(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部の前記認証部識別情報と異なる他の認証部が前記制御部に電気的に接続された際には、前記制御部から前記モータに駆動制御信号を送出しない、請求項1に記載の空気圧縮機。
前記モータの起動/停止、または前記モータの駆動モードの切り替え指示、または、前記モータや圧力の状態を表示する操作部材を備え、かつ前記操作部材からの信号に基づき前記制御部に対して操作信号を出力する操作部を有し、
前記操作部材は、前記カバー近傍、あるいは、前記カバーと接続され、露出するように設けられている、請求項5に記載の空気圧縮機。
前記モータの起動/停止または前記モータの駆動モードの切り替え指示、または、前記モータや圧力の状態を表示する操作部材を備え、かつ前記操作部材からの前記制御部に対して操作信号を出力する操作部を有し、
前記認証部は、前記操作部を介して前記制御部に電気的に接続され、
前記制御部は、前記読み取り部が読み取った前記認証用情報と、予め前記制御部が有する認証部識別情報とによる認証結果に基づいて前記モータの駆動制御を行う、請求項1または2に記載の空気圧縮機。
前記モータの起動/停止および前記モータの駆動モードの切り替え指示、または、前記モータや圧力の状態を表示する操作部材を備え、かつ前記操作部材からの操作信号を出力する操作部を有し、
前記操作部は、前記認証部を介して前記制御部に電気的に接続され、
前記制御部は、前記読み取り部が読み取った前記認証用情報と、予め前記制御部が有する認証部識別情報とによる認証結果に基づいて前記モータの駆動制御を行う、請求項1または2に記載の空気圧縮機。
前記モータの起動/停止および前記モータの駆動モードの切り替え指示、または、前記モータや圧力の状態を表示する操作部材を備え、かつ前記操作部材からの前記制御部に対して操作信号を出力する操作部を有し、
前記操作部と前記認証部とが、それぞれ別々に前記制御部に電気的に接続され、
前記制御部は、前記読み取り部が読み取った前記認証用情報と、予め前記制御部が有する認証部識別情報とによる認証結果に基づいて前記モータの駆動制御を行う、請求項1または2に記載の空気圧縮機。
請求項1〜10の何れかに記載された前記認証部に格納された前記制御部の識別情報を外部の記憶媒体に読み込み、前記記憶媒体に読み込んだ前記識別情報を他の認証部の記憶部に記憶させ、前記制御部と前記他の認証部とで前記認証部の固有情報を照合する、空気圧縮機の認証方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1〜
図3に示す本実施の形態1の空気圧縮機10は、モータ駆動により作動するエアコンプレッサであり、その構成について説明すると、平行となって基台11に取り付けられる2つの空気タンク12a,12bを有しており、それぞれの空気タンク12a,12bの両端部の下面には、脚部13が取り付けられている。
【0018】
また、空気圧縮機10は脚部13の部分で所定の設置箇所に配置され、基台11の両端部にはハンドル部14a,14bが設けられており、空気圧縮機10はハンドル部14a,14bを作業者が把持して持ち運ぶことができる。すなわち、空気圧縮機10は、可搬型のエアコンプレッサである。
【0019】
基台11には、
図2に示すように、駆動ボックス15が取り付けられており、この駆動ボックス15にはモータ16が取り付けられている。このモータ16は、ロータつまり回転子18と、円筒形のステータつまり固定子19とを有しており、電源からの電力の供給によって駆動されるものである。本実施の形態1の空気圧縮機10で用いられるモータ16は、例えば三相交流ブラシレスモータである。
【0020】
回転子18にはモータ回転軸17が取り付けられ、モータ回転軸17を介して被駆動部材としての圧縮空気生成部30を駆動する。圧縮空気生成部30は、モータ16の駆動により圧縮空気を生成するものである。
【0021】
また、固定子19には複数の界磁巻線つまり巻線が回転子18に対向して設けられている。回転子18は固定子19の内部に組み込まれており、このモータ16はインナーロータ型となっている。固定子19はモータ16を収容するハウジングとしての駆動ボックス15に取り付けられる。
【0022】
モータ回転軸17は駆動ボックス15に回転自在に支持されている。駆動ボックス15には、モータ回転軸17の回転方向に180度の位相をずらして2つのシリンダ21a,21bが取り付けられており、それぞれのシリンダ21a,21bにはピストン22a,22bが軸方向に往復動自在に組み込まれている。
【0023】
モータ回転軸17の回転運動をピストン22a,22bの軸方向の往復運動に変換するために、それぞれのピストン22a,22bには、コネクティングロッド23a,23bの一端部がピン結合されている。コネクティングロッド23a,23bの他端部には、モータ回転軸17に装着される偏心カム24a,24bが設けられており、それぞれの偏心カム24a,24bはピストン22a,22bの往復動方向に逆向きに偏心している。
【0024】
これにより、一方のピストン22aが駆動室25a,25bを圧縮する方向に駆動されると、他方のピストン22bは駆動室25a,25bを膨張させる方向に駆動される。
【0025】
それぞれのシリンダ21a,21bに設けられたシリンダヘッド26a,26bには、逆止弁27a,27bが設けられている。ピストン22a,22bが駆動室25a,25bを圧縮させる方向に駆動されると、吐出室28a,28bから配管29a,29bを介して空気タンク12a,12bに圧縮空気が供給される。
【0026】
ピストン22bは外気を導入して圧縮する第1段目の低圧用のピストンであり、低圧用のピストン22bにより圧縮された空気は第2段目の高圧用のピストン22aによりさらに圧縮される。上述したシリンダ21a,21bとピストン22a,22b等は、圧縮空気生成部30を構成しており、モータ16の回転子18はモータ回転軸17を介して圧縮空気生成部30に連結される。モータ16により圧縮空気生成部30が駆動されると、高圧用のピストン22aから吐出された圧縮空気が空気タンク12a,12bに貯溜される。
【0027】
すなわち、圧縮空気生成部30では、モータ16の回転によるピストン22a,22bの往復運動で圧縮空気が生成され、この圧縮空気生成部30で生成された圧縮空気は、空気タンク(タンク)12a,12bに貯溜される。
【0028】
モータ回転軸17の一端部には、モータ16の外側に位置させて冷却ファン31aが取り付けられており、モータ回転軸17の他端部には冷却ファン31bが取り付けられている。冷却ファン31bの外側には制御基板(制御部、制御部材、メイン基板)32が配置されており、
図4に示すように、制御基板32は、立てた状態で配置されている。
【0029】
また、冷却ファン31aにより生成される冷却風はモータ16に吹き付けられ、一方、冷却ファン31bにより生成される冷却風は制御基板32に吹き付けられる。基台11にはカバー33が装着されており、
図2〜
図4に示すように、上述した圧縮空気生成部30、モータ16および空気タンク12a,12b等はカバー33によって覆われている。
【0030】
それぞれの空気タンク12a,12bに貯溜された圧縮空気を外部に供給するために、
図1に示すように、空気タンク12a,12bの端部上方にはカプラ34a,34bが設けられている。それぞれのカプラ34a,34bから外部に排出される圧縮空気の圧力を調整するために、減圧弁35a,35bが空気タンク12a,12bに設けられており、減圧された空気の圧力は圧力計36a,36bに表示される。
【0031】
以上のように、制御基板(制御部、メイン基板)32では、主に、モータ16の駆動や圧縮空気生成部30における空気の圧縮動作を制御している。これらの制御は、制御基板32に搭載された制御用のマイコンチップである後述する
図5に示す演算部44によって行われる。
【0032】
また、本実施の形態1の空気圧縮機10には、
図5に示すように、認証用情報を読み取る読み取り部(読み取り部材)39aと、読み取り部39aで読み取った上記認証用情報に基づいて認証を行う情報制御基板(認証部)39と、上述の制御基板32とが設けられている。なお、情報制御基板39は、当該セキュリティの認証を行う機能のみならず、仕様に応じて読み取り部39aや操作部等の諸々の情報を制御することが可能であり、当該セキュリティ機能のみに限定される部材ではない。
【0033】
情報制御基板39は、読み取り部39aで読み取った
図8に示すセキュリティカード40の認証用情報の認証(第1の認証)を行う。
【0034】
そして、空気圧縮機10では、上記認証用情報に基づいて制御基板32と情報制御基板39とで認証(第2の認証、識別)を行い、認証が完了したらセキュリティを解除する。これにより、制御基板32によるモータ16の駆動を開始する。
【0035】
また、空気圧縮機10では、
図5に示すように情報制御基板39には操作パネル37が搭載されている。この操作パネル(操作部、操作基板)37には、運転スイッチ37aやモードスイッチ37b等の操作部材が設けられている。そして、これらの運転スイッチ37aやモードスイッチ37bを操作することにより、モータ16の起動/停止指令やモータ回転数が入力される。あるいは、モータ16の駆動モードの切り替えを指示し、これらの操作のための操作信号を出力する。
【0036】
さらに、操作パネル37には、表示部37cも設けられている。
【0037】
また、空気圧縮機10では、
図4に示すように、認証用情報を読み取る読み取り部39aは、カバー33から露出するように取り付けられており、さらに、読み取り部39aと情報制御基板39とは、ケーブル62を介して電気的に接続されている。ただし、読み取り部39aは、情報制御基板39上に搭載されていてもよい。
【0038】
なお、制御基板32は、カバー33の内側(空気圧縮機本体の内部)の奥まった位置に配置されており、一方、操作パネル37および情報制御基板39は、空気圧縮機本体のカバー33に取り付けられている。操作パネル37には、上述のように、運転スイッチ37aやモードスイッチ37b等のスイッチ類が設けられているため、上記スイッチ類は、カバー33から露出するように配置されている。
【0039】
また、情報制御基板39は、操作パネル37の下部に配置され、情報制御基板39と操作パネル37とが積層されており、情報制御基板39上に操作パネル37が搭載されている。言い換えると、情報制御基板39と操作パネル37とが一体に形成されている(設けられている)。
【0040】
したがって、本実施の形態1の空気圧縮機10では、読み取り部39a、操作パネル37および情報制御基板39は、カバー33の近傍に設けられている。ただし、情報制御基板39と操作パネル37は、例えば、横に並んで配置されていてもよい。
【0041】
ここで、空気圧縮機10では、
図5に示すように、情報制御基板39に、
図8に示すセキュリティカード40から読み取った認証用情報の認証を行うマイコンチップである情報制御チップ38が搭載されている。
【0042】
また、制御基板32には、情報制御基板39との認証(識別)を行う認証用のマイコンチップ32aと、制御基板32の識別情報(例えば、制御基板32の数字からなる固有コード)が格納された記憶部であるメモリチップ32bとが搭載されている。ただし、認証用のマイコンチップ32aは、情報制御基板39に設けられていてもよい。
【0043】
したがって、セキュリティカード40から読み取った認証用情報に基づいて、情報制御基板39と制御基板32とで、上述の制御基板32の識別情報(固有コード)を用いて認証(第2の認証、識別)を行い(予め記憶された認証部識別情報と情報制御基板39の固有情報との照合を行い)、情報制御基板39と制御基板32との識別情報が一致したら空気圧縮機10のセキュリティを解除し、制御基板32によるモータ16の駆動を開始する。
【0044】
なお、本実施の形態1の空気圧縮機10では、制御基板32の識別情報と異なる識別情報を記憶した他の情報制御基板が制御基板32に電気的に接続された際には、制御基板32の制御(演算部44によるモータ16の駆動等の制御)を不能にする機能を有している。
【0045】
すなわち、制御基板32に、この制御基板32の識別情報と異なる識別情報を有した他の情報制御基板が接続された際に、空気圧縮機10が正常に動作しないようにすることができる。
【0046】
つまり、本実施の形態1の空気圧縮機10では、故障に対応した修理等で正規の情報制御基板39が取り外されて、その後、上記正規の情報制御基板39とは異なる他の情報制御基板が接続された際には、空気圧縮機10が動作しないようになっている。言い換えると、空気圧縮機10の制御基板32と情報制御基板39との間で関連付けがなされており、正規の情報制御基板39とは異なる他の情報制御基板が制御基板32に接続された際には、空気圧縮機10が動作しないようなセキュリティが働くようになっている。
【0047】
上述の制御基板32の制御を不能にする機能とは、例えば、モータ16の起動を停止させるような制御である。もしくは、制御基板32からモータ16に駆動制御信号を送出しないこと等であってもよい。
【0048】
次に、
図5に示す空気圧縮機10の制御系の詳細について説明する。
【0049】
空気圧縮機10は、外部の交流電源50(例えば仮設電源)から電源コード51を介して電力の供給を受けて動作するものである。
【0050】
まず、交流電源50から制御基板(制御部)32に電力が供給され、制御基板32がモータ16を駆動する。制御基板32には、空気圧縮機10の運転操作を行うための操作パネル(操作基板、操作部)37がケーブルによって接続されている。
【0051】
なお、
図7に示すように、操作パネル37には、空気圧縮機本体の運転ON/OFFを切り替える運転スイッチ(操作部材)37aと、運転時のモータ16の回転数の切り替え指示を行うモードスイッチ(操作部材)37bと、各種情報(モータ16や圧力の状態)を表示する表示部37cとが設けられている。
【0052】
運転スイッチ37aとモードスイッチ37bは、例えばタクト式スイッチであり、作業者が押圧している時はON、作業者が手を離すと自動的にOFFとなるスイッチである。表示部37cは、点灯・消灯することで空気タンク12a,12b内の圧力値や空気圧縮機10の運転状態、運転モードを作業者に報知するものであり、例えば圧力表示用LED、運転状態表示用LED、運転モード表示用LED等が設けられている。
【0053】
本実施の形態1の空気圧縮機10では、上記操作パネル37は、
図5に示すように情報制御基板39に搭載されている。言い換えると、情報制御基板39と操作パネル37とが一体型となっている。
【0054】
また、モータ16の回転位置は、位置センサ41によって検出されて電圧信号として制御基板32にケーブルを介してフィードバックされる。制御基板32は、運転スイッチ37aからの運転指示信号、モードスイッチ37bからのモード指示信号、位置センサ41からの位置検出信号、および圧力センサ42からの圧力検出信号に基づいてモータ16の駆動を制御する。この制御は、制御基板32に搭載された制御用のマイコンチップである演算部44によって行われる。
【0055】
制御基板32は、空気圧縮機10の全体の動作を制御するものでもあり、電源部43と、演算部44と、電源電流検出部45と、電圧検出部46と、モータ電流検出部47と、駆動部(インバータ)48と、不揮発性メモリとしてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)49とを有している。
【0056】
制御基板32において、交流電源50から電源コード51を介して電源部43に交流電力が供給される。電源部43は、交流電源50からの交流電力を直流電力に変換し、駆動部48および演算部44その他の各回路に適切な電圧を供給する。電源電流検出部45は、電源部43の電流を検出する。電圧検出部46は、電源部43の電圧を検出する。モータ電流検出部47は、モータ16の駆動電流を検出する。
【0057】
演算部44は、入力される各種情報(運転スイッチ37aからの運転指示信号、モードスイッチ37bからのモード指示信号、位置センサ41からの位置検出信号、および圧力センサ42からの圧力検出信号)に基づき、駆動部48を構成する各半導体スイッチング素子(例えばFET(Field Effect Transistor))をスイッチング駆動する。
【0058】
スイッチングされる駆動部48を介して電源部43からモータ16に駆動電力が供給される。演算部44は、EEPROM49に空気圧縮機10の運転ログデータ(運転モードや運転設定値、モータ16の回転数等)を記録し、またEEPROM49から空気圧縮機10の運転ログデータを読み出す。空気タンク12a,12b内の空気圧力、運転状態、および運転モードは演算部44が表示部37cに表示する。
【0059】
また、空気圧縮機10の読み取り部39aには、
図6に示すようなアンテナ部39cが形成されており、このアンテナ部39cによってセキュリティカード40等の認証用情報を読み取る。
【0060】
セキュリティカード40は、空気圧縮機10のセキュリティを解除するためのセキュリティキーの一例である。
【0061】
次に、
図8、
図9を用いて本実施の形態1の空気圧縮機10のセキュリティ管理について説明する。
【0062】
本実施の形態1の空気圧縮機10では、
図8および
図9に示すように、モータ16の駆動の制御を行う制御基板(制御部)32と、情報制御基板39とは、ケーブル61を介して電気的に接続されている。
【0063】
また、読み取り部39aと情報制御基板39とは、ケーブル62を介して電気的に接続されている。そして、操作パネル(操作部)37は、情報制御基板39に搭載された構造となっている。
【0064】
読み取り部39aでは、
図8に示すセキュリティカード40に書き込まれている認証用情報を、
図6に示すアンテナ部39cを介して読み取る。
【0065】
そして、セキュリティカード40から読み取った認証用情報に基づいて、情報制御基板39に搭載された情報制御チップ38によってこの認証用情報の認証(第1の認証)を行う。認証完了後、情報制御基板39から制御基板32に対して、この制御基板32の識別情報(固有コード)の信号とON命令の信号とを送信する。
【0066】
制御基板32側では、情報制御基板39から送信された制御基板32の識別情報(固有コード)と同じ識別情報(固有コード)が、制御基板32に搭載されたメモリチップ32bに格納されている複数の識別情報の中に存在するか否かを識別する(第2の認証)。すなわち、予め記憶された認証部識別情報と情報制御基板39の固有情報との照合を行う。この識別(第2の認証)は、制御基板32に搭載された認証用のマイコンチップ32aによって行う。
【0067】
そして、情報制御基板39から送信された制御基板32の識別情報(固有コード)を、制御基板32が備える複数の識別情報(固有コード)の中から識別することができたらセキュリティを解除し、モータ16を動作させる信号を制御基板32から送信する。
【0068】
これにより、情報制御基板39は、操作パネル37への電源の供給を可能にする。すなわち、情報制御基板39から送信された制御基板32の識別情報(固有コード)と同じ識別情報(固有コード)が、制御基板32のメモリチップ32bに格納されていることを識別(第2の認証)してから、操作パネル37への電源の供給を可能にする。または、情報制御基板39は、許容信号を操作パネル37に対して出力する。
【0069】
そして、操作パネル37では、上記許容信号を受信した後に、情報制御基板39を介した制御基板32への信号の出力が可能になる。
【0070】
これにより、操作パネル37からの信号が、情報制御基板39を介して制御基板32に届くようになり、空気圧縮機10を作動させることが可能になる。
【0071】
なお、情報制御基板39から送信された制御基板32の識別情報(固有コード)と同じ識別情報(固有コード)が、制御基板32のメモリチップ32bに格納されていなかった場合には、制御基板32によるモータ16の起動を停止する等して空気圧縮機10を動作しない状態にする。
【0072】
つまり、本来の情報制御基板39ではなく、別の情報制御基板が制御基板32と電気的に接続された際には、空気圧縮機10を正常に動作させることができないようなセキュリティを働かすことができる。
【0073】
なお、情報制御基板39にメモリチップ(記憶部)を搭載しておき、このメモリチップに、制御基板32の識別情報を格納しておいてもよく、正規の制御基板32の識別情報と異なる識別情報を備えた他の制御基板に情報制御基板39が電気的に接続された際には、情報制御基板39が、上記他の制御基板の制御を不能にすることができる。すなわち、この場合にも、空気圧縮機10を正常に動作させることはできない。
【0074】
本実施の形態1の空気圧縮機10によれば、情報制御基板39と制御基板32とで認証(第2の認証、識別)を行うようにしたことで、空気圧縮機10のセキュリティ性を高めることができる。
【0075】
つまり、情報制御基板39から送信された制御基板32の識別情報を、制御基板32が有する複数の識別情報の中から識別することができた場合に、正常にモータ16が動作するようにしたことで、空気圧縮機10のセキュリティ性を高めることができる。
【0076】
言い換えると、本実施の形態1の空気圧縮機10では、その制御基板32と情報制御基板39との間で関連付けがなされており、正規の情報制御基板39とは異なる他の情報制御基板が制御基板32に接続された際には、空気圧縮機10が動作しないようなセキュリティが働くようになっている。
【0077】
例えば、操作パネル37のスイッチ等の故障に対応した修理で正規の情報制御基板39が取り外されて、その後、上記正規の情報制御基板39とは異なる他の情報制御基板が接続された際には、空気圧縮機10が動作しないようなセキュリティを働かすことができる。
【0078】
なお、情報制御基板39と制御基板32とで認証(第2の認証、識別)を行うための制御基板32の識別情報(固有コード)が格納されたメモリチップ32bが、制御基板32に搭載されていることにより、制御基板32は容易に取り外すことができないため、空気圧縮機10のセキュリティ性をさらに高めることができる。
【0079】
これは、空気圧縮機10では、制御基板32は、空気圧縮機本体の比較的奥まった位置に取り付けられており、情報制御基板39の方がカバー33に近い位置に取り付けられている。そのため、本体の奥まった位置に取り付けられた制御基板32に、制御基板32の識別情報(固有コード)を格納したメモリチップ32bを搭載した方が、制御基板32が取り外される可能性は低く、その結果、空気圧縮機10のセキュリティ性をさらに高めることができる。
【0080】
特に、操作パネル37と情報制御基板39とが一体となっている場合には、操作パネル37のスイッチ類(操作部材)の故障等で情報制御基板39ごと取り外される可能性があるため、メモリチップ32bは制御基板32に搭載されている方が、セキュリティ性を高めることを考慮すると好ましい。
【0081】
ただし、本実施の形態1では、情報制御基板39と制御基板32とで認証(第2の認証、識別)を行うマイコンチップ32aは、制御基板32に搭載されている場合を説明したが、このマイコンチップ32aは情報制御基板39に搭載されていてもよい。
【0082】
また、情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証)において、制御基板32のメモリチップ32bに格納された制御基板32の識別情報の数(認証部識別情報の種類の数)と、制御基板32に対応する情報制御基板39の数(読み取り部39aからの認証用信号の種類の数)との割合は、情報制御基板39の数に比べて、制御基板32のメモリチップ32bに格納された識別情報の数の方が少ないようになっている。
【0083】
例えば、情報制御基板39を約50枚に対して、制御基板32の識別情報(固有コード)を1つとして設定する。すなわち、50枚分の情報制御基板39に対して、1つ(1枚分の制御基板32)の識別情報(固有コード)を設定する。
【0084】
これにより、メモリチップ32bにおいて必要とするメモリ容量を少なくすることができる。さらに、制御基板32におけるセキュリティ情報の管理を容易にすることができる。ただし、使用するメモリ容量を考慮しなければ、情報制御基板39と制御基板32とを1対1の関係で識別情報(固有コード)を設定してもよい。
【0085】
ここで、空気圧縮機10において、カバー33の上面に設けられた読み取り部39a、情報制御基板39および操作パネル37を有する操作ユニット52(
図9の点線で囲まれた構成)と、制御基板32とを繋ぐ配線の大凡の数について説明する。すなわち、カバー33の上面の近傍に配置される読み取り部39a、操作パネル37および情報制御基板39のそれぞれと、空気圧縮機本体の内方に配置される制御基板32とを繋ぐ配線の数は、可能な限り少ない方が好ましい。
【0086】
そこで、
図9に示す本実施の形態1の構成では、読み取り部39aおよび操作パネル37は、制御基板32との信号の送受信を情報制御基板39を介して行う。したがって、情報制御基板39と制御基板32とを繋ぐ配線の数が、そのまま操作ユニット52と制御基板32とを繋ぐ配線の数として表すことができる。
【0087】
その際、情報制御基板39と制御基板32との接続(
図9のA部の配線)は、一例として、電源(GND)用が2本、通信用(上り・下り)が2本で合計4本で済む。すなわち、制御基板32と操作ユニット52とを繋ぐ配線の数は、一例として4本であり、配線の本数を少なくすることができる。
【0088】
また、操作ユニット52内において、操作パネル37と情報制御基板39との接続は、一例として、18本必要である。18本の内訳は、操作パネル37の表示部37cにおいて、2桁の数字をLED表示するのに(7本(7セグ)/1文字)×2=14本であり、さらに、運転スイッチ37aやモードスイッチ37b等のスイッチ用として3本、電源(GND)用が1本で、合計18本となる。
【0089】
しかしながら、空気圧縮機10では、情報制御基板39上に操作パネル37が搭載(積層)されており、両者が極めて近い位置に配置されているため、それぞれを繋ぐ配線を短くすることができ、かつそれぞれの配線の引き回しを容易にすることができる。
【0090】
なお、操作ユニット52内における情報制御基板39と読み取り部39aとの接続(
図9のB部の配線)は、一例として、電源用が2本、通信用(上り・下り)が2本で合計4本である。
【0091】
次に、本実施の形態1の空気圧縮機10における他の認証方法(基板認証方法)について説明する。
【0092】
まず、空気圧縮機10において、情報制御基板(認証部)39に記憶部であるメモリチップを設けておき、このメモリチップに制御基板(制御部)32の識別情報を記憶させておく。
【0093】
その後、メモリチップに格納されている制御基板(制御部)32の識別情報を、例えば、空気圧縮機10を保有するユーザが管理している、本体外部の記憶媒体(例えばフラッシュメモリ等)に読み込ませる。
【0094】
そして、ユーザが管理している上記記憶媒体を用いて、読み込んだ制御基板32の上記識別情報を他の(新規な)情報制御基板39のメモリチップに記憶させ、制御基板32と上記他の(新規な)情報制御基板39とを接続して、制御基板32と上記他の(新規な)情報制御基板39とで認証(識別、情報制御基板39の固有情報の照合)を行うものである。
【0095】
この場合、ユーザが管理している記憶媒体に書き込まれた制御基板32の識別情報を記憶させた情報制御基板39を接続した際には、空気圧縮機本体は作動するが、単純に他の(新規な、別の)情報制御基板39と、制御基板32とを接続しただけでは、認証(識別)を行うことができず、空気圧縮機本体は作動しないというセキュリティを働かすものである。
【0096】
このようなセキュリティ手段を空気圧縮機10に持たせることにより、空気圧縮機10のセキュリティをさらに高めることができる。
【0097】
(第1変形例)
第1変形例の空気圧縮機10aは、
図10および
図11に示すように、情報制御基板39と操作パネル37とが別対で形成されているものである。そして、空気圧縮機10aでは、情報制御基板39と操作パネル37とがケーブル60を介して電気的に接続されており、操作パネル(操作部)37は、情報制御基板(認証部)39を介して制御基板(制御部)32に電気的に接続されている。
【0098】
すなわち、制御基板32と情報制御基板39とがケーブル61を介して電気的に接続され、情報制御基板39と操作パネル37とがケーブル60を介して電気的に接続されている。そして、情報制御基板39と読み取り部39aとがケーブル62を介して電気的に接続されている。
【0099】
これにより、
図10に示すセキュリティカード40等から読み取り部39aにより読み取った認証用情報に基づいて、情報制御基板39と制御基板32との間で認証(第2の認証、識別)を行う(予め記憶された認証部識別情報と情報制御基板39の固有情報との照合を行う)。
【0100】
この認証(第2の認証、識別)は、制御基板32に搭載されているマイコンチップ32aによって行う。そして、この認証において、読み取り部39aで読み取った認証用情報に基づいて情報制御基板39から送信した制御基板32の識別情報(固有コード)を、制御基板32のメモリチップ32bに格納されている制御基板32の複数の識別情報(固有コード)の中から識別できた場合にセキュリティが解除される。
【0101】
このセキュリティの解除により、操作パネル37への電源の供給を可能にする。または、情報制御基板39が、許容信号を操作パネル37に対して出力する。
【0102】
そして、操作パネル37では、上記許容信号を受信した後に、情報制御基板39を介した制御基板32への信号の出力が可能になる。
【0103】
つまり、第1変形例の空気圧縮機10aにおいても、読み取り部39aで読み取った認証用情報に基づいた情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)を行い、識別情報(固有コード)の識別によって、操作パネル37からの信号が、情報制御基板39を介して制御基板32に届くようになり、空気圧縮機10aを作動させることが可能になる。
【0104】
以上のように本第1変形例の空気圧縮機10aにおいても、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、そのセキュリティ性を高めることができる。
【0105】
また、空気圧縮機10aにおいても、
図11に示すように、操作ユニット52(
図11の点線で囲まれた構成)と、制御基板32とを繋ぐ配線の接続(
図11のA部の配線)では、一例として、電源(GND)用が2本、通信用(上り・下り)が2本で合計4本となり、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、配線の本数を少なくすることができる。
【0106】
本第1変形例の空気圧縮機10aによって得られるその他の効果については、実施の形態1のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0107】
(第2変形例)
第2変形例の空気圧縮機10bは、
図12および
図13に示すように、情報制御基板39と操作パネル37とが別対で形成された構造を示すものであり、操作パネル37が制御基板32に設けられている。
【0108】
なお、空気圧縮機全般として、操作パネル37は、作業者がスイッチ類の操作を行い易いようにカバー33の近傍に取り付けられていることが多い。したがって、本第2変形例のように、空気圧縮機本体の奥まった位置に設けられる制御基板32に操作パネル37を設けることは効率良い部材配置とは成りにくいが、例えば、操作パネル37のカバー33から露出する部分を空気圧縮機本体の背面側に位置させることで、空気圧縮機10bの構造も実現可能である。
【0109】
つまり、操作パネル37を制御基板32に設けてもよい。
【0110】
空気圧縮機10bでは、
図12に示すように、情報制御基板(認証部)39と制御基板(制御部)32とがケーブル61を介して電気的に接続され、情報制御基板39と読み取り部39aとがケーブル62を介して電気的に接続されている。
【0111】
これにより、セキュリティカード40等から読み取り部39aで読み取った認証用情報に基づいて、情報制御基板39と制御基板32との間で認証(第2の認証、識別)を行う(予め記憶された認証部識別情報と情報制御基板39の固有情報との照合を行う)。
【0112】
この認証(第2の認証、識別)は、制御基板32に搭載されているマイコンチップ32aによって行う。そして、認証(第2の認証、識別)において、読み取り部39aにより読み取った認証用情報に基づいて情報制御基板39から送信した制御基板32の識別情報(固有コード)が、制御基板32のメモリチップ32bに格納されている制御基板32の複数の識別情報(固有コード)の中に存在することを識別した場合にセキュリティが解除される。
【0113】
このセキュリティの解除により、操作パネル37への電源の供給を可能にする。または、情報制御基板39が、許容信号を操作パネル37に対して出力する。
【0114】
そして、操作パネル37では、上記許容信号を受信した後に、情報制御基板39を介した制御基板32への信号の出力が可能になる。
【0115】
つまり、第2変形例の空気圧縮機10bにおいても、読み取り部39aで読み取った認証用情報に基づいた情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)を行い、制御基板32の識別情報(固有コード)の識別完了によって、操作パネル37からの信号が、情報制御基板39を介して制御基板32に届くようになり、空気圧縮機10bを作動させることが可能になる。
【0116】
以上のように本第2変形例の空気圧縮機10bにおいても、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、そのセキュリティ性を高めることができる。
【0117】
また、空気圧縮機10bにおいても、
図13に示すように、操作ユニット52(
図13の点線で囲まれた構成)と、制御基板32とを繋ぐ配線の接続(
図13のA部の配線)では、一例として、電源(GND)用が2本、通信用(上り・下り)が2本で合計4本となり、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、配線の本数を少なくすることができる。
【0118】
さらに、操作パネル37を制御基板32に設けたことにより、操作パネル37と制御基板32とを電気的に接続する配線の本数を少なくすることができ、かつ個々の配線の長さも短くすることができる。
【0119】
本第2変形例の空気圧縮機10bによって得られるその他の効果については、実施の形態1のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0120】
(実施の形態2)
本実施の形態2の空気圧縮機70では、
図14および
図15に示すように、制御基板32、情報制御基板39、操作パネル37および読み取り部39aが、直列的に接続されている。なお、操作パネル(操作部)37は、情報制御基板(認証部)39を介して制御基板(制御部)32に電気的に接続されている。
【0121】
すなわち、制御基板32と情報制御基板39とがケーブル61を介して電気的に接続され、情報制御基板39と操作パネル37とがケーブル60を介して電気的に接続され、さらに、操作パネル37と読み取り部39aとがケーブル63を介して電気的に接続されている。
【0122】
なお、情報制御基板39は、この情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)が行われた際に、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、操作パネル37への電源の供給を可能にする。
【0123】
すなわち、
図14に示すセキュリティカード40等から読み取り部39aで読み取った認証用情報に基づいて、情報制御基板39から送信した制御基板32の識別情報(固有コード)が、制御基板32のメモリチップ32bに格納されている制御基板32の複数の識別情報(固有コード)の中に存在するか否かの認証(第2の認証、識別)を行う(予め記憶された認証部識別情報と情報制御基板39の固有情報との照合を行う)。
【0124】
そして、情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)が完了したら、セキュリティが解除される。すなわち、操作パネル37への電源の供給を可能にする。または、情報制御基板39は、許容信号を操作パネル37に対して出力する。
【0125】
そして、操作パネル37では、上記許容信号を受信した後に、情報制御基板39を介した制御基板32への信号の出力が可能になる。つまり、実施の形態2の空気圧縮機70においても、読み取り部39aによって読み取った認証用情報に基づいた情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)を完了したら、操作パネル37からの信号が、情報制御基板39を介して制御基板32に届くようになり、空気圧縮機70を作動させることが可能になる。
【0126】
これにより、制御基板32によるモータ16の駆動制御を開始する。
【0127】
以上のように本実施の形態2の空気圧縮機70においても、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、そのセキュリティ性を高めることができる。
【0128】
また、空気圧縮機70においても、
図15に示すように、操作ユニット52(
図15の点線で囲まれた構成)と、制御基板32とを繋ぐ配線の接続(
図15のA部の配線)では、一例として、電源(GND)用が2本、通信用(上り・下り)が2本で合計4本となり、実施の形態1と同様に、配線の本数を少なくすることができる。
【0129】
また、操作ユニット52内において、操作パネル37を介した情報制御基板39と読み取り部39aとの接続(
図15のB部とC部を繋ぐ配線)では、操作パネル37に所望の配線パターンによりバイパス配線37dを形成し、このバイパス配線37dを使うことにより、上記
図15のB部とC部を繋ぐ配線の本数を減らすことができる。
【0130】
本実施の形態2の空気圧縮機70によって得られるその他の効果については、実施の形態1のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0131】
(変形例)
本実施の形態2の変形例の空気圧縮機80では、
図16および
図17に示すように、制御基板32、操作パネル37、情報制御基板39および読み取り部39aが、直列的に接続されている。
【0132】
空気圧縮機80では、制御基板32と操作パネル37とがケーブル64を介して電気的に接続され、さらに、操作パネル37と情報制御基板39とがケーブル60を介して電気的に接続されている。そして、情報制御基板39と読み取り部39aとがケーブル62を介して電気的に接続されている。
【0133】
なお、情報制御基板39は、この情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)が行われた際に、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、操作パネル37への電源の供給を可能にする。
【0134】
すなわち、
図16に示すセキュリティカード40等から読み取り部39aで読み取った認証用情報に基づいて、情報制御基板39から送信した制御基板32の識別情報(固有コード)が、制御基板32のメモリチップ32bに格納されている制御基板32の複数の識別情報(固有コード)の中に存在するか否かの認証(第2の認証、識別)を行う(予め記憶された認証部識別情報と情報制御基板39の固有情報との照合を行う)。
【0135】
そして、情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)が完了したら、セキュリティが解除される。すなわち、操作パネル37への電源の供給を可能にする。または、情報制御基板39は、許容信号を操作パネル37に対して出力する。
【0136】
そして、操作パネル37では、上記許容信号を受信した後に、情報制御基板39を介した制御基板32への信号の出力が可能になる。つまり、実施の形態2の変形例の空気圧縮機80においても、読み取り部39aによって読み取った認証用情報に基づいた情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)を行い、この認証(第2の認証、識別)が完了したら、操作パネル37からの信号が、情報制御基板39を介して制御基板32に届くようになり、空気圧縮機80を作動させることが可能になる。
【0137】
これにより、制御基板32によるモータ16の駆動制御を開始する。
【0138】
以上のように本実施の形態2の変形例の空気圧縮機80においても、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、そのセキュリティ性を高めることができる。
【0139】
また、空気圧縮機80においても、
図17に示すように、操作ユニット52(
図17の点線で囲まれた構成)と、制御基板32とを繋ぐ配線の接続(
図17のA部の配線)では、一例として、電源(GND)用が2本、通信用(上り・下り)が2本で合計4本となり、実施の形態1と同様に、配線の本数を少なくすることができる。
【0140】
さらに、操作ユニット52内において、操作パネル37を介した制御基板32と情報制御基板39との接続(
図17のA部とB部を繋ぐ配線)では、操作パネル37に所望の配線パターンによりバイパス配線37dを形成し、このバイパス配線37dを使うことにより、上記
図17のA部とB部を繋ぐ配線の本数を減らすことができる。
【0141】
本実施の形態2の変形例の空気圧縮機80によって得られるその他の効果については、実施の形態1のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0142】
(実施の形態3)
本実施の形態3の空気圧縮機90は、
図18および
図19に示すように、情報制御基板(認証部)39と操作パネル(操作部、操作基板)37とが、それぞれ別々に制御基板(制御部)32に電気的に接続された構造となっている。
【0143】
すなわち、制御基板32と操作パネル37とがケーブル64を介して電気的に接続され、一方、制御基板32と情報制御基板39とがケーブル61を介して電気的に接続されている。そして、情報制御基板39と読み取り部39aとがケーブル62を介して電気的に接続されている。
【0144】
また、情報制御基板39は、この情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)が行われた際に、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、操作パネル37への電源の供給を可能にする。
【0145】
すなわち、
図18に示すセキュリティカード40等から読み取り部39aで読み取った認証用情報に基づいて、情報制御基板39から送信した制御基板32の識別情報(固有コード)が、制御基板32のメモリチップ32bに格納されている制御基板32の複数の識別情報(固有コード)の中に存在するか否かの認証(第2の認証、識別)を行う(予め記憶された認証部識別情報と情報制御基板39の固有情報との照合を行う)。
【0146】
そして、情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)が完了したら、セキュリティが解除される。すなわち、操作パネル37への電源の供給を可能にする。または、情報制御基板39は、許容信号を操作パネル37に対して出力する。
【0147】
そして、制御基板32では、上記許容信号を受信した後に、情報制御基板39を介した制御基板32への信号の出力が可能になる。つまり、実施の形態3の空気圧縮機90においても、読み取り部39aによって読み取った認証用情報に基づいた情報制御基板39と制御基板32との認証(第2の認証、識別)を行い、この認証(第2の認証、識別)が完了したら、操作パネル37からの信号が、情報制御基板39を介して制御基板32に届くようになり、空気圧縮機90を作動させることが可能になる。
【0148】
これにより、制御基板32によるモータ16の駆動制御を開始する。
【0149】
以上のように本実施の形態3の空気圧縮機90においても、実施の形態1の空気圧縮機10と同様に、そのセキュリティ性を高めることができる。
【0150】
なお、空気圧縮機90においては、
図19に示すように、操作ユニット52(
図19の点線で囲まれた構成)と、制御基板32とを繋ぐ配線の接続(
図19のA部およびB部の配線)では、情報制御基板39と操作パネル37とがそれぞれ別個に制御基板32に接続されているため、配線の本数を少なくすることは困難であるが、情報制御基板39の回路構成を容易にすることができる。
【0151】
本実施の形態3の空気圧縮機90によって得られるその他の効果については、実施の形態1のものと同様であるため、その重複説明は省略する。
【0152】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0153】
上記実施の形態の空気圧縮機は、情報制御基板39と制御基板32との接続を、コネクタ等の接続基板(中継基板)を介して行ってもよい。
【0154】
また、上記実施の形態1〜3においては、本発明が空気圧縮機の場合を説明したが、空気圧縮機を、エンジン用の発電機(エンジン工具)に置き換えることも可能である。すなわち、モータ駆動によるエンジン用の発電機において、情報制御基板(認証部)と制御基板(制御部)とで認証(識別)を行うようにすることで、エンジン用の発電機のセキュリティ性を高めることができる。