(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
試験体の内部に供給する試験圧力を発生させる圧力発生容器と、前記圧力発生容器内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力発生容器に圧力媒体を供給する媒体供給機構と、試験制御を実行する制御部と、を備えた内圧疲労試験機であって、
前記圧力発生容器は、
前記試験体を接続する接続口と、前記圧力媒体が供給される供給口と、前記圧力媒体を排出する排出口と、前記圧力媒体を当該圧力発生容器内に供給または排出するときに開放されるエア抜き口と、が設けられた密封型容器であり、
前記圧力発生容器の一部は、弾性板状部材により形成され、
前記弾性板状部材に対して、外部から押圧部材を接触させて力を与えることにより前記圧力媒体に非接触で当該圧力発生容器内の圧力を変動させる圧力変動機構を備えることを特徴とする内圧疲労試験機。
【背景技術】
【0002】
内圧力を受ける部品においては、その耐久性等を評価するために、高圧の内圧を高サイクルで負荷してその状況を観察する内圧疲労試験が行われる。なお、内圧力を受ける部品としては、エンジンの燃料系配管、エアコンディショナーの冷媒系配管等の各種機械系の配管タンク類、種々の化学薬品等の容器・配管、生体・医療機器における血液循環系配管等、多岐にわたる。
【0003】
このような内圧疲労試験を行う内圧疲労試験機として、従来、一端が油圧アクチュエータのシリンダロッドに接続され、他端が圧力発生容器の内部に挿入されるプランジャを備え、油圧アクチュエータによりプランジャを繰り返し往復動させることにより、圧力発生容器内に充填された圧力媒体を増圧して圧力取り出し口を介して試験体に導くようにした構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図6および
図7は、従来の内圧疲労試験機の概要図である。
【0005】
図6に示す内圧疲労試験機は、試験機本体と、試験機の動作を制御する制御装置9と、パーソナルコンピュータから成るデータ処理装置8を備える。試験機本体は、ベース11上に一対のコラム12を鉛直固定するとともに、一対のコラム12に架け渡したヨーク13に油圧アクチュエータ400を配置し、ベース11には圧力発生容器200が固定された構造を有する。試験体Wに試験圧力を供給する圧力発生容器200の内部には、圧力媒体供給装置7から配管32を介して供給された圧力媒体が充填されるとともに、油圧アクチュエータ400のシリンダロッド403に接続されたプランジャ202が挿入されている。圧力発生容器200には、開閉弁33が配設された配管31が接続され、この配管31の先端に試験体Wが取り付けられる。サーボ弁401を介した油圧アクチュエータ400と油圧源6との間の作動油の流入および流出により、プランジャ202が繰り返し往復動され、試験体Wに試験圧力が繰り返し負荷される。このときの圧力発生容器200内の圧力変動は、圧力センサ3により検出され、プランジャ202が連結されたシリンダロッド403の変位は、変位計402により検出される。
【0006】
図7に示す内圧疲労試験機は、
図6に示す内圧疲労試験機とは異なり、油圧源6の作動油を圧力媒体として使用している。そして、油圧源6からの作動油の流入と流出のための配管と、試験体Wへの圧力媒体としての作動油の供給配管および試験体Wを接続する配管がまとめられたマニホールド210を備える。マニホールド210はサーボ弁211が配設され、制御装置9がパワーアンプ212を介してサーボ弁212を制御することにより試験体Wに与える試験圧力を発生させている。なお、試験中の圧力変動は、圧力センサ3により検出される。また、試験中に試験体W内に充填されていた作動油は、試験終了後、開閉弁39が配設された配管38を介して油圧源6に戻される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図6および
図7の内圧疲労試験機は、圧力発生容器200を備えるものか、マニホールド210を備えるものかの違いはあるが、いずれも、試験体Wに負荷する試験圧力を発生させるための機構を構成する部材に、圧力媒体が直接接触する構造となっている。ところで、内圧疲労試験で使用される圧力媒体には、腐食性の高い流体がある。従来の内圧疲労試験機では、圧力発生容器200内に挿入されるプランジャ202やマニホールド210の耐腐食性の問題から、試験に使用できる圧力媒体に制約があった。すなわち、圧力媒体の種類によっては、試験が行えない場合があった。
【0009】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、圧力媒体の制約を受けることなく試験を行うことが可能な内圧疲労試験機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、試験体の内部に供給する試験圧力を発生させる圧力発生容器と、前記圧力発生容器内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力発生容器に圧力媒体を供給する媒体供給機構と、試験制御を実行する制御部と、を備えた内圧疲労試験機であって、前記圧力発生容器は、前記試験体を接続する接続口と、前記圧力媒体が供給される供給口と、前記圧力媒体を排出する排出口と、前記圧力媒体を当該圧力発生容器内に供給または排出するときに開放されるエア抜き口と、が設けられた密封型容器であり、
前記圧力発生容器の一部は、弾性板状部材により形成され、前記弾性板状部材に対して、外部から押圧部材を接触させて力を与えることにより前記圧力媒体に非接触で当該圧力発生容器内の圧力を変動させる圧力変動機構を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記圧力変動機構は、前記押圧部材が接続された伸縮部材を有するアクチュエータを有し、当該アクチュエータを駆動して前記圧力発生容器の外部から前記押圧部材を前記弾性板状部材に接触させて押圧変位を与えることにより、当該圧力発生容器内の圧力を変動させる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載の発明において、
前記圧力発生容器内には、前記圧力媒体の液量を調整することにより前記圧力発生容器内に所定容量の空隙が形成される。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の内圧疲労試験機において、前記圧力発生容器内の前記圧力媒体の容量を監視する内容量確認手段が設けられている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、
試験体の内部に供給する試験圧力を発生させる圧力発生容器と、前記圧力発生容器内の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力発生容器に圧力媒体を供給する媒体供給機構と、試験制御を実行する制御部と、を備えた内圧疲労試験機であって、前記圧力発生容器は、前記試験体を接続する接続口と、前記圧力媒体が供給される供給口と、前記圧力媒体を排出する排出口と、前記圧力媒体を当該圧力発生容器内に供給または排出するときに開放されるエア抜き口と、圧縮空気が流入および流出する圧縮空気接続口と、が設けられた密封型容器であり、前記圧縮空気を発生させるコンプレッサーと、前記圧縮空気接続口と前記コンプレッサーとの間に配置されるサーボ弁と、を有し、前記圧力媒体を貯留した前記圧力発生容器内への前記圧縮空気の流入量および前記圧力発生容器からの前記圧縮空気の流出量を前記サーボ弁によって調整することにより前記圧力媒体に非接触で前記圧力発生容器内の圧力を変動させる圧力変動機構を備える。
【発明の効果】
【0015】
請求項1から請求項5に記載の発明によれば、圧力媒体が圧力変動機構を構成する部材に直接接触することがないため、腐食性の高い圧力媒体を使用して試験を行う必要がある場合でも、圧力変動機構を構成する部材が圧力媒体により腐食する問題が生じることがなく、試験を行うことが可能となる。
また、請求項3に記載の発明によれば、圧力発生容器内に所定容量の空隙が形成されるように圧力媒体の液量を調整することにより、圧力発生容器内に液体に比べて圧縮性が大きい一定の空気層が設けられることから、さらに微小な圧力制御を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る内圧疲労試験機の概要図である。
【0018】
この内圧疲労試験機は、ベース11上に立設された一対のコラム12と、一対のコラム12に支持されたヨーク13を備える。ベース11には、内部に圧力媒体が充填され試験体Wに対して負荷する試験圧力を発生させるための圧力発生容器20が配設されている。
【0019】
圧力発生容器20は、圧力媒体補給装置7から圧力媒体を供給するための供給口と、試験体Wを接続するための接続口とが形成され、上面にゴムまたは金属等から成る弾性板状部材であるダイアフラム22が配設された密封型容器である。また、圧力発生容器20の上面には、圧力媒体を圧力媒体補給装置7から供給または排出するとき開放されるエア抜き口23が設けられている。なお、このエア抜き口23は試験中には閉栓されている。
【0020】
圧力発生容器20の接続口には、試験体Wを接続するための配管31が接続され、配管31には圧力発生容器20の圧力変動を検出するための圧力センサ3と、開閉弁33とが配設されている。なお、この実施形態では、圧力センサ3を圧力発生容器20と試験体Wを接続する配管31に配置して、圧力発生容器20内と連通する配管31内の圧力を圧力発生容器20内の圧力として検出しているが、圧力センサ3を圧力発生容器20に直接配設するようにしてもよい。
【0021】
圧力発生容器20の供給口には、配管32が接続され、配管32には圧力媒体補給装置7から圧力媒体を供給するときに開放される開閉弁34が配設されている。また、配管32からは、圧力発生容器20内の圧力媒体を装置外に排出するための枝管36が分岐しており、枝管36には開閉弁37が配設されている。圧力発生容器20に圧力媒体を供給するときには、開閉弁34が開放され、開閉弁37は閉止される。逆に、圧力発生容器20から圧力媒体を排出するときには、開閉弁34が閉止され、開閉弁37は開放される。また、試験体Wが配管31に接続され、試験が実行されている間は、開閉弁34と開閉弁37が閉止されるとともに開閉弁33が開放され、圧力発生容器20の内部と試験体Wの内部が配管31を介して連通し、圧力発生容器20内の圧力変動により発生する試験圧力が試験体Wに負荷される。
【0022】
この実施形態では、圧力発生容器20において圧力媒体の供給口と試験体Wの接続口とを別々に設けているが、圧力発生容器20に設ける供給口と接続口を共通とし、そこに接続する配管の分岐と、分岐させた各枝管に配設する開閉弁とにより、圧力発生容器20への圧力媒体の供給と、圧力発生容器20から試験体Wへの試験圧力の負荷とを切り換えるようにしてもよい。
【0023】
この内圧疲労試験機は、CPU等の演算装置、ROM、RAM等の記憶装置を備え、試験機動作を制御する制御装置9と、制御装置9に接続され、制御装置9を介して入力された試験結果を処理するためのデータ処理装置8とを備える。データ処理装置8は、入力部と表示部を備えるパーソナルコンピュータであり、データ処理装置8と制御装置9は、この発明の制御部を構成する。なお、圧力センサ3の検出信号は、試験中に所定の時間ごとに制御装置9に取り込まれる。
【0024】
また、ヨーク13には、この発明の圧力変動機構を構成するアクチュエータである電動アクチュエータ40が配設されている。電動アクチュエータ40は、直線往復運動する直動軸を備え、直動軸の伸縮に伴って移動するとともに、圧力発生容器20の上面に配設されたダイアフラム22に外部から力を与える押圧部材41が接続されている。電動アクチュエータ40の直動軸の変位は制御装置9に入力される。そして制御装置9は、電動アクチュエータ40の動作を、変位制御または力制御により制御する。なお、アクチュエータには、油圧式、空圧式のものを採用してもよい。
【0025】
図2は、ダイアフラム22に対して外部から力を与える圧力変動機構を説明するための圧力発生容器20のダイアフラム22周辺の部分拡大図である。
【0026】
ダイアフラム22は、圧力発生容器20内に圧力媒体が充填された状態では、断面が
図2に仮想線で示す形状となる。電動アクチュエータ40の直動軸の伸縮により押圧部材41がダイアフラム22を押圧すると、ダイアフラム22は、
図2に実線で示すように、圧力発生容器20の内側に向かって変形する。このとき、圧力媒体が充填されている圧力発生容器20の容積が小さくなり、圧力媒体が加圧される。電動アクチュエータ40の駆動により、ダイアフラム22が繰り返し押圧されることにより、圧力発生容器20内の圧力媒体にかかる圧力が変動し、試験体Wに繰り返し試験圧力が負荷される。
【0027】
図3は、ダイアフラム22に対して外部から力を与える圧力変動機構の変形例を示す説明図である。
図3(a)は、偏心カム44でダイアフラム22を押圧する例を示し、
図3(b)は、クランク機構により押圧部材41でダイアフラム22を押圧する例を示している。
【0028】
図2の例では、電動アクチュエータ40の駆動により押圧部材41の上下方向の往復運動を実現し、ダイアフラム22を変形させていたが、ダイアフラム22に対して外部から力を与える圧力変動機構としては、
図3(a)に示す、固定された回転軸43を中心に回転する偏心カム44によるものでもよい。また、
図3(b)に示す変形例では、ダイアフラム22に対して外部から力を与える圧力変動機構として、固定された回転軸45を中心に回動する棒部材46に連結軸47を介して押圧部材41を接続することで、棒部材46の回転運動を押圧部材41の上下方向の往復運動に変換するクランク機構を採用している。このように、この発明の圧力変動機構は、圧力媒体に圧力変動機構を構成する部材が直接接触することなく、外力によりダイアフラム22を変形させ、圧力発生容器20内の容積を変化させることにより、圧力発生容器20内に充填されている圧力媒体の圧力を変動させることができるものであればよい。この発明の圧力変動機構によれば、圧力変動機構を構成する部材が圧力媒体に直接接触することがないため、腐食性の高い圧力媒体を使用した内圧疲労試験が可能となる。
【0029】
図1の圧力発生容器20は、内部が100%圧力媒体で満たされている場合を図示している。このように、内部が100%圧力媒体で満たされている場合、圧力の変化は、電動アクチュエータ40の直動軸の変位(言い換えると、押圧部材41によるダイアフラム22への押し込み量)と、ダイアフラム22を含む圧力発生容器20の剛性と、試験体Wの剛性と、圧力媒体である液体の圧縮性によって定まることになる。例えば、試験体Wの変化が小さい場合は、ダイアフラム22への押圧部材41の押し込み量がわずかであっても、圧力発生容器20から試験体Wまでの内部圧力が大きく変化することがある。電動アクチュエータ40の直動軸の動作制御においては、機械的な移動精度の制約があるため、微小な圧力制御が難しくなる場合がある。
【0030】
このような問題は、圧力発生容器20の内部を100%圧力媒体で満たすのではなく、圧力発生容器20内の上層に所定容量の空隙が形成されるように圧力媒体の液量を調整することで、解決することが可能である。これは、空気は液体に比べて圧縮性が大きいためであり、一定の空気層が存在すると、圧力の制御変動幅に対して電動アクチュエータ40の直動軸の変位を大きくすることができることによる。すなわち、電動アクチュエータ40の機械的な移動精度の範囲内で、微小な圧力制御も可能となる。さらに、目標圧力に応じて圧力発生容器20内の空気量を適切に調整することで、試験圧力の制御を向上させることができる。
【0031】
図4は、圧力発生容器20の変形例を示す説明図である。
【0032】
図1においては、断面形状が矩形となる圧力発生容器20を図示しているが、圧力発生容器20の形状およびダイアフラム22の配設位置は、種々の変形が可能である。
図4の圧力発生容器20は、上面に空気層調整部25が凸設されている。なお、
図4(a)は、容器の空気層調整部25が配置されていない部分の上面にダイアフラム22が配設されている例を示し、
図4(b)は、空気層調整部25の上面にダイアフラム22を配置している例を示している。
【0033】
図4(a)の圧力発生容器20は、容器の空気層調整部25が配置されていない部分の上面にダイアフラム22を配設しており、ダイアフラム22には、
図2および
図3を参照して説明した圧力変動機構により、白抜き矢印で示す方向の外力が作用する。また、空気層調整部25の壁面には、内部の液量レベルを目視で監視できる窓27(
図4に破線で示す)が設けられている。なお、窓27は、この発明の内容量確認手段に相当する。これにより、圧力媒体を圧力媒体補給装置7から圧力発生容器20に供給するときの、空気量の調整を容易に行うことができる。なお、内容量確認手段として窓27を設けた例を説明したが、液量センサ等を圧力発生容器20に配設してもよい。
【0034】
図4(b)の圧力発生容器20は、空気層調整部25の上面にダイアフラム22を配置しており、ダイアフラム22には、
図2および
図3を参照して説明した圧力変動機構により、白抜き矢印で示す方向の外力が作用する。また、空気層調整部25の空気層の調整は、圧力発生容器20に圧力媒体を供給、あるいは、圧力発生容器20から圧力媒体を排出することにより行うため、エア抜き口23を開放した状態で行われる。したがって、
図4(a)に示すように空気層調整部25の壁面に監視用の窓27を設けなくても、このエア抜き口23から液量計を挿入することにより、空気層を把握することも可能である。このエア抜き口23は試験中には閉栓されている。なお、試験中の圧力発生容器20は、配管31を介して試験体Wと連通する以外は、閉じた密封状態となる。
【0035】
図5は、この発明の第2実施形態に係る内圧疲労試験機の概要図である。なお、第1実施形態と共通する部材には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0036】
第1実施形態では、圧力発生容器20の一部に設けた弾性板状部材であるダイアフラム22に部材を接触させて外力を作用させる圧力変動機構により、圧力媒体に非接触で圧力発生容器20内の圧力を変動させたが、この第2実施形態では、圧縮空気を利用した圧力変動機構により、圧力媒体に非接触で密封型容器として圧力発生容器50内の圧力を変動させている。
【0037】
この内圧疲労試験機は、圧力変動機構として圧縮空気を作り出すコンプレッサー61と、圧力発生容器50への圧縮空気の流入量および流出量を調整するサーボ弁62を備える。この実施形態では、第1実施形態とは異なり、圧力発生容器50の上面には、エア抜き口53の他に、圧縮空気を圧力発生容器50内に流入させるとともに、圧力発生容器50内から流出させるための圧縮空気接続口54が設けられている。圧縮空気接続口54にはサーボ弁62を介してコンプレッサー61に接続されたエア供給管63が接続されている。サーボ弁62は、制御装置9により制御され、余剰圧縮空気を大気排出するとともに、圧力発生容器50内の圧縮空気量を調整する。なお、エア供給管63には、圧縮空気供給系に圧力媒体が侵入するのを防止するためのフィルタ64が介装されている。
【0038】
圧力媒体補給装置7から圧力発生容器50に圧力媒体を供給するときには、開閉弁37を閉止した状態で開閉弁34が開放され、圧力発生容器50の圧力媒体の供給口に接続された配管32を介して圧力発生容器50内に圧力媒体が充填される。このときの圧力発生容器50内の圧力媒体の液量は、発生させたい圧力に応じて、例えば、容器の容積の70%〜95%程度の範囲で、任意に調整される。圧力媒体の液量割合が大きいほど圧力容器50内の圧縮空気量が少なくなり、コンプレッサー61が供給する空気の流量が小さくて済むことになる。そして、圧力媒体の液量は、例えば、圧力発生容器50に圧力媒体を供給するときに開放されているエア抜き口53から液量計を挿入して確認してもよく、圧力媒体補給装置7の圧力媒体の供給時の流速と時間により調整してもよい。
【0039】
配管31に試験体Wを接続し、圧力発生容器50内で試験圧力を発生させるときには、エア抜き口53を閉栓し、コンプレッサー61の駆動とサーボ弁62の動作によりエア供給管63を介して、圧縮空気が圧力発生容器50内への流入と圧力発生容器50内からの流出を繰り返す。このときには開閉弁34、37は閉止され、開閉弁33が開放されており、圧力発生容器50の内部と試験体Wの内部が配管31を介して連通している。圧縮空気の流入により、圧力発生容器50内の圧力媒体が加圧され、圧縮空気の流出により圧力媒体への加圧が解除される。このような圧力媒体の圧力変動により発生する試験圧力が、試験体Wに繰り返し負荷される。
【0040】
試験中においては、圧力発生容器50の圧力変動は、圧力センサ3により検出され、設定された試験圧力となるように、制御装置9によるサーボ弁62への圧力制御が実行される。
【0041】
このように、この第2実施形態においては密封状態の圧力発生容器50内の圧力変動に圧縮空気を利用しており、圧力変動機構を構成する部材が圧力媒体に直接接触することがないため、腐食性の高い圧力媒体を使用した内圧疲労試験が可能となる。