(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記当接部は、前記挿入方向に所定の長さを有し、移動される前記第1壁が前記繰り出しローラーの前記下端部を通過する前に前記作動部が当接されて前記突出部を前記突出位置に移動させ、通過後に前記第1壁が前記下端部から所定の距離を離れた位置に移動されるまで前記作動部に当接されて前記突出部を前記突出位置に維持する請求項2又は3に記載のシート給送装置。
前記シートカセットは、前記装着位置から前記抜き出し方向へ移動された場合に下降し、前記装着位置に装着された場合に上昇することによって、収容されたシートを上下方向へ昇降させるリフト板を更に備える請求項1〜5の何れかに記載のシート給送装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態は、本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[第1実施形態]
[画像形成装置10]
図1(A)は、画像形成装置10に給紙カセット40が装着された状態の外観を示す斜視図である。
図1(B)は、画像形成装置10に給紙カセット40が抜き出された状態の外観を示す斜視図である。
図1(A)に示される、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10(本発明の画像形成装置の一例)の概略構成について説明する。なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能に設置された設置状態(
図1(A)に示される状態)で鉛直方向を上下方向8と定義する。また、前記設置状態において、
図1(A)に示される給紙カセット40が挿抜される面を正面(前面)として前後方向7を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向9を定義する。
【0013】
画像形成装置10の筐体10Aは、全体として略直方体形状の筐体である。筐体10Aの内部には、画像形成装置10を構成する各部が配設されている。
図1(A)及び
図1(B)に示されるように、筐体10Aは、側壁51,52,53,54と、シートトレイ18が形成された天壁55とを有する。筐体10Aの前後方向7の前側の側壁51の下部には、左右方向9に幅広な開口部56が形成されており、開口部56から給紙カセット40が筐体10Aの内部に収容可能である。
【0014】
図2に示されるように、画像形成装置10は、制御部2、複数の画像形成ユニット4(本発明の画像形成部の一例)、中間転写ベルト5、光走査装置13、二次転写ローラー20、定着装置16、シートトレイ18、給紙カセット40、操作表示部25、及び搬送経路26などを備えるカラープリンターである。そして、画像形成装置10は、入力される画像データに基づいてシートSにモノクロ画像又はカラー画像を形成する。シートSは、本発明のシートの一例であり、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。また、本発明に係る画像形成装置の他の例として、ファクシミリー、コピー機、及び複合機などがある。なお、操作表示部25は、制御部2からの制御指示に従って各種の情報を表示し、ユーザー操作に応じて制御部2に各種の情報を入力するタッチパネルなどである。
【0015】
画像形成ユニット4(4C,4M,4Y,4K)各々は、感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置14、一次転写ローラー15、及びクリーニング装置(不図示)などを備える電子写真方式の画像形成ユニットである。画像形成ユニット4は、中間転写ベルト5の走行方向(水平方向)に沿って並設されており、所謂タンデム方式の画像形成ユニットを構成している。具体的に、画像形成ユニット4CではC(シアン)、画像形成ユニット4MではM(マゼンタ)、画像形成ユニット4YではY(イエロー)、画像形成ユニット4KではK(ブラック)に対応するトナー像が形成される。中間転写ベルト5の移動方向(矢印19方向)の下流側から順に、シアン用の画像形成ユニット4C、マゼンタ用の画像形成ユニット4M、イエロー用の画像形成ユニット4Y、及びブラック用の画像形成ユニット4Kがその順番で一列に配置されている。
【0016】
中間転写ベルト5は、画像形成ユニット4各々の感光体ドラム11に形成された各色のトナー像が中間転写される中間転写部材である。中間転写ベルト5は、駆動ローラー6A及び従動ローラー6Bによって回転駆動可能に支持されている。駆動ローラー6A及び従動ローラー6Bによって支持されることにより、中間転写ベルト5は、その表面が各感光体ドラム11の表面に接しながら走行(回転)可能となる。そして、中間転写ベルト5は、その表面が感光体ドラム11と一次転写ローラー15との間を通過する際に、各感光体ドラム11からトナー像が順に重ね合わせて転写される。光走査装置13には、各色のレーザー光を照射するレーザー光源、レーザー光を走査するポリゴンミラー、走査されたレーザー光を照射するミラー13C,13M,13Y,13K等を備えている。光走査装置13は、入力される各色の画像データに基づいてレーザー光を画像形成ユニット4各々の感光体ドラム11に照射することにより感光体ドラム11各々に静電潜像を形成する。
【0017】
このように構成された画像形成装置10では、給紙カセット40(本発明のシートカセットの一例)から搬送経路26に沿って供給されるシートSに以下の手順でカラー画像が形成され、画像形成後のシートSがシートトレイ18に排出される。なお、搬送経路26には、給紙カセット40に積載されたシートSを二次転写ローラー20及び定着装置16を経てシートトレイ18に搬送する各種搬送ローラーが設けられている。
【0018】
まず、画像形成ユニット4各々では、帯電装置12により感光体ドラム11が所定の電位に一様に帯電される。次に、光走査装置13により感光体ドラム11各々の表面に画像データに基づくレーザー光が照射されることにより、感光体ドラム11各々の表面に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム11各々の静電潜像は現像装置14各々によって各色のトナー像として現像(可視像化)される。なお、現像装置14各々には、各色に対応する着脱可能なトナーコンテナ3(3C,3M,3Y,3K)からトナー(現像剤)が補給される。
【0019】
続いて、画像形成ユニット4各々の感光体ドラム11に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラー15各々によって中間転写ベルト5に順に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト5に画像データに基づくカラー像が形成される。次に、中間転写ベルト5上のカラー像は、二次転写ローラー20により、給紙カセット40から搬送経路26を経て搬送されるシートSに転写される。カラー像が転写されたシートSは、図示しない搬送手段によって定着装置16に搬送される。定着装置16は、高温に加熱された加熱ローラー16Aと、この加熱ローラー16Aに対向配置された加圧ローラー16Bとを有する。定着装置16に搬送されたシートSは、加熱ローラー16Aと加圧ローラー16Bとによって挟持されつつ搬送される。これにより、カラー像がシートSに溶着される。その後、シートSはシートトレイ18に排出される。なお、感光体ドラム11各々の表面に残存したトナーは前記クリーニング装置各々で除去される。
【0020】
また、画像形成装置10には、画像形成ユニット4C,4M,4Yの感光体ドラム11及び一次転写ローラー15と中間転写ベルト5とを接触及び離間させる離接機構(不図示)が設けられている。そして、画像形成装置10においてモノクロ画像が印刷される場合には、前記離接機構により画像形成ユニット4C,4M,4Yの感光体ドラム11及び一次転写ローラー15と中間転写ベルト5とが離間される。これにより、画像形成ユニット4Kから中間転写ベルト5にブラックのトナー像のみが転写され、中間転写ベルト5からシートSにモノクロの画像が転写される。なお、本第1実施形態では、電子写真方式の画像形成ユニット4を例にして説明したが、画像形成ユニット4は電子写真方式のものに限られず、インクジェット記録方式のものであっても、或いはそれ以外の記録方式又は印刷方式のものであってもかまわない。
【0021】
制御部2は、画像形成装置10を統括制御するものである。制御部2は、CPU、ROM、RAM、EEPROMなどを主な構成要素とするマイクロコンピュータとして構成されている。制御部2は、画像形成装置10の内部において、各画像形成ユニット4、二次転写ローラー20、定着装置16、及び駆動ローラー6Aなどに接続されており、これらの構成要素を制御する。また、制御部2は、画像形成ユニット4を構成する各要素、具体的には、帯電装置12、光走査装置13、現像装置14、一次転写ローラー15、及び前記クリーニング装置などに接続されている。
【0022】
このように、画像形成装置10は、複数の画像形成ユニット4(4C,4M,4Y,4K)によって各色のトナー像を走行中の中間転写ベルト5上に重ねて転写することにより、カラー像を中間転写ベルト5の表面に形成させる。さらに、画像形成装置10は、形成されたカラー像を二次転写ローラー20によって中間転写ベルト5からシートSへ転写することにより、シートS上にカラー画像を形成させる。なお、中間転写ベルト5を搬送ベルトとして用い、その搬送ベルト上に搬送されるシートSにカラー像が直接に重ね合わせて転写される構成や、中間転写ベルト5に代えてローラー状の中間転写部材を用いることも他の実施例として考えられる。
【0023】
[シート給送装置30]
図3(A)は、給紙カセット40がカセット収容部31に定められた装着位置に装着された状態を示すシート給送装置30の斜視図である。
図3(B)は、給紙カセット40がカセット収容部31に挿抜される途中の状態を示すシート給送装置30の斜視図である。
図3(A)及び
図3(B)に示されるように、画像形成装置10には、画像を形成するシートSを供給するシート給送装置30が形成されている。シート給送装置30は、給紙カセット40、カセット収容部31(本発明のカセット収容部の一例)、給送機構32、及び押下機構60(
図4、
図5参照)等を備える。
【0024】
図2に示されるように、筐体10Aの下部には、給紙カセット40を挿抜可能に支持するカセット収容部31が設けられている。
図2には、給紙カセット40が1段のみ図示されているが、カセット収容部31は、複数の給紙カセット40が上下に複数段収容可能に構成されていてもよい。カセット収容部31は、
図2の前後方向7の前側の開口部56から給紙カセット40を出し入れが可能に支持する一対のサイドフレーム57(
図3参照)を有する。給紙カセット40は、開口部56を介して
図2の前後方向7に挿抜される。
【0025】
図3(A)及び
図3(B)に示されるように、給紙カセット40は、矩形の底板45と、この底板45の各辺に沿って立設された正面壁41、背面壁42(本発明の第1壁の一例)、右面壁43(本発明の第2壁の一例)、及び左面壁44とを有し、画像形成ユニット4によって画像が形成される対象のシートSを収容する。給紙カセット40は、複数枚のシートを積層状態で収容可能である。なお、矢印Y1は、給紙カセット40が挿入される挿入方向を示す。以下、挿入方向Y1と称す。矢印Y2は、矢印Y1とは逆向きであり、給紙カセット40が抜き出される抜出方向を示す。以下、抜出方向Y2と称す。前記装着位置は、給紙カセット40がカセット収容部31に装着され給紙カセット40からシートSを給送することが可能な位置である。
【0026】
右面壁43及び左面壁44は、給紙カセット40における挿入方向Y1に延在された側壁である。右面壁43の前後方向7の後部に、上下方向8の上方へ凸状の当接部48B(本発明の当接部の一例)が形成されている。当接部48Bの詳細については、後述する押下機構60と共に説明する。また、正面壁41は、給紙カセット40における抜出方向Y2の端部に(前後方向7の前側)、抜出方向Y2に直交する方向(左右方向9)に延在する側壁である。背面壁42は、給紙カセット40における挿入方向Y1の端部に(前後方向7の後側)、挿入方向Y1に直交する方向(左右方向9)に延在する側壁である。
図3(B)に示されるように、背面壁42の左右方向9の中間部分には、凹状の切欠き部42Aが形成されている。切欠き部42Aは、給紙カセット40が挿抜される際に、後述のホルダー38A及び突出部65を背面壁42に接触されることなく通過させるものである。したがって、切欠き部42Aは、ホルダー38A及び突出部65の位置に関わらずこれらに干渉しない形状及びサイズに形成されている。これにより、給紙カセット40の挿抜の際に、突出部65が背面壁42に接触することが防止される。
【0027】
図2に示されるように、給紙カセット40は、リフト板46及び押し上げ部材49を有する。リフト板46には、シートSが積載される。押し上げ部材49は、リフト板46の底板45のうち給紙カセット40の背面壁42側の端部に連結されており、押し上げ機構(不図示)により昇降される。前記押し上げ機構は、押し上げ部材49の回動軸49Aに駆動モーターからの駆動力が伝達して、回動軸49Aを中心に押し上げ部材49を前記駆動モーターの回転方向へ回動させる。押し上げ部材49の回動に伴いリフト板46が昇降する。リフト板46を上昇させるときには、前記押し上げ機構は、ギヤ伝達によって前記駆動モーターからの駆動力を回動軸49Aに伝達する。リフト板46を降下させるときには、前記押し上げ機構は、給紙カセット40の抜き出しによって前記ギヤと回動軸49Aとの連結を解消して、押し上げ部材49を支持する力を失わせることによってリフト板46を降下させる。
【0028】
リフト板46は、押し上げ部材49の昇降により挿入方向Y1の端部が昇降する。給紙カセット40がカセット収容部31の前記装着位置に装着されたときに、押し上げ部材49によってリフト板46が押し上げられた接触位置に変位し、リフト板46に積載されたシートSが後述する繰り出しローラー33に接触される。リフト板46によってシートSは、繰り出しローラー33所定の力で押し付けられる。一方、給紙カセット40がカセット収容部31から抜き出されるときに、押し上げ部材49によってリフト板46が降下された離間位置に変位し、リフト板46に積載されたシートSが繰り出しローラー33から離間される。リフト板46は、押し上げ部材49に前記接触位置と前記離間位置との間で変位可能に支持されている。
【0029】
図3に示されるように、給紙カセット40は、積載されるシートSを挿入方向Y1に直交する幅方向(左右方向9)から支持する一対の用紙ガイド47を有する。用紙ガイド47によってシートSは、シート幅に適した搬送位置を維持することができる。例えば、用紙ガイド47は、JIS規格のB4サイズ、B5サイズ、及び葉書サイズなどに対応して、シートSを幅方向から支持する位置が予め定められている。また、用紙ガイド47は、国際的な用紙サイズ規格、米国標準協会の用紙サイズ規格、及びデファクトスタンダードの用紙サイズなどに対応して、シートSを幅方向から支持する位置が予め定められているものでもよい。
【0030】
[給送機構32]
図5(A)は、給送機構32及び押下機構60の構成を示す断面図であり、
図3の切断面VA―VAの断面図である。
図5(B)は、給送機構32及び押下機構60の構成を示す図であり、詳細には、
図3の切断面VB―VBから見た給送機構32及び押下機構60の右側面を示す図である。
図4及び
図5に示されるように、給送機構32は、繰り出しローラー33(本発明の繰り出しローラーの一例)、給送ローラー34(本発明の給送ローラーの一例)、分離ローラー35、ホルダー38A(本発明のホルダーの一例)、ホルダー38B、及びストッパー部材64(本発明のストッパー部材の一例)等を備える。
【0031】
繰り出しローラー33は、カセット収容部31の前記装着位置に装着された給紙カセット40における挿入方向Y1の端部近傍に設けられており、装着された給紙カセット40の背面壁42側の端部の近傍に位置する。繰り出しローラー33は、背面壁42の上端部から上下方向8の上方へ離間した位置、詳細には、リフト板46の先端部の上方に配置されている。繰り出しローラー33は、回転軸を備え、回転可能に支持されている。繰り出しローラー33は、リフト板46により押し上げられたシートのうち最上位のシートSに接触しており、正回転されることにより接触しているシートSを繰り出す。その繰り出し方向は、給紙カセット40がカセット収容部31に挿入される挿入方向Y1と同方向である。
【0032】
給送ローラー34は、繰り出しローラー33よりも繰り出し方向の下流側(挿入方向Y1)に設けられている。給送ローラー34は、回転軸72を備え、回転可能に支持されている。給送ローラー34は、分離ローラー35とニップ部35Aを形成し、シートSを挟持する。給送ローラー34は、繰り出しローラー33により繰り出されたシートSに接触して、正回転されることによって搬送方向の下流へシートSを搬送する。
【0033】
分離ローラー35は、給送ローラー34の上下方向8の下方に設けられている。分離ローラー35は、回転軸73を備え、回転自在に支持されている。分離ローラー35は、一定閾値以上の負荷がかかると従動回転し、繰り出しローラー33により繰り出されたシートSを給送ローラー34とで挟持する。分離ローラー35は、前記一定閾値未満の負荷しかかからないと前記従動回転が停止する。前記一定閾値とは、1枚のシートSが搬送された場合に分離ローラー35にかかる負荷である。2枚のシートSが重送された場合のシート間の摩擦は、1枚のシートSが搬送された場合の摩擦よりも小さい。そのため、分離ローラー35に接するシートSと給送ローラー34に接するシートSとが滑って,分離ローラー35が停止する。分離ローラー35は、前記従動回転が停止することで、繰り出しローラー33により複数枚のシートが重なった状態で繰り出された場合に、最上位のシートSとそれ以外のシートSとを分離する。これにより、給送ローラー34及び分離ローラー35によりシートSが1枚ずつ画像形成ユニット4へ搬送される。
【0034】
繰り出しローラー33、給送ローラー34、及び分離ローラー35それぞれの回転軸は、互いに平行である。繰り出しローラー33と給送ローラー34とはホルダー38Aにより支持されている。ホルダー38Aは、繰り出しローラー33と給送ローラー34との相対位置関係(両ローラー33,34間の距離や軸方向における位置の関係)を保持しつつ、繰り出しローラー33及び給送ローラー34を回転自在に支持する。ホルダー38Aには、給送ローラー34の回転軸72と同軸上に設けられた揺動支持軸39が設けられている。この揺動支持軸39は、本体フレーム(不図示)に回転自在に支持されている。これにより、ホルダー38Aが揺動支持軸39によって揺動可能に支持される。ホルダー38Aは、前記装着位置に装着された状態で給紙カセット40内の最上位のシートSに繰り出しローラー33が当接する第1位置に揺動される。また、ホルダー38Aは、給紙カセット40がカセット収容部31から抜き出された状態で繰り出しローラー33を前記第1位置よりも下方の予め定められた第2位置に揺動される。このようなホルダー38Aの揺動により、給送ローラー34の位置が一定のまま繰り出しローラー33が変位可能である。
【0035】
ストッパー部材64は、ホルダー38Aが前記第2位置よりも下方に変位することを制限する。ストッパー部材64は、第1ストッパー部材64A及び第2ストッパー部材64Bを備える。第1ストッパー部材64Aは、本体フレーム(不図示)に設けられ、下方の先端部が右側に突出した鉤状部材であり、鉤状部分でホルダー38Aを支えることが可能である。第2ストッパー部材64Bは、ホルダー38Aに設けられ、上方の先端部が左側に突出した鉤状部材であり、第1ストッパー部材64Aの鉤状部材と係合可能である。第2ストッパー部材64Bは、ホルダー38Aと伴に揺動され、予め定められた位置まで降下すると第1ストッパー部材64Aに係合する。そのため、第1ストッパー部材64A及び第2ストッパー部材64Bによって、ホルダー38Aが前記第2位置よりも下方に変位することを制限される。
【0036】
分離ローラー35は、ホルダー38Bにより回転可能に支持されている。ホルダー38Bは、揺動支持軸(不図示)により支持されており、分離ローラー35を変位可能に支持する。ホルダー38Bは、分離ローラー35が給送ローラー34に接触する前記接触位置と、分離ローラー35が給送ローラー34から所定量離間した前記離間位置との間で揺動可能に支持されている。ホルダー38Bの支持機構としては、給紙カセット40の抜き出しに連動して前記接触位置と前記離間位置との間で変位させる変位支持機構が考えられる。前記変位支持機構は、給紙カセット40が前記装着位置から抜き出されるとホルダー38Bを前記離間位置に変位させ、給紙カセット40が前記装着位置に装着されると前記接触位置に変位させる。なお、前記変位支持機構は、給紙カセット40に連動してホルダー38Bを変位させるものでなくてもよく、給紙カセット40が抜き出されたことに応じて駆動モーターなどで駆動される機構でもよい。
【0037】
[押下機構60]
図3に示されるように、カセット収容部31はフレーム90を備える。フレーム90は、カセット収容部31における挿入方向Y1の奥側に設けられている。
図4に示されるように、フレーム90には、伝達機構32及び押下機構60が設けられている。押下機構60は、カセット収容部31の内部に設けられており、作動部61(本発明の作動部の一例)、回転軸62(本発明の回転軸の一例)、バネ63(本発明の付勢部材の一例)、及び突出部65(本発明の突出部の一例)を備える。フレーム90には、バネ63の一方の端部が固定される固定部90Bが形成されている。固定部90Bの位置は、回転軸62よりも前後方向7の後側である。なお、作動部61、回転軸62、バネ63、及び給紙カセット40の右面壁43に形成された当接部48Bが、本発明の駆動機構の一例である。
【0038】
回転軸62は、カセット収容部31に回動可能に支持されている。回転軸62は、繰り出しローラー33の軸線方向と平行な方向に延出する。回転軸62は、作動部61と突出部65とに連結しており、作動部61と突出部65とを一体に回動可能に支持する。回転軸62は、回転軸62の径方向に突出した固定部62Aが形成されている。固定部62Aは、バネ63の他方の端部を固定する。固定部62Aの位置は、左右方向9において作動部61と突出部65との中間であり、前後方向7においてフレーム90の固定部90Bに対向している。
【0039】
突出部65は、繰り出しローラー33の近傍に、回転軸62の径方向へ突出するように回転軸62に設けられている。突出部65が突出する方向は、固定部62Aが突出する方向に対して約10度以内の方向である。回転軸62から突出された突出部65の先端は、曲面を有する。回転軸62が回転したことに応じて、突出部65は、繰り出しローラー33の下端部33Aよりも下方へ突出する突出位置(
図6(B)参照)と下端部33Aよりも上方へ退避した退避位置(
図6(A)参照)との間で変位可能に支持されている。なお、
図6(A)及び
図6(B)に前後方向7に水平な一点鎖線で示された位置が下端部33Aの上下方向8の位置である。また、突出部65の先端に回転コロが設けられていてもよい。これによって、シートSに係る摩擦抵抗を少なくすることができる。
【0040】
図5(B)に示されるように、給紙カセット40の右面壁43には、挿入方向Y1の奥側に段差部48が設けられている。段差部48の上部には、その上部から上方へ凸状の当接部48Bが形成されている。当接部48Bが形成された位置は、給紙カセット40の背面壁42の近傍である。当接部48Bの抜出方向Y2側の端部が前端部48Aであり、挿入方向Y1側の端部が後端部48Cである。当接部48Bは、段差部48よりも鉛直上方に位置して、給紙カセット40が挿抜される際に、作動部61が当接され、作動部61に作動力を付与する。
【0041】
作動部61は、カセット収容部31の挿入方向Y1の奥側であり、左右方向9の右側に設けられている。作動部61は、作動部61の重心から離れた回転中心位置に回転軸62が連結されている。作動部61の前記回転中心位置よりも前記重心側の重心側周縁部61Aが当接部48Bに当接される。作動部61は、給紙カセット40がカセット収容部31から抜出方向Y2に移動される場合に、重心側周縁部61Aが給紙カセット40の当接部48Bに当接されて回動して作動力を生じる。回転軸62は、作動部61から作動力が伝達された回転する。回転軸62が回転したことに応じて、突出部65は前記退避位置から前記突出位置に変位する。具体的には、回転軸62は、作動部61が前端部48Aの方から当接部48Bに変位されるときの回動による作動力を突出部65に伝達して、突出部65を繰り出しローラー33の下端部33A(
図6参照)よりも上方の位置から下方の位置に変位させる。これにより、回転軸62は、作動部61から作動力が伝達されて回転する。突出部65は、回転軸62が回動したことに応じて回動することによって、前記退避位置から前記突出位置に変位する。一方、給紙カセット40が前記装着位置に挿入方向Y1へ移動される場合に、回転軸62は、作動部61の回動による作動力を突出部65が前記退避位置に維持し続ける力として伝達する。具体的には、回転軸62は、作動部61が後端部48Cの方から当接部48Bに変位されるときの回動による作動力を突出部65に伝達して、突出部65を繰り出しローラー33の下端部33A(
図6参照)よりも上方の位置から更に上方の位置へ変位させる。
【0042】
バネ63は、一方の端部がフレーム90の固定部90Bに固定され、他方の端部が回転軸62の固定部62Aに固定された引っ張りバネである。バネ63は、回転軸62から径方向に突出した固定部62Aを挿入方向Y1の奥側へ引っ張る。そのため、バネ63は、固定部62Aとほぼ同方向へ突出する突出部65を前記退避位置へ付勢する。作動部61に接触による力が加わらない場合に、バネ63によって突出部65は前記退避位置に配置される。しかし、給紙カセット40が前記装着位置から抜出方向Y2へ移動された場合に作動部61が当接部48Bに当接して生じる作動力は、バネ63による付勢力よりも大きい力である。なお、押下機構60は、バネ63を備えず、作動部61の自重によって前記退避位置に保持する構成でもよい。その場合、突出部65は、作動部61が当接部48Bとの当接が解除された状態で、作動部61の自重によって前記退避位置に配置される。
【0043】
[給紙カセット40の挿抜と押下機構60の動作]
図6及び
図7を参照しながら、シート給送装置30の給紙カセット40の挿抜に伴う押下機構60の動作及びシートSの状態について説明する。
図6(A)乃至
図6(C)は、給紙カセット40をカセット収容部31から抜き出した際の押下機構60の動作とシートSの状態を示している。
図7(A)乃至
図7(C)は、給紙カセット40をカセット収容部31に装着する際の押下機構60の動作とシートSの状態を示している。なお、
図6及び
図7において、押し上げ部材49の図示を省略している。
【0044】
[抜き出し動作]
図6(A)に示されるように、給紙カセット40がカセット収容部31の前記装着位置に装着された状態では、給紙カセット40に収容されたシートSは、リフト板46によって上昇される。ホルダー38Aは、給紙カセット40内の最上位のシートSに繰り出しローラー33が当接する前記第1位置に維持される。繰り出しローラー33は、リフト板46上のシートSに接触して回転することによって、シートSを繰り出す。繰り出されたシートSのうち最上位のシートSは、給送ローラー34と分離ローラー35によって形成されるニップ部35Aによって挟持されている。このとき、作動部61は、前端部48Aよりも前後方向7の前側に当接部48Bと非接触の状態で配置されている。作動部61は、当接部48Bから力を受けない。そのため、バネ63の付勢力によって、突出部65は、前記退避位置に保持される。
【0045】
図6(B)に示されるように、給紙カセット40が前記装着位置から抜出方向Y2へ移動されると、リフト板46が降下する。リフト板46の上に積載されたシートSは、シートSを下から支えるリフト板46が降下するため、リフト板46と共に給紙カセット40内で降下する。また、ホルダー38Aは、前記装着位置から給紙カセット40が抜き出された状態で、揺動支持軸39を中心に揺動され(矢印Y3)、ストッパー部材64によって制限されるまで繰り出しローラー33側が降下する。揺動支持軸39は、給紙ローラー34の回転軸72と同軸上にあるため、繰り出しローラー33は、前記第1位置よりも下方の前記第2位置に揺動される。
【0046】
給紙カセット40が前記装着位置から抜き出される過程で、移動される背面壁42が繰り出しローラー33の下端部33Aを通過する際に、作動部61が当接部48Bに当接される。作動部61は、前端部48Aの側から当接部48Bに当接してバネ63の付勢力に抗して挿入方向Y1とは反対方向へ回動(矢印Y5)するとともに当接部48Bの上方の位置へ変位される。作動部61と突出部65とは回転軸62に固定されている。そのため、作動部61が前端部48Aの側から当接部48Bに当接することにより力を受けて回動すると、その回動による作動力が回転軸62を介して突出部65に伝達されて、突出部65が回動する。これにより、突出部65は前記退避位置から前記突出位置へ変位される。このときの押下機構60全体が前記第1位置から前記第2位置に変位される。そのため、前記突出位置は、ホルダー38Aが前記第2位置にあるときの繰り出しローラー33の下端部33Aよりも下方へ突出部65の先端が突出する位置である。前記突出位置は、繰り出しローラー33が給紙カセット40から繰り出されたシートSの進行経路に突出部65が交差する位置である。また、給紙カセット40がカセット収容部31から抜き出されることに連動して、前記変位支持機構によって、分離ローラー35を支持するホルダー38Bが下方へ移動される(矢印Y21)。これにより、繰り出されたシートSがニップ部35Aによって挟持されなくなる。そのため、突出部65の先端は、挟持されていたシートSに当接し、シートSを繰り出しローラー33のローラー表面から離間させる。挟持されていたシートSは、繰り出しローラー33のローラー表面の摩擦力を受けなくなる。一方、挟持されていたシートSは、給紙カセット40内の下層のシートSから摩擦力を受ける。そのため、挟持されていたシートSは、抜き出される給紙カセット40と伴に移動可能になる。また、複数のシートSが繰り出されて最上位のシートSのみが挟持されていた場合、最上位のシートSが離間されることに伴い繰り出された他のシートSも同様に給紙カセット40と移動可能になる。
【0047】
図6(C)に示されるように、給紙カセット40が抜出方向Y2へ更に移動されると、作動部61は、後端部48Cよりも前後方向7の後側に配置され、当接部48Bと非接触の状態になる。作動部61は、当接部48Bとの当接が解除されることによって、作動力を受けなくなる。そのため、バネ63の付勢力によって、回転軸62の固定部62Aは、フレーム90の固定部90Bの方へ向けられて、その姿勢を維持するように回転軸62の状態が保持される。この姿勢の回転軸62の状態において、突出部65は回転軸62から挿入方向Y1の奥側へ先端が向けられた前記退避位置に配置される。また、作動部61は、抜出方向Y2と反対方向へ回動されて(矢印Y6)、重心側周縁部61Aが下方に向けられた姿勢になる。
【0048】
このように、作動部61、回転軸62、バネ63、及び給紙カセット40の右面壁43に形成された当接部48Bによって構成される前記駆動機構は、給紙カセット40が前記装着位置にあるときに突出部65を前記退避位置に保持する。さらに、前記駆動機構は、給紙カセット40が前記装着位置から抜き出し方向(矢印Y2)へ移動された場合に突出部65を前記退避位置から前記突出位置に変位させる。これによって、給紙カセット40から繰り出されたシートSを給紙カセット40内に戻すことが可能となる。
【0049】
[挿入動作]
図7(A)に示されるように、給紙カセット40がカセット収容部31に挿入方向Y1から挿入されると、作動部61は、後端部48Cよりも前後方向7の後側に当接部48Bとは非接触の状態で配置されている。作動部61は、当接部48Bから力を受けない。そのため、バネ63の付勢力によって、突出部65は、前記退避位置に保持される。その後、作動部61は、後端部48Cの側から当接部48Bに当接して、作動力を受ける状態に変位する。
【0050】
図7(B)に示されるように、給紙カセット40がカセット収容部31に挿入方向Y1に挿入されると、ホルダー38Aは、揺動支持軸39を中心に揺動され(矢印Y8)、ストッパー部材64によって制限された前記第2位置から前記第1位置まで上昇する。また、前記変位支持機構によって、ホルダー38Bも下方の位置から上方の位置に移動する(矢印Y22)。給送ローラー34と分離ローラー35との間にニップ部35Aが形成される。
【0051】
給紙カセット40が前記装着位置に挿入される過程で、作動部61は、当接部48Bに当接して挿入方向Y1へ回動(矢印Y7)する作動力を受ける。作動部61と突出部65とは回転軸62に固定されているため、作動部61が後端部48Cの側から当接部48Bの上方の位置に変位される。作動部61が後端部48Cの側から当接部48Bに当接することにより力を受けて回動すると、その回動による作動力が回転軸62を介して突出部65に伝達されて、突出部65が回動する。これにより、突出部65は前記退避位置から更に上方へ退避させられる。このときの押下機構60全体が前記第2位置から前記第1位置に変位される。このように、突出部65が前記退避位置から更に上方の位置に移動されて下方に移動されない。そのため、給紙カセット40が装着される際に、突出部65が前記突出位置へ変位しない。
【0052】
図7(C)に示されるように、給紙カセット40がカセット収容部31の前記装着位置に装着されると、リフト板46が上昇する。リフト板46の上に積載されたシートSは、リフト板46の上昇に伴って給紙カセット40内で上昇する。これにより、繰り出しローラー33は、給紙カセット40内の最上位のシートSに当接される前記第1位置まで揺動される。給紙カセット40に収容されたシートSは、繰り出しローラー33によって繰り出される。繰り出されたシートSの最上位のシートSは、給送ローラー34と分離ローラー35によって形成されるニップ部35Aによって挟持されている。このとき、作動部61は、当接部48Bとの当接が解除されることによって、作動力を受けなくなる。そのため、バネ63の付勢力によって、回転軸62の固定部62Aは、フレーム90の固定部90Bの方へ向けられて、その姿勢を維持するように回転軸62の状態が保持される。この姿勢の回転軸62の状態において、突出部65は回転軸62から挿入方向Y1の奥側へ先端が向けられた前記退避位置に配置される。また、作動部61は、抜出方向Y2と反対方向へ回動されて、重心側周縁部61Aが下方に向けられた姿勢になる。
【0053】
このように、前記駆動機構は、給紙カセット40が前記装着位置に挿入方向(矢印Y1)へ移動される場合に突出部65を前記退避位置に保持することができる。これによって、突出部65が給紙カセット40の装着するときに、リフト板46により上昇されるシートSを傷つけることを防止することができる。
【0054】
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、本発明の第1実施形態の画像形成装置10及びシート給送装置30によれば、簡易な構成によって、給紙カセット40がカセット収容部31から抜き出される場合に、繰り出されたシートSを給紙カセット40に収めることが可能となる。
【0055】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。前述の第1実施形態の説明では、作動部61は、作動部61の重心から離れた前記回転中心位置に回転軸62が連結されており、前記回転中心位置よりも前記重心側の重心側周縁部61Aが当接部48Bに当接される場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。第2実施形態では、作動部61の代わりに長尺なレバー状の作動部71を備える。また、給紙カセット40の背面壁42は、前記突出位置に移行された突出部65に当接しない形状に形成されている。ここで、前述の第1実施形態の構成と異なるところは、作動部61の代わりに作動部71を備えることであり、その他の部分は、前述の第1実施形態の構成及び動作と共通する。そのため、ここでは、異なる部分だけ説明して、共通する部分の説明は省略する。
【0056】
作動部71は、カセット収容部31の挿入方向Y1の奥側の左右方向9の右側に設けられている。作動部71は、回転軸62から径方向に延出された長尺なレバー状の部材である。作動部71の一方の端部は、回転軸62に連結される前記回転中心位置であり、他方の端部は、当接部48Bに当接される周縁部71Aである。
【0057】
[抜き出し動作]
図8(A)乃至
図8(D)は、給紙カセット40をカセット収容部31から抜き出した際の押下機構60の動作とシートSの状態を示している。
図8(A)は、
図6(A)と同様に、給紙カセット40がカセット収容部31の前記装着位置に装着された状態である。
図8(B)は、
図6(B)と同様に、給紙カセット40が前記装着位置から抜き出される過程で、移動される背面壁42が繰り出しローラー33の下端部33Aを通過する際に、作動部71が当接部48Bに当接される状態である。この状態において、突出部65は前記突出位置に変位され、突出部65の先端が、繰り出しローラー33の下端部33Aよりも下方へ突出する。なお、
図8において、押し上げ部材49の図示を省略している。
【0058】
図8(C)に示されるように、作動部71が長いため、背面壁42が繰り出しローラー33の下端部33Aを通過した後も、作動部71は、当接部48Bに当接され続ける。背面壁42が下端部33Aから所定の距離L1(約15mm)を離れた位置に移動されるまで作動部71は当接部48Bに当接される。作動部71が当接され続けることによって、突出部65は、前記突出位置を維持し続ける。そのため、突出部65によって繰り出しローラー33から離間されたシートSは、給紙カセット40の内部に戻されやすい。なお、背面壁42の中央付近の高さが低いため、前記突出位置に移行された突出部65は、背面壁42に当接せずに背面壁42の上方を通過する。
【0059】
図8(D)は、
図6(C)と同様に、給紙カセット40が抜出方向Y2へ更に移動された状態である。作動部71は、後端部48Cよりも前後方向7の後側に当接部48Bとは非接触状態で配置される。そのため、バネ63の付勢力によって、突出部65は回転軸62から挿入方向Y1の奥側へ先端が向けられた前記退避位置に配置される。また、作動部71は、抜出方向Y2と反対方向へ回動されて、周縁部71Aが下方に向けられた姿勢になる。
【0060】
以上説明したように、前述の第2実施形態の画像形成装置10及びシート給送装置30によれば、給紙カセット40がカセット収容部31から抜き出される場合に、突出部65が前記突出位置に保持される時間を十分に確保して、繰り出されたシートSを給紙カセット40に収めることができる。
【0061】
[実施形態の変形例]
前述の第1実施形態及び第2実施形態の説明では、給紙カセット40がカセット収容部31の前記装着位置から抜き出されるときに、突出部65を前記退避位置から前記突出位置に変位させ、更に抜き出されることによって突出部65を前記突出位置から前記退避位置に戻す前記駆動機構を備えた押下機構60について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、他の押下機構として、給紙カセット40がカセット収容部31から抜き出されるときに、突出部65を前記退避位置から前記突出位置に変位させ、給紙カセット40がカセット収容部31に装着されるときに突出部65を前記突出位置から前記退避位置に変位させる他の駆動機構を備えるものでもよい。また、給紙カセット40の右面壁43に凸状の当接部48Bが設けられた場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。突出部65を前記突出位置に変位させることが検出できるものであれば、どのような形状でもよい。例えば、当接部48Bが下に凹状の形状であったり、前端部48A及び後端部48Cと当接部48Bとの間が緩やかに変化する形状であったりしてもよい。
【0062】
前述の第1実施形態及び第2実施形態の説明では、給紙カセット40の挿抜に伴って、分離ローラー35を支持するホルダー38Bが下方に移動される場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、給送機構32は、ホルダー38Bを有しないものでもよい。給紙カセット40がカセット収容部31から抜き出された場合、繰り出されてニップ部35Aに挟持されたシートSは搬送され、繰り出されてニップ部35Aに挟持されていないシートSは給紙カセット40に戻される。また、本発明の給送機構32は、ホルダー38Aやストッパー部材64を備えないものでもよい。この場合、給紙カセット40がカセット収容部31に装着されると、給紙カセット40のリフト板46が上昇することによって、最上位のシートSが繰り出しローラー33に接触されて、給送可能になる。
【0063】
例えば、給送機構32は、リフト板46を備えない給紙カセット40に対して繰り出しローラー33が上下移動するものでもよい。この構成の給送機構32は、給紙カセット40がカセット収容部31に装着されると、繰り出しローラー33が降下して給紙カセット40の最上位のシートSに当接する。また、この構成の給送機構32は、給紙カセット40が抜き出されると、繰り出しローラー33が上昇して給紙カセット40の最上位のシートSから離間される。この場合に、繰り出しローラー33がシートSを圧接する圧接力及びローラー表面の粘着力などによって最上位のシートSが持ち上げられることがある。本発明の押下機構60は、給紙カセット40が前記装着位置から抜き出されるさいに、突出部65を前記突出位置に移動させることによって、シートSが給紙カセット40から飛び出すことを防止することができる。
【0064】
前述の第1実施形態及び第2実施形態の説明では、付勢部材としてバネ63を備える場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、押下機構60は、バネ63を備えないものでもよい。この場合、押下機構60は、作動部61が当接部48Bに当接しない場合に突出部65と作動部61の自重によるバランスによって、突出部65を前記退避位置に保持し、作動部61が当接部48Bに当接する場合に突出部65を前記突出位置にする。