特許第6245022号(P6245022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245022
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】車両用導光部材、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20171204BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171204BHJP
【FI】
   F21S8/10 371
   F21S8/10 352
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-62333(P2014-62333)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-185456(P2015-185456A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】鹿子木 寛
(72)【発明者】
【氏名】坂下 祐彬
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−161008(JP,A)
【文献】 特開2012−048845(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103314253(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10 − 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光本体部と、フランジ部と、取付部と、から構成されていて、
前記導光本体部は、
内部での全反射を利用して光を導く棒形状をなしていて、
光を内部中に入射させる入射面と、
入射した光を外部に出射させる出射面と、
入射した光を前記出射面側に反射させる反射面と、
を備え、
前記フランジ部は、
折曲部において断面L字形状に折り曲げられている板形状をなしていて、
一方の折曲板部が前記導光本体部の前記反射面側に一体に連続して設けられていて、
前記取付部は、
凸形状をなしていて、
前記フランジ部の他方の折曲板部に一体に連続して設けられていて、
前記フランジ部には、前記導光本体部において導かれている光が前記フランジ部を経て前記取付部に届くのを抑制する抑制部が設けられている、
ことを特徴とする車両用導光部材。
【請求項2】
前記抑制部は、鋭角に折り曲げられている前記フランジ部の前記折曲部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用導光部材。
【請求項3】
前記抑制部は、前記フランジ部の前記折曲部に設けられていて、前記導光本体部からの光を前記導光本体部側に反射させる反射部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用導光部材。
【請求項4】
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている光源および前記の請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用導光部材と、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用導光部材に関するものである。また、この発明は、車両用導光部材を備える車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用導光部材、車両用導光部材を備える車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具の棒状導光体について説明する。従来の車両用灯具の棒状導光体は、端部から内部に入射された光を、裏面の内面反射面で内面反射させて、表面から出射させるものである。従来の車両用灯具の棒状導光体は、裏面にリブが形成されていて、かつ、そのリブにステイが形成されていて、そのステイが車両用灯具のハウジングに取り付けられているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−161008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の車両用灯具の棒状導光体は、棒状導光体内部に入射された光がリブを経てステイに届くのを抑制する手段が設けられていない。このために、棒状導光体内部に入射された光の一部がリブを経てステイに届き、このステイに届いた光の一部がリブとステイとの間の角部(図2(B)中の符号「10」を参照)で反射して、その反射光の一部がリブを経て棒状導光体の表面から出射する。これにより、棒状導光体の表面のうち、リブとステイとの間の角部に対応する箇所において、点光や光すじなどが発生する場合がある。この点光や光すじなどが発生すると、表面が均一に光る棒状導光体において問題となる。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用導光部材、車両用灯具では、点光や光すじなどが発生する場合がある、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、導光本体部と、フランジ部と、取付部と、から構成されていて、導光本体部が、内部での全反射を利用して光を導く棒形状をなしていて、光を内部中に入射させる入射面と、入射した光を外部に出射させる出射面と、入射した光を出射面側に反射させる反射面と、を備え、フランジ部が、折曲部において断面L字形状に折り曲げられている板形状をなしていて、一方の折曲板部が導光本体部の反射面側に一体に連続して設けられていて、取付部が、凸形状をなしていて、フランジ部の他方の折曲板部に一体に連続して設けられていて、フランジ部には、導光本体部において導かれている光がフランジ部を経て取付部に届くのを抑制する抑制部が設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、抑制部が、鋭角に折り曲げられているフランジ部の折曲部である、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項3にかかる発明)は、抑制部が、フランジ部の折曲部に設けられていて、導光本体部からの光を導光本体部側に反射させる反射部である、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項4にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源および前記の請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用導光部材と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明の車両用導光部材、車両用灯具は、フランジ部に設けられている抑制部により、導光本体部において導かれている光がフランジ部を経て取付部に届くのが抑制される。このために、導光本体部において導かれている光であってフランジ部を経て取付部に届く光が減る。しかも、取付部に届いてその取付部で反射する光であってフランジ部を経て導光本体部の出射面から外部に出射する光も減る。これにより、導光本体部の出射面のうち、フランジ部と取付部との間の角部(図2(B)中の符号「10」を参照)に対応する箇所において、点光や光すじなどが発生するのを抑制することができる。すなわち、導光本体部の出射面において、点光や光すじなどが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態1を示す正面図(ランプレンズを除いた正面図)である。
図2図2は、車両用導光部材の一部を示す説明図である。
図3図3は、車両用導光部材を示す拡大断面図(図2におけるIII−III線拡大断面図)である。
図4図4は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態2を示す拡大断面図(図3に対応する拡大断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態(実施例)の2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図2図3図4において、光路(実線矢印を参照)を明確にするために、車両用導光部材のハッチングを省略する。さらに、図2(B)は、光路を示す図2(A)におけるB矢視説明図である。
【0013】
(実施形態1の構成の説明)
図1図3は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態1にかかる車両用導光部材、車両用灯具の構成について説明する。図1中、符号1は、この実施形態1にかかる車両用灯具である。前記車両用灯具1は、たとえば、車両用前照灯やヘッドランプなどのフロントコンビネーションランプなどの自動車用灯具である。
【0014】
(車両用灯具1の説明)
前記車両用灯具1は、図1に示すように、ランプハウジング2および図示しないランプレンズ(たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど)と、1個の光源3およびこの実施形態1にかかる1個の車両用導光部材(導光棒、導光体)4と、その他のランプユニットとしてのロービーム用ヘッドランプ5およびハイビーム用ヘッドランプ6と、図示しないインナーパネル(インナーハウジング、エクステンション、装飾部材)と、を備えるものである。
【0015】
前記ランプハウジング2および前記ランプレンズは、灯室20を画成する。前記灯室20内には、前記光源3および前記車両用導光部材4および前記ロービーム用ヘッドランプ5および前記ハイビーム用ヘッドランプ6および前記インナーパネルがそれぞれ配置されている。前記光源3および前記車両用導光部材4は、取付ブラケットなど(図示せず)を介して前記ランプハウジング2に取り付けられている。前記光源3および前記車両用導光部材4は、この例では、クリアランスランプを構成している。前記光源3や前記取付ブラケットなどは、前記インナーパネルにより覆い隠されていて、前記ランプレンズ側からは見えない。
【0016】
(光源3の説明)
前記光源3は、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記光源3は、基板30と、前記基板30に適宜に配置されて設けられている1個もしくは複数個の発光チップなどからなる発光部31と、から構成されている。前記光源3は、コネクタ部(図示せず)を介して電源(電流)が供給される。
【0017】
(車両用導光部材4の説明)
前記車両用導光部材4は、光を導く性質を有する部材、この例では、アクリル、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの透明樹脂材からなる。前記車両用導光部材4は、図2図3に示すように、導光本体部7と、フランジ部8と、取付部9と、から構成されている。
【0018】
(導光本体部7の説明)
前記導光本体部7は、図1図3に示すように、一端面の入射面70と、一側面の出射面71と、他側面の反射面72と、他端面73と、を備えるものである。前記導光本体部7は、前記入射面70から入射した入射光を、内部での全反射を利用して前記他端面73まで導くものである。前記導光本体部7は、一端面の前記入射面70から前記他端面73にかけて同等もしくはほぼ同等の棒形状をなす。この例では断面ほぼ円形の棒形状をなす。前記導光本体部7の直径は、この例では、約6〜10mmである。また、前記導光本体部7の長さは、この例では、約200〜300mmである。なお、前記導光本体部7の直径および長さは、特に限定しない。
【0019】
前記入射面70は、前記光源3の前記発光部31に対向する。前記入射面70は、前記光源3の前記発光部31から放射される光を前記入射光として前記導光本体部7中に入射させるものである。
【0020】
前記出射面71は、前記ランプレンズに対向している。前記出射面71は、前記入射面70から前記導光本体部7中に入射した光(入射光)を出射光として前記導光本体部7中から外部の前記ランプレンズ側に出射させるものである。
【0021】
前記反射面72は、前記入射面70から前記導光本体部7中に入射した前記入射光および前記導光本体部7中において全反射を利用して導かれた光を、反射光として前記出射面71側に反射させるものである。前記反射面72は、多数個のプリズム(多数個の前記反射面72と、前記反射面72と前記反射面72との間の傾斜面(段差面)と、から構成されているプリズム)から構成されている。なお、前記導光本体部7の両端面がそれぞれ入射面となる場合においては、前記傾斜面も反射面となる。また、前記反射面72は、前記導光本体部7の全長に亘って設けても良いし、一部設けても良い。
【0022】
(フランジ部8の説明)
前記フランジ部8は、折曲部80において断面L字形状に折り曲げられている板形状をなしている。すなわち、前記フランジ部8は、前記折曲部80と、一方の折曲板部である水平板部81と、他方の折曲板部である垂直板部82と、から構成されている。
【0023】
前記フランジ部8の前記水平板部81の一側端は、前記導光本体部7の他側面側であって、前記反射面72の上側の部分に一体に連続して設けられている。前記フランジ部8の前記水平板部81の一側端は、前記導光本体部7の前記出射面71に対向する。前記フランジ部8の幅は、前記導光本体部7の全長より若干短い。
【0024】
前記フランジ部8の前記折曲部80は、鋭角に折り曲げられている。この鋭角に折り曲げられている前記折曲部80は、前記導光本体部7において導かれている光(図3(A)中の実線矢印を参照)が前記フランジ部8を経て前記取付部9に届くのを抑制する抑制部を構成するものである。すなわち、前記フランジ部8の前記折曲部80には、前記抑制部が設けられている。
【0025】
(取付部9の説明)
前記取付部9は、凸形状をなしている。前記取付部9は、前記フランジ部8の前記垂直板部82の他側端のうち、1箇所もしくは複数箇所に一体に連続して設けられている。なお、図面では、1個の前記取付部9が図示されている。前記取付部9は、前記取付ブラケットなどを介して前記ランプハウジング2に取り付けられている。
【0026】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1にかかる車両用導光部材4、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0027】
車両用灯具1の光源3の発光部31を点灯すると、光源3の発光部31から光が放射される。光源3の発光部31から放射された光は、車両用導光部材4の導光本体部7の入射面70から導光本体部7中に入射する。この導光本体部7中に入射した入射光は、導光本体部7中において全反射を繰り返して、入射面70と反対側の他端面73側に導かれる。導光本体部7中を導かれている入射光の大部分は、反射面72において全反射する。この反射光の大部分は、出射面71側に進んで、この出射面71から外部に出射する。これにより、車両用導光部材4の導光本体部7の出射面71が意匠面として面状に均一に発光して、クリアランスランプとして機能する。
【0028】
一方、導光本体部7中を導かれている入射光の一部は、導光本体部7からフランジ部8の水平板部81中に進む(図3(A)中の実線矢印を参照)。フランジ部8の水平板部81中に進んだ光は、フランジ部8の鋭角に折り曲げられている折曲部80から外部に出射する(図3(A)中の破線矢印を参照)。これにより、導光本体部7において導かれている光であってフランジ部8の水平板部81、折曲部80、垂直板部82を経て取付部9に届く光が減る。
【0029】
また、一部ではあるが、導光本体部7からの光の一部がフランジ部8の水平板部81、折曲部80、垂直板部82を経て取付部9に届く。その取付部9に届いた光の一部は、図2(B)に示すように、フランジ部8の垂直板部82と取付部9との間の角部10において反射する。
【0030】
角部10で反射した光は、フランジ部8の垂直板部82中に進む(図3(A)中の実線矢印を参照)。フランジ部8の垂直板部82中に進んだ光は、フランジ部8の鋭角に折り曲げられている折曲部80から外部に出射する(図3(A)中の破線矢印を参照)。これにより、角部10で反射した光であってフランジ部8の垂直板部82、折曲部80、水平板部81を経て導光本体部7に届く光が減る。
【0031】
ここで、フランジ部8Bの折曲部80Bが直角もしくは鈍角に折り曲げられている場合における光路について、図3(B)を参照して説明する。この場合においては、フランジ部8Bの水平板部81B中に進んだ光は、折曲部80Bにおいて全反射して、垂直板部82B中に進む(図3(B)中の実線矢印を参照)。これにより、導光本体部7からの光がフランジ部8Bの水平板部81B、折曲部80B、垂直板部82Bを経て取付部9に届く。
【0032】
また、角部10で反射した光は、フランジ部8Bの垂直板部82B中に進む(図3(B)中の実線矢印を参照)。フランジ部8Bの垂直板部82B中に進んだ光は、折曲部80Bにおいて全反射して、水平板部81B中に進む(図3(B)中の実線矢印を参照)。これにより、角部10からの反射光がフランジ部8Bの垂直板部82B、折曲部80B、水平板部81Bを経て導光本体部7に届く。
【0033】
これに対して、この実施形態1にかかる車両用導光部材4、車両用灯具1は、前記の通り、導光本体部7において導かれている光であってフランジ部8の水平板部81、折曲部80、垂直板部82を経て取付部9に届く光が減る。しかも、角部10で反射した光であってフランジ部8の垂直板部82、折曲部80、水平板部81を経て導光本体部7に届く光が減る。
【0034】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1にかかる車両用導光部材4、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0035】
この実施形態1にかかる車両用導光部材4、車両用灯具1は、フランジ部8の折曲部80に抑制部を設けるものである。すなわち、フランジ部8の折曲部80が鋭角に折り曲げられているものである。これにより、導光本体部7において導かれている光がフランジ部8を経て取付部9に届くのが抑制される。すなわち、導光本体部7中を導かれている入射光の一部は、導光本体部7からフランジ部8の水平板部81中に進む(図3(A)中の実線矢印を参照)。フランジ部8の水平板部81中に進んだ光は、フランジ部8の鋭角に折り曲げられている折曲部80から外部に出射する(図3(A)中の破線矢印を参照)。このために、導光本体部7において導かれている光であってフランジ部8の水平板部81、折曲部80、垂直板部82を経て取付部9に届く光が減る。
【0036】
しかも、取付部9に届いてその取付部9で反射する光であってフランジ部8を経て導光本体部7の出射面71から外部に出射する光も減る。すなわち、一部ではあるが、導光本体部7からの光の一部がフランジ部8の水平板部81、折曲部80、垂直板部82を経て取付部9に届く。その取付部9に届いた光の一部は、図2(B)に示すように、フランジ部8の垂直板部82と取付部9との間の角部10において反射する。
【0037】
角部10で反射した光は、フランジ部8の垂直板部82中に進む(図3(A)中の実線矢印を参照)。フランジ部8の垂直板部82中に進んだ光は、フランジ部8の鋭角に折り曲げられている折曲部80から外部に出射する(図3(A)中の破線矢印を参照)。このために、角部10で反射した光であってフランジ部8の垂直板部82、折曲部80、水平板部81を経て導光本体部7に届く光が減る。
【0038】
以上から、導光本体部7の出射面71のうち、フランジ部8の垂直板部82と取付部9との間の角部10に対応する箇所において、点光や光すじなどが発生するのを抑制することができる。すなわち、導光本体部7の出射面71において、点光や光すじなどが発生するのを防止することができる。これにより、導光本体部7の出射面71は、均一もしくはほぼ均一に発光して、見栄え上何ら問題がない。
【0039】
(実施形態2の構成の説明)
図4は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる車両用導光部材40、車両用灯具の構成について説明する。図中、図1図3と同符号は、同一のものを示す。
【0040】
前記の実施形態1の車両用導光部材4、車両用灯具1は、フランジ部8の折曲部80を鋭角に折り曲げることにより、フランジ部8の折曲部80に抑制部を設けるものである。
これに対して、この実施形態2にかかる車両用導光部材40、車両用灯具は、図4(A)に示すように、導光本体部7からの光を導光本体部7側に反射させる反射部(たとえば、三角プリズム)80Aをフランジ部8Aの折曲部に設けることにより、フランジ部8Aの折曲部に抑制部を設けるものである。
【0041】
(実施形態2の作用の説明)
以下、実施形態2の作用すなわち光路について図4を参照して説明する。導光本体部7中を導かれている入射光の一部は、導光本体部7からフランジ部8Aの水平板部81A中に進む(図4(A)中の実線矢印を参照)。フランジ部8Aの水平板部81A中に進んだ光の大部分は、フランジ部8Aの折曲部の反射部80Aで全反射して、フランジ部8Aの水平板部81A中に戻る(図4(A)中の実線矢印を参照)。これにより、導光本体部7において導かれている光であってフランジ部8Aの水平板部81A、折曲部、垂直板部82Aを経て取付部9に届く光が減る。
【0042】
ここで、フランジ部8Bの折曲部80Bが直角もしくは鈍角に折り曲げられている場合における光路について、図4(B)を参照して説明する。この場合においては、フランジ部8Bの水平板部81B中に進んだ光は、折曲部の水平板部81Bおよび垂直板部82Bにおいて全反射して、垂直板部82B中に進む(図4(B)中の実線矢印を参照)。これにより、導光本体部7からの光がフランジ部8Bの水平板部81B、折曲部、垂直板部82Bを経て取付部9に届く。
【0043】
これに対して、この実施形態2にかかる車両用導光部材40、車両用灯具は、前記の通り、導光本体部7において導かれている光であってフランジ部8Aの水平板部81A、折曲部、垂直板部82Aを経て取付部9に届く光が減る。
【0044】
(実施形態2の効果の説明)
この実施形態2にかかる車両用導光部材40、車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施形態1にかかる車両用導光部材4、車両用灯具1の効果とほぼ同等の効果を達成することができる。
【0045】
(実施形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2においては、光源3として自発光半導体型光源を使用するものである。ところが、この発明においては、光源として、白熱灯や放電灯などを使用しても良い。
【0046】
また、前記の実施形態1、2においては、車両用灯具としての光源3および車両用導光部材4、40を、クリアランスランプとして使用するものである。ところが、この発明においては、車両用灯具としての光源および車両用導光部材を、その他のランプ、たとえば、ヘッドランプ、デイタイムランニングランプ、フォグランプ、装飾用ランプ、テールランプ、ストップランプ、テール・ストップランプ、ターンランプなどに使用しても良い。
【0047】
さらに、前記の実施形態1、2においては、車両用灯具としての1個の光源3および1個の車両用導光部材4、40を使用するものである。ところが、この発明においては、車両用灯具としての複数個の光源および複数個の車両用導光部材を使用するものであっても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 車両用灯具
2 ランプハウジング
20 灯室
3 光源
4、40 車両用導光部材
5 ロービーム用ヘッドランプ
6 ハイビーム用ヘッドランプ
7 導光本体部
70 入射面
71 出射面
72 反射面
73 他端面
8、8A、8B フランジ部
80、80B 折曲部
80A 反射部
81、81A、81B 水平板部
82、82A、82B 垂直板部
9 取付部
10 角部
図1
図2
図3
図4