(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の白色発光ダイオードを光源として被照射体に光を照射する光照射手段と、前記被照射体からの光を受光してカラー画像を読み取る読取手段と、基準色として黄色に前記光照射手段で光を照射して前記読取手段で得た青成分及び緑成分を用いて前記光源の励起光波長ばらつきに応じた補正係数を算出する算出手段と、前記読取手段で読み取った画像に対して前記補正係数を用いて補正を施す補正手段を有することを特徴とする画像読取装置。
複数の白色発光ダイオードを光源として被照射体に光を照射する光照射手段と、前記被照射体からの光を受光してカラー画像を読み取る読取手段と、基準色として黄色に前記光照射手段で光を照射して前記読取手段で得た緑成分と赤成分の比及び青成分を用いて前記光源の励起光波長ばらつきに応じた補正係数を算出する算出手段と、前記読取手段で読み取った画像に対して前記補正係数を用いて補正を施す補正手段を有することを特徴とする画像読取装置。
コンピュータに、複数の白色発光ダイオードを光源とした光照射手段により基準色として黄色に光を照射して読取手段で得た青成分及び緑成分を用いて前記光源の励起光波長ばらつきに応じた補正係数を算出する算出機能と、前記光照射手段により被照射体に光を照射し読取手段で読み取った画像に対して前記補正係数を用いて補正を施す補正機能を実行させるものであることを特徴とする画像読取プログラム。
コンピュータに、複数の白色発光ダイオードを光源とした光照射手段により基準色として黄色に光を照射して読取手段で得た緑成分と赤成分の比及び青成分を用いて前記光源の励起光波長ばらつきに応じた補正係数を算出する算出機能と、前記光照射手段により被照射体に光を照射し読取手段で読み取った画像に対して前記補正係数を用いて補正を施す補正機能を実行させるものであることを特徴とする画像読取プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の一形態を示す構成図、
図2は、光照射部の一例の説明図である。図中、1は光照射部、2は読取部、3は前処理部、4は補正係数算出部、5は補正係数保持部、6は補正部、7は被照射体、11は白色LED、12は発光部、13は蛍光体である。
【0018】
光照射部1は、複数の白色LEDを光源として用い、被照射体7に光を照射する。
図2(A)に示した光照射部1の一例では、複数の白色LED11を1列に並べて配置した例を示している。もちろん、千鳥状に配置するなど、配置はこの例に限られるものではない。また、導光板や拡散板などの光学素子など、他の構成を有していてもかまわない。
【0019】
それぞれの白色LED11としては、一例として
図2(B)、(C)に示した構成のものがある。この例では、発光部12を蛍光体13により覆っている。発光部12は青色光を発光する素子であり、蛍光体13は発光部12から放射される青色光を受けて励起し、黄色の蛍光を発光する。これにより、白色LED11からは発光部12により発光された青色光と蛍光体13による黄色の蛍光とが混合された光が外部へ放射され、青色光と黄色光とが混合されて白色光が得られる。光照射部1に配列されている白色LED11には、発光部12及び蛍光体13の製造ばらつきが存在する場合がある。発光部12で発光される青色光については、強度と波長にばらつきが生じている場合がある。また、蛍光体13についても蛍光物質の量や凝集状態などにばらつきが生じ、発光部12からの光と蛍光体13からの蛍光との混合比がずれている場合がある。従って、複数用いられている白色LED11のそれぞれから放出される光の色や強度が揃っているとは限らない。
【0020】
読取部2は、被照射体7からの光、例えば反射光や透過光を受光して電気信号に変換し、被照射体7のカラー画像を読み取る。公知のカラーイメージセンサで構成すればよい。後述するように、読取方式は限定されない。
【0021】
前処理部3は、読取部2で読み取ったカラー画像に対して、補正部6で補正処理を施す前にいくつかの規格化の処理を施しておく。例えば、黒レベル調整、シェーディング補正、その他種々の処理がある。もちろん、処理の必要がなければ前処理部3を設けずに構成してもかまわない。
【0022】
補正係数算出部4は、基準色に光照射部1で光を照射して読取部2で読み取った際のカラー出力のうち、予め決められた複数の色成分を用いて、光照射部1に設けられているそれぞれの光源(白色LED11)の励起光波長などのばらつきに応じて、補正部6において行う色補正処理のための補正係数を算出する。例えば、基準色を黄色とし、基準色の黄色が配された被照射体7を用い、読取部2で基準色を読み取った際のカラー出力のうちの緑(G)成分と青(B)成分を用いて補正係数を算出するとよい。あるいはさらに赤(R)成分を用い、緑(G)成分と赤(R)成分の比、及び、青(B)成分を用いて補正係数を算出するとよい。
【0023】
この補正係数は、読取部2に設けられている受光素子ごと、あるいはいくつかの受光素子を含む領域ごとなど、指定された主走査方向の位置と領域を示す領域位置情報に従って行うとよい。あるいは、読取対象物の決められた場所における平均読取値などを求める要求に付随して与えられる位置と範囲の情報(領域位置情報)を元に、補正係数を求める領域や位置を決定してもよい。なお、基準色を有する被照射体7は、予め設けておいてもよいし、補正係数を算出する際に別途用意してもよい。
【0024】
補正係数保持部5は、補正係数算出部4で主走査方向の位置や領域ごとに算出された補正係数を保持する。また、補正係数算出部4で補正係数を算出する際に基本とする補正係数を用いる場合、その基本とする補正係数を保持していもよい。
【0025】
補正部6は、読取部2で読み取った画像に対して、主走査方向の位置や領域ごとに、対応して補正係数算出部4で算出された補正係数を補正係数保持部5から読み出し、その補正係数を用いて色補正を施す。
【0026】
図3は、読取方式の一例の説明図である。図中、21,22,23はミラー、24はレンズ、31は第1開口部、32は第2開口部、33は基準色板である。読取方式としては種々の方式があるが、
図3にはいくつかの具体例を示している。
図3(A)に示した例では、光照射部1、読取部2とともに、光学系としてミラー21,22,23及びレンズ24を用いる例を示している。光照射部1から照射された光の反射光を、ミラー21,22,23及びレンズ24を介して読取部2で受光し、画像を読み取る。第1開口部31を用いて読み取る場合には、例えば原稿などの被照射体7を移動させながら読取部2で読取を行う。また、第2開口部32を用いて読み取る場合には、例えば原稿などの被照射体7を第2開口部32に固定しておいて、光照射部1とミラー21を移動させ、ミラー22及びミラー23を光照射部1とミラー21の半分の速度で移動させながら、読取部2で読取を行う。
【0027】
また、読み取った信号の補正や規格化を行う際に用いる基準色板33が設けられている。基準色板33としては、この例では基準色として黄色を用いることから、その黄色の基準色が設けられている。また、シェーディング補正など、基本的な補正(規格化)を行う際に用いる白色板も、基準色板33の一つとして設けておくとよい。補正係数を算出する際には、基準色板33の黄色の位置に光照射部1とミラー21を移動させ、またミラー22及び23をその半分の距離だけ移動させ、読取部2で基準色板33の色を読み取ればよい。シェーディング補正などの他の規格化の処理を行う際には、基準色板33の白色の位置で読取を行えばよい。
【0028】
図3(B)に示した例では、ミラー21,22,23等を用いない構成の一例を示している。この構成の例でば、原稿などの被照射体7を移動させながら読取を行う。光照射部1から被照射体7へ向けて光を照射し、被照射体7からの反射光をレンズ24を介して読取部2で受光し、画像を読み取る。補正係数を算出する際には、基準色板33を読取位置に挿入して、読取部2で基準色板33の色を読み取ればよい。
【0029】
図3(A)の場合、第1開口部31と第2開口部32のいずれかを有する構成でもよい。また、基準色板33を有しない構成でもよく、その場合には基準色を配した被照射体7を第1開口部31または第2開口部32から読み取ればよい。
【0030】
図3(A)、(B)はいずれも被照射体7からの反射光を読取部2で受光する構成であるが、もちろん、
図3(C)に示すように被照射体7を透過する光を読取部2で受光する構成であってもよいことは言うまでもない。
【0031】
光照射部1に配設される白色LED11についてさらに考察する。ここでは、
図2に示した構造の白色LED11を用い、発光部12が青色光を発光し、蛍光体13が黄色の蛍光を発するものとする。発光部12は青色LEDチップである。
図4は、白色LEDの分光特性の一例の説明図である。上述したが、この例における白色LED11は、発光部12及び蛍光体13の製造ばらつきが存在し、それぞれの白色LED11における分光特性が異なる場合がある。このうち、発光部12からの青色の励起光の強度と蛍光体13の蛍光強度の比のばらつきについては、上述した特許文献2により補正される。さらに、発光部12からの青色の励起光については、波長ばらつきが存在する。
【0032】
図4(A)には2つの白色LED11の分光特性を太線と破線により示している。
図4に示した例では、太線で示した白色LED11の分光特性と破線で示した白色LED11の分光特性とは、青色のピークの波長が異なっている。発光部12を構成する青色LEDチップの製造ばらつきによって、このような青色のピークの波長のずれが生じる場合がある。
【0033】
図4(B)には、
図4(A)に示した白色LED11の分光特性の一例に、読取部2における各色の受光感度特性を重ねて示している。読取部2における各色の出力信号は、各波長における「照明系の分光特性」×「読取系の受光感度特性」×「読取対象の分光反射特性」の積を波長域で積分した値である。各波長における積を分光レスポンスと呼んでいる。読取部2からの出力信号を、前処理部3で白色板を読取部2で読み取った際の出力信号で規格化した(例えばシェーディング補正などを施した)値が、補正部6による色補正前の読取値となる。
【0034】
図4(B)に示す各色成分の受光感度特性から、白色LED11の青色光の波長ばらつきは、R(赤)成分の出力信号には影響しないものの、G(緑)成分及びB(青)成分に影響する。B成分については白色LED11の青色光の全域を感度域内に含むことから、青色光の波長がずれても、出力信号にはそれほど影響しない。
【0035】
しかし、G成分については感度のピークから波長が短くなるに従って感度が低下してゆくが、青色光の波長が長くなる側の波長領域と部分的に重なる。
図4(B)では丸で囲んで示している。この領域では、青色光のピークの波長が長い側にずれている場合(太線)には、ピークの波長が短い側にずれている場合(破線)に比べて、重なり部分が多くなってG成分の出力信号が大きくなる。
【0036】
図5は、白色板を読み取った際のG成分の分光レスポンスの一例の説明図である。ここでは、白色板を読み取った際に読取部2から出力されるG成分の信号について、各波長の光の強度と受光感度との乗算値の一例を分光レスポンスの一例として示している。実線は、
図4(A)で太線で示した分光特性を有する白色LEDの場合、すなわち青色光のピークが波長の長い側にずれている場合を示している。また点線は、
図4(A)で点線で示した分光特性を有する白色LEDの場合、すなわち青色光のピークが波長の短い側にずれている場合を示している。丸で囲んだ波長領域では、青色光のピークが波長の長い側にずれている場合の方が、ピークが波長の短い側にずれている場合に比べて、分光レスポンスが大きくなっており、従ってG成分の出力信号が大きくなっている。
【0037】
この白色板を読み取った際のG成分の出力信号が、白色LED11が発する青色光の波長のずれによって異なることから、光照射部1として複数の白色LED11を用いている場合、それぞれの白色LED11が光を照射している領域によってG成分の出力信号がばらつくことになる。このばらつきは、白色板を用いて前処理部3で行う規格化の処理、例えばシェーディング補正や白色点の補正など、種々の処理に対して影響し、前処理部3は青色光の波長ばらつきを含めて規格化の処理を行うことになる。
【0038】
図6は、基準色として黄色を用いた場合のG成分の分光レスポンスの一例の説明図である。ここでは太線で黄色の基準色板33の分光反射特性を示し、その黄色の基準色板33を読み取った場合のG成分の分光レスポンスの一例を実線で示している。黄色の分光反射特性は、青色を吸収し、緑色、赤色を反射する特性を示している。黄色の基準色板33を読み取った場合、G成分の領域では黄色の基準色板33からの反射光が受光されて信号が出力される。その際に、白色LED11の青色光の波長領域では、黄色の基準色板33の分光反射特性が緑領域に比べて小さく、分光レスポンスの積分値であるG成分の出力信号には青色光の影響はほとんどない。従って、白色LED11の青色光に波長ばらつきが存在していても、黄色の基準色板33を読み取った際のG成分の出力信号は変わらない。
【0039】
このように、黄色の基準色板33を読み取った際のG成分の出力信号は、白色LED11の青色光に波長ばらつきによらずに得られる。しかし、上述した白色板を読み取った際の規格化の処理を前処理部3で行うことを想定すると、白色板を読み取って得られたG成分の補正情報は、青色光の波長ばらつきに応じて変化している。従って、前処理部3の規格化の処理によって得られたG成分の読取値は、青色光の波長ばらつきに応じて変化した値となってしまう。これにより、黄色を読み取った場合に、光照射部1として用いられている白色LED11の青色光の波長ばらつきによる色のずれが生じることになる。
【0040】
一方、黄色の基準色板33を読み取った際のB成分については、
図6に太線で示した黄色の基準色板33の反射特性から、ほとんど光が反射されない波長領域の光を受光して信号を出力することになる。しかし、白色LED11の青色光のピークにおける光強度が他の波長領域に比べて強く、ある程度は出力信号が得られる。この出力信号は、上述したようにそれぞれの波長における分光レスポンスの積分値であり、分光レスポンスは「照明系の分光特性」×「読取系の受光感度特性」×「読取対象の分光反射特性」の積である。黄色の基準色板33の反射特性は、青色領域では波長が短くなるに従って反射率が徐々に低下する傾向にある。従って、青色光の波長が長いと反射率が上がり、波長が短いと反射率が下がる。そのため、白色LED11の青色光の波長ばらつきにより、波長が長い側にばらついた場合には、波長が短い側にばらついた場合に比べて、黄色の基準色板33での反射光が強くなり、B成分の出力信号が大きくなる。このB成分については、白色板を読み取って得た補正情報は白色LED11の青色光の波長ばらつきによらずに得られており、前処理部3により規格化の処理を行った場合でも、波長のばらつきによるB成分の出力信号の変化は読取値の変化として現れる。黄色の基準色板33を読み取った場合のB成分の出力変化は、青色光の波長ばらつき以外に、特許文献2にあるように蛍光体のばらつきの影響も大きく、蛍光体光量が増加した場合、B成分の出力信号も増加する正の相関がある。また、この蛍光体のばらつきの影響は、黄色の基準色板33を読み取った際のG成分の出力信号にも影響し、こちらは弱い正の相関がある。
【0041】
なお、R成分については青色光の領域に感度を有していない。従って、黄色の基準色板33を読み取った場合についても、白色LED11の青色光の波長ばらつきによる影響を受けない。
【0042】
上述したG成分とB成分について、黄色の基準色板33を読み取った場合の白色LED11の青色光の波長ばらつきによる挙動を比較すると、逆の傾向にあることが分かる。すなわち、青色光の波長が長い側にばらつくとG成分は読取値が小さくなる側に変化し、B成分は大きくなる。また、青色光の波長が短い側にばらつくとG成分は読取値が大きくなる側に変化し、B成分は小さくなる。
【0043】
図7は、黄色の基準色板を読み取った際に得られるG成分及びB成分の読取値の一例の説明図である。白色LED11が配列され、読取部2で画像を読み取る際の1ラインの方向を主走査方向とする。その主走査方向の画素位置ごとに、黄色の基準色板を読み取った際に得られるG成分及びB成分の読取値(前処理部3による規格化後の値)の一例を示すと、例えば
図7に示すように変化したとする。黄色の基準色板33を読み取った場合、B成分と他の成分とでは値の範囲が異なり、
図7の各成分の値の範囲も異なっているが、ここでは読取値の変化を示すべく模式的に示している。B成分の読取値の変化には、青色光の波長ばらつきの影響に加え、蛍光体ばらつきの影響が含まれている。G成分の読取値の変化にも、この両者の影響が含まれているが、波長ばらつきの影響による読取値の変化がB成分の読取値が受ける影響による変化と逆傾向になるのに対して、蛍光体ばらつきに対する影響は、B成分の読取値の変化と同傾向かつ弱めになる。
図7に示したG成分とB成分の読取値の変化を参照すると、B成分の読取値の変化は、波長ばらつきの影響が主体であるG成分の読取値の変化と逆の傾向になる成分が確認される。それ以外にも、蛍光体ばらつきに起因する変化成分も確認される。このような傾向を示すG成分とB成分とを用いて補正すれば、蛍光ばらつきの影響を分離し、白色LED11の青色光の波長ばらつきが補正されることになる。
【0044】
上述の例では基準色を黄色として、白色LED11の青色光の波長ばらつきの影響を含むG成分及びB成分の読取値を得た。これに限らず、例えば白色LED11の青色光の波長ばらつきの影響を含む成分の読取値は、基準色をシアン(C)などの青色系の色として取得すると、黄色の場合よりも波長ばらつきの傾向を反映した読取値が得られる。しかしこの場合には、基準色板33の色を追加することになり、装置の大きさや価格などに影響する場合がある。
【0045】
上述のように、基準色板33の色を読取部2で読み取り、前処理部3で規格化の処理を行った読取値のうち、G成分の読取値とB成分の読取値を使用すれば白色LED11の青色光の波長ばらつきに対する補正が行える。補正係数算出部4では、G成分の読取値とB成分の読取値を用いて、白色LED11の青色光の波長ばらつきに応じた補正係数を算出し、補正係数保持部5に保持させる。そして、補正部6は,読取部2で読み取り、前処理部3で規格化の処理を施した画像に対して、補正係数保持部5に保持されている補正係数を用いて色補正の処理を行う。読取部2で読み取り、前処理部3で規格化の処理を施した画像から、白色LED11の青色光の波長ばらつきによる色の影響が除去される。
【0046】
ここで、補正部6が行う色補正の処理の一例として、次の変換式で色空間変換を伴う補正処理を行う場合について考える。ここでは、読取部2から出力される出力信号、及び、前処理部3で規格化の処理を行った読取値は、R成分、G成分、B成分の色成分で構成されているものとし、R成分、G成分、B成分の各読取値をR、G、Bとする。また、この例ではR、G、Bの各色成分からなるRGB色空間の読取値を、CIELAB色空間の読取値(ここではL、a、b)に変換することとする。
【数1】
ここで、3×10の係数行列を用いているが、この係数行列をCとする。なお、この変換式では2次の項まで用いているが、これに限らず、例えば1次の項までであってもよい。
【0047】
上述したが、白色LED11の青色光の波長ばらつきは、例えば基準色を黄色として読取部2で読み取り、前処理部3で規格化の処理を行った読取値のG成分及びB成分に違いとして現れる。この読取値のG成分及びB成分をもとに、各係数値を修正すればよいことになる。この場合の各係数値の修正は、線形の変換式により行えばよい。具体的には、基本とする係数行列の係数をc
ij(i=1…3,j=0…9)、基準色を読み取って規格化して得られた読取値のB成分をBch、G成分をGch、係数をk1
ij、k2
ij、k3
ijとして、補正後の係数行列の補正係数c
ij’は、
c
ij’=c
ij+k1
ij+k2
ij・f1(Bch)+k3
ij・f2(Gch)
とすればよい。
【0048】
ここで、係数k1
ij、k2
ij、k3
ijは、Bch、Gchの値が予め決められた値である場合に、k1
ij+k2
ij・f1(Bch)+k3
ij・f2(Gch)=0となるように予め設定しておけばよい。例えば白色LED11の青色光の波長が予め決められた波長である場合の読取値のG成分及びB成分の値をもとに、各係数の値を設定すればよい。
【0049】
また、係数k1
ij、k2
ij、k3
ijは、他の補正項目を含んだ値として設定されてもよい。なお、関数f1(Bch)はBchの値そのものでもよいし、Bchをもとに予め決めておいた計算により算出する値であってもよい。また、関数f2(Gch)についても、Gchの値そのものでもよいし、Gchをもとに予め決めておいた計算により算出する値であってもよい。
【0050】
このようにして、基準色を読み取って得られた読取値のG成分及びB成分の値をもとにした係数行列の修正を補正係数算出部4で行って,修正後の係数行列を例えば補正係数保持部5に保持させておく。また、基本とする係数行列も補正係数保持部5に保持しておいて、係数行列の修正の際に読み出して用いてもよい。そして、算出しておいた修正後の係数行列を用いて、実際に読取部2で読み取った画像に対して補正部6で色補正の処理を行えばよい。
【0051】
図8は、基準色板の黄色の変動によるG成分の変動の一例の説明図である。黄色の基準色板33を読み取った場合のG成分の出力信号は、白色LED11の青色光の波長ばらつきには影響を受けないものの、基準色板33に施されている黄色の相違によってG成分の出力信号は異なってしまう。例えば基準色板33に施されている黄色の塗料の膜厚などが影響する場合がある。このような基準色板33の影響を防ぐには、G成分とともに黄色の基準色板33の影響を受けるR成分を用いるとよい。黄色の基準色板33を読み取った際に、G成分の出力信号が予め決められた値よりも小さい場合には、R成分の出力信号についても予め決められた値よりも小さい。逆に、G成分の出力信号が予め決められた値よりも大きい場合には、R成分の出力信号についても予め決められた値よりも大きい。この関係から、G成分をR成分で規格化すれば、基準色板33の黄色の相違による影響が抑えられる。
【0052】
この特性を利用し、補正係数算出部4で係数行列の修正を行う際にG成分の値をR成分の値により正規化して用いる。例えば上述の変換式の係数行列の補正係数c
ij’(i=1…3,j=0…9)は、基準色を読み取って規格化して得られた読取値のB成分をBch、G成分をGch、R成分をRchとし、係数をk1
ij、k2
ij、k3
ijとして、
c
ij’=c
ij+k1
ij+k2
ij・f1(Bch)+k3
ij・f2(Gch)/f3(Rch)
により求めればよい。係数k1
ij、k2
ij、k3
ijは上述の通りであり、Bch、Gch、Rchの値が予め決められた値である場合に、k1
ij+k2
ij・f1(Bch)+k3
ij・f2(Gch)/f3(Rch)=0となるように予め設定しておけばよい。関数f3(Rch)も、Rchの値そのものでもよいし、Rchをもとに予め決めておいた計算により算出する値であってもよい。関数f1(Bch)及び関数f2(Gch)については上述したとおりである。
【0053】
このようにして、基準色を読み取って得られた読取値のG成分とR成分の値の比及びB成分の値をもとにした係数行列の修正を補正係数算出部4で行うとよい。修正後の係数行列は、例えば補正係数保持部5に保持させておく。また、基本とする係数行列も補正係数保持部5に保持しておいて、係数行列の修正の際に読み出して用いてもよい。そして、算出しておいた修正後の係数行列を用いて、実際に読取部2で読み取った画像に対して補正部6で色補正の処理を行えばよい。
【0054】
このような色補正処理により、個々の白色LED11の製造ばらつきによって生じた青色光の波長ばらつきに応じた補正が行われることになる。例えば特許文献2に記載されている、白色LED11の青色光の強度と蛍光物質のばらつきに応じた補正とともに補正部6で色補正を行ってもよく、この場合には白色LED11における種々の製造ばらつきに対応した色補正が行われることになる。
【0055】
上述の補正係数となる係数行列は、読取部2に設けられている読取画素ごとに求めておいたり、あるいは複数の読取画素をまとめた画素領域ごとに求めておいてもよい。画素領域ごとに係数行列を求める場合には、それぞれの画素領域における読取値のG成分及びB成分の値、あるいはさらにR成分の値として、それぞれの画素領域に含まれる読取画素で得た読取値のG成分及びB成分の平均値、あるいはさらにR成分の平均値を使用すればよい。
【0056】
また、読取値のG成分及びB成分、あるいはさらにR成分として用いる値も、何回かの読み取りを行った平均値としたり、基準色板33の異なる位置で何回かの読み取りを行って平均値を求め、使用するとよい。
【0057】
上述の補正処理の一例では、RGB色空間からCIELAB色空間への色空間変換を伴う補正処理を行う場合を示した。もちろん、この例に限らずに補正処理を行ってよく、例えばRGB色空間のままでの補正処理を行ってもよい。その場合には、R、G、Bの各値を1/3乗したR
L 、G
L 、B
L を用いて
【数2】
により補正処理を行い、得られたR
L ’、G
L ’、B
L ’を3乗したR’、G’、B’を補正結果とすればよい。1/3乗及び3乗するのは、RGB色空間が1/3乗に比例した特性を有していることによる。例えばsRGB色空間であれば、1/2.2乗して係数行列を用いた変換を行い、2.2乗すればよい。RGB色空間以外の色空間への補正処理、あるいはRGB色空間以外の色空間からの補正処理を行う場合を含め、いずれの場合についても、修正した係数行列を用いて色補正処理を行えばよい。ここまでの記述では補正対象を画像としてきたが、読取画像信号から得られる特定読取領域の読取測色値としてもよい。
【0058】
図9は、本発明の実施の一形態で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。図中、51はプログラム、52はコンピュータ、53は読取装置、61は光磁気ディスク、62は光ディスク、63は磁気ディスク、64はメモリ、71はCPU、72は内部メモリ、73は情報取得部、74はハードディスク、75はインタフェース、76は通信部である。
【0059】
上述の本発明の実施の一形態で説明した補正係数算出部4や補正部6、前処理部3などは、その機能の全部または部分的に、コンピュータが実行するプログラム51によって実現してもよい。その場合、そのプログラム51およびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータによって読み取られる記憶媒体に記憶させておけばよい。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている情報取得部73に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、情報取得部73にプログラムの記述内容を伝達するものである。例えば、光磁気ディスク61,光ディスク62(CDやDVDなどを含む)、磁気ディスク63,メモリ64(ICカード、メモリカード、フラッシュメモリなどを含む)等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
【0060】
これらの記憶媒体にプログラム51を格納しておき、例えばコンピュータ52の情報取得部73あるいはインタフェース75にこれらの記憶媒体を装着して、コンピュータからプログラム51を読み出し、内部メモリ72またはハードディスク74(磁気ディスクやシリコンディスクなどを含む)に記憶し、CPU71によってプログラム51を実行し、上述の本発明の実施の一形態として説明した補正係数算出部4や補正部6、前処理部3などの機能が全部又は部分的に実現される。あるいは、通信路を介してプログラム51をコンピュータ52に転送し、コンピュータ52では通信部76でプログラム51を受信して内部メモリ72またはハードディスク74に記憶し、CPU71によってプログラム51を実行して実現してもよい。
【0061】
なお、インタフェース75には読取装置53が接続されており、基準色の読取や画像の読取を行う。読取装置53は、
図1に示した光照射部1及び読取部2を有しており、さらにハードウェアとして前処理部3を有していてもよい。読取方法としては
図3で説明した種々の方法が適用される。また、補正係数保持部5は内部メモリ72あるいはハードディスク74により構成すればよい。
【0062】
コンピュータ52には、このほかインタフェース75を介して様々な装置が接続されていてもよい。例えば出力装置がインタフェース75を介して接続され、色補正処理が施された画像に基づいて出力装置から画像を出力するように構成してもよい。また、例えば情報を受け付ける受付手段等も接続されていてもよい。なお、各構成が1台のコンピュータにおいて動作する必要はなく、例えば補正係数算出部4の機能を実現するコンピュータと、補正部6の機能を実現するコンピュータが別のコンピュータであってもよい。