(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1から4のいずれか一項に記載のLED電源装置において、前記制御部が、前記LEDの消灯時にも前記スイッチ素子を導通させるように構成されたLED電源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成によると、LED断線により無負荷状態となっている場合には出力電圧が上限設定値となるように定電圧制御が行われる。従って、無負荷時に高電圧が出力端子間に発生してしまうという問題がある。
【0006】
また、特許文献2の構成によると、無負荷検出後に、徐々に出力電圧が低減されるため、所定の低電圧状態に到達するまでの時間が長い。従って、この出力電圧の低減期間においてはLED駆動装置の出力端子には高電圧が発生しているため、所望の保護機能が発揮されていないという問題がある。
【0007】
ところで、入力電源が交流電源である場合に、コンバータ回路の一次側には140V(AC100V時)から280V(AC200V時)程度の電圧が印加される。このような高い一次電圧から抵抗を介して5〜15V程度の制御電圧を直接生成する構成は損失が大きく、また、電圧レギュレータによって上記制御電圧を直接生成する構成は高コストとなってしまう。従って、一般的には、入力電源が交流電源である場合には、コンバータ回路の二次側等に発生する電力が利用されて制御電源が生成される。ここで、特許文献2の構成によると、出力電圧は、所定の低出力電圧に到達した後も減少を続ける。従って、入力電源が交流電源でありかつコンバータ回路の二次側出力に応じて制御電源が生成される構成において出力電圧が低減されると、出力電圧が非常に低くなった時点で制御電源が確保されなくなり、保護状態が維持されなくなる可能性がある。また、出力電圧が停止される場合も同様に保護状態が維持されない。
【0008】
そこで、本発明は、無負荷状態となっても出力端子に高電圧を発生させず、かつ制御電源を確保して安定した無負荷時保護動作を継続できるLED電源装置及びそれを用いたLED照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のLED電源装置は、LEDの両端に接続される出力端子と、出力端子に直流電圧を印加可能なスイッチング電源回路と、出力端子の無負荷状態を検出する無負荷検出部と、出力端子に並列接続されたスイッチ素子を有するスイッチ部と、スイッチング電源回路の駆動に応じて給電され、無負荷状態が検出された場合にスイッチ素子を導通させる制御部とを備える。
【0010】
上記LED電源装置によると、LED電源装置が無負荷となった場合に、その出力端がスイッチ素子によって強制的に短絡されるので、無負荷状態となっても出力端子に高電圧が発生せず、かつLED電源装置内で電流を流すためのスイッチング電源回路の駆動により制御電源を確保して出力短絡状態を継続できる。これにより、LED電源装置の異常発生時の器具交換、点検等の際の安全性が向上する。
【0011】
ここで、制御部が、スイッチ部を導通させているときに、スイッチング電源回路の出力電流を低減するように構成されることが好ましい。これにより、出力短絡状態でのスイッチング電源回路の構成部品及びスイッチ素子の発熱を軽減できる。
【0012】
さらに、スイッチング電源回路の出力電流経路に挿入された複数の電流検出抵抗を含む電流検出部が設けられ、制御部が、電流検出部によって検出される電流が電流目標値に一致するようにスイッチング電源回路の出力電流を制御し、スイッチ素子を導通させる際に電流検出部の合成抵抗値を増加させるように構成されていてもよい。これにより、無負荷検出時の出力低減状態での定電流制御の精度が向上し、出力短絡状態での回路動作がさらに安定する。
【0013】
また、スイッチ部が、スイッチ素子に直列接続された補助LEDを含むようにしてもよい。これにより、無負荷状態となる異常が発生していること、及びLED電源装置に電源が投入されていることをユーザに報知することが可能となる。
【0014】
さらに、制御部が、LEDの消灯時にもスイッチ素子を導通させるようにしてもよい。これにより、LED消灯後に出力端子に電圧が発生している状態で放置されることを防止することができる。
【0015】
本発明のLED照明装置は、上記のLED電源装置と、LEDとを備える。これにより、無負荷時等の異常発生時の器具交換、点検等の際の安全性が向上したLED照明装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施形態1.
図1に、本発明の実施形態に係るLED電源装置1を含むLED照明装置3の回路構成図を示す。LED照明装置3はLED電源装置1及びLED2を含む。LED電源装置1は入力端子T1及びT2並びに出力端子T3及びT4を有し、交流電源ACからの電源電圧が入力端子T1及びT2に入力され、出力端子T3及びT4からの直流出力がLED2に供給される。LED2は直列接続された複数のLEDからなるLEDモジュール等であればよく、LED2の両端と出力端子T3及びT4とが接続される。
【0018】
LED電源装置1は入力回路10、スイッチング電源回路20、無負荷検出部30、電流検出部35、スイッチ部40、及び制御部50を含む。なお、本明細書における説明において、各回路又は構成要素が上記のどのブロックに属するかは便宜的なものであり、本発明を拘束するものではない。
【0019】
入力回路10は全波整流器11及びコンデンサ12を含み、必要に応じて電流ヒューズ、ノイズフィルタ等をさらに含む。入力回路10において、全波整流器11はダイオードブリッジからなり、交流電源ACからの入力電圧が全波整流器11によって全波整流され、その全波整流出力がスイッチング電源回路20に入力される。
【0020】
スイッチング電源回路20はスイッチング素子21、トランス22、ダイオード23及び平滑コンデンサ24を含む。スイッチング電源回路20は絶縁型フライバックコンバータからなり、力率改善機能を持つ、いわゆるワンコンバータ方式のフライバック降圧回路を構成する。
【0021】
スイッチング電源回路20において、スイッチング素子21のオン期間にトランス22の一次巻線N1によってエネルギーが蓄積され、スイッチング素子21のオフ期間にそのエネルギーがトランス22の二次巻線N2側からダイオード23を介して平滑コンデンサ24に充電される。降圧比は一次巻線N1に対する二次巻線N2の巻数比によって決まり、出力電流はスイッチング素子21のPWM制御におけるオンデューティ(オン幅)によって決まる。なお、以降の説明において、スイッチング電源回路20の平滑コンデンサ24の電圧(後述する無負荷検出部30にかかる電圧)を「電源出力電圧」といい、出力端子T3−T4間の電圧を「装置出力電圧」というものとする。また、後述する電流検出部35を通過する電流を「電源出力電流」といい、出力端子T3を出て出力端子T4に戻る電流を「装置出力電流」というものとする。
【0022】
無負荷検出部30は高抵抗素子からなる電圧検出抵抗31及び32を含む分圧回路からなり、スイッチング電源回路20の出力端に並列接続される。無負荷検出部30によって検出される電源出力電圧の分圧値(以下、「電圧検出値」という)が制御部50に入力される。
【0023】
電流検出部35は低抵抗素子からなる電流検出抵抗36を含み、スイッチング電源回路20の出力端に直列接続され、すなわち、電源出力電流の経路に挿入される。電流検出部35によって検出される電源出力電流の電圧換算値(以下、「電流検出値」という)が制御部50に入力される。
【0024】
スイッチ部40はMOSFET等のスイッチ素子41からなり、出力端子T3−T4に並列接続される。制御部50からの信号によりスイッチ素子41がオン状態となると、出力端子T3−T4間は短絡される。
【0025】
制御部50は、PWM制御回路51、起動抵抗52、ダイオード53、フォトカプラ54、出力制御回路55、及びダイオード56を含む。制御部50は、スイッチング電源回路20の駆動に応じて給電され、上述した無負荷検出部30及び電流検出部35からの検出結果に基づいて、スイッチング電源回路20のスイッチング素子21及びスイッチ部40のスイッチ素子41の動作状態を制御する。
【0026】
PWM制御回路51は、入力部Vcc、入力部FB、出力部OUT、及び接地部GNDを有し、例えば、ドライバICからなる。入力部Vccは、全波整流器11の高電位出力端に起動抵抗52を介して接続されるとともにトランス22の補助巻線N3にダイオード53を介して接続される。これにより、入力部Vccは、PWM制御回路51の起動時には全波整流出力から少量の電流が供給され、起動後は、スイッチング素子21の駆動に伴って補助巻線N3に発生する電力が制御電源として供給される。これにより、PWM制御回路51の起動後の制御電源が確保され、動作が継続される。なお、制御電源はPWM制御回路51内部の平滑回路等の定電圧回路(不図示)によって定電圧化されるものとする。
【0027】
入力部FBはフォトカプラ54の出力端に接続され、出力部OUTはスイッチング素子21のゲート端子に接続される。PWM制御回路51は、入力部FBから入力される信号のレベルに応じて、出力部OUTから出力されるゲート信号のパルス幅(オンデューティ)を決定し、スイッチング素子21をPWM制御する。
【0028】
フォトカプラ54は、入力側にフォトダイオード及び出力側にフォトトランジスタを含み、フォトダイオードが出力制御回路55の出力部AMPに接続され、フォトトランジスタがPWM制御回路51の入力部FBに接続される。フォトカプラ54において、基準電位の異なる出力制御回路55からPWM制御回路51へ信号の伝達がフォトダイオードからフォトトランジスタへの光電変換により行われる。
【0029】
出力制御回路55は、入力部Vcc、入力部VSNS、入力部ISNS、出力部AMP、出力部SW1、及び接地部GNDを有し、マイクロコンピュータ及び/又はアナログ回路によって構成される。入力部Vccは、トランス22の補助巻線N4にダイオード56を介して接続される。これにより、スイッチング素子21の駆動に伴って補助巻線N4に発生する電力が制御電源として供給される。なお、制御電源は出力制御回路55内部の平滑回路等の定電圧回路(不図示)によって定電圧化されるものとする。入力部VSNSには、無負荷検出部30からの電圧検出値が入力され、入力部ISNSには、電流検出部35からの電流検出値が入力される。
【0030】
出力制御回路55において、誤差増幅器(不図示)によって、入力部ISNSから入力される電流検出値と予め設定された電流目標値との誤差が増幅され、誤差増幅信号が出力部AMPから出力される。この誤差増幅信号はフォトカプラ54を介してPWM制御回路51の入力部FBに入力され、PWM制御回路51において誤差増幅信号が示す誤差を解消する方向にPWM制御におけるオン幅が決定される。すなわち、制御部50において、電流検出値が電流目標値よりも大きい場合にはオン幅が減少され、電流検出値が電流目標値よりも小さい場合にはオン幅が増大されるように動作する。これにより、電流検出値が電流目標値に一致するように、すなわち電源出力電流が目標値で一定となるようにフィードバック制御(定電流制御)される。
【0031】
出力制御回路55において、比較器(不図示)によって、入力部VSNSから入力される電圧検出値と予め設定された電圧閾値が比較され、電圧検出値が電圧閾値を超える場合に、出力部SW1から強制短絡信号が出力される。この強制短絡信号によってスイッチ素子41がオンされ、出力端子T3−T4が強制短絡される。これにより、無負荷状態において装置出力電圧が発生するのが防止される。
【0032】
ここで、出力制御回路55は、スイッチ素子41を導通させているときに電源出力電流を低減することが好ましい。これにより、T3−T4の強制短絡状態において、スイッチング電源回路20の各構成要素及びスイッチ素子41の発熱を軽減できる。この電源出力電流の低減幅は、スイッチング電源回路20の駆動による制御部50(PWM制御回路51及び出力制御回路55)の制御電源の確保が可能な程度まで許容される。
【0033】
電源出力電流の低減は、出力制御回路55において電流目標値を低減することによって行ってもよいし、電流検出部35の合成抵抗値を増加させることによって行ってもよい。無負荷検出時に電流検出部35の合成抵抗値を増加させる構成によると、電流低減時の電流検出精度を維持して電源出力電流の低減時における回路動作をさらに安定させることができる。
【0034】
図2に、電流検出部35の合成抵抗値を増加させる構成の一例を示す。電流検出部35は、電流検出抵抗36a及び36b並びにMOSFET等のスイッチ素子37を含み、電流検出抵抗36aと、電流検出抵抗36b及びスイッチ素子37の直列回路とが並列接続される。出力制御回路55は、出力部SW2を有し、通常点灯時には出力部SW2からの出力信号の論理をハイとしてスイッチ素子37をオンさせておき、無負荷検出時(強制短絡時)には出力部SW2からの出力信号の論理をローとして(又は信号出力を停止して)スイッチ素子37をオフする。これにより、通常点灯時には電流検出抵抗36a及び36bが並列接続され、無負荷検出時には電流検出抵抗36bが切り離されて電流検出部35の合成抵抗値が増加する。
【0035】
電流検出抵抗36a及び36bの抵抗値と電源出力電流の低減幅とを適切に選定することにより、電流目標値を変化させずに電流検出部35における合成抵抗値を増加させるだけで電源出力電流を低減させることができる。例えば、通常点灯時の電源出力電流に対して強制短絡時の電源出力電流が1/2の場合には、電流検出抵抗36a及び36bの抵抗値を等しくして通常点灯時の合成抵抗値に対して強制短絡時の合成抵抗値が2倍となるようにすればよい。なお、スイッチ素子41の強制短絡時に、電流検出抵抗36a及び36bの合成抵抗値及び電源出力電流の低減幅に応じて電流目標値が再設定されるようにしてもよい。また、電流検出部35において、一方の電流検出抵抗と、他方の電流検出抵抗及びスイッチ素子37の並列回路とが直列接続される構成としてもよい。この場合もスイッチ素子37のオン・オフの論理は
図2の場合と同様である。
【0036】
図3A及び
図3Bに上記の出力短絡動作のタイミングチャートを示す。
図3Aに出力電圧及びスイッチ素子41の動作状態を示し、出力電圧については装置出力電圧を実線で、電源出力電圧を破線で示す。
図3Bに電源電流出力及びスイッチ素子41の動作状態を示す。時刻t1までは、通常点灯動作が行われているものとし、電源出力電圧≒装置出力電圧=Vn、電源出力電流=Inであるものとする。
【0037】
t1において、LED2が断線し、又はLED2がLED電源装置1から取り外される等して、LED電源装置1が無負荷状態となったものとする。無負荷状態の発生により、電源出力電流はゼロとなり、電源出力電圧及び装置出力電圧が上昇する。
【0038】
t1の直後に電源出力電圧が電圧閾値Vthに達すると、出力制御回路55は強制短絡信号を出力してスイッチ素子41をオンする。これにより、
図3Aに示すように、装置出力電圧は略ゼロ(スイッチ素子41のオン抵抗による電圧降下分を含む)となり、電源出力電圧は電流検出抵抗36等の電圧降下分に相当する非常に低い電圧となる。なお、出力制御回路55は、強制短絡信号の出力後は電圧検出値と電圧閾値との比較を無効化してスイッチ素子41のオン状態を維持するものとする。
【0039】
ここで、出力制御回路55において、
図3Bに示すように、電源出力電流が通常点灯時(In)よりも低い強制短絡時電流(Is)となるように電源出力電流が低減される。上記の結果、装置出力電圧が略ゼロ、電源出力電流がIsの保護状態が維持される。
【0040】
以上のように、本実施形態によると、LED電源装置1が無負荷となった場合に、その出力端が強制的に短絡されるので、無負荷状態となっても出力端子T3−T4に高電圧が発生せず、かつ電源出力電流を流すためのスイッチング電源回路20の駆動により制御電源を確保して短絡状態(保護状態)を継続できる。これにより、LED電源装置1又はLED照明装置3における異常発生時の器具交換、点検などの際の安全性が向上する。また、出力の強制短絡時に電源出力電流を低減することによって回路部品の発熱を防止することができる。
【0041】
実施形態2.
上記実施形態1では無負荷状態発生時に装置出力を強制的に短絡する構成を示したが、本実施形態では、さらに出力の強制短絡がユーザから認識可能とする構成を示す。
図4に本実施形態のLED電源装置1を含むLED照明装置3の回路構成図を示す。本実施形態は、
図1に示す実施形態1とは、スイッチ部40の構成以外は同様であるので重複する説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、スイッチ部40はスイッチ素子41と補助LED42の直列回路からなる。すなわち、スイッチ素子41と補助LED42の直列回路が出力端子T3−T4に並列接続される。補助LED42はLED電源装置1の筐体の外部から視認できるように配置されているものとする。無負荷検出時にスイッチ素子41が強制短絡される際に、スイッチ素子41に直列接続された補助LED42が発光するので、LED断線等の異常が発生していること、及びLED電源装置1に電源が投入されていることをユーザに報知することが可能となる。なお、出力端子T3−T4間には、補助LED42の電圧降下に相当する装置出力電圧(例えば、数ボルト)しか発生しない。
【0043】
また、スイッチング電源回路20の駆動による制御電源の確保が可能な範囲で電源出力電流を制御して、補助LED42の発光状態を変化させるようにしてもよい。例えば、電流目標値を周期的又はランダムに変化させて補助LED42の発光強度を変化させるようにしてもよい。また、
図2に示したような電流検出抵抗の切換構成においては、スイッチ素子37を周期的又はランダムにオン・オフすることによって補助LED42の発光強度を変化させることができる。このように、補助LED42の発光強度を変化させることにより、LED電源装置1又はLED照明装置3の器具交換、点検等の際に、ユーザは、異常が発生していること、及びLED電源装置1に電源が投入されていることをより直感的に認識することができる。
【0044】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0045】
・スイッチング電源回路20の回路構成の変形
上記各実施形態においては、スイッチング電源回路20として、いわゆるワンコンバータ方式の絶縁型フライバックコンバータを示したが、スイッチング電源回路20は他の方式の降圧コンバータであってもよい。例えば、スイッチング電源回路20は力率改善回路及びフライバックコンバータ回路からなる回路であってもよい。この場合、補助巻線N3及びN4は、フライバックコンバータ回路を構成するトランス又は力率改善回路を構成するコイルに設けられていればよい。また、スイッチング電源回路20は力率改善回路及び非絶縁型の降圧チョッパ回路からなる回路であってもよい。この場合、補助巻線N3及びN4は、降圧チョッパ回路を構成するチョークコイルに設けられていればよい。あるいは、このような非絶縁型のコンバータの場合、PWM制御回路51及び出力制御回路55は全て同じ基準電位(グランド)となるので、チョークコイルに設けられた1つの補助巻線から全ての制御電源が生成される構成としてもよい。
【0046】
・制御電源生成構成の変形
上記各実施形態及び変形例においては、スイッチング電源回路20の駆動に応じて制御電源を生成する構成として、トランス22等のインダクタ素子の補助巻線から制御電源が生成される構成を示したが、制御電源を生成する構成はこれに限られない。例えば、
図5に示すように、PWM制御回路51側の制御電源が、スイッチング素子21に並列接続されたスナバ回路から生成される構成としてもよい。スナバ回路は直列接続されたコンデンサ25及びダイオード26を含み、スイッチング素子21のドレイン端子にコンデンサ25が接続され、ソース端子(基準電位)にダイオード26のアノードが接続される。そして、コンデンサ25とダイオード26の接続点がダイオード52のアノードに接続される。これにより、スイッチング電源回路20の動作時にコンデンサ25に発生するパルス状の電圧を制御電源の生成に利用することができる。
【0047】
・無負荷検出部30の変形
上記各実施形態においては、無負荷検出部30として電源出力電圧の分圧値を検出する分圧回路を示したが、無負荷検出部はこれに限られない。例えば、無負荷検出部30は照度センサであってもよい。この場合、LED2の近傍に照度センサを配置し、スイッチング電源回路20が駆動されているにもかかわらず所定値以上の照度が検出されない場合に、無負荷状態であることが出力制御回路55において検出されるようにしてもよい。また、無負荷検出部は電流検出部35によって構成されていてもよい。この場合、スイッチング電源回路20が駆動されているにもかかわらず検出電流が得られない場合に、無負荷状態であることが出力制御回路55において検出されるようにしてもよい。この場合も、無負荷検出部30が電源出力電圧を検出する場合と同様に、出力制御回路55は強制短絡信号を出力した後に電流検出部35による無負荷検出を無効化してスイッチ素子41のオン状態を維持するものとする。
【0048】
・スイッチ部40の動作タイミングに関する変形
上記各実施形態においては、無負荷検出時にスイッチ部40のスイッチ素子41がオンされる構成を示したが、LED電源装置1の動作終了時(すなわち消灯時)にスイッチ素子41がオンされる構成としてもよい。これにより、LED消灯後に平滑コンデンサ24に電圧が帯電された状態で放置されることを防止することができる。このように、スイッチ素子41は、無負荷時の保護動作及び消灯時の残電圧放電動作の双方の機能を兼ねることができる。
【0049】
・制御部50における電流制御の変形
上記各実施形態においては、制御部50において電源出力電流がフィードバック制御される構成を示したが、電源出力電流はフィードフォワード制御されるようにしてもよい。この場合、電流検出部35はなくてもよいが、強制短絡時の電源出力電流の安定化のために、その経路に何らかのインピーダンス素子が含まれることが好ましい。