(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持部材は、互いに係合しあって前記電極端子を挟持する第1の支持部材(4)と第2の支持部材(5)とを備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の組電池。
前記異極の電極端子同士と一体に重ね合わされる部材であって、前記異極の電極端子同士と結合する前記結合部が形成される補強部材(25)をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組電池。
前記拘束部材は、前記支持部材の一部を貫通するシャフト部を有するボルト(90)と、前記ボルトに螺合するナット(91)と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の組電池。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
本発明に係る組電池を適用する第1実施形態について説明する。組電池1は、電気的に接続した複数個の単電池2を積層して一体にした構成を有する。組電池1は、例えば、電動機のみによって走行する電気自動車(EV)、電動機と内燃機関とを併用して走行駆動力とするプラグインハイブリッド自動車(PHV)等に搭載される車両用蓄電池、または住宅における蓄電池用の定置用蓄電池として用いることができる。単電池2は、扁平状の外装を有する薄形の二次電池である。単電池2には、例えば、リチウムイオン二次電池を用いることができる。
【0011】
図1及び
図2に示すように、単電池2は、例えば、電気絶縁性樹脂の外装によってその外周面が被覆された扁平状直方体を呈する。単電池2は、平面視形状が矩形状であり、矩形状の縦横寸法よりも厚み寸法が薄い薄形の平板状体である。単電池2は、例えば、正極活物質を含む正極部、負極活物質を含む負極部、電解質、セパレータ等の発電要素を内部に有する本体部20と、ラミネートシートを重ね合わせて形成されて本体部20の少なくとも一組の対辺から突出するシール部21とを有する。本体部20とシール部21の外装は、可撓性を有するラミネートシートで形成されている。本体部20は、組電池1において隣り合う単電池2の本体部と直接または間接的に接触する部分であり、シール部21に比べて厚み寸法が大きい。ラミネートシートは、例えば、熱溶着により接着されてシール部21を形成する。
【0012】
単電池2には、負極端子22a及び正極端子22bからなる二つの電極端子22が外装の両端から突出している。負極端子22a及び正極端子22b(以下、総称して、電極端子22と称することもある)の突出方向は、単電池2の厚み方向に対して垂直な方向である。電極端子22は、板状の端子であり、シール部21に支持されている。負極端子22aは、対辺の一方から延びるシール部21から所定長さ寸法、突出するように設けられる。正極端子22bは、対辺の他方から延びるシール部21から所定長さ寸法、負極端子22aとは反対の方向に突出するように設けられる。
【0013】
単電池2の外装は、例えば、絶縁性を有するあらゆる樹脂で形成することができる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル、フッ素系樹脂、PBT、ポリアミド、ポリアミドイミド、ABS樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、フェノール、エポキシ、アクリル等の樹脂で形成することができる。また、これら樹脂等とアルミ箔をラミネートしたフィルムを外装として使用することもできる。
【0014】
次に、組電池1における拘束構造について説明する。
図1及び
図2に示すように、組電池1は、複数個の単電池2、中間部材3、電極端子22を支持する支持部材、1組のエンドプレート9、及びエンドプレート9に対して圧縮方向の力を与える拘束部材等を備える。拘束部材は、ボルト90とナット91と用いた締め付け構成により、1組のエンドプレート9の間隔を狭めて複数の単電池2を拘束する。
【0015】
この拘束部材は、組電池1の両端部のそれぞれに設けられる。一方の端部には、下部から上方に向かって、エンドプレート9、スペーサ部材7、第1の支持部材4、スペーサ部材8A、第1の支持部材4、スペーサ部材8、第1の支持部材4、スペーサ部材7、エンドプレート9の順に積層されて柱状部をなす。他方の端部には、下部から上方に向かって、エンドプレート9、スペーサ部材7、第1の支持部材4、スペーサ部材8、第1の支持部材4、スペーサ部材8B、エンドプレート9の順に積層されて柱状部をなす。この積層設置された各柱状部にボルト90が貫通穴92等に挿通され、ボルト90の頭部とナット91とで、両端のエンドプレート9の間隔を狭めるように圧縮することで、積層された複数の単電池2及び中間部材3とに圧縮力が作用される。スペーサ部材8、8Aは、第1の支持部材4の間隔を適正に調整するために設けられる部材である。スペーサ部材7、8Bは、第1の支持部材4とエンドプレート9との間隔を適正に調整するために設けられる部材である。
【0016】
1組のエンドプレート9は、交互に積層された単電池2と中間部材3とを含んで構成される電池積層体の両側に設けられる板状の部材である。エンドプレート9は、電池積層体に直接接触して両側から挟むプレートである。ボルト90は、電池積層体と及び1組のエンドプレート9とを合わせた厚み方向の長さ寸法よりも長いシャフト部を有する棒状部材である。ボルト90、ナット91、エンドプレート9、第1の支持部材4及びスペーサ部材7、8、8A、8Bは、積層された複数の単電池2を安定した力で押圧して一体化できるように、金属、硬質の樹脂等の強度に優れた材料で形成される。ボルト90は、一端にシャフト部よりも大きい頭部を有し、他端に所定の軸方向長さの雄ねじ部を有する。1組のエンドプレート9には、四隅にボルト90のシャフト部がそれぞれ挿通される貫通穴が設けられている。
【0017】
支持部材は、一組の、第1の支持部材4及び第2の支持部材5で構成される。第1の支持部材4及び第2の支持部材5は、電極端子同士の結合部の前後を両側から挟むように保持することで、結合部に負荷がかかりにくい状態で電極端子22を支持する。第1の支持部材4は、外側、すなわち、単電池2から遠い側にある支持部材である。第2の支持部材5は、内側、すなわち、単電池2に近い側にある支持部材である。
【0018】
図3及び
図4に示すように、隣接する単電池2における負極端子22aと正極端子22bは、結合部26が形成されることによって導通可能に結合される。さらにこの結合部26は、負極端子22a及び正極端子22bを、補強部材25に一体に固定する。すなわち、重ねられた負極端子22a、正極端子22b及び補強部材25は、結合部26によって一体に固定される。補強部材25は、板状部材であり、負極端子22aと正極端子22bの重ね合わせ部分の厚みを増して剛性を高めることに寄与する。結合部26は、アーク溶接、抵抗溶接、超音波溶接、摩擦圧接等の溶接により形成される。補強部材25は、単電池2の電圧を検出するために組電池1に具備される電圧検出線の接続端子として用いてもよい。したがって、電圧検出用の接続端子は、電極端子22の結合部を補強するためのあて板として用いられる。
【0019】
第1の支持部材4は、外側から内側に向けて、すなわち、単電池2の本体部20に向かう方向に、結合部26、あるいは電極端子22の重ね合わせ部分の前後に接触し、第2の支持部材5は、逆側から電極端子22の重ね合わせ部分の前後に接触する。第1の支持部材4は、スペーサ部材8、8Aに挟まれた状態で拘束部材による圧縮力を受ける胴体部41と、所定の間隔をあけて胴体部41から突出する1組の脚部40と、を備える。
図3に示すように、胴体部41及び1組の脚部40を備える第1の支持部材4は、U字を横向きにした縦断面形状を有する。
【0020】
第2の支持部材5は、外側壁53と内側壁52との間に形成される溝であって、中間部材3の係合片31が係合する係合溝51と、所定の間隔をあけて外側壁53から突出する1組の脚部50と、を備える。係合片31は、係合溝51に嵌った状態で、外側壁53と内側壁52とに挟持されるようにして支持される。1組の脚部50は、1組の脚部40に対応する位置で電極端子22に接触する。すなわち、1組の脚部50の先端と1組の脚部40の先端とで、電極端子22の重ね合わせ部分の前後が挟まれる。したがって、組電池1では、負極端子22a、正極端子22b及び補強部材25の重ね合わせ部分が第1の支持部材4と第2の支持部材5とで囲まれるようになる。
【0021】
このとき、負極端子22aと正極端子22bとは重なって結合されているため、1組の脚部50の先端位置は一方が他方に対して端子の板厚分、1組の脚部40寄りに突出している。同様に、突出量が小さい他方の脚部50に対応する方の脚部40は、その先端位置がもう一つの脚部40に対して端子の板厚分、1組の脚部50寄りに突出している。この構成により、第1の支持部材4及び第2の支持部材5は、負極端子22a及び正極端子22bに対して曲げ応力を与えることなく、挟むことができる。
【0022】
このように、1組の脚部40と1組の脚部50とが、結合部26を間においた状態で電極端子22を挟持して保持する。この挟持状態を保つために、第1の支持部材4、第2の支持部材5及び電極端子22は、一体となるように設置される。したがって、組電池1の支持部材は、電極端子同士を結合する結合部26を間に位置させて、少なくとも2箇所で電極端子22を挟持して支持する。さらに負極端子22a及び正極端子22bは、支持部材によって支持された状態から、それぞれ直角状となるように曲げられるため、本体部20と中間部材3は、積層可能な位置関係となる。
【0023】
中間部材3は、熱伝導性に優れた材質で構成され、厚み方向に積層配置される単電池2間に介在する部材である。中間部材3は、全体として断面形状がL字状を呈する板状体である。中間部材3は、大部分を占める主壁部30と、主壁部30の端部にほぼ直角に折り曲げられた形状の係合片31と、を備える。主壁部30は、隣接する単電池2の本体部20によって挟まれることで、本体部20の表面と接触して両方の本体部20からの熱を受熱することができる。この中間部材3からの放熱によって、単電池2が冷却されることになる。係合片31は、支持部材のうち、内側に位置する第2の支持部材5に係合されることで、第2の支持部材5によって支持される。したがって、電極端子22の熱は、第2の支持部材5を介して中間部材3に伝達することになる。
【0024】
図5に示すように、組電池1の総正極端子24は、直列接続される複数の単電池2において一方の最端に位置する正極端子22bに、前述の溶接によって結合される。重ねられた総正極端子24と正極端子22bは、結合部26によって一体に固定される。したがって、総正極端子24と最端に位置する正極端子22bは、結合部26が形成されることによって導通可能に結合される。総正極端子24や総負極端子23は、組電池1に対する通電をオン、オフするメーインリレー等に接続されて、外部から電力が供給されたり、他の電気機器へ向けて放電したりする端子である。
【0025】
1組の脚部40は正極端子22bに接触し、1組の脚部60は総正極端子24に接触して、第1の支持部材4と第3の支持部材6は、一体の総正極端子24と正極端子22bを挟持して保持する。第3の支持部材6は、胴体部61と、所定の間隔をあけて胴体部61から突出する1組の脚部60と、を備える。第3の支持部材6は、U字を横向きにした縦断面形状を有し、内側から外側に向けて、すなわち、単電池2の本体部20から遠ざかる方向に、結合部26の前後で総正極端子24に接触する。
【0026】
この場合も、1組の脚部40と1組の脚部60とが、結合部26を間においた状態で一体の総正極端子24と正極端子22bを挟持して保持する。この挟持状態を保つために、第1の支持部材4、第3の支持部材6、及び一体の総正極端子24と正極端子22bは、一体となるように設置される。したがって、組電池1の支持部材は、総正極端子24と正極端子22bとを結合する結合部26を間に位置させて、少なくとも2箇所でこの一体の端子を挟持して支持する。さらに組電池1における最端の正極端子22bは、支持部材によって支持された状態から、それぞれ直角状となるように曲げられるため、最端の単電池2は、隣接する単電池2と平行で積層可能な位置に設けられる。
【0027】
図6に示すように、組電池1の総負極端子23は、直列接続される複数の単電池2において他方の最端に位置する負極端子22aに、前述の溶接によって結合される。重ねられた総負極端子23と負極端子22aは、結合部26によって一体に固定される。したがって、総負極端子23と最端に位置する負極端子22aは、結合部26が形成されることによって導通可能に結合される。
【0028】
1組の脚部40は総負極端子23に接触し、1組の脚部60は負極端子22aに接触して、第1の支持部材4と第3の支持部材6は、一体の総正極端子24と正極端子22bを挟持して保持する。第3の支持部材6は、胴体部61と、所定の間隔をあけて胴体部61から突出する1組の脚部60と、を備える。第3の支持部材6は、U字を横向きにした縦断面形状を有し、内側から外側に向けて、すなわち、単電池2の本体部20から遠ざかる方向に、結合部26の前後で総負極端子23に接触する。
【0029】
この場合も、1組の脚部40と1組の脚部60とが、結合部26を間においた状態で一体の総負極端子23と負極端子22aを挟持して保持する。この挟持状態を保つために、第1の支持部材4、第3の支持部材6及び一体の総負極端子23と負極端子22aは、一体となるように設置される。したがって、組電池1の支持部材は、総負極端子23と負極端子22aとを結合する結合部26を間に位置させて、少なくとも2箇所でこの一体の端子を挟持して支持する。さらに最端の負極端子22aは、支持部材によって支持された状態から、それぞれ直角状となるように曲げられるため、最端の単電池2は、隣接する単電池2と平行で積層可能な位置に設けられる。
【0030】
図7に示すように、第1の支持部材4と第2の支持部材5とは、係止片と係合溝とを有して互いに係合することによって電極端子22を挟持した状態で一体に固定される。第1の支持部材4は、第2の支持部材5に向かって延びる1組の係止片42を備える。第2の支持部材5は、各係止片42が嵌って係合する係止溝56を備える。
【0031】
第1の支持部材4と第2の支持部材5とを一体に固定するための構成は、
図7に図示する係合による固定の他に、
図8に図示する螺合手段によるものであってもよい。この場合、
図7に示すように、第1の支持部材104と第2の支持部材105とは、凹部43と突出片54とを有して互いに嵌め合うことによって互いの位置関係が決まり、かつ電極端子22を挟持した状態で螺合手段によって一体に固定される。電極端子22を挟持して凹部43と突出片54とが嵌め合った状態で、第1の支持部材104に形成された貫通穴44と第2の支持部材105に形成された貫通穴55とにボルト10を通す。このボルト10の雄ねじ部の先端にナット11を取り付けて締めることで、第1の支持部材104と第2の支持部材105は電極端子22を挟持した状態で一体に固定される。
【0032】
第1の支持部材4と第2の支持部材5とを一体に固定するための構成は、
図7、
図8に図示する係合による固定の他に、リベット、かしめ、熱溶着、接着などであってもよい。
【0033】
次に、組電池1の製造方法について
図9〜
図11を参照して説明する。組電池1の製造方法は、電池配置工程(ステップS10)、溶接工程(ステップS20)、支持工程(ステップS30)、折曲工程(ステップS40)、積層工程(ステップS50)、及び拘束工程(ステップS60)を少なくとも有する。組電池1を製造する方法は、製造ラインを用いた一連の流れ作業によって、実施することができる。したがって、組電池1の製造方法は、人による組立て作業だけでなく、ロボットによる組立て作業を実施可能にする。
【0034】
図10及び
図11に図示するように、電池配置工程では、製造ライン上の所定の位置に単電池2eと単電池2fを設置する。また、
図10及び
図11に図示する矢印は、製造ラインにおいて単電池2が搬送される方向を示している。したがって、
図10及び
図11では、図の矢印向きの方向に進むほど、後工程を示している。
【0035】
単電池2eは、本体部20を上側にシール部21を下側にした姿勢で設置し、単電池2fは、本体部20を下側にシール部21を上側にした姿勢で設置する。したがって、電池配置工程では、製造ラインにおいて、単電池2eの姿勢と単電池2fの姿勢が交互に連続するように単電池2を配置する。
【0036】
電池配置工程では、単電池2eと単電池2fは、所定の長さで重なり合う前述の電極端子22の重ね合わせ部分を形成するように配置される。単電池2eと単電池2fは、電池積層体において隣接し、単電池2eの方が下側に位置する。このとき、所定位置に設置される隣り合う単電池2の間隔は、製造ラインにおいて一定の間隔(一定ピッチ)に設定されている。したがって、組電池1の製造方法によれば、隣り合う単電池2間は一定ピッチで配置されるので、製造工程において各単電池2の位置決めを確実かつ一義的に設定することができる。
【0037】
次に溶接工程では、
図10及び
図11に図示するように、電池配置工程で所定の位置に位置決めされた電極端子22の重ね合わせ部分に、溶接を行う。溶接される部分のピッチは、電池配置工程において一定寸法に設定される。このため、製造ラインにおいて、所定の位置で溶接を行うように設置された溶接機器12によって、確実に結合部26を形成することができる。したがって、製造ラインにおいて、結合部26のピッチは、一定寸法に設定することができる。
【0038】
次に支持工程では、第1の支持部材4及び第2の支持部材5によって、前述したように、電極端子22を挟持して、結合部26に負荷がかからないように支持する。さらに、支持工程では、第1の支持部材4及び第3の支持部材6によって、前述したように、負極端子22aと総負極端子23との部26や正極端子22bと総正極端子24との結合部26を挟持して負荷がかからないように支持する。また、この支持工程では、電極端子22を支持する前に、組電池1において所定の位置にくる第1の支持部材4に、対応するスペーサ部材7、8、8A、8Bのいずれかを予め仮固定しておく。さらに、支持工程では、電極端子22を支持する前に、組電池1の所定の位置にくる第2の支持部材5に、対応する中間部材3を前述した係合構造によって予め仮固定しておく(以上、
図10及び
図11参照)。
【0039】
次に折曲工程では、
図10及び
図11に図示するように、支持工程で支持された電極端子22を、支持されている部分の近傍で直角状に折り曲げる。このとき、電極端子22は、結合部26の両側で確実かつ安定的に支持されているため、結合部26に負荷を与えることなく、電極端子22の折り曲げを実施できる。
【0040】
次に行われる積層工程は、折曲工程で折り返された単電池2及び中間部材3を順次ジャッキ13の台上に重ねる工程である。この積層工程では、すでに単電池2a、2b等が載せられたジャッキ13の台を下げた状態から上げた状態にすることによって、折曲工程で折り返された単電池2c、2d、及び中間部材3を、さらに電池積層体の上に積み上げるように載せて重ねる(
図10及び
図11参照)。積層工程は、組電池1を構成する所定個数の単電池2及び中間部材3をすべて積層した電池積層体を形成する。
【0041】
次に拘束工程は、積層工程で組み立てられた電池積層体を両側から圧縮するような拘束力を与えて、電池積層体を一体に固定する工程である。拘束工程では、電池積層体の両側にエンドプレート9を設置する。そして、1組のエンドプレート9の四隅に設けられた貫通穴、第1の支持部材4に設けられた貫通穴92、及びスペーサ部材7、8、8A、8Bに設けられた貫通穴に、ボルト90のシャフト部をそれぞれ挿通し、雄ねじ部をナット91締めする。
【0042】
4本のボルト90のそれぞれが、エンドプレート9、第1の支持部材4、スペーサ部材7、8、8A、8Bを貫通して一体に支持する状態で、各雄ねじ部に螺合したナット91を締め付けていくと、ボルト90の頭部とナット91の間隔が狭まっていく。そして、電池積層体は、1組のエンドプレート9によって両側から挟み込まれる。このように、拘束工程において、単電池2と中間部材3を交互に配した電池積層体には、4個の拘束部材による圧縮力が作用し、複数の単電池2と中間部材3とが一体の組電池1として拘束される。
【0043】
第1実施形態の組電池がもたらす作用効果について説明する。組電池1は、それぞれ扁平状の外装を有し、厚み方向に積層される複数の単電池2と、単電池2間に配される中間部材3と、がボルト90及びナット91で構成される拘束部材によって一体に固定された電池積層体である。組電池1は、厚み方向に隣接する単電池2における板状の電極端子22あって異極の電極端子同士を結合する結合部26を間に位置させた少なくとも2箇所で、結合された電極端子22を挟持して支持する支持部材を備える。複数の単電池2は、結合部26によって連結された電極端子22が支持部材の前後で折り曲げられた状態で、一体に積層される。
【0044】
この構成によれば、支持部材は、電極端子22の結合部26を間においた位置で、すなわち、端子結合部の両側の2箇所で電極端子22を挟んで支持する。このため、例えば複数の単電池2に対して拘束力を与えて一体に構成する際や、組電池1の実使用時に起こりうる振動等によって電極端子22に伝搬する外力は、電極端子22を支持する支持部材に加わることになる。
【0045】
したがって、このような外力は、支持部材が受け止めるため、端子結合部に直接かからない。この作用によれば、端子結合部にかかる荷重、振動等の負荷を低減することができる。さらに、電極端子22は、支持部材によって確実に保持された状態で支持部材の前後の位置で折り曲げられるため、折り曲げ後の単電池2の位置を正確に設定することができる。以上により、電極端子22の折り曲げによる端子結合部にかかる負荷を低減し、さらに単電池2の位置決め向上が図れる組電池1が得られる。
【0046】
また、支持部材は、互いに係合しあって電極端子を挟持する第1の支持部材4と第2の支持部材5とを備えて構成される。この構成によれば、少なくとも第1の支持部材4と第2の支持部材5とによって、電極端子22の結合部26を間においた位置で、すなわち、端子結合部の両側の2箇所で電極端子22を挟んで支持することができる。このため、単電池2間の相対変位を抑制することができる。したがって、少なくとも2つの部材により両側からの挟持によって、安定的かつ確実に電極端子22を支持することができる。
【0047】
また、組電池1は、異極の電極端子同士と一体に重ね合わされる部材であって、異極の電極端子同士と結合する結合部26が形成される補強部材25をさらに備える。この高背によれば、結合部26は、負極端子22a、正極端子22b及び補強部材25によって重なった部分に形成される。このため、結合部26に高い剛性を持たせることができ、結合部26の品質をさらに高めることができる。
【0048】
また、組電池1は、厚み方向に隣接する単電池2の間に介在し、単電池2と接触して単電池2の熱が伝達される中間部材3をさらに備える。第2の支持部材5は、中間部材3を支持する。この構成によれば、単電池2間に介在させて単電池2との高い熱伝達性を必要とする中間部材3を支持するとともに、結合部26に負荷がかからないように支持する支持部材を提供できる。したがって、熱伝達性の向上に寄与するとともに、端子結合部の負荷低減及び単電池2の位置決め向上を図る組電池1を提供できる。
【0049】
また、組電池1は、支持部材及び複数の単電池2に対して、圧縮力を作用する拘束部材を備える。この構成によれば、拘束部材は、支持部材及び複数の単電池2の両方を一体物として固定することができる。したがって、支持部材の安定性がより向上し、耐振動性が高く、端子結合部の品質を長く維持できる組電池1を提供できる。
【0050】
さらに拘束部材は、支持部材の一部を貫通するシャフト部を有するボルト90と、ボルト90に螺合するナット91と、を含む。この構成によれば、ボルト90を各部材に挿通させてナット91によって締め付け固定することで、一体物として容易に固定できる構造を提供できる。
【0051】
また、組電池1の製造方法は、電池配置工程(ステップS10)と、溶接工程(ステップS20)と、支持工程(ステップS30)と、折曲工程(ステップS40)と、積層工程(ステップS50)と、拘束工程(ステップS60)と、を順に実施する方法である。電池配置工程は、異極の負極端子22aと正極端子22bの重ね合わせ部分を形成するように、所定の間隔で単電池2を配置して位置決めする工程である。溶接工程は、電池配置工程で所定の位置に位置決めされた電極端子22の重ね合わせ部分を溶接して結合する工程である。支持工程は、溶接工程の溶接により結合された結合部26を間に位置させるように、第1の支持部材4及び第2の支持部材5によって電極端子22を挟持して支持する工程である。折曲工程は、支持工程で支持された状態の電極端子22を直角状に折り曲げる工程である。積層工程は、折曲工程で折り返された単電池を隣接する他の単電池に重ねて、複数個の単電池を積層して電池積層体を形成する工程である。拘束工程は、積層工程で積層された電池積層体を両側から圧縮するような拘束力を与えて、電池積層体を一体に固定する工程である。
【0052】
この製造方法によれば、例えば、複数の単電池2に対して拘束力を与えて一体に構成する際や、組電池1の実使用時に起こりうる振動等によって電極端子22に加わりうる外力を、第1の支持部材4及び第2の支持部材5で受け止めることができる。このような外力は端子結合部には直接かからないため、端子結合部にかかる荷重、振動等の負荷を低減することができる。さらに、電極端子22は、支持部材によって確実に保持された状態で支持部材の前後の位置で折り曲げられる。このため、折り曲げ後の単電池2の位置を正確に設定することができる。このため、積層される単電池2間の寸法も所定の寸法に設定しやすい。以上より、この製造方法によれば、端子結合に係る品質が確保でき、さらに単電池2の位置決め向上が図れる組電池1を提供できる。
【0053】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
【0054】
前述の実施形態において組電池1を構成する複数の単電池2は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる外装ケースによってその外周面を被覆された扁平状直方体であってもよい。この場合の組電池1は、単電池2と絶縁スペーサとを交互に所定個数積層した電池積層体を、積層方向の両端部から拘束部材で挟みことで一体にしたものとすることができる。
【0055】
前述の実施形態において
図7に図示する係合関係を、第2の支持部材5に第1の支持部材4に向かって延びる1組の係止片を備え、第2の支持部材5に各係止片が嵌って係合する係止溝を備えるように構成してもよい。
【0056】
前述の実施形態において
図8に図示する嵌合関係を、第1の支持部材104に凹部を設け、第2の支持部材105に、凹部に嵌る突出片を設けるように構成してもよい。