【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度独立行政法人科学技術振興機構研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クライアントから通信回線を介して伝達される入力は、前記運動モデルにおける制御対象に対する操作力であり、前記ネットワークサーバは、伝達された操作力に基づき前記制御対象の位置を算出する演算手段を備えるものである請求項1に記載のマルチラテラル制御装置。
クライアントごとに通信回線を介して前記運動モデルに接続されており、該通信回線と該クライアントとの間において、ネットワークサーバから通信回線を介して該クライアントに出力される出力側のゲインに基づいて該クライアントに出力される位相を調整する第2のスキャタリングマトリクスを備える請求項1または2に記載のマルチラテラル制御装置。
クライアントごとに通信回線を介して前記運動モデルに接続されており、該通信回線と該クライアントとの間において、所定の伝達関数に基づいて機能することにより、前記出力側のゲインを所定範囲に制限する第2の位相制御フィルタを備え、前記第2のスキャタリングマトリクスは、前記第2の位相制御フィルタの伝達関数によってゲインが制限されることにより前記位相を制御するものである請求項3に記載のマルチラテラル制御装置。
前記ネットワークサーバは、前記第1のスキャタリングマトリクスとのゲインを調整する第1のスキャタリングパラメータと、位相遅れを補償するための伝達関数に基づいて構成される第1の位相補償フィルタとを備える請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチラテラルによる位置帰還制御装置。
前記クライアントは、前記第2のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整する第2のスキャタリングパラメータと、前記第1の位相補償フィルタにおける伝達関数の逆数となる伝達関数に基づいて構成される第2の位相補償フィルタとを備える請求項5に記載のマルチラテラル制御装置。
運動モデルを管理するネットワークサーバと、不特定多数のクライアントとが、通信回線を介して接続可能であり、通信回線とネットワークサーバとの間に、第1の位相制御フィルタと、第1のスキャタリングマトリクスとが介在されているマルチラテラル制御装置において、
第1の位相制御フィルタによって、クライアントから通信回線を介して入力されるゲインを所定範囲に制限し、第1のスキャタリングマトリクスによって、前記位相制御フィルタにより所定範囲に制限された前記入力側のゲインに基づいて前記ネットワークサーバに入力される位相を制御することにより、通信回線における通信遅延による位相遅れにかかわらず入力と出力との相関関係を維持させることを特徴とするマルチラテラル制御装置における制御方法。
さらに、前記ネットワークサーバの入力側に第1のスキャタリングパラメータと、出力側に第1の位相補償フィルタを備えた請求項7に記載のマルチラテラル制御装置において、
第1のスキャタリングパラメータによって、前記ネットワークサーバと前記第1のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整し、第1の位相補償フィルタによって、前記ネットワークサーバから出力される信号の位相遅れを補償してなることを特徴とするマルチラテラル制御装置における制御方法。
運動モデルを管理するネットワークサーバと、不特定多数のクライアントとが、通信回線を介して接続可能であり、通信回線とネットワークサーバとの間に、第1の位相制御フィルタと、第1のスキャタリングマトリクスとが介在され、通信回線とクライアントとの間に、第2の位相制御フィルタと、第2のスキャタリングマトリクスとが介在されているマルチラテラル制御装置において、
第1の位相制御フィルタによって、クライアントから通信回線を介して入力されるゲインを所定範囲に制限し、第1のスキャタリングマトリクスによって、前記位相制御フィルタにより所定範囲に制限された前記入力側のゲインに基づいて前記ネットワークサーバに入力される位相を制御することにより、通信回線における通信遅延による位相遅れにかかわらず入力と出力との相関関係を維持させ、
第2の位相制御フィルタによって、ネットワークサーバから通信回線を介して入力されるゲインを所定範囲に制限し、第2のスキャタリングマトリクスによって、前記位相制御フィルタにより所定範囲に制限された前記入力側のゲインに基づいて前記クライアントに入力される位相を制御することにより、通信回線における通信遅延による位相遅れにかかわらず入力と出力との相関関係を維持させることを特徴とするマルチラテラル制御装置における制御方法。
さらに、前記ネットワークサーバの入力側に第1のスキャタリングパラメータと、出力側に第1の位相補償フィルタを備え、前記クライアントの出力側に第2のスキャタリングパラメータと、入力側に第2の位相補償フィルタを備えた請求項9に記載のマルチラテラル制御装置において、
第1のスキャタリングパラメータによって、前記ネットワークサーバと前記第1のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整し、第1の位相補償フィルタによって、前記ネットワークサーバから出力される信号の位相遅れを補償し、
第2のスキャタリングパラメータによって、前記クライアントと前記第2のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整し、第2の位相補償フィルタによって、前記クライアントに入力される信号の位相進みを補償してなることを特徴とするマルチラテラル制御装置における制御方法。
前記ネットワークサーバは、クライアントから入力される前記運動モデルの制御対象に対する操作力を該運動モデルの制御対象の位置に変換し、位相遅れを補償しつつ前記位置を出力させてなる請求項7ないし10のいずれかに記載のマルチラテラル制御装置における制御方法。
【背景技術】
【0002】
いわゆるインターネット上での触覚共有による双方向コミュニケーションに期待が高まり、そのための技術が提案されている。ただし、ここで取り上げる触覚とは、ザラザラ感やスベスベ感などの質感的なものではなく、力の押し合い・引き合いなどの力学的な意味であるため、以降は「力覚」と称する。
【0003】
この種の技術としては、操作者により操作されるマスタ、操作者によるマスタの操作に応じて動作するスレーブを有し、スレーブが物体と接触している状態では、操作者の操作によりマスタに加えられる力を求め、スレーブにかかる力をマスタ側の力に反映させるももの(特許文献1参照)、または、動作範囲が異なるジョイスティックとモバイルロボットとの間で力覚フィードバックを得ながら操作できるようにしたもの(特許文献2参照)などがあった。
【0004】
しかしながら、従来の技術では、通信遅延による位相遅れにより、力学的クローズドループの安定性が保証することが十分にできていなかった。
【0005】
共通の物体が動く、動かないという力覚の共有を実現するためには、世界中の操作者が加える力情報を一ヶ所に集約して物体の運動を決定した後、再び操作者に共通物体の位置をフィードバックすることが必要になるが、力と位置は通信遅延を含んだクローズドループを構成し、むだ時間によりシステムが不安定になってしまうという課題があった。
【0006】
例えば、バイラテラル・マルチラテラル制御の多くの方法は受動性を確保することによって安定性を保証する。とくにスキャタリングマトリクスを用いた方法は、制御対象をフィードバックにより受動性を持つシステムに一旦改造した上で速度制御として遠隔制御している(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
さらに、ネットワーク障害の耐性としてネットワークのトポロジーは重要である。例えば、位置・力の情報をバケツリレー方式で転送する方式が提案されているが(例えば、非特許文献2参照)、このような手法では、不意のネットワーク切断がしばしば生じる通常のインターネット環境での使用は難しい。また、関連のあるノードを全て相互接続する幾何学的手法を採用するとしても、不特定多数(特に数百を超える)インタラクションを実現することは難しい。
【0008】
また、応答性は実用面において特に重要である。例えば一人の操作者が加えたステップ状の抵抗力を別の操作者もステップ状の力として感じとれなければコミュニケーションは成立しないと考えられる。
【0009】
そして、上述の特許文献1または2に例示するような手法は、バイラテラル制御においては良好な触覚を得られるが、マルチラテラルに適用した事例はまだない。その理由として、ロバスト安定性、ネットワーク障害耐性および応答性などを実現できないことによるものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明の課題は、ロバスト安定性に加え、ネットワーク障害耐性および好適な応答性を実現するマルチラテラル制御装置およびマルチラテラル制御方法を提供することである。
【0013】
とくに物体の運動モデルの一つである「バネ・マス・ダンパの多重連成系」の力学的考察を行い、ついで受動定理や積分2次拘束(Integral Quadratic Constrains、以下IQCと表記する場合がある。)に基づくマルチラテラル遠隔制御における安定な力・位置帰還制御装置および制御方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、本発明者らは鋭意研究した結果、次の発明を完成するに至ったものである。
請求項1に記載のマルチラテラル制御装置にかかる発明は、ネットワークサーバで管理される運動モデルに対し、通信回線を介して接続される複数のクライアントによる操作を可能とするマルチラテラル制御装置であって、クライアントから通信回線を介して入力される入力側のゲインにより前記ネットワークサーバに入力される位相を制御する第1のスキャタリングマトリクスと、前記入力側のゲインを所定範囲に制限する第1の位相制御フィルタとを備え、前記第1の位相制御フィルタにより所定範囲に制限されたゲインに基づいて前記第1のスキャタリングマトリクスの位相が実質的に制御されることを特徴とするものである。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマルチラテラル制御装置において、前記クライアントから通信回線を介して伝達される入力は、前記運動モデルにおける制御対象に対する操作力であり、前記ネットワークサーバは、伝達された操作力に基づき前記制御対象の位置を算出する演算手段を備え、前記第1の位相制御フィルタは、前記通信回線を入力とする伝達関数に基づいて構成されるものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のマルチラテラル制御装置において、前記クライアントは、ネットワークサーバから通信回線を介して出力される出力側のゲインにより該クライアントに出力される位相を調整する第2のスキャタリングマトリクスを備えるものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のマルチラテラル制御装置において、前記クライアントは、前記出力側のゲインを所定範囲に制限する第2の位相制御フィルタを備え、前記第2の位相制御フィルタにより所定範囲に制限されたゲインに基づいて前記第2のスキャタリングマトリクスの位相が実質的に制御されるものである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチラテラル制御装置において、前記ネットワークサーバは、前記第1のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整する第1のスキャタリングパラメータと、位相遅れを補償するための伝達関数に基づいて構成される第1の位相補償フィルタとを備えるものである。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のマルチラテラル制御装置において、前記クライアントは、前記第2のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整する第2のスキャタリングパラメータと、前記第1の位相補償フィルタにおける伝達関数の逆数となる伝達関数に基づいて構成される第2の位相補償フィルタとを備えるものである。
【0020】
他方、請求項7に記載のマルチラテラル制御装置における制御方法にかかる発明は、運動モデルを管理するネットワークサーバと、不特定多数のクライアントとが、通信回線を介して接続可能であり、通信回線とネットワークサーバとの間に、第1の位相制御フィルタと、第1のスキャタリングマトリクスとが介在されているマルチラテラル制御装置において、第1の位相制御フィルタによって、クライアントから通信回線を介して入力されるゲインを所定範囲に制限し、第1のスキャタリングマトリクスによって、前記位相制御フィルタにより所定範囲に制限された前記入力側のゲインに基づいて前記ネットワークサーバに入力される位相を制御することにより、通信回線における通信遅延による位相遅れにかかわらず入力と出力との相関関係を維持させることを特徴とするものである。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のマルチラテラル制御装置が、さらに、前記ネットワークサーバの入力側に第1のスキャタリングパラ−メータと、出力側に第1の位相補償フィルタを備えたものである場合において、第1のスキャタリングパラメータによって、前記ネットワークサーバと前記第1のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整し、第1の位相補償フィルタによって、前記ネットワークサーバから出力される信号の位相遅れを補償してなることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項9に記載のマルチラテラル制御装置における制御方法にかかる発明は、運動モデルを管理するネットワークサーバと、不特定多数のクライアントとが、通信回線を介して接続可能であり、通信回線とネットワークサーバとの間に、第1の位相制御フィルタと、第1のスキャタリングマトリクスとが介在され、通信回線とクライアントとの間に、第2の位相制御フィルタと、第2のスキャタリングマトリクスとが介在されているマルチラテラル制御装置において、第1の位相制御フィルタによって、クライアントから通信回線を介して入力されるゲインを所定範囲に制限し、第1のスキャタリングマトリクスによって、前記位相制御フィルタにより所定範囲に制限された前記入力側のゲインに基づいて前記ネットワークサーバに入力される位相を制御することにより、通信回線における通信遅延による位相遅れにかかわらず入力と出力との相関関係を維持させ、第2の位相制御フィルタによって、ネットワークサーバから通信回線を介して入力されるゲインを所定範囲に制限し、第2のスキャタリングマトリクスによって、前記位相制御フィルタにより所定範囲に制限された前記入力側のゲインに基づいて前記クライアントに入力される位相を制御することにより、通信回線における通信遅延による位相遅れにかかわらず入力と出力との相関関係を維持させることを特徴とするものである。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のマルチラテラル制御装置が、さらに、前記ネットワークサーバの入力側に第1のスキャタリングパラ−メータと、出力側に第1の位相補償フィルタを備え、前記クライアントの出力側に第2のスキャタリングパラ−メータと、入力側に第2の位相補償フィルタを備えたものである場合において、第1のスキャタリングパラメータによって、前記ネットワークサーバと前記第1のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整し、第1の位相補償フィルタによって、前記ネットワークサーバから出力される信号の位相遅れを補償し、第2のスキャタリングパラメータによって、前記クライアントと第2のスキャタリングマトリクスとの間のゲインを調整し、第2の位相補償フィルタによって、前記クライアントに入力される信号の位相進みを補償してなることを特徴とするものである。
【0024】
請求項11に記載の発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載のマルチラテラル制御装置における制御方法において、前記ネットワークサーバは、クライアントから入力される前記運動モデルの制御対象に対する操作力を該運動モデルの制御対象の位置に変換し、位相遅れを補償しつつ前記位置を出力させてなるものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、制御対象そのものの特性を直接変えないまま安定化を図るため、時間遅れが十分小さく、しかも、良好なネットワーク環境であれば、連成モデルとクライアントは直接接続されているのと等価な構造にできる。また、ロバスト安定性に優れ、通信遅延によらずシステム全体を安定化できる。さらに、ネットワーク障害が発生してもその影響は当該クライアントに限定されるとともに、定常状態においてクライアントとネットワークサーバの間における位置と力は、それぞれ一致することとなる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
まず、多重連成モデルにおいて遠隔地に存在する多人数が同時に力覚を共有できるマルチラテラル遠隔制御システムの設計法について説明する。
その後に、安定化制御器が位相制御フィルタ、位相補償フィルタ、スキャタリングパラメータからなり、これらを適切に設定することで全周波数帯域に対して正実性を保証し、安定化が可能であることを示す。
【0028】
本実施形態では、クライアントとネットワークサーバとの間の入出力に関し、一例として、クライアントからネットワークサーバに対し操作力(力)を入力し、ネットワークサーバからクライアントに対し位置を出力するものとする。そのため、クライアントとネットワークサーバ間において、定常状態における位置と力との一致を確保する条件や、安定性と応答性がトレードオフの関係であることを後半において説明する。なお、上述のとおり、以下においては、ネットワークサーバに対する入出力は前記操作力を入力とし、位置を出力とするものを前提とするが、位置を入力とし、力を出力とする場合であっても同様に制御させることができるものである。
【0029】
実施形態を説明した後には、実施例として、通信遅延を含んだ400人規模のシステムのシミュレーションを行い、安定に、かつコミュニケーションツールとして有用な応答性が実現できることを示す。
【0030】
<バネ・マス・ダンパの多重連成モデルと受動性>
本発明は、ネットワークサーバに管理される運動モデルに対し、操作者が操作すべき対象について制御するものであり、その運動モデルの一例として多重連成モデルを
図1に示す。図示のように、この多重連成モデルは、質量m
i[kg]を持つ質点O
iが、バネ定数k
i[N/m]、粘性係数d
i[N/(m/s)]のバネ・ダンパによりn個直列に接続されている。また各々の質点は背景と粘性摩擦c
i[N/(m/s)]で結合されている。
【0031】
質点Oiは、インターネットを経由して操作者h
iから力f
i[N]を加えられ、総数n人のバネ・ダンパを介した操作力の干渉の結果として、それぞれの位置x
i[m]が決定される。以降、特に断らない限りiはi=1,2,...,n−1,nの値を取るものとする。このとき、
図1の運動方程式は以下(数1)で与えられる。
【0033】
なお、質点O
i(i=2,3,...,n−1)においては両側のバネ・ダンパから力を受けるが、両端の質点O
1,O
nにおいては片側のみから力を受け、x
0,x
n+1,k
0,d
0は存在しない。
【0034】
この多重連成モデルはネットワークサーバ(以後、モーションサーバと呼称する場合がある。)の内部にエミュレータとして構築され、コンピュータにより演算される。インターネットの特性として、一人だけがこのシステムにアクセスしている状態もあれば、何千人もの人間が同時に参加している状態も考えられる。n=1,000の場合、操作力f
1は質点O
1000の位置x
1000に対して2,000次遅れ系を構成し、位相遅れは180,000[deg]にも達する。したがってこのシステムは非受動である。
【0035】
本モデルは、次に示す(数2)のように三重対角対称行列が主要素となる状態方程式で表現できる。
【0037】
(数2)において、x∈R
2nは(数3)、u∈R
n
は(数4)、y∈R
nは(数5)である。
【0041】
なお、以降はiによらず全てのパラメータをm
i=m,d
i=d,k
i=k,c
i=cで表すこととする。サーバ内に存在するエミュレータであれば演算精度の範囲でこの仮定を満たすことが可能である。
【0042】
<受動性の証明>
uからyは力から位置へのシステムであるため非受動であるので、uからdy/dtへのシステムの受動性を示す。dy/dtを出力とするために(数2)においてC=(I 0)とすると、正実性の条件CAB+(CAB)
T<0は−(2/m
2)*D
c<0となり、ゲルシュゴーリンの定理からAの固有値はc<0のとき必ず負となり、システムは強正実となる。
【0043】
また別の受動性として、それぞれの出力x
iにG
c(s)=m
cs+c
c(m
c,c
c>0)なる位相補償を接続したシステムを考える場合、上記の(数2)においてC=(m
cI c
cI)とすると、正実性の条件として−(m
c/m)*D
c+c
cI<0を得ることができ、やはりゲルシュゴーリンの定理からc/m>c
c/m
cが導かれる。
【0044】
これは元の連成モデルの極−c/mよりも低い周波数に零点を持つ位相補償を施すことで、システムを強正実化できることを表す。以降、位相補償され正実化された多重連成モデルの伝達関数をG
n(s)∈C
n×nとする。
【0045】
<ネットワーク構成と安定化コントローラの設計>
図2は、本実施形態において、クライアントとの間で通信回線を介して接続されるモーションサーバ(Motion server)の側の安定化コントローラを示す図である。図中の矢印は信号の伝送方向を示す。図示のように、安定化コントローラは、伝達関数W
s(s)に基づいて機能する位相制御フィルタ、スキャタリングマトリクス(入出力が相互に減算されるように、襷掛けされた部分)、モーションサーバ内のx
siとx
iの間に設置される位相補償フィルタ(伝達関数G
c(s)を含む)、およびf
siとf
iの間に設定されるスキャタリングパラメータ(1/b)によって構成することができる。なお、これらの構成要素は、必要に応じて省略することができる場合があり、他の構成要素を付加してもよい。数個の機能を有する構成要素を一つの構成要素にまとめてもよい。また、
図2において示していないが、クライアント側においても、上記の各構成部とペアになるものが実装される。以降、設計法を詳述する。
【0046】
<ネットワーク構成>
本実施形態におけるネットワーク構成を
図3に示す。このネットワーク構成は、不特定多数のクライアントが通信回線を介してモーションサーバに接続されている状態を示す。本実施形態においては、n個のクライアントが接続されている状態を制定したマルチラテラルシステムとする。すなわち、世界中に存在するn個の力覚共有マウス(これをクライアントと称する)がネットワークごとに異なる通信遅延T
ui、T
diを有して接続されているのである。また、個々のクライアントと、モーションサーバは、2つのスキャタリングマトリクスを介して接続されている。この2つのスキャタリングマトリクスは、基本的に同種の構成であるが、モーションサーバ側が第1のスキャタリングマトリクスであり、クライアント側が第2のスキャタリングマトリクスとして区別して表記する場合がある。
【0047】
上記構成においては、i番目のクライアント(Client i)から送信される操作力f
miと、ネットワーク経由後モーションサーバに到達するf
siは定常状態で同一である(この点は後述する)。また、モーションサーバからi番目のクライアント(Client i)に出力される位置x
siと当該クライアント(Client i)が受け取る位置情報x
miも定常状態において同一である。このことから、クライアントはあたかも多重連成モデルに対し直接力を与え、またその運動を直接触知覚しているように感じ取ることができる。
【0048】
一人の操作力の変化は通信遅延を経由してモーションサーバに達し、全ての質点の運動に影響を与えるとともに、その質点の座標は再び通信遅延を経由して全てのクライアントに反映される。
【0049】
その結果生じる全ての操作者の操作力の変化は再びサーバ内にループバックされることになり、何千人もの操作者が何万次数もの伝達関数と通信遅延を介して互いに影響し合う。
【0050】
<スキャタリングマトリクスの位相特性>
図4は、モーションサーバ側の(第1の)スキャタリングマトリクスにおける位相特性を説明するための図である。なお、図中のG
net(s)は
図3中に示したv
siからu
siへの伝達関数に相当することを意味し、また、
図4中の左側をネットワーク側、右側をモーションサーバ側とする。また、f
sとf´
sとの間(モーションサーバの入力側におけるスキャタリングマトリクスとの間)の−1は仮想的に設けたゲインを示す。
【0051】
この
図4に示すスキャタリングマトリクスの位相に関し、その上界と下界について、以下の関係を得ることができる。
【0052】
すなわち、等式(数6)の位相は、関係式(数7)の範囲に存在する。なお、英字の大文字はラプラス変換を示す。以下において同様とする。
【0055】
上記の関係式は、次のように証明される。すなわち、G
net(jω)=a(ω)+jb(ω)とおくと、(数8)であるから、(数9)となる。
【0058】
ここでa(ω)
2+b(ω)
2=r(ω)
2とすると、(数10)の下界はb(ω)=−r(ω)のときで(数11)となる。ただし、r(ω)は、G
netのゲインを示す。
【0061】
一方、上界はb(ω)=r(ω)のときで(数12)となる。
【0063】
上記関係式から、|G
net(jω)|<=1のとき(以下、不等号を<=または>=と記す)、負の符号を考慮したスキャタリングマトリクスの位相は±π/2の範囲で、|G
net(jω)|が小さくなるほど位相の範囲が狭まり、|G
net(jω)|=0では0[rad]となる。このことを
図3に当てはめると、伝達関数W
s(s)によってスキャタリングマトリクスの位相arg f
si/x
siをコントロールできること示している。これが「位相制御フィルタ」と呼称する理由である。
【0064】
<モーションサーバと周囲のスキャタリングマトリクスとの安定化>
前述したように、G
c(s)=m
cs+c
c(c/m>c
c/m
c)なる位相補償を多重連成モデルに接続することで強正実化できることを示した。また、ネットワーク側のゲインを1以下にすることで、スキャタリングマトリクスの位相を±π/2の範囲、すなわち受動化できることを示した。n個のクライアントはそれぞれ独立にモーションサーバに接続されるので、それらの伝達関数をG
client(s)∈C
n×nの対角行列関数としてマトリクス化したものもまた受動的である。
【0065】
したがって受動定理から|G
net(s)|<=1ならばモーションサーバ側のスキャタリングマトリクスを含んだループは安定となる。なお位相補償フィルタを用いなくても、スキャタリングマトリクス自身に位相補償の機能を持たせることでも安定化可能である。
【0066】
すなわち、Δ
net(jω)のゲインを調整してスキャタリングマトリクスの位相の下界を−π/2からG
c(jω)分進めたものに制約することで、連成システムの非受動性の要因である1/(m
s+c)の位相遅れを補償し、強正実と受動的なシステム同士の結合とみなすことができる。
すなわち(数13)なる位相遅れの下界を設定することで安定性を保証できる。このときの条件は(数14)に示すとおりであり、W
s(s)のゲインを落とすことで実現できる。Δ
net(s)による安定性については、後述するIQCの観点から説明するので、ここでの説明は省略する。
【0069】
<クライアント側のモデルとネットワークゲイン>
次に、モーションサーバ側のスキャタリングマトリクスを含んだループが安定となる前提として設定した|G
net(jω)|<=1を念のため証明する。
【0070】
図5は、想定されるクライアントのデバイスを示している。想定するデバイスは、
図5(a)に示すようなリニアモータによる位置決め装置に、操作力を検知できる力覚センサが装着されたものである。操作者はこのデバイスを通じてセンサに操作力f
hiを伝えると共に、デバイスの位置x
hiを触知覚することができる。ここで、位置決めの伝達関数をG
servo(s)〜1、とし、位相補償の逆関数を1/G
c(s)、デバイスと人の手の間の剛性をK
hi[N/m]、デバイスと人の手の間のダンパ係数をD
hi[N/(m/s)]とすると、クライアントのブロック図は
図5(b)に示すことができ、伝達関数は(数15)で与えられる。
【0072】
なお、人の意思に基づく操作力f
ri
や人の意思による手先の位置x
riもf
hiに関与するが、ここでは外乱として捉え安定性の考察からは除外する。デバイスが正の方向に移動したとき、人の手により生じる抵抗力は負の方向である。パラメータb,W
m(s)については、ここでは1とする。
【0073】
そこで、G
h(s)/G
c(s)は受動的であるから、|U
mi(s)|/|V
mi(s)|<=1となり、一定通信遅延において|U´
si(s)|/|V
si(s)|<=1が成立し、Ws(s)<=1ならばΔ
net(jω)<=1である。
なお1/G
c(s)とbはクライアントとモーションサーバ間での位置と力の一致の程度を向上させるために設けた。もし通信遅延がなくW
s(s)=1であればスキャタリングマトリクスとG
c(s)、bはサーバ側のそれとキャンセルしあい、G
n(s)の各入出力にG
h(s)が直接接続された状態と等価になる。
【0074】
<定常特性とパケットロスの影響の排除>
インターネット上での運動モデル(その一例である前記多重連成モデル)を実現するために最も重要な特性は、クライアントでの操作力f
hiと連成モデルへの力f
i、また位置x
hiとx
iがそれぞれ一致することである。通信遅延のために過渡状態において一致させる事は困難であるが、定常状態においてはu
si=W
s(0)u
miとなることを考慮すると、停止状態でf
hi=f
i,x
hi=x
iとなる条件はW
s(0)=1である。
【0075】
定常状態で満たすべきもうひとつの条件として、一時的にパケットロスが生じてもその復帰後はf
hi=f
i、x
hi=x
iに整定しなくてはならない。G
c(s)=sではなくG
c(s)=m
cs+c
cとするのはそのためである。G
c(s)=sでも連成モデルを強正実化できるが、v
si=0なるパケットロスが生じている間にx
iが変化した場合、パケットロス解消後もその情報がクライアントまで伝達されず、最終的にx
hi≠x
iとなる問題を生じる。この問題は、前掲の非特許文献1において生じるものであるが、本発明は、この問題を解決し得る手法を提案するものである。
【0076】
<ロバスト性と正実性の確保>
実際のインターネット環境において通信遅延は時変であり、||T
ui||
∞=1+dT
ui(t)/dt>1(T
diも同様)となる(以下ノルムXを||X||と記す)。またモーションサーバにおいても実プラントではモデル化誤差により正実性が失われる可能性がある。そこでこれらの影響があっても安定性を保つ条件について考察する。
【0077】
<IQC(積分2次拘束)による安定解析>
まず、本発明の安定性を証明するツールであるIQCによる安定解析について
図6を参照しつつ簡単に示す。なお、紙面の関係上詳細は割愛することとする。
【0078】
(IQCによる安定判別)
図6は、IQCの判別にための閉ループを示すブロック図である。Π(jω)を有界なエルミート行列とし、ΔをL2安定で因果的なシステムとし、
図6におけるΔの入力z∈L2と出力ω∈L2を考えた時、すべてのa∈[0,1]に対してaΔが次式(数16)を満たすものとする。
【0079】
【数16】
このとき、
図6におけるMが、次の(1)、(2)を満たすならば、ΔとMのなす閉ループ系はL2安定である。
(1)Mは内部安定である。
(2)次式(数17)を満たす正定数εが存在する。
【0081】
本実施形態ではモーションサーバ部分をM(jω)として、スキャタリングマトリクスを含めたネットワーク側をΔとして取り扱う。
【0082】
<スキャタリングマトリクスの受動性と安定化>
次に、スキャタリングマトリクスの受動性および安定性について説明する。
図4に示したモーションサーバ側の(第1の)スキャタリングマトリクスにおける各入出力間の不等式を求めると、次式(数18)となり、これから(数19)を得ることができる。
【0084】
【数19】
ここで、Δ
iはH
∞ノルムsup||u
si(t)||
2/||v
si(t)||
2の2乗である。したがってΔ
i<=1のときにx
siからf´
si(=−f
si)は受動的なシステムとなる。
【0085】
さらに、上記(数19)をaを考慮したIQCの形に直すと、次式(数20)となる。
【0087】
なお、x
siの項が削除されるのは、a=0の時にf
si(t)=0となり不等式が成立しなくなることを避けるためである。
【0088】
n個のクライアントはそれぞれ独立にモーションサーバに接続されるので、ベクトル化した入出力関係(数21)を用いてシステム全体のIQCを求めると(数22)を得る。
【0091】
この関係を前記した(数17)に対応させると、システムが安定となる条件として次式(数23)を得ることができ、G
n(s)が強正実でΔ
net<=1であればω≠∞で安定条件が満たされる。
【0092】
【数23】
ここでΔ
netが厳密にプロパーなW
s(s)を組み込まれた周波数特性を持つΔ
net(ω)であると考えると、Δ
net(∞)=0であることから全ての周波数帯域で安定性が満たされる。
【0093】
これまでG
n(s)が正実であることを前提に議論してきたが、(数23)はΔ
net(ω)
やbを適切に選択することでG
n(s)が正実でなくても安定化できることを示している。例えばΔ
net(ω)<<Iにするならば、安定条件は次式(数24)となる。
【0095】
従って、0<−λ
min(G
n(jω)+G
n(jω)
*)<bなるbを選択すればG
n(s)の正実性に関わらず安定となる。
【0096】
ただしΔ
net(s)のゲイン、すなわちW
s(s)のゲインを落とす事、あるいはbの値を大きくすることは、ループゲインを下げ応答性を悪化させることに他ならない。すなわち安定性の向上と応答性の確保はトレードオフの関係である。
【0097】
W
s(s)は本章の冒頭で述べた時変遅延による||T
ui||
∞の増大を保証するためにも用いられる。ω≠0を考えると、1/(1+(dT
ui(t)/dt))>|W
s(s)|なるW
s(s)を設定することでΔ
net(ω)<=1を満たすことができる。ω=0においては定性的な議論になるが、T
uiやW
s(s)を通過する信号が無限時間において変化しない状態においてはむだ時間の変動があっても||T
ui||
∞=1である。このことは、前記定常特性に関する説明において述べたようにW
s(0)=1であるから、ω=0のときにもΔ
net(ω)<=1が成立する。
【0098】
<設計手法のまとめ>
以上のような構成から、制御装置の設計手法は次のようにまとめられる。
1.モーションサーバにおいてG
n(s)を強正実関数とする位相進み補償フィルタG
c(s)、クライアントには1/G
c(s)を設定する。ただし、クライアントとモーションサーバ間の位置と力を一致させる観点から完全微分は不適である。
2.ロバスト安定性、およびクライアントとモーションサーバ間の位置と力の一致を確保するために厳密にプロパーでW
s(0)=1なるフィルタW
s(s)を設定する。W
s(s)のカットオフ周波数やゲインを小さくするほどΔ
net(ω)を抑制し安定化できるが、粘性抵抗の上昇や信号伝達の周波数帯域が狭まり応答性が悪化する。クライアント側にも必要があればW
m(s)を設定する。
3.G
n(s)が正実でなければW
s(s),1/b(>0)のゲインを小さく定める。G
n(s)が正実であれば、モーションサーバとスキャタリングマトリクス間のループゲインを上げて応答性を向上させるために1/bを大きく定める。ただしG
c(s)と相まって、大き過ぎる1/bは微分項の効果を強めすぎノイズ様の応答をもたらすことに注意が必要である。
【実施例1】
【0099】
本発明に係る設計手法を用いて、400台のクライアントを用いたマルチラテラル遠隔制御のシミュレーションを行った。シミュレーションパラメータは特に指定のない限り表1の通りである。
【0100】
【表1】
【0101】
パラメータに範囲が示されているものは400台の各クライアントにその範囲の値が乱数で割り当てられている。したがって往復通信遅延RTT=T
di+T
uiの平均値は0.020[s]である。この値は発明者らのこれまでの高専連携遠隔制御実験における各地の通信遅延に基づいて決定した。またD
h、K
hの値は一般的なものを採用した。
【0102】
<ステップ入力による応答性>
まず、400台のクライアントのうち連成モデルの両端に位置する2人が操作力を印加するシミュレーションを行った。1台目の操作者h
1が時刻1[s]に1[N]を加え、時刻7[s]に400台目の操作者h
400が−1[N]の操作力を与える。この間398台のクライアントはネットワークには接続しているが、手を離して操作力を加えていない状態である。その際の力と位置の応答を
図7に示す。
【0103】
1[s]と7[s]にスパイク様の移動が確認できるが、これは操作力の変化に対応した位置情報がサーバから通信遅延を経由して伝達されるまでの間に、クライアントのローカル上でデバイスが移動してしまうためである。h
1が操作力を加えてから約0.8[s]後にh
400が移動し始め、この時点でh
400がh
1の力を触知覚できたことになる。h
400の操作力もやはり約0.8[s]後にh
1で触知覚できており、力の拮抗によりデバイスは停止している。定常状態での位置の差分は連成モデル全体のバネ定数によるものである。
【0104】
0.8[s]の遅延の主要因は連成モデルそのものの特性である。
図8に連成モデル単体のf
1にステップ入力を加えた時の応答を示す。x
1はすぐに移動を始めるがx
400の移動が視認できるのは0.5[s]後である。連成モデルは2次遅れ系で構成されるために一つ一つの要素に遅れ時間を有する。仮に一段の遅れが1.2[ms]程度であったとしても400段目での遅れ時間は0.5[s]になる。
【実施例2】
【0105】
次に、h
1〜h
200の200人(A群)が各々1[N]を時刻1[s]から加え、h
201〜h
400の200人(B群)が−1[N]を時刻4[s]から加えたときのシミュレーション結果を
図9に示す。図はh
1とh
400の抜粋である。整定速度0.43[m/s]までのA群の操作力によるB群の立ち上がり時間(10〜90%)、およびB群の操作力によるA群が停止するまでの立ち下がり時間は共に0.40[s]であり、互いの力と質点の運動を周波数特性良く触知覚できる応答性を有していると判断できる。
【実施例3】
【0106】
<多人数の操作における安定性>
様々な入力に対しても安定性が確保できることを示す。全てのクライアントに正弦波の操作力を1[s]から7[s]まで与えた時の応答を示す。正弦波の振幅、周期、位相はそれぞれ−10[N]〜10[N]、1[s]〜2[s]、0[deg]〜360[deg]の範囲でランダムに設定した。
図10にh
1とh
400を抜粋したものを示す。図中「Final device」とあるのはh
400を意味するものである。この結果から、操作力を除去した7[s]以降速やかに整定していることが確認できる。
【実施例4】
【0107】
<従来の速度制御による方法と本手法の比較>
従来の速度制御による方法(非特許文献1)と本手法との比較を示す。サーバには負の位置に100N/mのバネが存在しているモデルを立て、クライアントからは操作者が−10Nの力を加えたものとする。また、時刻3[s]から4[s]の間にネットワーク回線が途絶しパケットロスが生じた後、回線が復旧するものとする。この条件での従来の方法によるサーバとクライアントの位置を
図11に、本発明による同位置を
図12に示す。パケットロス発生前は双方の制御手法とも両位置はおおよそ一致しているが、パケットロスの発生中にサーバとクライアントの位置にずれが生じる(実線と点線のずれ)。時刻4[s]での回線復旧後、従来手法ではサーバとクライアントの位置はずれたままであるが、本発明ではずれが修正され、同位置に収束することが確認できる。