(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作表示体表示制御手段により表示される操作表示体は、当該操作表示体により数値指定される係数を含む関数式の表示色と当該関数式に対応するグラフ画像の表示色とに対応する色で識別して表示される、ことを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示制御装置。
前記共通表示制御手段は、前記式表示制御手段により表示された複数の関数式に共通に含まれる係数がある場合、当該共通に含まれる係数の数値を指定するための操作表示体を、前記グラフ表示制御手段により当該複数の関数式毎に識別して表示された各グラフ画像に共通であることを示す色で表示させる、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のグラフ表示制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明のグラフ表示制御装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す正面図である。
【0013】
このグラフ表示制御装置は、以下に説明する専用のグラフ関数電卓10として構成されるか、関数式に応じたグラフ表示機能を有するタブレット端末、携帯電話、携帯ゲーム機等として構成される。
【0014】
このグラフ関数電卓10は、入力された関数式とその関数式に応じたグラフ画像を表示させる機能を備えている。
【0015】
このグラフ関数電卓10の本体には、本体正面の下半分程度の範囲でキー入力部12が設けられ、上半分程度の範囲でタッチパネル表示部13が設けられる。
【0016】
前記キー入力部12には、数値・記号キー、関数・演算子キー、カーソルキーなどが備えられる。
【0017】
前記数値・記号キーは、数字,記号などの個々のキーを配列した数値・記号の入力用キー群からなる。
【0018】
前記関数・演算子キーは、演算式や関数式を入力する際に操作される各種の関数記号キーや、[+][−][×][÷][=]などの演算子キーからなる。
【0019】
また、前記タッチパネル表示部13は、カラー表示可能な液晶表示画面13dの上に、透明タッチパネル13tを重ねて構成される。
【0020】
このグラフ関数電卓10は、前記タッチパネル表示部13の下端に沿って表示されるメニューボタン[Menu]のタッチ操作に応じて、
図1に示すようなメインメニューMが表示され、このメインメニューMに表示された各種のアイコンを選択的にタッチ操作することで、タッチされたアイコンに応じた機能の動作モードになる。
【0021】
この実施形態では、[Graph & Table]アイコンGTにより起動されるグラフ機能の動作モード(グラフモード)について説明する。
【0022】
図2は、前記グラフ関数電卓10の回路構成を示すブロック図である。
【0023】
前記グラフ関数電卓10は、マイクロコンピュータであるCPU11を備えている。
【0024】
前記CPU11は、フラッシュROM等の記憶装置14に予め記憶された電卓制御プログラム14a、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体17から記録媒体読取部16を介して前記記憶装置14に読み込まれた電卓制御プログラム14a、あるいは通信ネットワーク(インターネット)上のWebサーバ(プログラムサーバ)から通信制御部18を介して前記記憶装置14にダウンロードされた電卓制御プログラム14aに従い、RAM15を作業用のメモリとして回路各部の動作を制御し、電卓機能や関数グラフ描画機能など、グラフ関数電卓10に備えられた各種の機能を実行する。
【0025】
このCPU11には、
図1に示したキー入力部12、タッチパネル表示部13の他に、前記記憶装置14、RAM15、記録媒体読取部16、通信制御部18などが接続されている。
【0026】
前記RAM15は、前記CPU11の処理動作に必要な各種のデータを記憶する。このRAM15には、前記タッチパネル表示部13の画面上にカラー表示されるデータが展開される表示データ記憶領域15aの他、タッチ座標データ記憶領域15b、レンジデータ記憶領域15c、数式データ記憶領域15d、係数データ記憶領域15e、スライダパターンテーブル15f、グラフデータ記憶領域15gが設けられる。
【0027】
前記タッチ座標データ記憶領域15bには、前記タッチパネル表示部13により検出されたユーザ操作に応じたタッチ位置の座標データが記憶される。
【0028】
前記レンジデータ記憶領域15cには、前記グラフモードにおいてタッチパネル表示部13のグラフ画像エリアG(
図5参照)に対して設定されるグラフ画像の表示範囲を示すX座標レンジ(Xmin〜Xmax)とY座標レンジ(Ymin〜Ymax)が記憶される。
【0029】
前記数式データ記憶領域15dには、前記キー入力部12の操作により入力された関数式y=f(x)に関するデータが、複数の関数式y1,y2,…毎に設定されるグラフ式エリアF(
図5参照)上での表示色のデータと共に記憶される。本実施の形態においては、関数式y1の表示色は「青色」、y2の表示色は「赤色」、y3は「緑色」、y4は「桃色」、y5は「黒色」の5種類に設定され、y6以降はその5種類の表示色の繰り返しで設定される。
【0030】
前記係数データ記憶領域15eには、前記数式データ記憶領域15dに記憶された関数式y=f(x)に含まれる各項毎の係数に関するデータが、その係数の記号(例えば、a,b,c,…)、その係数に設定された数値のデータと共に記憶される。
【0031】
前記スライダパターンテーブル15fには、前記係数データ記憶領域15eに記憶された各係数a,b,cの数値を、ユーザ操作に応じて指定するための操作表示体である係数スライダSL1,SL2,SL3(
図5参照)のパターンに関するデータが、その表示色、可変最小値(Min)、可変最大値(Max)、現在値(Current)、変化量(Step)に関するデータと共に記憶される。ここで、前記係数スライダSL1,SL2,SL3の各表示色は、該当する係数が含まれる前記関数式ynの表示色と同一色に設定され、その可変最小値(Min)“1”、可変最大値(Max)“5”、現在値(Current)“1”、変化量(Step)“1”として初期設定される。
【0032】
なお、前記スライダパターンテーブル15fに記憶される係数値の変化量(Step)は、係数スライダSLnの左ボタン[←]Bdまたは右ボタン[→]Buに対する1回のタッチ操作に応じた減少または増加の変化量であり、これとは別に、前記係数スライダSLnのつまみTの可変範囲W(Tmin〜Tmax)における1表示ドット分の移動幅に対応した変化量(Dot)も記憶される。
【0033】
ここで、前記係数スライダSLnの左ボタン[←]Bdまたは右ボタン[→]Buに対する1回のタッチ操作に応じた変化量(Step)をステップ単位、前記係数スライダSLnのつまみTの可変範囲W(Tmin〜Tmax)における1表示ドット分の移動幅に対応した変化量(Dot)をドット単位と定義する。
【0034】
前記グラフデータ記憶領域15gには、前記数式データ記憶領域15dに記憶された関数式y=f(x)と当該関数式y=f(x)に含まれる各項の係数の数値とに基づき生成されるグラフに関するデータが、前記複数の関数式y1,y2,…のそれぞれに応じたグラフ画像の描画位置を示すデータおよび当該各グラフ画像y1,y2,…の表示色を示すデータとして記憶される。ここで、前記グラフ画像y1,y2,…の各表示色は、該当する関数式ynの表示色と同一色に設定される。
【0035】
すなわち、前記数式データ記憶領域15dに記憶された関数式ynの表示色と、前記スライダパターンテーブル15fに記憶された当該関数式ynに含まれる係数の数値を変化させるための係数スライダSLnの表示色と、前記グラフデータ記憶領域15gに記憶された当該係数スライダSLnによって係数値が変化される前記関数式ynに応じたグラフ画像ynの表示色とは同一色になる。
【0036】
このように構成されたグラフ関数電卓10は、CPU11が前記電卓制御プログラム14aに記述された各種の処理の命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、以下の動作説明で述べる各種の機能を実現する。
【0037】
次に、前記構成のグラフ関数電卓10の動作について説明する。
【0038】
図3Aは、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理(その1)を示すフローチャートである。
【0039】
図3Bは、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理(その2)を示すフローチャートである。
【0040】
図4は、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理に伴う係数スライダ設定処理を示すフローチャートである。
【0041】
図5は、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理に伴う表示動作(その1)を示す図である。
【0042】
図6は、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理に伴う表示動作(その2)を示す図である。
【0043】
前記
図1で示したように、メニューボタン[Menu]のタッチ操作に応じてタッチパネル表示部13に表示されたメインメニューMにおいて、[Graph & Table]アイコンGTがタッチ操作されて選択されると、グラフモードが起動され、
図5(A)に示すように、タッチパネル表示部13の上半分の領域と下半分の領域とにそれぞれグラフ式エリアFとグラフ画像エリアGとが表示される(ステップS1(Yes))。
【0044】
前記グラフ式エリアFにおいて、式番号ynの位置がタッチ操作により指定され、キー入力部12の操作に応じて係数付きの関数式が入力されると(ステップS2)、入力された関数式は、前記数式データ記憶領域15dに記憶され、前記指定された式番号ynに応じて予め個別に設定されている表示色により表示される(ステップS3)。
【0045】
本実施形態では、入力された関数式y1=a・x+bが青色で表示され、関数式y2=c・xが赤色で表示され、関数式y3=a・x
2が緑色で表示され、また、各関数式y1,y2,y3に応じたグラフ画像の線分の描画色を示す描画色マークm1,m2,m3も同各関数式の表示色と同色で表示される。
【0046】
このように、任意の関数式y1,y2,y3が入力されたグラフ式エリアFにおいて、当該関数式の先頭に位置させたチェックボックスBcがタッチされて指定され、グラフ画像の描画対象となる関数式y1,y2にチェックマークが付加される(ステップS4)。
【0047】
前記チェックマークが付加された関数式y1,y2について、当該関数式の係数を変化させながら同関数式に応じたグラフ画像の変化を表示させるために、
図5(B)に示すように、ダイナミックグラフモードの実行アイコンDyがタッチ操作されると(ステップS5(Yes))、
図4における係数スライダ設定処理へ移行される(ステップSA)。
【0048】
この係数スライダ設定処理では、前記描画対象として指定された各関数式y1,y2について、順番にその式の先頭から係数の検出が開始され(ステップA1)、先ず、当該係数の検出数Iとして“1”がセットされる(ステップA2)。
【0049】
そして先ず、前記関数式y1=a・x+bの係数aが検出されたと判断されると(ステップA3(Yes))、同係数aが前記係数データ記憶領域15eに記憶され、前記スライダパターンテーブル15fにその係数値を変化して設定するための数値(最小値、最大値、現在値、変化量)が既に記憶されているか否か判断される(ステップA4)。
【0050】
ここで、前記係数aの係数値を変化させるための数値が記憶されていないと判断されると(ステップA4(No))、当該係数aの係数スライダSL1(I=1)に対応した初期値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)が設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA6)。
【0051】
なお、前記ステップA3にて検出された係数の係数値を変化して設定するための数値が前記スライダパターンテーブル15fに既に記憶されていると判断された場合は(ステップA4(Yes))、当該元の係数値(最小値、最大値、現在値、変化量)がそのまま前記検出された係数の係数スライダSLn(I=n)に対応して設定される(ステップA5)。
【0052】
そして、前記関数式y1=a・x+bから検出された係数aが前記描画対象の他の関数式y2=cxにも含まれるか否かが判断され(ステップA7)、含まれないと判断されると(ステップA7(No))、当該係数aの係数スライダSL1の表示色がその係数aを含む関数式y1の表示色と同色の青色に設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA8)。
【0053】
なお、前記ステップA3にて検出された係数が前記描画対象の他の関数式ynにも含まれていると判断された場合は(ステップA7(Yes))、当該検出された係数の係数スライダSLn(I=n)の表示色は前記描画対象の各関数式yn…の表示色の何れにも該当しない共通色(例えば[黄色])に設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA9)。
【0054】
こうして、前記描画対象の関数式ynから検出された係数について、その係数スライダSLnに対応した係数値および表示色が設定されて記憶されると、当該係数の検出数I=3に達したか否か判断される(ステップA10)。
【0055】
ここで、前記係数の検出数I=3に達していないと判断されると(ステップA10(No))、前記描画対象の各関数式y1,y2について、前記検出された係数a以外に他の係数がないか否かが判断される(ステップA11)。
【0056】
ここで、前記検出された係数a以外に他の係数があることが確認されると(ステップA11(No))、当該係数の検出数Iが“2”にインクリメントされ(ステップA12)、前記描画対象の各関数式y1,y2について次の係数の検出が開始される(ステップA13)。
【0057】
するとこの後、前記ステップA3以降の処理が繰り返され、前記描画対象の関数式y1=a・x+bから検出された次の係数bの係数スライダSL2(I=2)に対応した初期値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)が設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA3,A4→A6)。
【0058】
また、前記検出された係数bの係数スライダSL2の表示色がその係数bを含む関数式y1の表示色と同色の青色に設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA7→A8)。
【0059】
そして、前記係数の検出数I=3に達していないと判断され(ステップA10(No))、また、前記描画対象の各関数式y1,y2について、前記検出された係数a,b以外に他の係数があることが確認されると(ステップA11(No))、当該係数の検出数Iが“3”にインクリメントされ(ステップA12)、前記各関数式y1,y2について次の係数の検出が開始される(ステップA13)。
【0060】
するとさらに、前記ステップA3以降の処理が繰り返され、前記描画対象の次の関数式y2=c・xから検出された次の係数cの係数スライダSL3(I=3)に対応した初期値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)が設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA3,A4→A6)。
【0061】
また、前記検出された係数cの係数スライダSL3の表示色がその係数cを含む関数式y2の表示色と同色の赤色に設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA7→A8)。
【0062】
そして、前記係数の検出数I=3に達したと判断されるか(ステップA10(Yes))、または、前記検出された係数以外に他の係数がないことが確認されると(ステップA11(Yes))、前記一連の係数スライダ設定処理は終了される(リターン)。
【0063】
なお、前記ステップA3において、前記描画対象に指定した関数式nから係数が検出されないと判断された場合には(ステップA3(No))、前記一連の係数スライダSLnの設定処理(ステップA3〜A13)は行われない(ステップA14)。
【0064】
こうして、前記係数スライダ設定処理に従い、前記描画対象の関数式y1=a・x+b、y2=c・xから順次検出された3つの係数a,b,cについて、各対応する係数スライダSL1,SL2,SL3それぞれの係数値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)およびその表示色(青色、青色、赤色)が設定されて前記スライダパターンテーブル15fに記憶されると(ステップSA)、
図5(B)に示すように、前記グラフ式エリアFに対して、前記各係数スライダSL1,SL2,SL3が前記設定された表示色のバーが付けられて表示される(ステップS6)。
【0065】
ここで、前記各係数スライダSL1,SL2,SL3は、
図5(B)(C)に示すように、前記設定された係数値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)に応じた値で可変設定するための左ボタン[←]Bd、右ボタン[→]Buと、当該左右のボタンBd,Bu間に伸びる棒状の可変範囲W(Tmin〜Tmax)にて現在値を示すつまみTとを有し、そのつまみTの位置を左右に移動させると、当該移動した位置に対応する値が係数の現在値として前記可変範囲W上の係数値エリアに表示される。
【0066】
前記各係数スライダSL1,SL2,SL3のつまみTは、最初、前記設定された現在値“1”の位置に表示される。
【0067】
すると、前記各係数a,b,cの数値を前記設定された現在値“1”とした前記描画対象の各関数式y1=a・x+b、y2=c・xに応じたグラフ画像y1,y2のデータが、前記レンジデータ記憶領域15cに記憶されたXY座標レンジに従い前記グラフデータ記憶領域15gに描画される。そして、前記グラフ画像y1は、前記関数式y1=a・x+bおよびその係数a,bの係数スライダSL1,SL2と同じ表示色の青色でグラフ画像エリアGに表示され、また、前記グラフ画像y2は、前記関数式y2=c・xおよびその係数cの係数スライダSL3と同じ表示色の赤色でグラフ画像エリアGに表示される(ステップS7)。
【0068】
なお、前記描画対象の各関数式y1,y2に含まれる各係数a,b,cに対応した係数スライダSL1,SL2,SL3は、当該各スライダ上部のバーを、該当する係数を含む各関数式y1,y2の表示色と同色にして識別表示したが、
図6(A)に示すように、各係数スライダSL1,SL2,SL3のつまみTを、該当する係数を含む各関数式y1,y2の表示色と同色にして識別表示してもよい。また、
図6(A)に示すように、各係数スライダSLに表示される各係数a(青),b(青),c(赤)の色を()内のように各関数式y1,y2の表示色と同色にして識別表示してもよい。
【0069】
そして、前記描画対象の関数式y1,y2に含まれる何れかの係数の係数スライダSLnのつまみTがタッチ操作されて左または右に移動されると(ステップS12(Yes))、当該係数の数値が、前記つまみTのドット単位での移動位置に応じた値に再設定される(ステップS13)。
【0070】
すると、前記係数スライダSLnにより再設定された係数の数値に変化した後の前記各関数式y1,y2に応じたグラフ画像y1,y2が再描画され、前記グラフ画像エリアGに更新されて表示される(ステップS11)。
【0071】
具体的には、前記
図5(B)で示したようにグラフ式エリアFに青色で表示された関数式y1=a・x+bに含まれる係数aの係数スライダSL1(現在値“1”)において、
図6(B)に示すように、つまみTをタッチ操作して右に移動させると(ステップS12(Yes))、当該係数aの数値が、前記つまみTのドット単位での移動位置に応じた値“2.4”に再設定される(ステップS13)。そして、この再設定された係数aの数値“2.4”に変化した後の前記関数式y1に応じたグラフ画像y1が再描画され、前記グラフ画像エリアGに更新されて表示される(ステップS11)。
【0072】
また、前記描画対象の関数式y1,y2に含まれる何れかの係数の係数スライダSLnの左ボタン[←]Bdまたは右ボタン[→]Buがタッチ操作された場合は(ステップS8(Yes))、当該係数の数値が、前記設定された現在値からステップ単位の変化量だけ増減した値に再設定され(ステップS9)、この再設定された係数の数値に対応する位置につまみTが移動されて表示される(ステップS10)。
【0073】
すると、前記係数スライダSLnにより再設定された係数の数値に変化した後の前記各関数式y1,y2に応じたグラフ画像y1,y2が再描画され、前記グラフ画像エリアGに更新されて表示される(ステップS11)。
【0074】
このように、ユーザ入力された複数の関数式y1,y2に応じたグラフ画像y1,y2を表示させ、各関数式y1,y2に含まれる何れかの係数の数値をその係数の係数スライダSLnにより変化させ該当するグラフ画像y1,y2の表示を変化させて解析する場合に、当該係数スライダSLnの表示色とその係数が含まれる関数式yの表示色、そして、その関数式yに応じたグラフ画像yの表示色とを、何れも同じ表示色にして表示させるので、変化させる係数に対応したグラフ画像yを容易に識別できる。
【0075】
図7は、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理に伴う表示動作(その3)を示す図である。
【0076】
図8は、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理に伴う表示動作(その4)を示す図である。
【0077】
前記
図5(A)で示したように、タッチパネル表示部13のグラフ式エリアFに、ユーザ入力された3つの関数式y1=a・x+b、y2=c・x、y3=a・x
2が、それぞれ予め設定された青色、赤色、緑色に識別されて表示され、そのうち2つの関数式y1,y3が、
図7(A)に示すように、描画対象として指定された状態で(ステップS1〜S4)、ダイナミックグラフモードの実行アイコンDyがタッチ操作されると(ステップS5(Yes))、
図4における係数スライダ設定処理へ移行される(ステップSA)。
【0078】
前記描画対象として指定された各関数式y1,y3について、順番にその式の先頭から係数の検出が開始され(ステップA1)、先ず、当該係数の検出数Iとして“1”がセットされる(ステップA2)。
【0079】
そして先ず、前記関数式y1=a・x+bの係数aが検出されたと判断されると(ステップA3(Yes))、同係数aが前記係数データ記憶領域15eに記憶され、前記スライダパターンテーブル15fにその係数値を変化して設定するための数値(最小値、最大値、現在値、変化量)が既に記憶されているか否か判断される(ステップA4)。
【0080】
ここで、前記係数aの係数値を変化させるための数値が前記スライダパターンテーブル15fに既に記憶されていると判断されると(ステップA4(Yes))、当該元の係数値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)がそのまま前記検出された係数aの係数スライダSL1に対応して設定される(ステップA5)。
【0081】
そして、前記関数式y1=a・x+bから検出された係数aが前記描画対象の他の関数式y3=a・x
2にも含まれていると判断されると(ステップA7(Yes))、当該検出された係数aの係数スライダSL1の表示色は前記描画対象の各関数式y1,y3の表示色の何れでもない共通色[黄色]に設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA9)。
【0082】
そして、前記係数の検出数I=3に達していないと判断され(ステップA10(No))、また、前記描画対象の各関数式y1,y3について、前記検出された係数a以外に他の係数があることが確認されると(ステップA11(No))、当該係数の検出数Iが“2”にインクリメントされ(ステップA12)、前記各関数式y1,y3について次の係数の検出が開始される(ステップA13)。
【0083】
するとさらに、前記ステップA3以降の処理が繰り返され、前記描画対象の関数式y1=a・x+bから検出された次の係数bの係数スライダSL2(I=2)に対応した元の係数値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)がそのまま設定され前記スライダパターンテーブル15fに記憶される(ステップA3,A4,A5)。
【0084】
そして、前記係数の検出数I=3に達していないと判断されるが(ステップA10(No))、前記描画対象の各関数式y1,y3において、前記検出された係数a,b以外に係数がないことが確認されると(ステップA11(Yes))、前記一連の係数スライダ設定処理は終了される(リターン)。
【0085】
こうして、前記係数スライダ設定処理に従い、前記描画対象の関数式y1=a・x+b、y3=a・x
2から順次検出された2つの係数a,bについて、各対応する係数スライダSL1,SL2それぞれの係数値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)およびその表示色(黄色(共通色)、青色)が設定されて前記スライダパターンテーブル15fに記憶されると(ステップSA)、
図7(A)に示すように、前記グラフ式エリアFに対して、前記各係数スライダSL1,SL2が前記設定された表示色のバーが付けられて表示される(ステップS6)。
【0086】
すると、前記各係数a,bの数値を前記設定された現在値“1”とした前記描画対象の各関数式y1=a・x+b、y3=a・x
2に応じたグラフ画像y1,y3のデータが、前記レンジデータ記憶領域15cに記憶されたXY座標レンジに従い前記グラフデータ記憶領域15gに描画される。そして、前記グラフ画像y1は、前記関数式y1=a・x+bおよびその式単独の係数bの係数スライダSL2と同じ表示色の青色でグラフ画像エリアGに表示され、また、前記グラフ画像y3は、前記関数式y3=a・x
2と同じ表示色の緑色でグラフ画像エリアGに表示される(ステップS7)。
【0087】
そして、
図7(B)に示すように、前記描画対象の関数式y1,y3の両方に含まれる共通の係数aの係数スライダSL1の右ボタン[→]Buが1回タッチ操作されると(ステップS8(Yes))、当該係数aの数値が、前記設定された現在値“1”からステップ単位の変化量“1”だけ増加した値“2”に再設定され(ステップS9)、この再設定された係数aの数値“2”に対応する位置につまみTが移動されて表示される(ステップS10)。
【0088】
すると、前記係数スライダSL1により再設定された係数aの数値“2”に変化した後の前記各関数式y1,y3に応じたグラフ画像y1,y3が再描画され、前記グラフ画像エリアGに更新されて表示される(ステップS11)。
【0089】
このように、前記描画対象の各関数式y1=a・x+b、y3=a・x
2に応じた各グラフ画像y1、y3を、各対応する関数式の表示色と同色の青色、緑色で表示させると共に、前記各関数式y1、y3に共通に含まれる係数aの係数スライダSL1は、当該各関数式y1、y3の表示色の何れでもない共通を意味する表示色の黄色で表示させるので、当該係数スライダSL1により変化させる前記各関数式y1,y3に共通の係数aに対応した各グラフ画像y1,y3をその変化前であっても容易に認識できる。
【0090】
ここで、前記グラフ式エリアFに表示されている係数aの係数スライダSL1に示されるメニューアイコンMsがタッチ操作されると(ステップS15(Yes))、
図7(C)に示すように、係数スライダSL1用のプルダウンメニューMpが表示される(ステップS16)。
【0091】
このプルダウンメニューMpは、[Setting]Set、[Auto Play]Aut、[Minimize]Minの3つの項目を有し、そのうち[Setting]Setがタッチ操作されて選択されると(ステップS17(Yes))、
図8(A)に示すように、該当する係数スライダSL1のための係数値設定画面ST1が表示され、この場合には、前記係数(Parameter)“a”の現在値(Current)、最小値(Min)、最大値(Max)、変化量(Step)の設定変更が可能になる(ステップS18)。
【0092】
この係数スライダSL1の係数値設定画面ST1において、ユーザ操作に応じて、矢印xに示すように、その現在値(Current)を“−1”、最小値(Min)を“−2”、最大値(Max)を“2”、変化量(Step)を“0.5”に設定変更した画面ST1´とし(ステップS19)、[OK]ボタンのタッチ操作により設定完了と判断されると(ステップS21(Yes))、
図8(B)に示すように、当該係数スライダSL1の各設定値が、最小値“−2”、最大値“2”、現在値“−1”に再設定されると共に、そのつまみTが前記現在値“−1”に対応する位置に移動されて表示される(ステップS8〜S10)。
【0093】
すると、前記係数スライダSL1により再設定された係数aの数値“−1”に変化した後の前記各関数式y1,y3に応じたグラフ画像y1,y3が再描画され、前記グラフ画像エリアGに更新されて表示される(ステップS11)。
【0094】
なお、前記係数スライダSL1の係数値設定画面ST1(ST1´)において、その係数タブ[Slider1]が[Slider2]に切り替えられると(ステップS20(Yes))、前記係数bの係数スライダSL2の係数値設定画面ST2が表示される(ステップS18)。
【0095】
そして、前記係数スライダSL1の左ボタン[←]Bdが1回タッチ操作されると(ステップS8(Yes))、
図8(C)に示すように、係数aの数値が、前記設定変更された現在値“−1”からステップ単位の変化量“0.5”だけ減少した値“−1.5”に再設定され(ステップS9)、この再設定された係数aの数値“−1.5”に対応する位置につまみTが移動されて表示される(ステップS10)。
【0096】
すると、前記係数スライダSL1により再設定された係数aの数値“−1.5”に変化した後の前記各関数式y1,y3に応じたグラフ画像y1,y3が再描画され、前記グラフ画像エリアGに更新されて表示される(ステップS11)。
【0097】
一方、前記
図7(C)で示した係数スライダSL1用のプルダウンメニューMpにおいて、[Auto Play]Autがタッチ操作されて選択されると(ステップS22(Yes))、前記係数aの設定変更されたステップ単位の変化量“0.5”毎に、前記描画対象の各関数式y1=a・x+b、y3=a・x
2における係数aの数値が、前記最小値“−2”から最大値“2”まで順次繰り返し変更され、各対応するグラフ画像y1,y3が順次描画されて表示される(ステップS23)。
【0098】
そして、[AC]または[EXIT]のユーザ操作があったと判断された場合は(ステップS24(Yes))、前記[Auto Play]Autの選択に応じた前記係数aの数値の自動変更処理は終了される。
【0099】
また、前記
図7(C)で示した係数スライダSL1用のプルダウンメニューMpにおいて、[Minimize]Minがタッチ操作されて選択されると(ステップS25(Yes))、前記グラフ式エリアFにおける各係数スライダSL1,SL2の表示が消去されると共に、
図7(D)に示すように、前記タッチパネル表示部13の下端に最小化されたスライダアイコンSLminが表示される(ステップS26)。ここで、前記最小化されたスライダアイコンSLminがタッチ操作されると、前記グラフ式エリアFによる元の係数スライダSL1,SL2の表示に戻る。
【0100】
なお、前記各関数式ynに応じたグラフ画像ynが描画されて表示されたタッチパネル表示部13において、そのグラフ式エリアFがタッチ操作されると(ステップS14(Yes))、当該グラフ式エリアFに対する任意の関数式ynの入力処理に戻る(ステップS2)。
【0101】
したがって、前記構成のグラフ関数電卓10のグラフ描画機能(
図5、
図6参照)によれば、描画対象として指定された複数の関数式y1=a・x+b,y2=c・xに応じたグラフ画像y1,y2を表示させ、各関数式y1,y2に含まれる係数a,b,cの数値をその係数の係数スライダSL1,SL2,SL3により変化させ該当するグラフ画像y1,y2の表示を変化させて解析する場合に、当該係数スライダSL1,SL2,SL3の表示色とその係数a,b,cが含まれる関数式y1,y2の表示色、そして、その関数式y1,y2に応じたグラフ画像y1,y2の表示色とを、何れも同じ表示色にして表示させるので、変化させる関数式の係数a,b,cの何れかに対応したグラフ画像y1,y2を容易に識別できるようになる。
【0102】
また、前記構成のグラフ関数電卓10のグラフ描画機能(
図7、
図8参照)によれば、描画対象として指定された複数の関数式y1,y3に共通して含まれる係数aの係数スライダSL1は、各関数式yn…の何れの表示色でもない共通を示す表示色(黄色)で表示されるので、当該係数スライダSL1によって係数aの数値を変更した場合には、前記描画対象の各関数式y1,y3に応じたグラフ画像y1,y3の何れもが変化して描画されることを容易に認識できるようになる。
【0103】
なお、前記実施形態では、描画対象に指定された複数の関数式y1,y2,…と、当該各関数式y1,y2,…に応じたグラフ画像y1,y2,…と、前記各関数式y1,y2,…に含まれる各係数a,b,…の数値を可変設定するための各係数スライダSL1,SL2,…とを、各関数式y1,y2,…毎に異なる同一かまたは各対応する表示色で識別表示させる構成とした。これに加えて、以下の
図9に示すように、前記各係数スライダSL1,SL2,…毎にそのスライダSLnによって変更可能な係数値の係数を有する関数式に応じたグラフ画像yの線種を異ならせて識別表示させる構成としてもよい。
【0104】
図9は、前記グラフ関数電卓10のグラフ描画処理に伴う他の実施形態の表示動作を示す図である。
【0105】
すなわち、
図9で示す実施形態では、描画対象として指定された3つの関数式y1=a・x+b、y3=a・x
2、y4=y3+2は、各関数式y1,y3,y4に共通の係数a(関数式y4はy3(=a・x
2)を含むためy4=a・x
2+2と読み替えて係数aを共通に含むと判断)と、関数式y1に単独の係数bとを有し、前記係数aの係数スライダSL1は、前記各関数式y1,y3,y4に共通であることを示す予め設定された共通色の黄色で表示されると共に、そのスライダSL1上に、同係数aの数値の変更に応じて変化するグラフ画像y1,y3,y4の線種が点線Lpとしてガイド表記される。また、前記係数bの係数スライダSL2は、前記関数式y1と同色の青色で表示されると共に、そのスライダSL2上に同係数bの数値の変更に応じて変化するグラフ画像y1の線種が二重線Lwとしてガイド表記される。
【0106】
そして、前記係数スライダSL1の左ボタン[←]Bdまたは右ボタン[→]Buのタッチ操作により、前記係数aの数値がステップ単位で変更されて再設定されるか(ステップS8〜S10)、または同係数スライダSL1のつまみTを左右に移動させることで、前記係数aの数値がドット単位で変更されて再設定されると(ステップS12,S13)、当該再設定された係数aの数値(ここでは“2”)に変化した後の前記各関数式y1,y3,y4に応じたグラフ画像y1,y3,y4が、何れも当該再設定の係数aに対応付けられた線種である点線Lpにより識別して再描画され、前記グラフ画像エリアGに更新されて表示される(ステップS11)。
【0107】
これによれば、前記係数スライダSL1によって係数aの数値を変更した場合に、前記描画対象の各関数式y1,y3,y4に応じたグラフ画像y1,y3,y4の何れもが変化して描画されることをより容易且つ明確に認識できるようになる。
【0108】
この際、前記係数スライダSLnのタッチ操作による係数値の変更中あるいは変更中から変更直後まで当該係数スライダSLnを例えば赤枠で囲んで識別表示Hさせることで、変更対象である係数とその係数を含む関数式ynおよびその関数式ynに応じたグラフ画像ynとの関係をより明確に示すことができる。
【0109】
また、前記係数スライダSL1用のプルダウンメニューMp(
図7(C)参照)において、[Auto Play]Autがタッチ操作されて選択された場合も(ステップS22(Yes))、前記係数aのステップ単位の変化量(Step)毎に、前記描画対象の各関数式y1,y3,y4における係数aの数値が、その最小値から最大値まで順次繰り返し変更され、各対応するグラフ画像y1,y3,y4が、何れも前記再設定の係数aに対応付けられた線種である点線Lpにより識別して再描画される(ステップS23)。
【0110】
なお、前記各実施形態において、前記タッチパネル表示部13に表示させた係数スライダSLnの左ボタンBdや右ボタンBu、つまみTは、ユーザがタッチ操作するものとして説明したが、本実施形態のグラフ関数電卓10をエミュレータとしてパーソナルコンピュータ上で動作させる場合、マウスポインタを前記ボタンBdまたはBu上に位置させて左クリックしたり、前記つまみT上に位置させ左クリックしながら移動したりして操作してもよいのは勿論である。
【0111】
さらに、前記各実施形態において、ユーザ入力された関数式y=f(x)に含まれる係数の数値をユーザ操作に応じて指定するための操作表示体として係数スライダSLnを用いて説明したが、例えば係数aの数値を変更する操作表示体としては、[a=1,2,3,4,5]等の数値配列表示から所望の数値をタッチ操作して選択したり、同数値配列表示内の何れかの数値を識別表示させたカーソルを左右キーの操作によって移動させ所望の数値を選択したりする構成としてもよい。
【0112】
なお、前記各実施形態において記載したグラフ表示制御装置による各処理の手法、すなわち、
図3A,
図3Bのフローチャートに示すグラフ描画処理、
図4のフローチャートに示す前記グラフ描画処理に伴う係数スライダ設定処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、ユーザ入力可能な表示部を備えた電子機器のコンピュータ(制御装置)は、この外部記憶装置の媒体に記憶されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明したグラフ描画機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0113】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク上を伝送させることができ、この通信ネットワークに接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記プログラムのデータをユーザ入力可能な表示部を備えた電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述したグラフ描画機能を実現することもできる。
【0114】
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。たとえば、
図4のステップA6において係数の係数スライダSL1(I=1)に対応した初期値(最小値“1”、最大値“5”、現在値“1”、変化量“1”)が設定されることとしたが、たとえば初期値を(最小値“−10”、最大値“10”、現在値“1”、変化量“1”)としても良い。こうすることで、最初は標準的な「1」の係数値とし、正負の同じ大きさまで変化させたグラフを順次表示させることができる。
【0115】
また、
図4のステップS12,S13において、何れかの係数の係数スライダSLnのつまみTがタッチ操作されて左または右に移動されると、当該係数の数値が、前記つまみTのドット単位での移動位置に応じた値に再設定されるようにしたが、つまみTの左右の移動を、係数スライダに対応した変化量毎の移動としても良い。初期値では、変化量が“1”となっており、係数スライダを変化量“1”毎の所望の位置に迅速に移動でき、係数スライダに対応する係数値のグラフ画像が迅速に描画される。また変化量を“0.2”や“0.01”等の所望の小さい値に設定すれば、所望の小さい値毎の正確な位置に迅速に移動でき、係数スライダに対応する係数値のグラフ画像が迅速に描画される。
【0116】
さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0117】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0118】
[1]
係数を含む複数の関数式を表示部に表示させる式表示制御手段と、
この式表示制御手段により表示された複数の関数式のうちのいずれかの関数式に対応するグラフ画像を当該関数式に応じて識別して前記表示部に表示させるグラフ表示制御手段と、
前記複数の関数式の何れかに含まれる係数の数値を指定するための操作表示体を、前記グラフ表示制御手段により当該関数式毎に識別して表示されたグラフ画像に対応して識別して表示させる操作表示体表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするグラフ表示制御装置。
【0119】
[2]
前記操作表示体表示制御手段により表示される操作表示体は、当該操作表示体により数値指定される係数を含む関数式の表示色と当該関数式に対応するグラフ画像の表示色とに対応する色で識別して表示される、
ことを特徴とする[1]に記載のグラフ表示制御装置。
【0120】
[3]
前記グラフ表示制御手段は、前記式表示制御手段により表示された複数の関数式にそれぞれ対応するグラフ画像を当該関数式毎に識別して前記表示部に表示させ、
前記式表示制御手段により表示された複数の関数式に共通に含まれる係数がある場合、当該共通に含まれる係数の数値を指定するための操作表示体を、前記グラフ表示制御手段により当該複数の関数式毎に識別して表示された各グラフ画像に共通であることを示す表示形態で表示させる共通表示制御手段を備えた、
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のグラフ表示制御装置。
【0121】
[4]
前記グラフ表示制御手段は、前記式表示制御手段により表示された複数の関数式にそれぞれ対応するグラフ画像を当該関数式毎に識別して前記表示部に表示させ、
前記操作表示体表示制御手段は、
前記式表示制御手段により表示された複数の関数式に含まれる係数を順次所定数検出する係数検出手段を有し、
この係数検出手段により検出された各係数の数値をそれぞれ指定するための操作表示体を、前記グラフ表示制御手段により当該各係数を含む関数式毎に識別して表示されたグラフ画像に対応して識別して表示させる、
ことを特徴とする[1]ないし[3]の何れかに記載のグラフ表示制御装置。
【0122】
[5]
前記式表示制御手段により表示された複数の関数式からユーザ操作に応じて表示対象の関数式を指定する関数式指定手段を備え、
前記係数検出手段は、前記関数式指定手段により指定された複数の関数式に含まれる係数を順次所定数検出する、
ことを特徴とする[4]に記載のグラフ表示制御装置。
【0123】
[6]
前記共通表示制御手段は、前記式表示制御手段により表示された複数の関数式に共通に含まれる係数がある場合、当該共通に含まれる係数の数値を指定するための操作表示体を、前記グラフ表示制御手段により当該複数の関数式毎に識別して表示された各グラフ画像に共通であることを示す色で表示させる、
ことを特徴とする[3]ないし[5]の何れかに記載のグラフ表示制御装置。
【0124】
[7]
前記共通表示制御手段は、
前記式表示制御手段により表示された複数の関数式に共通に含まれる係数がある場合、当該共通に含まれる係数の数値を指定するための操作表示体に特定の線種を表記する線種表記手段と、
この線種表記手段により特定の線種が表記された操作表示体のユーザ操作に応じて係数の数値が指定された際に、当該数値指定された係数を共通に含む複数の関数式に対応して前記グラフ表示制御手段により前記表示部に表示されている各グラフ画像の線種を前記特定の線種で識別して表示させるグラフ線種識別表示制御手段と、
を有することを特徴とする[3]ないし[6]の何れかに記載のグラフ表示制御装置。
【0125】
[8]
前記共通表示制御手段は、
前記式表示制御手段により表示された複数の関数式に共通に含まれる係数があるかを判断する共通係数判断手段を有し、
この共通係数判断手段は、前記式表示制御手段により表示された複数の関数式のうち、何れかの関数式に他の関数式が内在している場合、当該内在している関数式の部分を前記他の関数式に読み替えて共通に含まれる係数があるかを判断する、
ことを特徴とする[3]ないし[7]の何れかに記載のグラフ表示制御装置。
【0126】
[9]
請求項1〜8の何れか一項に記載のグラフ表示制御装置と、
前記表示部とを備えることを特徴とする電子機器。
【0127】
[10]
表示部を備えた電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
係数を含む複数の関数式を前記表示部に表示させる式表示制御手段、
この式表示制御手段により表示された複数の関数式のうちのいずれかの関数式に対応するグラフ画像を当該関数式に応じて識別して前記表示部に表示させるグラフ表示制御手段、
前記複数の関数式の何れかに含まれる係数の数値を指定するための操作表示体を、前記グラフ表示制御手段により当該関数式毎に識別して表示されたグラフ画像に対応して識別して表示させる操作表示体表示制御手段、
として機能させるためのコンピュータ読み込み可能なプログラム。