(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。電気光学装置1は、複数の画素回路110によって画像を表示するものである。
この図に示されるように、電気光学装置1は、素子部100、走査線駆動回路210およびデータ線駆動回路220を含んだ構成となっている。
このうち、素子部100には、m行の走査線112が図において行(X)方向に沿って設けられ、n列のデータ線114が、列(Y)方向に沿って、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられている。画素回路110は、m行の走査線112とn列のデータ線114との各交差に対応して、それぞれ配列している。したがって、本実施形態では、画素回路110が縦m行×横n列でマトリクス状に配列することになる。なお、m、nは、いずれも自然数である。
【0010】
各画素回路110には、電源線116がそれぞれ共通に接続されて、素子電源の高位側の電位Velを給電する。なお、
図1では省略されているが、後述するように共通電極が各画素回路110にわたって設けられて、素子電源の低位側の電位Vctを給電する。これらの電位Vel、Vctは、図示省略した電源回路によって生成される。
また、走査線112および画素回路110の行を便宜的に区別するために、
図1において上から順に1行、2行、3行、…、(m−1)行、m行と呼ぶ場合がある。同様にデータ線114および画素回路110の列を便宜的に区別するために、
図1において左から順に1列、2列、3列、…、(n−1)列、n列と呼ぶ場合がある。
【0011】
電気光学装置1では、マトリクス状に画素回路110が配列する領域の周辺に走査線駆動回路210およびデータ線駆動回路220が配置されている。走査線駆動回路210およびデータ線駆動回路220は、図示省略したコントローラーによって動作が制御される。また、データ線駆動回路220には、各画素回路110で表現すべき階調(輝度)を指定する階調データが上記コントローラーから供給される。
走査線駆動回路210は、各フレームにおいて1〜m行目を順次選択するものである。一例として、走査線駆動回路210は、1、2、3、…、(m−1)、m行目の走査線112にそれぞれ走査信号Gwr(1)、Gwr(2)、Gwr(3)、…、Gwr(m-1)、Gwr(m)を供給するものであり、フレームにおいて各走査信号を順次排他的にHレベルとする。なお、本説明において、フレームとは、1カット(コマ)分の画像を電気光学装置1に表示させるのに要する期間をいい、垂直走査周波数が60Hzであれば、その1周期分の16.67ミリ秒の期間をいう。
【0012】
データ線駆動回路220は、走査線駆動回路210によって選択された行に位置する画素回路110に対し、当該画素回路110の階調データに応じた電位のデータ信号を、データ線114を介して供給するものである。便宜的に、1、2、3、…、(n−1)、n列目のデータ線114にそれぞれ供給されるデータ信号を、Vd(1)、Vd(2)、Vd(3)、…、Vd(n-1)、Vd(n)と表記している。
【0013】
次に、
図2を参照して、画素回路110の等価回路について説明する。なお、
図2には、i行目及び当該i行目に対し下側で隣り合う(i+1)行目の走査線112と、j列目及び当該j列目に対し右側で隣り合う(j+1)列目のデータ線114との交差に対応する2×2の計4画素分の画素回路110が示されている。ここで、i、(i+1)は、画素回路110が配列する行を一般的に示す場合の記号であって、1以上m以下の整数である。同様に、j、(j+1)は、画素回路110が配列する列を一般的に示す場合の記号であって、1以上n以下の整数である。
【0014】
図2に示されるように、各画素回路110は、Nチャネル型のトランジスター130、140と、保持容量135と、発光素子150とを有する。各画素回路110については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明する。i行j列の画素回路110において、トランジスター130は、スイッチングトランジスターとして機能するものであり、そのゲートノードはi行目の走査線112に接続される一方、そのドレインノードはj列目のデータ線114に接続され、そのソースノードは保持容量135の一端と、トランジスター140のゲートノードとにそれぞれ接続されている。
保持容量135の他端は、トランジスター140のソースノードおよび発光素子150の陽極にそれぞれ接続されている。一方、トランジスター140のドレインノードは、電源線116に接続されている。
【0015】
便宜的に、i行j列の画素回路110において、トランジスター130のドレインノードを大文字のDと表記し、トランジスター140のゲートノード(トランジスター130のソースノードおよび保持容量135の一端)を小文字のgと表記している。特にi行j列のトランジスター140のゲートノードについてはg(i,j)と表記している。
また、トランジスター140のドレインノード(電源線116)を小文字のdと表記し、トランジスター140のソースノード(発光素子150の陽極)を小文字のsと表記している。
【0016】
発光素子150の陰極は、各画素回路100にわたって共通電極118に接続されている。この共通電極118は、各画素回路110の発光素子150にわたって共通である。発光素子150は、互いに対向する陽極と陰極とで有機EL材料からなる発光層を挟持したOLEDであり、陽極から陰極に向かって流れる電流に応じた輝度にて発光する。
なお、
図2において、Gwr(i)、Gwr(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目の走査線112に供給される走査信号を示している。また、Vd(j)、Vd(j+1)は、それぞれj、(j+1)列目のデータ線114に供給されるデータ信号を示している。
また、本実施形態において、データ線114の近傍には、シールド配線が設けられるが、シールド配線の詳細については後述することにする。
【0017】
次に、電気光学装置1の表示動作について
図3を参照して簡易的に説明する。
図3は、走査信号およびデータ信号の波形の一例を示す図である。
この図に示されるように、走査信号Gwr(1)、Gwr(2)、Gwr(3)、…、Gwr(m-1)、Gwr(m)は、走査線駆動回路210によって各フレームにわたって水平走査期間(H)毎に順次排他的にHレベルとなる。
ここで、i行目の走査線112が選択されて走査信号Gwr(i)がHレベルになったとき、j列目のデータ線114には、i行j列の画素回路110の階調データに応じた電位のデータ信号Vd(j)がデータ線駆動回路220によって供給される。
【0018】
i行j列の画素回路110において走査信号Gwr(i)がHレベルになると、トランジスター130がオンするので、ゲートノードg(i,j)がj列目のデータ線114に電気的に接続された状態になる。このため、ゲートノードg(i,j)の電位は、
図3において上矢印で示されるように、データ信号Vd(j)の電位になる。このとき、トランジスター140は、ゲートノードg(i,j)の電位に応じた電流を発光素子150に流し、保持容量135が、このときのトランジスター140におけるゲート・ソース間の電圧を保持する。i行目の走査線112の選択が終了して走査信号Gwr(i)がLレベルになったとき、トランジスター130がオフする。
【0019】
トランジスター130がオンからオフに切り替わっても、当該トランジスター130がオンしていたときの、トランジスター140のゲート・ソース間の電圧は保持容量135によって保持されている。このため、トランジスター130がオフしても、トランジスター140は、保持容量135による保持電圧に応じた電流を、次回i行目の走査線112が再び選択されるまで、発光素子150に流し続ける。このため、i行j列の画素回路110における発光素子150は、i行目が選択されたときのデータ信号Vd(j)の電位に応じた輝度で、すなわちi行j列の階調データに応じた輝度で、1フレームに相当する期間にわたって発光し続けることになる。
【0020】
なお、i行目においては、j列目以外の画素回路110でも、対応するデータ線114に供給されたデータ信号の電位に応じた輝度で発光する。また、ここではi行目の走査線112に対応する画素回路110で説明しているが、走査線112は、1、2、3、…、(m−1)、m行目という順番で選択される結果、画素回路110の各々は、それぞれ階調データに応じた輝度で発光することになる。このような動作は、フレーム毎にで繰り返される。
また、
図3においては、走査信号の電位スケールよりも、データ信号Vd(j)、ゲートノードg(i,j)の電位スケールを便宜的に拡大している。
【0021】
ところで、データ信号は、選択された行に位置する画素の階調データに応じた電位になるので、データ線114は、表示内容に応じて刻々と電位変動する。例えばj列目のデータ線114には、
図3に示されるようなデータ信号Vd(j)が供給されるので、水平走査期間(H)毎に電位変動することになる。
データ線114が、画素回路110の各部と容量結合していると、データ線114の電位変動は、画素回路110の各部の電位に悪影響を与えてしまう。特に表示サイズの小型化や表示の高精細化が要求される用途では、例えば表示サイズが対角で1インチ未満であって1280×720ピクセル以上の解像度を有するマイクロディスプレイなどでは、保持容量135と比較して各部の寄生容量が相対的に大きくなるので、その影響が顕著に現れる。特に、トランジスター140のゲートノードgおよびソースノードsの電位は、発光素子150に流す電流を規定するので、この部分の電位変動は、表示化けや後述するクロストークなどの発生を招き、表示品位を大きく低下させる要因となる。
そこで、本実施形態では、画素回路110を次のように構成して、データ線の電位変動に起因するノイズの影響を受けにくくしているのである。
【0022】
この画素回路110の構造について、
図4および
図5を参照して説明する。
図4は、縦および横方向に互いに隣り合う4つの画素回路110の構成を示す平面図であり、
図5は、
図4におけるE−e線で破断した部分断面図である。
なお、
図4は、トップエミッションの画素回路110を観察側から平面視した場合の配線構造を示しているが、簡略化のために、発光素子150における画素電極(陽極)以降に形成される構造体を省略している。
図5においては、発光素子150の画素電極までを示し、以降の構造体を省略している。また、以下の各図においては、各層、各部材、各領域などを認識可能な大きさとするために、縮尺を異ならせている。
【0023】
まず、
図5に示されるように、基礎となる基板2には、ポリシリコン膜を島状にパターニングした半導体層130a、140aがそれぞれ設けられている。半導体層130aは、トランジスター130を構成するものであり、半導体層140aは、トランジスター140を構成するものである。ここで、半導体層130aは、平面視したときに
図4に示されるように、後に形成される走査線112に沿った横方向に長手が延在する矩形に形成されている。一方、半導体層140aは、平面視したときに後に形成されるデータ線114に沿った縦方向に長手が延在する矩形に形成されている。
【0024】
図5に示されるように、半導体層130a、140bのほぼ全面を覆うようにゲート絶縁膜10が設けられている。ゲート絶縁膜10の表面には、アルミニウムやタンタルなどのゲート配線層が設けられるとともに、当該ゲート配線層をパターニングすることによって、走査線112およびゲート電極層21がそれぞれ設けられている。
走査線112は、
図4において横方向に延在するとともに、画素回路110毎に下方向に向かって分岐した部分を有し、当該分岐部分が、半導体層130aの中央部で重なっている。半導体層130aのうち、走査線112の分岐部分と重なった領域がチャネル領域130cになっている(
図5参照)。なお、半導体層130aのうち、チャネル領域130cに対し
図5において左方向がドレイン領域130dであり、右方向がソース領域130sである。
一方、ゲート電極層21は、平面視したときに
図4に示されるように、四角枠のうち、左辺を有さずに上辺、右辺および下辺を一体とした形状である。このうち、下辺が、半導体層140aの中央部で重なっている。半導体層140aのうち、ゲート電極層21の下辺と重なった領域がチャネル領域140cになっている(
図5参照)。半導体層140aのうち、チャネル領域140c領域に対し
図5において左方向がソース領域140sであり、右方向がドレイン領域140dである。
【0025】
図5において、走査線112、ゲート電極層21またはゲート絶縁膜10を覆うように第1層間絶縁膜11が形成されている。第1層間絶縁膜11の表面には導電性の配線層が成膜されるとともに、当該配線層のパターニングによって中継電極41、42、43、44がそれぞれ形成されている。
このうち、中継電極41は、第1層間絶縁膜11およびゲート絶縁膜10をそれぞれ開孔するコンタクトホール(ビア)31を介してドレイン領域130dに接続されている。
なお、
図4において異種の配線層同士が重なる部分において「□」印に「×」印を付した部分がコンタクトホールである。
【0026】
図5において、中継電極42の一端は、第1層間絶縁膜11およびゲート絶縁膜10をそれぞれ開孔するコンタクトホール32を介してソース領域130sに接続される一方、中継電極42の他端は、第1層間絶縁膜11を開孔するコンタクトホール33を介してゲート電極層21に接続されている。
中継電極43は、第1層間絶縁膜11およびゲート絶縁膜10をそれぞれ開孔するコンタクトホール34を介してソース領域140sに接続されている。ここで、中継電極43を平面視したときの形状は、
図4に示されるようにゲート電極層21の上辺を覆うような長方形である。このため、保持容量135は、
図5に示されるようにゲート電極層21と中継電極43とで第1層間絶縁膜11を挟持した構成となる。
中継電極44は、第1層間絶縁膜11およびゲート絶縁膜10をそれぞれ開孔するコンタクトホール35を介してドレイン領域140dに接続されている。
【0027】
中継電極41、42、43、44または第1層間絶縁膜11を覆うように第2層間絶縁膜12が形成されている。第2層間絶縁膜12の表面には導電性の配線層が成膜されるとともに、当該配線層のパターニングによって中継電極61、62および電源線116がそれぞれ形成されている。
このうち、中継電極61は、第2層間絶縁膜12を開孔するコンタクトホール51を介して中継電極41に接続されている。中継電極62についても、第2層間絶縁膜12を開孔するコンタクトホール52を介して中継電極43に接続されている。
電源線116は、第2層間絶縁膜12を開孔するコンタクトホール53を介して中継電極44に接続されている。このため、電源線116は、中継電極44を介してドレイン領域140dに接続されることになる。電源線116は、平面視したときに
図4に示されるように走査線112が延在する横方向に沿って形成される。
なお、コンタクトホール51、52、53に、タングステンなどの高融点金属からなる柱状の接続プラグを充填することによって、中継電極41・61同士、中継電極43・62同士、並びに、中継電極44および電源線116同士を、それぞれ接続しても良い。
【0028】
中継電極61、62または第2層間絶縁膜12を覆うように第3層間絶縁膜13が形成されている。第3層間絶縁膜13の表面には導電性の配線層が成膜されるとともに、当該配線層のパターニングによってデータ線114、シールド配線81a、81b(
図5では省略)および中継電極82がそれぞれ形成されている。
このうち、データ線114は、第3層間絶縁膜13を開孔するコンタクトホール71を介して中継電極61に接続されている。このため、データ線114は、中継電極61、中継電極41という経路を辿ってドレイン領域130dに接続されることになる。ここで、データ線114は、平面視したときに
図4に示されるように走査線112の延在方向と直行する縦方向に沿って形成される。
中継電極82は、第3層間絶縁膜13を開孔するコンタクトホール72を介して中継電極62に接続されている。
なお、コンタクトホール71、72に、高融点金属からなる柱状の接続プラグを充填して、中継電極61およびデータ線114同士、並びに、中継電極62・82同士を、それぞれ接続しても良い。
【0029】
シールド配線81a、81bの各々は、平面視したときに、それぞれ
図4に示されるように各列に対応して形成されている。
詳細には、ある列のシールド配線81aは、当該列のデータ線114と、当該列の画素回路110におけるトランジスター140との間に位置するように、データ線114の右側で縦方向に沿って形成される。このとき、シールド配線81aは、データ線114と、当該トランジスター140とを比較したときに、データ線114寄りに近接して設けられる。すなわち、シールド配線81aとデータ線114との距離は、シールド配線81aとトランジスター140との距離よりも短くなっている。このため、シールド配線81aは、トランジスター140よりもデータ線114と容量結合しやすくなっている。
【0030】
一方、ある列のシールド配線81bは、当該列に対して右側で隣り合うデータ線114と、当該列の画素回路110におけるトランジスター140との間に位置するように、データ線114の左側で縦方向に沿って形成される。このとき、シールド配線81bは、データ線114と、当該トランジスター140とを比較したときに、データ線114寄りに近接して設けられる。すなわち、シールド配線81bとデータ線114との距離は、シールド配線81bとトランジスター140との距離よりも短くなっている。このため、シールド配線81bは、トランジスター140よりもデータ線114と容量結合しやすくなっている。
平面視したときにトランジスター140からみると、左側のデータ線114と右側のデータ線114とによって挟まれて配設されるが、左側のデータ線114の手前にシールド配線81aが配設し、右側のデータ線114の手前にシールド配線81bが配設されていることになる。
【0031】
なお、シールド配線81a、81bは、
図4において縦方向に形成されるとともに、画素回路110が配列する領域の外側まで延設されて、時間的に一定の電位、例えば電位Velが印加される。
また、シールド配線81a、81bについては、1行または数行毎に、平面視で電源線116と交差する部分においてコンタクトホールを介して接続するようにしても良い。
【0032】
データ線114、シールド配線81a、81b、中継電極82または第3層間絶縁膜13を覆うように第4層間絶縁膜14が形成されている。第4層間絶縁膜14の表面には、導電性および反射性を有する配線層が成膜されるとともに、当該配線層のパターニングによって、発光素子150の陽極が形成されている。この陽極は、画素回路110毎に個別の画素電極であり、第4層間絶縁膜14を開孔するコンタクトホール92を介して中継電極82に接続されている。このため陽極(画素電極)は、中継電極82、中継電極62、および、保持容量135の他方の電極を兼ねる中継電極43という経路を辿ってソース領域140sに接続されることになる。
なお、コンタクトホール92に、高融点金属からなる柱状の接続プラグを充填して、中継電極82および画素電極同士を接続しても良い。
【0033】
電気光学装置1としての以降の構造については図示省略するが、陽極に画素回路110毎に有機EL材料からなる発光層が積層されるとともに、各画素回路110にわたって共通の透明電極が、陰極を兼ねる共通電極118として設けられる。これによって、発光素子150は、互いに対向する陽極と陰極とで発光層を挟持したOLEDになり、陽極から陰極に向かって流れる電流に応じた輝度にて発光して、基板2とは反対方向に向かって観察されることになる(トップエミッション構造)。このほかにも、発光層を大気から遮断するための封止ガラスなどが設けられるが、説明は省略する。
また、
図4では、発光素子150の陽極である画素電極の図示を省略しているので、コンタクトホール92については、位置を示す「□」印だけを付している。
【0034】
次に、シールド配線81a、81bによるシールド機能について
図6を参照して説明する。
図6は、
図4に示した画素回路110の平面構造を電気的な回路に置き換えて示した図である。
上述したように各列のデータ線114は電位変動するので、その電位変動に起因するノイズが画素回路110の各部に伝播する。
第1実施形態では、シールド配線81aが、j列目のデータ線114からみて、i行j列のトランジスター140のゲートノードg、ソースノードsよりも手前側に位置する。このため、j列目のデータ線114から発生したノイズは、シールド配線81aとj列目のデータ線114との間における結合容量Caによって吸収される。
また、シールド配線81bについても、(j+1)列目のデータ線114からみて、i行j列のトランジスター140のゲートノードg、ソースノードsよりも手前側に位置する。このため、(j+1)列目のデータ線114から発生したノイズは、シールド配線81bと当該(j+1)列目のデータ線114との間における結合容量Cbによって吸収される。
したがって、この電気光学装置1によれば、トランジスター140のゲートノードg、ソースノードsがデータ線114の電位変動に起因するノイズの影響を受けにくくなるので、安定した表示が可能になる。
また、第1実施形態においてシールド配線81a、81bは、データ線114や中継電極82と同一の配線層をパターニングして形成しているので、製造工程において追加プロセスが不要である。
【0035】
図7は、画素回路110の等価回路を各部の寄生容量とともに示す図である。
この図において、C
Dgは、トランジスター130のドレインノードD(データ線114)とトランジスター140のゲートノードgとの間で生じる寄生容量を示し、C
Dsは、トランジスター130のドレインノードDとトランジスター140のソースノードsとの間で生じる寄生容量を示している。
C
HOLDは、保持容量135の容量を示している。
C
gdは、トランジスター140のゲートノードgとドレインノードd(電源線116)との間で生じる寄生容量を示し、C
dsは、トランジスター140のドレインノードdとソースノードsとの間で生じる寄生容量を示し、C
OLEDは、発光素子150における容量成分を示している。
【0036】
画素回路110は、対応する走査線が非選択期間であるときにトランジスター130がオフ状態になる。また、電源線116および共通電極118は電位一定である。
このため、非選択期間における画素回路110は、
図8に示されるようなモデルに簡略化することができる。なお、図において、Vampは、非選択期間におけるデータ線114の電位振幅である。
このモデルにおいて、保持容量135の保持電圧Vgsに与える変動分ΔVgsは、
図8の式(1)のように表すことができる。なお、式(1)における係数K
1は、式(2)のように表され、また、係数K
2は、式(3)のように表される。
本実施形態では、シールド配線81a、81bを有するので、シールド配線81a、81bを有しない構成と比較して、寄生容量C
Dg、C
Dsが、それぞれ小さくなる。
このため、式(2)のうち(a)項の成分が大きくなって、分母成分全体が大きくなるので、係数K
1は小さくなる。一方、式(3)のうち(b)項の成分が大きくなって、分母成分全体が大きくなるので、係数K
2も小さくなる。
したがって、本実施形態では、電位振幅Vampに対する変動分ΔVgsが、シールド配線81a、81bを有しない構成と比較して、小さくなるので、データ線114の電位変動やノイズなどの影響を受けにくい安定した表示が可能となるのである。
【0037】
ここで、ゲートノードg、ソースノードsの電位が、データ線114の電位変動に起因するノイズによって変動したとき、具体的には、次のようなクロストークという形で顕在化して、表示品位を低下させる。
【0038】
図9は、本実施形態のようなシールド配線81a、81bを有しない電気光学装置で発生するクロストークの一例を示す図である。
ここでいうクロストークとは、
図9(A)に示されるように、例えば灰色を背景領域として黒色の矩形領域をウィンドウ表示させる場合に、実際には
図9(B)に示されるように、黒色の領域(b2)に対して上側の領域(a2)および下側の領域(c2)が、他の灰色の領域(a1、a3、b1、b3、c1、c3)とは異なった暗い階調で表示されてしまう現象である。
なお、
図9においては、領域の明るさを斜線の密度で示している。また、このクロストークは、領域(b2)を白色としたときでも発生する。いずれにして、異なった階調で表示されてしまう領域が、領域(b2)の上下方向に現れることから、特に縦クロストークとも呼ばれることがある。
【0039】
この縦クロストークは、次のような原因によって発生すると考えられる。すなわち、あるフレームにおいて、領域(a1、b1、c1)に跨るデータ線114は、1行目から最終m行目までの選択にわたって灰色の階調データに対応する電位で一定である。このため、領域(a1、b1、c1)に属する画素回路110は、自身に対応する走査線の選択によってゲートノードgで保持した電位を、それぞれデータ線からのノイズの影響を受けることなく保持することになる。領域(a3、b3、c3)に跨るデータ線114、および、当該領域(a3、b3、c3)に属する画素回路110についても同様である。このため、領域(a1、a3、b1、b3、c1、c3)に属する画素回路110の各々は、1フレームに相当する期間の全域にわたって、ゲートノードgの保持電位に応じた輝度で発光することになる。
【0040】
これに対して、領域(a2、b2、c2)に跨るデータ線114は、領域(a2)の選択中には、灰色の階調データに対応する電位となり、領域(b2)の選択中には、黒色の階調データに対応する電位に低下し、領域(c2)の選択中には、再び灰色の階調データに対応する電位になる。
このため、領域(a2)に属する画素回路110では、自身に対応する走査線の選択によってゲートノードgが灰色に相当する電位を保持しても、領域(b2)の選択時におけるデータ線114の電位変動に起因するノイズによって変化してしまうことになる。
なお、領域(c2)の選択時にデータ線114が、再び灰色に相当する電位に戻るので、この戻りによってゲートノードgが灰色に相当する電位に復帰する、もしくは、近づく可能性はある。
しかしながら、たとえゲートノードgが灰色に相当する電位に復帰したとしても、領域(a2)に属する画素回路110の各々は、書き込み後、1フレームに相当する期間のうち、少なくとも領域(b2)の選択時にわたって、灰色に相当する電位から低下した電位に応じた輝度で発光してしまうことになる。
領域(c2)についても同様である。すなわち、領域(c2)に属する画素回路110では、自身に対応する走査線の選択によってゲートノードgが灰色に相当する電位を保持しても、次のフレームにおいて領域(b2)の選択時にデータ線114の電位変動に引っ張られて変化してしまうことになる。
したがって、1フレームに相当する期間の平均値でみたときに、領域(a2、c2)に属する画素回路110の各々は、他の領域(a1、a3、b1、b3、c1、c3)に属する画素回路110の各々とは異なり暗い階調で視認されることになる。これが縦クロストークの発生するメカニズムである、と考えられている。
【0041】
第1実施形態によれば、ゲートノードgおよびソースノードsの各々が、シールド配線81a、82によって、データ線114の電位変動に起因するノイズの影響を受けにくい構造になっているので、このような縦クロストークを抑制し、高品位な表示が可能になるのである。
なお、第1実施形態では、シールド配線81a、81bを電源線116と同じ電位Velとしたが、他の電位、例えば電位Vctに保つようにしても良い。
【0042】
<第2実施形態>
第1実施形態では、シールド配線81a、81bを、データ線114と同一の配線層をパターニングして形成したが、データ線114とは異なる配線層から形成しても良い。そこで次に、第2実施形態として、シールド配線81a、81bを、データ線114よりも下層側の中継電極61、62および電源線116と同一の配線層から形成した場合を例に挙げて説明する。
【0043】
図10は、第2実施形態における電気光学装置の画素回路110の構成を示す平面図であり、
図11は、
図10におけるF−f線で破断した部分断面図である。
シールド配線81a、81bを、中継電極61、62および電源線116と同一の配線層から形成する場合、シールド配線81aと中継電極61との干渉(電気的な接触)を避ける必要がある。具体的には、コンタクトホール51を、平面視でシールド配線81aよりも外側(
図10、
図11において左側)に設ける必要がある。
このため、第2実施形態では、
図10に示されるように、コンタクトホール51、71を平面視したときに同一地点で重なるように配置させるとともに、中継電極41を当該地点まで延設させている。もちろん、例えば中継電極61を別地点まで延設するなどして、コンタクトホール51、71が平面視したときに異なる地点となるように配置させて良い(図示省略)。
【0044】
第2実施形態においても、シールド配線81aが、j列目のデータ線114からみて、平面視でi行j列のトランジスター140の各ノードよりも手前側に位置するので、j列目のデータ線114から発生したノイズは、シールド配線81aとj列目のデータ線114との間における結合容量によって吸収される。
また、シールド配線81bについても、(j+1)列目のデータ線114からみて、平面視でi行j列のトランジスター140の各ノードよりも手前側に位置するので、(j+1)列目のデータ線114から発生したノイズは、シールド配線81bと当該(j+1)列目のデータ線114との間における結合容量によって吸収される。
このため、第2実施形態においても、ノイズ等の影響を受けにくいので、安定した表示が可能になる。
また、第2実施形態において、シールド配線81a、81bは、中継電極61、62および電源線116と同一の配線層をパターニングして形成しているので、第1実施形態と同様に、製造工程において追加プロセスが不要である。
【0045】
さらに第2実施形態では、データ線114とは異なる配線層を用いてシールド配線81a、81bを形成している。このため、シールド配線81a、81bとデータ線114にとの接触が避けられるので、画素回路の狭ピッチ化が容易となる。すなわち、第1実施形態では、シールド配線81a、81bをデータ線114と同一の配線層から形成しているので、シールド機能を確保するためには、シールド配線81a、81bをデータ線114と離間させる必要がある。これに対して、第2実施形態では、そのような必要がないので、平面視でシールド配線81a、81bがデータ線114に重なっていても、中継電極61の部分で離間していれば電気的な絶縁が確保されるので、狭ピッチ化が容易となる。
【0046】
ところで、平面視でシールド配線がトランジスター140における各ノードと交差するように形成すれば、より強力なシールド機能が期待できる。そこで、シールド配線をデータ線と同一配線層から形成し、シールド機能の強化を図った例について、第3実施形態、第5実施形態として説明することにする。また、シールド配線をデータ線と異なる配線層から形成し、シールド機能の強化を図った例については、第6実施形態、第7実施形態として後述することにする。
【0047】
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態における電気光学装置の画素回路110の構成を示す平面図であり、
図13は、
図12におけるH−h線で破断した部分断面図である。
図12に示されるように、第3実施形態では、シールド配線81aの一部が、右側に向かって延設されるとともに、平面視したときに中継電極43を覆うように形成されている。保持容量135は、平面視したときに中継電極43とゲート電極層21とが重なる領域であり、中継電極43は、保持容量135における他方の電極であって、トランジスター140のソースノードsでもある。このため、第3実施形態では、シールド機能が、第1実施形態と比較してより強化されることになる。
【0048】
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態における電気光学装置の画素回路110の構成を示す平面図である。
この図に示されるように、シールド配線81a、81bがそれぞれ画素回路110毎に、データ線114に沿って短冊状に形成されるとともに、電源線116にそれぞれ接続されている。なお、第4実施形態において、シールド配線81a、81bは、データ線114と同一の配線層から形成される。このため、シールド配線81aは、第3層間絶縁膜13を開孔するコンタクトホール73を介して電源線116に接続され、シールド配線81bも、同様に、第3層間絶縁膜13を開孔するコンタクトホール74を介して電源線116に接続されている。なお、断面図については、省略する。
【0049】
第1実施形態のように、シールド配線81a、81bをデータ線114に沿ってそれぞれ1本となるように形成した場合、抵抗率が比較的大きかったり、定電位の接続点から離れていたりすると、シールド配線81a、81bのインピーダンスが比較的高くなって、ノイズを十分に吸収できないときがある。これに対して、第4実施形態によれば、画素回路110毎に、シールド配線81a、81bが設けられるとともに電源線116に接続されているので、低インピーダンス化が図られて、ノイズの吸収能力を高めることが可能になる。
【0050】
<第5実施形態>
図15は、第5実施形態における電気光学装置の画素回路110の構成を示す平面図である。この第5実施形態は、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせたものであり、
図14に示したシールド配線81aの形状を変更して、平面視で中継電極43を覆うように形成したものである。
このため、第5実施形態によれば、シールド機能を強化して、ノイズの吸収能力を高めることが可能になる。
【0051】
<第6実施形態>
第2実施形態のように、シールド配線を、データ線114とは異なる配線層から形成する場合、シールド配線をデータ線114の両隣ではなく、データ線114と平面視で重なるように、データ線114の下層側に設けても良いはずである。
一方、シールド配線を画素回路110毎に例えば電源線116に接続すれば、ノイズの吸収能力を高めることが可能となる点については、すでに第4(第5)実施形態の項で述べた。
そこで次に、両者を組み合わせて、シールド配線を、データ線114とは異なる配線層から形成し、データ線114と平面視で重なるようにデータ線114の下層側に設けるとともに、電源線116と一体化した第6実施形態について説明する。
【0052】
図16は、第6実施形態における電気光学装置の画素回路110の構成を示す平面図であり、
図17は、
図16におけるJ−j線で破断した部分断面図である。
第1実施形態から第5実施形態までは、1列につき、シールド配線81a、81bが設けられていたが、第6実施形態では、シールド配線81に統合されるとともに、電源線116を兼用している。
図17に示されるように、電源線116を兼用するシールド配線81は、中継電極61、62とともに、第2層間絶縁膜12に成膜された配線層をパターニングしたものである。シールド配線81を平面視したときの形状は、
図16に示されるように、縦方向のデータ線114で重なるようにデータ線114よりも幅広に、かつ、横方向の電源線116と一体になって格子状になっている。
【0053】
データ線114は、中継電極61、41を順に介してドレイン領域130dに接続されるが、シールド配線81は、中継電極61と同一の配線層から形成されるので、干渉を避ける必要がある。このため、データ線114は、
図16において右方向に分岐し、かつ、シールド配線81が形成されていない部分まで延設されている。当該延設部分にコンタクトホール51が形成されて、データ線114を中継電極61に接続している。これによってシールド配線81と中継電極61とは互いに干渉せずに電気的に分離することになる。
なお、この例では、コンタクトホール51、71を平面視したときに同一地点で重なるように配置させているが、異なる地点となるように配置させて良い(図示省略)。
【0054】
さて、第6実施形態では、データ線114を右側に分岐して延設させている関係上、この延設部分から、ノイズが、トランジスター140のゲートノードg、ソースノードsに飛び込む可能性がある。このため、第6実施形態では、平面視したときにデータ線114の分岐部分と、中継電極43/ゲート電極層21との間に、シールド配線81を右側に延設させた分岐配線81dを設けている。これにより、データ線114の右側に延設させた部分、すなわちコンタクトホール71近傍からのノイズは、トランジスター140の各ノードに到達する前に、分岐配線81dによって吸収される。
【0055】
第6実施形態によれば、シールド配線81が平面視でデータ線114と重なるように設けられているとともに、電源線116との兼用によって電位が固定化されているので、シールド機能の強化が図られることになる。
【0056】
<第7実施形態>
図18は、第7実施形態における電気光学装置の画素回路110の構成を示す平面図である。
この図に示されるように、第7実施形態は、電源線116を兼用するシールド配線81を、平面視したときに保持容量135(ゲート電極層21)およびトランジスター140を覆うようにしたものである。
上述したようにシールド配線81(電源線116)は、中継電極61、62と同一の配線層をパターニングして形成されるので、中継電極61、62との干渉を避ける必要がある。この第7実施形態において、電源線116を兼用するシールド配線81は、中継電極61、62の近傍領域において、開孔した形状になっている。
なお、第7実施形態の画素回路110における要部断面図は、
図17において、破線で示した部分を追加した内容になる。
【0057】
第7実施形態によれば、シールド配線81が平面視でデータ線114と重なるように、かつ、保持容量135およびトランジスター140を覆うように設けられるとともに、電源線116との兼用によって電位が固定化されているので、シールド機能のさらなる強化が図られる。
なお、第7実施形態では、中継電極61、62と干渉しない限りにおいて、シールド配線81の開孔面積を、より狭めても良い。また、第7実施形態では、シールド配線81で、平面視で保持容量135およびトランジスター140の全域を覆うようにしたが、一部についてのみ覆うようにしても良い。
【0058】
<応用例・変形例>
本発明は、上述した実施形態に限られず、次のような応用・変形が可能である。
例えば保持容量135の構成については、ゲート電極層21と中継電極43とで第1層間絶縁膜11を挟持したが、例えば平面視でゲート電極層21と重なるように半導体層を設けて、当該半導体層とゲート電極層21とでゲート絶縁膜10を挟持しても良い。半導体層としては、ソース領域140sを延設させたものを用いても良いし、別途パターニングしたものを用いても良い。このほかにも、異種配線層からなる電極、配線同士で層間絶縁膜やゲート絶縁膜を挟持した構成としても良いし、複数個並列接続したものを全体として保持容量135として用いても良い。
また、保持容量135を電気的に介挿する位置については、トランジスター140のゲートノードgとソースノードsとの間以外でも、例えば
図19に示されるようにゲートノードgと共通電極118との間でも良いし、特に図示しないが、ゲートノードgと他の電位に固定された配線との間でも良い。
【0059】
画素回路110の駆動については、トランジスター130がオン状態となっている選択期間に、単に階調データに応じた電位のデータ信号をゲートノードgに保持させる方法に限られない。例えば、トランジスター130がオン状態となっている選択期間に、データ線114を基準電位とするとともに、電源線116および共通電極118による電源を第1電位と第2電位とで切り換えて、トランジスター140のしきい値電圧に相当する電圧を保持容量135に保持させ、この後、データ線114を階調データに応じた電位となるように駆動しても良い。また、選択期間にデータ信号の電位を変化させるとともに、選択期間終了時におけるデータ信号の時間的変化率を階調データに応じた値となるように駆動しても良いし、ソースノードsに容量素子を介して、行毎にランプ信号を供給しトランジスター140にセット電流が流れるように駆動しても良い。
いずれの駆動においても、各実施形態のようなシールド配線を画素回路110に設けることによって、発光素子150に電流を流すトランジスター140の各ノードの電位が、データ線114からのノイズによって変動してしまうのを抑えることが可能である。
【0060】
シールド配線については、異なる2層以上の配線層をパターニングしたものを用いても良い。例えば第6(第7)実施形態において、データ線114および中継電極82と同一の配線層をパターニングして、シールド配線81(電源線116)と、別途の形成したシールド配線との二重構造としても良い。なお、別途のシールド配線については、データ線114および中継電極82との干渉を避ければ良い。
【0061】
発光素子150としては、OLEDのほか、無機EL素子やLED(Light Emitting Diode)素子など、電流に応じた輝度で発光する素子が適用可能である。
【0062】
<電子機器>
次に、本発明に係る電気光学装置を適用した電子機器のいくつかについて説明する。
図20は、上述した実施形態に係る電気光学装置1を表示装置として採用したパーソナルコンピューターの外観を示す図である。パーソナルコンピューター2000は、表示装置としての電気光学装置1と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。
電気光学装置1において、発光素子150にOLEDを使用した場合、視野角が広く見易い画面表示が可能になる。
【0063】
図21は、実施形態に係る電気光学装置1を表示装置として採用した携帯電話機の外観を示す図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001や方向キー3002などのほか、受話口3003、送話口3004とともに上述した電気光学装置1を備える。方向キー3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールされる。
【0064】
図22は、実施形態に係る電気光学装置1を表示装置として採用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の外観を示す図である。携帯情報端末4000は、複数の操作ボタン4001や方向キー4002などのほか、上述した電気光学装置1を備える。携帯情報端末4000では、所定の操作によって住所録やスケジュール帳などの各種の情報が電気光学装置1に表示されるとともに、表示された情報が方向キー4002の操作に応じてスクロールされる。
【0065】
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、
図20から
図22までに示した例のほか、テレビ、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。特にマイクロディスプレイとしては、ヘッドマウントディスプレイや、デジタルスチルカメラまたはビデオカメラの電子ビューファインダーなどが挙げられる。