特許第6244964号(P6244964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6244964
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】電池ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20171204BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20171204BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20171204BHJP
   H02J 7/14 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M10/44 P
   H01M2/10 S
   H02J7/00
   H02J7/14
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-28165(P2014-28165)
(22)【出願日】2014年2月18日
(65)【公開番号】特開2015-153675(P2015-153675A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】足立 芳樹
【審査官】 ▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−13724(JP,A)
【文献】 特開2013−239257(JP,A)
【文献】 特開2014−13722(JP,A)
【文献】 特開2011−67093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/44
H02J 7/00
H02J 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池(11)と、該蓄電池における電力の入出力を制御する制御部が実装された回路基板(12)と、これら蓄電池と回路基板とを収容するケース(14)とを備え、前記ケースの底部の上に前記蓄電池が固定されるとともにその上方に前記回路基板が固定されている電池ユニット(10)であって、
外部との電力の入出力が行われる第1端子(P1)及び第2端子(P2)と、
前記回路基板に実装される電力用半導体素子よりなり、前記蓄電池と前記第1端子との間の電力経路にて直列に設けられる2つのスイッチ部(SW1,SW2)と、
前記ケース内において前記回路基板の周縁部よりも外側となる位置にて前記第2端子から前記回路基板に沿って延びるようにして設けられ、前記電力経路において前記2つのスイッチ部の間の中間点(N2)から分岐し、かつ該中間点と前記第2端子とを接続して分岐経路を形成するバスバー(26)と、
を備えることを特徴とする電池ユニット。
【請求項2】
前記バスバーは、基板面と同方向に長尺に延びるようにして設けられる長尺状の平板よりなり、前記バスバーの中間部(26c)の板面が前記基板面に交差する向きとされている請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項3】
前記回路基板には、前記2つのスイッチ部が互いに横並びとなる位置にそれぞれ実装され、それら2つのスイッチ部の実装位置の付近に、前記中間点となる部位が設けられており、
前記中間点と前記各スイッチ部とは、前記回路基板上に形成された配線パターンによりそれぞれ電気的に接続されている請求項1又は2に記載の電池ユニット。
【請求項4】
前記ケース内において、前記回路基板は、その一部が前記蓄電池に対して対向するように設けられており、
前記回路基板において、前記蓄電池に対向する部位には当該蓄電池に電気的に接続される電池接続部(X3)が設けられ、前記蓄電池に対向していない部位には前記2つのスイッチ部が並べて実装されており、
平面視において前記スイッチ部を挟んで前記蓄電池とは反対側となる位置に前記バスバーが配置されている請求項1乃至3のいずれか1つに記載の電池ユニット。
【請求項5】
前記ケース内において、前記2つのスイッチ部、又は該スイッチ部の基板実装部に対向し、かつ前記蓄電池の側方となる位置には、前記各スイッチ部で生じる熱を放出する放熱部(33)が設けられており、その放熱部に沿って設けられる絶縁部(24b)を挟んで前記放熱部の反対側となる位置に前記バスバーが配置されている請求項4に記載の電池ユニット。
【請求項6】
前記蓄電池は内部蓄電池(102)であり、その内部蓄電池とは異なりユニット外部に設けられる外部蓄電池(101)が前記第1端子に接続されるとともに、前記第2端子に、前記各蓄電池の充電を可能とする発電機能を有する発電手段(103)が接続される電池ユニットであって、
前記2つのスイッチ部は、一方が前記外部蓄電池と前記発電手段との間の電力経路を開閉する第1スイッチ部(SW1,111)、他方が前記内部蓄電池と前記発電手段との間の電力経路を開閉する第2スイッチ部(SW2,112)である請求項1乃至5のいずれか1つに記載の電池ユニット。
【請求項7】
前記回路基板は、1つの基板コーナ部(C1)から互いに直交する方向に延びる第1辺部(E1)と第2辺部(E2)とを有し、
前記2つのスイッチ部は、前記回路基板上において前記第2辺部に沿って横並びに配置されており、
前記回路基板において、前記2つのスイッチ部の間の中間点(N2)が、前記2つのスイッチ部よりも前記第2辺部の側に設けられており、
前記第1端子は、前記ケースの外周部において前記回路基板の第1辺部に対向する位置に設けられ、
前記第2端子は、前記ケースの外周部において前記第1辺部に対向しかつ前記第1端子よりも前記コーナ部寄りとなる位置に設けられている請求項6に記載の電池ユニット。
【請求項8】
前記第1端子を構成する第1端子電極(21)と、該第1端子電極を保持する第1端子台(22)とを有する第1端子台ユニット(17A)、及び、前記第2端子を構成する第2端子電極(23)と、該第2端子電極を保持する第2端子台(24)とを有する第2端子台ユニット(17B)を備え、
前記第1端子台ユニットにおいて前記第1端子電極には第1バスバー(25)が接続されるとともに、前記第2端子台ユニットにおいて前記第2端子電極には第2バスバー(26)が接続され、前記第2バスバーにより前記分岐経路が形成されており、
前記回路基板には、前記第1スイッチ部を前記各端子電極に近い側に、前記第2スイッチ部を前記各端子電極に遠い側にしてこれら各スイッチ部が実装されており、
前記第2バスバーにおいて前記第2端子電極から前記回路基板との接続部(X2)までの長さ寸法が、前記第1バスバーにおいて前記第1端子電極から前記回路基板との接続部(X1)までの長さ寸法よりも大きいものとなっている請求項6又は7に記載の電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の車両に用いられる電池ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
蓄電池や回路基板等をケース内に収容することでこれらを一体にパック化し、それにより電池ユニットを構成する技術が知られている(例えば特許文献1)。こうした電池ユニットでは、回路基板上に電力制御用の半導体スイッチング素子が実装され、そのスイッチング素子を通じて蓄電池とユニット外部の発電装置との間で電力の入出力が行われるようになっている。また一般に、回路基板上には電力を流すための配線パターンが形成される一方、電力入出力用の端子部と回路基板とがバスバー等により最短距離で接続され、そのバスバーを介して回路基板に対する通電が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−216401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、回路基板上に形成される配線パターンが多くなると、その分、基板サイズの大型化が生じ、これが電池ユニットの小型化の妨げとなることが懸念される。特に、電池ユニット内の蓄電池を、ユニット外部の蓄電池や発電装置に各々個別に接続する構成とする場合には、電池ユニットの電力用端子が複数となる。そのため、端子ごとに配線パターンが設けられることで、基板サイズの大型化の懸念が一層強くなる。
【0005】
本発明は、電力経路の構成の改善を図り、ひいては基板サイズの小型化を実現することができる電池ユニットを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池ユニットでは、蓄電池(11)と、該蓄電池における電力の入出力を制御する制御部が実装された回路基板(12)と、これら蓄電池と回路基板とを収容するケース(14)とを備え、前記ケースの底部の上に前記蓄電池が固定されるとともにその上方に前記回路基板が固定されている。そして、本電池ユニットは、外部との電力の入出力が行われる第1端子(P1)及び第2端子(P2)と、前記回路基板に実装される電力用半導体素子よりなり、前記蓄電池と前記第1端子との間の電力経路にて直列に設けられる2つのスイッチ部(SW1,SW2)と、前記ケース内において前記回路基板の周縁部よりも外側となる位置にて前記第2端子から前記回路基板に沿って延びるようにして設けられ、前記電力経路において前記2つのスイッチ部の間の中間点(N2)から分岐し、かつ該中間点と前記第2端子とを接続して分岐経路を形成するバスバー(26)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成の電池ユニットでは、蓄電池の電力の入出力が行われる2つの端子(第1端子P1、第2端子P2)が設けられ、そのうち第2端子は、一方のスイッチ部(P−MOS)を介して第1端子に接続されるとともに、他方のスイッチ部(P−SMR)を介して蓄電池(リチウムイオン蓄電池)に接続されている。そしてかかる構成において、2つのスイッチ部の間の中間点(N2)から分岐し、かつその中間点と第2端子とを接続して分岐経路を形成するバスバーを、ケース内において回路基板の周縁部よりも外側となる位置にて第2端子から回路基板に沿って延びるようにして設けるようにした。
【0008】
この場合、第2端子から延びる電力経路を、基板面に沿って延びるバスバーにより形成する構成としたため、回路基板では電力通電用の配線パターン等を実装するための実装スペースを減らすことができ、基板サイズの大型化を抑制できる。つまり、バスバーを用いた電力経路の形成によって回路基板上の電力経路を削減できることから、基板サイズの縮小が可能となる。
【0009】
また、2つのスイッチ部の間の中間点と第2端子とを接続する経路部分をバスバーにより構成することで、回路基板上における2つのスイッチ部の配置が変更されたとしてもそれに依存して回路基板上の配線長が大きくなるといった不都合を抑制できる。つまり、2つのスイッチ部の配置に応じて回路基板上における中間点の位置が変わり、それに伴い第2端子と中間点との距離が変わったとしても、その距離変更(距離延長)をバスバーの長さ変更で対処できる。これによっても、やはり基板サイズの大型化抑制に寄与できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電池ユニットの全体構成を示す斜視図。
図2】電池ユニットの主要な構成を分解して示す分解斜視図。
図3】電池ユニットにおいてカバーを外した状態を示す斜視図。
図4】電池ユニットにおいてカバーを外した状態を示す平面図。
図5図4の5−5線断面図。
図6図4の6−6線断面図。
図7】制御基板の電気経路を示す図。
図8】端子台ユニットの分解斜視図。
図9】制御基板に対してバスバーを接続した状態を示す斜視図。
図10】制御基板に対する組電池モジュールとベースの放熱部との位置関係を示す平面図。
図11】電源システムの電気的構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に搭載される電源システムに具体化した場合を想定しており、本電源システムは、車載の各種電気負荷に電力を供給するための蓄電部(電源部)において充電や放電を逐次制御するものとなっている。車両は、内燃機関であるエンジンと、エンジンやその他各部を制御する車載ECUと、エンジンや車軸の回転により駆動されて発電する発電機能、及びエンジンや車軸を回転させる動力出力機能を有する電動発電機(モータ)と、電動発電機の発電電力により充電される蓄電部とを備えるものである。特に車両の蓄電部として、鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池とを用いる構成としている。本実施形態では、リチウムイオン蓄電池として機能するLi電池ユニット(以下、単に電池ユニットという)について詳しく説明する。
【0012】
まずは、電池ユニットの具体的な構成の説明に先立って、本電池ユニットが適用される電源システムについて概要を図11を用いて説明する。
【0013】
図11に示すように、本電源システムは、鉛蓄電池101、リチウムイオン蓄電池102、電動発電機である回転機103、各種の電気負荷104,105、半導体スイッチ111〜114、及び制御部115を備えている。このうち、リチウムイオン蓄電池102と各スイッチ111〜114と制御部115とは筐体(収容ケース)に収容されることで一体化され、電池ユニット10として構成されている。電池ユニット10では、各スイッチ111〜114と制御部115とが同一の回路基板に実装された状態で筐体内に収容されている。制御部115は、各スイッチ111〜114のオン(閉鎖)とオフ(開放)との切替を実施し、これにより各蓄電池101,102の充放電を制御する。なお、鉛蓄電池101が外部蓄電池に相当し、リチウムイオン蓄電池102が内部蓄電池に相当し、回転機103が発電手段に相当する。
【0014】
電池ユニット10には外部端子として第1端子P1、第2端子P2及び第3端子P3が設けられており、第1端子P1には鉛蓄電池101と電気負荷104とが接続され、第2端子P2には回転機103が接続され、第3端子P3には電気負荷105が接続されるようになっている。
【0015】
回転機103は、エンジンのクランク軸の回転により発電(回生発電)を行う発電機能と、クランク軸に回転力を付与する動力出力機能とを備え、ISG(Integrated Starter Generator)を構成するものとなっている。鉛蓄電池101とリチウムイオン蓄電池102とは回転機103に対して並列に電気接続されており、回転機103からの電力供給により各蓄電池101,102が充電される。回転機103から各蓄電池101,102への充電量や、各蓄電池101,102から回転機103等への放電量は、各蓄電池101,102のSOC(State of charge)等に基づいて制御される。
【0016】
鉛蓄電池101は周知の汎用蓄電池である。これに対し、リチウムイオン蓄電池102は、鉛蓄電池101に比べて、充放電における電力損失が少なく、出力密度、及びエネルギ密度の高い高密度蓄電池である。リチウムイオン蓄電池102は、複数の電池セルを直列に接続してなる組電池により構成されている。
【0017】
電池ユニット10内には、ユニット内電気経路として、各端子P1〜P3及びリチウムイオン蓄電池102を相互に接続する複数の接続経路L1〜L4が設けられている。このうち、
・第1接続経路L1は、第1端子P1と第2端子P2とを接続する電気経路であり、
・第2接続経路L2は、第1接続経路L1上の接続点N2とリチウムイオン蓄電池102とを接続する電気経路であり、
・第3接続経路L3は、第1接続経路L1上の接続点N1と第3端子P3とを接続する電気経路であり、
・第4接続経路L4は、第2接続経路L2の接続点N3と第3接続経路L3の接続点N4とを接続する電気経路である。
【0018】
第1接続経路L1と第2接続経路L2とは、回転機103に対して鉛蓄電池101及びリチウムイオン蓄電池102を接続し、回転機103と各蓄電池101,102との間で比較的大きな電流が流れることが想定される大電流経路である。また、第3接続経路L3と第4接続経路L4とは、電気負荷105に対して鉛蓄電池101及びリチウムイオン蓄電池102を接続し、接続経路L1,L2に比べて小さい電流が流れることが想定される小電流経路である。
【0019】
そして、
・第1接続経路L1(詳しくはN1−N2の間)にスイッチ111が設けられ、
・第2接続経路L2(詳しくはN2−N3の間)にスイッチ112が設けられ、
・第3接続経路L3(詳しくはN1−N4の間)にスイッチ113が設けられ、
・第4接続経路L4(詳しくはN3−N4の間)にスイッチ114が設けられている。
これら各スイッチ111〜114は、いずれも2×n個のMOSFET(半導体スイッチング素子)を備え、その2つ一組のMOSFETの寄生ダイオードが互いに逆向きになるように直列に接続されている。この寄生ダイオードによって、各スイッチ111〜114をオフ状態とした場合にそのスイッチが設けられた経路に流れる電流が完全に遮断されるようになっている。なお以下の説明では、各スイッチの区別を明確化すべく、スイッチ111を「P−MOSスイッチ111」、スイッチ112を「P−SMRスイッチ112」、スイッチ113を「S−MOSスイッチ113」、スイッチ114を「S−SMRスイッチ114」とも称する。上記構成では、第1端子P1とリチウムイオン蓄電池102との間の電力経路にてP−MOSスイッチ111及びP−SMRスイッチ112が直列に設けられている。
【0020】
また、電気負荷105は、供給電力の電圧が概ね一定であるか、又は、電圧変動が所定範囲内であり安定していることが要求される定電圧要求電気負荷である。電気負荷105には、S−MOSスイッチ113を介して鉛蓄電池101が接続されるとともに、S−SMRスイッチ114を介してリチウムイオン蓄電池102が接続されるようになっており、各蓄電池101,102のいずれかからの給電が行われる。電気負荷105の具体例としては車載ナビゲーション装置や車載オーディオ装置が挙げられる。
【0021】
電気負荷104は、電気負荷105(定電圧要求電気負荷)以外の一般的な電気負荷であり、具体例としてはヘッドライト、フロントウインドシールド等のワイパ、空調装置の送風ファン、リヤウインドシールドのデフロスタ用ヒータ等が挙げられる。
【0022】
次に、電池ユニット10についての具体的な構成を説明する。まずは電池ユニット10の全体構成について図1及び図2を用いて説明する。なお、以下の説明では便宜上、電池ユニット10を水平面に設置した状態である図1を基準に、電池ユニット10の上下方向を規定することとしている。
【0023】
電池ユニット10は、複数の缶型単電池を有してなる組電池モジュール11と、組電池モジュール11における充放電の制御等を実施する制御基板12と、組電池モジュール11を上方から拘束する拘束プレート13と、これら組電池モジュール11等を収容する収容ケース14とを備えている。収容ケース14は、略直方体状をなし、本電池ユニット10の搭載場所に固定されるベース15と、ベース15の上方に取り付けられるカバー16とを備えている。これらベース15及びカバー16は、例えばアルミニウム等の金属材料により形成されるか、もしくは合成樹脂材料により形成されている。組電池モジュール11と制御基板12とは、組電池モジュール11が下、制御基板12が上になるように互いに上下に対向配置され、それぞれベース15にビス等により固定されている。そして、ベース15に対してカバー16を上方から組み付けることで、組電池モジュール11や制御基板12が収容ケース14内に収容された状態となっている。
【0024】
また、電池ユニット10は、電力の入出力が行われる端子台ユニット17と、車載ECU等に対して電気的に接続されるコネクタ部18とを有している。端子台ユニット17は、Pb接続用のPb端子台ユニット17Aと、ISG接続用のISG端子台ユニット17Bとからなる。Pb端子台ユニット17Aは、図11における第1端子P1を構成するPb端子電極21と、そのPb端子電極21を保持する端子台22とを有し、ISG端子台ユニット17Bは、図11における第2端子P2を構成するISG端子電極23と、そのISG端子電極23を保持する端子台24とを有している。各端子台22,24は、例えば絶縁性を有する合成樹脂材料により形成されている。各端子台ユニット17A,17Bは、各々の端子台22,24がベース15に対して固定されることで、互いに横並びとなる位置に設けられている。この場合、Pb端子台ユニット17AのPb端子電極21には、図示しないハーネスを介して鉛蓄電池101と電気負荷104とが接続され、ISG端子台ユニット17BのISG端子電極23には、図示しないハーネスを介して回転機103が接続されるようになっている。
【0025】
コネクタ部18には、制御部115との通信が可能な車載ECUが接続されるとともに、本電池ユニット10からの電力供給対象となる各種の電気負荷にも接続可能となっている。コネクタ部18は、信号線コネクタとパワーラインコネクタとを有する。コネクタ部18により図11の第3端子P3が構成されている。これら端子台ユニット17及びコネクタ部18は、図1に示すように、収容ケース14の外周部の一側面に設けられ、電池ユニット10の外部に露出した状態で設けられている。
【0026】
次に、電池ユニット10における各部の詳しい構成について説明する。この説明には、図3図6を適宜用いる。これら図3図6には、電池ユニット10においてカバー16を取り外した状態の構成が示されている。
【0027】
図5及び図6に示すように、ベース15は、底板部31と、その底板部31から起立して設けられる立ち壁部32とを有している。底板部31は略四角形状をなしており、その周縁部又は周縁部付近を取り囲んで立ち壁部32が形成されている。底板部31は、組電池モジュール11が載置されるモジュール載置部となっている。立ち壁部32には、その上端部において組電池モジュール11、制御基板12及び拘束プレート13がそれぞれ固定されるようになっている。この場合、各立ち壁部32の上端部にはネジ孔がそれぞれ形成されており、組電池モジュール11や制御基板12、拘束プレート13を所定位置に組み付けた状態で、固定ネジによってこれら各部材が固定されている。
【0028】
また、ベース15には、制御基板12に実装された電力制御用半導体素子(パワー素子P)にて生じる熱を外部に放出する放熱部33が設けられている。放熱部33は、組電池モジュール11と隣り合わせとなる位置に設けられ、その上面の平坦部が絶縁シートを挟んで制御基板12の裏面に対向するものとなっている。放熱部33の下方は空洞部となっている。この場合、パワー素子Pにて生じた熱は、放熱部33の平坦部に伝わり、さらにユニット外に放出される。
【0029】
そして、ベース15に対してカバー16が組み付けられることで、ケース内空間として閉塞された空間が形成され、その空間内に組電池モジュール11や制御基板12等が収容された状態となる。なお、図1に示すように、カバー16は、天板部35と、天板部35から延びる垂れ壁部36とを有している。ベース15に対するカバー16の組み付けは、ベース15の立ち壁部32がケース内側、カバー16の垂れ壁部36がケース外側となるようにこれらを内外に重ねた状態で行われている。
【0030】
次に、組電池モジュール11について説明する。この組電池モジュール11が、図11のリチウムイオン蓄電池102に相当する。
【0031】
図5及び図6に示すように、組電池モジュール11は、直列接続された複数(本実施形態では5個)の単電池41を有しており、これらの単電池41が所定の配列で電池ケース42に収容されて構成されている。本実施形態では、上下2段の単電池41と上下3段の単電池41とが横に並べて2列に配置されている。5個の単電池41は、いずれも薄型の直方体状をなすリチウムイオン蓄電池である。
【0032】
図5に示すように、組電池モジュール11は、電力入出力用のバスバー43を有している。このバスバー43は、組電池モジュール11の正側出力端子である。バスバー43は、上下2段の単電池41と上下3段の単電池41との間付近において電池ケース42から上方に延びるようにして設けられている。そして、バスバー43の上端が制御基板12のスルーホールに挿通され、これにより組電池モジュール11と制御基板12との電気的な接続がなされている。
【0033】
次に、制御基板12について説明する。図3図6に示すように、制御基板12は、組電池モジュール11に対して上下に重なるようにして配置され、その基板面には各種の電子部品が実装されるとともにコネクタ部18が固定されている。つまり、制御基板12はその一部が組電池モジュール11に対向している。電子部品には、組電池モジュール11の充放電制御の処理等を実行するCPU(制御演算素子)や、複数のパワー素子Pが含まれている。このパワー素子Pの開閉(オン/オフ)により、組電池モジュール11に対する電力の入出力(すなわち組電池モジュール11の充放電)や、基板上の各電力経路を通じての導通の状態が適宜制御される。
【0034】
制御基板12に実装されるパワー素子Pは、図4に示すように、4つのスイッチ部SW1〜SW4に分けて設けられている。これら4つのスイッチ部SW1〜SW4は、図11の各スイッチ111〜114に相当するものであり、
・スイッチ部SW1によりP−MOSスイッチ111が構成され、
・スイッチ部SW2によりP−SMRスイッチ112が構成され、
・スイッチ部SW3によりS−MOSスイッチ113が構成され、
・スイッチ部SW4によりS−SMRスイッチ114が構成されている。
なお本実施形態では、図示のとおりスイッチ部SW1(スイッチ111)を6個の半導体スイッチング素子により構成し、スイッチ部SW2(スイッチ112)を4個の半導体スイッチング素子により構成し、スイッチ部SW3,SW4(スイッチ113,114)を各2個の半導体スイッチング素子により構成している。
【0035】
Pb用/ISG用の各端子台22,24は、制御基板12の1つの側辺部E1に沿って並べて設けられ、側辺部E1に直交しかつその隣となる側辺部E2に沿ってスイッチ部SW1,SW2が並べて設けられている。この場合、ISG用の端子台24は制御基板12のコーナ部C1の付近に配置され、それよりも辺中央側にPb用の端子台22が配置されている。また、スイッチ部SW1,SW2は、側辺部E2に沿って、スイッチ部SW1が各端子台22,24に近い側、スイッチ部SW2が各端子台22,24に遠い側になるようにして配置されている。
【0036】
また、制御基板12では、Pb端子台ユニット17AとISG端子台ユニット17Bと組電池モジュール11とに対して、これら各端子台ユニット17A,17Bと組電池モジュール11とにそれぞれ設けられたバスバーを介して電気的な接続がなされている。具体的には、制御基板12上において図4の「X1」がPb端子台ユニット17Aに対する接続部であり、「X2」がISG端子台ユニット17Bに対する接続部であり、「X3」が組電池モジュール11に対する接続部である。説明の便宜上、X1を「Pb接続部X1」、X2を「ISG接続部X2」、X3を「Li接続部X3」とも称する。
【0037】
ここで、制御基板12における電気経路について図7を用いて説明する。なお、電池ユニット10の電気的構成については図11にて説明済みであるから、その図11を併せ参照しながら、現実の電池ユニット10における電気経路の構成を説明する。図7には、図11で用いた符号を括弧書きで付記している。Pb接続部X1は図11の接続点N1に相当し、ISG接続部X2は図11の接続点N2に相当し、Li接続部X3は図11の接続点N3に相当する。
【0038】
図7において、ISG端子台ユニット17BのISG端子電極23(第2端子P2)は、スイッチ部SW1(スイッチ111)を介してPb端子台ユニット17AのPb端子電極21(第1端子P1)に接続されるとともに、スイッチ部SW2(スイッチ112)を介してLi接続部X3、すなわち組電池モジュール11に接続されている。この場合、回転機103で入出力される電力は、鉛蓄電池101及びリチウムイオン蓄電池102に対して、図中に二重線で示す経路を通じて流れる。その二重線経路は図11の接続経路L1,L2に相当する。
【0039】
その他、制御基板12には、コネクタ部18に接続される電気負荷に対して電力供給を可能とする電気経路として、コネクタ部18(第3端子P3)をスイッチ部SW3(スイッチ113)を介してPb接続部X1に接続する経路と、同じくコネクタ部18(第3端子P3)をスイッチ部SW4(スイッチ114)を介してLi接続部X3に接続する経路とが設けられている。制御基板12には、各接続部X1〜X3や各スイッチ部SW1〜SW4を互いに接続する経路が所定の配線パターンによりそれぞれ形成されている。
【0040】
ところで、上記のとおり回転機103⇔鉛蓄電池101の電力供給、及び回転機103⇔リチウムイオン蓄電池102の電力供給を、電池ユニット10内の制御基板12を経由して実施する場合には、制御基板12において大電流経路(電力経路)が複数に分岐することになり、制御基板12での大電流経路の複雑化を招く。また、大電流経路を形成するための配線部が増えるために基板サイズの大型化が強いられることが懸念される。
【0041】
そこで本実施形態では、電池ユニット10における大電流経路の一部を基板外に設けたバスバーにより構成することで、制御基板12での配線部の削減を図り、ひいては基板サイズの大型化を抑制するものとしている。つまり、図7においてISG接続部X2(接続点N2)とISG端子電極23との間の電気経路をバスバーにて電気的に接続することとし、さらにそのバスバーを制御基板12の周縁部よりも外側となる位置にて第2端子P2から制御基板12に沿って延びるようにして設ける構成としている。
【0042】
かかる構成についてより詳細に説明する。図8は端子台ユニット17の分解斜視図である。
【0043】
上述のとおり端子台ユニット17は、Pb端子台ユニット17AとISG端子台ユニット17Bとからなるが、それら各端子台ユニット17A,17Bは構成が相違しており、具体的には各端子台22,24の形状と、それに組み付けられるバスバー25,26の形状とが各々相違している。
【0044】
まず端子台22,24を比較すると、これら各端子台22,24は、制御基板12の外側から内側へと延びる方向(図4における側辺部E2の延びる方向)における長さ寸法が相違しており、端子台24は端子台22よりも長いものとなっている。この長さの違いはベース15の形状及び形態にも関係しており、制御基板12のコーナ部C1の付近に配置される端子台24は、ベース15の放熱部33を避けることでそれよりも奥側に延びるように設けられている。これに対し、端子台24よりも辺中央側に配置される端子台22は、制御基板12の外側から放熱部33までに収まる長さで設けられている。この場合、端子台24は、ISG端子電極23が設けられる電極保持部24aから延びる延設部24bを有しており、その延設部24bが、ベース15の放熱部33を迂回するようにし折り曲げ形成されている。
【0045】
また、バスバー25,26は、いずれも長尺状をなす金属製(例えば銅製)の平板よりなり、その長手方向の一端側には端子電極21,23を挿通させる孔部25a,26aが形成されるとともに、他端側には制御基板12に対して接続される接続端部25b,26bが形成されている。この接続端部25b,26bを制御基板12に組み付けた部分が、図4に示す接続部X1,X2となっている。図9には、制御基板12に対してバスバー25,26を接続した状態が示されている。
【0046】
図7で言えば、Pb端子電極21とPb接続部X1との間の電力経路を構成するのがバスバー25であり、ISG端子電極23とISG接続部X2との間の電力経路を構成するのがバスバー26である。なお、ISG端子電極23とISG接続部X2との間の電力経路は、鉛蓄電池101とリチウムイオン蓄電池102とを繋ぐ電力経路から接続点N2で分岐する分岐経路に相当する。また、図11で言えば、バスバー25は、第1端子P1とP−MOSスイッチ111とを繋ぐ第1端子側経路L11を構成するものとなり、バスバー26は、第2端子P2と接続点N2とを繋ぐ第2端子側経路L12を構成するものとなっている。
【0047】
そして、バスバー25,26を比較すると、やはりこれら各バスバー25,26は長手方向の長さ寸法が相違しており、バスバー25は短く、バスバー26はそれよりも長いものとなっている。特に、バスバー26は、端子台24と同様に折り曲げられて成形されている。つまり、バスバー26は、端子台24の延設部24bと同様の方向に延び、かつ屈曲形状をなす中間部26cを有している。この場合、バスバー26の中間部26cは、その板面が制御基板12の基板面と直交する方向(図の上下方向)に延びるようにして設けられており、端子台24の延設部24bの外側に重なるようにして、バスバー26の中間部26cが配置されるようになっている。
【0048】
各端子台ユニット17A,17Bをベース15に組み付けた状態では、図3図5に示されるように、放熱部33の外側に端子台24の延設部24bが設けられ、さらにその外側にバスバー26の中間部26cが設けられる。この状態では、放熱部33とバスバー26の中間部26cとの間に端子台24の延設部24bが介在し、これにより放熱部33(すなわちベース15)とバスバー26との絶縁がなされている。つまり、延設部24bが、放熱部33とバスバー26の中間部26cとの間の絶縁部に相当する。
【0049】
図10は、制御基板12に対する組電池モジュール11とベース15の放熱部33との位置関係を示す平面図である。図10には、制御基板12の裏面側に設けられる組電池モジュール11と放熱部とを破線にて示している。スイッチ部SW3,SW4については図示を省略している。
【0050】
図10に示すように、制御基板12では、組電池モジュール11に対向する部位にLi接続部X3が設けられ、組電池モジュール11に対向しておらず、かつベース15の放熱部33に対向する部位に2つのスイッチ部SW1,SW2が並べて実装されている。また、平面視においてスイッチ部SW1,SW2を挟んで組電池モジュール11とは反対側となる位置にバスバー26が配置されている。この場合、各スイッチ部SW1〜SW4のうちでスイッチ部SW1,SW2はMOSFETの個数が多く、発熱量が比較的多くなるが、そのスイッチ部SW1,SW2について、発熱の影響が組電池モジュール11に及ぶことが抑制される。
【0051】
また、制御基板12においてスイッチ部SW1,SW2の真下部分には、放熱部33の上面部が存在しており、それを迂回してバスバー26が設けられている。この場合、制御基板12の側辺部E2よりも外側に中間部26cが位置するようになっている。つまり、中間部26cは、平面視において制御基板12よりも外側にはみ出るようにして設けられている。
【0052】
さらに、制御基板12では、ISG接続部X2、すなわち2つのスイッチ部SW1,SW2の間の接続点N2が、これら各スイッチ部SW1,SW2よりも側辺部E2の側に設けられている。また、Pb端子電極21(第1端子P1)とISG端子電極23(第2端子P2)とは、制御基板12の側辺部E1に対向する位置に設けられており、より詳細にはISG端子電極23は、制御基板12のコーナ部C1付近の位置に設けられ、Pb端子電極21は、ISG端子電極23よりも側辺部E1の中央側となる位置に設けられている。
【0053】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0054】
上記構成の電池ユニット10では、組電池モジュール11(リチウムイオン蓄電池102)の電力の入出力が行われる2つの端子電極21,23(端子P1,P2)が設けられ、そのうちISG端子電極23は、スイッチ部SW1(P−MOSスイッチ111)を介してPb端子電極21に接続されるとともに、スイッチ部SW2(P−SMRスイッチ112)を介して組電池モジュール11に接続されている。そしてかかる構成において、2つのスイッチ部SW1,SW2の間の接続点N2から分岐し、かつその接続点N2とISG端子電極23とを接続して分岐経路を形成するバスバー26を、収容ケース14内において制御基板12の周縁部よりも外側となる位置にてISG端子電極23から制御基板12に沿って延びるようにして設けるようにした。
【0055】
この場合、ISG端子電極23から延びる電力経路を、基板面に沿って延びるバスバー26により形成する構成としたため、制御基板12では電力通電用の配線パターン等を実装するための実装スペースを減らすことができ、基板サイズの大型化を抑制できる。つまり、バスバー26を用いた電力経路の形成によって制御基板12上の電力経路を削減できることから、基板サイズの縮小が可能となる。
【0056】
また、接続点N2とISG端子電極23とを接続する経路部分をバスバー26により構成することで、制御基板12上における2つのスイッチ部SW1,SW2の配置が変更されたとしてもそれに依存して制御基板12上の配線長が大きくなるといった不都合を抑制できる。つまり、2つのスイッチ部SW1,SW2の配置に応じて制御基板12上における接続点N2の位置が変わり、それに伴いISG端子電極23と接続点N2との距離が変わったとしても、その距離変更(距離延長)をバスバー26の長さ変更で対処できる。これによっても、やはり基板サイズの大型化抑制に寄与できることとなる。
【0057】
電池ユニット10において長尺状のバスバー26を、そのバスバー26の中間部26cの板面が基板面に直交するようにして収容ケース14内に配置した。この場合、基板面とバスバー板面とが互いに直交することで、制御基板12の面内方向だけでなく制御基板12の面外方向をも上手く使って電力経路を構築できる。
【0058】
制御基板12において、組電池モジュール11に対向しておらず、かつベース15の放熱部33に対向する部位にスイッチ部SW1,SW2を設けるとともに、スイッチ部SW1,SW2を挟んで組電池モジュール11とは反対側にバスバー26を配置した。これにより、発熱量が比較的多くなるスイッチ部SW1,SW2について、発熱の影響を組電池モジュール11に及ぼすことなく、かつ適正な放熱を行わせることができる。また、バスバー26が組電池モジュール周りの各種部材に干渉するといった不都合が生じにくくなり、バスバー26の配置を好適に実施できる。
【0059】
ISG端子台ユニット17Bの端子台24に、電極保持部24aから延びる延設部24bを設け、その延設部24bを、放熱部33とバスバー26の中間部26cとを絶縁する絶縁部とした。これにより、基板外に設けたバスバー26についての適正な絶縁機能を付与できる。
【0060】
制御基板12において、2つのスイッチ部SW1,SW2の間の接続点N2を、これら各スイッチ部SW1,SW2よりも側辺部E2の側に設けるとともに、ISG端子電極23(第2端子P2)をコーナ部C2寄りの位置、Pb端子電極21(第1端子P1)をISG端子電極23よりも中央側の位置に設けた。この構成では、回転機103からの電力を各蓄電池101,102に供給するための経路を、制御基板12の側辺部E2付近に設ける上で好都合となり、制御基板12における配線パターンの縮小化が可能となる。これにより、基板サイズの小型化を図る上で有利となる。
【0061】
制御基板12において、スイッチ部SW1を各端子電極21,23に近い側に、スイッチ部SW2を各端子電極21,23に遠い側にそれぞれ実装するとともに、バスバー26においてISG端子電極23からISG接続部X2までの長さ寸法を、バスバー25においてPb端子電極21からPb接続部X1までの長さ寸法よりも大きくした。これにより、各スイッチ部SW1,SW2の配置に対応させて、これら各スイッチ部SW1,SW2との接続に好適な接続構造を実現できる。
【0062】
(他の実施形態)
上記実施形態を例えば次のように変更してもよい。
【0063】
・上記実施形態では、電池ユニット10においてバスバー26を、その中間部26cの板面が制御基板12の基板面に直交するようにして設けたが、これを変更してもよい。例えば、バスバー26の中間部26cが基板面に交差する向きは直交でなくてもよい。また、バスバー26の中間部26cが基板面に平行になるように構成されていてもよい。
【0064】
・電池ユニット10の制御基板12において、ベース15の放熱部33を図10の構成よりも拡大し、全てのスイッチ部SW1〜SW4の真下であって、かつこれら全スイッチ部の熱を放出可能に設けてもよい。また、制御基板12と放熱部33との間(すなわち基板裏面側)に各スイッチ部を設ける構成であってもよい。
【0065】
・上記実施形態では、内部蓄電池としてリチウムイオン蓄電池102を用い、外部蓄電池として鉛蓄電池101を用いる構成としたが、これを変更してもよい。内外の両蓄電池としていずれもリチウムイオン蓄電池を用いたり、鉛蓄電池を用いたりしてもよい。また、ニカド蓄電池やニッケル水素蓄電池など、他の二次電池を用いる構成としてもよい。
【0066】
・上記実施形態の電池ユニット10を、内燃機関とモータとの両方を車両走行の駆動源とするハイブリッド車両に適用してもよいし、内燃機関を持たず、モータのみを車両走行の駆動源とする電気車両に適用してもよい。
【符号の説明】
【0067】
10…電池ユニット、11…組電池モジュール(蓄電池)、12…制御基板(回路基板)、14…収容ケース、26…バスバー、P1…第1端子、P2…第2端子、SW1,SW2…スイッチ部。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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図10
図11