特許第6245091号(P6245091)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245091
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像読取方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20171204BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20171204BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H04N1/12 Z
   H04N1/00 108J
   G03G15/00 107
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-132458(P2014-132458)
(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公開番号】特開2016-12775(P2016-12775A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083172
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 豊明
(72)【発明者】
【氏名】村田 卓朗
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−086684(JP,A)
【文献】 特開2010−166318(JP,A)
【文献】 特開2002−002991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00− 1/207
B65H 1/00− 1/30
G03G15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の一面の画像を読み取るための第1読取部と、当該原稿の他面の画像を読み取るための第2読取部とを起動させて、原稿の両面画像を読み取る画像読取制御部と、
前記第1読取部及び第2読取部が配置された搬送路を備え、載置された前記原稿を前記搬送路に沿って搬送する原稿搬送部と、
前記搬送路おいて、前記原稿の無給紙から生じる無給紙JAMが生じたか否かを検知する無給紙JAM検知部と、を備え、
前記第2読取部は、CISを含み、
前記画像読取制御部は、前記無給紙JAMが生じた場合に、前記起動中の前記CISを停止させることなく、そのまま起動中の状態にし、前記無給紙JAMが生じた時点からの経過時間を計時し、当該計時した経過時間が予め設定された閾時間を超過した場合に、前記起動中の状態の前記CISを強制的に停止させ、
前記画像読取制御部は、前記CISが前記そのまま起動中の状態の時に、ユーザにより原稿の読み取りの再開指示を受け付けた時、原稿の読み取りを再開する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
原稿の一面の画像を読み取るための第1読取部と、当該原稿の他面の画像を読み取るためのCISを含む第2読取部とを起動させて、原稿の両面画像を読み取るステップと、
前記第1読取部及び第2読取部が配置された搬送路を備え、載置された前記原稿を前記搬送路に沿って搬送する原稿搬送部の搬送路において、前記原稿の無給紙から生じる無給紙JAMが生じたか否かを検知するステップと、
前記無給紙JAMが生じた場合に、前記起動中の前記CISを停止させることなく、そのまま起動中の状態にし、前記無給紙JAMが生じた時点からの経過時間を計時し、当該計時した経過時間が予め設定された閾時間を超過した場合に、前記起動中の状態の前記CISを強制的に停止させるステップと、
前記CISが前記そのまま起動中の状態の時に、ユーザにより原稿の読み取りの再開指示を受け付けた時、原稿の読み取りを再開するステップと
を備えることを特徴とする画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、原稿の表面の画像と裏面の画像とを一回の原稿搬送で読み取る画像読取装置が存在する。この画像読取装置は、例えば、原稿の表面をCCDイメージセンサ(CCD:Charge Coupled Device)で読み取り、当該原稿の裏面を密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)で読み取る。
【0003】
このような画像読取装置の画像読取のスピードアップを図るために、例えば、特開2010−166318号公報(特許文献1)に、片面読取モードが選択されてスタートキーが操作されたとき、ゲイン調整が可能な状態であっても直ぐにゲイン調整を実行せず、原稿の表面情報の読取りを優先させて原稿読取動作をスピードアップする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−166318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、画像読取装置では原稿の画像読取のスピードアップが課題となっている。一方、上述した特許文献1に記載の技術は、片面読取モードが設定された場合に適用されるため、両面読取モードに適用することが出来ないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、原稿の無給紙JAMが発生した場合でも、当該原稿の両面画像の読取開始を早めることが可能な画像読取装置及び画像読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像読取装置は、原稿の一面の画像を読み取るための第1読取部と、当該原稿の他面の画像を読み取るための第2読取部とを起動させて、原稿の両面画像を読み取る画像読取制御部と、前記第1読取部及び第2読取部が配置された搬送路を備え、載置された前記原稿を前記搬送路に沿って搬送する原稿搬送部と、を備える。又、本発明は、前記搬送路において、前記原稿の無給紙から生じる無給紙JAMが生じたか否かを検知する無給紙JAM検知部を備え、前記第2読取部は、CISを含む。又、前記画像読取制御部は、前記無給紙JAMが生じた場合に、前記起動中の前記CISを停止させることなく、そのまま起動中の状態にし、前記無給紙JAMが生じた時点からの経過時間を計時し、当該計時した経過時間が予め設定された閾時間を超過した場合に、前記起動中の状態の前記CISを強制的に停止させ、前記画像読取制御部は、前記CISが前記そのまま起動中の状態の時に、ユーザにより原稿の読み取りの再開指示を受け付けた時、原稿の読み取りを再開することを特徴とする。
【0009】
又、本発明に係る画像読取方法は、原稿の一面の画像を読み取るための第1読取部と、当該原稿の他面の画像を読み取るためのCISを含む第2読取部とを起動させて、原稿の両面画像を読み取るステップを備える。又、本発明は、前記第1読取部及び第2読取部が配置された搬送路を備え、載置された前記原稿を前記搬送路に沿って搬送する原稿搬送部の搬送路において、前記原稿の無給紙から生じる無給紙JAMが生じたか否かを検知するステップを備える。又、本発明は、前記無給紙JAMが生じた場合に、前記起動中の前記CISを停止させることなく、そのまま起動中の状態にし、前記無給紙JAMが生じた時点からの経過時間を計時し、当該計時した経過時間が予め設定された閾時間を超過した場合に、前記起動中の状態の前記CISを強制的に停止させるステップと、前記CISが前記そのまま起動中の状態の時に、ユーザにより原稿の読み取りの再開指示を受け付けた時、原稿の読み取りを再開するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像読取装置及び画像読取方法によれば、原稿の無給紙JAMが発生した場合でも、当該原稿の両面画像の読取開始を早めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る複合機の概略模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る操作部の全体構成を示す概念図である。
図3】本発明の実施形態に係る複合機の制御系ハードウェアの構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る複合機の機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態の実行手順を示すためのフローチャートである。
図6】本発明に係る画像読取部の概略模式図(図6A)と、両面画像読取開始におけるCIS、AFE、ASICとの関係を示す図(図6B)と、無給紙JAM不解消におけるCIS、AFE、ASICとの関係を示す図(図6C)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベットSはステップを意味する。
【0013】
以下に、本発明の実施形態の一例として、原稿の両面読み取り可能な画像読取部を備える画像形成装置について説明する。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、コピー、スキャナ、プリンタ等の機能を備えた複合機(MFP:Multi Function Peripheral)が該当する。
【0014】
複合機100は、図1に示すように、操作部101を介してユーザーから印刷ジョブの設定条件を受け付けて、画像読取部102で原稿の片面又は両面の画像を読み取り、画像形成部、搬送部、定着部等を駆動して、当該印刷ジョブを提供する。
【0015】
ここで、画像読取部102には、原稿の表面の画像を読み取るCCDと、当該原稿の裏面の画像を読み取るCISとを備え、操作部101により原稿の両面印刷が指示されると、画像読取部102が、原稿トレイの原稿から一枚ずつ原稿を搬送し、当該原稿の両面の画像を読み取る。
【0016】
次に、図2を用いて、操作部101の構成を説明する。操作部101は、図2に示すように、タッチパネル201(操作パネル)、操作キー202が設けられており、ユーザーは、操作部101を用いて、所定の指示を入力したり、所定の操作画面を確認したりする。タッチパネル201では、所定の画面が表示されたり、当該表示された画面内のキーを押下することによって、当該押下されたキーに対応する情報が入力されたりする。操作キー202では、例えば、テンキー、スタートキー、クリアキー、ストップキー、リセットキー、電源キー等が備えられている。
【0017】
次に、図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。複合機100の制御回路は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、操作部101、画像読取部102を内部バス306によって接続している。
【0018】
複合機100のCPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいてドライバ、操作部101、画像読取部102からのデータや指示、信号、命令等を授受し、図1に示した各駆動部の動作を制御する。又、駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、CPUが、各プログラムを実行することで当該各手段を実現する。ROM、RAM、HDD等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0019】
次に、図4図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。先ず、ユーザーが、複合機100の電源を投入すると、当該複合機100の表示受付手段401が、操作部101のタッチパネル上に操作画面を表示して、印刷ジョブの受付を開始する。又、前記複合機100の画像読取制御部402が、画像読取部102の電源を投入して、原稿の画像読取の受付を開始する。
【0020】
ここで、ユーザーが、画像読取部102の原稿搬送部403の原稿トレイに両面印刷用の(一又は複数の)原稿を載置し(図5:S101)、操作部101を介して、両面画像読取の指示を含む両面印刷ジョブを入力すると、表示受付部401が、当該両面印刷ジョブを受け付けて(図5:S102)、その旨を画像読取制御部402に通知する。当該通知を受けた画像読取制御部402は、図6Aに示すように、画像読取部102の原稿搬送部403において原稿の一面(表面)の画像を読み取るためのCCD102a(第1読取部)を起動するとともに(図5:S103)、原稿の他面(裏面)の画像を読み取るためのCIS102b(第2読取部)を起動する(図5:S104)。
【0021】
ここで、原稿搬送部403は、CCD102a及びCIS102bが配置された搬送路Pを備え、載置された前記原稿を前記搬送路Pに沿って搬送する。又、画像読取制御部402が、前記CIS102bを起動する場合は、以下のようになる。即ち、図6Bに示すように、前記CIS102bは、当該CIS102bからの出力信号を増幅する増幅器(AFE)102cに接続されており、前記AFE102cは、当該AFE102cからの増幅信号を画像データとして処理するASIC102dに接続されている。そのため、画像読取制御部402は、前記CIS102bと、前記AFE102cと、前記ASIC102dとに電力供給し(ON)、前記CIS102bと前記AFE102cとの間の補正処理(ゲイン調整等)と、前記AFE102cと前記ASIC102dとの間の補正処理とを実施する。これらの補正処理には、数秒−数十秒を要する。これらの補正処理が完了すると、前記画像読取制御部402は、前記CIS102bを用いて、原稿の裏面の画像読取を開始することが出来る。
【0022】
さて、前記CIS102bの起動が完了すると、前記画像読取制御部402は原稿の両面の画像読取を開始する(図5:S105)。前記画像読取制御部402は、先ず、図6Aに示すように、所定のモータを回転させることで、原稿トレイの下流側に予め設けられた搬送ローラ102eを回転させて、原稿トレイから原稿を引き出して当該原稿を搬送する。次に、前記画像読取制御部402は、搬送路上に予め設けられたセンサ102fを用いて、前記原稿の搬送を確認するとともに、これで当該原稿の読み取りタイミングを取り、先ずは、前記CIS102bにより、当該搬送された原稿の裏面の画像を読み取る。次に、前記画像読取制御部402は、前記原稿の搬送を継続して、前記CCD102aにより、当該搬送された原稿の表面の画像を読み取る。これにより、当該原稿の両面の画像の読取を完了する。そして、前記画像読取制御部402は、前記搬送した原稿を排紙トレイで排出して、一枚の原稿の両面の画像読取を完了する。
【0023】
ここで、前記画像読取制御部402が、前記原稿の両面の画像読取を開始する際に、無給紙JAM検知部403と通信し、当該無給紙JAM検知部403からの信号に基づいて、前記原稿の無給紙から生じる無給紙JAMが生じたか否かを検知する(図5:S106)。
【0024】
前記画像読取制御部402が検知する方法は、特に限定は無いが、例えば、前記モータの回転が開始された際に、当該モータの回転が開始された時点からの経過時間を計測し、当該経過時間が予め設定された第一の閾時間を超過するまでに、前記センサ102fが原稿を検知したか否かを判定する。
【0025】
前記判定の結果、前記経過時間が前記第一の閾時間を超過する前に、前記センサ102fが原稿を検知した場合は、前記画像読取制御部402は、無給紙JAMが生じないと検知する(図5:S106NO)。この場合、画像読取制御部402が、未だ原稿の両面の画像読取を完了しない場合には(図5:S107NO)、S105へ戻って、原稿の両面の画像読取を継続する。
【0026】
一方、S106において、前記判定の結果、前記経過時間が前記第一の閾時間を超過するまでに、前記センサ102fが原稿を検知しなかった場合は、前記画像読取制御部402は、無給紙JAMが生じたと検知する(図5:S106YES)。この無給紙JAMは、例えば、原稿トレイに対する原稿の置き方が悪かったり、ステープルされた原稿がそのまま原稿トレイに置かれたりすると、発生する可能性がある。この場合、前記画像読取制御部402は、起動中のCIS102bを停止させることなく、そのまま起動中の状態にしておく(図5:S108)。これにより、無給紙JAMが解消された場合に、直ぐに、両面の画像読取を開始することが可能となる。即ち、従来では、無給紙JAMが発生すると、前記CIS102bへの電力供給が停止されていた。この場合、仮に、無給紙JAMが解消されると、前記CIS102bを再起動させることになるが、上述のように、当該CIS102bの起動には、多種の補正処理が必要であり、時間が掛かるという問題が生じ得る。本発明では、前記CIS102bを起動中の状態にしておくことで、前記補正処理をすることなく、直ぐに、両面の画像読取を開始することが可能となり、ユーザーの利便性を向上させる。尚、画像読取部102には、通常、インターロックを内蔵していないため、例えば、ユーザーが無給紙JAMの解消のために、画像読取部102のカバー等を操作したとしても、前記CIS102bの起動が強制的に停止されることは無い。
【0027】
さて、前記画像読取制御部402が前記CIS102bの起動を継続すると、その旨を表示受付部401に通知し、当該通知を受けた表示受付部401は、図2に示すように、無給紙JAMが発生した旨を示すメッセージ画面203をタッチパネル201上に表示させる(図5:S109)。前記メッセージ画面203には、無給紙JAMが発生した旨のメッセージ204と、ユーザーに無給紙JAMの解消を促す旨のメッセージ205と、両面の画像読取を再開させるための再開キー206と、両面の画像読取を中止させるための中止キー207とが表示される。これにより、ユーザーは、無給紙JAMの発生を知ることが可能となる。
【0028】
ユーザーが前記メッセージ画面203を見ながら、原稿トレイから原稿を抜き差しし直し、前記再開キー206を選択すると(図5:S110YES)、前記表示受付部401が当該再開キー206の選択を受け付けて、その旨を画像読取制御部402に通知し、当該通知を受けた画像読取制御部402は、S105へ戻って、画像読取を再開する(図5:S105)。この時点では、未だ、前記CIS102bは起動中であるため、直ぐに両面の画像読取を開始することが出来る。これにより、ファーストコピー時間を短縮することが可能となる。
【0029】
ここで、前記無給紙JAMが生じた場合に、前記画像読取制御部402は、前記無給紙JAMが生じた時点から所定時間が経過したか否かを判定する。(図5:S111)。具体的には、前記画像読取制御部402は、前記無給紙JAMが生じた時点からの経過時間を計時し、当該計時した経過時間が予め設定された第二の閾時間を超過するか否かを判定する。
【0030】
前記判定の結果、前記経過時間が前記第二の閾時間を超過しない場合(図5:S111NO)、S109へ戻って、前記表示受付部401が、ユーザーからの前記再開キー206の選択を待ち、前記画像読取制御部402は、前記判定を繰り返す(図5:S111)。
【0031】
一方、S111において、前記判定の結果、前記経過時間が前記第二の閾時間を超過した場合(図5:S111YES)、前記画像読取制御部402は、何らかの理由により、暫くの間、ユーザーからの原稿の抜き差しが行われないと判定し、前記起動中の状態のCIS102bを強制的に停止させる(図5:S112)。この場合、図6Cに示すように、前記画像読取制御部402405は、前記CIS102b及び前記AFE102cの電力供給を停止させる(OFF)。この場合、前記ASIC102dの電力供給は継続される(ON)。これにより、前記CIS102bの起動による消費電力を抑えることが可能となる。この場合、例えば、後から来たユーザーが、無給紙JAMを解消して、画像読取を再開させたり、画像読取自体を中止させたりする処理を複合機100に実行させる。つまり、次のジョブが開始される。尚、前記CIS102bが停止した後に、再起動される場合、上述したように、前記CIS102bと前記AFE102cとの間の補正処理と、前記AFE102cと前記ASIC102dとの間の補正処理が実施されることになる。
【0032】
一方、S107において、全ての原稿の両面の画像読取が完了すると(図5:S107YES)、画像読取制御部402が、その旨を画像形成部405に通知し、当該通知を受けた画像形成部405が、前記読み取られた両面の画像に基づいて画像形成を実行し(図5:S113)、ユーザーは、両面印刷された印刷物を手に入れることが可能となる。
【0033】
尚、本発明の実施形態では、画像読取部102を有する画像形成装置を想定したが、画像読取装置に適用しても構わない。又、本発明の実施形態では、複合機100が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを画像読取装置に読み出させ、当該画像読取装置が前記各部を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各部が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明に係る画像読取装置及び画像読取方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ、スキャナー等の画像読取装置に有用であり、原稿の無給紙JAMが発生した場合でも、当該原稿の両面画像の読取開始を早めることが可能な画像読取装置及び画像読取方法として有効である。
【符号の説明】
【0035】
100 複合機
102 画像読取部
P 搬送路
401 表示受付部
402 画像読取部
403 原稿搬送部
404 無給紙JAM検知部
405 画像形成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6