(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷媒の温度を冷却器の制御に用いる場合、できるだけ正確に冷媒温度を計測できることが望ましい。冷媒温度を直接に計測できればよいが、それでは液体の冷媒にセンサを浸すことになるため、センサの防水対策などでコストが嵩む。そこで、冷媒に直接触れないように、冷媒が流れる筐体に温度センサを取り付け、その温度センサの計測値を冷媒温度として用いることがある。しかしながら、その場合、直接に計測しているのは筐体の温度であって冷媒の温度ではない。冷媒の熱が筐体を伝わって温度センサに届くまでに時間を要する。その時間を以下では時間遅れと称する。冷媒の実際の温度と温度センサの計測値との間には時間遅れに起因した温度差が生じる。本明細書は、この時間遅れに起因した温度差を補償する技術を提供する。なお、以下では、「時間遅れに起因した温度差を補償する」ことを単に「時間遅れを補償する」と称することがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気自動車のインバータなどでは、半導体素子の温度を計測する温度センサも備えることがある。筐体に取り付けられた温度センサとは異なり、半導体素子の温度を計測する温度センサは、絶対値の正確性は高くはないが、応答性がよい、という性質を有する。半導体素子の温度を計測する温度センサの典型は、半導体素子のチップに内蔵されたサーミスタなどである。
【0006】
本明細書が開示する技術は、半導体素子の温度を計測する温度センサの計測値から得られる短時間の温度変化を、冷媒の温度を計測する温度センサにおける時間遅れに起因する温度差とみなして活用する。以下では、半導体素子の温度を計測する温度センサと冷媒の温度を計測する温度センサを区別するため、前者を素子温度センサと称し、後者を冷媒温度センサと称することがある。
【0007】
本明細書が開示する冷却器は、半導体素子を冷却する液冷式の冷却器である。その冷却器は、素子温度センサ(第1温度センサ)と冷媒温度センサ(第2温度センサ)と補正器を備える。冷媒温度センサは、液体の冷媒に触れないように冷却器筐体に取り付けられている。補正器は、素子温度センサの計測値を使って冷媒温度センサで計測された冷媒温度を補正する。すなわち、素子温度センサの計測値を使って冷媒温度センサにおける時間遅れを補償する。補正器は、冷媒から前記第2温度センサまでの熱の伝達関数を線形モデル(一次遅れ系あるいは二次遅れ系)で表したときの時定数を記憶している。補正器は、次のアルゴリズムで冷媒温度の計測値を補正する。補正器は、半導体素子に流れる電流からその半導体素子の発熱量を推定する。補正器は、推定された発熱量と素子温度センサの計測値から、上記した時定数に相当する期間の冷媒温度の変化量を推定する。この変化量が、時間遅れに起因する温度差に相当する。補正器は、冷媒温度センサの計測値に上記の変化量を加えた値を補正後の冷媒温度として出力する。
【0008】
半導体素子を流れる電流と素子温度センサの計測値から、所定時間の冷媒温度の変化量を求めるアルゴリズムは次の通りである。素子温度センサの計測値に半導体素子(及びその周辺の構造物)の熱容量を乗じると半導体素子(及びその周辺の構造物)が有する熱量が求まる。ある時刻を基準(基準時刻)として、素子温度センサの計測値の変化から、基準時刻からの半導体素子(及びその周辺の構造物)が有する熱量の変化が求まる。一方、半導体素子を流れる電流からは、半導体素子が発した熱量の基準時刻からの変化が求まる。半導体素子が発した熱量の変化から、半導体素子(及びその周辺の構造物)が有する熱量の変化を引いたものが、冷媒へ移動した熱量の変化に相当する。冷媒へ移動した熱量の変化を冷媒の熱容量で除すると、熱量の変化に基づく冷媒の温度変化が求まる。この温度変化は冷媒温度の推定値であるが、素子温度センサの計測値を用いているため、その絶対値は正確性に欠ける。そこで、その推定値の時系列データから低周波成分を除く。残った高周波成分は、短時間における冷媒温度の変化量であり、この値は正確である。「短時間」を、冷媒の実際の温度の変化が温度センサの計測値に反映されるまでの時間遅れに対応させると、高周波成分は時間遅れに起因する温度差の推定値となる。補正器は、素子温度センサの計測値から得られた冷媒温度の推定値の高周波成分を冷媒温度センサの計測値に加算することで、時間遅れを補償する。
【0009】
高周波成分の除去のアルゴリズムは次の通りである。冷媒の温度変化が冷媒温度センサの計測値に表れるまでの熱伝達のメカニズムは、一次遅れ系あるいは二次遅れ系でモデル化できる。ここでは、一次遅れ系でモデル化したと仮定する。一次遅れモデルの時定数をTdで表す。補償器は、素子温度センサの計測値から得られた冷媒温度変化の時系列データに、時定数Tdの一次遅れのローパスフィルタをかける。得られた結果は、時間遅れを含む冷媒温度センサの計測値の推定値である。従って、ローパスフィルタ通過後の温度変化(時系列データ)を、ローパスフィルタ通過前の温度変化から差し引いた残りが、時間遅れに起因する温度差の推定値となる。
【0010】
以上のアルゴリズムにより、補正器は、冷媒温度センサの時間遅れを補償する。なお、冷媒の温度変化が冷媒温度センサの計測値に表れるまでの熱伝達メカニズムが二次遅れ系でモデル化される場合は、その二次遅れ系の2個の時定数を有する二次のローパスフィルタを用いればよい。
【発明の効果】
【0011】
本明細書が開示する冷却器は、冷媒に直接触れないように設けられた冷媒温度センサの計測値の計測時間遅れを補償して実際の冷媒温度を推定することができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、実施例の冷却器を説明する。実施例の冷却器10は、電力変換器2の半導体素子T1−T8を冷却するデバイスである。冷却器10と電力変換器2は、電気自動車100に搭載されている。電力変換器2は、メインバッテリ81の電力を昇圧し、さらに交流に変換して走行用のモータ83に供給する。
【0014】
冷却器10を説明する前に、電力変換器2の回路構成を説明する。電力変換器2は、システムメインリレー82を介してメインバッテリ81に接続されている。電力変換器2は、電圧コンバータ回路8とインバータ回路9を含む。メインバッテリ81の電力は電圧コンバータ回路8に入力される。電圧コンバータ回路8は、メインバッテリ81の電圧を昇圧してインバータ回路9へ供給する昇圧動作と、モータ83が生成した回生電力の電圧を降圧してメインバッテリ81へ供給する降圧動作の双方を実行することができる。電圧コンバータ回路8は、2個のトランジスタT7、T8と、2個のダイオードD7、D8と、リアクトル4と、フィルタコンデンサ3で構成されている。2個のトランジスタT7とT8は直列に接続されている。各トランジスタにダイオードが逆並列に接続されている。トランジスタの直列回路の高電位端が電圧コンバータ回路8のインバータ側出力端子PHに繋がっている。直列回路の低電位端は、電圧コンバータ回路8のグランド線GLに繋がっている。リアクトル4の一端は、トランジスタの直列回路の中点PMに接続しており、他端は電圧コンバータ回路8のバッテリ側入力端子PLに繋がっている。フィルタコンデンサ3は、電圧コンバータ回路8のバッテリ側入力端子PLとグランド線GLの間に接続されている。また、電圧コンバータ回路8の出力電流の脈動を抑えるための平滑化コンデンサ5が、インバータ側出力端子PHとグランド線GLの間に接続されている。
【0015】
トランジスタT8のオンオフ動作によりメインバッテリ81の電圧が昇圧されてインバータ回路9へ供給される。トランジスタT7のオンオフ動作によりインバータ回路側から入力される回生電力が降圧されてメインバッテリ81へ供給される。
【0016】
インバータ回路9を説明する。インバータ回路9は、2個のトランジスタの直列回路が3セット並列に接続された回路である(T1とT4、T2とT5、及び、T3とT6)。各トランジスタにはダイオード(D1−D6)の各々が逆並列に接続されている。各トランジスタのオンオフ動作により、各直列回路の中点から交流が出力される。出力された交流はモータ83に供給される。インバータ回路9の出力線には電流センサ16が備えられている。
【0017】
各トランジスタT1−T8を駆動する駆動信号(PWM信号)は、コントローラ7が生成し、各トランジスタに供給する。コントローラ7は、不図示の上位コントローラからモータ83の目標出力を受け取り、その目標出力を実現するように各スイッチング素子を制御する。具体的には、コントローラ7は、電流センサ16によって出力電流をモニタし、出力電流が目標値に一致するように各トランジスタの動作パターンを決定し、その動作パターンに対応した駆動信号を各トランジスタに供給する。
【0018】
インバータ回路9のトランジスタT5には素子温度センサ6aが備えられており、電圧コンバータ回路8のトランジスタT8には素子温度センサ6bが備えられいる。具体的には、トランジスタT5(T8)は、半導体基板に実装されており、素子温度センサ6a(6b)は、同じ半導体基板に作り込まれている。素子温度センサ6a(6b)は、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタである。素子温度センサ6a(6b)は、トランジスタの実装基板に作り込まれているので、トランジスタの温度を時間遅延(遅れ時間)なく計測することができる。ただし、サーミスタは、計測値にオフセットが含まれるため、その計測値の絶対値はあまり正確ではない。素子温度センサ6a(6b)の計測値もコントローラ7へ送られる。コントローラ7は、素子温度センサ6a(6b)の計測値をモニタしており、計測値が所定の温度上限値を超えたらモータ83の出力を制限し、トランジスタの過熱を防止する。ただし、
図1に示されているように、インバータ回路9にはトランジスタT5以外には素子温度センサが備えられていない。例えば、車両が車止めに乗り上げたときなど、モータはトルクを出力しているが車輪が回転しない場合には、特定のトランジスタだけに集中して電流が流れる。トランジスタT5以外のトランジスタ(例えばトランジスタT1)に集中して電流が流れている場合、素子温度センサ6aではトランジスタT1の状態が検知できない。そのようなケースに備えて、コントローラ7は、冷却器10の冷媒の温度もモニタする。次に、冷却器10を説明する。
【0019】
電力変換器2には、トランジスタT1−T8を冷却するための冷却器10が接している。
図2に電力変換器2と冷却器10の模式的斜視図を示す。
図3に、
図2のIII−III線に沿った断面図を、
図4に、
図2のIV−IV線に沿った断面図を示す。
図1〜
図4を参照して冷却器10を説明する。冷却器10は、筐体19、冷媒温度センサ12、ポンプ13、ラジエータ14、循環路15を備えている。なお、ポンプ13は、コントローラ7が制御するので、コントローラ7も冷却器10の一部である。
図1の符号Cmdは、コントローラ7からポンプ13へ送られるポンプ出力の指令値を意味している。
図1の符号Snは、冷媒温度センサ12からコントローラ7へ送られる計測値を意味している。
【0020】
冷却器10の冷媒は液体である。具体的には、冷媒は、水あるいはLLC(Long Life Coolant)である。冷媒は、ポンプ13と循環路15により、筐体19とラジエータ14の間を循環する。
図3、
図4に示されているように、筐体19の内部には冷媒が通る流路18が形成されている。筐体19は、熱伝導率の高いアルミニウムで作られている。筐体19は平板型であり、その一面に電力変換器2が取り付けられている。なお、
図2−
図4では電力変換器2を単純化して直方体で描いてある。実際の電力変換器2は複雑な形状をしている。
【0021】
筐体19の内部には、仕切板17cが設けられており、流路18は、仕切板17cをはさんでU字に湾曲している。ポンプ13により供給される冷媒は、流入口17aから筐体19へと流入する。流入した冷媒は、U字形の流路18を流れる間に電力変換器2のトランジスタT1−T8から熱を吸収する。熱を吸収して温度が上昇した冷媒は、排出口17bを通じて筐体19から排出され、循環路15を通ってラジエータ14へと移動する。冷媒はラジエータ14にて空気と熱交換して冷却される。温度の下がった冷媒がポンプ13によって再び筐体19へと送られる。
【0022】
流路18を流れる冷媒の流量はポンプ13の出力で定まる。コントローラ7は、素子温度センサ6a(6b)の計測値と、筐体19に備えられた冷媒温度センサ12の計測値に基づいて、ポンプ13の出力を調整する。また、コントローラ7は、先に述べたように、素子温度センサ6a、6bと冷媒温度センサ12の計測値に基づいて、トランジスタの温度が過度に上昇した場合にはモータ83の出力を制限する。
【0023】
図3、
図4に示されているように、冷媒温度センサ12は、筐体19の外側に取り付けられている。別言すれば、冷媒温度センサ12は、液体の冷媒には触れないように筐体19に取り付けられている。なお、
図4に示されているように、筐体19は本体19aとカバー19bで構成されている。筐体19の本体19aとカバー19bとの間にはガスケット21が備えられており、流路18の密閉性が確保されている。
【0024】
図4の破線Vが示す範囲の拡大図を
図5に示す。冷媒温度センサ12は流路18から離れているため、冷媒温度の変化の影響は遅れて冷媒温度センサ12の計測値に表れる。
図5における矢印A1、A2が、冷媒の熱の伝わり方を模式的に表している。即ち、冷媒温度センサ12の計測値には、時間遅れが存在する。コントローラ7は、トランジスタT5(T8)に備えられた素子温度センサ6a(6b)の計測値に基づいて、時間遅れを補償する。そのアルゴリズムを次に説明する。
【0025】
図6に、コントローラ7が実行する冷媒温度補正処理のフローチャートを示す。コントローラ7は、まず、素子温度センサ6a、6bと冷媒温度センサ12の計測値を読み込む(S2)。次に、コントローラ7は、電流センサ16によって、トランジスタT1−T8に流れる総電流を特定する。コントローラ7は、その総電流の大きさから、トランジスタT1−T8の発熱量を算出する(S3)。なお、電流と発熱量との関係は実験などにより予め特定されている。一方、コントローラ7は、素子温度センサ6a、6bの計測値、即ち、トランジスタT5とT8の温度から、トランジスタ(及びその周辺の構造物)の有する熱量を求める。具体的には、コントローラ7は、特定の時刻の温度を基準として、その時刻以降のトランジスタの温度変化を記憶し、各時刻における温度上昇分に相当する熱量を特定する。熱量は、温度上昇分に、トランジスタ(及びその周辺の構造物)の熱容量を乗じることで得られる。コントローラ7は、トランジスタの発熱量からトランジスタの温度上昇分に相当する熱量を減じる。その結果の熱量は、冷媒に移動した熱量に相当する。コントローラ7は、冷媒に移動した熱量を冷媒の熱容量で除して、基準時刻の温度に対する冷媒の温度を算出(推定)する(S4)。S4で求められる冷媒の温度は、トランジスタを流れる電流と素子温度センサ6a、6bの計測値から得られる推定値である。コントローラ7は、基準時刻以降の各時刻毎の冷媒の温度を算出する。即ち、コントローラ7は、基準時刻以降の冷媒温度の推定値の時系列データを得る。
【0026】
半導体基板に作り込まれた素子温度センサ6a、6bの計測値にはオフセットが含まれるため、その絶対値は正確でない。他方、素子温度センサ6a、6bの計測値には、短時間の時間変化は正確に反映されている。コントローラ7は、この短時間の時間変化を使って冷媒温度センサ12の時間遅れを補償する。コントローラ7は、冷媒温度の推定値の時系列データからその低周波成分を除去する。具体的にはコントローラ7は、推定値の時系列データをローパスフィルタに通し、フィルタリング後の時系列データをフィルタリング前の時系列データから差し引く。こうして得られた結果が、冷媒温度変化の推定値の高周波成分となる。この、推定値の高周波成分が、冷媒温度センサの計測値に対する補正値に相当する(S5)。最後にコントローラ7は、冷媒温度センサ12の計測値に補正値を加えた値を、補正後の冷媒温度として出力する(S6)。この出力は、ポンプ制御プログラムに送られる。ポンプ制御プログラムでは、補正後の冷媒温度に基づいて、ポンプの出力を調整する。
【0027】
上記のローパスフィルタについて説明する。ローパスフィルタには、冷媒の温度変化が冷媒温度センサ12の計測値に表れるまでの熱の伝達関数の線形モデルが用いられる。伝達関数の線形モデルは、典型的には一次遅れ系あるいは二次遅れ系である。この線形モデルは、冷却器の構造によるものであるから、予め特定される。そのようなローパスフィルタを通過後の結果は、冷媒センサの計測値の推定値となる。フィルタリング前の時系列データが冷媒温度の推定値であり、フィルタリング後の時系列データは冷媒温度センサ12の計測値の推定値であるから、前者から後者を差し引いた結果は、時間遅れに起因する冷媒の実際の温度と計測値との温度差の推定値に相当する。即ち、上記アルゴリズムにより、時間遅れに起因する温度差が推定できる。コントローラ7は、応答の速い素子温度センサ6a、6bの計測値を使って、冷媒温度センサ12の計測値に対する遅れ時間分の温度変化を補う。
【0028】
図7に、上記アルゴリズムによる温度補正の一例を示す。グラフG4は、他のグラフとスケールが異なる(数値を示していないが、グラフG4は右目盛りに対応し、その他のグラフは左目盛りに対応する)。横軸は時間である。グラフG1(実線)が冷媒温度センサ12の計測値を示す。
【0029】
グラフG2(破線)が、トランジスタを流れる電流と素子温度センサ6a、6bの計測値から得られた冷媒の推定温度を示す。前述したように、グラフG2の絶対値は正確ではない。グラフG3(実線)は、グラフG2に時定数Tdの一次遅れフィルタをかけたものである。時定数Tdは、冷媒温度の変化が冷媒温度センサの計測値に表れるまでの熱の伝達特性を線形モデルの一次遅れ系でモデル化したときの時定数である。従ってグラフG3は、冷媒温度センサの計測値の推定値に相当する。
【0030】
グラフG4(破線)は、グラフG2(冷媒温度の推定値)からグラフG3(冷媒温度センサの計測値の推定値)を引いたものである。即ち、グラフG4は、時間遅れに起因する冷媒の実際の温度と計測値との温度差に相当する。別言すれば、グラフG4は、冷媒温度センサの計測値の補正値に相当する。
【0031】
グラフG5(灰色の直線)が、グラフG1(冷媒温度センサの計測値)にグラフG4(補正値)を加えたものである。グラフG6(点線)は、効果検証のため、冷媒温度を直接計測した値(実際の冷媒温度)である。補正後の冷媒温度(グラフG5)が実際の冷媒温度(グラフG6)とよく一致していることがわかる。
【0032】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。