特許第6245113号(P6245113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6245113-編集装置、及び、印刷装置 図000002
  • 特許6245113-編集装置、及び、印刷装置 図000003
  • 特許6245113-編集装置、及び、印刷装置 図000004
  • 特許6245113-編集装置、及び、印刷装置 図000005
  • 特許6245113-編集装置、及び、印刷装置 図000006
  • 特許6245113-編集装置、及び、印刷装置 図000007
  • 特許6245113-編集装置、及び、印刷装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245113
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】編集装置、及び、印刷装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20171204BHJP
【FI】
   G06F3/0484 150
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-171141(P2014-171141)
(22)【出願日】2014年8月26日
(65)【公開番号】特開2016-45821(P2016-45821A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100152515
【弁理士】
【氏名又は名称】稲山 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 伸哉
【審査官】 若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−194788(JP,A)
【文献】 特開2013−54773(JP,A)
【文献】 特開2014−2758(JP,A)
【文献】 特開2000−242256(JP,A)
【文献】 特開2013−33308(JP,A)
【文献】 特開2013−16049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
B41J 3/36
G06F 17/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の第1領域に、文字列が対応付けられるブロックを複数含む印刷イメージを表示させ、且つ、前記第1領域と異なる第2領域に、複数の前記ブロックの何れかに対応する文字列と、前記文字列に対する編集が行われる位置を特定可能なマークとを表示させる第1表示手段と、
前記第1表示手段によって、前記印刷イメージが前記第1領域に表示され、且つ、前記文字列が前記第2領域に表示された状態で、複数の編集方法の何れかを選択可能な選択画像を、前記表示部のうち前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれの少なくとも一部分を含む第3領域に表示させる第2表示手段と、
前記第1領域に表示された前記印刷イメージに含まれる前記複数のブロックのうち、前記第2領域に表示された前記文字列に対応する対応ブロックと、前記第2表示手段によって前記第3領域に表示された前記選択画像とが重複するか判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって、前記対応ブロックと前記選択画像とが重複すると判断された場合、前記第1領域のうち前記第3領域を除く第1余剰領域に前記対応ブロックが全て表示されるように、前記印刷イメージの表示態様を変更する変更手段と、
前記第2領域に表示された前記マークと、前記第2表示手段によって前記第3領域に表示された前記選択画像とが重複するか判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段によって、前記マークと前記選択画像とが重複すると判断された場合、前記文字列を縮小する文字列縮小手段と、
前記文字列縮小手段によって縮小された前記文字列である縮小文字列及び前記マークを、前記第2領域のうち前記第3領域を除く第2余剰領域に表示させる文字列表示手段と
を備えたことを特徴とする編集装置。
【請求項2】
前記変更手段は、
前記第1余剰領域に前記対応ブロックが全て表示されるまで、前記印刷イメージを移動させるイメージ移動手段と、
前記イメージ移動手段によって移動された前記印刷イメージである移動イメージを、前記第1余剰領域に表示させる第1イメージ表示手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項3】
前記変更手段は、
前記印刷イメージの大きさが、前記第1余剰領域の大きさよりも小さくなるまで、前記印刷イメージを縮小するイメージ縮小手段と、
前記イメージ縮小手段によって縮小された前記印刷イメージである縮小イメージを、前記第1余剰領域に表示させる第2イメージ表示手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の編集装置。
【請求項4】
前記文字列縮小手段によって前記文字列を縮小する場合の縮小率を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記縮小率と所定の閾値とが所定の条件を満たすか判断する第3判断手段と
を備え、
前記文字列縮小手段は、
前記第3判断手段によって前記条件を満たすと判断された場合、前記算出手段によって算出された前記縮小率に基づいて前記文字列を縮小し、
前記第3判断手段によって前記条件を満たさないと判断した場合、前記閾値に基づいて前記文字列を縮小することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の編集装置。
【請求項5】
前記算出手段は、縮小前の前記文字列の大きさに対する、縮小後の前記文字列の大きさの割合である第1割合か、又は、前記縮小前の前記文字列の大きさと前記縮小後の前記文字列の大きさとの差分の、縮小前の前記文字列の大きさに対する割合である第2割合を、前記縮小率として算出し、
前記第3判断手段は、
前記算出手段によって前記第1割合が算出された場合には、前記縮小率が前記閾値以上の場合に前記条件を満たすと判断し、前記縮小率が前記閾値よりも小さい場合に前記条件を満たさないと判断し、
前記算出手段によって前記第2割合が算出された場合には、前記縮小率が前記閾値以下の場合に前記条件を満たすと判断し、前記縮小率が前記閾値よりも大きい場合に前記条件を満たさないと判断することを特徴とする請求項4に記載の編集装置。
【請求項6】
前記文字列表示手段は、
前記文字列縮小手段によって前記閾値に基づいて縮小された前記縮小文字列のうち先頭から前記マークの位置までの部分の横方向の長さが、前記第2余剰領域の横方向の長さよりも大きい場合、前記マークが前記第2余剰領域に表示されるまで前記縮小文字列を移動させて表示させることを特徴とする請求項4又は5に記載の編集装置。
【請求項7】
前記第2表示手段によって表示された前記選択画像に基づき、前記複数の編集方法の何れかを選択する操作を受け付ける受付手段を備え、
前記文字列縮小手段は、前記受付手段によって前記複数の編集方法の何れかを選択する操作が受け付けられた場合、受け付けられた前記複数の編集方法の何れかに応じて前記文字列が編集された後の前記マークの位置に基づいて、前記文字列を縮小することを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の編集装置。
【請求項8】
前記マークは、縦方向に直線状に延びる線分からなるカーソルであって、
前記カーソルは、
前記線分の右側を、前記文字列に文字を追加する場合の追加位置として特定し、
前記線分の右側又は左側を、前記文字列に含まれる複数の文字のうち何れかを削除する場合の削除位置として特定可能であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の編集装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れかに記載の前記編集装置と、
前記表示部に表示された前記印刷イメージに基づき、印刷媒体に印刷する印刷手段と
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部に表示された文字列を、ユーザの操作に応じて編集することが可能な編集装置、及び、編集された文字列の印刷を行う印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示部に表示された文字列をユーザの操作に応じて編集し、且つ、編集された文字列を印刷媒体に印刷することが可能な印刷装置が知られている。編集対象の文字列と、印刷媒体に文字列が印刷された場合の文字列のレイアウトを示すレイアウト画像とを、表示部に同時に表示させることが可能な印刷装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
文字列の編集方法の具体例として、文字列に対する文字や記号の追加及び挿入、並びに、文字列に含まれる文字の削除がある。複数の編集方法が選択候補としてリスト状に示された別ウィンドウを、表示部に表示させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。ユーザは、別ウィンドウの複数の編集方法の何れかを選択する操作を行うことによって、表示部に表示された文字列を、選択した選択方法で編集できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第WO96/16813号
【特許文献2】特開2004−272647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示部の大きさに制約があり、編集対象の文字列とレイアウト画像との少なくとも一部に別ウィンドウが重ねて表示される場合がある。この場合、文字列及びレイアウト画像の少なくとも一部が別ウィンドウによって見えなくなる。従って、ユーザが文字列の適切な編集を行うことができなかったり、レイアウト画像の確認ができなかったりする場合があるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、文字列の編集、及び、レイアウト画像の確認をユーザが適切に実行できる編集装置、及び、編集装置によって編集された文字列を印刷することが可能な印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る編集装置は、表示部の第1領域に、文字列が対応付けられるブロックを複数含む印刷イメージを表示させ、且つ、前記第1領域と異なる第2領域に、複数の前記ブロックの何れかに対応する文字列と、前記文字列に対する編集が行われる位置を特定可能なマークとを表示させる第1表示手段と、前記第1表示手段によって、前記印刷イメージが前記第1領域に表示され、且つ、前記文字列が前記第2領域に表示された状態で、複数の編集方法の何れかを選択可能な選択画像を、前記表示部のうち前記第1領域及び前記第2領域のそれぞれの少なくとも一部分を含む第3領域に表示させる第2表示手段と、前記第1領域に表示された前記印刷イメージに含まれる前記複数のブロックのうち、前記第2領域に表示された前記文字列に対応する対応ブロックと、前記第2表示手段によって前記第3領域に表示された前記選択画像とが重複するか判断する第1判断手段と、前記第1判断手段によって、前記対応ブロックと前記選択画像とが重複すると判断された場合、前記第1領域のうち前記第3領域を除く第1余剰領域に前記対応ブロックが全て表示されるように、前記印刷イメージの表示態様を変更する変更手段と、前記第2領域に表示された前記マークと、前記第2表示手段によって前記第3領域に表示された前記選択画像とが重複するか判断する第2判断手段と、前記第2判断手段によって、前記マークと前記選択画像とが重複すると判断された場合、前記文字列を縮小する文字列縮小手段と、前記文字列縮小手段によって縮小された前記文字列である縮小文字列及び前記マークを、前記第2領域のうち前記第3領域を除く第2余剰領域に表示させる文字列表示手段とを備えている。
【0008】
第1態様によれば、編集装置は、対応ブロックと選択画像とが重複する場合に、対応ブロックが第1余剰領域に全て表示されるように、印刷イメージの表示態様を変更する。この場合、対応ブロックと選択画像とは重複しない。このためユーザは、印刷イメージのうち対応ブロックを全て確認しながら、文字列の編集を行うことができるので、文字列の編集を適切に行うことができる。
【0009】
又、編集装置は、マークと選択画像とが重複する場合に、文字列を縮小する。編集装置は、縮小した文字列である縮小文字列及びマークを、第2余剰領域に表示させる。この場合、マークと選択画像とは重複しない。このためユーザは、文字列のうち編集が行われる位置をマークによって確認しながら、文字列の編集を行うことができるので、文字列の編集を適切に行うことができる。
【0010】
本発明の第2態様に係る印刷装置は、第1態様に係る編集装置と、前記表示部に表示された前記印刷イメージに基づき、印刷媒体に印刷する印刷手段とを備えている。第2態様によれば、印刷装置は、編集装置によって編集された文字列を印刷媒体に印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】印刷装置1の斜視図である。
図2】印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図3】文字列62の編集画面40を示す図である。
図4】第1メイン処理のフローチャートである。
図5】第2メイン処理のフローチャートである。
図6】第2メイン処理のフローチャートであって、図5の続きである。
図7】変形例における、文字列62の編集画面40を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、図1の上側、下側、右斜め上側、左斜め下側、左斜め上側、及び、右斜め下側を、夫々、印刷装置1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。図1に示すように、印刷装置1は、ユーザが手で持って操作することが可能なハンドヘルド型の電子機器である。印刷装置1は、キーボード5及びタッチパネル7に対する入力操作に応じて、表示部4に表示された文字列の編集を行うことが可能である。印刷装置1は、表示部4に表示された文字列に基づいて印刷データを作成し、作成した印刷データに基づいて、印刷媒体であるカバーフィルムに複数のドットを形成させて印刷を行いラベルを作成することが可能である。
【0013】
印刷装置1は、装置本体2及びカバー3を備える。装置本体2は、上下方向に長い略直方体形状を有する。装置本体2は、表示部4、キーボード5、カット操作レバー6、及び、タッチパネル7を有する。表示部4及びキーボード5は、装置本体2の前面に設けられ、カット操作レバー6は、装置本体2の左側面に設けられる。表示部4は、印刷対象の文字を表示可能な液晶ディスプレイである。表示部4の形状は、平面視横長の長方形である。タッチパネル7は、表示部4の表面に設けられる。キーボード5は、表示部4の下側に設けられる。キーボード5は、入力キー及び機能キーを含む。入力キーは、文字キー(文字、数字等)、方向キー(上下左右)、削除キー(「Delete」キー、「Back Space」キー)を含む。機能キーは、Functionキー(以下、「Fnキー」という。)、及び印刷実行キーを含む。カット操作レバー6は、押下されたことに応じて、カッタによってテープを切断し、テープのうち印刷が行われた部分を切り離す。
【0014】
装置本体2は、後側にカセット装着部(図示外)を備える。カセット装着部にはテープカセットを装着可能である。カバー3は、カセット装着部の後側に設けられる。カバー3は開閉可能である。カバー3は、閉じた状態でテープカセットを覆う。ユーザは、カバー3を開いた状態で、テープカセットを交換可能である。テープカセットは、インクリボンロール、基材テープロール、及び、カバーフィルムロールを備える。
【0015】
印刷装置1は、テープカセットのインクリボンロール、基材テープロール、及び、カバーフィルムロールの夫々から、インクリボン、基材テープ、及び、カバーフィルムを引き出す。印刷装置1は、サーマルヘッド10(図2参照)によってインクリボンを加熱し、カバーフィルムに印刷を行う。印刷装置1は、印刷されたカバーフィルムに基材テープを貼付する。以上によって印刷装置1は、印刷されたカバーフィルム及び基材テープが貼付されたラベルを作成する。
【0016】
図2を参照し、印刷装置1の電気的構成について説明する。印刷装置1は制御回路400を備える。制御回路400は、装置本体2(図1参)内に固定された制御基板上に形成される。制御回路400は、CPU401、ROM402、EEPROM403、RAM404、フラッシュROM405、及び、入出力インタフェイス410を含む。CPU401、ROM402、EEPROM403、RAM404、フラッシュROM405、及び、入出力インタフェイス410は、バス414を介して電気的に接続する。
【0017】
CPU401は、印刷装置1全体を制御する。ROM402には、CPU401が実行可能な第1メイン処理(図4参照)及び第2メイン処理(図5図6参照)のプログラムを記憶する。CPU401は、ROM402に記憶されたプログラムに基づいて各種演算を行う。EEPROM403には、文字、数字、記号、及び、バーコードを印刷するための印刷用ドットパターンデータが、書式やサイズ毎に分類され、コードデータに対応させて記憶されている。RAM404には、一時的なデータが記憶される。フラッシュROM405には、作成された印刷データが記憶される。
【0018】
入出力インタフェイス410には、キーボード5、タッチパネル7、駆動回路406、407、408、外部インタフェイス409が接続される。駆動回路406は、表示部4に画像を表示させるためのビデオRAM(図示外)を有し、表示部4の表示制御を行う。キーボード5は、選択されたキーの種別を示す情報を、入出力インタフェイス410に出力する。タッチパネル7は、接触された位置を示す座標情報を、入出力インタフェイス410に出力する。駆動回路407は、サーマルヘッド10の発熱素子を通電させる。駆動回路408は、モータ231、241を回転駆動する。モータ231はプラテンローラ23に接続する。プラテンローラ23は、モータ231が回転駆動することに応じて、カバーフィルム及びインクリボンをサーマルヘッド10に押し当てながら回転する。モータ241は押圧ローラ24に接続する。押圧ローラ24は、モータ241が回転駆動することに応じて、印刷されたカバーフィルムに基材テープを押し当てながら回転する。外部インタフェイス409は、外部機器9と通信を行うための通信ICである。外部機器9は、汎用のPCである。
【0019】
図3を参照し、表示部4に表示される編集画面40(編集画面40A〜40D)について説明する。<状態1>の編集画面40Aは、テープに印刷を行う文字列の編集を開始させるための操作がキーボード5を介して入力された場合に、表示部4に表示される。編集画面40Aには、第1領域50及び第2領域60が含まれる。第1領域50は、表示部4の上下中央よりも上側の領域である。第2領域60は、表示部4の上下中央よりも下側の領域である。
【0020】
第1領域50は、印刷イメージ51が表示される領域である。印刷イメージ51は、複数の文字列がカバーフィルムに印刷されて作成されたラベルのイメージを示す。印刷イメージ51には、2次元的に配置された3つのブロック51A、51B、51Cが含まれる。ブロック51Aは、上段の左右中央に配置される。ブロック51Bは、下段の左側に配置される。ブロック51Cは、下段の右側に配置される。ブロック51A、51B、51Cは、カバーフィルムに印刷される複数の文字列のそれぞれの位置を示す横長の長方形である。ブロック51A、51Bは、点線の長方形であり、ブロック51Cは、実線の長方形である。実線の長方形で示されたブロック51Cは、後述する第2領域60に示された文字列62に対応するブロックとしてユーザに選択された状態のブロックである。以下、実線の長方形で示された(即ち、ユーザによって選択された)ブロック51Cを、「選択ブロック51C」ともいう。選択ブロック51Cの内部には、第2領域60に示された文字列62と同じ「Brother indust」が表示されている。点線の長方形で示されたブロック51A、51Bは、ユーザによって選択されていない状態のブロック、即ち、選択ブロック51C以外のブロックである。ブロック51A、51Bの内部には、それぞれ、ブロックの名称を示す文字列「ラベル1−1」「識別A−1」が表示されている。
【0021】
第2領域60は、ユーザによって選択されたブロック、即ち、第1領域50のうち実線で示された選択ブロック51Cに対応する文字列62を編集するための領域である。第2領域60には、入力枠61が含まれる。入力枠61は、横長の四角形である。入力枠61内に、文字列62及びカーソル63が表示される。入力枠61に表示可能な文字列62の最大行数は1行である。文字列62は複数の文字62Aを含む。複数の文字62Aは左右方向に並ぶ。入力枠61に表示可能な文字62Aの最大文字数は20文字である。文字列62は左詰めで表示される。カーソル63は、文字列62が編集される場合の編集対象の位置を特定可能なマークである。カーソル63は、縦方向に延びる直線状の線分である。カーソル63の縦方向の長さは、複数の文字62Aの夫々の縦方向の長さと略等しい。カーソル63は周期的に点滅する。カーソル63は、複数の文字62Aの何れかの左側又は右側に配置される。
【0022】
例えば、キーボード5の文字キーが押下された場合、押下された文字キーに対応する文字は、文字列62のうちカーソル63の右側に追加されて表示される。この場合、カーソル63の右側の位置が、文字が追加される追加位置として特定される。なお、追加位置に文字が追加された場合、カーソル63は、追加された文字の右側に移動する。又、例えば、キーボード5の削除キーのうち「Delete」キーが押下された場合、文字列62の複数の文字62Aのうちカーソル63の右側の文字62Aが削除される。この場合、カーソル63の右側の位置が、文字62Aが削除される削除位置として特定される。なお、「Delete」キーの押下によって文字62Aが削除された場合、カーソル63は移動しない。又、例えば、キーボード5の削除キーのうち「Back Space」キーが押下された場合、文字列62の複数の文字62Aのうちカーソル63の左側の文字62Aが削除される。この場合、カーソル63の左側の位置が、文字が削除される削除位置として特定される。なお、「Back Space」キーの押下によって文字が削除された場合、カーソル63は、削除した文字62Aに対して左側に位置する文字62Aの右側に移動する。このためカーソル63は、文字列62の編集対象となる位置(追加位置又は削除位置)をユーザに認識させることができる。又、カーソル63は、キーボード5の方向キーが押下されたることに応じて、左右何れかの方向に移動する。なお、文字列62が上記のように編集された場合、対応する選択ブロック51C内には、編集後の文字列が表示される。
【0023】
なお上記のように、入力枠61に一度に表示可能な文字列62の行数、及び、複数の文字62Aの文字数には制約がある。その理由は、印刷装置1は手で持って操作されることを前提としており、据え置き型の印刷装置と比較して大きさが小さいので、表示部4の解像度も低いためである。このため、CPU401は、文字列62の複数の文字62Aの総数が最大文字数(20文字)よりも大きい場合、文字列62の複数の文字62Aの全てを入力枠61に一度に表示させることができない。この場合、CPU401は、カーソル63が入力枠61に常に表示されるように、文字列62を左方向に移動(スクロール)させる。
【0024】
なお、カーソル63の形状、及び、カーソル63に対する追加位置及び削除位置は、上記の例に限定されない。例えば、カーソル63の形状は、複数の文字62Aの夫々を覆うことが可能な大きさの長方形であってもよい。この場合、カーソル63は、文字列62の複数の文字62Aのうち左端(先頭)の文字62Aの左側、右端(末尾)の文字62Aの右側、及び、複数の文字62Aの何れかの位置に配置可能としてもよい。又、この場合、カーソル63の位置が追加位置及び削除位置として特定されてもよい。
【0025】
キーボード5のFnキーが押下された場合の編集画面40Bについて、図3の<状態2>を参照して具体的に説明する。Fnキーが押下された場合、表示部4のうち第1領域50及び第2領域60のそれぞれの左右方向の中心よりも右側に、選択画像71が表示される。以下、第1領域50及び第2領域60のうち、選択画像71が表示される領域を、第3領域70という。第1領域50のうち第3領域70を除く領域を、第1余剰領域50Aという。第2領域60のうち第3領域70を除く領域を、第2余剰領域60Aという。
【0026】
選択画像71の全体形状は、左右方向を長手方向とする長方形である。選択画像71の左右方向の長さは、表示部4の左右方向の長さの半分よりも短い。選択画像71の左端は、表示部4の左右方向の中心よりも右側に配置される。選択画像71の右端は、表示部4の右端よりも左側に配置される。選択画像71は、印刷イメージ51及び入力枠61よりも優先的に表示される。従って、印刷イメージ51及び入力枠61と選択画像71とが重複するように選択画像71が表示される場合、重複部分では選択画像71が優先的に表示され、印刷イメージ51及び入力枠61は表示されない。
【0027】
選択画像71内は、複数の編集方法「記号入力」「バーコード入力」「タブ入力」及び「削除」の夫々の文字が示されたメニュー画像701、702、703、704に区分されている。メニュー画像701〜704は縦方向に並ぶ。CPU401は、選択画像71のメニュー画像701〜704のうち何れかの位置をタッチする選択操作を、タッチパネル7を介して検出した場合、対応する編集方法によって文字列62を編集する。
【0028】
メニュー画像701(記号入力)は、キーボード5に含まれない記号を文字列62に追加する編集方法に対応する。CPU401は、メニュー画像701をタッチする選択操作を、タッチパネル7を介して検出した場合、追加可能な複数の記号の一覧を、「記号入力」の文字の代わりにメニュー画像701内に表示させる。CPU401は、複数の記号の何れかの位置をタッチする選択操作を、タッチパネル7を介して検出した場合、文字列62のうちカーソル63の右側の追加位置に、対応する記号を追加して表示させる。
【0029】
メニュー画像702(バーコード入力)は、バーコードを文字列62に追加する編集方法に対応する。CPU401は、メニュー画像702をタッチする選択操作を、タッチパネル7を介して検出した場合、複数桁の数字を入力可能な入力画面を、「バーコード入力」の文字の代わりにメニュー画像702に表示させる。CPU401は、複数桁の数字の入力操作を、キーボード5を介して検出した場合、検出した複数桁の数字を示すバーコードを作成する。CPU401は、文字列62のうちカーソル63の右側の追加位置に、作成したバーコードを追加して表示させる。
【0030】
メニュー画像703(タブ入力)は、タブを入力する編集方法に対応する。CPU401は、メニュー画像703をタッチする選択操作を、タッチパネル7を介して検出した場合、文字列62のうちカーソル63の右側の追加位置に、タブを追加して表示させる。
【0031】
メニュー画像704(削除)は、文字列62の複数の文字62Aの何れかを削除する編集方法に対応する。CPU401は、メニュー画像704をタッチする選択操作を、タッチパネル7を介して検出した場合、文字列62のうちカーソル63の左側の削除位置の文字62Aを削除する。メニュー画像704(削除)による編集方法は、キーボード5の「Back Space」キーが押下された場合の編集方法と同一である。
【0032】
なお、選択画像71には上記以外の他のメニュー画像が含まれていてもよい。又、選択画像71には、複数のメニュー画像の何れかが選択的に表示されるように、スクロールバーが設けられていてもよい。
【0033】
<状態1>の編集画面40Aの状態で、Fnキーが押下され、選択画像71が表示される場合を例に挙げる。<状態1>の場合、第1領域50の印刷イメージ51の選択ブロック51Cの位置は、表示部4の左右方向の中心よりも右側である。又、第2領域60の入力枠61内の「Brother indust」の文字列62が入力枠61内に表示されており、末尾の「t」の文字62Aの右側にカーソル63が表示されている。カーソル63の位置は、表示部4の左右方向の中心よりも右側である。<状態1>の第1領域50及び第2領域60の状態を維持しつつ選択画像71が表示されたと仮定した場合、選択ブロック51C、文字列62の一部、及び、カーソル63と、選択画像71とが重複する。この場合、選択ブロック51C、文字列62の一部、及び、カーソル63は選択画像71によって見えなくなる。
【0034】
これに対して、CPU401は、<状態2>の編集画面40Bで示されるように、表示された選択画像71に選択ブロック51Cが重複しない位置、言い換えれば、選択ブロック51Cが全て第1余剰領域50Aに配置されるまで、印刷イメージ51を左側に移動させる(矢印81)。このためユーザは、選択画像71が表示された後でも、印刷イメージ51中の選択ブロック51Cの位置、及び、選択ブロック51C内に表示された文字列を確認できる。又、CPU401は、文字列62を入力枠61内に左詰めで表示したときに、カーソル63が選択画像71に重複しないように、文字列62を縮小する。具体的には、はじめにCPU301は、カーソル63が選択画像71に重複しないという条件を満たす縮小率を、後述する方法によって算出する。次に、CPU401は、算出した縮小率に基づいて文字列62を縮小する。縮小された文字列62は、第2余剰領域60Aの入力枠61に収まる。このためユーザは、選択画像71が表示された後でも、文字列62、及び、文字列62に対するカーソル63の位置を確認できる。従ってユーザは、選択画像71のメニュー画像701〜704の何れかを選択することによる文字列62の編集を、選択ブロック51C、及び、入力枠61内の文字列62を見ながら容易に行うことができる。
【0035】
<状態2>の編集画面40Bの状態で、選択画像71のメニュー画像703(タブ入力)を選択する操作が行われた場合を例に挙げる。この場合、はじめにCPU401は、入力枠61内の文字列62に対する追加位置にタブを追加し、追加したタブの右側にカーソル63を移動させる。次にCPU401は、<状態3>の編集画面40Cで示されるように、タブが追加された後の文字列62を入力枠61内に左詰めで表示したときに、カーソル63が選択画像71に重複しないような縮小率を算出し、文字列62を更に縮小する。縮小された文字列62は、第2余剰領域60Aの入力枠61内に表示される。このためユーザは、選択画像71のメニュー画像703を選択して文字列62の編集を行った後も、文字列62に対するカーソル63の位置を継続して確認できる。なお、詳細な説明は省略するが、メニュー画像701(記号入力)、702(バーコード入力)の何れかを選択する操作が行われた場合も、CPU401は、編集後の文字列62を、第2余剰領域60Aの入力枠61内に左詰めで表示したときに、カーソル63が選択画像71に重複しないような縮小率を算出し、文字列62を更に縮小する。従ってユーザは、メニュー画像701〜703の何れかに対応する編集方法に応じた文字列62の編集が行われた後も、文字列62及びカーソル63を継続して認識できる。
【0036】
なお、上記において、印刷イメージ51の表示方法は特段限定されない。例えば、CPU401は、選択画像71のメニュー画像701〜703の何れかを選択する操作に応じて編集された文字列が、選択ブロック51C内に全て収まるように、文字列を縮小してもよい。又、例えばCPU401は、選択画像71のメニュー画像701〜703を選択する操作に応じて編集された文字列が、選択ブロック51C内に全て収まるように、選択ブロック51Cの左右方向の長さを伸長してもよい。なおCPU401は、選択ブロック51Cの左右方向の長さを伸長させた場合、選択画像71に選択ブロック51Cが重複しない位置まで、印刷イメージ51を左側に移動させてもよい。
【0037】
<状態3>の編集画面40Cの状態で、選択画像71のメニュー画像704(削除)を選択する操作が行われた場合を例に挙げる。この場合、はじめにCPU401は、文字列62のうちカーソル63の左側の削除位置のタブを削除し、削除したタブの左側の文字62A「t」の右側にカーソル63を移動させる。次にCPU401は、メニュー画像703(タブ入力)の選択によってタブを追加した場合に縮小した文字列62を、縮小する前の元の大きさに戻す。結果、編集画面は<状態2>の編集画面40Bの状態に戻る。
【0038】
一方、<状態3>の編集画面40Cの状態で、選択画像71のメニュー画像703(タブ入力)を再度選択する操作が行われた場合を例に挙げる。この場合、はじめにCPU401は、入力枠61内の文字列62に対する追加位置にタブを追加し、追加したタブの右側にカーソル63を移動させる。次にCPU401は、タブが追加された後の文字列62を入力枠61内に左詰めで表示したときに、カーソル63が選択画像71に重複しないような縮小率を算出する。ここでCPU301は、算出された縮小率が所定の縮小率よりも小さい場合、所定の縮小率(閾値T、後述)で文字列62を縮小する。なお、算出された縮小率よりも所定の縮小率の方が大きいので、縮小された文字列62を入力枠61に左詰めで表示した場合、カーソル63と選択画像71とは重複する。この場合、カーソル63は選択画像71によって見えなくなる。
【0039】
そこでCPU401は、<状態4>の編集画面40Dに示すように、表示された選択画像71の左端の左側の位置にカーソル63が配置されるまで、言い換えれば、第2余剰領域60Aの入力枠61内にカーソルが配置されるまで、所定の縮小率で縮小した文字列62及びカーソル63を左側に移動させる(矢印82)。これによってユーザは、選択画像71のメニュー画像703を選択して文字列62の編集を行った後も、文字列62に対するカーソル63の位置を継続して確認できる。又、所定の縮小率で縮小された文字列62及びカーソル63が入力枠61に表示されるため、縮小によって文字列62が見え難くなることを抑制できる。
【0040】
<状態2>〜<状態4>の編集画面40B〜40Dの状態で、Fnキーが再び押下された場合、選択画像71は消去され、<状態1>の編集画面40Aに戻る。又、<状態1>〜<状態4>の何れかの状態で、キーボード5の「印刷実行」キーが押下された場合、CPU401は、印刷イメージ51をカバーフィルムに印刷するための印刷データを作成する。CPU401は、作成された印刷データに基づいて、印刷イメージ51をカバーフィルムに印刷し、ラベルを作成する。
【0041】
上記の文字列62の編集動作を実現するためにCPU401が実行する具体的な処理について説明する。第1メイン処理(図4参照)、及び、第2メイン処理(図5図6参照)は、文字列62の編集を開始させるための操作がキーボード5を介して行われた場合に、ROM402に記憶されたプログラムをCPU401が実行することによって開始される。第1メイン処理は、キーボード5の文字キーの押下による文字列62の編集処理に対応する。第2メイン処理は、選択画像71のメニュー画像701〜704(図3参照)の何れかを選択することによる文字列62の編集処理に対応する。第1メイン処理及び第2メイン処理は、並列して実行される。
【0042】
本実施形態では、入力枠61に表示される文字列62の複数の文字62Aは、全て、所定のフォントサイズ(以下、「初期サイズP」という。)の全角文字であり、一例として、幅5mmの大きさで表示される。
【0043】
第1メイン処理及び第2メイン処理において使用される変数(第1文字数及び第2文字数)について説明する。第1文字数は、選択画像71が表示されない状態の入力枠61に表示可能な、初期サイズPの文字の文字数を示す。第2文字数は、選択画像71が表示された状態で、入力枠61のうち選択画像71に重複しない部分、言い換えれば、第2余剰領域60Aの入力枠61に表示可能な、初期サイズPの文字の数を示す。第1文字数及び第2文字数は、ROM402に記憶される。
【0044】
CPU401によって第1メイン処理及び第2メイン処理が実行される場合に使用される第1バッファ、第2バッファ、第1カーソル位置、及び、第2カーソル位置について説明する。第1バッファには、キーボード5の文字キーの押下、又は、選択画像71のメニュー画像701〜704の何れかの選択に応じて、文字列62の複数の文字62A(図3参照)が順番に記憶される。なお、複数の文字62Aには、記号、バーコード、タブが含まれる。第2バッファには、第1バッファに記憶された文字列62のうち、入力枠61に表示される複数の文字62Aが表示される。第1カーソル位置は、文字列62の左端(先頭)からカーソル63の位置までの間の長さを、文字数で示す。第2カーソル位置は、カーソル63の表示位置を、入力枠61の左端からカーソル63の位置までの文字数で示す。第1バッファ、第2バッファ、第1カーソル位置、及び、第2カーソル位置は、RAM404に記憶される。なお、CPU401は、第1メイン処理及び第2メイン処理の開始時、第1バッファ、第2バッファ、第1カーソル位置、及び、第2カーソル位置に「0」を設定して初期化する。
【0045】
図4を参照し、第1メイン処理について説明する。CPU401は、表示部4の第1領域50に印刷イメージ51(図3参照)を表示させ、第2領域60に入力枠61(図3参照)を表示させる(S11)。CPU401は、表示された印刷イメージ51に含まれるブロック51A〜51Cの何れかをタッチする選択操作を、タッチパネル7を介して検出したか判断する(S13)。CPU401は、選択操作を検出しないと判断した場合(S13:NO)、処理をS29に進める。
【0046】
CPU401は、選択操作を検出したと判断した場合(S13:YES)、選択されたブロック51Cを選択ブロック51CとしてRAM404に記憶する。CPU401は、選択ブロック51Cを示す点線の長方形を、実線の長方形に変更する。CPU401は、キーボード5の入力キー(文字キー、方向キー、及び、削除キーの何れか)を押下する操作を検出したか判断する(S15)。CPU401は、入力キーを押下する操作を検出しないと判断した場合(S15:NO)、S13の処理によって検出された選択ブロック51Cを再度タッチする操作を、タッチパネル7を介して検出したか判断する(S21)。CPU401は、再度タッチする操作を検出しないと判断した場合(S21:NO)、処理をS15に戻す。CPU401は、再度タッチする操作を検出したと判断した場合(S21:YES)、実線の長方形で示された選択ブロック51Cを、元の点線の長方形に戻す。これによって、選択ブロック51Cはキャンセルされる。CPU401は処理をS13に戻す。
【0047】
CPU401は、入力キーを押下する操作を検出したと判断した場合(S15:YES)、第1バッファのうち、第1カーソル位置の左側又は右側を、押下された入力キーに対応する編集方法によって編集する(S17)。又、CPU401は、文字62Aの追加を行った場合、カーソル63を右側に1文字分移動させるために、第1カーソル位置及び第2カーソル位置に1を加算して更新する(S19)。又、CPU401は、「Back Space」キー押下による文字62Aの削除を行った場合、カーソル63を1文字分左側に移動させるために、第1カーソル位置及び第2カーソル位置から1を減算して更新する(S19)。
【0048】
例えばCPU401は、文字列62「Brothe」の複数の文字62A「B」「r」「o」「t」「h」「e」が第1バッファに記憶され、且つ、カーソル位置が「6」(「e」の右側)である状態で、入力キー「r」の押下を検出した場合、第1バッファに文字62A「r」を記憶して文字列62「Brother」とする。又、CPU401は、第1カーソル位置及び第2カーソル位置「6」に1加算して「7」に更新する。又、例えばCPU401は、この状態で削除キー「Back Space」の押下を検出した場合、第1バッファの文字62A「r」を削除して文字列62「Brothe」とする。又、CPU401は、第1カーソル位置及び第2カーソル位置「7」から1減算して「6」に更新する。
【0049】
CPU401は、第1カーソル位置が第1文字数以上であるか判断する(S23)。第1カーソル位置が第1文字数以上である場合、文字列62を左端(先頭)から入力枠61に全て表示させたと仮定した場合に、カーソル63の位置は、入力枠61の右端よりも右側に位置することになる。CPU401は、第1カーソル位置が第1文字数以上であると判断した場合(S23:YES)、第1バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのうち、第1カーソル位置の文字62Aから左側に第1文字数分を、第2バッファに記憶する。CPU401は、第2バッファに記憶した複数の文字62Aを、入力枠61に左詰めで表示させる(S25)。CPU401は、第2カーソル位置に第1文字数を設定して更新し、更新後の第2カーソル位置にカーソル63を表示させる(S25)。カーソル63は、入力枠61の右端に表示される。CPU401は、第1領域50に表示された印刷イメージ51の選択ブロック51Cに、第1バッファに記憶された文字列62を表示させる。CPU401は処理をS29に進める。
【0050】
一方、第1カーソル位置が第1文字数以上でない場合、文字列62を左端(先頭)から入力枠61に全て表示させたと仮定した場合に、カーソル63の位置は、入力枠61の右端よりも左側に位置することになる。CPU401は、第1カーソル位置が第1文字数以上でないと判断した場合(S23:NO)、第1バッファに記憶された文字列62のうち、先頭から最大第1文字数分の文字62Aを、第2バッファに記憶する。CPU401は、第2バッファに記憶した複数の文字62Aを、入力枠61に左詰めで表示させる(S27)。これによって、第1バッファに記憶された文字列62は、先頭から左詰めで入力枠61に表示される。CPU401は、第2カーソル位置にカーソル63を表示させる(S25)。CPU401は、第1領域50に表示された印刷イメージ51の選択ブロック51Cに、第1バッファに記憶された文字列62を表示させる。CPU401は処理をS29に進める。
【0051】
CPU401は、キーボード5の「印刷実行」キーを押下する操作を検出したか判断する(S29)。CPU401は、「印刷実行」キーを押下する操作を検出しないと判断した場合(S29:NO)、処理をS13に戻す。CPU401は、入力キーの押下を継続して待ち受ける。CPU401は、「印刷実行」キーを押下する操作を検出したと判断した場合(S29:YES)、第1バッファに記憶された文字列62をカバーフィルムに印刷するための印刷データを作成し、フラッシュROM405に記憶する(S31)。CPU401は、フラッシュROM405に記憶した印刷データに基づき、文字列62をカバーフィルムに印刷する(S33)。CPU401は、印刷されたカバーフィルムと基材テープとを貼付させることによって、ラベルを作成する。CPU401は第1メイン処理を終了させる。
【0052】
図5を参照し、第2メイン処理について説明する。CPU401は、Fnキーを押下する操作を検出したか判断する(S41)。CPU401は、Fnキーを押下する操作を検出しないと判断した場合(S41:NO)、処理をS41に戻す。CPU401は、Fnキーの押下を継続して待ち受ける。CPU401は、Fnキーを押下する操作を検出したと判断した場合(S41:YES)、第3領域70に選択画像71を表示させる(S43)。CPU401は処理をS45に進める。
【0053】
CPU401は、第1領域50に表示された印刷イメージ51の選択ブロック51Cに、表示された選択画像71が重複するか判断する(S45)。CPU401は、選択ブロック51Cに選択画像71が重複しないと判断した場合(S45:NO)、処理をS49に進める。
【0054】
CPU401は、選択ブロック51Cに選択画像71が重複すると判断した場合(S45:YES)、選択ブロック51Cが選択画像71に重複しないように、印刷イメージ51を左側に移動させる(S47)。具体的には、CPU401は、第1領域50のうち、選択画像71が表示された第3領域70と重複しない領域、即ち第1余剰領域50Aに、選択ブロック51Cが全て配置されるまで、印刷イメージ51を左側に移動させる(S47)。CPU401は、移動させた印刷イメージ51を表示させる(S48)。CPU401は処理をS49に進める。
【0055】
CPU401は、第2カーソル位置が第2文字数よりも大きいか判断する。第2カーソル位置が第2文字数よりも大きい場合、第2バッファに記憶された文字列62が全て入力枠61に表示された状態で選択画像71が第3領域70に表示されたと仮定した場合に、カーソル63は選択画像71と重複する。この場合、カーソル63の位置をユーザは確認できなくなる。
【0056】
CPU401は、第2カーソル位置が第2文字数よりも大きいと判断した場合(S49:YES)、縮小率Sを算出する(S51)。縮小率Sは、第2バッファに記憶された文字列62の先頭からカーソル63までの文字62Aの大きさを縮小するために乗算されるパラメータである。具体的には、CPU401は、第2文字数を第2カーソル位置で除算し、縮小率Sを算出する。なお、算出される縮小率Sは、第2バッファに記憶された文字列62の先頭からカーソル63までの文字のそれぞれを初期サイズで示したときの横方向の長さL1を、初期サイズの文字を第2文字数分横に並べたときの横方向の長さL2以下とするために、L1に対して乗算されるパラメータでもある。
【0057】
CPU401は、算出した縮小率SをRAM404に記憶する。例えば、第2カーソル位置が「18」、第2文字数が「15」の場合、「15/18=0.83」が縮小率Sとして算出される。CPU401は、算出した縮小率Sが所定の閾値T(例えば0.75)未満であるか判断する(S53)。CPU401は、算出した縮小率Sが閾値T未満でないと判断した場合(S53:NO)、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズを、初期サイズPに縮小率Sを乗算したサイズに変更(縮小)する(S57)。CPU401は、それぞれの文字62Aのフォントサイズが縮小率Sに基づいて縮小された文字列62を、入力枠61に左詰めで表示させる(S58)。CPU401は、第2カーソル位置にカーソル63を表示させる(S58)。CPU401は処理をS61(図6参照)に進める。なお、上記の処理が実行された場合、入力枠61のうち選択画像71に近接する位置にカーソル63が表示される。このためユーザは、文字列62に対するカーソル63の位置を確認できる。
【0058】
CPU401は、算出した縮小率Sが閾値T未満であると判断した場合(S53:YES)、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズを、初期サイズPに閾値T(例えば0.75)を乗算したサイズに変更(縮小)する(S55)。CPU401は、閾値Tに基づいて縮小された文字列62を入力枠61に左詰めで表示させたときに、選択画像71と重複する文字62Aの数(以下、「オフセット数C」という。)を算出する。CPU401は、閾値Tに基づいて縮小された文字列62のうち、先頭からオフセット数C番目以降の文字62Aを、入力枠61に左詰めで表示させる(S56)。CPU401は、第2カーソル位置からオフセット数Cを減算して更新し、更新後の第2カーソル位置にカーソル63を表示させる(S56)。これによって、CPU401は、閾値Tに基づいて縮小された文字列62の先頭からカーソル63の位置までの左右方向の長さが、第2余剰領域60Aの入力枠61に収まらない場合に、縮小された文字列62をオフセット数Cの文字数分左に移動させて入力枠61に表示させることができる。CPU401は処理をS61(図6参照)に進める。なお、上記の処理が実行された場合、入力枠61のうち選択画像71に近接する位置にカーソル63が表示される。このためユーザは、文字列62に対するカーソル63の位置を確認できる。
【0059】
図6に示すように、CPU401は、表示部4に表示させた選択画像71のメニュー画像701〜704の何れかを選択する操作を検出したか判断する(S61)。CPU401は、メニュー画像701〜704の何れかを選択する操作を検出したと判断した場合(S61:YES)、以下に示すように、選択されたメニュー画像701〜704の何れかに応じた処理を行う(S69、S71)。
【0060】
S69、S71の処理を具体的に説明する。メニュー画像701(記号入力)を選択する操作が検出された場合、CPU401は、第1バッファに記憶された文字列62のうち第1カーソル位置の右側に、記号を1文字分追加し、第2バッファに記憶された文字列62のうち第2カーソル位置の右側に、記号を1文字分追加する(S69)。又、CPU401は、第1カーソル位置及び第2カーソル位置に1加算して更新する(S71)。メニュー画像702(バーコード入力)を選択する操作が検出された場合、CPU401は、第1バッファに記憶された文字列62のうち第1カーソル位置の右側に、バーコードを追加し、第2バッファに記憶された文字列62のうち第2カーソル位置の右側に、バーコードを追加する(S69)。又、CPU401は、追加したバーコードの左右方向の長さ(以下、「X」と表記する。)を、第1カーソル位置及び第2カーソル位置に加算して更新する(S71)。メニュー画像703(タブ入力)を選択する操作が検出された場合、CPU401は、第1バッファに記憶された文字列62のうち第1カーソル位置の右側に、タブを追加し、第2バッファに記憶された文字列62のうち第2カーソル位置の右側に、タブを追加する(S69)。又、CPU401は、追加したタブの左右方向の長さ(以下、「Y」と表記する。)を、第1カーソル位置及び第2カーソル位置に加算して更新する(S71)。メニュー画像704(削除)を選択する操作が検出された場合、CPU401は、第1バッファに記憶された文字列62のうち第1カーソル位置の左側の文字を削除し、第2バッファに記憶された文字列62のうち第2カーソル位置の左側の文字を削除する(S69)。又、CPU401は、第1カーソル位置及び第2カーソル位置から1減算して更新する(S71)。
【0061】
CPU401は処理をS51(図5参照)に戻す。CPU401は、第2カーソルに基づき、上記で説明した方法と同様の方法で縮小率Sを算出する(S51)。CPU401は、算出した縮小率Sに基づき、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aを縮小し(S55、S57)、入力枠61に表示させる(S56、S58)。
【0062】
具体例を挙げて説明する。第2カーソル位置が「18」、第2文字数が「15」の状態で、メニュー画像703(タブ入力)を選択する操作が検出された場合を例に挙げる。タブの左右方向の長さYは「2」とする。閾値Tは「0.75」とする。第1カーソル位置及び第2カーソル位置に「2」が加算されて更新され、第2カーソル位置は「20」に更新される。この場合、「15/20=0.75」が縮小率Sとして算出される。算出された縮小率Sは閾値T未満でないので、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズは、初期サイズPに縮小率Sを乗算したサイズに変更(縮小)される(S57)。縮小率Sに基づいて縮小された文字列62及びカーソル63は、入力枠61に左詰めで表示される(S58)。
【0063】
更にメニュー画像703(タブ入力)を選択する操作が検出された場合を例に挙げる。第1カーソル位置及び第2カーソル位置に「2」が加算されて更新され、第2カーソル位置は「22」に更新される。この場合、「15/22=0.68」が縮小率Sとして算出される。算出された縮小率Sは閾値T未満であるので、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズは、初期サイズPに閾値Tを乗算したサイズに変更(縮小)される(S55)。閾値Tに基づいて縮小された文字列62が入力枠61に左詰めで表示されたときに、選択画像71と重複する文字62Aの数がオフセット数Cとして算出される。閾値Tに基づいて縮小された文字列62のうち、先頭からオフセット数C番目の以降の文字62Aは、入力枠61に左詰めで表示される(S56)。文字列62Aのうち編集位置にカーソル63が表示される(S56)。これによって、CPU401は、閾値Tに基づいて縮小された文字列62の先頭からカーソル63の位置までの左右方向の長さが、第2余剰領域60Aの入力枠61に収まらない場合に、縮小された文字列62をオフセット数Cの文字数分左に移動させて入力枠61に表示させることができる。なおこの場合、縮小された文字62Aの先頭からオフセットC分の文字は、入力枠61に表示されなくなる。
【0064】
図6に示すように、CPU401は、メニュー画像701〜704を選択する操作を検出しないと判断した場合(S61:NO)、Fnキーを再び押下する操作を検出したか判断する(S63)。CPU401は、Fnキーを押下する操作を検出しないと判断した場合(S63:NO)、処理をS61に戻す。CPU401は、メニュー画像701〜704の何れかを選択する操作を継続して待ち受ける。CPU401は、Fnキーを再び押下する操作を検出したと判断した場合(S61:YES)、第3領域70に表示された選択画像71を消去させる(S65)。
【0065】
CPU401は、S47(図5参照)の処理によって印刷イメージ51を左側に移動させている状態の場合、印刷イメージ51を右側に移動させて元の位置に戻す(S67)。CPU401は、元の位置に戻した印刷イメージ51を、第1領域50に表示させる(S67)。
【0066】
CPU401は、S55、S57の処理によって文字列62のフォントサイズを縮小させている状態の場合、文字列62のフォントサイズを元の初期サイズに戻す(S67)。CPU401は、第1カーソル位置が第1文字数以上である場合、第1バッファに記憶された文字列62のうち、第1カーソル位置の文字から左側に第1文字数分を、第2バッファに記憶する。CPU401は、第2バッファに記憶した複数の文字62Aを、入力枠61に左詰めで表示させる(S67)。CPU401は、第2カーソル位置を更新し、更新後の第2カーソル位置にカーソル63を表示させる(S67)。一方、CPU401は、第1カーソル位置が第1文字数以上でない場合、第1バッファに記憶された文字列62のうち、第1カーソル位置の文字よりも左側の全ての文字を、第2バッファに記憶する。CPU401は、第2バッファに記憶した複数の文字62Aを、入力枠61に左詰めで表示させる(S67)。
【0067】
CPU401は、第1メイン処理(図4参照)のS33の処理が実行され、印刷が行われたか判断する(S73)。CPU401は、印刷が行われていないと判断した場合(S73:NO)、処理をS41(図5参照)に戻す。CPU401は、Fnキーを押下する操作を継続して待ち受ける。CPU401は、印刷が行われたと判断した場合(S73:YES)、第2メイン処理を終了させる。
【0068】
以上説明したように、印刷装置1のCPU401は、キーボード5のFnキーが押下されたことに応じて選択画像71を表示させるときに、印刷イメージ51のブロック51A〜51Cのうちユーザによって選択された選択ブロック51Cと選択画像71とが重複するか判断する(S45)。CPU401は、重複すると判断した場合(S45:YES)、選択ブロック51Cが全て第1余剰領域50Aに表示されるように、印刷イメージ51を左側に移動させ(S47)、表示させる(S49)。これによって、選択ブロック51Cと選択画像71とが重複し、選択ブロック51Cの少なくとも一部が見えなくなることを抑制できる。このためユーザは、印刷イメージ51の選択ブロック51Cを全て確認しながら、文字列62の編集を行うことができるので、文字列62の編集を適切に行うことができる。
【0069】
CPU401は、キーボード5のFnキーが押下されたことに応じて選択画像71を表示させるときに、カーソル63と選択画像71とが重複するか判断する(S49)。CPU401は、重複すると判断した場合(S49:YES)、第2余剰領域60Aの入力枠61に文字列62が収まるように、文字列62を縮小する(S55、S57)。CPU401は、縮小した文字列62及びカーソル63を、第2余剰領域60Aの入力枠61内に表示させる(S56、S58)。これによって、カーソル63と選択画像71とが重複し、カーソル63が見えなくなることを抑制できる。このためユーザは、文字列62のうち編集が行われる位置をカーソル63によって確認しながら、文字列62の編集を行うことができるので、文字列62の編集を適切に行うことができる。
【0070】
CPU401は、算出した縮小率Sと閾値Tとを比較する(S53)。CPU401は、縮小率Sが閾値T未満の場合(S53:YES)、縮小率Sの代わりに閾値Tを用いて文字列62を縮小する(S55)。これによってCPU401は、閾値Tよりも小さい縮小率Sで文字列62を縮小することを抑制できる。従って、CPU401は、閾値Tよりも小さい縮小率Sで縮小された文字列62が入力枠61に表示されることによって、文字列62の視認性が悪化することを抑制できる。このため、CPU401は、入力枠61に表示された編集対象の文字列62の視認性を良好な状態に維持できる。
【0071】
CPU401は、閾値Tを用いて文字列62を縮小した場合(S55)であって、縮小した文字列62の先頭からカーソル63の位置までの部分の横方向の長さが、第2余剰領域60Aの入力枠61に収まらない場合には、縮小された文字列62及びカーソル63をオフセット数Cの文字数分左に移動させて入力枠61に表示させることができる。これによって、閾値Tを用いて文字列62が縮小された場合でも、ユーザは、文字列62のうち編集が行われる位置をカーソル63によって確認しながら、文字列62の編集を行うことができる。
【0072】
CPU401は、選択画像71のメニュー画像701〜704の何れかをタッチする選択操作を検出した場合(S61:YES)、対応する編集方法によって文字列62を編集する(S69)。CPU401は、編集に応じてカーソル63を移動させる(S71)。CPU401は、移動後のカーソル63の位置に基づいて、縮小率を算出する(S51)。これによって、CPU401は、選択画像71による文字列62の編集を行った後も、カーソル63が選択画像71に重複することを抑制できる。従ってユーザは、メニュー画像701〜704の何れかをタッチする操作によって文字列62を編集した後も、文字列62のうち編集が行われる位置をカーソル63によって確認しながら、文字列62の編集を行うことができる。このため、ユーザは、文字列62の編集を更に適切に行うことができる。
【0073】
なお、S11、S25、S27の処理を行うCPU401は本発明の「第1表示手段」の一例である。S43の処理を行うCPU401は本発明の「第2表示手段」の一例である。S45の処理を行うCPU401は本発明の「第1判断手段」の一例である。S47、S48の処理を行うCPU401は本発明の「変更手段」の一例である。S49の処理を行うCPU401は本発明の「第2判断手段」の一例である。S55、S57の処理を行うCPU401は本発明の「文字列縮小手段」の一例である。S56、S58の処理を行うCPU401は本発明の「文字列表示手段」の一例である。S47の処理を行うCPU401は本発明の「イメージ移動手段」の一例である。S48の処理を行うCPU401は本発明の「第1イメージ表示手段」の一例である。S51の処理を行うCPU401は本発明の「算出手段」の一例である。S53の処理を行うCPU401は本発明の「第3判断手段」の一例である。S61の処理を行うCPU401は本発明の「受付手段」の一例である。S33の処理を行うCPU401は本発明の「印刷手段」の一例である。カーソル63は本発明の「マーク」の一例である。縮小率Sは本発明の「第1割合」の一例である。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態において、CPU401は、キーボード5のFnキーが押下されたことに応じて選択画像71を第3領域70に表示させた場合、選択画像71に選択ブロック51Cが重複しない位置、言い換えれば、選択ブロック51Cが全て第1余剰領域50Aに配置されるまで、印刷イメージ51を左側に移動させた(矢印81(図3参照)、S47(図5参照))。これに対して、CPU401は、印刷イメージ51の表示態様を別の方法で変更してもよい。以下、本発明の変形例について説明する。
【0075】
図7を参照し、表示部4に表示される編集画面40(編集画面40A、40E)について説明する。<状態1>の編集画面40Aは図3と同一である。キーボード5のFnキーが押下され、第3領域70に選択画像71が表示された場合について、<状態5>の編集画面40Eを参照して説明する。図3の<状態2>の編集画面40B〜40Dと異なる点は、縮小された印刷イメージ51が第1余剰領域50Aに配置される点である。即ち、CPU401は、はじめに、選択ブロック51Cが全て第1余剰領域50Aに配置されるまで、印刷イメージ51を左側に移動させる(矢印82)。次に、CPU401は、移動後の印刷イメージ51が第1余剰領域50Aに全て収まっているかを判断する。CPU401は、移動後の印刷イメージ51が第1余剰領域50Aに収まらず、移動後の印刷イメージ51の一部が第1余剰領域からはみ出てしまうと判断した場合、印刷イメージ51が第1余剰領域50Aに全て収まるように、印刷イメージ51を縮小する。次に、CPU401は、縮小した印刷イメージ51を第1余剰領域50Aに表示させる。この場合、ユーザは、選択画像71が表示された後でも、印刷イメージ51全体を確認できる。なお、第2余剰領域60Aの入力枠61に文字列62を表示させる方法は、上記実施形態と同一である。
【0076】
図5を参照し、変形例における第2メイン処理について説明する。上記実施形態の第2メイン処理と異なる処理は、S47、S48である。CPU401は、選択ブロック51Cに選択画像71が重複すると判断した場合(S45:YES)、選択ブロック51Cが第1余剰領域50Aに収まるように、印刷イメージ51を左側に移動させる(S47)。CPU401は、印刷イメージ51の一部が第1余剰領域50Aからはみ出てしまうと判断した場合、印刷イメージ51が第1余剰領域50Aに収まるように、印刷イメージ51を縮小する(S47)。具体的には、CPU401は、印刷イメージ51の横方向の長さL3を、第1余剰領域50Aの横方向の長さL4で除算した値を、縮小率Uとして算出する。CPU401は、移動後の印刷イメージ51の縦方向及び横方向の夫々の長さを、縮小率Uに基づいて縮小する。CPU401は、縮小した印刷イメージ51を第1余剰領域50Aに表示させる(S48)。CPU401は処理をS49に進める。
【0077】
以上説明したように、CPU401は、選択ブロック51Cと選択画像71とが重複すると判断した場合(S45:YES)、印刷イメージ51が第1余剰領域50Aよりも小さくなるまで、印刷イメージ51を縮小する(S47)。CPU401は、縮小した印刷イメージ51を、第1余剰領域50Aに表示させる(S48)。これによって、CPU401は、選択ブロック51Cと選択画像71とが重複することを抑制し、且つ、印刷イメージ51の一部が見えなくなることを抑制できる。このためユーザは、印刷イメージ51を全て確認しながら、文字列62の編集を行うことができるので、文字列62の編集を適切に行うことができる。
【0078】
なお、上記変形例におけるS47の処理を行うCPU401は本発明の「イメージ縮小手段」の一例である。S48の処理を行うCPU401は本発明の「第2イメージ表示手段」の一例である。
【0079】
上記実施形態において、CPU401は、表示部4の左右方向の中心よりも右側に選択画像71を表示させた。CPU401は、表示部4の左右方向の中心よりも左側に選択画像71を表示させてもよい。上記実施形態において、選択画像71の左右方向の長さを、表示部4の左右方向の長さよりも短くした。又、選択画像71は、表示部4の左右方向の中心よりも右側に表示された。これに対し、選択画像71の左右方向の長さを、表示部4の左右方向の長さの半分よりも長くしてもよい。この場合、選択画像71は、表示部4の左右方向の中心に対して左右両側に配置されることになる。CPU401は、左右方向の長さが上記実施形態と比較して大きい選択画像71の左端よりも左側にカーソル63が表示されるように、文字列62及びカーソル63を左側に移動させてもよい。又は、CPU401は、左右方向の長さが上記実施形態と比較して大きい選択画像71の右端よりも右側にカーソル63が表示されるように、文字列62及びカーソル63を右側に移動させてもよい。
【0080】
上記実施形態において、選択画像71は、表示部4の左右方向の中心よりも右側に固定的に表示された。これに対して、CPU401は、Fnキーの種別に応じて、選択画像71を右側に表示させるか、又は左側に表示させるかを切り替えてもよい。又、CPU401は、Fnキーの種別に応じて、選択画像71に含めるメニュー画像701〜704を切り替えてもよい。又、CPU401は、選択画像71に含めるメニュー画像701〜704によって示される編集方法に応じて、所定値を切り替えてもよい。
【0081】
上記において、CPU401は、第2文字数を第2カーソル位置で除算し、縮小率Sを算出した。CPU401は、別の方法で縮小率Sを算出してもよい。例えば、CPU401は、第2バッファに記憶された文字62Aを初期サイズで入力枠61に表示したときに選択画像71によって見えなくなる文字数を、第2カーソル位置で除算し、縮小率sを算出してもよい。CPU401は、算出した縮小率sを所定の閾値t(例えば、0.20)と比較してもよい。CPU401は、算出した縮小率sが閾値t以下の場合、算出した縮小率sを1から減算して得られる値(1−s)を算出してもよい。CPU401は、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズを、初期サイズPに値(1−s)を乗算したサイズに変更(縮小)してもよい。一方、CPU401は、算出した縮小率sが閾値tよりも大きい場合、閾値tを1から減算して得られる値(1−t)を算出してもよい。CPU401は、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズを、初期サイズPに値(1−t)を乗算したサイズに変更(縮小)してもよい。
【0082】
具体的には次の通りである。第2カーソル位置が「18」、第2文字数が「15」の場合を例に挙げる。「3/18=0.17」が縮小率sとして算出される。この場合、初期サイズで示された文字62Aの左右方向の長さのうち17%分を縮小しなければならないことになる。CPU401は、縮小率sを閾値t(例えば、0.20)と比較する。縮小率sは閾値t以下であるので、CPU401は、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズを、初期サイズPに値(1−s=0.83)を乗算したサイズに変更(縮小)する。
【0083】
一方、第2カーソル位置が「19」、第2文字数が「15」の場合を例に挙げる。「4/19=0.21」が縮小率sとして算出される。この場合、初期サイズで示された文字62Aの左右方向の長さのうち21%分を縮小しなければならないことになる。CPU401は、縮小率sを閾値t(例えば、0.20)と比較する。縮小率sは閾値tよりも大きいので、CPU401は、第2バッファに記憶された文字列62の複数の文字62Aのそれぞれのフォントサイズを、初期サイズPに値(1−t=0.80)を乗算したサイズに変更(縮小)する。この場合において、縮小率sは本発明の「第2割合」の一例である。
【0084】
上記において、CPU401は、算出した縮小率Sに基づく縮小の対象を、第2バッファに記憶された文字62Aとした。これに対して、CPU401は、第1バッファに記憶された文字62Aを、算出した縮小率Sに基づいて縮小し、入力枠61に表示させてもよい。この場合、入力された全ての文字62Aが縮小されて入力枠61に表示されることになるので、ユーザは、入力した全ての文字62Aを、選択画像71が表示された後も認識できる。
【符号の説明】
【0085】
1 :印刷装置
4 :表示部
5 :キーボード
10 :サーマルヘッド
23 :プラテンローラ
24 :押圧ローラ
50 :第1領域
51 :第1余剰領域
60 :第2領域
60A :第2余剰領域
62 :文字列
62A :文字
63 :カーソル
70 :第3領域
71 :選択画像
401 :CPU
701、702、703、704:メニュー画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7