(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに対向する一対の主面を有する本体部と、少なくとも一方が移動可能に構成されて各々の先端部同士が開閉可能に前記本体部の一端部に配設されると共に当該各先端部同士が閉じた閉止状態においてクランプ対象をクランプ可能に構成された一対のクランプ部と、操作に応じて前記各クランプ部の前記各先端部を開閉させると共に当該各先端部同士の前記閉止状態を維持可能な開閉機構とを備えて前記クランプ対象についての検出量を検出可能に構成されたクランプセンサであって、
前記開閉機構は、前記本体部の他端部および前記一端部を結ぶ当該本体部の長さ方向に沿ってスライド可能に当該本体部に配置されて、前記一端部側にスライドさせられたときに、前記各クランプ部の少なくとも一方を押圧して前記各クランプ部の前記各先端部同士が閉じる向きに当該少なくとも一方を移動させる第1スライド部と、
前記長さ方向に沿ってスライド可能に構成されて、前記一端部および前記他端部のいずれか一方側にスライドさせられているときに前記第1スライド部のスライドを許容すると共に、前記第1スライド部が前記一端部側にスライドさせられた状態で当該一端部および前記他端部の他方側にスライドさせられたときに当該第1スライド部のスライドを規制して前記各先端部同士の閉止状態を維持する第2スライド部とを備えているクランプセンサ。
前記第2スライド部は、前記いずれか一方側としての前記一端部側にスライドさせられているときに当該第1スライド部のスライドを許容し、前記他方側としての前記他端部側にスライドさせられたときに前記第1スライド部のスライドを規制する請求項1から3のいずれかに記載のクランプセンサ。
請求項1から6のいずれかに記載のクランプセンサと、当該クランプセンサによって検出された前記検出量に基づいて前記クランプ対象についての測定量を測定する測定部とを備えている測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、クランプセンサおよび測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0021】
最初に、測定装置の一例としての電流測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す電流測定装置1は、例えば、クランプ対象としての電線200(
図3参照)に流れる電流(測定量の一例)を測定可能に構成されている。具体的には、電流測定装置1は、
図1に示すように、装置本体2およびクランプセンサ3を備えて構成されている。
【0022】
装置本体2は、
図1に示すように、測定部11、操作部12、表示部13および制御部14を備えて構成されている。
【0023】
測定部11は、制御部14の制御に従い、クランプセンサ3によって検出された磁気(検出量の一例)に基づいて電線200に流れる電流を測定する測定処理を実行する。
【0024】
操作部12は、各種のスイッチを備えて構成され、各スイッチが操作されたときに操作信号を出力する。表示部13は、制御部14の制御に従って電流の測定値等を表示する。制御部14は、操作部12から出力される操作信号に従って装置本体2を構成する各部を制御する。
【0025】
クランプセンサ3は、クランプ対象としての電線200をクランプした状態(取り囲んだ状態:
図3参照)において検出量の一例としての磁気を検出するクランプセンサであって、
図2〜4に示すように、本体部21、第1のクランプ部31、第2のクランプ部32および開閉機構61を備えて構成されている。
【0026】
本体部21は、
図2〜
図4に示すように、互いに対向する一対の主面22a,22b(以下、区別しないときには「主面22」ともいう)および互いに対向する一対の側面23a,23bを有して、先端部21a(一端部に相当する)が開口し、基端部21b(他端部に相当する)が閉塞する箱形に形成されている。
【0027】
また、本体部21の側面23bには、
図2,4に示すように、後述する開閉機構61の第1スライド部71および第2スライド部72を露出させる切り欠き24が形成されている。また、主面22の内面22c(
図11参照)における側面23bの近傍には、
図4に示すように、第1スライド部71および第2スライド部72をスライド可能に支持するためのガイド溝25(溝部に相当する)が、本体部21の基端部21bおよび先端部21aを結ぶ本体部21の長さ方向沿って延在するように形成されている。また、
図11に示すように、各主面22の内面22cにおけるガイド溝25の形成位置よりも基端部21bの位置には、内面22cから突出する突起部28(第1突起部に相当する)がそれぞれ形成されている。この場合、各主面22のいずれか一方の内面22cにのみ突起部28を形成する構成を採用することもできる。
【0028】
さらに、本体部21の側面23aには、滑り止めとして機能する複数の筋状の凸部26が形成されている。また、本体部21には、
図5に示すように、第2のクランプ部32を支持する支持軸27が、主面22a,22bに対して交差(一例として直交)するようにして設けられている。この場合、支持軸27は、同図に示すように、クランプ部31,32によって形成される環状体Rの中心Cよりも側面23b側(第1スライド部71の配設側であって、各側面23のうちの他方の側面23側に相当する)に設けられている。より具体的には、支持軸27は、同図に示すように、中心Cを通って側面23bに平行な直線A上の位置よりも側面23b側に設けられている。
【0029】
第1のクランプ部31は、
図5に示すように、第1ケース41および第1センサ51を備えて構成されている。第1ケース41は、本体部21とは別体に形成されている。また、第1ケース41は、
図5,14に示すように、正面視が半円形をなすように形成されて、内部に第1センサ51を収容可能な収容空間を有している。第1センサ51は、両図に示すように、正面視が半円形に形成されて、第1ケース41の収容空間に収容されている。また、第1のクランプ部31は、移動不可状態で本体部21の先端部21aにおける側面23a(各側面23のうちのいずれか一方の側面23)側に固定されている。この場合、第1のクランプ部31の第1ケース41と本体部21とを別体とする構成、および第1ケース41と本体部21とを一体とする構成のいずれも採用することができる。
【0030】
第2のクランプ部32は、
図5に示すように、第2ケース42および第2センサ52を備えて構成されている。第2ケース42は、
図5,14に示すように、正面視が半円形をなして、内部に第2センサ52を収容可能な収容空間が形成されている。第2センサ52は、両図に示すように、正面視が半円形に形成されて、第2ケース42の収容空間に収容されている。この第2センサ52は、第1のクランプ部31の第1センサ51と共に検出量としての磁気を検出する。
【0031】
また、第2のクランプ部32は、
図5に示すように、本体部21に設けられている支持軸27によって基端部32bが軸支されており、支持軸27を回動中心として回動可能に本体部21の先端部21aにおける側面23b(各側面23のうちの他方の側面23)側に配設されている。
【0032】
また、
図5に示すように、第2のクランプ部32の基端部32b側における第2ケース42の外周面42aには、平面部42bが設けられている。この場合、平面部42bは、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が閉じた状態(以下、この状態を「クローズ状態」ともいう)において、開閉機構61における第1スライド部71の先端部71a(同図参照)が当接する被当接部に形成されている。また、平面部42bは、同図に示すように、クローズ状態において、本体部21の長さ方向(第1スライド部71のスライド方向:
図3〜
図5に示す矢印Xの方向)に対して平行となるように形成されている。
【0033】
このクランプセンサ3では、クランプ部31,32がこのように構成されることにより、第1のクランプ部31および第2のクランプ部32の各々の先端部31a,32a同士が開閉可能となっている。また、このクランプセンサ3では、クローズ状態のクランプ部31,32によって、クランプ対象の電線200を取り囲む環状体R(
図5参照)が形成される。この場合、このクランプセンサ3では、クランプ部31,32によって形成される環状体Rの開口面O(同図参照)が本体部21の主面22a,22bに対して平行となるようにクランプ部31,32が本体部21に配設されている。
【0034】
開閉機構61は、クローズ操作に応じてクランプ部31,32の各先端部31a,32aを開閉させると共に、ロック操作に応じて各先端部31a,32aが閉じている閉止状態を維持可能な機構であって、
図2〜
図5に示すように、第1スライド部71、第2スライド部72およびバネ73(
図5参照)を備えて構成されている。
【0035】
第1スライド部71は、
図2〜
図5に示すように、本体部21における側面23b(他方の側面)側にスライド可能に配置されている。具体的には、第1スライド部71は、
図6〜
図10に示すように、スライド部本体81a(第1スライド部本体)、および一対の腕部81b(第1腕部)を備えて構成されている。
【0036】
スライド部本体81aは、
図6に示すように、平面視矩形に構成されて、本体部21の主面22a,22bにおける側面23bの近傍に形成されているガイド溝25(
図4,11参照)に側部が嵌合して、本体部21の基端部21bおよび先端部21aを結ぶ本体部21の長さ方向(
図3〜
図5に示す矢印Xの方向)に沿ってスライドすることが可能となっている。
【0037】
また、
図8,10に示すように、スライド部本体81aの裏側(下面側)には、第2スライド部72(後述する、スライド部本体82aおよび腕部82b)を嵌め込み可能な嵌合部81dが形成されている。また、
図8,10,11に示すように、嵌合部81dを構成するスライド部本体81aの側壁81eの内面81fには、内面81fから突出する突起部81g(第2突起部)が形成されている。また、
図6に示すように、スライド部本体81aの表側(上面側)には第1スライド部71をスライド操作する際に用いる操作用突起部81h(第1操作用突起部)が設けられている。
【0038】
腕部81bは、
図6,11に示すように、本体部21に配置された状態において本体部21の基端部21b(他端部)側に位置するスライド部本体81aの端部(両図における右側の端部)から基端部21b側に向けて延出するようにスライド部本体81aに設けられている。また、両図に示すように、腕部81bの先端部(両図における右側の端部)には、当接部81c(第1当接部)が形成されている。この場合、腕部81bは、本体部21における主面22の内面22cに対して当接部81cが接離する方向に弾性変形可能となっており、本体部21に第1スライド部71が配置された状態において、弾性力によって当接部81cが突起部28を押圧するように構成されている。
【0039】
この第1スライド部71は、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士を開閉させる際に用いられる。具体的には、本体部21の先端部21a側に向けて(
図15に示す矢印X1の向きに)第1スライド部71をスライドさせることで、第1スライド部71の先端部71aが第2のクランプ部32(各クランプ部31,32の少なくとも一方の一例)における第2ケース42の外周面42aに当接してクランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が閉じる向き(同図に示す矢印R2の向き)に第2のクランプ部32が回動(移動)し、これによって各先端部31a,32a同士が閉じた状態(クローズ状態)となる。
【0040】
また、本体部21の基端部21bに向けて(
図15に示す矢印X2の向きに)第1スライド部71をスライドさせることで、第2ケース42の外周面42aに対する先端部71aの当接が解除され、バネ73の付勢力によってクランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が開く向き(
図14に示す矢印R1の向き)に第2のクランプ部32が回動し、これによって各先端部31a,32a同士が開いた状態(同図参照:以下、この状態を「オープン状態」ともいう)となる。
【0041】
また、この第1スライド部71は、
図11に示すように、本体部21の基端部21b(他端部)側にスライドさせられているときに、腕部81bに形成されている当接部81cが本体部21の主面22の内面22cに形成されている突起部28の基端部21b側(同図における右側)に位置するように構成されている。また、第1スライド部71は、
図12,13に示すように、基端部21b側から本体部21の先端部21a(一端部)側にスライドさせられるときに、腕部81bが弾性変形して当接部81cが突起部28を乗り越えて突起部28の先端部21a側(両図における左側)に位置するように構成されている。
【0042】
第2スライド部72は、本体部21の長さ方向(第1スライド部71のスライド方向)に沿って第1スライド部71に対して相対的にスライドすることが可能となっている。具体的には、第2スライド部72は、
図6〜
図10に示すように、スライド部本体82a(第2スライド部本体)、一対の腕部82b(第2腕部)および規制部82dを備えて構成されている。
【0043】
スライド部本体82aは、
図6に示すように、平面視矩形に構成されて、
図8,10に示すように、第1スライド部71の裏面側に形成されている嵌合部81dに嵌め込まれた状態で第1スライド部71に対して本体部21の長さ方向(第1スライド部71のスライド方向)に沿ってスライドすることが可能となっている。また、
図6に示すように、スライド部本体82aの表側(上面側)には第2スライド部72をスライド操作する際に用いる操作用突起部82e(第2操作用突起部)が設けられている。この場合、第2スライド部72の操作用突起部82eは、第1スライド部71の操作用突起部81hよりも小形に形成されている。なお、操作用突起部81hを操作用突起部82eよりも小形に形成する構成や、両操作用突起部81h,82eを同程度の大きさに形成する構成を採用することもできる。また、このクランプセンサ3では、
図7に示すように、操作用突起部81hが操作用突起部82eよりも本体部21の先端部21a側(同図における左側)に位置するように、第1スライド部71および第2スライド部72が本体部21に配置されている。
【0044】
腕部82bは、
図6,11に示すように、スライド部本体82aから本体部21の先端部21a側に向けて延出するようにスライド部本体82aにおける先端部21a側の端部(同図における左側の端部)に設けられている。また、腕部82bの先端部(両図における左側の端部)には、当接部82c(第2当接部)が形成されている。この場合、腕部82bは、当接部82cが第1スライド部71の側壁81eの内面81fに対して接離する方向に弾性変形可能となっており、第1スライド部71の嵌合部81dに嵌め込まれた状態において、弾性力によって突起部81gを押圧するように構成されている。
【0045】
規制部82dは、第1スライド部71の腕部81bに近接(または当接)して本体部21の主面22の内面22cから離反する向きへの腕部81bの弾性変形を規制することによって第1スライド部71のスライドを規制する機能を有する部材であって、
図6,11に示すように、本体部21の基端部21b側に向けて延出するようにスライド部本体82aにおける基端部21b側の端部に設けられている。
【0046】
この第2スライド部72は、本体部21に対する第1スライド部71のスライドを規制して、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士の閉止状態を維持する機能を有している。具体的には、第2スライド部72は、
図7,8,11,12に示すように、第1スライド部71に対して本体部21の先端部21a(一端部)側(一端部および他端部のいずれか一方側の一例)にスライド(相対的にスライド)させられているときに、規制部82dが腕部81bに対して近接および当接しない状態(非当接状態)に維持され、これによって本体部21における主面22の内面22cから離反する向きへの腕部81bの弾性変形を許容することで第1スライド部71のスライドを許容する(以下、この状態を「アンロック状態」ともいう)。また、第2スライド部72は、
図9,10,13に示すように、第1スライド部71が本体部21の先端部21a側にスライドさせられた状態で、本体部21の基端部21b(他端部)側(一端部および他端部の他方側の一例)にスライド(第1スライド部71に対して相対的にスライド)させられたとき(ロック操作がされたとき)に、腕部81bに規制部82dが近接(または当接)し、これによって本体部21における主面22の内面22cから離反する向きへの腕部81bの弾性変形を規制することで第1スライド部71のスライドを規制する(
図9,10,13参照:以下、この状態を「本ロック状態」ともいう)。
【0047】
また、第2スライド部72は、
図8,11,12に示すように、第1スライド部71に対して本体部21の先端部21a側にスライドさせられているときに、腕部82bに形成されている当接部82cが第1スライド部71に形成されている突起部81gの先端部21a側(同図における左側)に位置するように構成されている。また、第2スライド部72は、
図10,13に示すように、第1スライド部71に対して、本体部21の先端部21a側から基端部21b側(同図における右側)にスライドさせられるときに、腕部82bが弾性変形して当接部82cが突起部81gを乗り越えて突起部81gの基端部21b側に位置するように構成されている。
【0048】
バネ73は、付勢部材の一例であって、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が開く向きに第2のクランプ部32を付勢する。この場合、バネ73は、一例として、ねじりコイルバネ(トーションバネ)で構成され、
図5に示すように、コイル部73aが支持軸27によって支持されると共に、一方の腕部73bが本体部21に係合し、他方の腕部73cが第2のクランプ部32の基端部32bに係合している。
【0049】
次に、電流測定装置1の使用方法について、図面を参照して説明する。
【0050】
まず、装置本体2の操作部12を操作して電源を投入し、次いで、クランプセンサ3のクランプ部31,32でクランプ対象の電線200をクランプする。具体的には、オープン状態のクランプセンサ3(
図14参照)の本体部21を掴んで、クランプ部31,32を電線200に近づける。
【0051】
この場合、オープン状態のクランプセンサ3では、
図11に示すように、開閉機構61の第1スライド部71が本体部21の基端部21b側(同図における右側)に位置し、かつ第2スライド部72が第1スライド部71に対して本体部21の先端部21a側(同図における左側)に位置している。また、この状態では、同図に示すように、第1スライド部71における腕部81bの当接部81cが本体部21における突起部28の基端部21b側(同図における右側)に位置し、第2スライド部72における腕部82bの当接部82cが第1スライド部71における突起部81gの先端部21a側(同図における左側)に位置している。
【0052】
さらに、この状態では、
図11に示すように、第2スライド部72の規制部82dが第1スライド部71の腕部81bに対して近接および当接しない状態に維持され、これによって本体部21の内面22cから離反する向きへの腕部81bの弾性変形が許容される結果、第1スライド部71のスライドが許容されている。
【0053】
また、
図14に示すように、開閉機構61におけるバネ73の付勢力によってクランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が開いたオープン状態(同図に示す矢印R1の向きに第2のクランプ部32が回動した状態)となっている。
【0054】
続いて、クランプ部31,32における各先端部31a,32a間の隙間に電線200を通過させ、
図14に示すように、対向するクランプ部31,32によって挟まれた空間に電線200が位置するようにクランプセンサ3を移動させる。
【0055】
次いで、第1スライド部71の操作用突起部81hに指先を押し当てて本体部21の先端部21aに向けて第1スライド部71を押し出す操作(スライド操作)を行うことにより、第1スライド部71および第2スライド部72を本体部21の長さ方向に沿って本体部21の先端部21a側に向けて(
図15に示す矢印X1の向きに)スライドさせる。この場合、上記したように、第2スライド部72における腕部82bの当接部82cが第1スライド部71における突起部81gの先端部21a側に位置している(
図11参照)。また、腕部82bが弾性力によって突起部81gを押圧している。このため、第1スライド部71に対する基端部21b側への第2スライド部72の移動がある程度規制され、この結果、
図12に示すように、第1スライド部71と第2スライド部72との位置関係が維持された状態(第2スライド部72を第1スライド部71に対してスライドさせない状態)で、第1スライド部71および第2スライド部72が先端部21a側にスライドさせられる。
【0056】
この場合、上記したように、本体部21の内面22cから離反する向きへの第1スライド部71における腕部81bの弾性変形が許容されている。このため、第1スライド部71が基端部21b側から本体部21の先端部21a側にスライドさせられるときに、腕部81bが弾性変形して当接部81cが突起部28を乗り越えて、
図12,13に示すように、突起部28の先端部21a側に位置する。
【0057】
続いて、先端部21a側への第1スライド部71のスライドにより、
図15に示すように、第1スライド部71の先端部71aが第2のクランプ部32における第2ケース42の外周面42aに当接して、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が閉じる向き(同図に示す矢印R2の向き)に第2のクランプ部32が回動する。
【0058】
ここで、このクランプセンサ3では、第1のクランプ部31が移動不可状態で本体部21の先端部21aに配設されると共に、第2のクランプ部32が回動可能に本体部21の先端部21aに配設され、本体部21の先端部21aに向けて第1スライド部71をスライドさせたときに、第1スライド部71の先端部71aが第2のクランプ部32の外周面42aに当接してクランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が閉じる向きに第2のクランプ部32を回動させる。このため、このクランプセンサ3では、本体部21に対してクランプ部31,32を移動(本体部21の長さ方向に沿って移動)させない状態でクランプ部31,32の各先端部31a,32a同士を閉じさせるクローズ操作を行うことが可能となっている。したがって、このクランプセンサ3では、クローズ操作に伴って本体部21に対してクランプ部が移動する構成とは異なり、クローズ操作を行う際に、電線200がクランプ部31,32から外れないように電線200に対するクランプセンサ3の位置を調整する(クランプセンサ3を移動させる)ような動作を行う必要がないため、その分操作性を向上させることが可能となっている。
【0059】
また、このクランプセンサ3では、クランプ部31,32によって形成される環状体Rの中心Cよりも側面23b側に支持軸27を設けたことにより、環状体Rの中心Cよりも側面23a側に支持軸27を設ける構成と比較して、第2のクランプ部32の外周面42aに対して第1スライド部71から加えられる力の作用点と第2のクランプ部32の回動中心(支持軸27の位置)との間の距離を短くすることができる。このため、このクランプセンサ3では、第1スライド部71の少ないスライド量で第2のクランプ部32を大きく回動させることが可能となっている。
【0060】
次いで、
図15に示すように、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が閉じる(互いに当接する)まで第1スライド部71をスライドさせる。この場合、このクランプセンサ3では、第1スライド部71をスライドさせる力を第2のクランプ部32の外周面42aに作用させて第2のクランプ部32を回動させ、これによってクランプ部31,32をクローズ状態とさせている。このため、このクランプセンサ3では、各先端部31a,32a同士が閉じる向きにバネの付勢力を作用させて、バネの付勢力だけで各先端部31a,32a同士を閉じさせる構成とは異なり、バネの付勢力の不足によって各先端部31a,32a同士の閉じ方が不完全となる事態が回避されて、各先端部31a,32a同士を確実に閉じさせることが可能となっている。
【0061】
この場合、上記したように、第1スライド部71が先端部21a側にスライドさせられたときには、腕部81bの当接部81cが突起部28の先端部21a側に位置している(
図12参照)。また、腕部81bの弾性力によって当接部81cが突起部28を押圧している。このため、本体部21の基端部21b側に向かう向き(同図に示す矢印X2の向き)の第1スライド部71のスライドがある程度規制される(仮に規制される)仮ロック状態となる。
【0062】
また、このクランプセンサ3では、クローズ状態において、本体部21の長さ方向(第1スライド部71のスライド方向)に対して平行な平面部42bと先端部71aとが当接している(
図5参照)。このため、このクランプセンサ3では、クローズ状態において、バネ73の付勢力によって第2のクランプ部32の平面部42bから第1スライド部71の先端部71aに作用する押圧力が、第1スライド部71のスライド方向に対して直交する向き(または、ほぼ直交する向き)に作用している。つまり、第1スライド部71のスライド方向(
図15に示す矢印X2への向き)への第2のクランプ部32からの押圧力をなくす(または、低減させる)ことが可能となっている。したがって、このクランプセンサ3では、仮ロック状態の第1スライド部71から指先を離しても、第1スライド部71が本体部21の基端部21b側にスライドして仮ロック状態が解除される事態を確実に防止することが可能となっている。
【0063】
続いて、
図12に示すように、第1スライド部71を本体部21の先端部21a側にスライドさせた状態で(第1スライド部71の仮ロック状態を維持しつつ)、第2スライド部72を本体部21の基端部21b側(同図に示す矢印X2の向き)にスライドさせる。この際に、第2スライド部72の腕部82bが弾性変形して当接部82cが第1スライド部71の突起部81gを乗り越えて、
図13に示すように、突起部81gの基端部21b側に位置する。
【0064】
また、基端部21b側への第2スライド部72のスライドにより、
図13に示すように、第1スライド部71の腕部81bに第2スライド部72の規制部82dが近接(または当接)し、これによって本体部21の内面22cから離反する向きへの腕部81bの弾性変形が規制される。この状態では、基端部21b側に向かう力が第1スライド部71に対して加わったとしても、腕部81bの弾性変形が規制されて、腕部81bの当接部81cが本体部21の突起部28を乗り越えることが困難なため、基端部21b側への第1スライド部71のスライドが確実に規制される。これにより、第1スライド部71が、仮ロック状態から矢印X2の向きへのスライドが確実に規制される本ロック状態に移行する。
【0065】
以上により、電線200のクランプが完了する。次いで、クランプセンサ3のクランプ部31,32(第1センサ51および第2センサ52)が、電線200に流れる電流によって生じる磁気を検出して検出信号を出力する。
【0066】
続いて、操作部12を操作して測定開始を指示する。この際に、制御部14が測定部11を制御して、測定処理を実行させる。この測定処理では、測定部11は、クランプセンサ3から出力された検出信号(クランプセンサ3によって検出された検出量としての磁気)に基づいて電線200に流れる電流(クランプ対象についての測定量)を測定する。次いで、制御部14が、表示部13を制御して、測定部11によって測定された電流の値を表示させる。以上により、電線200を流れる電流の測定が完了する。
【0067】
ここで、このクランプセンサ3では、第2のクランプ部32を回動させる第1スライド部71とは別に、第1スライド部71のスライドを規制する第2スライド部72を備えて開閉機構61が構成されている。このため、クランプセンサ3の使用中(検出量の検出中)に何らかの物体に第1スライド部71が接触したとしても、第1スライド部71がスライドしない状態に維持される。したがって、このクランプセンサ3および電流測定装置1では、クランプ対象(電線200)をクランプしているクランプ状態が意に反して解除され、その結果、検出量としての磁気の検出および測定量としての電流の測定が中断される事態が防止されている。
【0068】
一方、測定が完了して、電線200のクランプを解除する際には、
図12に示すように、第2スライド部72を本体部21の先端部21a側(同図に示す矢印X1の向き)にスライドさせる。この際に、同図に示すように、第2スライド部72の規制部82dが第1スライド部71の腕部81bに対して近接および当接しない状態となり、これによって本体部21の内面22cから離反する向きへの腕部81bの弾性変形が許容される結果、第1スライド部71のスライドが許容される(第1スライド部71のスライド不可状態(本ロック状態)が解除される)。
【0069】
続いて、
図11に示すように、第1スライド部71を第2スライド部72と共に本体部21の基端部21b側(同図に示す矢印X2の向き)にスライドさせる。この際に、第2ケース42の外周面42aに当接していた第1スライド部71の先端部71aが外周面42aから離反する。この際に、バネ73の付勢力により、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が離反する向き(
図14に示す矢印R1の向き)に第2のクランプ部32が回動し、これにより、同図に示すように、クランプ部31,32がオープン状態となる。次いで、クランプ部31,32の各先端部31a,32aの間の隙間から電線200を逃がすようにして電線200からクランプセンサ3(クランプ部31,32)を離反させる。以上により、電線200に流れる電流の測定が完了する。
【0070】
このように、このクランプセンサ3および電流測定装置1では、本体部21の先端部21a側にスライドさせられたときにクランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が閉じる向きに第2のクランプ部32を回動させる第1スライド部71と、第1スライド部71が先端部21a側にスライドさせられた状態で基端部21b側にスライドさせられたときに第1スライド部71のスライドを規制して各先端部31a,32a同士の閉止状態を維持する第2スライド部72とを備えて開閉機構61が構成されている。このため、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、第1スライド部71のスライドを規制する第2スライド部72を備えていない構成とは異なり、例えば、クランプセンサ3の使用中(検出量の検出中)に何らかの物体に第1スライド部71が接触したとしても、第1スライド部71をスライドしない状態に維持することができる。したがって、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、クランプ対象をクランプしているクランプ状態(クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士が閉じている閉止状態)が意に反して解除され、その結果、検出量としての磁気の検出および測定量としての電流の測定が中断される事態を確実に防止することができる。また、このクランプセンサ3および電流測定装置1では、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士を閉じさせる際の第1スライド部71のスライド方向、および第1スライド部71のスライドを規制する際の第2スライド部72のスライド方向の双方を本体部21の長さ方向に沿った方向(つまり、同じ方向)とさせることができるため、操作性を十分に向上させることができる。
【0071】
また、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、第2スライド部72が基端部21b側にスライドさせられたときに規制部82dが第1スライド部71の腕部81bに当接して内面22cから離反する向きへの腕部81bの弾性変形を規制することで第1スライド部71のスライドを規制することにより、簡易な構成でありながら、第1スライド部71のスライドを許容するアンロック状態と、第1スライド部71のスライドを規制する本ロック状態とを確実に切り替えることができる
【0072】
また、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、第1スライド部71における側壁81eの内面81fに突起部81gを形成し、先端部に当接部82cを有して本体部21の先端部21a側に向けて延出するようにスライド部本体82aに設けた弾性変形可能な腕部82bを備えて第2スライド部72を構成したことにより、クランプセンサ3の振動等による第2スライド部72のスライドを防止することができる。このため、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、アンロック状態および本ロック状態がクランプセンサ3の振動等によって意に反して切り替えられる事態を確実に防止することができる。
【0073】
また、このクランプセンサ3および電流測定装置1では、本体部21の基端部21b側に第2スライド部72をスライドさせたときに第1スライド部71のスライドが規制される。つまり、このクランプセンサ3および電流測定装置1では、クランプ部31,32の各先端部31a,32a同士を閉じさせる際の第1スライド部71のスライドの向きと、第1スライド部71のスライドを規制する際の第2スライド部72のスライドの向きとを互いに逆向きとさせることができる。このため、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、クランプ状態を解除させる向きである基端部32b側に向かう力が第2スライド部72に加わったとしても、第1スライド部71のスライドを規制する本ロック状態を確実に維持させることができる結果、クランプ状態が意に反して解除される事態をより確実に防止することができる。
【0074】
また、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、第1スライド部71の操作用突起部81hが第2スライド部72の操作用突起部82eよりも本体部21の先端部21a側に位置するように第1スライド部71および第2スライド部72を配置したことにより、例えば、本体部21の先端部21a側に第2スライド部72をスライドさせたときに第1スライド部71のスライドを規制する構成を採用した場合において、前方に障害物が存在する場所でクランプセンサ3を使用する際に、第2スライド部72の操作用突起部82eと障害物との接触を第1スライド部71の操作用突起部81hによってガードすることができるため、接触によって第2スライド部72がスライドして本ロック状態が解除される事態を確実に防止することができる。
【0075】
また、このクランプセンサ3および電流測定装置1によれば、第2スライド部72の操作用突起部82eを第1スライド部71の操作用突起部81hよりも小形に形成したことにより、例えば、本体部21の先端部21a側に第2スライド部72をスライドさせたときに第1スライド部71のスライドを規制する構成を採用した場合において、前方に障害物が存在する場所でクランプセンサ3を使用する際に、第2スライド部72の操作用突起部82eと障害物との接触を第1スライド部71の操作用突起部81hによってより確実にガードすることができるため、接触によって第2スライド部72がスライドして本ロック状態が解除される事態をより確実に防止することができる。
【0076】
なお、クランプセンサおよび測定装置の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、上記した第1スライド部71および第2スライド部72に代えて、
図16,17に示す第1スライド部171および第2スライド部172を備えた構成を採用することもできる。この構成では、
図16に示すように、第2スライド部172が本体部21の基端部21b側(一端部および他端部のいずれか一方側)にスライドさせられているときに第1スライド部171のスライドが許容され、
図17に示すように、第2スライド部172が本体部21の先端部21a側(一端部および他端部の他方側)にスライドさせられているときに第1スライド部171のスライドが規制される。また、この構成では、第1スライド部71および第2スライド部72を備えた上記の構成と同様にして、第1スライド部171の操作用突起部181hが第2スライド部172の操作用突起部182eよりも先端部21a側に位置するように第1スライド部171および第2スライド部172が配置されている。なお、この構成では、操作用突起部182eが操作用突起部181hよりも小形に形成されているが、操作用突起部181hを操作用突起部182eよりも小形に形成する構成や、両操作用突起部181h,182eを同程度の大きさに形成する構成を採用することもできる。
【0077】
また、
図18,19に示す第1スライド部271および第2スライド部272を備えた構成を採用することもできる。この構成では、
図18に示すように、第2スライド部272が本体部21の先端部21a側(一端部および他端部のいずれか一方側)にスライドさせられているときに第1スライド部271のスライドが許容され、
図19に示すように、第2スライド部272が本体部21の基端部21b側(一端部および他端部の他方側)にスライドさせられているときに第1スライド部271のスライドが規制される。また、この構成では、第1スライド部271の操作用突起部281hが第2スライド部272の操作用突起部282eよりも基端部21b側に位置するように第1スライド部271および第2スライド部272が配置されている。また、この構成では、操作用突起部282eが操作用突起部281hよりも小形に形成されている
【0078】
また、
図20,21に示す第1スライド部371および第2スライド部372を備えた構成を採用することもできる。この構成では、
図20に示すように、第2スライド部372が本体部21の先端部21a側(一端部および他端部のいずれか一方側)にスライドさせられているときに第1スライド部371のスライドが許容され、
図21に示すように、第2スライド部372が本体部21の基端部21b側(一端部および他端部の他方側)にスライドさせられているときに第1スライド部371のスライドが規制される。また、この構成では、第1スライド部371の操作用突起部381hが第2スライド部372の操作用突起部382eよりも基端部21b側に位置するように第1スライド部371および第2スライド部372が配置されている。また、この構成では、第2スライド部372の操作用突起部382eが第1スライド部371の操作用突起部381hよりも大形に(または、両突起部382e,381hが同程度の大きさに)形成されており、第1スライド部71を先端部21aに向けてスライドさせる際に、第2スライド部372の操作用突起部382eを用いることが可能となっている。
【0079】
また、
図22,23に示す第1スライド部471および第2スライド部472を備えた構成を採用することもできる。この構成では、
図22に示すように、第2スライド部472が本体部21の基端部21b側(一端部および他端部のいずれか一方側)にスライドさせられているときに第1スライド部471のスライドが許容され、
図23に示すように、第2スライド部472が本体部21の先端部21a側(一端部および他端部の他方側)にスライドさせられているときに第1スライド部471のスライドが規制される。また、この構成では、第1スライド部471の操作用突起部481hが第2スライド部472の操作用突起部482eよりも基端部21b側に位置するように第1スライド部471および第2スライド部472が配置されている。なお、この構成では、操作用突起部482eが操作用突起部481hよりも小形に形成されているが、操作用突起部481hを操作用突起部482eよりも小形に形成する構成や、両操作用突起部481h,482eを同程度の大きさに形成する構成を採用することもできる。
【0080】
また、第1スライド部71(および、第1スライド部171,271,371,471)が第2のクランプ部32を回動させる構成例について上記したが、第1スライド部71(および、第1スライド部171,271,371,471)が第1のクランプ部31を回動させる構成、および第1スライド部71(および、第1スライド部171,271,371,471)がクランプ部31,32の双方を回動させる構成を採用することもできる。また、第2のクランプ部32が回動する構成例について上記したが、第2のクランプ部32が第1スライド部71のスライド方向と同じ方向にスライドして第1のクランプ部31と共に電線200をクランプする構成を採用することもできる。
【0081】
また、検出量としての磁気を検出するクランプセンサ3を例に挙げて説明したが、検出量は磁気に限定されない。一例として、水道管やガス管などをクランプ対象として、水道管に流れる水の流量や温度、およびガス管に流れるガスの流量や温度を検出量として検出するクランプセンサに適用することができる。
【0082】
また、クランプセンサ3によって検出された検出量(上記の例では、磁気)に基づいて測定量の一例としての電流を測定する電流測定装置1を例に挙げて説明したが、磁気や上記した磁気以外の各種の検出量に基づいて電流以外の各種の測定量を測定する測定装置に適用することができる。