特許第6245554号(P6245554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000002
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000003
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000004
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000005
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000006
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000007
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000008
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000009
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000010
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000011
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000012
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000013
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000014
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000015
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000016
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000017
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000018
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000019
  • 特許6245554-テープタイプ使い捨ておむつ 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245554
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】テープタイプ使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20171204BHJP
   A61F 13/493 20060101ALI20171204BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   A61F13/56 211
   A61F13/493
   A61F13/49 100
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-155475(P2013-155475)
(22)【出願日】2013年7月26日
(65)【公開番号】特開2015-24006(P2015-24006A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2016年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】大島 彩
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04944733(US,A)
【文献】 米国特許第06540730(US,B1)
【文献】 特開2009−061157(JP,A)
【文献】 実開平06−031725(JP,U)
【文献】 特開2006−230920(JP,A)
【文献】 特開2010−220835(JP,A)
【文献】 特開2003−093439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 − 13/84
A61L 15/16 − 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
股間部、股間部の前側に延びる腹側部分、股間部の後側に延びる背側部分を有し、
背側部分の左右両側に、腹側部分に対して連結及びその取り外しが自在とされたファスニングテープを備えた、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
腹側部分における前端側部分が、互いに連結及びその取り外しが自在とされた左側部分及び右側部分に分割されており、
前記腹側部分を平坦に展開した状態で前記左側部分の右端部及び前記右側部分の左端部が重なり合うように構成され、この重なり合う部分における左側部分及び右側部分の少なくとも一方に、他方を連結するための連結手段が設けられており、
前記ファスニングテープを前記腹側部分に連結した状態で、前記連結手段による前記左側部分及び右側部分の連結を外して前記腹側部分の前端側部分を開放すること、及び前記連結手段により前記左側部分及び右側部分を連結して前記腹側部分の前端側部分を閉じることが可能とされ
前記左側部分及び右側部分の少なくとも一方に、前記左側部分及び右側部分の分割部分における股間側位置から斜め側方又は幅方向に延びる線状易折り曲げ部が形成されるとともに、前記線状易折り曲げ部を挟んで両側に前記連結手段が設けられた、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記腹側部分の外面に、前記ファスニングテープが連結されるターゲットテープが設けられており、前記腹側部分は前記ターゲットテープより股間側まで前記左側部分及び右側部分に分割されている、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記左側部分及び右側部分の少なくとも一方に、前記線状易折り曲げ部交差しないように複数本設けられており、
前記左側部分及び右側部分のうち前記連結手段及び前記線状易折り曲げ部を有する部分は、自身の線状易折り曲げ部で外側に二回折り曲げることにより、自身の前記連結手段を自身の外面に仮止め可能となっている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
【請求項4】
左側部品と、右側部品とが幅方向中間部で連結されており、この連結部分のうち前記腹側部分における前端側部分に位置する部分が、連結及びその取り外しが自在とされ、前記左側部品及び右側部品における前記連結及びその取り外しが自在とされた部分が、前記左側部分及び右側部分となっている、請求項1〜のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープタイプ使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつにおいては、少量排泄時におむつ全体を交換せずに済むように、表面に尿吸収を目的とした吸収パッド(パッドタイプの使い捨ておむつである)を敷いて使用する使用形態が知られている。
【0003】
このような使用形態は、成人向けの使い捨ておむつに多いものであり、特にテープタイプ使い捨ておむつにおいてはファスニングテープを取り外すことにより腹側を開放することができるため、次のような使用形態がとられることがある。すなわち、体型が大柄な男性等は介護者1人でのベッド移乗が難しいためオムツ交換は大きな手間となってしまう。そのため、介護の実態として朝のテープタイプ使い捨ておむつの装着時に、その内側に補助吸収用の吸収パッドを装着し、日中の排尿時には車椅子座位の状態で、テープタイプ使い捨ておむつのファスニングテープを外して腹側を開放させ、内側にある補助パッドを引き抜くことにより、初回のおむつ交換とするのである。
【0004】
しかし、このような座位状態での交換時の問題点として、衣類があるため腹側のオムツが開き難いという基本的な問題の他に、ファスニングテープを外して吸収パッドを引き抜いた後に再びファスニングテープを腹側部分に連結する際、おむつの装着状態が崩れ易く、装着者が座位状態であることも相まって適切な装着状態を得にくいという問題点があった。例えば、テープタイプ使い捨ておむつのファスニングテープが両側部を連結するものであるため、作業を簡単にしようとして、片側のファスニングテープのみを外して吸収パッドを引き抜いた場合、片側のファスニングテープの付け直しだけで済まそうとすると、装着の左右バランスが崩れ(以下、センターずれともいう)易い。かといって、両方のファスニングテープを外して左右バランスの調整をしようとすると、装着者が座位状態であることもあって、調整作業が困難となる。
【0005】
なお、特許文献1には、「胴周り開口部11と左右一対の脚周り開口部12とを備えたおむつ1の前後身頃5,6のいずれか一方の幅方向中央域に、胴周り縁部15から股下16方向へ切り込み20Aを設け、その身頃を左右に分割可能につくり、切り込み20Aの近傍には分割した左右の身頃の連結手段21を設ける」ことが開示されているが、パンツタイプ使い捨ておむつにおける胴回り寸法の調節ができないという課題を解決するものであり、テープタイプ使い捨ておむつにおける吸収パッドの引き抜きの際の問題を解決する手段ではない。
【0006】
また、特許文献2には、開口部を有する男性用軽失禁パッドが開示されているが、この開口部は男性器の先端を出すためのものであり、吸収パッドを引き抜くためのものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平06−031725号公報
【特許文献2】特開2010−220835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、腹側部分を大きく開放できるとともに、開放部分を容易に閉じることができ、かつ開放部分を閉じた際のセンターずれを防止できるテープタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
【0010】
<請求項1記載の発明>
股間部、股間部の前側に延びる腹側部分、股間部の後側に延びる背側部分を有し、
背側部分の左右両側に、腹側部分に対して連結及びその取り外しが自在とされたファスニングテープを備えた、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
腹側部分における前端側部分が、互いに連結及びその取り外しが自在とされた左側部分及び右側部分に分割されており、
前記腹側部分を平坦に展開した状態で前記左側部分の右端部及び前記右側部分の左端部が重なり合うように構成され、この重なり合う部分における左側部分及び右側部分の少なくとも一方に、他方を連結するための連結手段が設けられており、
前記ファスニングテープを前記腹側部分に連結した状態で、前記連結手段による前記左側部分及び右側部分の連結を外して前記腹側部分の前端側部分を開放すること、及び前記連結手段により前記左側部分及び右側部分を連結して前記腹側部分の前端側部分を閉じることが可能とされ
前記左側部分及び右側部分の少なくとも一方に、前記左側部分及び右側部分の分割部分における股間側位置から斜め側方又は幅方向に延びる線状易折り曲げ部が形成されるとともに、前記線状易折り曲げ部を挟んで両側に前記連結手段が設けられた、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
【0011】
(作用効果)
本発明のテープタイプ使い捨ておむつでは、ファスニングテープを腹側部分に連結した状態で、左側部分及び右側部分の連結を外して腹側部分の前端側部分を幅方向中間部で開放することができるため、ファスニングテープを外す場合と比較して、おむつを開き易く、内側に装着した吸収パッドを引き抜き易い。さらに、吸収パッドを引き抜いた後に開放部分を閉じる際、左側部分及び右側部分を引き寄せて連結することになるので、適切な左右バランスで閉じることができ、センターずれが発生し難いだけでなく、その作業も極めて容易となる。
【0012】
【0013】
このように基本状態で左側部分及び右側部分に重なり合う部分を設けておくことで、左側部分及び右側部分を掴みやすくなり、特に開放後に閉じる作業が容易となる。
また、このような線状易折り曲げ部を設けることにより、左側部分及び右側部分を開閉する際、決まった位置(線状易折り曲げ部)での折り曲げにより開閉を行うことができるため、左側部分及び右側部分を閉じたときのセンターズレが発生し難くなる。また、左側部分及び右側部分を開いたときに、元に戻り難いため、吸収パッドの引き抜き作業が容易となる。
【0014】
<請求項記載の発明>
前記腹側部分の外面に、前記ファスニングテープが連結されるターゲットテープが設けられており、前記腹側部分は前記ターゲットテープより股間側まで前記左側部分及び右側部分に分割されている、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0015】
(作用効果)
テープタイプ使い捨ておむつでは、ターゲットテープを備えたものが一般的であるが、ターゲットテープを有する部位はコシが強いため、左側部分及び右側部分をそれぞれ左右に開いたとき、元に戻ろうとする力が強く、開放状態を維持し難い。これに対して、上述のように、分割位置をターゲットテープより股間側とすることで、より開き易く、開放状態を維持し易いものとなる。
【0016】
【0017】
【0018】
<請求項記載の発明>
前記左側部分及び右側部分の少なくとも一方に、前記線状易折り曲げ部交差しないように複数本設けられており、
前記左側部分及び右側部分のうち前記連結手段及び前記線状易折り曲げ部を有する部分は、自身の線状易折り曲げ部で外側に二回折り曲げることにより、自身の前記連結手段を自身の外面に仮止め可能となっている、請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0019】
(作用効果)
このような仮止め手段を設けることにより、左側部分及び右側部分を開いたときに、元に戻らないよう止めておくことができるため、その後の吸収パッドの引き抜き作業が容易となる。
【0020】
<請求項記載の発明>
左側部品と、右側部品とが幅方向中間部で連結されており、この連結部分のうち前記腹側部分における前端側部分に位置する部分が、連結及びその取り外しが自在とされ、前記左側部品及び右側部品における前記連結及びその取り外しが自在とされた部分が、前記左側部分及び右側部分となっている、請求項1〜のいずれか1項に記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
【0021】
(作用効果)
このように全体を左側部品及び右側部品の連結構造とし、その一部を連結及び取り外し自在の構造とすることにより既存技術による連続的な製造が可能となる。また、特に上述のような重なり合う部分を有する構造も製造可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上のとおり、本発明によれば、腹側部分を大きく開放できるとともに、開放部分を容易に閉じることができ、かつ開放部分を閉じた際のセンターずれを防止できるテープタイプ使い捨ておむつとなる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】テープタイプ使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。
図2】テープタイプ使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。
図3図1のiii-iii断面図である。
図4図1のiv-iv断面図である。
図5図1のii-ii断面図である。
図6】テープタイプ使い捨ておむつの分解組立図である。
図7】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図8】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図9】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図10】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図11】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図12】テープタイプ使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。
図13図12のV-V断面図である。
図14】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図15】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図16】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図17】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図18】腹側部分の外面を示す要部拡大概略図である。
図19】ターゲットテープの製造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、ホットメルト接着剤による接着箇所のうち説明上必要と認めた箇所については点模様をそれぞれ付している。
【0025】
図1図6は、テープタイプ使い捨ておむつの一例を示しており、この使い捨ておむつは、液不透過性バックシート1の内面と、透液性トップシート2との間に、吸収体3が介在されている。
【0026】
(吸収体)
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。図示形態の吸収体3は一層構造とされているが、下層吸収体とその上に積層された上層吸収体とからなる二層構造であっても良い。また、必要に応じて、吸収体3はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示のような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。吸収体3におけるパルプ目付けは100〜500g/m2程度、厚みは1〜15mm程度であるのが望ましい。また、高吸水性樹脂の目付けは0〜300g/m2程度であるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
【0027】
(液不透過性バックシート)
液不透過性バックシート1は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3に吸収された排泄物の裏面側への移動を遮断するものである。バックシート1としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。バックシート1の単位面積あたりの重量は13〜40g/m2であるのが好ましく、厚みは0.01〜0.1mmであるのが好ましい。
【0028】
おむつ外面を布のような外観、肌触りとするために、バックシート1の裏面全体は外装シート12で覆われており、両シート1,12の外周縁はおむつの外周縁まで及んでいる。外装シート12としては各種の不織布を用いることができるが、スパンボンド不織布が好適である。外装シート12は省略することもできる。
【0029】
(トップシート)
トップシート2としては、有孔または無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。透液性トップシート2に用いる不織布の繊維目付けは15〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
【0030】
トップシート2は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3側縁より外側に延在する部分がバックシート1にホットメルト接着剤等により固着されている。なお、図中の点模様は固着部分を表しているものである。
【0031】
(脚周り立体ギャザー)
図4及び図5にも示されるように、物品内面の両側部(図示形態ではトップシート2の側縁部表面からその側方に延在するバックシート1の表面)には、脚周り立体ギャザー4を構成する脚周り立体ギャザーシート4sの幅方向外側の付根部分4xが前後方向全体にわたり貼り付けられている。脚周り立体ギャザーシート4sは、各種不織布(スパンボンド不織布が好適である)の他、バックシートに用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好適である。脚周り立体ギャザーシート4sの幅方向中央側の突出部分4cは、前後方向両端部では倒伏状態で物品内面(図示形態ではトップシート2表面)にホットメルト接着剤等の手段により固着され、倒伏部分とされているが、これらの間の中間部は非固定の自由部分となっており、この自由部分の先端部等(展開状態における幅方向中央側の端部)には、細長状弾性伸縮部材4Gが前後方向に沿って伸張した状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性伸縮部材4Gは図示例では所定の間隔を空けて複数本設けられているが、一本でも良い。細長状弾性伸縮部材4G(他の細長状弾性伸縮部材も同様)としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴム、具体的にはスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。この自由部分は、細長状弾性伸縮部材4Gの収縮力が作用する結果、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立する脚周り立体ギャザーを構成する。この起立部分の基端4bは脚周り立体ギャザー4における幅方向外側の固定部分4xと内側の部分4cとの境に位置する。なお、図1中の点模様部分は脚周り立体ギャザー4の固着部分を示している。
【0032】
使い捨ておむつ100の前後方向両端部では、バックシート1、外装シート12、透液性トップシート2および脚周り立体ギャザーシート4sが吸収体3の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。一方、使い捨ておむつ100の左右両側部では、バックシート1、外装シート12、透液性トップシート2および脚周り立体ギャザーシート4sが吸収体3の側縁よりも側方にそれぞれ延在され、吸収体3の存在しないサイドフラップ部SFが形成されている。サイドフラップ部SFのうち腹側部分Fのウエスト側部分及び背側部分Bのウエスト側部分にそれぞれ位置する部分は、それらの間の中間部分よりも側方に延出されており、これらの部分が、おむつの胴回り部分となり、中間部分が脚周り包囲部分となり、その両側縁が脚開口の縁Leとなる。
【0033】
(平面ギャザー)
サイドフラップ部SFの前後方向中間部には、バックシート1と外装シート12との間に細長状弾性部材7が前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されており、この細長状弾性部材7の収縮によりサイドフラップ部SFにはいわゆる平面ギャザーが形成されている。この平面ギャザーにより、おむつの側部が弾性伸縮して脚周りにフィットするようになる。
【0034】
左右各側における細長状弾性部材7の本数は適宜定めることができるが、1〜10本程度、より好ましくは3〜8本程度が適当であり、複数本とする場合には、その間隔は2〜15mm程度、特に6〜10mm程度とするのが好ましい。また、各細長状弾性部材7としては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができ、太さとしては500〜1500dtex程度、天然ゴムの場合0.1〜3mm程度、特に0.5〜3mm程度が好ましい。また、各細長状弾性部材7の固定時の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。
【0035】
(ファスニングテープ)
背側部分Bのサイドフラップ部SFには、その側縁からそれぞれ突出するファスニングテープ5が取り付けられるとともに、腹側部分Fの胴回り部表面に幅方向に沿ってターゲットテープ6が貼着されており、身体への装着に際しては、おむつ100を身体にあてがった状態で、両側のファスニングテープ5を腰の各側から腹側外面に回してターゲットテープ6に止着する。ターゲットテープ6は省略することもでき、その場合にはファスニングテープ5はおむつ外面(図示形態の場合外装シート12)に直に止着される。
【0036】
図3に示されるように、ファスニングテープ5は、背側部分Bのウエスト側サイドフラップ部SFにおけるシート間にホットメルト接着剤等の手段により固定された固定部5fと、サイドフラップ部SFの側縁のシート間から幅方向外側に突出する突出部5eとを有しており、この突出部5eは先端部5pと、この先端部5pよりも基端側の本体部5bとを有している。ファスニングテープ5の先端部5pの内面側(透液性表面シート2側)には、ターゲットテープ6との連結のための連結部として、表面にフック状突起を多数有するフック材(メカニカルファスナー(面ファスナー)の雄材)9,9がそれぞれ取り付けられており、ターゲットテープ6としてフック状突起が着脱可能に掛止される表面を有するもの(メカニカルファスナー(面ファスナー)の雌材)6が取り付けられている。おむつ外面の素材自体をターゲットテープ6の代わりに用いたり、フック材9に代えて粘着剤層を用いるとともに、ターゲットテープ6として粘着性に富むような表面が平滑な樹脂テープを用いたりすることができる。
【0037】
また、図1に示されるように、ファスニングテープ5には、上下方向中間部における幅方向外側縁から本体部5b内まで幅方向に沿うミシン目10が設けられており、このミシン目10を切り離すことにより各々が固定部、本体部、先端部及び連結部を備えた上段部及び下段部に分離することができるものである。ミシン目10に代えて、予め切断等により分離されていても良い。このようなファスニングテープ5は、上段部と下段部とを交差させた状態で、腹側部分のターゲットテープ6に着脱自在に連結することができる。もちろん、このような上下2段分割タイプに限られず、2段分割しないタイプ等、他の公知のファスニングテープに応用することもできる。
【0038】
(腹側開放部分)
特徴的には、腹側部分Fにおける前端側部分F1が、互いに連結及びその取り外しが自在とされた左側部分20及び右側部分30に分割されており、ファスニングテープ5を腹側部分Fに連結した状態で、図8に示すように左側部分20及び右側部分30の連結を外して腹側部分Fの前端側部分F1を開放すること、及び図1図2図7に示すように左側部分20及び右側部分30を連結して腹側部分Fの前端側部分F1を閉じることが可能とされている。このように、ファスニングテープ5を腹側部分Fに連結した状態で、左側部分20及び右側部分30の連結を外して腹側部分Fの前端側部分F1を幅方向中間部で開放することができると、ファスニングテープ5を外す場合と比較して、おむつを開き易く、内側に装着した吸収パッドを引き抜き易い。さらに、吸収パッドを引き抜いた後に開放部分を閉じる際、左側部分20及び右側部分30を引き寄せて連結することになるので、適切な左右バランスで閉じることができ、センターずれが発生し難いだけでなく、その作業も極めて容易となる。
【0039】
腹側部分Fにおいて、前端から股間側のどの位置まで分割するかはパッドの引き抜き易さ及び漏れ難さを考慮して適宜定めることができるが、ターゲットテープ6を有する位置までしか分割されていないと、ターゲットテープ6を有する部位のコシが強いため、左側部分20及び右側部分30をそれぞれ左右に開いたとき、元に戻ろうとする力が強く、開放状態を維持し難い。これに対して、図示形態のように、腹側部分Fがターゲットテープ6の股間側まで左側部分20及び右側部分30に分割されていると、より開き易く、開放状態を維持し易いものとなる。
【0040】
左側部分20及び右側部分30は互いに重ならない又は殆ど重ならない構造とし、線ファスナーにより連結及び取り外しを自在としても良いが、図示形態では、腹側部分Fを平坦に展開した状態で左側部分20の右端部及び右側部分30の左端部が重なり合うように構成され、この重なり合う部分における左側部分20及び右側部分30の少なくとも一方に、他方を連結するための連結手段40が設けられている。このように基本状態で左側部分20及び右側部分30に重なり合う部分を設けておくことで、左側部分20及び右側部分30を掴みやすくなり、特に開放後に閉じる作業が容易となる。
【0041】
重なり合う部分の形状は適宜定めることができるが、図示形態では、右側部分30の左側の縁を前後方向に沿う直線状とし、左側部分20の右側の縁を斜め右上に延びる形状として、左側部分20の重なり合い部分を前端側に向かうにつれて幅が拡大する三角形状の掴み部分22として形成している。また、この掴み部分の内側の面には、連結手段40としての面ファスナー(メカニカルファスナー)の雄材(フック材9)が固定されている。この面ファスナーにより左側部分20の内側の面を右側部分30の外側の面に連結することができる(図示形態では、この部分までターゲットテープ6が延在しているが、ターゲットテープ6が無くても外面が不織布であれば連結できる)。連結手段40としては、粘着テープ等を用いることもできる。
【0042】
左側部分20及び右側部分30を開閉する際、開閉のための折り曲げ位置が定まらないと、どの程度開閉して良いかの目安が無いだけでなく、左側部分20及び右側部分30を閉じる際に狙った位置に移動させ難いおそれがある。よって、図示形態のように、左側部分20及び右側部分30の分割部分における股間側位置から斜め側方に延びる線状易折り曲げ部50を形成するのも好ましい形態である。このような線状易折り曲げ部50を設けることにより、左側部分20及び右側部分30を開閉する際、決まった位置(線状易折り曲げ部50)での折り曲げにより開閉を行うことができるため、左側部分20及び右側部分30を閉じたときのセンターズレが発生し難くなる。また、左側部分20及び右側部分30を開いたときに、元に戻り難いため、吸収パッドの引き抜き作業が容易となる。
【0043】
線状易折り曲げ部50は、その延在方向を折り目として折れ易くするためのものであり、図示形態のように吸収体3を有する部分であれば吸収体3のスリット(線状の無吸収体部分)により線状易折り曲げ部50を形成することができる他、吸収体3の有無に関係無く線状のエンボス加工により線状易折り曲げ部50を形成することもできる。線状易折り曲げ部50は、始端から終端まで連続的に形成する他、ある程度の間隔で断続的(点線状)に形成することもできる。また、線状易折り曲げ部50は図10に示すように交差しないように複数本設けることができる。
【0044】
前述のように、左側部分20及び右側部分30を開いた状態で内側の吸収パッドを引き抜く場合、左右に広げた左側部分20及び右側部分30を両方抑えたまま吸収パッドを引き抜くことは現実的には困難であるため、少なくとも一方を開いた状態で仮止めする仮止め手段を備えていることが望ましい。仮止め手段は、面ファスナー等の専用の連結手段40を左側部分20及び右側部分30の少なくとも一方の内面又は外面の適所に設けても良いが、図10及び図11に示す形態では、左側部分20及び右側部分30の連結手段40を有する左側部分20を線状易折り曲げ部50で二回折り曲げることで、前端側に位置する連結手段40が左側部分20の外面に連結され(図示形態では、この部分までターゲットテープ6が延在しているが、ターゲットテープ6が無くても外面が不織布であれば連結できる)、左側部分20が開放状態に維持されるようになっている。使用者は右側部分30を片手で広げつつ、反対の手で開放部分から内側の吸収パッドを引き抜くことができる。このように、連結手段40が仮止め手段を兼ねることも本発明に含まれる。
【0045】
腹側部分Fにおける前端側部分F1を左右に分割する構造は特に限定されないが、図示形態(特に図6の分解組立図参照)のように、左側部品21及び右側部品31を幅方向中間部で連結する構造とし、このうち腹側部分Fにおける前端側部分F1に位置する部分を、連結及びその取り外しが自在の連結構造とし、それ以外F2に位置する部分はホットメルト接着剤60等により取り外さない連結構造とすると、既存技術により連続的に製造することができるため好ましい。この構造を採用する場合、図4及び図5に示すように、左側部分20及び右側部分30のそれぞれに内蔵される吸収体3を幅方向内側の縁部まで延在させずに無吸収体の縁部を形成し、左側部分20の吸収体3と右側部分30の吸収体3とを近接させて、左側部分20の無吸収体の縁部を右側部分30の吸収体3を有する部位に、及び右側部分30の無吸収体の縁部を左側部分20の吸収体3を有する部位にそれぞれ連結すると、吸収体3が実質的に連続するものとなるため好ましい。
【0046】
また、このような連結構造を採用する場合、取り外さない連結部分の上縁25を図10及び図11に示すように、左側部分20及び右側部分30のうち外側に位置する方(図示例では左側部分)の折り曲げ方向に沿う斜め上向きとすると、開閉位置が定まり易くなるため好ましい。
【0047】
他の分割構造としては、図12図18に示すように、左右一体的に形成されたテープタイプ使い捨ておむつにおいて、腹側部分Fの幅方向中央部に、前端側部分F1を左右に分離するためのミシン目90を前後方向に沿って形成するとともに、このミシン目90の左右両側にわたる連結シート70を配し、この連結シート70におけるミシン目90よりも一方側(図示例では左側)の部分をホットメルト接着剤60等により腹側部分F外面に対して取り外さないように連結し、ミシン目90よりも他方側に位置する部分に腹側部分F外面に対して連結及びその取り外しが自在の連結手段40を設けた構造も提案される。なお、図示例では吸収体3にスリットを形成することにより線状易折り曲げ部50を構成している。
【0048】
この構造では、必要時にミシン目90を切り離すことにより、左側部分20及び右側部分30に分割され、前述の形態と同様に左側部分20及び右側部分30をそれぞれ捲ることにより腹側部分Fを開放し、吸収パッドの引き抜き等を行うことができる。図示例ではミシン目90を形成しているが、ミシン目90に代えてスリットを入れ、予め左側部分20及び右側部分30に切り離しておいても良い。この場合でも、連結シート70により左側部分20及び右側部分30は連結可能であるため、問題はない。この構造は、既存のテープタイプ使い捨ておむつの少ない設計変更(具体的にはミシン目90又はスリットの追加と、吸収体3形状の変更、連結シート70の貼り付け)で製造することができるという利点がある。
【0049】
図示形態のように、連結手段40を横切る位置に線状易折り曲げ部50を設ける場合、連結手段40を線状易折り曲げ部50を挟んで両側に設けることが望ましく、特に線状易折り曲げ部50の一方側及び他方側に個別に設けることが望ましい。これにより、左側部分20を閉じる際、線状易折り曲げ部50により区画された部分を根元側から順にパタパタと倒し、各区画部分の連結手段40を右側部分30に連結していくだけで、簡単に左側部分20及び右側部分30をズレなく連結することができる。ただし、この場合、最初の区画の位置決めは作業者が目見当で行う必要がある。よって、最初の区画の位置決めをするための目印を右側部分30に設けておくことが望ましい。このような目印は印刷等により行うこともできるが、図示形態のように右側部分30の外面にターゲットテープ6を備える場合は、そのターゲットテープ6に段差や切り込み等を設けることにより目印とすることもできる。
【0050】
図12図18に示すものと同様の構造を採用しつつ、ターゲットテープ6に目印形状を付加した例を図16図18に示す。この例では、左側部分20におけるターゲットテープ6の縦方向中間の位置に、線状易折り曲げ部50が幅方向に沿って形成されており、右側部分30のターゲットテープ6における左側縁が、線状易折り曲げ部50の延長方向に沿う目印部分80を有するように屈曲されているものである。これにより、左側部分20を閉じる際、線状易折り曲げ部50で折り曲げた状態で、その折り曲げ縁を、図18に示すように右側部分30のターゲットテープ6における屈曲目印部分80に合わせるようにして右側部分30に連結した後、折り曲げていた線状易折り曲げ部50よりも前端側の部分をウエスト側に倒して右側部分30に連結することにより、簡単に左側部分20及び右側部分30をズレなく連結することができる。図16図18に示す形態と異なり、線状易折り曲げ部分が斜め方向に沿う形態でも同様にして目印部分80を設けることができる。
【0051】
なお、ターゲットテープ6の形状により目印を設ける場合は、図16図18に示す形態のように、左側部分20のターゲットテープ6の右側縁と右側部分30のターゲットテープ6の左側縁とを左右対称形状にするとともに、各ターゲットテープ6の上縁及び下縁を同一形状とすると、図19に示すように一本のテープから無駄(トリム)なく各ターゲットテープ6を切り出すことができる。なお、図19に示す形態は一本のテープを順に切断していくことにより左右のターゲットテープ6を形成する場合を想定しているが、左右各一本のテープから製造することもできる。
【0052】
<その他>
本発明は、左側部分及び右側部分を開いた状態で内側の吸収パッドを引き抜くのに適しているが、内側の吸収パッドは必須ではなく、治療等、他の目的で左側部分及び右側部分の開閉を行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、上記例のようにテープタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
【符号の説明】
【0054】
B…背側部分、F…腹側部分、1…液不透過性バックシート、2…トップシート、3…吸収体、4…脚周り立体ギャザー、4f…自由部分、4e…倒伏部分、5…ファスニングテープ、6…ターゲットテープ、9…フック材、10…ミシン目、12…外装シート、20…左側部分、21…左側部品、25…取り外さない連結部分の上縁、30…右側部分、31…右側部品、40…連結手段、50…線状易折り曲げ部、60…ホットメルト接着剤、70…連結シート、80…目印部分、90…ミシン目。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19