(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0013】
本実施の形態にかかる録画装置の構成について説明する。
図1において、録画装置1は、MPEG(Motion Picture Experts Group)デコーダLSI(Large Scale Integration)2、HDD(Hard Disk Drive)3、SDRAM(Syncronus Dynamic Random Access Memory)4、録画監視部5、フラッシュメモリ6、チューナ7、AV(Audio Visual)入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9、電源供給部10、補助バッテリ部11、切換部12、メイン電源13、補助電源14、装置内メイン電源15、装置内補助電源16などを備えている。
【0014】
録画装置1は、HDD3に録画番組を記録するHDDレコーダである。録画装置1は、番組の録画、及び再生を行うことができる。なお、HDD3の代わりに、Blu−RayレコーダやDVD(Digital Versaitle Disk)レコーダなどの他のレコーダを用いてもよい。すなわち、録画装置1は、メインレコーダとしてディスクレコーダを備えている。
【0015】
MPEGデコーダLSI2は、録画装置1全体の動作を制御するものである。MPEGデコーダLSI2は、チューナ7により受信したデジタル放送信号を復号化して、AVデータに変換するデコーダである。AVデータは録画番組の映像データと音声データを含んでいる。MPEGデコーダLSI2は録画/再生用のAVデータをHDD3やフラッシュメモリ6に入出力する。チューナ7は、例えば、フルセグメント(12セグ)の放送信号を受信する。そして、MPEGデコーダLSI2は、フルセグメントの放送信号をMPEG−2/H.264方式でデコードする。
【0016】
さらに、MPEGデコーダLSI2は、外部ペリフェラル入出力部9やAV入出力部8とのデータの受け渡しを行う。MPEGデコーダLSI2は、制御信号17をチューナ7、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9に入出力する。MPEGデコーダLSI2は、制御信号18をHDD3、SDRAM4、録画監視部5、フラッシュメモリ6に制御信号18に入出力する。制御信号17、18は、録画装置1全体の動作を制御するための制御信号である。
【0017】
HDD3は、録画/再生用のAVデータを書き込んだり読み込んだりするための記録媒体である。HDD3は、停電以外の通常状態の時に動作する。SDRAM4は、MPEGデコーダLSI2が各種処理を行うためのメモリである。SDRAM4は、例えば、MPEGデコーダLSIにおけるデコード処理に必要な設定やデータを記憶する。例えば、SDRAM4は、MPEGデコーダLSI2がデコードするフレームのデータを記憶する。そして、SDRAM4は、HDD3やフラッシュメモリ6へのフレームデータの書き込みが終了すると、フレームデータを破棄していく。さらに、MPEGデコーダLSI2は、随時、新しいフレームのデータを記憶していく。MPEGデコーダLSI2がデコードする際に、SDRAM4は映像データ等のデータを一時的に記憶するDRAMである。
【0018】
録画監視部5は、予約録画の起動制御と通常の録画か停電中の録画かを区別し、録画状態を監視する。さらに録画監視部5は、現在録画が行われているか否かを監視する。例えば、ユーザから番組録画の入力を受け付けると、録画監視部5は、録画番組の開始時間、終了時間、チャンネル(局番)などの録画情報を記録する。そして、録画監視部5は、録画情報を参照して、録画を行う。
【0019】
フラッシュメモリ6は、停電中のAVデータを録画する記録媒体である。すなわち、フラッシュメモリ6は停電中に動作して、AVデータ等を記憶する。チューナ7は、デジタル放送信号を受信する。そして、チューナ7は、受信したデジタル放送信号をMPEGデコーダLSI2に出力する。チューナ7は、例えば、地上波デジタル放送、BSデジタル放送、CATV放送、CS放送の少なくとも一部の放送信号を受信する。
【0020】
AV入出力部8は、外部機器へ画像や音声のAVデータを入出力するインタフェース(I/F)である。例えば、AV入出力部8は、図示しないモニタやスピーカなどに接続されている。そして、AV入出力部8は、録画したAVデータをモニタ等に出力する。AV入出力部8は、HDMI(登録商標)端子、D4端子、及びコンポジット端子等の少なくとも一つを備えている。AV入出力部8はモニタやスピーカ等のAV機器とのインターフェースとなる。
【0021】
外部ペリフェラル入出力部9は、外部機器と各種制御データを入出力するインタフェース(I/F)である。外部ペリフェラル入出力部9は、USB端子、LAN端子、及び無線LAN端子等の少なくとも一つを備えている。外部ペリフェラル入出力部9は、メモリやパソコンなどの外部機器とのインターフェースとなる。
【0022】
電源供給部10は、録画装置1全体へ電源を供給する電源装置である。電源供給部10には、図示しない商用電源が入力されている。そして、電源供給部10は、商用電源を所定の電圧に変換して、メイン電源13を生成する。すなわち、メイン電源13は、商用電源に基づく電源である。電源供給部10は、メイン電源13を切換部12に供給する。
【0023】
補助バッテリ部11は、停電時に電源供給部10に代わって電源を供給する二次電池である。補助バッテリ部11は、補助電源14を切換部12に出力する。さらに、補助バッテリ部11は、メイン電源13によって充電される。すなわち、非停電時には、メイン電源13に供給された商用電源によって、補助バッテリ部11が充電される。
【0024】
切換部12は、録画装置1内に供給する電源をメイン電源13と補助電源14とを切り替える。ここで、電源供給部10がメイン電源13に基づいて出力する電源を装置内メイン電源15とする。また、電源供給部10が、補助電源14に基づいて出力する電源を装置内補助電源16とする。例えば、構成ブロックごとに電源遮断用のスイッチ(不図示)が設けられている。そして切換部12が電源遮断用のスイッチをON/OFFすることで、電源供給を切り替えることができる。例えば、停電時には、電源遮断用のスイッチをONすることで、HDD3、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9への電源供給が停止される。
【0025】
さらに、電源供給部10は、停電検出部12aを備えている。停電検出部12aは、商用電源の停電を検出する。例えば、停電検出部12aは、商用電源の電圧を測定している。停電検出部12aは商用電源の供給が停止しているか否かを判定して、停電していることを検出する。停電検出部12aは、停電を検出した場合、停電したことを示す検出信号を出力する。停電検出部12aによって停電が検出されると、録画装置1が停電録画モードとなる。また、停電検出部12aによって停電が検出されない場合、録画装置1が通常録画モードとなる。すなわち、停電検出部12aが停電を検出すると、録画装置1が通常録画モードから停電録画モードに切り替わる。
【0026】
電源供給部10は、検出信号に基づいて、装置内補助電源16と装置内メイン電源15とを切り替えて出力する。すなわち、停電時には、電源供給部10は、装置内補助電源16を出力し、非停電時には装置内メイン電源15を出力する。
【0027】
装置内メイン電源15は、録画装置1内のボード(不図示)全体に供給される電源である。なお、ボードには、例えば、MPEGデコーダLSI2、HDD3、SDRAM4、録画監視部5、チューナ7、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9等が搭載されている。装置内メイン電源15は、フラッシュメモリ6以外に供給される。
【0028】
装置内補助電源16は録画装置1の一部にのみ供給される。装置内補助電源16は、停電時録画機能に必要な回路部のみに給電される。例えば、ボードに実装されたMPEGデコーダLSI2、SDRAM4、録画監視部5、フラッシュメモリ6、チューナ7のみに装置内補助電源16が供給される。したがって、装置内補助電源16は、HDD3、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9には給電されない。
【0029】
MPEGデコーダLSI2は、HDD3、SDRAM4、録画監視部5、フラッシュメモリ6、チューナ7毎に制御ブロック2a〜2gを備えている。制御ブロック2aは、HDD3を制御する。同様に、制御ブロック2b、2c、2d、2e、2f、2gはそれぞれ、SDRAM4、録画監視部5、フラッシュメモリ6、チューナ7を制御する。
【0030】
さらに、MPEGデコーダLSI2内には、制御ブロック2a〜2g毎に、電力遮断スイッチ(不図示)が設けられる。MPEGデコーダLSI2内の電力遮断スイッチがONすることで、制御ブロック2a〜2gへの電源供給が停止する。例えば、停電時には、外部ペリフェラル入出力部9とAV入出力部8とHDD3の制御ブロック2a、2f、2gへの電力供給が遮断される。これにより、MPEGデコーダLSI2内において、各I/F制御に関わる電力消費が停止される。このように、制御ブロック2a〜2gの電力遮断スイッチは独立してON/OFFする。
【0031】
次に録画装置1の動作について説明する。
図2は、電源投入から停電発生/停電復旧までの一連の動作を示すフローチャートである。
【0032】
まず、ユーザによって録画装置1の電源が投入されると(ステップS11)、電源供給部10よりメイン電源13が出力される(ステップS12)。そして、切換部12が装置内メイン電源15を出力する(ステップS13)。電源供給部10からの装置内メイン電源15の供給により、録画装置1の全機能が使用可能状態となる。すなわち、録画装置1が商用電源に基づいて起動する。
【0033】
録画監視部5は録画予約の有無を確認する(ステップS14)。すなわち、録画監視部5は、録画番組の開始時間、及び終了時間を参照して、番組録画が行われる時間であるか否かを判定する。録画予約が無い場合(ステップS14のNO)、録画装置1が通常起動して、アイドル状態となる。装置内メイン電源15に基づいて、録画装置1が起動して、番組録画を待機するアイドル状態となる。
【0034】
録画予約が有った場合(ステップS14のYES)、切換部12で停電の有無を確認する(ステップS15)。停電検出部12aが停電を検出した場合、後述するAのフローに移行する。
【0035】
停電が無い場合(ステップS15のNO)、MPEGデコーダLSI2はHDD3に録画を開始する(ステップS16)。すなわち、通常録画モードとなって、録画装置1の全体が、装置内メイン電源15に基づいて動作する。これにより、HDD3が録画番組のAVデータを記録する。この時、MPEGデコーダLSI2は、外部ペリフェラル入出力部9やAV入出力部8とのデータの受け渡しを可能とする。すなわち、HDD3の記録とともに、モニタや外部機器に対して、AVデータが入出力される。
【0036】
録画監視部5は、録画中の状態を監視し、録画終了の確認を定期的に行う(ステップS17)。すなわち、録画監視部5は、録画終了時間と現在時間を比較して、録画が終了しているか否かを判定する。録画終了の場合(ステップS17のYES)、MPEGデコーダLSI2は、録画を終了する。これにより、録画装置1がアイドル状態となる。録画が継続中の場合(ステップS17のNO)、ステップS15に戻り、停電検出部12aが停電の有無を確認する。このように、停電検出部12aは停電の有無を定期的に検出する。
【0037】
次に、録画中に停電が発生した場合の動作概要(
図2中のフローA)を、
図4のフローチャートを使用して説明する。
【0038】
図2のステップS15で、停電検出部12aにより停電が検出された場合、
図4のフローAへ移る。フローAに移ると、切換部12は装置内補助電源16を出力する(ステップS21)。すなわち、停電のため、装置内メイン電源15の供給が停止され、装置内補助電源16によって録画装置1が動作する。
【0039】
装置内補助電源16が出力されると、録画監視部5は、MPEGデコーダLSI2へ停電発生を通知する(ステップS22)。停電発生が通知されると、MPEGデコーダLSI2は、停電録画モードに切り換わる。MPEGデコーダLSI2は、HDD3からフラッシュメモリ6に録画デバイスを切り換える(ステップS23)。これにより、録画番組の記録が継続する。非停電時にはHDD3に録画されていた録画番組が、停電時には、フラッシュメモリ6に録画される。さらに、停電録画モードでは、MPEGデコーダLSI2は、外部ペリフェラル入出力部9やAV入出力部8とのデータの受け渡しを停止する。
【0040】
停電録画モードでは、装置内補助電源16により、録画装置1の停電時録画機能に必要な回路部にのみが動作する。すなわち、チューナ7とSDRAM4と録画監視部5とフラッシュメモリ6とMPEGデコーダLSI2部分のみに装置内補助電源16が供給される。換言すると、HDD3、AV入出力部8、及び外部ペリフェラル入出力部9への電源供給が停止される。よって、停電時には、HDD3、AV入出力部8、及び外部ペリフェラル入出力部9の動作が停止する。すなわち、停電録画モード時では、HDD3、AV入出力部8、及び外部ペリフェラル入出力部9への電源供給が停止される。
【0041】
録画監視部5では、録画中の状態を監視し、録画終了の確認を定期的に行う(ステップS24)。録画終了時間によって録画終了を確認した場合、(ステップS24のYES)、録画を終了する(ステップS25)。これにより、録画装置1がアイドル状態となる。録画が終了していない場合(ステップS24のNO)、録画を継続して、停電検出部12aが停電の復旧を確認する(ステップS25)。停電復旧していない場合(ステップS25のNO)、ステップS23に戻り、MPEGデコーダLSI2によるフラッシュメモリ6への録画を継続する。すなわち、停電が継続している場合、フラッシュメモリ6がAVデータを記録する。このように、停電録画中に、停電検出部12aが定期的に停電が復旧したかを確認する。
【0042】
停電が復旧した場合(ステップS25のYES)。フローBに移行する。すなわち、
図2のステップS16に戻って、MPEGデコーダLSI2が、HDD3への録画を行う。このように、停電が復旧すると、録画装置1が通常録画モードに切り換り、MPEGデコーダLSI2がフラッシュメモリ6からHDD3に録画デバイスを切り換える。これにより、録画装置1が録画を継続する。通常録画モードでは、装置内メイン電源15が供給されるため、HDD3、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9への電源が供給される。このように、録画モードの切り換りについては、録画監視部5で管理されるものとする。
【0043】
次に、
図3のフローチャートの詳細について、
図4を用いて説明する。
図4は、停電発生時の詳細動作をフローチャートである。
【0044】
停電検出部12aが停電の発生を検出すると、切換部12は、装置内補助電源16を出力する(ステップS31)。装置内補助電源16が出力されると、録画監視部5は、MPEGデコーダLSI2へ停電発生を通知する(ステップS32)。
【0045】
停電発生通知を受け取ると、MPEGデコーダLSI2は、停電録画モードに切り換える。MPEGデコーダLSI2は、HDD3からフラッシュメモリ6に録画デバイスを切り換える(ステップS33)。これにより、高画質の番組録画が継続する。また、MPEGデコーダLSI2は、停電録画モードに切り替わると、HDD3、AV入出力部8、及び外部ペリフェラル入出力部9の各I/F制御を停止するとともに、外部ペリフェラル入出力部9とAV入出力部8とHDD3の制御ブロック2a、2f、2gへの電力供給を遮断する(ステップS34)。
【0046】
次に、電力遮断用のスイッチをONすることで、HDD3、AV入出力部8、及び外部ペリフェラル入出力部9の各構成回路への電力供給を停止する(ステップS35)。このように、MPEGデコーダLSI2内における制御ブロック2a、2f、2gへの電力供給を停止した後、各構成回路の電源供給を停止する。これにより、消費電力を低減することができる。このように、構成回路毎に電力供給ラインを分けて、電力ライン間に設けられた電力遮断用のスイッチを独立して制御する。
【0047】
その後、録画監視部5では、録画中の状態を監視し、録画終了の確認を定期的に行っている(ステップS36)。録画終了の場合(ステップS36のYES)、MPEGデコーダLSI2は録画を終了する。これにより、録画装置1がアイドル状態となる。録画が継続中の場合(ステップS36のNO)、停電検出部12aは、停電の復旧を確認する(ステップS37)。停電が継続している場合(ステップS37のNO)は、ステップS33に戻り、MPEGデコーダLSI2はフラッシュメモリ6への録画を継続する。停電が復旧した場合(ステップS37のYES)、フローCに移行する。
【0048】
次に、フローCについて、
図5を用いて説明する。
図5は、ステップS37において、停電が復旧した場合の処理を示すフローチャートである。ステップS37において、停電検出部12aが停電の復旧を確認すると(
図4のステップS37のYES)、切換部12が、電力供給を補助バッテリ部11から装置内メイン電源15に切り換えて、出力する(ステップS41)。
【0049】
電源が装置内メイン電源15に切り替わると、電力停止中のHDD3、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9の各構成回路への電力供給が再開する(ステップS42)。構成回路毎に電力供給ラインを分けて、電力ライン間に設けられた電力遮断用のスイッチを独立して制御する。これにより、HDD3、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9への電力が供給される。また、ここで、フラッシュメモリ6への電源供給を停止してもよい。
【0050】
そして、録画監視部5がMPEGデコーダLSI2へ停電復旧を通知する(ステップS43)。これにより、MPEGデコーダLSI2は、通常録画モードに切り換る。そして、MPEGデコーダLSI2内の電源遮断スイッチをOFFするとともに、フラッシュメモリ6からHDD3に録画デバイスを切り換える(ステップS44)。すなわち、MPEGデコーダLSI2内において、HDD3、AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9の制御ブロック2a、2f、2gへの電源供給が再開する。なお、ここでフラッシュメモリ6の制御ブロック2dの電源供給を停止してもよい。
【0051】
さらに、通常録画モードに切り換り代わると、MPEGデコーダLSI2は、HDD3/AV入出力部8/外部ペリフェラル入出力部9の各I/F制御を再開する(ステップS45)。すなわち、外部ペリフェラル機器やモニタなどとのデータの受け渡しが可能になる。このように、通常録画モードでは、フラッシュメモリ6以外の全ての構成回路が制御される。この結果、停電発生時も、停電復旧後も、録画が途切れたり、画質が低下したりすること無く録画が継続される。
【0052】
このように、デジタル放送をHDD3に録画中において、停電等により電源の供給が断たれた場合、停電検出部12aが停電を検出する。停電検出部12aが停電を検出すると、予備電源である補助バッテリ部11から電源の供給を受け、MPEGデコーダLSI2が停電録画モードに切り替わる。すなわち、録画監視部5がMPEGデコーダLSI2へ停電発生を通知する。これにより、MPEGデコーダLSI2が、記録デバイスをHDD3からフラッシュメモリ6に切り替える。したがって、HDD3等の記録媒体よりも消費電力の少ないフラッシュメモリ6に、HDD3に録画中であった放送番組を継続して録画することができる。
【0053】
さらに、MPEGデコーダLSI2は、停電録画モードと通常録画モードとで、同じ放送信号を同じデコード方式でデコードしている。すなわち、MPEGデコーダLSI2は、非停電時だけでなく、停電時でもフルセグメント(12セグ)の放送信号をデコードしている。したがって、停電時であっても画質を落とすことなく、番組を録画することができる。換言すると、停電時も非停電時も同じ画素数の映像データを記録することができる。よって、停電時でも高画質の代替録画を継続することができる。
【0054】
停電時には、番組録画に不要なHDD3,AV入出力部8、外部ペリフェラル入出力部9への電源供給を停止している。すなわち、録画機能のみ最小限必要な回路構成のみを動作させる。こうすることで、消費電力を低減させることができる。よって、補助バッテリ部11で駆動した場合でも、長時間録画することができる。
【0055】
また、特許文献2では、代替録画専用に1セグ録画機能を持たせているため、1セグチューナや1セグデコーダの専用回路が必要となる。これに対して、本実施形態にかかる録画装置では、停電時であっても、フルセグメントの放送信号をデコードしている。すなわち、録画装置1では、放送信号が単一のデコード方式のみによってデコードされる。これにより、1セグチューナ及び1セグデコーダが不要となる。すなわち、通常録画用の第1のデコード方式でデコードする第1のデコーダのみを設ければよく、停電時録画用の低画質の第2のデコード方式でデコードする第2のデコーダが不要となる。異なるデコード方式でデコードする2つのデコーダを設ける必要がなくなり、単一のデコーダのみを設ければよい。よって、回路構成を簡素化することができ、低コスト化を図ることができる。
【0056】
停電発生中における代替録画の画質を低下させること無く、継続した代替録画を行うことが可能になる。すなわち、代替録画機能に1セグ回路構成を使用しないため画質が低下することが無い。代替録画以外に必要としない機能をすべて停止することができるため、消費電力を低減することができ、停電時の録画時間を長くすることができる。
【0057】
また、代替録画専用の回路構成を低減することができる。代替録画専用の1セグ回路を必要としないため、回路構成が低減できる。
【0058】
実施の形態2.
実施の形態2にかかる録画装置1について、
図6を用いて説明する。なお、実施の形態1と重複する内容については、説明を省略する。
図6は、録画装置の構成を示すブロック図である。録画装置1は、デコーダ22と、ディスクドライブ23と、DRAM24と、不揮発性メモリ26と、チューナ27と、入出力I/F28と、電源供給部30と、補助バッテリ31と、切替部32と、停電検出部32aとを備えている。
【0059】
例えば、デコーダ22と、ディスクドライブ23と、DRAM24と、不揮発性メモリ26と、チューナ27と、入出力I/F28と、電源供給部30と、補助バッテリ31と、切替部32と、停電検出部32aは、それぞれ、MPEGデコーダLSI2、HDD3、SDRAM4、フラッシュメモリ6、チューナ7、AV入出力部8、電源供給部10、補助バッテリ部11、切換部12、停電検出部12aに対応する。
【0060】
チューナ27は、放送信号を受信する。デコーダ22は、チューナ27で受信された放送信号をデコードする。DRAM24は、デコーダ22がデコードする際に、データを一時的に記憶する。ディスクドライブ23は、デコーダ22でデコードされた放送信号の映像データを記録する。入出力I/F28は外部機器との入出力を行う。電源供給部30は、商用電源からの電源をチューナ27、デコーダ22、入出力I/F28に供給する。補助バッテリ31は、商用電源によって充電される。停電検出部32aは、商用電源の停電を検出する。停電検出部32aが停電を検出したときに、不揮発性メモリ26は、デコーダ2でデコードされた前記放送信号の映像データを記録する。
【0061】
停電検出部32aが停電を検出したときに、切替部32は、ディスクドライブ23、及び入出力I/F29への電源供給を遮断するとともに、不揮発性メモリ26、チューナ27、及びデコーダ22への電源供給を補助バッテリ31に切り替える。これにより、停電時であっても、高画質で録画することができる。さらに、入出力I/Fへの電力供給を停止するため、消費電力を低減することができる。
【0062】
その他の実施の形態.
本発明の一実施の形態として、停電中のAVデータを録画する記録媒体として、フラッシュメモリ6を使用した構成の録画装置が示されているが、代わりにSDメモリカードやUSBメモリなどの記録媒体を使用した構成の録画装置とする事もできる。すなわち、停電録画モードには、不揮発性メモリを用いればよい。
【0063】
また、代替録画の可能時間が搭載するフラッシュメモリやSDメモリカードやUSBメモリの記録容量によって決まってくる。従って、メモリを増設可能な構成とする事で代替録画の可能時間を増加させる事もできる。なお、メモリを増設した場合、消費電力の増加を抑えるため、切換部12が増設メモリ毎に電力供給を制御するようにしてもよい。例えば、増設メモリ毎に供給電力の切り換えができる構成とすることで、代替録画を行っているメモリ部分のみに電力供給することができる。稼動していないメモリ部分への電力供給を行わないことで、消費電力の増加を抑える事ができる。
【0064】
さらに、録画装置1が低画質の録画を行うために、第2のデコーダを備えていてもよい。そして、メモリ容量やバッテリ容量に応じて、第1のデコード方式でデコードするMPEGデコーダLSI2と、第2のデコード方式でデコードする第2のデコーダを切り替えるようにしてもよい。例えば、録画監視部5が、停電時に、番組録画の残り時間から、録画に必要なメモリ容量やバッテリ容量を予測する。そして、停電検出時の補助バッテリ部11の空き容量と、録画に必要なバッテリ容量と比較する。また、フラッシュメモリ6の空き容量と録画に必要なメモリ容量を比較する。
【0065】
録画番組の終了時間まで録画することができる空き容量がある場合には、引き続き、高画質のMPEGデコーダLSI2でデコードする。一方、録画番組の終了時間まで録画することができる空き容量がない場合には、第2のデコーダが低画質の第2のデコード方式でデコードする。第2のデコーダは、第2のデコード方式、例えば、1セグ方式でデコードした映像信号をフラッシュメモリ6に録画する。こうすることで、SDRAM4、フラッシュメモリ6への書き込み頻度を低減することができる。よって、より消費電力を減らすことができる。より利便性を向上することができる。
【0066】
実施の形態1、又は2にかかる録画装置における処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されても良い。上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0067】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。