(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記領域A内一般車両判断手段は、前記領域Aに進入又は退出する前記一般車両を検出する検出装置(103、105、107)から検出情報を取得し、前記検出情報に基づき前記領域A内の一般車両の有無を判断することを特徴とする請求項1に記載の管制装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
1.管制装置1の構成
管制装置1の構成を
図1に基づき説明する。管制装置1は、経路に沿って自動走行する自動走行車両101を制御する装置である。管制装置1は、管制通信機3、制御部5、インターフェース7、経路DB(データベース)9、及び車両DB11を備える。
【0009】
管制通信機3は、自動走行車両101との間で無線通信を行う。制御部5は、CPU、RAM、ROM等を備えた周知のコンピュータである。制御部5は、管制装置1における各部を制御するとともに、管制通信機3、及びインターフェース7を用いて取得した各種情報を用いて後述する処理を実行する。
【0010】
インターフェース7は、境界監視装置103、進入ゲート105、及び退出ゲート107との間で通信を行う。経路DB9は、自動走行車両101が自動走行を行うときの経路を複数記憶している。各経路には識別番号が付されている。車両DB11は、自動走行車両101、特定一般車両109Aに関する各種情報を記憶している。なお、特定一般車両109A、及び非特定一般車両109Bは、ともに、自動走行の機能を備えず、ドライバにより運転される車両である。特定一般車両109Aは、境界監視装置103、進入ゲート105、及び退出ゲート107と無線通信可能な無線通信機111を備えており、非特定一般車両109Bは、そのような無線通信機を備えていない。以下では、特定一般車両109Aと非特定一般車両109Bとを併せて、一般車両109と呼ぶこともある。
【0011】
なお、管制通信機3は位置取得手段の一例である。また、制御部5は、領域A内一般車両判断手段、走行指示送信手段、停止条件判断手段、及び停止指示送信手段の一例である。
【0012】
2.自動走行車両101の構成及び機能
自動走行車両101の構成及び機能を
図1、及び
図2に基づき説明する。自動走行車両101は、
図1に示すように、経路DB113、周辺監視センサ115、GPS117、速度センサ119、管制通信機121、及び制御部123を備える。また、自動走行車両101は、その他に、車両が備える一般的な各種構成も備える。
【0013】
経路DB113は、経路DB9と同様に、自動走行車両101が自動走行を行うときの経路を複数記憶している。各経路には識別番号が付されている。経路DB113に記憶されている経路は、経路DB9に記憶されている経路と同一であり、付されている識別番号も同一である。
【0014】
周辺監視センサ115は周知のミリ波センサであり、自動走行車両101の周囲に存在する物標(他の車両、歩行者、障害物等)を検出する。GPS117は、自動走行車両101の位置情報を取得する。速度センサ119は、自動走行車両101の車速を検出する。管制通信機121は、管制装置1の管制通信機3との間で無線通信を行う。
【0015】
制御部123は、CPU、RAM、ROM等を備えた周知のコンピュータである。制御部123は、自動走行車両101の各部を制御し、管制装置1から送信される指示に基づき、以下のようにして自動走行を行う。
【0016】
管制装置1は、自動走行に用いる経路の番号と、最初の走行指示位置までの走行指示とを、管制通信機3を用いて送信する。制御部123は、管制通信機121を用いて、自動走行に用いる経路の番号と、最初の走行指示位置までの走行指示とを受信し、経路DB113から該当する番号の経路を読み出す。そして、読み出した経路に沿って、最初の走行指示位置までの自動走行を開始する。
【0017】
ここで、
図2に示すように、経路201とは、自動走行のスタート地点203からゴール地点205までの連続的な走行地点の集まりである。自動走行車両101はこの経路201に沿って自動走行を行う。
【0018】
また、走行指示位置207とは、経路201上の位置であって、スタート地点203とゴール地点205との間にある位置であり、最初の走行指示位置とは、走行指示位置207のうち、自動走行を開始してから最初に指示される走行指示位置である。走行指示とは、自動走行車両101に対し、その走行指示により特定した走行指示位置まで走行することを指示するものである。
【0019】
最初の走行指示位置207までの走行指示を自動走行車両101が受信したとき、自動走行車両101は、その最初の走行指示位置207までの自動走行を行う。最初の走行指示位置207に到達するまでに、2番目の走行指示位置207への走行指示を受信しなければ、自動走行車両101は最初の走行指示位置207で停止し、次の走行指示を待つ。一方、最初の走行指示位置207に到達するまでに、2番目の走行指示位置207への走行指示を受信した場合は、最初の走行指示位置207で停止することなく、2番目の走行指示位置207へ向けて自動走行を行う。
【0020】
以降も同様に、n(nは自然数)番目の走行指示位置207に到達するまでに、(n+1)番目の走行指示位置207への走行指示を受信しなければ、自動走行車両101はn番目の走行指示位置207で停止し、次の走行指示を待つ。一方、n番目の走行指示位置207に到達するまでに、(n+1)番目の走行指示位置207への走行指示を受信した場合は、n番目の走行指示位置207で停止することなく、(n+1)番目の走行指示位置207へ向けて自動走行を行う。
【0021】
このように、自動走行車両101は、順次、次の走行指示位置207までの走行指示を受信しながら、自動走行を行う。
また、管制装置1は、管制通信機3を用いて停止指示を送信する。自動走行車両101は、停止指示を受信すると、現在位置が走行指示位置の手前であっても停止する。
【0022】
また、自動走行車両101は、自動走行中、管制通信機121を用いて、自動走行車両101の位置P、車速、進行方向、及び車両IDを含む情報(以下では、自動走行車両送信情報とする)を、所定時間(例えば0.1〜1秒)ごとに繰り返し送信する。管制装置1は、管制通信機3を用いて、自動走行車両送信情報を受信する。
【0023】
3.境界監視装置103の構成及び機能
境界監視装置103の構成及び機能を
図1、
図3、
図5に基づき説明する。境界監視装置103は、
図3に示すように、道路209に沿って、所定間隔をおいて複数設置されている。経路201は、この道路209を通っている。
【0024】
なお、道路209において、任意の境界監視装置103から、隣接する境界監視装置103までの間を区間211とする。すなわち、道路209は、複数の区間211に区分されている。特に、区間211のうち、その時点での自動走行車両101の位置を基準として、自動走行車両101が存在する区間を区間211Pとする。また、自動走行車両101が経路201に沿って進むとき、区間211Pからn個先の区間を区間211Nnとする(nは自然数)。例えば、区間211Pの次の区間は区間211N1であり、区間211Pから2つ先の区間は区間211N2であり、区間211Pから3つ先の区間は区間211N3である。
【0025】
境界監視装置103は、
図1、
図5に示すように、車両センサ125、無線通信受信機127、及び制御部129を備える。車両センサ125は、境界監視装置103を通過する一般車両109の存在、及び一般車両109の走行方向を検出する。無線通信受信機127は、境界監視装置103を通過する特定一般車両109Aの無線通信機111から、その特定一般車両109Aの情報(位置情報、車速、走行方向、車両ID)を受信する。以下では、車両センサ125の検出結果、及び無線通信受信機127で受信した情報を併せて、通過車両情報とする。
【0026】
境界監視装置103は、隣接する2つの区間211の境界にあるので、通過車両情報は、その2つの区間211のうち、一方の区間211から一般車両109が退出し、他方の区間211へその一般車両109が進入したことを表す情報である。
【0027】
制御部129は、CPU、RAM、ROM等を備える周知のコンピュータである。制御部129は、境界監視装置103の各部を制御し、通過車両情報を取得するともに、取得した通過車両情報を管制装置1に送信する。
【0028】
4.進入ゲート105及び退出ゲート107の構成
進入ゲート105及び退出ゲート107の構成を
図1、
図3、
図4に基づき説明する。進入ゲート105及び退出ゲート107は、
図3に示すように、道路209に合流する道路213のうち、道路209寄りの位置に設けられている。道路213は、道路209への進入路である。
【0029】
進入ゲート105は、道路213から道路209への一般車両109の進入を、管制装置1からの指示に基づき規制するとともに、進入ゲート105に到達した一般車両109、及び進入ゲート105を通過した一般車両109の情報を管制装置1に送信する。
【0030】
上記の機能を実現するため、進入ゲート105は、
図1、
図4に示すように、無線通信受信機131、車両センサ133、表示機135、制御部137、及び遮断機139を備える。
【0031】
無線通信受信機131は、進入ゲート105に接近した特定一般車両109Aの無線通信機111から、その特定一般車両109Aの情報(位置情報、車速、走行方向、車両ID)を受信する。
【0032】
車両センサ133は、進入ゲート105に接近する一般車両109を検出する。
表示機135は、液晶ディスプレイから成る、画像を表示可能な構成である。
制御部137は、CPU、RAM、ROM等を備える周知のコンピュータである。制御部137は、進入ゲート105の各部を制御し、後述する処理を実行する。
【0033】
遮断機139は、制御部137の指示に応じて、道路213を塞ぐ状態と、道路213を開放する状態とのいずれかを実現する構成である。
また、退出ゲート107は、道路209から道路213への一般車両109の退出を、管制装置1からの指示に基づき規制するとともに、退出ゲート107に到達した一般車両109、及び退出ゲート107を通過した一般車両109の情報を管制装置1に送信する。
【0034】
退出ゲート107は、上記の機能を実現するため、進入ゲート105と同様の構成を備える。なお、進入ゲート105及び退出ゲート107が実行する具体的な処理は後述する。
【0035】
5.管制装置1が実行する処理
管制装置1(特に制御部5)が所定時間ごとに繰り返し実行する処理を
図6〜
図10に基づき説明する。
【0036】
図6のステップ1では、自動走行車両制御を実行する。この自動走行車両制御を
図7に基づき具体的に説明する。
図7のステップ11では、管制通信機3を用いて、自動走行車両101が送信する自動走行車両送信情報を受信し、その自動走行車両送信情報に含まれる、自動走行車両101の位置Pを取得する。
【0037】
ステップ12では、まず、前記ステップ11で取得した位置Pに基づき、自動走行車両101が自動走行中の道路209のうち、その時点で自動走行車両101が存在する区間211P、次の区間211N1、2つ先の区間211N2、及び3つ先の区間211N3をそれぞれ特定する(
図3参照)。
【0038】
次に、区間211P、又は区間211N1に一般車両109が存在するか否かを判断する。なお、この判断は、後述する一般車両状況更新処理において更新される、一般車両の状況に基づき行う。区間211P及び区間211N1に一般車両109が存在しない場合はステップ13に進み、区間211P又は区間211N1に一般車両109が存在する場合はステップ19に進む。
【0039】
ステップ13では、区間211P又は区間211N1への進入が許可された一般車両109が存在するか否かを判断する。なお、この判断は、後述する一般車両状況更新処理において更新される、一般車両の状況に基づき行う。区間211P及び区間211N1への進入が許可された一般車両109が存在しない場合はステップ14に進み、区間211P又は区間211N1への進入が許可された一般車両109存在する場合はステップ19に進む。
【0040】
ステップ14では、前記ステップ11で取得した位置Pが、最新の走行指示位置まで所定距離内であるか否かを判断する。所定距離内である場合はステップ15に進み、所定距離外である場合は本処理を終了する。
【0041】
ステップ15では、区間211N2内に一般車両109が存在するか否かを判断する。なお、この判断は、後述する一般車両状況更新処理において更新される、一般車両の状況に基づき行う。区間211N2内に一般車両109が存在しない場合はステップ16に進み、存在する場合はステップ18に進む。
【0042】
ステップ16では、区間211N2に接続する進入ゲート105で進入待ちの状態にある一般車両109が存在するか否かを判断する。なお、この判断は、後述する一般車両状況更新処理において更新される、一般車両の状況に基づき行う。区間211N2に接続する進入ゲート105で進入待ちの状態にある一般車両109が存在しない場合はステップ17に進み、存在する場合はステップ18に進む。
【0043】
ステップ17では、区間211N2直前(手前の一例)の走行指示位置までの走行を指示する走行指示を送信する。
一方、前記ステップ15、16で肯定判断された場合はステップ18に進み、区間211N1直前(手前の一例)の走行指示位置までの走行を指示する走行指示を送信する。
【0044】
また、前記ステップ12、13で肯定判断された場合はステップ19に進み、停止指示を送信する。なお、停止指示を受信した自動走行車両101はその場所で停止する。
図6に戻り、ステップ2では、進入ゲート制御を行う。この進入ゲート制御を、
図8を用いて具体的に説明する。ステップ21では、進入ゲート105から進入待車両情報を受信したか否かを判断する。なお、進入待車両情報は、後述するように、一般車両109が進入ゲート105の手前にある場合に進入ゲート105が送信する情報である。進入待車両情報を受信した場合はステップ22に進み、受信しなかった場合は本処理を終了する。
【0045】
ステップ22では、前記ステップ21で受信したと判断した進入待車両情報に含まれる車両IDが登録許可車両のものであるか否かを判断する。すなわち、進入待車両情報に含まれる車両IDを、車両DB11に記憶されている、登録許可車両の車両IDと照合し、一致するならば登録許可車両の車両IDであると判断し、一致しなければ、登録許可車両の車両IDではないと判断する。登録許可車両の車両IDである場合はステップ23に進み、そうではない場合はステップ28に進む。
【0046】
ステップ23では、前記ステップ21で受信したと判断した進入待車両情報に含まれる車両IDが優先車両(例えば緊急車両等)のものであるか否かを判断する。すなわち、進入待車両情報に含まれる車両IDを、車両DB11に記憶されている、優先車両の車両IDと照合し、一致するならば優先車両の車両IDであると判断し、一致しなければ、優先車両の車両IDではないと判断する。優先車両の車両IDである場合はステップ24に進み、そうではない場合はステップ25に進む。
【0047】
ステップ24では、優先車両の周辺を走行している自動走行車両101に対し停止指示を送信する。
ステップ25では、登録許可車両の周辺を走行中の自動走行車両101が存在するか否かを判断する。存在しない場合はステップ26に進み、進入許可指示を進入ゲート105に送信する。一方、登録許可車両の周辺を走行中の自動走行車両101が存在する場合はステップ27に進み、待機指示を進入ゲート105に送信する。
【0048】
また、前記ステップ22で否定判断した場合はステップ28に進み、進入不可指示を進入ゲート105に送信する。
図6に戻り、ステップ3では、退出ゲート制御を行う。この退出ゲート制御を、
図9を用いて具体的に説明する。ステップ31では、退出ゲート107から退出待車両情報を受信したか否かを判断する。なお、退出待車両情報は、後述するように、一般車両109が退出ゲート107の手前にある場合に退出ゲート107が送信する情報である。退出待車両情報を受信した場合はステップ32に進み、受信しなかった場合は本処理を終了する。
【0049】
ステップ32では、前記ステップ31で受信したと判断した退出待車両情報に含まれる車両IDが登録許可車両のものであるか否かを判断する。すなわち、退出待車両情報に含まれる車両IDを、車両DB11に記憶されている、登録許可車両の車両IDと照合し、一致するならば登録許可車両の車両IDであると判断し、一致しなければ、登録許可車両の車両IDではないと判断する。登録許可車両の車両IDである場合はステップ33に進み、そうではない場合はステップ35に進む。
【0050】
ステップ33では、退出ゲート107の先の道路213に進入中の他の車両があるか否かを判断する。そのような他の車両が存在しない場合はステップ34に進み、退出許可指示を退出ゲート107に送信する。一方、そのような他の車両が存在する場合はステップ35に進み、待機指示を退出ゲート107に送信する。
【0051】
図6に戻り、ステップ4では、一般車両状況更新処理を実行する。この処理を、
図10を用いて具体的に説明する。
ステップ41では、各進入ゲート105から、進入待車両情報を受信する。
【0052】
ステップ42では、各進入ゲート105から、車両進入完了通知を受信する。なお、車両進入完了通知は、後述するように、任意の進入ゲート105を一般車両が通過したとき、その進入ゲート105が管制装置1に向けて送信する通知である。
【0053】
ステップ43では、各退出ゲートから、車両退出完了通知を受信する。なお、車両退出完了通知は、後述するように、任意の退出ゲート107を一般車両が通過したとき、その退出ゲート107が管制装置1に向けて送信する通知である。
【0054】
ステップ44では、各境界監視装置103から、通過車両情報を受信する。
ステップ45では、以下の式(1)により、その時点で区間211P内に存在する一般車両109の台数Xを算出し、更新する。
【0055】
式(1)X=X’+α−β+γ−δ
ここで、X’は、本ステップ45の処理を前回行ったときの台数Xである。また、αは、前記ステップ42で受信した車両進入完了通知から特定される、進入ゲート105を通って区間211Pに新たに進入した一般車両109の台数である。また、βは、前記ステップ43で受信した、車両退出完了通知から特定される、退出ゲート107を通って区間211Pから新たに退出した一般車両109の台数である。また、γは、前記ステップ44で受信した通過車両情報から特定される、境界監視装置103を通って区間211Pに新たに進入した一般車両109の台数である。また、δは、前記ステップ44で受信した通過車両情報から特定される、境界監視装置103を通って区間211Pから新たに退出した一般車両109の台数である。
【0056】
また、区間211N1、区間211N2についても同様に、その時点で区間内に存在する一般車両109の台数を算出し、更新する。
また、前記ステップ41で受信した進入待車両情報に基づき、各進入ゲート105について、進入待の状態にある一般車両109の有無を判断し、その判断結果を記憶する。また、進入待の状態にある一般車両109が、登録許可車両であるか否か、優先車両であるか否かを判断し、その判断結果を記憶する。
【0057】
なお、上記のように更新した、区間211P、区間211N1内に存在する一般車両109の台数は、前記ステップ12の処理で使用される。また、上記のように記憶した、区間211P、区間211N1に接続する進入ゲート105において進入待の状態にある一般車両109の有無と、登録許可車両であるか否かの判断結果とは、前記ステップ13の処理で使用される。
【0058】
また、上記のように更新した、区間211N2内に存在する一般車両109の台数は、前記ステップ15の処理で使用される。また、上記のように記憶した、区間211N2に接続する進入ゲート105において進入待の状態にある一般車両109の有無は、前記ステップ16の処理で使用される。
【0059】
6.進入ゲート105が実行する処理
進入ゲート105が実行する処理を
図11に基づき説明する。ステップ51では、進入ゲート105の手前で進入待の状態にある一般車両109があるか否かを判断する。具体的には、車両センサ133で一般車両109を検出すれば、進入ゲート105の手前で進入待の状態にある一般車両109があると判断し、それ以外の場合は、進入待の状態にある一般車両109はないと判断する。
【0060】
また、1又は複数の特定一般車両109Aを車両センサ133で検出した場合は、無線通信受信機131を用いて、1又は複数の特定一般車両109Aから、その特定一般車両109Aの情報(位置情報、車速、走行方向、車両ID)を受信する。そして、その情報に含まれる位置情報と、車両センサ133の検出可能位置とを対比し、一致する位置情報を送信した特定一般車両109Aが進入待の状態にあると判断する。
【0061】
進入待の状態にある一般車両109がある場合はステップ52に進む。一方、進入待の状態にある一般車両109がない場合はステップ57に進み、遮断機139を閉じた状態とし、表示機135には何も表示しない。
【0062】
ステップ52では、進入待車両情報を管制装置1に送信する。
ステップ53では、管制装置1から何らかの指示を受信したか否かを判断する。この指示とは、進入許可指示(前記ステップ26参照)、待機指示(前記ステップ27参照)、進入不可指示(前記ステップ28参照)のいずれかである。何らかの指示を受信した場合はステップ54に進む。一方、いずれの指示も受信していない場合はステップ58に進み、遮断機139を閉じた状態とし、表示機135に「問合わせ中」と表示する。
【0063】
ステップ54では、管制装置1から進入不可指示を受信したか否かを判断する。進入不可指示を受信しなかった場合はステップ55に進む。一方、進入不可指示を受信した場合はステップ59に進み、遮断機139を閉じた状態とし、表示機135に「進入不可」と表示する。
【0064】
ステップ55では、管制装置1から待機指示を受信したか否かを判断する。待機指示を受信しなかった場合はステップ56に進む。一方、待機指示を受信した場合はステップ60に進み、遮断機139を閉じた状態とし、表示機135に「待機」と表示する。
【0065】
ステップ56では、管制装置1から進入許可指示を受信したか否かを判断する。進入許可指示を受信しなかった場合は本処理を終了する。一方、進入許可指示を受信した場合はステップ61に進み、遮断機139を開の状態とし、表示機135に「進入許可」と表示する。
【0066】
次に、ステップ62において、一般車両109が進入ゲート105を通過し、道路209への進入が完了したか否かを判断する。具体的には、車両センサ133で一般車両109を検出しなくなれば、道路209への進入が完了したと判断し、未だ車両センサ133で一般車両109を検出していれば、道路209への進入は完了していないと判断する。道路209への進入が完了した場合はステップ63に進み、進入が完了していない場合は本処理を終了する。
【0067】
ステップ63では、車両進入完了通知を管制装置1に送信する。
7.退出ゲート107が実行する処理
退出ゲート107が実行する処理を
図12に基づき説明する。ステップ71では、退出ゲート107の手前で退出待の状態にある一般車両109があるか否かを判断する。具体的には、車両センサ133で一般車両109を検出すれば、退出ゲート107の手前で進入待の状態にある一般車両109があると判断し、それ以外の場合は、退出待の状態にある一般車両109はないと判断する。
【0068】
また、1又は複数の特定一般車両109Aを車両センサ133で検出した場合は、無線通信受信機131を用いて、1又は複数の特定一般車両109Aから、その特定一般車両109Aの情報(位置情報、車速、走行方向、車両ID)を受信する。そして、その情報に含まれる位置情報と、車両センサ133の検出可能位置とを対比し、一致する位置情報を送信した特定一般車両109Aが退出待の状態にあると判断する。
【0069】
退出待の状態にある一般車両109がある場合はステップ72に進む。一方、退出待の状態にある一般車両109がない場合はステップ76に進み、遮断機139を閉じた状態とし、表示機135には何も表示しない。
【0070】
ステップ72では、退出待車両情報を管制装置1に送信する。
ステップ73では、管制装置1から何らかの指示を受信したか否かを判断する。この指示とは、退出許可指示(前記ステップ34参照)、待機指示(前記ステップ35参照)のいずれかである。何らかの指示を受信した場合はステップ74に進む。一方、いずれの指示も受信していない場合はステップ77に進み、遮断機139を閉じた状態とし、表示機135に「問合わせ中」と表示する。
【0071】
ステップ74では、管制装置1から待機指示を受信したか否かを判断する。待機指示を受信しなかった場合はステップ75に進む。一方、待機指示を受信した場合はステップ78に進み、遮断機139を閉じた状態とし、表示機135に「待機」と表示する。
【0072】
ステップ75では、管制装置1から退出許可指示を受信したか否かを判断する。退出許可指示を受信しなかった場合は本処理を終了する。一方、退出許可指示を受信した場合はステップ79に進み、遮断機139を開の状態とし、表示機135に「退出許可」と表示する。
【0073】
次に、ステップ80において、一般車両109が退出ゲート107を通過し、道路209からの退出が完了したか否かを判断する。具体的には、車両センサ133で一般車両109を検出しなくなれば、道路209からの退出が完了したと判断し、未だ車両センサ133で一般車両109を検出していれば、道路209からの退出は完了していないと判断する。道路209からの退出が完了した場合はステップ81に進み、退出が完了していない場合は本処理を終了する。
【0074】
ステップ81では、車両退出完了通知を管制装置1に送信する。
8.管制装置1が奏する効果
管制装置1は、以下の効果を奏する。
【0075】
(1)管制装置1は、自動走行車両101の位置Pを取得する。そして、その位置Pに応じて設定される区間211N2内の一般車両109の有無と、区間211N2に接続する進入ゲート105の手前で進入待ちの状態にある一般車両109の有無とを判断する(前記ステップ15、16参照)。
【0076】
そして、区間211N2内に一般車両109が存在せず、区間211N2に接続する進入ゲート105の手前で進入待ちの状態にある一般車両109が存在しないことを条件として、自動走行車両101に、区間211N2直前にある経路201上の走行指示位置207までの走行指示を送信する(前記ステップ17参照)。
【0077】
例えば、
図13に示すように、区間211N2内に一般車両109が存在するか、区間211N2に接続する進入ゲート105の手前で進入待ちの状態にある一般車両109が存在する場合、管制装置1は、区間211N2直前にある経路201上の走行指示位置207までの走行指示は送信せず、区間211N1直前にある経路201上の走行指示位置207までの走行指示を送信する。
【0078】
このことにより、自動走行車両101と一般車両109とが同じ区間211内を走行してしまう事態が生じにくく、自動走行車両101及び一般車両109の安全性を向上させることができる。
【0079】
なお、区間211N2と、区間211N2に接続する進入ゲート105の手前の位置とは、領域Aの一例である。
(2)管制装置1は、進入ゲート105から送信される車両進入完了通知と、退出ゲート107から送信される車両退出完了通知と、境界監視装置103から送信される通過車両情報とを取得し、それらの情報に基づき、区間211N2内の一般車両109の有無を判断する。また、管制装置1は、進入ゲート105から送信される進入待車両情報を取得し、その情報に基づき、区間211N2に接続する進入ゲート105の手前で進入待ちの状態にある一般車両109の有無を判断する。そのことにより、一般車両109の有無を容易且つ正確に判断できる。
【0080】
なお、境界監視装置103、進入ゲート105、及び退出ゲート107は、検出装置の一例である。また、車両進入完了通知、車両退出完了通知、通過車両情報、及び進入待車両情報は検出情報の一例である。
【0081】
(3)境界監視装置103、進入ゲート105、及び退出ゲート107は、特定一般車両109Aから無線通信により、特定一般車両109Aの情報を受信することができる。そのことにより、特定一般車両109Aの情報を容易且つ正確に取得することができる。
【0082】
(4)管制装置1は、以下の停止条件が充足されるか否かを判断する(前記ステップ12、13参照)。
停止条件:区間211P又は区間211N1(自動走行車両101の前方の領域であって、区間211N2よりも自動走行車両101の位置Pに近い領域)内に一般車両109が存在するか、区間211P又は区間211N1への進入が許可された一般車両109が存在する。
【0083】
管制装置1は、上記の停止条件が充足された場合、自動走行車両101に停止指示を送信する(前記ステップ19参照)。
例えば、
図14に示すように、区間211N1内に一般車両109が存在するか、区間211N1への進入が許可された一般車両109が存在するならば、管制装置1は、自動走行車両101に停止指示を送信する。
【0084】
なお、区間211P及び区間211N1は領域Bの一例である。
9.変形例
管制装置1、及びそれを含むシステムは、以下のものであってもよい。
【0085】
(1)境界監視装置103、進入ゲート105、及び退出ゲート107は、他の方法で一般車両109を検出してもよい。例えば、一般車両109が車両センサ125、133で検出しやすい表示をして、それを境界監視装置103、進入ゲート105、及び退出ゲート107で検出してもよい。
【0086】
(2)区間211の境界に境界監視装置103を設けず、直接、一般車両109の位置を取得し、その位置に基づき、一般車両109がどの区間211に存在するかを判断してもよい。
【0087】
(3)区間211を設けず、自動走行車両101と一般車両109の距離や相対速度から、領域A、Bを設定してもよい。
(4)進入ゲート105、退出ゲート107の少なくとも一部は遮断機139の代わりに信号機を備えていてもよい。
【0088】
(5)特定一般車両109Aと、境界監視装置103、進入ゲート105、及び退出ゲート107との通信手段は、公衆回線、無線LAN、車車間通信用の無線通信、または新たに策定した専用の無線通信であってもよい。車車間通信用の無線通信を使用する場合には受信専用の無線機として車両以外への設置を可能とする。また、交通事故低減のために車両へ設置する車車間通信用の無線通信を使用することで新たに専用の無線機を一般車両へ搭載する必要がなく一般車両への追加費用を不要とすることができる。
【0089】
(6)領域Aは、区間211Nm内と、区間211Nmに接続する進入ゲート105の手前の位置とであってもよい。ここで、mは、3、4、5・・・のいずれかである。