(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンテンツ配信手段は、前記放送コンテンツの更新が無い場合に、前記コンテンツ変調手段に対して前記放送時間枠単位の配信用データを繰り返し送信することを特徴とする請求項1または2に記載のエリア放送システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている技術によれば、放送素材をシステムに投稿するだけで放送コンテンツが定まるため、放送コンテンツを得るための時間や費用の負担は少なくなる。また、放送素材の投稿は、比較的簡易に行うことができるため、鮮度の高い情報を提供することが可能となる。
【0006】
しかし、視聴者による投稿は、必ずしも放送内容に適した情報であるという補償が無い。このため、特許文献1に開示されている技術では、視聴者による放送内容の変更、更新が成されることで、本来のエリア放送の優位性が失われる可能性がある。
【0007】
そこで本発明では、放送コンテンツの制作をより簡易かつ低コストで行うことができ、かつ第3者による放送内容の改変が成されることを防止することのできるエリア放送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るエリア放送システムは、投稿端末から送信された放送素材を受信して放送コンテンツを生成するコンテンツ生成手段と、コンテンツ生成手段によって生成された放送コンテンツを配信するコンテンツ配信手段と、前記コンテンツ配信手段により配信された放送コンテンツをエリア放送として送信するコンテンツ変調手段とを有し、受信端末を介して復調した前記放送コンテンツを視聴可能とするエリア放送システムであって、前記コンテンツ生成手段では、投稿者に対して予め与えられた認証コードに基づく認証を行うユーザ認証処理と、前記ユーザ認証処理により投稿が許可された前記投稿者からの前記放送素材を受信し、当該放送素材に基づいて、予め定められた放送時間枠に合致した前記放送コンテンツの作成を行うコンテンツ生成処理と、が行われ、前記コンテンツ配信手段では、前記放送コンテンツを配信用データにエンコードする処理が成され、前記コンテンツ変調手段には、エンコード処理された前記配信用データをエリア放送用信号に重畳させる変調機と、変調された信号を送信するアンテナと、が設けられており、前記放送素材の受信をトリガとして、前記変調信号の送信までの作業を自動で行うことを特徴とするエリア放送システム。
【0009】
また、上記のような特徴を有するエリア放送システムでは、前記コンテンツ配信手段は、前記放送コンテンツの更新が無い場合に、前記コンテンツ変調手段に対して前記放送時間枠単位の配信用データを繰り返し送信する構成とすると良い。
【0010】
このような構成とすることで、同じデータを複数回取り込み、変換するという処理を行うことが無くなる。よって、コンテンツ配信手段における処理負担が軽減される。また、コンテンツ生成手段におけるデータの更新があった場合には、コンテンツ配信手段は、遅滞無く、更新データの取り込み、変換を行うことが可能となる。
【0011】
また、上記のような特徴を有するエリア放送システムでは、前記放送時間枠を複数に分割し、分割時間枠のそれぞれに、前記投稿者の認証コードを関連付け、前記分割時間枠単位での前記放送コンテンツの更新を可能にすることができる。
【0012】
このような構成とすることで、投稿者が新たな投稿を行うことによりデータの更新が成された場合に、該当する投稿者の分割時間枠のみを更新データに入れ替えて配信用データを生成することができる。
【0013】
また、上記のような特徴を有するエリア放送システムでは、前記放送時間枠において、前記分割時間枠の放送順序が予め定められているようにすると良い。
【0014】
このような構成とすることによれば、視聴を望む投稿者の放送がいつ放送されるのかを予測することが可能となる。
【0015】
さらに、上記のような特徴を有するエリア放送システムでは、前記コンテンツ生成処理により生成された放送コンテンツのうち、映像コンテンツをデジタルサイネージに表示する映像として利用するようにしても良い。
【0016】
デジタルサイネージに映像コンテンツを表示することによれば、視聴者が受信端末を所持していない場合であっても、デジタルサイネージ周辺の人々に、広く投稿内容を視聴してもらうことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
上記のような特徴を有するエリア放送システムによれば、放送コンテンツの制作をより簡易かつ低コストで行うことが可能となる。また、第3者により放送内容の改変を防止することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のエリア放送システムに係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、
図1を参照して、第1の実施形態に係るエリア放送システムについて説明する。
【0020】
本実施形態に係るエリア放送システム10は、投稿端末12と、コンテンツサーバ(コンテンツ生成手段)14、配信サーバ(配信手段)34、及びエリア放送変調部(コンテンツ変調手段)56を基本として構成されており、受信端末(ワンセグ受信機)62を介して視聴することができる。
【0021】
投稿端末12は、スマートフォンやタブレット型通信端末、ノートパソコン等の携帯型端末の他、インターネット等の情報通信網に接続可能な端末であれば、デスクトップパソコン等の固定型端末であっても良い。投稿端末を汎用機器とすることで、システムを構成する上での初期費用のコストを抑えることができる。また、使い慣れた携帯型端末等を投稿端末12とすることで、各種操作を感覚的に行うことが可能となり、投稿頻度の向上を図ることができる。
【0022】
投稿端末12からの投稿方式は種々選択することができる。例えば、メールに、放送用の映像や画像等の放送素材を添付し、これを送信することで投稿する方法や、アクセス先のサイトに定められた投稿枠が投稿端末12に表示され、該当する枠内に放送素材を添付し、これを転送する方法、及び予め投稿専用のアプリケーションソフトをダウンロードし、当該アプリケーションソフトによる案内に従って放送素材を入力し、送信することで投稿するといったもの等を挙げることができる。
【0023】
コンテンツサーバ14は、素材受け入れのためのインターフェースを提供し、投稿された放送素材を所定の形式に変換(コンテンツ化)して蓄積保存する役割を担うシステムである。本実施形態に係るコンテンツサーバ14は、ユーザ認証処理16と、画像・テキスト取込処理18、映像取込処理24、サイズ・フォーマット変換処理20,26、およびデータ放送コンテンツ生成処理22といった各種処理を実施するためのソフトウェアやプログラムを記録している記憶部や、これらのソフトウェアやプログラムによる処理を実行する演算部(いずれも不図示)を備え、記憶部には、データ放送コンテンツデータベース(以下、データ放送コンテンツDB28と称す)や、データ放送テンプレート30、および映像コンテンツデータベース(以下、映像コンテンツDB32と称す)等が構築保存されている。
【0024】
コンテンツサーバ14で成される各種処理のうち、ユーザ認証処理16は、エリア放送に用いる放送素材を投稿しようとする投稿者が、コンテンツサーバ14に対してアクセス可能か否かを判定する処理である。具体的には、ユーザ認証処理16は、投稿端末12を介して投稿者が入力するユーザIDとパスワードのような認証コードに基づいて行われる。なお、認証が許可された投稿者は、コンテンツサーバ14にアクセスして、放送素材の投稿を行うことができる。認証が許可されなかった投稿者はコンテンツサーバ14へのアクセスが拒否され、放送素材の投稿を行うことができない。このようなアクセス制限を設けることで、第3者による投稿により、放送コンテンツが予期せぬ更新や改変を成されることを避けることができる。
【0025】
画像・テキスト取込処理18は、ユーザ認証処理16を経て、投稿端末12を介して投稿された放送素材のうち、画像素材(写真、ロゴマークなどの画像形式データ)や文字テキスト(画像に対するコメントやURLなどのテキスト要素)などを取り込む処理である。画像や文字テキストの投稿は、例えば、ユーザ認証処理16後に投稿端末12に表示される入力画面(投稿用テンプレート)へ、画像や文字テキスト等を入力し、入力終了後にコンテンツサーバ14へ転送することで行うことができる。なお、投稿用テンプレートは、コンテンツサーバ14の記憶部に記録されており、アクセス時に投稿端末12の表示部に表示させるようにしても良いし、投稿用のアプリケーションとして、予め投稿端末12にダウンロードさせておくようにしても良い。
【0026】
映像取込処理24は、投稿端末12を介して投稿された放送素材のうち、エリア放送(ワンセグ放送等)に使用する映像・音声等から構成される映像素材を取り込む処理である。映像素材の投稿も、ユーザ認証処理16後に投稿端末12に表示される入力画面(投稿用テンプレート)へ、映像素材を入力(添付)し、コンテンツサーバ14へ転送することで行うことができる。映像取込処理24では、投稿可能な映像の尺度(時間枠)を予め定めることで、その尺度内で放送することのできる映像の投稿を促すことができる。よって、予め定める映像の尺度を短くすることで、より気軽で頻度の高い投稿を促すことができる。また、投稿された映像に関しては、投稿された映像を予め定められた尺度に当て嵌めた場合、どのようなものとなるのかをプレビューすることを可能な構成としても良い。投稿映像をプレビューすることで、投稿映像が尺度をオーバーしていて、予期せぬところでカットされてしまうといった事態、およびそのような映像が放映されてしまうといったトラブルを避けることが可能となる。
【0027】
サイズ・フォーマット変換処理20,26は、投稿された画像素材や映像素材のサイズ(素材の縦・横ピクセル数)やフォーマットを、エリア放送に用いるサイズ、およびフォーマットにそれぞれ変換し、コンテンツサーバ14に蓄積保存する(画像と映像で異なる)処理である。なお、投稿された画像素材と映像素材は、利用可能範囲やフォーマット等が異なるため、それぞれ個別にサイズ・フォーマット変換処理20,26を行う。
【0028】
データ放送コンテンツ生成処理22は、ワンセグ放送等のエリア放送に利用するBML(Broadcast Markup Language)ファイルを生成する処理を行う。具体的には、詳細を後述するデータ放送テンプレートの各入力項目に対し、サイズ・フォーマット変換が完了し、コンテンツサーバ14に記録されている画像素材へのリンク情報と、投稿された文字テキストを埋め込むという処理を行う。
【0029】
また、データ放送コンテンツDB28は、データ放送コンテンツ生成処理22により生成されたBMLファイル、およびBMLファイルにリンクとして埋め込まれた画像素材から成るデータ放送コンテンツを蓄積保存すること、および必要とするデータ放送コンテンツを読み出し可能とするデータベースである。
【0030】
データ放送テンプレート30は、ワンセグ放送等のエリア放送を放映する際のデータ放送の画面レイアウト(画像素材や文字テキストを埋め込むための位置や配置)を定めるためのテンプレートである。予め作成されたテンプレートに対し、サイズやフォーマットが変換されたデータ放送コンテンツを合わせ込む処理とすることで、人手を介することなく自動処理することが可能となる。
【0031】
映像コンテンツDB32は、サイズ・フォーマット変換が完了した映像素材を1つの映像コンテンツとして蓄積保存、および必要とする映像コンテンツを読み出し可能とするデータベースである。
【0032】
配信サーバ34は、コンテンツサーバ14上で新たに更新された放送コンテンツを取り込んで、所定の規則にしたがって放送信号情報をエリア放送変調部56に配信するシステムである。配信サーバ34も、コンテンツサーバ14同様に図示しないが、少なくともデータ放送コンテンツや映像コンテンツ等の放送コンテンツを受け入れるためのインターフェースと、各種処理を実行するための演算部、および各種処理を行うためのプログラム等を保存している記憶部を備えている。本実施形態に係る配信サーバ34は、メディアプレーヤ部36とエリア放送エンコード部44で構成される。
【0033】
メディアプレーヤ部36は、映像コンテンツの更新管理に係る処理部である。具体的には、更新コンテンツ取込処理38と、コンテンツ送出順序更新処理40、およびコンテンツ送出処理42といった各種処理を行う。更新コンテンツ取込処理38は、コンテンツサーバ14における映像コンテンツDB32に蓄積保存されている映像コンテンツのうち、更新された映像コンテンツをメディアプレーヤ部36に取り込むための処理である。具体的には、予め定めた時間間隔で、コンテンツサーバ14における映像コンテンツDB32を監視(映像コンテンツDB32へアクセス)し、更新情報(新たな映像コンテンツ)の有無を確認する。更新情報が存在した場合には、更新された映像コンテンツをメディアプレーヤ部36に転送するという処理である。
【0034】
コンテンツ送出順序更新処理40は、放送時間枠内に当てはめられた複数の映像コンテンツの再生、送信順序を更新するための処理である。具体的には、既に転送されている映像コンテンツ(既存の映像コンテンツ)と、新たに転送された映像コンテンツ(新たな映像コンテンツ)を組み合わせる際の送出順序の取り決めを行う処理である。本実施形態におけるエリア放送は、所定の放送時間枠を複数の映像コンテンツ枠に分割し、1つの映像コンテンツ枠単位で、投稿の更新ができるようにしている。このため、一例としては、
図2に示すように、各映像コンテンツ枠の順序は、予め定められており、各映像コンテンツ枠単位に投稿者が定められている場合が挙げられる。このような場合には、投稿者に定められた映像コンテンツ枠に存在する既存の映像コンテンツと、新たな映像コンテンツとを置き換えて、全ての映像コンテンツが再生送信されることとなる。
図2の例では、放送順序6番目の投稿者Fが映像コンテンツを更新した場合、放送時間枠全体の順序は同じとしつつ、6番目の映像コンテンツ枠のみが更新されることとなる。
【0035】
また、他の例としては、
図3に示すように、新たな映像コンテンツを送出順序の先頭に配置し、放送時間枠内に定められた複数の映像コンテンツを順次送出されるように再生送信するというものを挙げることができる。ここで、新たな映像コンテンツを放送時間枠内の先頭に配置する際、同一投稿者による既存の映像コンテンツは、自動的に削除する構成とすることが望ましい。このような構成とすることで、同一投稿者の映像コンテンツが連続して放送されたり、映像コンテンツを短時間に繰り返し更新することで、複数の映像コンテンツ枠を独占的に使用されることを防ぐことができるからである。
【0036】
なお、各映像コンテンツ枠は、ユーザ認証処理16の際に使用する認証コードと関連付けることで、新たに更新された映像コンテンツが、どの投稿者によるものであるのかを判別することが可能となる。
【0037】
コンテンツ送出処理42は、コンテンツ送出順序更新処理40により更新された送出順序で映像コンテンツを再生送出する処理である。ワンセグ放送では、これらの送出データをキャプチャ取り込みしながら、映像コンテンツを放送・表示することとなる。
【0038】
エリア放送エンコード部44は、コンテンツサーバ14におけるデータ放送コンテンツDB28に蓄積されたデータ放送コンテンツと、メディアプレーヤ部36で処理されて放送順序が定められた映像コンテンツとを合わせ込み、エリア放送可能な放送信号情報としてエリア放送変調部56へ送出するための処理部である。具体的な処理としては、更新データ放送取込処理46と、映像取込(キャプチャ)処理48、エンコード処理、多重化処理52、およびIPパケット化処理54などが行われる。更新データ放送取込処理46は、コンテンツサーバ14におけるデータ放送コンテンツDB28に蓄積保存されているデータ放送コンテンツのうち、更新されたデータ放送コンテンツをエリア放送エンコード部44に取り込むための処理である。具体的には、予め定めた時間間隔で、コンテンツサーバ14におけるデータ放送コンテンツDB28を監視(データ放送コンテンツDB28へアクセス)し、更新情報(新たなデータ放送コンテンツ)の有無を確認する。更新情報が存在した場合には、更新されたデータ放送コンテンツをエリア放送エンコード部44に転送するという処理である。
【0039】
映像取込処理48は、メディアプレーヤ部36が送出する複合的な映像コンテンツをリアルタイムでキャプチャ取り込みする処理である。一例としてHDMI(登録商標)による映像・音声を信号としてキャプチャする方法が知られている。他の例として、映像・音声をパケットデータとしてキャプチャする方法がなども存在する。
【0040】
エンコード処理50は、キャプチャ取り込みした映像コンテンツに、地上デジタルテレビジョン放送規格に従った変換処理を施し、放送データ形式に変換する処理である。
【0041】
多重化処理52は、エンコードした映像コンテンツと転送されたデータ放送コンテンツを放送可能なデータ形式の単位で多重化する処理である。また、本実施形態では、前述のような多重化処理に加え、地上デジタルテレビジョン放送規格に従った制御情報も付加して、映像コンテンツ、データ放送コンテンツ、制御情報が多重化された放送信号情報を生成する処理を行う。
【0042】
IPパケット化処理54は、生成した放送信号情報を、インターネットで伝送可能なデータ形式に変換し、エリア放送変調部56に送信する処理である。なお、上記説明では、映像コンテンツやデータ放送コンテンツが更新された場合に、各種データが新たに取り込まれ、変換され、送信される旨説明した。しかしながら、所定間隔でのデータ放送コンテンツDB28や、映像コンテンツDB32監視時に、データの更新が無い場合には、再度データの取込、変換を行う事無く、IPパケット化処理54後の信号を、繰り返し送信するようにすると良い。同じデータを送信するために、同じデータの取込や変換処理を複数回繰り返すことは、処理の負担を増やし、データ送信の遅延を招く虞が生じるからである。また、データの更新が無い場合には、変換後のデータ送信を繰り返す構成としておくことで、データの更新が生じた場合に、遅滞無く、新たなデータの取込、変換を行うことが可能となる。
【0043】
エリア放送変調部56は、IPパケット化された放送信号情報を受信してエリア放送するための処理部である。エリア放送変調部56は、エリア放送変調機(ワンセグ変調機58)と、アンテナ60を主体として構成されている。ワンセグ変調機58は、受信したIPパケット化された放送信号情報を復元して、地上デジタルテレビジョン放送規格の電波として変調・増幅する役割を担う。そして、アンテナ60は、変調・増幅したエリア放送電波を射出する役割を担う。
【0044】
受信端末(ワンセグ受信機62)は、ワンセグ放送等のエリア放送を受信し、受信した信号を復調し、これを映像、および文字データとして表示することができる端末であれば良い。受信端末の具体的な例としては、携帯電話やタブレット型通信端末、ノートPCなど、携帯性に優れた端末であることが望ましい。エリア放送は、所定の挟範囲なエリアを主体とした放送であるため、信号を受信可能なエリアへ持ち込み可能な端末とすることが望ましいからである。
【0045】
以下、上記のような構成のエリア放送システムを用いた放送素材の投稿から、エリア放送が放映されるまでの流れについて、
図4を参照して説明する。
まず、スマートフォン等の携帯端末を投稿端末12として利用し、エリア放送用の素材を収集、作成する。放送素材を収集、作成した後、これらを投稿するために、コンテンツサーバ14へアクセスする(S1)。
【0046】
次に、ユーザ認証処理16を経てコンテンツサーバ14へ投稿された放送素材は、画像、および文字テキストから成る画像素材と、映像素材とに分別される(S2)。分別された素材のうち、画像・文字テキストから成る画像素材は、サイズ、およびフォーマットを予め定められた形式に変換され、データ放送テンプレートに埋め込まれ、データ放送コンテンツとして生成される(S3)。生成されたデータ放送コンテンツは、投稿者単位のデータ管理枠に関連付けて、データ放送コンテンツDB28に蓄積保存される(S4)。
【0047】
一方、映像素材は、画像素材と同様に、サイズ、およびフォーマットを変換された後、映像コンテンツとして、映像コンテンツDB32に、蓄積保存される。蓄積保存される映像コンテンツは、データ放送コンテンツと同様に、投稿者単位のデータ管理枠に関連付けて保存される(S5)。
【0048】
映像コンテンツDB32に蓄積保存された映像コンテンツに更新データが記録されると、メディアプレーヤ部36に取り込まれ、コンテンツの送出順序等の更新が成されエリア放送エンコード部44へ送出される。また、データ放送コンテンツDB28に蓄積保存されたデータ放送コンテンツに更新データが記録されると、エリア放送エンコード部44へと取り込まれる(S6)。
【0049】
エリア放送エンコード部44へ取り込まれたデータ放送コンテンツおよび映像コンテンツは、一纏りの更新コンテンツとして扱われ、映像コンテンツに対しては、エンコード処理が施される(S7)。エンコード処理が成された更新コンテンツは、多重化処理が施され、IPパケット化処理を経て、エリア放送変調部56へと送出される(S8)。
【0050】
エリア放送変調部56では、ワンセグ変調機58を介してIPパケット化された送信信号情報を復元して、地上デジタルテレビジョン放送規格の電波へと変調し、これを増幅して、アンテナ60からワンセグ放送電波として射出する(S9)。
【0051】
射出されたワンセグ放送電波をワンセグ受信機62等の受信端末が受信することで、ワンセグ放送の視聴が可能となる。
【0052】
上記のような構成のエリア放送システム10によれば、各投稿者に与えられる放送枠(映像コンテンツ枠)は、放送時間枠全体に比べて短いものとなる(例えば10秒など)。このため、大掛かりな編集作業等を必要としなくとも、映像コンテンツとしての体を成すことができる。よって、映像コンテンツを作成するために多大な労力や資金を投入する必要性が少なくなる。
【0053】
また、映像コンテンツの作成に、多大な労力や資金を必要とせず、短時間での作成が可能となることより、映像コンテンツの更新頻度を高め、鮮度の高い情報を発信することが可能となる。よって、エリア放送の更新頻度が高められ、視聴率の向上を図ることができるようになる。
【0054】
次に、本発明のエリア放送システムに係る第2の実施形態について、
図5を参照して説明する。本実施形態に係るエリア放送システム10Aの殆どの構成は、上述した第1の実施形態に係るエリア放送システム10と同様である。よって、その構成を同一とする箇所には、図面に同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0055】
第1の実施形態に係るエリア放送システム10と、本実施形態に係るエリア放送システム10Aとの相違点としては、作成された映像コンテンツを、エリア放送のみでなく、サイネージとしても利用するという点である。このため、本実施形態に係るエリア放送システム10Aでは、サイネージ配信部70と、サイネージ表示部76を備える構成としている。
【0056】
サイネージ配信部70は、メディアプレーヤ部36から送出された映像コンテンツを、詳細を後述するサイネージ表示部76により表示可能な形式に変換して出力する変換処理部である。よって、サイネージ配信部70では、映像取込(キャプチャ)処理72と、ストリーム配信処理74が成される。映像取込処理72は、メディアプレーヤ部36が送出する映像コンテンツをリアルタイム処理でキャプチャ取り込みする処理である。一例としては、HDMI(登録商標)による映像・音声を信号としてキャプチャする方法などがある。また、他の例としては、映像・音声をパケットデータとしてキャプチャする方法が考えられる。
【0057】
ストリーム配信処理74とは、キャプチャ取り込みした映像コンテンツをインターネットで伝送可能なデータ形式に変換し、変換した信号をサイネージ信号情報としてサイネージ表示部76に送信する処理のことである。なお、サイネージ配信部70も、上述したコンテンツサーバ14や配信サーバ34と同様に、図示しないが、各種処理を実行するための演算部や、各種プログラムやソフトを記憶しておく記憶部を備えている。
【0058】
サイネージ表示部76は、サイネージ配信部70から配信されたサイネージ信号情報を受信して、デジタルサイネージ80に表示する部位である。このため、サイネージ表示部76は、少なくとも、映像取込(ストリーム)処理78を行う処理部(不図示)と、映像取込処理78を行った映像を表示するためのデジタルサイネージ80とを備えている。
【0059】
このような特徴を有する本実施形態に係るエリア放送システム10Aによれば、エリア放送を受信する受信端末(ワンセグ受信機62等)を介してチェックする事無く、より幅広い世代の人々に放送内容を視聴してもらうことが可能となる。また、ワンセグ受信機62等によりエリア放送を受信するためには、初期のチャンネル設定等を視聴者に促す必要がある。しかし、デジタルサイネージ80により映像コンテンツを配信表示することによれば、視聴側における個別設定等が不要となる。
その他の構成、作用、効果については、上記第1の実施形態に係るエリア放送システム10と同様である。
【0060】
なお、上記第1の実施形態では、コンテンツサーバ14と配信サーバ36について、第2の実施形態では、コンテンツサーバ14と配信サーバ36、およびサイネージ配信部70について、それぞれの機能等の説明を簡単化するために、その機能に応じて分別された形態として示し、その旨説明した。しかしながら、上記それぞれの構成要素の機能を発揮可能な構成であれば、コンテンツサーバ14、配信サーバ36、およびサイネージ配信部70等を1つの構成要素とした上で、エリア放送システムを構築したとしても、本発明の一部としてみなすことができる。