(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ダミーパターンおよび前記取出パターンが互いに平行に延びている部分において、各パターンの幅および隣接する2つのパターンの間の間隔がそれぞれ一定になっている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
取出パターンなどがユーザーから視認されることを十分に防ぐためには、加飾層の光透過率が十分に低くなるように加飾層を構成することが好ましい。しかしながら、加飾層の光透過率を低くしようとすると、加飾層の厚みが大きくなってしまい、この結果、加飾層とその周辺の部分との間に大きな段差が生じてしまう。このような大きな段差が存在していると、搬送工程や表示装置との組合せ工程など、タッチパネルの製造工程の後に実施される様々な工程における生産性や作業性が低下してしまうことが考えられる。また、アクティブエリアおよび非アクティブエリアの両者に跨って延びる配線が存在する場合、配線がそのような大きな段差を跨ぐことになり、この結果、配線の断線が段差の部分で生じやすくなってしまうことも考えられる。
【0008】
また近年は、タッチパネルセンサが、スマートフォンやタブレットPCなどの意匠性が重要視される分野で多く使用されている。このような分野においては、加飾層の色として、従来の黒色だけでなく、黒色以外の色、例えば白色、桃色や水色なども採用されている。しかしながら、黒色以外の色を呈する加飾層の光透過率は一般に、黒色を呈する加飾層の光透過率よりも大きくなっている。このため、黒色以外の加飾層が採用される場合、取出パターンなどをユーザーから十分に遮蔽するためには、より大きな厚みを有する加飾層が必要になる。この結果、加飾層とその周辺の部分との間に生じる段差がさらに大きくなってしまうことが考えられる。
【0009】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るタッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、タッチパネルセンサであって、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、アクティブエリアの周辺に位置する非アクティブエリアと、を含む基材と、前記基材の前記アクティブエリアに配置された複数の透明導電パターンと、対応する前記透明導電パターンに接続されるとともに、前記基材の前記非アクティブエリアに配置された複数の取出パターンと、を備え、前記複数の取出パターンは、所定の間隔を空けて並べられており、前記タッチパネルセンサは、所定の間隔を空けて前記基材の前記非アクティブエリアに並べられ、互いに隣接する複数のダミーパターンをさらに備え、前記複数の取出パターンおよび前記複数のダミーパターンは、反射性および導電性を有する金属層を少なくとも含んでおり、前記複数のダミーパターンは、少なくとも部分的に、前記複数の取出パターンと平行に延びており、互いに隣接する前記複数のダミーパターンの各金属層と前記基材との間には、前記複数のダミーパターンに跨って広がるとともに、透光性および導電性を有する透明導電層が設けられている、タッチパネルセンサである。
【0011】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記透明導電パターンは、前記透明導電層と同一の材料を用いて前記透明導電層と同一平面上に形成されたものであってもよい。
【0012】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記ダミーパターンおよび前記取出パターンが互いに平行に延びている部分において、各パターンの幅および隣接する2つのパターンの間の間隔がそれぞれ一定になっている。
【0013】
本発明によるタッチパネルセンサは、前記ダミーパターンおよび前記取出パターンよりも観察者側に位置するよう前記基材の前記非アクティブエリアに配置された加飾層をさらに備えていてもよい。この場合、前記加飾層は、黒色以外の色を呈するよう構成されていてもよい。
【0014】
本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記基材は、表示装置用の保護板として機能するものであってもよい。この場合、前記透明導電パターン、前記取出パターンおよび前記ダミーパターンはいずれも、前記基材の面のうち表示装置側の面に設けられている。
【0015】
本発明は、表示装置と、前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、前記タッチパネルセンサは、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、アクティブエリアの周辺に位置する非アクティブエリアと、を含む基材と、前記基材の前記アクティブエリアに配置された複数の透明導電パターンと、対応する前記透明導電パターンに接続されるとともに、前記基材の前記非アクティブエリアに配置された複数の取出パターンと、を備え、前記複数の取出パターンは、所定の間隔を空けて並べられており、前記タッチパネルセンサは、所定の間隔を空けて前記基材の前記非アクティブエリアに並べられ、互いに隣接する複数のダミーパターンをさらに備え、前記複数の取出パターンおよび前記複数のダミーパターンは、反射性および導電性を有する金属層を少なくとも含んでおり、前記複数のダミーパターンは、少なくとも部分的に、前記複数の取出パターンと平行に延びており、前記複数のダミーパターンの各金属層と前記基材との間には、互いに隣接する前記複数のダミーパターンに跨って広がるとともに、透光性および導電性を有する透明導電層が設けられている、タッチ位置検出機能付き表示装置である。
【0016】
本発明によるタッチ位置検出機能付き表示装置は、前記タッチパネルセンサよりも観察者側に配置された保護板をさらに備えていてもよい。この場合、前記保護板は、前記タッチパネルセンサの前記基材の法線方向から見て前記非アクティブエリアに重なるよう配置された加飾層を有していてもよい。前記加飾層は、黒色以外の色を呈するよう構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、非アクティブエリアには、金属層を含む複数のダミーパターンが所定の間隔を空けて並べられている。また複数のダミーパターンは、少なくとも部分的に、複数の取出パターンと平行に延びている。この場合、加飾層を透過して取出パターンに到達した光は、取出パターンによって反射されて観察者側に戻り、また、加飾層を透過してダミーパターンに到達した光も同様に、ダミーパターンによって反射されて観察者側に戻る。このため、非アクティブエリアのうち取出パターンが存在する場所における加飾層の見え方と、非アクティブエリアのうち取出パターンが存在しない場所における加飾層の見え方との間に差が生じることを抑制することができる。すなわち、加飾層の見え方をより均一なものとすることができる。また本発明によれば、加飾層を透過した後に取出パターンおよびダミーパターンによって反射された光を利用して、タッチパネルセンサまたはタッチ位置検出機能付き表示装置の意匠性が実現されている。このため、加飾層の光遮蔽性に関する要求を従来よりも低くすることができ、従って、加飾層の厚みを従来よりも小さくすることができる。このことにより、加飾層とその周辺の部分との間に段差が生じることを抑制することができる。また本発明によれば、複数のダミーパターンの各金属層と基材との間には、複数のダミーパターンに跨って広がるとともに、透光性および導電性を有する透明導電層が設けられている。このため、透明導電層を介して各ダミーパターンが電気的に接続されることになる。これによって、各ダミーパターンがそれぞれ単独で電気的に浮いている場合に比べて、各ダミーパターンの電気的な安定性を向上させることができる。このことにより、ダミーパターン45の近傍の電界を安定させることができる。このため、ダミーパターンの近傍に位置する取出パターンにノイズがのることを抑制することができ、この結果、タッチパネルセンサにおけるタッチ位置の検出精度を向上させることができる。また、複数のダミーパターンのうちの少なくとも1つのダミーパターン、または透明導電層を接地電位に接続することによって、複数のダミーパターン全てを接地することができる。このため、接地のためのパターンの構造を簡略化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、
図1乃至
図5Fを参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。また本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば「板」は、シートやフィルム等とも呼ばれ得るような部材や部分も含む概念である。
【0020】
タッチパネル装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置
はじめに
図1を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10について説明する。
図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、タッチパネルセンサ30と表示装置(例えば液晶表示装置)15とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
【0021】
図1に示すように、タッチパネルセンサ30は、表示装置15の表示面16a上に配置されている。このタッチパネルセンサ30は例えば、表示装置15の表示面16a上に接着層(図示せず)を介して接着されている。
【0022】
なお本実施の形態において、タッチパネルセンサ30は、タッチ位置検出機能をもたらすだけでなく、表示装置を保護する役割をも果たすよう構成されている。具体的には、タッチパネルセンサ30の基材32は、表示装置用の保護板として機能するよう構成されている。この場合、基材32の観察者側の面32bが、タッチ位置検出機能付き表示装置10のうち最も観察者側に位置する面を構成している。またタッチパネルセンサ30の各構成要素、例えば後述する透明導電パターン41,42、取出パターン43やダミーパターン45はいずれも、基材32の表示装置側の面32aに設けられている。また基材32は、表示装置15を保護する上で十分な強度を有する材料から構成されている。
【0023】
タッチパネルセンサ
次に
図2を参照して、タッチパネルセンサ30について説明する。
図2は、タッチパネルセンサ30を示す平面図である。
【0024】
図2に示されたタッチパネルセンサ30は、投影型の静電容量結合方式として構成され、タッチパネルセンサ30への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置(タッチ位置とも称する)を検出可能に構成されている。なお、静電容量結合方式のタッチパネルセンサ30の検出感度が優れている場合には、外部導体がタッチパネルセンサ30に接近しただけで当該外部導体がタッチパネル装置のどの領域に接近しているかを検出することができる。従って、ここで用いる「接触位置」とは、実際には接触していないが位置を検出され得る接近位置を含む概念とする。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。
【0025】
図2に示すように、タッチパネルセンサ30は、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2と、を含む基材32と、基材32のアクティブエリアAa1に配置された複数の透明導電パターン41,42と、対応する透明導電パターン41,42に接続されるとともに、基材32の非アクティブエリアAa2に配置された複数の取出パターン43と、対応する取出パターン43に接続された複数の端子部44と、を備えている。基材32のアクティブエリアAa1および非アクティブエリアAa2はそれぞれ、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して区画されたものである。
【0026】
基材32は、タッチパネルセンサ30において誘電体として機能するものである。また上述のように、基材32は、表示装置用の保護板としても機能するものである。基材32は例えば、十分な強度を有するよう、ガラスなどを用いて構成されている。
【0027】
透明導電パターン41,42は、
図2に示すように、第1方向に沿って、例えば
図2のx方向に沿って延びる複数の第1透明導電パターン41と、第1方向に直交する第2方向に沿って、例えば
図2のy方向に沿って延びる複数の第2透明導電パターン42と、を有している。第1透明導電パターン41は、x方向に沿って直線状に延びる第1ライン部41aと、第1ライン部41aから膨出した第1膨出部41bと、を有していてもよい。第1膨出部41bとは、基材32の表面に沿って第1ライン部41aから膨らみ出ている部分のことである。同様に第2透明導電パターン42は、y方向に沿って延びる第2ライン部42aと、第2ライン部42aから膨出した第2膨出部42bと、を有していてもよい。
【0028】
取出パターン43は、対応する透明導電パターン41,42によって検出された信号を端子部44まで伝達するために非アクティブエリアAa2に設けられたものである。
図2に示すように、各取出パターン43は、所定の間隔を空けて非アクティブエリアAa2に並べられている。
例えば、第2透明導電パターン42に接続された複数の取出パターン43は、
図2における下側の非アクティブエリアAa2まで信号を伝達するためにy方向に沿って延びる部分と、信号を端子部44まで伝達するためにx方向に沿って延びる部分とをそれぞれ有している。複数の取出パターン43において、y方向に沿って延びる部分は各々、x方向において所定の間隔を空けて並べられており、またx方向に沿って延びる部分は各々、y方向において所定の間隔を空けて並べられている。
取出パターン43によって端子部44まで伝達された信号は、端子部44に取り付けられたフレキシブル基板(図示せず)などを介して検出制御部へ伝達される。
【0029】
後述するように、取出パターン43は、光を反射することができる反射性、および導電性を有する金属層を少なくとも含んでいる。ところで上述のように、タッチパネルセンサ30またはタッチ位置検出機能付き表示装置10には一般に、取出パターン43をユーザーから見えないようにするための加飾層が設けられている。しかしながら、上述のように、加飾層の厚みには上限がある。このため、観察者側から加飾層を透過して取出パターン43に到達し、その後、取出パターン43によって反射されて観察者側に戻るという光が少なからず存在している。一方、取出パターン43は、透明導電パターン41,42と端子部44とを電気的に接続するために設けられるパターンであり、その経路や分布は透明導電パターン41,42および端子部44の配置に応じて決定される。従って通常、取出パターン43は、非アクティブエリアAa2にわたって均一に存在するものではなく、このため、取出パターン43から反射されて観察者側に戻る光の強度には、場所に応じたばらつきが存在する。この結果、加飾層の見え方が場所によって不均一になってしまうことが考えられ、意匠性の観点からは好ましくない。
【0030】
このような課題を考慮して、本実施の形態においてタッチパネルセンサ30は、
図2に示すように、所定の間隔を空けて基材32の非アクティブエリアAa2に並べられた複数のダミーパターン45をさらに備えている。これによって、後述するように、加飾層の見え方をより均一なものとすることができる。なお本実施の形態においてダミーパターン45とは、反射性および導電性を有する金属層を少なくとも含むとともに、透明導電パターン41,42に対して電気的に接続されていないパターンを意味している。例えばダミーパターン45は、どこにも電気的に接続されていないパターンであってもよく、または、図示しない接地端子や設置配線を介して接地されたものであってもよい。
【0031】
ダミーパターン45は、非アクティブエリアAa2のうち取出パターン43が設けられていない様々な場所に設けられ得る。例えば
図2においては、ダミーパターン45の例として、y方向に延びる取出パターン43と平行に延び、かつ、取出パターン43よりも外側に配置された外側ダミーパターン45aが示されている。なお「外側」とは、基材32の外縁に近い側のことを意味している。また
図2に示すように、ダミーパターン45は、x方向に延びる取出パターン43と平行に延び、かつ、取出パターン43よりも外側に配置された外側ダミーパターン45bをさらに含んでいてもよい。これら外側ダミーパターン45a,45bはいずれも、取出パターン43と平行に延びるものである。このようなダミーパターンを設けることにより、取出パターン43と重なる場所における加飾層の見え方と、取出パターン43と重ならない場所における加飾層の見え方との間に差が生じることを抑制することができる。
【0032】
なおダミーパターン45としては、上述の外側ダミーパターン45a,45bのように取出パターン43に沿うように設けられるものだけでなく、取出パターン43とは無関係に、すなわち取出パターン43から離れた場所に単独で設けられるものも考えられる。例えば
図2に示す例において、上側の非アクティブエリアAa2には取出パターン43が存在していないが、この領域にも、符号45dで示すようにダミーパターンが設けられていてもよい。このような、取出パターン43が存在していない領域に設けられているダミーパターンのことを、以下の説明において独立ダミーパターン45dとも称する。このような独立ダミーパターン45dを設けることにより、非アクティブエリアAa2の全域にわたって、加飾層の見え方を均一なものとすることができる。
【0033】
次に
図3および
図4を参照して、タッチパネルセンサ30の層構成について説明する。
図3および
図4はそれぞれ、
図2のタッチパネルセンサ30のIII線およびIV線に沿った断面図である。
【0034】
はじめにアクティブエリアAa1に配置される構成要素の層構成について説明する。
図3および
図4に示すように、第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bは、同一平面上に形成されたものであってもよい。この場合、インジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電性材料からなる透明導電層51をパターニングすることによって、第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2ライン部42aを同時に形成することが可能である。
【0035】
図3および
図4に示すように、第1ライン部41aおよび第2ライン部42aは、基材32の法線方向から見た場合に互いに部分的に重なるよう形成されている。この場合、第1ライン部41aと第2ライン部42aとの間に絶縁層47を介在させることにより、第1ライン部41aと第2ライン部42aとの間が導通することを防ぐことができる。なお図示はしないが、絶縁層47は、第1ライン部41aと第2ライン部42aとの間だけでなく、第1膨出部41b上や第2膨出部42b上にも設けられていてもよい。
【0036】
第2ライン部42aが導電性を有する限りにおいて、第2ライン部42aを構成する材料が特に限られることはない。例えば第2ライン部42aは、第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bと同様にインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電性材料から構成されていてもよく、若しくは、金属材料から構成されていてもよい。本実施の形態においては、第2ライン部42aが、取出パターン43および端子部44にも含まれる金属層52によって構成されている例について説明する。
【0037】
次に非アクティブエリアAa2に配置される構成要素の層構成について説明する。
図3および
図4に示すように、非アクティブエリアAa2には、加飾層46が、上述のダミーパターン45および取出パターン43よりも観察者側に位置するよう配置されている。この場合、加飾層46は、観察者側に居るユーザーから基材32を介して視認されることになる。すなわち、タッチパネルセンサ30およびタッチ位置検出機能付き表示装置10において、非アクティブエリアAa2の見え方は、加飾層46およびその周辺の構成要素によって決定されることになる。従って、加飾層46の色は、タッチパネルセンサ30およびタッチ位置検出機能付き表示装置10に対して求められる意匠性に応じて選択される。ここでは、加飾層46が、黒色以外の色を呈するよう構成されている場合について説明する。黒色以外の色の例としては、例えば、白色、水色、桃色、緑色などを挙げることができる。加飾層46を構成する材料は、選択された色に応じて決定されるが、例えば白色が求められる場合、加飾層46は、酸化チタンが分散された樹脂材料から構成される。
【0038】
図3および
図4に示すように、加飾層46の面のうち表示装置15側の面上には、複数の取出パターン43および複数のダミーパターン45がそれぞれ所定の間隔を空けて配置されている。これら取出パターン43およびダミーパターン45はいずれも、反射性および導電性を有する金属層52を含んでいる。このため、観察者側から加飾層46に入射して酸化チタンなどの顔料(呈色成分)によって反射された後に取出パターン43およびダミーパターン45に到達した光は、取出パターン43およびダミーパターン45によって反射されて観察者側に戻ることになる。また取出パターン43およびダミーパターン45は、表示装置15から放射された光が加飾層46および基材32を透過して観察者側に到達することを防ぐという役割も果たす。このため、加飾層46によって呈される色をユーザーに鮮明に認識させることができる。
【0039】
また
図3および
図4に示すように、複数のダミーパターン45の各金属層52と基材32との間には、複数のダミーパターン45に跨って広がるとともに、透光性および導電性を有する透明導電層51が設けられている。このため、透明導電層51を介して各ダミーパターン45が電気的に接続されることになる。これによって、各ダミーパターン45がそれぞれ単独で電気的に浮いている場合に比べて、各ダミーパターン45の電気的な安定性を向上させることができる。このことにより、ダミーパターン45の近傍の電界を安定させることができる。このため、ダミーパターン45の近傍に位置する取出パターン43にノイズがのることを抑制することができ、この結果、タッチパネルセンサ30におけるタッチ位置の検出精度を向上させることができる。
また、複数のダミーパターン45のうちの少なくとも1つのダミーパターン45、または透明導電層51を接地電位に接続することによって、複数のダミーパターン45全てを接地することができるようになる。このため、接地のためのパターンの構造を簡略化することができる。このことにより、基材上の領域をより有効に利用できるようになり、これによって、例えば非アクティブエリアAa2を小型化することが可能になる。
【0040】
ダミーパターン45の金属層52と基材32との間に設けられる透明導電層51は、第1透明導電パターン41の第1ライン部41a、第1膨出部41b、および第2透明導電パターン42の第2ライン部42aを構成している上述の透明導電層51と同一のものであってもよい。すなわち、第1ライン部41a、第1膨出部41b、および第2ライン部42aは、金属層52と基材32との間に存在する透明導電層51と同一の材料を用いて透明導電層51と同一平面上に形成されたものであってもよい。この場合、第1ライン部41a、第1膨出部41b、および第2ライン部42aと、ダミーパターン45の金属層52と基材32との間に設けられる透明導電層51とを、同一の工程で同時に形成することができる。このため、工数を増加させることなく、各ダミーパターン45の電気的な安定性を向上させることができる。
【0041】
なお
図3および
図4に示すように、取出パターン43の金属層52と加飾層46との間にも、透明導電層51が設けられていてもよい。この場合、隣接する2つの取出パターン43が導通してしまうことを防ぐため、透明導電層51は、隣接する2つの取出パターン43に跨って広がらないよう、形成されている。
【0042】
図3および
図4において最もアクティブエリアAa1側に位置している取出パターン43において、透明導電層51は、アクティブエリアAa1および非アクティブエリアAa2の両者を跨いで延びており、これによって、取出パターン43とこれに対応する透明導電パターンとが電気的に接続されている。この場合、透明導電層51は、加飾層46による段差を跨いで延びることになる。なお図示はしないが、
図3および
図4において最もアクティブエリアAa1側に位置している取出パターン43において、金属層52が、アクティブエリアAa1および非アクティブエリアAa2の両者を跨いで、すなわち加飾層46による段差を跨いで延びていてもよい。
【0043】
加飾層46上に取出パターン43が設けられる場合、上述のように、取出パターン43を構成する層のうちの少なくとも1つは、加飾層46による段差を跨いで延びることになる。従って、加飾層46の厚みが大きい場合、取出パターン43が断線してしまうリスクが高くなってしまう。ここで本実施の形態によれば、上述のように、取出パターン43およびダミーパターン45が、加飾層46によって呈される色をユーザーにより鮮明に認識させるという役割を果たすことができる。すなわち、加飾層46の発色性を、取出パターン43およびダミーパターン45によって向上させることができる。従って、加飾層46の厚みをさほど大きくすることなく、非アクティブエリアAa2における所望の色彩を実現することができる。例えば、従来のタッチパネルセンサにおいては、黒色以外の色を呈する非アクティブエリアAa2を実現するためには数十μm以上の厚みを有する加飾層が必要であった。一方、本実施の形態によれば、5〜20μmの範囲内、例えば10μm程度の厚みを有する加飾層46を用いて、黒色以外の色を呈する非アクティブエリアAa2を実現することができる。このため、加飾層46とその周辺の部分との間に大きな段差が生じることを抑制することができ、これによって、取出パターン43の断線が生じるリスクを低減することができる。
【0044】
図3および
図4において、符号S1が、隣接する2つの取出パターン43の間の間隔を表しており、符号S2が、隣接する2つのダミーパターン45の間の間隔を表している。間隔S1,S2は、好ましくは40μm以下になっており、より具体的には5〜40μmの範囲内になっており、より好ましくは5〜30μmの範囲内になっている。間隔S1,S2を40μm以下、より好ましくは30μm以下にすることにより、パターン間の隙間が人の目には認識されないようにすることができる。これによって、加飾層46の見え方をより均一なものにすることができる。
【0045】
図3および
図4において、符号W1が、取出パターン43の幅を表しており、符号W2が、ダミーパターン45の幅を表している。取出パターン43の幅W1を決定する上では、取出パターン43に求められる電気抵抗の値が考慮される。また、加飾層46の見え方は、非アクティブエリアAa2におけるパターン43,45の開口率、すなわち非アクティブエリアAa2のうち取出パターン43またはダミーパターン45のいずれも存在していない領域の比率の影響を受ける。従って、取出パターン43およびダミーパターン45の幅W1,W2は、加飾層46に対して求められる発色性も考慮して決定される。例えば幅W1,W2は、5〜40μmの範囲内になっている。また取出パターン43およびダミーパターン45の配置ピッチは、10〜80μmの範囲内になっている。
【0046】
好ましくは、少なくとも、取出パターン43およびダミーパターン45が互いに平行に延びている部分においては、上述の幅W1,W2および間隔S1,S2がそれぞれ一定になっている。例えば、幅W1,W2がいずれも30μmになっており、間隔S1,S2がいずれも30μmになっている。このように各パターン43,45の幅および間隔を一定にすることにより、加飾層46の見え方をより均一なものにすることができる。なお「一定」の概念には、幅W1,W2や間隔S1,S2がそれぞれ完全に同一である場合だけでなく、製造の公差などに基づいて、人の目では認識され得ない範囲内で幅W1,W2や間隔S1,S2が互いに相違している場合も含まれる。
【0047】
取出パターン43およびダミーパターン45に含まれる金属層52の厚みは、光を適切に反射することができる限りにおいて特に限られないが、例えば0.5μm程度になっている。金属層52を構成する材料としては、例えばアルミニウム、モリブデン、銀、銅またはこれらの合金等を挙げることができる。
【0048】
なお図示はしないが、タッチパネルセンサ30は、加飾層46、取出パターン43およびダミーパターン45を覆って保護するオーバーコート層をさらに備えていてもよい。オーバーコート層の材料としては、例えばアクリル樹脂などが用いられ得る。
【0049】
タッチパネルセンサの製造方法
次に、以上のような構成からなるタッチパネルセンサ30を製造する方法について、
図5A〜
図5Fを参照して説明する。
図5A〜
図5Fは、
図2のタッチパネルセンサ30のIII線に沿った位置において、タッチパネルセンサ30の製造方法の各工程における層構成を示す図である。
【0050】
はじめに
図5Aに示すように、基材32を準備する。上述のように、基材32は、表示装置用の保護板としても機能することができるものである。次に
図5Bに示すように、基材32の表示装置側の面32a上に加飾層46を設ける。上述のように、加飾層46は、基材32の非アクティブエリアAa2に設けられる。
【0051】
基材32の非アクティブエリアAa2に加飾層46を設ける方法が特に限られることはなく、様々な方法が用いられ得る。例えば、加飾層46を構成するための樹脂材料および顔料を含む塗布液を、非アクティブエリアAa2にのみ選択的に塗布してもよい。選択的に塗布する方法としては、例えばスクリーン印刷法などが用いられ得る。若しくは、はじめに、基材32の表示装置側の面32aの全域にわたって加飾層46を設け、その後、加飾層46を露光・現像して加飾層46をパターニングするという、いわゆるフォトリソグラフィー法が用いられてもよい。この場合、加飾層46は、露光光を照射されることによって硬化する感光材を含んでいる。
【0052】
次に
図5Cに示すように、基材32上および加飾層46上に透明導電層51を設ける。透明導電層51を設ける方法としては、例えばスパッタリング法が用いられ得る。その後、
図5Dに示すように、透明導電層51をパターニングする。これによって、上述の第1ライン部41a、第1膨出部41bおよび第2膨出部42bを構成するための透明導電層51と、取出パターン43およびダミーパターン45の金属層52と基材32との間に設けられる透明導電層51と、を同時に得ることができる。透明導電層51をパターニングする工程は、例えば、はじめに透明導電層51上にレジスト層を設け、次に、レジスト層を露光・現像してレジスト層をパターニングし、その後、レジスト層をマスクとして透明導電層51をエッチングし、そしてレジスト層を除去することを含んでいる。
【0053】
次に
図5Eに示すように、透明導電層51のうち上述の第1ライン部41aを構成する部分の上に絶縁層47を設ける。絶縁層47を設ける方法が特に限られることはなく、上述の加飾層46を設ける場合と同様に、スクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法などが用いられ得る。
【0054】
その後、
図5Fに示すように、加飾層46、絶縁層47および透明導電層51上に金属層52を設ける。金属層52を設ける方法としては、例えばスパッタリング法やめっき法が用いられ得る。その後、上述の透明導電層51をパターニングする工程と同様の方法を用いて、金属層52をパターニングする。これによって、上述の第2ライン部42a、取出パターン43およびダミーパターン45を構成するための金属層52を同時に得ることができる。このようにして、
図3に示すタッチパネルセンサ30を作製することができる。その後、タッチパネルセンサ30と表示装置15と組み合わせることによって、タッチ位置検出機能付き表示装置10を得ることができる。
【0055】
ここで本実施の形態によれば、非アクティブエリアAa2に位置する加飾層46の面のうち表示装置15側の面上には、金属層52を含む複数の取出パターン43および複数のダミーパターン45が、所定の間隔を空けて並べられている。このため、加飾層46を透過して取出パターン43に到達した光は、取出パターン43によって反射されて観察者側に戻り、また、加飾層46を透過してダミーパターン45に到達した光も同様に、ダミーパターン45によって反射されて観察者側に戻る。このため、非アクティブエリアAa2のうち取出パターン43が存在する場所における加飾層46の見え方と、非アクティブエリアAa2のうち取出パターン43が存在しない場所における加飾層46の見え方との間に差が生じることを抑制することができる。すなわち、加飾層46の見え方を場所によらず均一なものとすることができる。このことにより、高い意匠性を有するタッチパネルセンサ30およびタッチ位置検出機能付き表示装置10を提供することができる。
【0056】
また本発明によれば、加飾層46の発色性を、取出パターン43およびダミーパターン45によって向上させることができる。このため、加飾層46の光遮蔽性に関する要求を従来よりも低くすることができ、従って、加飾層46の厚みを従来よりも小さくすることができる。このため、加飾層46とその周辺の部分との間に大きな段差が生じることを抑制することができ、これによって、取出パターン43の断線が生じるリスクを低減することができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
【0058】
ダミーパターンの変形例
上述の本実施の形態において、y方向に延びる外側ダミーパターン45aとx方向に延びる外側ダミーパターン45bとが互いに独立している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図6に示すように、少なくとも一部の外側ダミーパターン45aと、少なくとも一部の外側ダミーパターン45bとが接続されていてもよい。同様に、少なくとも一部の外側ダミーパターン45aと、少なくとも一部の独立ダミーパターン45dとが接続されていてもよい。
【0059】
また上述の本実施の形態において、取出パターン43と平行に延びるダミーパターン45が、取出パターン43よりも外側に配置される外側ダミーパターン45aである例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、取出パターン43と平行に延びるダミーパターン45は、取出パターン43よりも内側に配置される内側ダミーパターン45cであってもよい。また
図7に示すように、外側ダミーパターン45aおよび内側ダミーパターン45cが両方設けられていてもよい。このような内側ダミーパターン45cを設けることにより、非アクティブエリアAa2の全域にわたってダミーパターン45または取出パターン43のいずれかを均一に分布させることができる。このことにより、非アクティブエリアAa2の全域にわたって、加飾層46の見え方をより均一なものとすることができる。
【0060】
保護板の変形例
また上述の本実施の形態において、タッチパネルセンサ30の基材32が、表示装置用の保護板としても機能する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図8に示すように、タッチパネルセンサ30とは別個に、表示装置を保護するための保護板20が、タッチパネルセンサ30よりも観察者側に設けられていてもよい。この場合、タッチパネルセンサ30の基材32に対して高い強度は求められないので、基材32を構成する材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)やシクロオレフィンポリマー(COP)などの樹脂材料を用いてもよい。なお図示はしないが、タッチパネルセンサ30のうち保護板20が取り付けられている側と反対の側には表示装置15が取り付けられ、これによってタッチ位置検出機能付き表示装置10が構成される。
【0061】
保護板20は、基板12と、基板12の面のうち表示装置15側の面上に設けられた加飾層46と、を有しており、基板12の面のうち加飾層46が設けられていない側の面が、タッチ位置検出機能付き表示装置10のうち最も観察者側に位置する面を構成している。加飾層46は、タッチパネルセンサ30の基材32の法線方向から見て非アクティブエリアAa2に重なるよう配置されている。
【0062】
図8に示す例において、タッチパネルセンサ30は、保護板20の加飾層46よりも表示装置側に位置する取出パターン43およびダミーパターン45を備えており、このため観察者側からタッチ位置検出機能付き表示装置10に入射して基板12、加飾層46および基材32を透過した光は、取出パターン43またはダミーパターン45によって適切に反射されて観察者側に戻る。また取出パターン43およびダミーパターン45は、表示装置15から放射された光が観察者側に到達することを防ぐという役割も果たす。このため
図8に示す例においても、加飾層46によって呈される色をユーザーに鮮明に認識させることができる。
【0063】
その他の変形例
また上述の本実施の形態および上述の各変形例において、平行に延びる複数のダミーパターン45が互いに独立している例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、複数のダミーパターン45は、例えばその端部近傍において互いに接続されていてもよい。
【0064】
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。