、ユーザの申込情報とカード情報とが同時に携帯端末10に保持されることがないため、セキュリティ性をより高めることができる。
【0118】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0119】
(変形形態)
(1)実施形態では、読取書込装置20の設置部21に設置された携帯端末10を検出する検出部を加速度センサ14により構成した例について説明した。これに限らず、検出部を重量センサにより構成してもよい。この場合には、重量センサを設置部21の底面に配置しておき、読取書込装置20において、重量の検出値を携帯端末10に送信する。携帯端末10の制御部17は、重量の検出値が予め設定された重量の規定値を満たす場合に、携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に正しく設置されたと判定する。
【0120】
また、検出部をカメラにより構成してもよい。この場合には、カメラを設置部21の近傍に配置しておき、読取書込装置20において、カメラで撮影された画像を携帯端末10に送信する。携帯端末10の制御部17は、カメラで撮影された画像と予め撮影された画像とが一致する場合に、携帯端末10が読取書込装置20の設置部21に正しく設置されたと判定する。なお、予め設定された画像とは、例えば、携帯端末10を読取書込装置20の設置部21に正しく設置した状態で撮影した画像である。このように、ICタグ発行システム1において、検出部は、携帯端末10だけでなく、読取書込装置20に設けられていてもよいし、携帯端末10及び読取書込装置20の両方に設けられていてもよい。
【0121】
(2)実施形態では、発行登録サーバ30において、会員DB31及びカードDB32を管理する構成について説明した。これに限らず、審査サーバ40において、会員DB31及びカードDB32を管理する構成としてもよい。また、発行登録サーバ30において、会員DB31を管理し、審査サーバ40において、カードDB32を管理する構成としてもよい。
【0122】
(3)実施形態では、発行登録サーバ30と審査サーバ40とがそれぞれ個別に管理される例について説明した。これに限らず、発行登録サーバ30と審査サーバ40とが、1つのサーバで一体的に管理される構成としてもよい。
【0123】
(4)実施形態では、発行登録サーバ30と携帯端末10との間が通信ネットワーク50を介して接続される例について説明した。これに限らず、発行登録サーバ30と読取書込装置20との間が通信ネットワーク50を介して接続される構成としてもよい。
【0124】
(5)実施形態では、携帯端末10の位置情報を取得する手段としてGPS受信機15を用いた例について説明した。これに限らず、店舗に設置されたWi−Fi通信の無線LANアクセスポイントにおける電波強度に基づいて、位置を特定するように構成してもよい。
【0125】
(6)実施形態では、携帯端末10において、携帯電話用の無線通信方式により通信ネットワーク50に接続する例について説明した。これに限らず、店舗に設置されたWi−Fi通信の無線LANアクセスポイントから通信ネットワーク50に接続する構成としてもよい。また、携帯端末10にUSB型の無線LANアダプタを装着し、店舗に設置されたWi−Fi通信の無線LANアクセスポイントから通信ネットワーク50に接続する構成としてもよい。
【0126】
(7)実施形態では、読取書込装置20において、カード読取部23とICタグ読取書込部24とが一体に設けられた例について説明した。これに限らず、カード読取部23とICタグ読取書込部24とを物理的に分けた構成としてもよい。
【0127】
(8)実施形態では、携帯端末10の長手方向(高さ方向)が天地方向となるように読取書込装置20に設置する例について説明した。これに限らず、携帯端末10の短手方向(幅方向)が天地方向となるように読取書込装置20に設置する構成としてもよい。このような構成とした場合には、タッチパネル13が横向きとなるため、ユーザによる申込情報等の入力が容易となる。
【0128】
(9)実施形態において、携帯端末10のタッチパネル13に「やり直す」ボタンを表示させ、このボタンが押下された場合に、1つ前の処理に戻るようにしてもよい。