【文献】
NTT DOCOMO, Vodafone, Telecom Italia, China Mobile,Addition of Subscription Information for Selecting a Specific Network[online],3GPP TSG-SA WG2#99,3GPP,2013年 9月26日,S2-133538,section 4.3.8.3,検索日[2017.10.03],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_99_Xiamen/Docs/S2-133538.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例について説明する。
図1の通信システムは、コアネットワークシステム10、コアネットワークシステム20、基地局30及び通信端末40を有している。
【0016】
コアネットワークシステム10及びコアネットワークシステム20は、接続可能な通信端末40が制限されるコアネットワークシステムである。例えば、コアネットワークシステム10及びコアネットワークシステム20が企業毎に割り当てられたコアネットワークシステムである場合、接続可能な通信端末40は、それぞれの企業に所属するユーザが保持する通信端末であってもよい。つまり、通信端末40は、ユーザが属する企業に割り当てられたコアネットワークシステムのみに接続でき、他の企業に割り当てられたコアネットワークシステムには接続できないようにしてもよい。
【0017】
また、コアネットワークシステム10もしくはコアネットワークシステム20は、一つの企業のみに割り当てられてもよく、複数の企業に割り当てられてもよい。つまり、複数の企業が一つのコアネットワークシステムを共用してもよい。また、たとえば、実行するサービスごとにコアネットワークシステムが割り当てられてもよい。MTC端末を用いたサービスを実行する場合、特定のMTC端末との接続用にコアネットワークシステムが用いられてもよい。さらに、例えば、トラヒックの少ない地域等においては、複数の企業が一つのコアネットワークシステムを共用するようにしてもよい。
【0018】
コアネットワークシステム10及びコアネットワークシステム20は、複数のノード装置を有している。複数のノード装置は、通信端末40を管理するため、もしくは、データを中継するために用いられる。
【0019】
コアネットワークシステム10及びコアネットワークシステム20には、それぞれ収容可能な企業サービスを示すサービス識別子が割り当てられている。企業サービスとは、一般企業や通信事業者がコアネットワークシステム内で提供するサービスであり、コアネットワークシステムではサービス識別子により企業サービスを認識する。または企業サービスは、コアネットワークシステムに接続する外部網で提供されるサービスであってもよい。それぞれのコアネットワークシステムに割り当てられるサービス識別子は、コアネットワークシステム毎に異なる。コアネットワークシステム10及びコアネットワークシステム20は、自システムに割り当てられたサービス識別子を基地局30へ送信する。
【0020】
通信端末40は、携帯電話端末、スマートフォン端末、タブレット型通信端末もしくは通信機能を有するパーソナルコンピュータ等であってもよい。もしくは、通信端末40は、MTC端末、通信機能を有する小型装置等であってもよい。
【0021】
基地局30は、コアネットワークシステム10及びコアネットワークシステム20に共用される。基地局30は、移動通信ネットワーク内に配置され、無線回線を介して通信端末40と通信を行う。さらに、基地局30は、有線回線もしくは無線回線を介してコアネットワークシステム10もしくはコアネットワークシステム20が有するノード装置と通信を行う。また、移動通信ネットワークは、コアネットワークシステム10、コアネットワークシステム20及び基地局30を有しており、一つの通信事業者によって管理されるネットワークである。
【0022】
基地局30は、通信端末40から送信されたコアネットワークシステム10もしくはコアネットワークシステム20に対する接続要求メッセージを受信する。通信端末40は、接続可能なコアネットワークシステムが予め定められている。例えば、通信端末40の接続可能なコアネットワークシステムは、コアネットワークシステム10とする。このような場合、通信端末40は、コアネットワークシステム10を識別する情報を含む接続要求メッセージを送信する。接続要求メッセージに含まれる識別情報は、企業サービスを示すサービス識別子であってもよく、その他の識別子であってもよい。
【0023】
基地局30は、通信端末40からコアネットワークシステム10への接続を要求された場合に、コアネットワークシステム10から送信されたサービス識別子を用いて通信端末40から送信された接続要求メッセージをコアネットワークシステム10へ送信する。サービス識別子を用いるとは、基地局30が、接続要求メッセージを送信する送信先のコアネットワークシステムを、サービス識別子を指定することによって選択することである。
【0024】
基地局30は、接続要求メッセージにサービス識別子が含まれている場合、当該サービス識別子が割り当てられているコアネットワークシステムへ接続要求メッセージを送信してもよい。基地局30は、接続要求メッセージにサービス識別子とは異なる識別子が含まれている場合、当該識別子と対応付けられているサービス識別子を抽出し、抽出したサービス識別子が割り当てられているコアネットワークシステムへ接続要求メッセージを送信してもよい。
【0025】
以上説明したように、
図1の通信システムを用いることによって、基地局30は、それぞれのコアネットワークシステムに割り当てられているサービス識別子を用いて、複数のコアネットワークシステムの内、接続すべきコアネットワークシステムを識別することができる。基地局30は、サービス識別子を用いて通信端末40が接続可能なコアネットワークシステムを選択し、通信端末40から送信された接続要求メッセージを、選択したコアネットワークシステムへ送信することができる。また、基地局30は、その後に発生する通信端末40に関するデータも、選択したコアネットワークを介して通信することができる。
【0026】
このように、移動通信システム内に配置される複数のコアネットワークシステムのそれぞれに収容可能な企業サービスを示すサービス識別子を割り当てることによって、基地局30は、通信端末40から送信された接続要求メッセージの送信先を通信端末40毎に決定することができる。基地局30は、特定の通信端末群に関する通信データを特定のコアネットワークシステムへ転送することができるため、特定の通信端末群に関する通信データ量が急激に増加した場合においても、他のコアネットワークシステムへ通信品質を悪化させるような影響を及ぼすことを防止することができる。
【0027】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて本発明の実施の形態2に係る基地局30の詳細な構成例について説明する。基地局30は、ネットワーク(NW)通信部31、サービス識別子保持部32、端末通信部33及び判定部34を有している。
【0028】
NW通信部31は、コアネットワークシステム内のノード装置と通信を行う。NW通信部31は、ノード装置と通信を行うために用いられるインタフェースとして用いられてもよい。NW通信部31は、ノード装置から送信されたサービス識別子を受信する。サービス識別子は、ノード装置が配置されているコアネットワークシステムに収容可能な企業サービスを示す識別子である。NW通信部31は、受信したサービス識別子をサービス識別子保持部32へ出力する。
【0029】
サービス識別子保持部32は、NW通信部31から出力されたサービス識別子を、コアネットワークシステムと関連付けて管理する。サービス識別子保持部32は、基地局30に内蔵されているメモリ等であってもよく、基地局30に外付けされるメモリ等であってもよい。NW通信部31が複数のコアネットワークシステムと通信を行い、複数のサービス識別子を受信した場合、サービス識別子保持部32は、複数のサービス識別子を保持する。
【0030】
端末通信部33は、通信端末40と通信を行う。端末通信部33は、通信端末40と通信を行うために用いられるインタフェースとして用いられてもよい。端末通信部33は、通信端末40との間において予め定められた無線方式を用いて通信端末40と無線通信を行う。予め定められた無線方式は、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において定められているLTE(Long Term Evolution)等であってもよい。端末通信部33は、通信端末40から送信された接続要求メッセージを受信する。端末通信部33は、接続要求メッセージを判定部34へ出力する。通信端末40は、基地局30を介してコアネットワークシステムと接続を行うことによって、ユーザデータの通信を行うことができる。そのため、通信端末40は、コアネットワークシステムへ接続するために接続要求メッセージを送信する。
【0031】
ユーザデータは、例えば、音声データ、画像データもしくは動画データ等である。また、ユーザデータは、U−Planeデータと称されてもよい。これに対して、接続要求メッセージは、制御データと称されてもよい。制御データは、C−Planeデータと称されてもよい。接続要求メッセージは、具体的には、3GPPにおいて定められているAttachメッセージもしくはTAU(Tracking Area Update)メッセージであってもよい。
【0032】
判定部34は、端末通信部33から出力された接続要求メッセージに設定されたサービス識別子と、サービス識別子保持部32に保持されているサービス識別子とを用いて接続要求メッセージを送信するコアネットワークシステムを判定する。判定部34には、例えば基地局30を構成するコンピュータ装置のCPU等が用いられてもよい。
【0033】
判定部34は、端末通信部33から接続要求メッセージを受け取ると、接続要求メッセージに設定されたサービス識別子を抽出する。接続要求メッセージに設定されたサービス識別子は、通信端末40が接続を行うコアネットワークシステムを選択する際に用いられる。ここで、判定部34は、抽出したサービス識別子と同一のサービス識別子がサービス識別子保持部32に保持されているか否かを判定する。判定部34は、サービス識別子保持部32が保持しているサービス識別子の一覧を示す情報をサービス識別子保持部32から取得し、接続要求メッセージに設定されたサービス識別子がサービス識別子保持部32に保持されているか否かを判定してもよい。
【0034】
判定部34は、抽出したサービス識別子と同一のサービス識別子がサービス識別子保持部32に保持されていると判定した場合、NW通信部31を介して接続要求メッセージを、サービス識別子と関連づけられているコアネットワークシステムへ送信する。抽出したサービス識別子と同一のサービス識別子がサービス識別子保持部32に保持されていることは、NW通信部31が、そのサービス識別子が割り当てられたコアネットワークシステムと通信を行うことができることを示している。また、判定部34は、抽出したサービス識別子と同一のサービス識別子がサービス識別子保持部32に保持されていないと判定した場合、NW通信部31を介して接続要求メッセージを、予め定められたコアネットワークシステムへ送信してもよい。
【0035】
続いて、
図3を用いて本発明の実施の形態2にかかるコアネットワークシステム10A及び10Bの構成例について説明する。コアネットワークシステム10Bは、コアネットワークシステム10Aと同様の構成であるため詳細な説明を省略する。ここで、コアネットワークシステム10A及び10Bは、単独の企業で運用しても良いし、複数の企業で共用しても良い。例えば、コアネットワークシステム10A及び10Bは、LTEの場合、EPC(Evolved Packet Core)である。
【0036】
コアネットワークシステム10Aは、SGW(Serving GW)11A、PGW(Packet Data Network GW)12A及びMME(Mobility Management Entity)13Aを有している。さらに、PGW12Aは、専用ネットワークA内に設置されているサービスサーバ14Aと接続している。SGW11A、PGW12A及びMME13Aは、3GPPにおいて規定されているノード装置である。例えば、専用ネットワークには、企業,省庁,自治体などが独自に運用するネットワークや社内LANやイーサネット(登録商標)などがある。本図においては、コアネットワークシステム10Aは、SGW11A、PGW12A、MME13A及びサービスサーバ14Aをそれぞれ1つ有する構成を示しているが、コアネットワークシステム10Aは、複数のSGW11A、PGW12A、MME13A及びサービスサーバ14Aを有してもよい。
【0037】
また、コアネットワークシステム10Aの各ノード装置は、通信事業者によってVNF(Virtualized Network Function)として提供されてもよい。VNFはネットワークノードの仮想化であり、物理マシン上のCPU及びメモリ等を複数の企業等において共用し、それぞれの企業へ提供する仮想的なCPU及びメモリ等のリソースを動的に変更させることができる。
【0038】
SGW11Aは、基地局30A及び基地局30Bから送信されたユーザデータをPGW12Aへ送信する。さらに、SGW11Aは、通信端末100を宛先とするユーザデータを基地局30Aへ送信し、通信端末130を宛先とするユーザデータを基地局30Bへ送信する。
図3においては、通信端末100及び130は、コアネットワークシステム10Aと通信を行い、通信端末110及び通信端末120は、コアネットワークシステム10Bと通信を行うことを示している。
【0039】
PGW12Aは、SGW11Aと同様にユーザデータの送信もしくは受信を行う。PGW12Aは、専用ネットワークA内のサービスサーバ14Aと通信を行う。つまり、PGW12は、専用ネットワークAとの間に配置されるゲートウェイ装置である。例えば、PGW12Aは、企業のサービスサーバ等と接続してもよい。
【0040】
MME13Aは、基地局30Aを介して接続している通信端末100及び基地局30Bを介して接続している端末130に関するユーザデータを送受信するSGW11Aを選択する。MME13Aは、選択したSGW11Aに関する情報を基地局30A及び基地局30Bへ通知する。これによって、例えば、基地局30Aは、通信端末100から送信されたユーザデータをSGW11Aへ送信することができ、さらに、SGW11Aから送信されたデータを受信し、受信したデータを通信端末100へ送信することができる。MME13Aは、SGW11Aを選択するとともにPGW12Aも選択する。
【0041】
MME13Aは、コアネットワークシステム10A内に複数のSGW11Aがある場合に、例えば、それぞれのSGW11Aの負荷状況等を考慮し、負荷が少ないSGW11Aを選択してもよい。また、MME13Aは、そのほかの選択基準に従い、SGW11Aを選択してもよい。
【0042】
MME13Aは、コアネットワークシステム10Aが収容可能なサービス識別子を保持している。さらに、MME13Aは、保持しているサービス識別子を基地局30A及び基地局30Bへ送信する。ここで、MME13Aが複数の企業等など、複数の企業サービスにおいて共用される場合について説明する。
【0043】
例えば、MME13Aは、接続を許容する複数の企業サービスに関する複数のサービス識別子を保持することによって、複数の企業サービス等において共用される。この場合、MME13Aは、複数のサービス識別子を基地局30A及び基地局30Bへ通知する。
【0044】
続いて、
図4を用いてサービス識別子の具体的な構成について説明する。
図4は、GUMMEI(Globally Unique MME Identifier)を構成するMMEGI(MME Group ID)フィールドのサブフィールドにサービス識別子を設定する例を示している。GUMMEIは、3GPPにおいて規定されているMMEの識別情報である。あるいは、サービス識別子は単独の情報要素として移動通信システム内で扱われてもよい。
【0045】
GUMMEIは、MME13が基地局30へ送信する識別情報である。GUMMEIは、MCC(Mobile Country Code)、MNC(Mobile Network Code)、MMEGI及びMMEC(MME Code)の各情報フィールドを有している。MCCは、国を識別するコードが設定される。MNCは、通信事業者を識別するコードが設定される。MMEGIは、サービス識別子を示すService IDと、Pool IDとを設定するサブフィールドを有する。
【0046】
Pool IDは、複数のMMEに共通に割り当てられる識別子である。例えば、所定の地域に配置された複数のMMEに、共通のPool IDが割り当てられてもよい。共通のPool IDが割り当てられる複数のMMEを、MME群と称してもよい。つまり、異なる地域に配置されたMME群は、異なるPool IDが割り当てられ、同じ地域に配置されたMME群は、同じPool IDが割り当てられる。
【0047】
MMEGIは、例えば16bitであり、そのうちのN(Nは0以上の整数)bitがService IDとして用いられる場合、Pool IDには、(16−N)bitが割り当てられる。
【0048】
Service IDは、企業サービス毎に割り当てられる識別子であり、Service IDをコアネットワークシステム毎に割り当てることにより、企業サービスが使用するコアネットワークが特定される。一つのコアネットワークシステムを複数の企業サービスで共用する場合、複数の企業サービスに割り当てられたそれぞれのService IDを当該コアネットワークシステムに割り当てる。つまり、コアネットワークシステムは、接続を許可する企業サービスに応じて、一つもしくは複数のService IDを保持する。
【0049】
MMECは、共通のPool IDが割り当てられた複数のMMEを一意に識別する識別子である。
【0050】
MME13は、Service IDを設定したGUMMEIを基地局30へ送信する。基地局30は、MME13から送信されたGUMMEIからService IDを抽出し、Service IDとコアネットワークシステムとを対応付けて管理する。
【0051】
ここで、基地局30の判定部34におけるコアネットワークシステム、つまりMMEの選択処理の概要について
図5を用いて説明する。本図においては、コアネットワークシステム10は、MMEを1つ有し、コアネットワークシステム20は、MMEを3つ有している。コアネットワークシステム10は、MMEGIが10/100であり、MMECが1であるMMEを有している。MMEGIは、Service ID/Pool IDを示している。そのため、コアネットワークシステム10のMMEは、Service ID10が割り当てられ、Pool IDが100となる。
【0052】
同様に、コアネットワークシステム20は、MMEGIが20/100でありMMECが1であるMME、MMEGIが20/100でありMMECが2であるMME、MMEGIが20/100でありMMECが3であるMMEを有している。
【0053】
それぞれのMMEは、MMEGI及びMMECを基地局30へ通知する。基地局30は、通知されたMMEGI及びMMECを管理する。
【0054】
ここで、基地局30は、通信端末40からサービス識別子として20が設定された接続要求メッセージを受信した場合、Service IDとして20が割り当てられた3つのMMEの中から一つを選択して、選択したMMEへ接続要求メッセージを送信する。この場合、基地局30は、重み付け(Weight Factor)を用いてService IDとして20が割り当てられた3つのMMEの中から1つのMMEを選択してもよい。例えば、基地局30は、MMECの若番から順番にMMEを選択してもよい。もしくは、基地局30は、予めMMEの処理負荷状況を取得しておき、処理負荷の少ないMMEを選択してもよい。基地局30は、その他の選択処理を用いてMMEを選択してもよい。また、
図5に示す構成の他に、複数の企業サービスがMMEを共用するように構成されてもよい。例えば、1つのMMEにおいて、MMEGI:10/100, MMEC:1とMMEGI:20/100, MMEC:1を収容しても良い。
【0055】
続いて
図6を用いて本発明の実施の形態2に係るサービス識別子の送信処理の流れについて説明する。ここでは、基地局30として3GPPにおいて規定されているeNB(evolved NodeB)を用いて説明する。eNBは、LTE(Long Term Evolution)無線方式に対応した基地局である。
【0056】
はじめに、eNBは、MMEへS1 SETUP REQUESTメッセージを送信する(S10)。例えば、eNBは、電源の投入により起動された場合に、eNBと接続されているMMEへS1 SETUP REQUESTメッセージを送信する。この時、eNBは、複数のMMEへS1 SETUP REQUESTメッセージを送信してもよい。
【0057】
次に、MMEは、eNBへS1 SETUP RESPONSEメッセージを送信する。MMEは、S1 SETUP RESPONSEメッセージにGUMMEIを設定する。つまり、MMEは、S1 SETUP RESPONSEメッセージをeNBへ送信することによって、eNBへService IDを通知する。MMEに複数のService IDが割り当てられている場合は、eNBへ複数のService IDを通知する。複数のService IDはリスト化されてMMEからeNBへ伝送されてもよい。なお、3GPPにおける仕様書であるTS36.413 V11.5.0(2013-09)の8.7.3章に、
図6に示すS1 SETUP REQUESTメッセージ及びS1 SETUP RESPONSEメッセージの概要が記載されている。本発明の実施の形態2にかかる通信システムにおいては、TS36.413 V11.5.0(2013-09)の8.7.3章に記載されているS1 SETUP RESPONSEメッセージにService IDを新たに設定している。
【0058】
続いて、
図7を用いて本発明の実施の形態2に係るサービス識別子の取得処理の流れについて説明する。はじめに、eNBのNW通信部31は、S1 SETUP RESPONSEメッセージに設定されているGUMMEIを取得する(S21)。次に、サービス識別子保持部32は、GUMMEIのMMEGIのサブフィールドに設定されているサービス識別子(Service ID)を抽出する(S22)。次に、サービス識別子保持部32は、抽出したService IDを保持する(S23)。
【0059】
続いて、
図8を用いて本発明の実施の形態2に係る接続要求メッセージの転送処理の流れについて説明する。
【0060】
はじめに、判定部34は、通信端末40から送信された接続要求メッセージを端末通信部33を介して受信する(S31)。次に、判定部34は、接続要求メッセージに、サービス識別子としてService IDが設定されているか否かを判定する(S32)。次に、判定部34は、Service IDが設定されていると判定した場合、接続要求メッセージに設定されているService IDを抽出する(S33)。次に、判定部34は、抽出したService IDが、サービス識別子保持部32に保持されているService IDと一致するか否かを判定する(S34)。
【0061】
判定部34は、接続要求メッセージに含まれるService IDと、サービス識別子保持部32に保持されているService IDとが一致すると判定した場合、接続要求メッセージに含まれるService IDに対応付けられているコアネットワークシステムのMMEへ接続要求メッセージを送信する(S36)。判定部34は、接続要求メッセージに含まれるService IDと、サービス識別子保持部32に保持されているService IDとが一致しないと判定した場合、あるいは、ステップS32において通信端末40から送信された接続要求メッセージ内にService IDが設定されていないと判定した場合、予め定められたDefault MMEへ接続要求メッセージを送信する(S35)。Default MMEに関する情報は、予め基地局30内のメモリ等において保持されていてもよく、S1 SETUP RESPONSEメッセージ等に設定されて、基地局30へ通知されてもよい。
【0062】
ここで、
図9を用いて、ステップS31において通信端末40から送信される接続要求メッセージの具体的な例について説明する。
図9は、通信端末40からeNBへ送信されるRRCConnectionRequestメッセージにService IDが設定されている様子が示されている。このようにして、通信端末40は、eNBへService IDを通知する。ここでは、Service IDが8ビット長である場合の例示である。
【0063】
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係る通信システムを用いることによって、基地局(eNB)は、特定のサービス識別子を設定した通信端末を特定のコアネットワークシステムへ接続することができる。これによって、特定の通信端末に関するデータは、特定のコアネットワークシステムを経由することになる。そのため、他のコアネットワークシステムにおいては、特定の通信端末に関するデータが流れ込むことはないため、特定の通信端末に関するデータが増加した場合においても影響を受けることがない。
【0064】
さらに、サービス識別子が、3GPPにおいて既に定められているGUMMEIのMMEGIのサブフィールドに設定されることによって、既存のメッセージの構成を大幅に変更することなく実現することができる。
【0065】
さらに、各企業サービス毎にコアネットワークシステムが割り当てられることによって、移動通信事業者は、スマートフォンユーザもしくは携帯電話端末ユーザ等の通常ユーザのみのトラヒック量を推定したネットワーク設計を行うことができる。つまり、各企業サービスに割り当てたコアネットワークシステムに接続する通信端末等に関するトラヒック量を考慮することなく、移動津新ネットワークの設計を行うことができる。
【0066】
さらに、各企業は、接続する通信端末の特性に応じたコアネットワークシステムを設計することができる。例えば、移動しない通信端末のみがコアネットワークに接続される場合、移動管理機能を排除したコアネットワークシステムを構築することによってコストダウンを図ることができる。また、移動頻度の高い多くの通信端末がコアネットワークシステムに接続する場合、企業は、MME、SGW及びPGWを増強することによって、高品質を有するコアネットワークシステムを構築することができる。
【0067】
(実施の形態3)
続いて、
図10を用いて本発明の実施の形態3にかかる通信システムの構成例について説明する。本図においては、通信端末40が、MMEの変更を伴うハンドオーバを行う場合について説明する。
【0068】
図10の通信システムは、コアネットワークシステム20、コアネットワークシステム50、基地局30、基地局35及びDNS(Domain Name System)サーバ60を有している。コアネットワークシステム20は、MME21及びMME22を有している。さらに、コアネットワークシステム50は、MME51を有している。
【0069】
また、
図10においては、通信端末40が、基地局30が形成する通信エリアから基地局35が形成する通信エリアへ移動している様子を示している。通信端末40は、基地局30と通信中に移動しており、ハンドオーバを実行している。
【0070】
MME21及びMME22に割り当てられたService IDは、20である。さらに、MME21のPool IDは、100であり、MME22のPool IDは、200である。つまり、MME21とMME22とは、異なる地域に配置されている。MME51のService IDは、50であり、Pool IDは、100である。MME51は、MME21とMME22を合わせた地域を管理している。
【0071】
次に、
図10の通信システムにおける接続構成を説明する。MME21は、基地局30を管理している。つまり、MME21は、基地局30と接続している。MME22は、基地局35と接続している。さらに、MME51は、基地局30及び基地局35と接続している。また、MME21及びMME22は、DNSサーバ60と接続している。
【0072】
基地局30及び基地局35は、通信端末40から通知されるService IDに応じて、接続要求メッセージの送信先として、コアネットワークシステム20もしくはコアネットワークシステム50を選択する。
【0073】
図10においては、通信端末40はService IDとして20を用いて、基地局30を介してMME21と接続している状態とする。このような状態において、通信端末40は、基地局35が形成する通信エリアへ移動する。この場合、基地局30と接続されていたMME21に割り当てられたService IDは20であるため、通信端末40の移動後の基地局35を管理するMMEは、Service IDとして20が割り当てられたMME22となる。そのため、通信端末40がハンドオーバする際に、接続先のMMEもMME21からMME22へ変更する。ここで、基地局35と接続するMMEは、MME22の他にMME51も存在する。しかし、移動前の通信端末40は、Service IDとして20を用いてMME21に接続していたため、通信端末40が接続するMMEは、MME21と同様のService IDを有するMME22へ変更される。
【0074】
ハンドオーバ先の基地局35を管理するMME22は、MME21から通信端末40の加入者情報を取得する。つまり、MME21は、通信端末40の移動先の基地局35を管理するMME22へ、通信端末40の加入者情報を送信する。
【0075】
ここで、
図11を用いて、MME21が、加入者情報の送信先としてMME22を選択する処理の流れについて説明する。はじめに、MME21は、基地局30から通信端末40に関するハンドオーバ(HO)要求メッセージを受信する(S41)。次に、MME21は、DNSサーバ60へ通信端末40のHO先のMMEを問い合わせるメッセージを送信する(S42)。例えば、MME21は、通信端末40の移動先の基地局35と接続しているMMEを問い合わせるためにDNSサーバ60へメッセージを送信してもよい。この時、例えば、MME21は、基地局35のエリア情報をDNSサーバ60へ送信してもよい。
【0076】
DNSサーバ60は、例えば、エリア情報と、そのエリアを管理するMMEとを対応付けて管理している。ここで、DNSサーバ60は、FQDN(Fully Qualified Domain Name)を用いてMMEを管理している。DNSサーバ60は、MMEが有するService IDをFQDNに含めて管理してもよい。例えば、MME22は、Service IDとして20が割り当てられているため、DNSサーバ60は、MME22のFQDNを”sid20mmec1.epc.・・・”と設定して管理してもよい。また、DNSサーバ60は、MME51のFQDNを、”sid50mmec1.epc.・・・”と設定して管理してもよい。
【0077】
MME21は、ステップS42において通信端末40に割り当てられたService ID 20を用いてHO先のMMEを問い合わせるメッセージを送信すると、DNSサーバ60から”sid20mmec1.epc.・・・”及び”sid50mmec1.epc.・・・”を含む応答メッセージを受信する(S43)。
【0078】
次に、MME21は、自装置に割り当てられたService IDと一致するService IDを含むFQDNがあるか否かを判定する(S44)。MME21は、自装置に割り当てられたService IDと一致するService IDを含むFQDNがあると判定した場合、自装置に割り当てられたService IDと同じService IDを含むFQDNが設定されたMME22へ通信端末40の加入者情報を送信する(S45)。MME21は、自装置に割り当てられたService IDと一致するService IDを含むFQDNがないと判定した場合、DNSサーバ60から通知されたFQDNが設定されたMMEの中から選択し通信端末40の加入者情報を送信する(S46)。
【0079】
以上説明したように、本発明の実施の形態3にかかる通信システムを用いることによって、通信端末がMMEの変更を伴うハンドオーバを実行した際においても、変更前のMMEは、サービス識別子を用いて変更後のMMEへ通信端末の加入者情報を送信することができる。
【0080】
また、本発明の実施の形態3においては、通信端末40のハンドオーバ時の動作について説明したが、MMEの変更を伴う通信端末40のTAU(Tracking Area Update)においても同様にMME間において加入者情報の引き継ぎを行うことができる。但し、TAUにおいては、通信端末40の移動先の基地局35を管理するMME22が、通信端末40の移動元の基地局30を管理するMME21を選択し、MME21から加入者情報を取得する。
【0081】
この場合に、MME22は、
図10及び
図11において説明した処理と同様に、DNSサーバ60に問い合わせを行うメッセージを送信し、基地局30と接続しているMMEに関する情報を取得する。MME22は、ハンドオーバ時と同様に、Service IDを用いてMME21を選択する。
【0082】
(実施の形態4)
続いて、
図12を用いて本発明の実施の形態4にかかるコアネットワークシステム70の構成例について説明する。コアネットワークシステム70は、SGSN(Serving GPRS Support Node)71及びGGSN(Gateway GPRS Support Node)72を有している。SGSN71及びGGSN72は、3GPPにおいて規定されているノード装置である。SGSN71及びGGSN72は、通信端末40に関するユーザデータを通信するとともに、通信端末40に関する制御データも通信を行う。
【0083】
SGSN71は、基地局30と接続されている。つまり、実施の形態2及び3においては、基地局30は、MMEを選択することについて説明したが、
図12においては、基地局30は、SGSN71を選択する。基地局30は、実施の形態1乃至3と同様に、サービス識別子を用いてSGSN71を選択する。
【0084】
以上説明したように、
図12の通信システムを用いることによって、SGSN71及びGGSN72を有する、いわゆる第2世代もしくは第3世代と称されるシステムにおいても、基地局30は、サービス識別子を用いてSGSN71を選択することができる。
【0085】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、基地局及びMMEにおける処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。)
【0086】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0087】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0088】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0089】
この出願は、2013年9月27日に出願された日本出願特願2013−202034を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。