(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動部は、駆動により前記流路外部の流体圧に対して前記流路内部における吸入口側の流体圧を負圧とし、前記流路における排出口側の流体圧を正圧とする、請求項1に記載の吸入装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の吸入装置は、使用時に発生するモータ音や振動が大きく問題となることがあった。例えば、鼻水等の吸引用の吸入装置では、乳幼児等がモータ音や振動に反応して体を動かし、鼻水の吸引作業を行い難くなる場合があった。また、陰圧閉鎖治療法用の吸入装置では、長時間にわたって装置を連続駆動する必要があるため、モータ音や振動に患者が不快感を覚えることがあった。特に、吸入装置を患部や肌に接触させて装着する場合には、振動によって非常に大きな不快感を患者が覚えることがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、使用時の音や振動を抑制できる吸入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る吸入装置は、流体を吸い込む吸入口と、前記流体を排出する排出口と、前記吸入口と前記排出口とを除いて外部から密閉された、前記流体が流れる流路と、を有する流路形成部と、前記流路に前記流体の流れを生じさせる駆動部と、を備え、前記駆動部において、前記流体に駆動力を伝える可動部の全体が前記流路内に配置されている。特には、前記駆動部は、駆動により前記流路内における吸入口側の流体圧を前記流路外部の流体圧に対して負圧とし、前記流路における排出口側の流体圧を前記流路外部の流体圧に対して正圧とすることが好ましい。
【0010】
これらの構成では、密閉した流路内に駆動部を収容することで、流路内から駆動音や振動を漏れ難くできる。なお、駆動部における可動部を除くその他の部分は、流路形成部と別体に構成されてもよく、一体に構成されてもよい。一体に構成される場合には、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0011】
前記流路形成部は、前記可動部が内部で動くことによって内部の容積が変動するポンプ室を更に有し、前記ポンプ室は、前記流路を介して外部と常に連通していることが好ましい。
【0012】
この構成では、ポンプ室を開閉するバルブや弁のような複雑な機構が不要であり、吸入装置を簡易な構成とすることができる。また、駆動部が動作を停止する際にポンプ室の圧力が流路を介して速やかに大気圧に開放されるため、駆動部が動作を停止した後に鼻腔等が吸着され続けることが無い。このため、駆動部の動作停止時に圧力を開放するための操作が不要であり、吸入装置の肌離れや応答性が良く、この点でも利用者に不快感を与え難い。
【0013】
前記可動部は、駆動電圧の印加により変形する圧電体と、前記圧電体が貼り付けられた弾性体と、を備えることが好ましい。
【0014】
この構成では、駆動部で、モータのように摺動が生じることがなく、駆動部で生じる駆動音や振動を更に抑制することができる。
【0015】
前記流路は排出側での総断面積が、吸入側での総断面積よりも小さいことが好ましい。
【0016】
この構成では、流路形成部の排出口側から漏れる駆動部の駆動音や振動を抑制できる。
【0017】
前記駆動部が吸入する流体の流れる方向と、前記駆動部が排出する流体の流れる方向と、が略同一であることが好ましい。
【0018】
この構成では、排出口側での流体の経路長を短く(または経路長を略ゼロに)でき、流体の経路で生じる流体の圧力損失を抑制できる。これにより、外部から吸入する流体の流量や流速の増加や、装置サイズの小型化を図ることができる。また、駆動部前後の流体の経路は流体のバッファとなるため、流体の経路長が長ければ、駆動部が駆動を開始してから流体が所定の圧力となるまでに要する時間が長くなってしまう。しかしながら本構成では、流体の経路長を短くできるのでバッファを小さくでき、駆動部が駆動を開始してから流体が所定の圧力となるまでに要する時間が短い、応答性の高い吸入装置を構成することができる。
【0019】
前記吸入装置は、前記流体に含まれる捕集物を遮蔽するフィルタを更に備えることが好ましい。
【0020】
この構成では、流体に含まれる捕集物が駆動部に達することを防ぐことができ、駆動部を安定して駆動できる。また、フィルタによって、流路形成部における吸入口側からの駆動音や振動の漏れを抑制できる。
【0021】
前記吸入装置は、前記流路形成部の前記吸入口を設けた前端部を外部に露出した状態で、前記流路形成部の前記排出口を設けた後端部を収容する内部空間と、前記内部空間に通じる空気口と、を設けた筐体を更に備えてもよい。
【0022】
この構成では、鼻水などの吸引作業を行うことができる携帯型の吸入装置を構成することができる上、流路形成部における排出口側からの駆動音や振動の漏れを筐体によって抑制できる。なお、筐体と流路形成部とは別体に構成されてもよく、一体に構成されてもよい。筐体と流路形成部とが一体に構成される場合にも、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0023】
前記流路形成部は、前記流路における前記駆動部よりも流体の流れの上流側に設けられ前記流体に含まれる捕集物を貯蔵する貯蔵部を更に備えることが好ましい。
【0024】
この構成では、捕集物の取り扱いが容易となる。なお、貯蔵部と流路形成部を構成するその他の部分とは別体に構成されてもよく、一体に構成されてもよい。筐体と流路形成部を構成するその他の部分とが一体に構成される場合にも、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0025】
前記吸入装置は、前記吸入口に通じる開口を有し、創傷部位に貼り付けられる保護フィルムを更に備えてもよい。
【0026】
この構成では、吸入装置を陰圧閉鎖治療法に用いることができる。そして、この吸入装置では、駆動音や振動が抑制されるので、陰圧閉鎖治療法を受ける患者が不快感を覚えることを抑制でき、吸入装置を患部や肌に接触させて装着することが容易になる。
【0027】
前記貯蔵部は、前記吸入口に通じる袋口部と、前記袋口部を除いて密閉した内側空間を有する膨縮自在な膨縮部と、を備える、袋状の内部キャニスタであることが好ましい。
【0028】
この構成では、吸入口から吸入する流体が流路に直接流れ込むことを防ぐことができる。また、内部キャニスタによって、流路形成部からの駆動音や振動の漏れを抑制できる。なお、内部キャニスタと流路形成部とは別体に構成されてもよく、一体に構成されてもよい。内部キャニスタと流路形成部とが一体に構成される場合にも、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0029】
前記袋口部は、前記吸入口から着脱自在であることが好ましい。
【0030】
この構成では、外部から吸入した流体の吸入装置からの取り出しが容易にできるようになり、また、流路の洗浄のような作業が不要になる。
【0031】
前記袋口部は、前記膨縮部と前記吸入口とを密閉して繋げることが好ましい。また、前記膨縮部は、内部に液体を固定化する固定材を更に備えることが好ましい。
【0032】
これらの構成では、内部キャニスタからの流体の漏れをより確実に防ぐことができる。
【0033】
前記流体は、気体であることが好ましい。
【0034】
この構成では、駆動部で発生した音が気体を媒介して伝わりやすいため、流路形成部による遮蔽の効果により、流路の外への音の伝播を顕著に抑制できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、駆動音や振動の発生自体を抑制することや、発生した駆動音や振動が外部に漏れることを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
【0038】
以下、吸入装置の使用時に、吸引作業を受ける患部等に向けられる方向を前方と呼び、流体が吸引される方向を後方と呼ぶ。
【0039】
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る吸入装置9の側面図である。
【0040】
吸入装置9は、ここでは鼻水等の液体吸入装置であり、流路形成部1と筐体4とを備えている。流路形成部1は、吸入装置9の前方端に配されており、使用時に患部等に向けられる。筐体4は、吸入装置9の後方端に配されており、使用時に操作者等に把持される。
【0041】
流路形成部1は、ノズル11とセパレータ12と駆動部13と貯蔵部14とを備えている。ノズル11とセパレータ12と駆動部13と貯蔵部14とは、それぞれ分離可能に構成し、これにより各々の洗浄を容易としている。また、ノズル11とセパレータ12と駆動部13と貯蔵部14との連結部分には、図示しないパッキン等を設けており、これにより各連結部分を密閉している。なお、ノズル11とセパレータ12と駆動部13と貯蔵部14とは、各々適宜に一体に構成してもよい。
【0042】
筐体4は、上端および下端が閉塞した筒状の部材である。筐体4の内部には、バッテリや給電回路等の図示しない部品を収容する内部空間5を設けている。筐体4の外面の前方には、内部空間5に通じる連結口6を設けている。筐体4の外面の後方には、内部空間5に通じる複数の空気口7を設けている。連結口6は、流路形成部1の後端側が挿入され、これにより、流路形成部1と筐体4とを連結するようにしている。流路形成部1と筐体4との連結部分には、図示しないパッキン等を設けており、これにより連結部分を密閉している。なお、流路形成部1と筐体4とは、一体に構成してもよく、その場合には、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0043】
上述の各部の概略の動作は次のようなものである。ノズル11は、患者の鼻腔等に挿入して用いられ、鼻水等の流体を吸引する。セパレータ12は、ノズル11が吸引した流体に含まれる鼻水等の捕集物と気体とを分離する。貯蔵部14は、セパレータ12が分離した捕集物を貯留する。駆動部13は、セパレータ12が分離した気体を吸引して筐体4の内部空間5に排出する。筐体4の内部空間5は、複数の空気口7を介して筐体4の外部空間と通じることで、外部空間とほぼ同じ気圧に維持されており、このため、駆動部13が排出した気体は筐体4の内部空間5で拡散して圧力や流速が低下する。
【0044】
なお、複数の空気口7は、流路形成部1の駆動部13で生じる駆動音や振動が外部に漏れることを抑制するために、筐体4の上端近傍に配置される駆動部13から大きく離して、筐体4の下端近傍に設けると好適である。
【0045】
図1(B)は、流路形成部1の側面断面図である。流路形成部1の内部には流路2を設けている。流路2は、セパレータ12の内部に設けた上室23と、貯蔵部14の内部に設けた下室26と、ノズル11の内部に設けた流路21と、駆動部13の内部に設けた流路28と、を互いに密閉した状態で通じるように接続したものである。
【0046】
ノズル11は、前方端に近づくほど外形が細くなるように傾斜をつけた円筒状の部材である。ノズル11の前方端は、鼻水等を含む外部の流体を吸入する吸入口20を設けている。ノズル11の内部は、吸入口20に通じる流路21を設けている。鼻水等を含む外部の流体は、吸入口20から流路21を介してセパレータ12に吸引される。なお、ノズル11は、流路形成部1を構成するその他の部分と分離可能に構成してもよく、また、流路形成部1を構成するその他の部分と一体に構成してもよい。ノズル11を流路形成部1と一体に構成する場合には、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0047】
セパレータ12は、箱状の部材である。セパレータ12の前方面は、ノズル11の後方端が挿入される開口22を設けている。セパレータ12の後方面は、駆動部13の前方端が挿入される開口24を設けている。セパレータ12の下方面は、貯蔵部14の上方端が挿入される開口25を設けている。セパレータ12の内部は、開口22と開口24と開口25とに通じる上室23を設けている。上室23において、ノズル11の後方端と駆動部13の前方端とは、互いに所定の間隔を空けた状態で対向するように配置している。鼻水等を含む外部の流体は、ノズル11の流路21から上室23に吸引され、上室23の内部で下方に滴下する。これにより、セパレータ12が吸引する流体に含まれる鼻水等の液体と気体とが分離される。なお、セパレータ12も、流路形成部1を構成するその他の部分と分離可能に構成してもよく、また、一体に構成してもよい。セパレータ12を流路形成部1と一体に構成する場合にも、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0048】
貯蔵部14は、筒状の部材である。貯蔵部14の内部は、下室26を設けている。下室26は、貯蔵部14の上方端に開口しており、セパレータ12で分離されて滴下する鼻水等の液体を貯留する。なお、貯蔵部14も、流路形成部1を構成するその他の部分と分離可能に構成してもよく、また、一体に構成してもよい。貯蔵部14を流路形成部1と一体に構成する場合にも、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0049】
駆動部13は、筒状体31とフィルタ32と圧電式駆動部33とを備えている。筒状体31は、筒状の部材である。筒状体31の前方端は、セパレータ12で分離された気体を吸引する内部吸入口27を設けている。筒状体31の後方端は、内部吸入口27から吸引した気体を排出する排出口29を設けている。筒状体31の内部は、内部吸入口27と排出口29とに通じる流路28を設けている。フィルタ32と圧電式駆動部33とは、それぞれ流路28を閉塞するように流路28に収容されている。フィルタ32は、圧電式駆動部33の前方側に設けた、不織紙状やスポンジ状の膜体であり、圧電式駆動部33側に鼻水等の液体が流入することを防いでいる。なお、筒状体31も、流路形成部1を構成するその他の部分と分離可能に構成してもよく、また、一体に構成してもよい。筒状体31を流路形成部1と一体に構成する場合にも、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0050】
以上のように流路形成部1は構成されている。
【0051】
次に、圧電式駆動部33について、より詳細に説明する。圧電式駆動部33は、特許請求の範囲に記載の駆動部に相当するものであり、流路28から気体を吸入し排出口29に排出する。これにより、圧電式駆動部33は、流路形成部1の内部(流路2)に、吸入口20から流路21、上室23、および流路28を介して排出口29に向かう流体の流れを生じさせる。
【0052】
図2は、圧電式駆動部33の分解斜視図である。
【0053】
圧電式駆動部33は、圧電素子34Aと、補強板34Bと、浮き端子34Cと、ダイヤフラム形成板37Aと、対向板37Bと、ケース部35Aと、カバー部35Bと、を備える。圧電素子34Aと、補強板34Bと、ダイヤフラム形成板37Aと、対向板37Bとは、互いに積層され、ケース部35Aとカバー部35Bとの間に挟み込まれて、固定されている。圧電式駆動部33は、図示する天面側、すなわちカバー部35B側が前述の筒状体31の内部吸入口27に向き、図示する底面側、すなわちケース部35A側が前述の筒状体31の排出口29に向くように配置される。
【0054】
圧電素子34Aは、特許請求の範囲に記載の圧電体に相当する。圧電素子34Aは、円板状であって両面に電極が形成されている。圧電素子34Aの底面側に設けられる電極は、他の部材を介して基準電位に接続される。圧電素子34Aの天面側に設けられた電極は、浮き端子34Cを介して、給電回路(不図示)から交流の駆動電圧が印加される。
【0055】
補強板34Bは、圧電素子34Aと実質的に同じ外形状を有し、圧電素子34Aの底面に接合されている。補強板34Bは、圧電素子34Aとダイヤフラム形成板37Aとの線膨脹係数差に起因する変形を抑制するために設けられており、圧電素子34Aとダイヤフラム形成板37Aとの双方よりも線膨脹係数が大きい材料(または双方よりも線膨脹係数が小さい材料)からなる。
【0056】
ダイヤフラム形成板37Aは、円板状であって周縁部が厚く構成されていて、中央部が両面ともに周縁部から凹んでいる。ダイヤフラム形成板37Aの周縁部は、一方の主面がカバー部35Bに接触し、他方の主面が対向板37Bに接触する。ダイヤフラム形成板37Aの中央部はダイヤフラム37を構成するものであり、補強板34Bを介して圧電素子34Aの底面と接合されている。このダイヤフラム37は、圧電素子34Aの駆動によって屈曲振動する、特許請求の範囲に記載の弾性体に相当するものである。したがって、ダイヤフラム37と圧電素子34Aと補強板34Bとが、特許請求の範囲に記載の可動部を構成している。
【0057】
対向板37Bは、中央に貫通孔を有するとともに、外周から外側に突出する複数の係止片37Dを備えている。対向板37Bは、ダイヤフラム形成板37Aの周縁部と実質的な大きさが等しく、ダイヤフラム形成板37Aの中央部(ダイヤフラム37)と間隔をあけた状態で対向し、ダイヤフラム形成板37Aの周縁部と接触する。このため、対向板37Bとダイヤフラム37との間には、後述するポンプ室42となる空間が形成されることになる。
【0058】
なお、対向板37Bとダイヤフラム形成板37Aと補強板34Bとは導電性を有する材料からなり、対向板37Bの外周から外側に突出する複数の係止片37Dのうちの一つは、圧電素子34Aの他方の主面の電極を基準電位に接続するための端子を兼ねている。
【0059】
ケース部35Aは、圧電素子34Aと補強板34Bと浮き端子34Cとダイヤフラム形成板37Aと対向板37Bとを収容する内部空間を有する箱状であって、内底面の中央に後述する排出側流路43となる貫通孔を有するとともに、内側壁部分に対向板37Bの複数の係止片37Dを係止する係止溝35Dを有している。係止溝35Dの深さはケース部の側壁部分の厚みよりも浅くしていて、これにより、ケース部35Aの内底面と対向板37Bとの間には、後述する接続室44となる空間が形成されることになる。
【0060】
カバー部35
Bは、ケース部35Aを覆う蓋状であり、ケース部35Aの外側面に係止される係止爪35Eと、対向板37Bの係止片37Dをケース部35Aの係止溝35Dに押しつける弾性片35Fとを備えている。
【0061】
ここで、ケース部35Aにおける係止溝35Dの深さは、対向板37Bとダイヤフラム形成板37Aの周縁部との合計の厚みと実質的に等しくしていて、これにより、ダイヤフラム形成板37Aをケース部35Aと対向板37Bとの間に挟みこんで固定するようにしている。
【0062】
図3は、圧電式駆動部33の断面図である。
【0063】
圧電式駆動部33の内部には、吸入側流路41と、ポンプ室42と、排出側流路43と、接続室44と、が設けられる。
【0064】
吸入側流路41は、ケース部35Aの内部で、ダイヤフラム形成板37Aおよび対向板37Bの外周よりも外側にできる空間である。接続室44は、ケース部35Aの内部で、ケース部35Aの内底面と対向板37Bとの間にできる空間である。ポンプ室42は、ケース部35Aの内部で、ダイヤフラム形成板37Aと対向板37Bとの間にできる空間である。排出側流路43は、ケース部35Aの内底面に形成された貫通孔である。吸入側流路41と排出側流路43とは、接続室44を介して互いに繋がっている。ポンプ室42は、接続室44の排出側流路43が繋がる位置に、排出側流路43と対向するように繋がっている。
【0065】
このように構成された圧電式駆動部33では、圧電素子34Aに交流駆動電圧が印加されることで、圧電素子34Aが主面の面内方向に伸縮しようとする。しかしながら、圧電素子34Aは、補強板34Bを介してダイヤフラム37に接合されているために、補強板34Bおよびダイヤフラム37とともに同心円状に屈曲振動する。具体的には、圧電素子34Aが縮もうとするときには、
図3(A)に示すように、ダイヤフラム37がポンプ室42側(後方)に凸に屈曲する。逆に、圧電素子34Aが伸びようとするときには、
図3(B)に示すように、ダイヤフラム37が圧電素子34A側(前方)に凸に屈曲する。このようにして、圧電素子34Aとダイヤフラム37とは屈曲振動し、これに伴いポンプ室42では周期的な体積変動と圧力変動とが生じる。
【0066】
ポンプ室42は、体積が減少する際に、接続室44に正圧をかける。すると、接続室44の気体が排出側流路43を介して外部に排出されようとする。また、ポンプ室42は、体積が増大する際に、接続室44に負圧をかける。すると、接続室44に、吸入側流路41の気体が吸引されようとする。このようにして生じた気体の流れに慣性力が働くことによって、排出側流路43から排出される気体には、吸入側流路41の気体や外部の気体が引き込まれるようになる。そして、圧電式駆動部33では、吸入側流路41側から排出側流路43への気体の流れが定常的に生じるようになる。
【0067】
以上のように構成した圧電式駆動部33において、可動部にあたるダイヤフラム37と圧電素子34Aと補強板34Bとは、流路形成部1の密閉された内部(流路2,28)に全体が収容されることになるので、圧電式駆動部33で発生する駆動音や振動は、流路形成部1から外部に漏れ難くなる。また、圧電式駆動部33の前方にフィルタ32が設けられるために、圧電式駆動部33で発生する駆動音や振動は、流路形成部1の前方側に漏れ難くなる。また、圧電式駆動部33の後方に筐体4が設けられるために、圧電式駆動部33で発生する駆動音や振動は、流路形成部1の後方側に漏れ難くなる。
【0068】
また、圧電式駆動部33では、部材同士が摩擦(摺動)することが無く、従来のモータ式の駆動部よりも、発生する駆動音や振動を小さくできる。そして、圧電式駆動部33は、バルブや弁のような流路を閉じる部材が無く、常に吸入側流路41と排出側流路43とが連通する状態にある。したがって、圧電式駆動部33を停止するだけで流路2の負圧を圧電式駆動部33の吸入側流路41および排出側流路43を介して速やかに大気開放させることができ、ノズル11の患部との吸着を解消することができる。このため、バルブや弁を開くような操作が不要であり、ノズル11の肌離れが良く、利用者に不快感を与え難い。また、バルブや弁のような複雑な機構が不要であり、負圧を発生させる際や負圧を開放させる際の応答性を高められる。
【0069】
さらには、圧電式駆動部33は、後方に開口する排出側流路43の合計の
断面積が、前方に開口する吸入側流路41の合計の
断面積よりも小さくなるように構成している。このような構成にすることによって、圧電式駆動部33から排出側流路43を介して外部に漏れようとする圧電式駆動部33の駆動音や振動を抑制できる。
【0070】
また、この構成では、圧電式駆動部33は、
図1中に点線の矢印で示すように、吸入する気体の流れる方向と排出する気体の流れる方向とを略同一にして、前方面から流体を吸入し後方面に流体を排出するように構成している。このような構成にすることによって、圧電式駆動部33を収容する流路形成部1では、流体の経路を略直線状にでき、その上、圧電式駆動部33の後方での経路長を極めて短く(経路長を略ゼロに)することができる。すると、流路形成部1の内部で生じる流体の圧力損失を抑制でき、流路形成部1が吸引する流体の流量や流速を増加させることや、流路形成部1のサイズを小型化することができる。また、圧電式駆動部33の前後での流体の経路長が短くなることにより、流体のバッファを小さくすることができる。これにより、圧電式駆動部33が駆動を開始してから、流体が所定の圧力となるまでに要する時間を短くでき、吸入装置9および流路形成部1の動作応答性を高められる。
【0071】
以上のように本実施形態に係る吸入装置9は構成することができる。
【0072】
なお、本実施形態で説明した駆動部13への給電回路は、筐体4の内部に設けるのではなく、駆動部13と一体に設けるようにしてもよい。一体化する場合には、筐体4などの構成を省いて、更に構造を簡略化することができる。また、ノズル11や貯蔵部14の形状は、筒状に限らず、他の形状であってもよい。例えば、母乳吸引装置や痰吸入装置として吸入装置9を用いる場合には、漏斗状やストロー状にノズル11を構成してもよい。また、流路2において、流体に含まれる気体と捕集物(液体)とを分離する構造は、上記以外の構造であってもよい。例えば、流路2を複数の室に区画して接続したり、弁構造を採用したりすることでも、流体に含まれる気体と液体とを容易に分離することができる。また、圧電式駆動部33の構造も、上記以外の構造であってもよい。例えば、圧電式駆動部33に設ける排出側流路の数や、吸入側流路の数、それぞれの経路等を適宜に変更することができる。また、圧電式駆動部33における可動部にあたるダイヤフラム37と圧電素子37Aと補強板34Bとを除く他の部分は、適宜、流路形成部1を構成する部材と一体に構成してもよい。一体に構成する場合には、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施形態に係る吸入装置について説明する。
図4は、第2の実施形態に係る吸入装置51の側面図である。
【0074】
吸入装置51は、前述の第1の実施形態に係る構成と殆ど同じ構成を備えるが、前述の第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の筐体54を備えている。筐体54は、流路形成部1を構成するノズル11、セパレータ12、駆動部13、貯蔵部14のうちの、セパレータ12、駆動部13、および貯蔵部14を内部に収容しており、ノズル11のみを外部に突出させている。
【0075】
本発明は吸入装置51のように構成してもよく、このように構成することで、駆動部13で発生して、セパレータ12や貯蔵部14に漏れる駆動音や振動を、外部に漏れ難くすることができる。
【0076】
次に、本発明の第3の実施形態に係る吸入装置について説明する。
図5は、第3の実施形態に係る吸入装置61の側面図である。
【0077】
吸入装置61は、前述の第1の実施形態に係る構成と殆ど同じ構成を備えるが、前述の第1の実施形態に係る構成とは異なる構成の筐体64を備えている。筐体64は、前後方向に延びる筒状であり、駆動部13の後方に対向する位置に空気口65を有している。
【0078】
本発明は吸入装置61のように構成してもよく、このように構成することで、吸入装置61のサイズを小型化できる、また、流体の経路を全体として直線状にすることができ、流体の経路で生じる圧力損失を更に抑制できる。
【0079】
次に、本発明の第4の実施形態に係る吸入装置について説明する。
図6は、第4の実施形態に係る吸入装置71の側面図である。
【0080】
吸入装置71は、前述の第1の実施形態に係る構成と殆ど同じ構成を備えるが、前述の第1の実施形態に係る構成とは異なる構成のノズル72を備えている。吸入装置71は、母乳吸引装置として構成されており、ノズル72は乳房の形状に合わさるような漏斗状に構成されている。
【0081】
本発明は吸入装置71のように構成してもよく、このように構成することで、小型で静音な母乳吸引装置を構成することができる。
【0082】
次に、吸入装置における駆動部の固定方法を説明する。
【0083】
図7(A)および
図7(B)では、流路形成部82と圧電式駆動部83とを、ねじ止めすることにより固定している。流路形成部82と圧電式駆動部83との弾性が高い場合には、ねじ止めのみで密閉することも可能であるが、好ましくは、流路形成部82と圧電式駆動部83との接触面にシール材を設けるとよい。また、
図7(A)では圧電式駆動部83の吸入口側の面を流路形成部82に当てており、
図7(B)では圧電式駆動部83の排出口側の面を流路形成部82に当てている。流路形成部82の内部では、吸入口側から排出口側に流体の流れが生じるので、
図7(B)に示すように、圧電式駆動部83の排出口側の面を流路形成部82に当てるほうが、流路形成部82と圧電式駆動部83とをより密着させることができる。
【0084】
図7(C)および
図7(D)では、流路形成部82と圧電式駆動部83とを、外周方向に配した弾性部材84を介した嵌め合いにより固定している。弾性部材84は、接着剤やゴム製パッキン等である。
【0085】
図7(E)および
図7(F)では、流路形成部82に蓋部材85を設けて、圧電式駆動部83を吸入口側と排出口側とから挟み込むことにより、流路形成部82と流路形成部82とを固定している。この場合にも弾性部材84を設けるようにすると好適である。
【0086】
図7(G)では、流路形成部82に圧電式蓋部材85を設けて、弾性部材84を吸入口側と排出口側とから挟み込むことにより固定し、駆動部83を外周方向から弾性部材84により挟んで、圧電式駆動部83を固定している。
【0087】
以上のような様々な方法で、流路形成部と圧電式駆動部とは密閉した状態で連結することができる。なお、流路形成部と圧電式駆動部とは、その他の適宜の方法で固定しても良い。
【0088】
次に、本発明の第5の実施形態に係る吸入装置について説明する。
図8は、第5の実施形態に係る吸入装置91の側面図である。
【0089】
吸入装置91は、前述の第1の実施形態に係る構成と殆ど同じ構成を備えるが、前述の第1の実施形態とは異なる構成の流路形成部92を備えている。流路形成部92は、第1の実施形態で設けていた貯蔵部14に替えて、内部キャニスタ94を設けた構成である。
【0090】
内部キャニスタ94は、概略の構成が袋状であり、流路形成部92の内部(流路2)に収容されている。内部キャニスタ94は、内部に内側空間98が設けられており、袋口部96と膨縮部95とを備えている。膨縮部95はPET等の樹脂材料からなる袋状の部材であり、膨縮自在(ここでは塑性変形自在)である。なお、膨縮部95は、ゴム等の弾性材料で構成されて弾性変形自在であってもよい。袋口部96は、膨縮部95の開口部に取り付けられた環状の部材であり、流路形成部92の内部(流路2)でノズル11の後端部に密閉した状態で取り付けられている。袋口部96は、ノズル11の後端部から脱着自在である。また、袋口部96には、ノズル11側から膨縮部95に流入する流体の流れを遮らず、膨縮部95側からノズル11に流出しようとする流体の流れを遮る逆止弁97が設けられている。
【0091】
内部キャニスタ94は、吸入装置91の使用前は、膨縮部9
5の内側空間98が潰れた収縮状態である。このような状態で吸入装置91を駆動すると、駆動部13が流路2の内部の空気を排出口29から外部に排出する。これにより、流路2の内部が負圧になり、膨縮部95が膨張しようとする。これにより、膨縮部95の内側空間98も負圧となり、ノズル11から外部の流体を吸入する。なお、内部キャニスタ94が完全に膨張しきった場合には、それ以上、ノズル11から外部の流体を吸入することができなくなるので、内部キャニスタ94をノズル11の後端部から取り外して、新しい内部キャニスタ94と交換することで、再び、ノズル11から外部の流体を吸入することができるようになる。
【0092】
この吸入装置91のように、流路形成部92の内部に内部キャニスタ94を設けることで、鼻水等の粘性液体が流路2に直接流入することを防ぐことができ、駆動部13の流路等が詰まって、吸入装置91が動作不能になることを防ぐことができる。そして、内部キャニスタ94のみの交換によって、吸入した流体を吸入装置91から取り出すことができ、流路形成部92の洗浄のような作業が不要になる。
【0093】
本発明は吸入装置91のように構成してもよく、このように構成することで、より利便性の高い吸引装置を構成することができる。なお、内部キャニスタ94は、流路形成部92を構成するその他の部分と分離可能に構成してもよく、また、流路形成部92を構成するその他の部分と一体に構成してもよい。内部キャニスタ94を流路形成部92と一体に構成する場合には、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0094】
次に、本発明の第6の実施形態に係る吸入装置について説明する。
図9(A)は、第6の実施形態に係る吸入装置101の使用態様を示す模式図である。
【0095】
本実施形態に係る吸入装置101は、陰圧閉鎖治療法に用いられるものである。陰圧閉鎖治療法とは、創傷部位の治癒過程で、創傷包帯により創傷部位を湿潤状態に保つことで、創傷部位の回復を促進させる療法である。吸入装置101は、吸入部102と創傷包帯103とを備えている。創傷包帯103は、陰圧閉鎖治療法を受ける患者の創傷部位111を覆うように、創傷部位111の周囲に貼り付けられる。吸入部102は、創傷包帯103の表面に取り付けられ、創傷包帯103に密閉した状態で覆われる創傷部位111の周囲に陰圧をかけ、創傷部位111から発生する滲出液を吸引する。
【0096】
図9(B)は、吸入装置101の概略の構成を示す分解斜視図である。
図9(C)は、吸入装置101の創傷部位への取り付け状態について示す模式図である。
【0097】
創傷包帯103は、保護フィルム104、吸収部材105、被覆部材106、及びガーゼ107を備えている。ガーゼ107、被覆部材106、吸収部材105、及び保護フィルム104は、この記載順に創傷部位111側から配置されている。
【0098】
ガーゼ107は、創傷部位111における創内部に露出する粘膜に当接するように配置される。
【0099】
被覆部材106は、創内部の形状に合わせて成形された後、創内部を埋めるようにガーゼ107より上側に配置される。被覆部材106は、液体を通過させる多孔質材料からなる。被覆部材106としては、例えば、創傷部位の形状に応じて成形しやすいポリウレタンフォーム等が利用可能である。
【0100】
吸収部材105は、被覆部材106より上側に配置される。吸収部材105は、液体を吸収し、吸収した液体を保持する。吸収部材105としては、例えば、綿、高吸水性高分子が分散されてなるゲル、等が利用可能である。
【0101】
保護フィルム104は、液体及び気体の通過を防止するフィルムであり、開口108を有している。また、保護フィルム104は、創傷部位側の面に皮膚への貼り付けのための接着剤(不図示)が塗布されている。保護フィルム104の外形は、吸収部材105、被覆部材106、及びガーゼ107の全体を覆うことができるように、吸収部材105、被覆部材106、及びガーゼ107よりも大面積に構成されている。そして、保護フィルム104は、吸収部材105、被覆部材106、及びガーゼ107から露出する外周部を接着面として、創傷部位111の周囲の皮膚表面112に貼りつけられる。これにより、保護フィルム104と創傷部位111との間に閉鎖空間110が形成される。
【0102】
吸入部102は、外形状が薄手の箱型であり、創傷包帯103側に取り付けられる主面に吸入口109を備えている。吸入部102の創傷包帯103への取り付けは、例えば接着テープによって行われる。吸入部102の吸入口109は、保護フィルム104の開口108に対向するように配置され、創傷包帯103に覆われる閉鎖空間110から流体(浸出液)を吸引する。
【0103】
図10は、吸入部102の断面図である。
【0104】
吸入部102は、流路形成部120と、内部キャニスタ121と、圧電式駆動部122と、駆動回路123と、圧力センサ124と、バッテリ125と、を備えている。流路形成部120は、内部隔壁130を備えている。内部隔壁130は、流路形成部120の内部空間を、流路131と筐体内室139とに区画している。また、流路形成部120は、筐体内室139に面しておらず、かつ、流路131に面している位置に開口が設けられており、該開口が流路131の吸入口132を構成している。また、内部隔壁130にも開口が設けられており、該開口が流路131の排出口133を構成している。そして、流路131は、吸入口132と排出口133とを除いて密閉されている。また、流路形成部120は、流路131に面しておらず、かつ、筐体内室139に面している位置に、空気口138が設けられている。空気口138は、筐体内室139を外部空間を通じさせて、筐体内室139を外気圧とほぼ同じ圧力にしている。筐体内室139は、駆動回路123と、圧力センサ124と、バッテリ125と、を収容している。
【0105】
圧電式駆動部122は、流路131で排出口133に取り付けられている。バッテリ125は、駆動回路123を介して圧電式駆動部122や圧力センサ124に電力を供給する。圧力センサ124は、流路131の気圧を検出する。駆動回路123は、流路131の気圧が一定となるように、圧電式駆動部122を制御する。
【0106】
内部キャニスタ121は、流路131に収容されており、流路131の吸入口132に取り付けられている。内部キャニスタ121は、概略の構成が袋状であり、内部に内側空間134が設けられており、袋口部126と膨縮部127とを備えている。膨縮部127はPET等の樹脂材料からなる袋状の部材であり、膨縮自在(ここでは塑性変形自在)である。袋口部126は、膨縮部127の開口部に取り付けられた環状の部材であり、流路131の吸入口132に密閉した状態で取り付けられている。袋口部126は、吸入口132から脱着自在である。また、袋口部126には、吸入口132から膨縮部127に流入する流体の流れを遮らず、膨縮部127側から吸入口132に流出しようとする流体の流れを遮る逆止弁128が設けられている。なお、内部キャニスタ121の内側空間134にも、綿、高吸水性高分子が分散されてなるゲル、等の浸出液を固定化する固定材を設けるようにしてもよい。
【0107】
内部キャニスタ121は、吸入部102の使用前は、膨縮部127の内側空間134が潰れた収縮状態である。このような状態で吸入部102を駆動すると、圧電式駆動部122が流路131の内部の空気を排出口133から筐体内室139に排出する。これにより、流路131の内部が負圧になり、膨縮部127が膨張しようとする。これにより、膨縮部127の内側空間134も負圧となり、吸入口132から外部の流体、すなわち、保護フィルム104と創傷部位111との間の閉鎖空間110から浸出液を吸入する。なお、内部キャニスタ121が完全に膨張しきった場合には、それ以上、浸出液を吸入することができなくなるので、内部キャニスタ121を流路形成部120の内部から取り出して、新しい内部キャニスタ121と交換することで、再び、保護フィルム104と創傷部位111との間の閉鎖空間110から浸出液を吸入することができるようになる。
【0108】
この吸入装置101のように、内部キャニスタ121を設けることで、浸出液が流路131に直接流入することを防ぐことができ、圧電式駆動部122の流路等が詰まって、吸入装置101が動作不能になることを防ぐことができる。そして、内部キャニスタ121のみの交換によって、浸出液を吸入装置101から取り出すことができ、流路131の洗浄のような作業が不要になる。
【0109】
本発明は吸入装置101のように構成してもよく、このように構成することで、陰圧閉鎖治療法に用いる吸引装置を高い利便性のものにすることができる。なお、本実施形態では、創傷包帯103に対して直接、吸入部102を装着する場合を例に説明したが、創傷包帯103と吸入部102との間をチューブ等で接続し、吸入部102を創傷部位111から離れた位置に装着するようにしてもよい。また、内部キャニスタ121は、流路形成部120を構成するその他の部分と分離可能に構成してもよく、また、流路形成部120を構成するその他の部分と一体に構成してもよい。内部キャニスタ121を流路形成部120と一体に構成する場合には、吸引装置の全体として部材間の連結される部分が減るので、より一層の静音化を図ることができる。
【0110】
本発明は、特許請求の範囲に記載に該当する構成であれば、以上に説明した以外のどのような構成であっても実施することができる。
【0111】
また、本発明の実施形態においては、吸引装置で、捕集物である液体を吸入する例を示したが、捕集物は液体以外の固体やゲル状の物質であってもよい。また、本発明の実施形態においては、吸入装置で、捕集物とともに吸入する流体として気体を吸入する例を示したが、捕集物とともに吸入する流体は水等の液体やコロイド溶液であってもよい。この場合、流体よりも比重が重いゲルや固体を捕集物として分離貯留することが可能である。また、本発明は、微小な埃や粉塵を回収する集塵装置や、工作物に塗布しすぎた糊や接着剤を回収する装置などへの応用も可能である。静粛な環境においてこれらの装置を利用したい場合や、これらの装置の振動を抑える場合に本発明の構成は有効である。