特許第6245750号(P6245750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245750
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】グラビア印刷機
(51)【国際特許分類】
   B41F 35/02 20060101AFI20171204BHJP
   B41F 3/36 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   B41F35/02
   B41F3/36
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-31365(P2014-31365)
(22)【出願日】2014年2月21日
(65)【公開番号】特開2015-155177(P2015-155177A)
(43)【公開日】2015年8月27日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000184735
【氏名又は名称】株式会社小森コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】230112449
【弁護士】
【氏名又は名称】光石 春平
(74)【代理人】
【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100182224
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲三
(72)【発明者】
【氏名】坂田 大
(72)【発明者】
【氏名】三村 孝和
(72)【発明者】
【氏名】杉本 郁男
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−087174(JP,A)
【文献】 特開2011−177914(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0088357(US,A1)
【文献】 特開2007−136905(JP,A)
【文献】 特開平05−177177(JP,A)
【文献】 特開2000−006379(JP,A)
【文献】 実開平07−002057(JP,U)
【文献】 特開2009−214363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 35/02
B41F 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝を形成されたグラビア版を外周に装着したグラビア胴と、
前記グラビア胴の前記グラビア版の前記溝にインキを供給するインキ供給手段と、
前記グラビア胴の前記グラビア版からのインキが転写される基材を支持する基材支持手段と
を備えているグラビア印刷機において、
洗浄液を入れられる洗浄槽と、
前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れるように当該洗浄槽及び当該グラビア胴の少なくとも一方を移動させる移動手段と、
前記洗浄槽に設けられて当該洗浄槽に入れられた前記グラビア胴の前記グラビア版を洗浄する洗浄手段と
を備えていることを特徴とするグラビア印刷機。
【請求項2】
請求項1に記載のグラビア印刷機において、
前記洗浄手段が、前記洗浄槽の内部の洗浄液中に超音波を発振する超音波発振手段を備えている
ことを特徴とするグラビア印刷機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のグラビア印刷機において、
前記洗浄手段が、前記グラビア胴の外周に当接するように配設されて当該グラビア胴の外周をブラシ洗浄するブラシ洗浄手段を備えている
ことを特徴とするグラビア印刷機。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のグラビア印刷機において、
前記洗浄手段が、前記グラビア胴の外周へ向けて洗浄液と空気との混合流体を噴射する混合流体噴射手段を備えている
ことを特徴とするグラビア印刷機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のグラビア印刷機において、
前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れたときの当該洗浄槽の内部の洗浄液の液面よりも上方となる当該グラビア胴の外周へ向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射手段を備えている
ことを特徴とするグラビア印刷機。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のグラビア印刷機において、
前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れたときの当該洗浄槽の内部の洗浄液の液面よりも上方となる当該グラビア胴の外周へ向けてエアを噴射するエア噴射手段を備えている
ことを特徴とするグラビア印刷機。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のグラビア印刷機において、
前記移動手段が、前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れた洗浄位置と当該洗浄槽と当該グラビア胴とを離反させた退避位置とに当該洗浄槽の位置を切り換えるように当該洗浄槽を移動させる洗浄槽移動手段である
ことを特徴とするグラビア印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラビア印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンテッドエレクトロニクス(PE)分野においては、グラビア印刷機を利用することが検討されている。例えば、平板(フラットベッド)上にシート状の基材を配置して印刷するフラットベッドタイプにおいては、配線パターンの溝を形成された凹版(グラビア版)を外周に装着した版胴(グラビア胴)にドクタブレードを接触させて当該版胴を回転させながら上記凹版にインキを送給することにより、当該凹版の上記溝に当該インキを供給すると同時に、当該溝以外の部分に付着した上記インキを当該凹版から掻き取り除去しつつ、シリコーンブランケットを外周に巻き付けたブランケット胴を上記版胴に対接させながら回転させることにより、上記版胴の上記凹版の上記配線パターンに対応したインキを当該ブランケット胴の当該シリコーンブランケット上に受け渡した後、前記フラットベッドの前記基材上で上記ブランケット胴を転動させることにより、当該ブランケット胴の上記シリコーンブランケット上のインキを当該基材上に転写して印刷することができるようになっている(例えば、下記特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−186597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したようなグラビア印刷機においては、凹版に形成されている配線パターンの溝の内部に上記インキが残って乾燥固化してしまうと、基材上に転写されて印刷される配線パターンに欠損部分を生じてしまう場合があることから、所定期間印刷運転を行うと、洗浄液を含浸させたウエスで作業者が上記凹版を拭き取り洗浄するようにしている。
【0005】
しかしながら、前述したようなグラビア印刷機においては、凹版に形成される配線パターンの溝の幅が非常に細くなっていることから(約1〜100μm)、当該凹版に形成されている溝の内部の洗浄作業に非常に手間がかかり、作業者に大きな負担を強いることになってしまっていた。
【0006】
このようなことから、本発明は、凹版に形成されている溝の内部を容易に洗浄することができるグラビア印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するための、本発明に係るグラビア印刷機は、溝を形成されたグラビア版を外周に装着したグラビア胴と、前記グラビア胴の前記グラビア版の前記溝にインキを供給するインキ供給手段と、前記グラビア胴の前記グラビア版からのインキが転写される基材を支持する基材支持手段とを備えているグラビア印刷機において、洗浄液を入れられる洗浄槽と、前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れるように当該洗浄槽及び当該グラビア胴の少なくとも一方を移動させる移動手段と、前記洗浄槽に設けられて当該洗浄槽に入れられた前記グラビア胴の前記グラビア版を洗浄する洗浄手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るグラビア印刷機は、上述したグラビア印刷機において、前記洗浄手段が、前記洗浄槽の内部の洗浄液中に超音波を発振する超音波発振手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るグラビア印刷機は、上述したグラビア印刷機において、前記洗浄手段が、前記グラビア胴の外周に当接するように配設されて当該グラビア胴の外周をブラシ洗浄するブラシ洗浄手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るグラビア印刷機は、上述したグラビア印刷機において、前記洗浄手段が、前記グラビア胴の外周へ向けて洗浄液と空気との混合流体を噴射する混合流体噴射手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るグラビア印刷機は、上述したグラビア印刷機において、前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れたときの当該洗浄槽の内部の洗浄液の液面よりも上方となる当該グラビア胴の外周へ向けて洗浄液を噴射する洗浄液噴射手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るグラビア印刷機は、上述したグラビア印刷機において、前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れたときの当該洗浄槽の内部の洗浄液の液面よりも上方となる当該グラビア胴の外周へ向けてエアを噴射するエア噴射手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るグラビア印刷機は、上述したグラビア印刷機において、前記移動手段が、前記洗浄槽に前記グラビア胴を入れた洗浄位置と当該洗浄槽と当該グラビア胴とを離反させた退避位置とに当該洗浄槽の位置を切り換えるように当該洗浄槽を移動させる洗浄槽移動手段であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るグラビア印刷機によれば、移動手段が、洗浄槽及びグラビア胴の少なくとも一方を移動させて当該洗浄槽に当該グラビア胴を入れ、洗浄手段が、洗浄槽に入れられたグラビア胴のグラビア版を洗浄するので、洗浄液を含浸させたウエスで作業者がグラビア版を拭き取り洗浄しなくても、グラビア版に形成されている溝の内部を洗浄することが容易にでき、作業者にかかる負担を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るグラビア印刷機の第一番目の実施形態の要部の概略構成図である。
図2図1のグラビア印刷機の印刷運転時の作動説明図である。
図3図1のグラビア印刷機の凹版に対する洗浄運転時の作動説明図である。
図4】本発明に係るグラビア印刷機の第二番目の実施形態の要部の概略構成図である。
図5図4のグラビア印刷機の凹版に対する洗浄運転時の作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るグラビア印刷機の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0017】
〈第一番目の実施形態〉
本発明に係るグラビア印刷機の第一番目の実施形態を図1〜3に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、フラットベッド101上の長手方向一方側(図1中、右側)には、対象体であるシート状の樹脂フィルムやフレキシブルガラス等の基材1が載置されて支持されるようになっている。前記フラットベッド101の長手方向他方側(図1中、左側)には、配線パターンの溝(幅:約1〜100μm)を形成されたスリーブ型の凹版(グラビア版)112を外周に装着した版胴(グラビア胴)111が当該フラットベッド101の幅方向(図1中、紙面垂直方向)へ軸方向を向けるようにして回転可能に配設されている。前記版胴111の上方には、ドクタブレード113が当該版胴111の前記凹版112へ先端部を接触させるようにして配設されており、当該ドクタブレード113は、当該版胴111に対して対接離反移動できるように昇降移動可能となっている。
【0019】
前記版胴111と前記ドクタブレード113との間には、インキ2が供給されるようになっており、上記ドクタブレード113は、上記版胴111の回転に伴って、前記先端部が、当該版胴111の前記凹版112の配線パターンの溝にインキ2を供給すると同時に、当該凹版112の当該溝以外の部分に付着した上記インキ2を当該凹版112から掻き取ることができるようになっている。
【0020】
前記版胴111には、前記フラットベッド101の幅方向へ軸方向を向けてシリコーンブランケットを外周に巻き付けたブランケット胴(シリコーンブランケット胴)114が回転可能に対接しており、当該ブランケット胴114は、当該フラットベッド101の一方端側(図1中、右側)と他方端側(図1中、左側)との間を回転しながら移動することができ、前記フラットベッド101上の前記基材1上に位置したときに当該基材1に対接しながら転動することができるようになっている。
【0021】
また、前記版胴111の下方の、前記フラットベッド101よりも下方には、支持テーブル121が配設されている。前記支持テーブル121上には、内部に洗浄液3を入れられる洗浄槽123が前記フラットテーブル101よりも下方に位置するように配設されている。前記支持テーブル121の下部には、当該支持テーブル121を昇降させる昇降装置122が設けられており、当該昇降装置122は、前記洗浄槽123の位置を、当該洗浄槽123の内部に前記版胴111を入れる上方の洗浄位置(図3参照)と、当該洗浄槽123と当該版胴111とを離反させた下方の退避位置(図1,2参照)とに切り換えられるように、当該洗浄槽123を昇降移動させることができるようになっている。
【0022】
前記洗浄槽123の下部には、当該洗浄槽123の内部の洗浄液3中に超音波を発振する超音波発振手段である超音波発振器124が配設されている。
【0023】
前記洗浄槽123を前記洗浄位置に位置させたときの、当該洗浄槽123の内部の、前記版胴111の最上部よりも回転方向下流側で最下部よりも回転方向上流側且つ当該洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも下方となる位置(図1中、左側)には、駆動回転可能なブラシローラ125が、当該洗浄位置に位置したときに当該版胴111の外周に軸方向全長にわたって当接できるように配設されている。
【0024】
前記洗浄槽123には、当該洗浄槽123を前記洗浄位置に位置させたときに、前記版胴111の最下部よりも回転方向下流側で最上部よりも回転方向上流側且つ当該洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも上方となる当該版胴111の外周(図1中、右側)へ向けて先端を向けるように配向された洗浄液ノズル126が当該版胴111の軸方向に沿って所定の間隔で複数設けられている。
【0025】
前記洗浄槽123の下方には、当該洗浄槽123の内部の洗浄液3を送出する送出ポンプ127の受入口がフレキシブルホース等を介して連結されている。前記送出ポンプ127の送出口は、内部に洗浄液3を貯留する貯留タンク129の上方にフィルタ128を介して連絡している。前記貯留タンク129の下方には、当該貯留タンク129の内部の洗浄液3を送出する送出ポンプ130の受入口が接続されている。前記送出ポンプ130の送出口は、前記洗浄ノズル126の基端にフレキシブルホース等を介してそれぞれ連結している。
【0026】
前記洗浄槽123には、当該洗浄槽123を前記洗浄位置に位置させたときに、前記版胴111の最下部よりも回転方向下流側で最上部よりも回転方向上流側且つ当該洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも上方で前記洗浄液ノズル126の先端よりも上方位置となる当該版胴111の外周(図1中、右側)へ向けて先端を向けるように配向されたエアノズル131が当該版胴111の軸方向に沿って所定の間隔で複数設けられている。前記エアノズル131の基端には、エアブロア132の送出口がフレキシブルホース等を介してそれぞれ連結されている。
【0027】
なお、本実施形態においては、前記フラットベッド101等により基材支持手段を構成し、前記ドクタブレード113等によりインキ供給手段を構成し、前記支持テーブル121、前記昇降装置122等により洗浄槽移動手段を構成すると共に移動手段を構成し、前記ブラシローラ125等によりブラシ洗浄手段を構成し、前記洗浄液ノズル126、前記送出ポンプ127,130、前記フィルタ128、前記貯留タンク129等により洗浄液噴射手段を構成し、前記エアノズル131、前記エアブロア132等によりエア噴射手段を構成し、前記ブラシ洗浄手段、前記超音波発振手段等により洗浄手段を構成している。
【0028】
このような本実施形態に係るグラビア印刷機100においては、前記フラットベッド101上に基材1を載置して支持した後、前記版胴111及び前記ブランケット胴114を回転させながら当該版胴111と前記ドクタブレード113との間にインキ2を供給すると、当該インキ2が、前記ドクタブレード113の先端部によって、上記版胴111の前記凹版112の配線パターンの溝に供給されると共に当該凹版112の当該溝以外の部分から掻き取られ、上記ブランケット胴114の前記シリコーンブランケット上に配線パターンに対応した状態で受け渡される。
【0029】
前記ブランケット胴114の前記シリコーンブランケット上にインキ2が受け渡されると、当該ブランケット胴114が、前記フラットベッド101の他方端側(図2中、左側)から一方端側(図2中、右側)へ向けて回転しながら移動することにより、前記基材1上を転動して、前記シリコーンブランケット上の前記インキ2を当該基材1上に転写して印刷する(図2参照)。
【0030】
これにより、基板1上には、配線パターンに対応した状態でインキ2が転写されて当該配線パターンが印刷される。
【0031】
そして、このような印刷運転を所定期間行ったら、図3に示すように、前記ブランケット胴114を前記版胴111から離反させた退避位置(図3中、右側)へ位置させるように当該ブランケット胴114を移動させると共に、前記ドクタブレード113を前記版胴111から離反させた退避位置(図3中、上方)へ位置させるように当該ドクタブレード113を移動させた後、前記洗浄槽123を前記洗浄位置に切り換えるように前記昇降装置122を作動させて前記支持テーブル121を上昇させることにより、当該洗浄槽123の内部の洗浄液3中に前記版胴111の前記凹版112を浸漬させる。
【0032】
次に、前記版胴111を回転駆動すると共に、前記ブラシローラ125を回転駆動することにより、前記凹版112を洗浄液3中でブラシ洗浄し、前記超音波発振器124を作動して洗浄液3中に超音波を発振することにより、洗浄液3中に浸漬する当該凹版112を超音波洗浄し、さらに、前記送出ポンプ127,130を作動して、洗浄液3中で洗浄された前記凹版112の表面に前記洗浄液ノズル126からフレッシュな洗浄液3を前記版胴111の軸方向全長にわたって噴射することにより、当該凹版112をリンス洗浄し、前記エアブロア132を作動して、リンス洗浄された前記凹版112の表面に前記エアノズル131からエア4を前記版胴111の軸方向全長にわたって噴射することにより、当該凹版112に付着する洗浄液3を除去する。
【0033】
これにより、前記凹版112は、配線パターンの溝(幅:約1〜100μm)の内部も含めて確実に洗浄される。
【0034】
このような洗浄運転を所定時間行ったら、前記版胴111の回転駆動を停止すると共に、前記ブラシローラ125の回転駆動、前記超音波発振器124の作動、前記送出ポンプ127,130の作動、前記エアブロア132の作動をそれぞれ停止し、さらに、前記洗浄槽123を当初の下方の退避位置(図1,2参照)に切り換えるように、前記昇降装置122を再び作動させて前記支持テーブル121を下降させる。
【0035】
そして、前記ブランケット胴114を前記版胴111に対接させる対接位置(図1,2中、左側)へ位置させるように当該ブランケット胴114を移動させると共に、前記ドクタブレード113を前記版胴111に対接させる対接位置(図1,2中、下方)へ位置させるように当該ドクタブレード113を移動させることにより、印刷運転が可能な当初の状態に復帰する。
【0036】
したがって、本実施形態に係るグラビア印刷機100によれば、洗浄液を含浸させたウエスで作業者が前記凹版112を拭き取り洗浄しなくても、当該凹版112に形成されている配線パターンの非常に細かい幅の溝の内部を確実に洗浄することが容易にでき、作業者にかかる負担を大幅に削減することができる。
【0037】
〈第二番目の実施形態〉
本発明に係るグラビア印刷機の第二番目の実施形態を図4,5に基づいて説明する。ただし、前述した実施形態の場合と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態の説明と重複する説明を省略する。
【0038】
図4,5に示すように、前記洗浄槽123には、当該洗浄槽123を前記洗浄位置に位置させたときに、前記版胴111の最上部よりも回転方向下流側で最下部よりも回転方向上流側且つ当該洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも上方となる当該版胴111の外周(図4,5中、左側)へ向けて先端を向けるように配向されたジェットノズル233が当該版胴111の軸方向に沿って所定の間隔で複数設けられている。
【0039】
前記ジェットノズル233の基端には、エアコンプレッサ234の送出口と、送出ポンプ235の送出口とが、フレキシブルホース等を介して各々連結されている。前記送出ポンプ235の受入口は、前記貯留タンク129の下方に接続されている。
【0040】
つまり、前記エアコンプレッサ234及び前記送出ポンプ235を作動させて、前記ジェットノズル233にエア4及び洗浄液3を送給すると、当該ジェットノズル233の先端からエア4と洗浄液3との混合流体5をジェット噴射することができるようになっているのである。
【0041】
なお、本実施形態においては、前記送出ポンプ127,235、前記フィルタ128、前記貯留タンク129、前記ジェットノズル233、前記エアコンプレッサ234等により混合流体噴射手段を構成し、当該混合流体噴射手段、前記超音波発振手段等により洗浄手段を構成している。
【0042】
このような本実施形態に係るグラビア印刷機200においては、前述した実施形態の場合と同様に印刷運転を行うことにより、配線パターンに対応した状態でインキ2を基板2上に転写して当該配線パターンを印刷することができる。
【0043】
そして、印刷運転を所定期間行ったら、前述した実施形態の場合と同様に、前記ブランケット胴114を前記版胴111から離反させた退避位置(図5中、右側)へ位置させるように当該ブランケット胴114を移動させると共に、前記ドクタブレード113を前記版胴111から離反させた退避位置(図5中、上方)へ位置させるように当該ドクタブレード113を移動させた後、前記洗浄槽123を前記洗浄位置に切り換えるように前記昇降装置122を作動させて前記支持テーブル121を上昇させることにより、当該洗浄槽123の内部の洗浄液3中に前記版胴111の前記凹版112を浸漬させる。
【0044】
次に、前記版胴111を回転駆動すると共に、前記エアコンプレッサ234及び前記送出ポンプ127,235を作動させて、前記凹版112の表面に前記ジェットノズル233の先端から混合流体5を前記版胴111の軸方向全長にわたってジェット噴射することにより、当該凹版112をジェット洗浄し、前述した実施形態の場合と同様に、前記超音波発振器124を作動して洗浄液3中に超音波を発振することにより、洗浄液3中に浸漬する当該凹版112を超音波洗浄し、さらに、前記送出ポンプ130を作動して、洗浄液3中で洗浄された前記凹版112の表面に前記洗浄液ノズル126からフレッシュな洗浄液3を前記版胴111の軸方向全長にわたって噴射することにより、当該凹版112をリンス洗浄し、前記エアブロア132を作動して、リンス洗浄された前記凹版112の表面に前記エアノズル131からエア4を前記版胴111の軸方向全長にわたって噴射することにより、当該凹版112に付着する洗浄液3を除去する。
【0045】
これにより、前記凹版112は、前述した実施形態の場合と同様に、配線パターンの溝(幅:約1〜100μm)の内部も含めて確実に洗浄される。
【0046】
このような洗浄運転を所定時間行ったら、前記版胴111の回転駆動を停止すると共に、前記超音波発振器124の作動、前記送出ポンプ127,130,235の作動、前記エアブロア132の作動、前記エアコンプレッサ234の作動をそれぞれ停止し、前述した実施形態の場合と同様に、前記洗浄槽123を当初の下方の退避位置(図1,2参照)に切り換えるように、前記昇降装置122を再び作動させて前記支持テーブル121を下降させる。
【0047】
そして、前述した実施形態の場合と同様に、前記ブランケット胴114を前記版胴111に対接させる対接位置(図4,5中、左側)へ位置させるように当該ブランケット胴114を移動させると共に、前記ドクタブレード113を前記版胴111に対接させる対接位置(図4,5中、下方)へ位置させるように当該ドクタブレード113を移動させることにより、印刷運転が可能な当初の状態に復帰することができる。
【0048】
つまり、本実施形態に係るグラビア印刷機200においては、前述した実施形態に係るグラビア印刷機100の前記ブラシローラ125等のブラシ洗浄手段に代えて、前記ジェットノズル233等からなる混合流体噴射手段を適用するようにしたのである。
【0049】
したがって、本実施形態に係るグラビア印刷機200によれば、前述した実施形態に係るグラビア印刷機100の場合と同様に、洗浄液を含浸させたウエスで作業者が前記凹版112を拭き取り洗浄しなくても、当該凹版112に形成されている配線パターンの非常に細かい幅の溝の内部を確実に洗浄することが容易にでき、作業者にかかる負担を大幅に削減することができる。
【0050】
〈他の実施形態〉
なお、前述した第一番目の実施形態においては、前記ブラシローラ125を前記洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも下方となる位置に配設するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記ブラシローラ125を前記洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも上方となる位置に配設することにより、当該ブラシローラ125の駆動回転の際にかかる抵抗を低減するようにすることも可能である。
【0051】
しかしながら、前述した第一番目の実施形態のように、前記ブラシローラ125を前記洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも下方となる位置に配設すると、前記凹版112の配線パターンの溝の内部の洗浄効率を高めることができるので、好ましい。
【0052】
また、前述した第二番目の実施形態においては、前記ジェットノズル233を前記洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも上方となる位置に配設するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記ジェットノズル233を前記洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも下方となる位置に配設することも可能である。
【0053】
しかしながら、前述した第二番目の実施形態のように、前記ジェットノズル233を前記洗浄槽123の内部の洗浄液3の液面よりも上方となる位置に配設すると、前記凹版112に対する前記混合流体5の圧力低下を抑えることができ、前記凹版112の配線パターンの溝の内部の洗浄効率を高めることができるので、好ましい。
【0054】
また、前述した第一番目の実施形態においては、前記ブラシ洗浄手段、前記超音波発振手段等により洗浄手段を構成し、前述した第二番目の実施形態においては、前記混合流体噴射手段、前記超音波発振手段等により洗浄手段を構成するようにしたが、本発明はこれに限らず、前記超音波発振手段、前記ブラシ洗浄手段、前記混合流体噴射手段のうちの少なくとも一つの手段により洗浄手段を構成すれば、凹版に形成されている溝の内部を容易に洗浄することができる。
【0055】
しかしながら、前述した実施形態のように、上記手段を組み合わせることにより洗浄手段を構成すると、凹版に形成されている配線パターンの非常に細かい幅の溝の内部を確実に洗浄することが容易にできて、非常に好ましい。
【0056】
また、前述した実施形態においては、前記洗浄液噴射手段により、洗浄液3中で洗浄された凹版112の表面にフレッシュな洗浄液3を噴射して、当該凹版112をリンス洗浄すると共に、前記エア噴射手段により、凹版112の表面にエア4を噴射して、当該凹版112に付着する洗浄液3を除去するようにしたが、他の実施形態として、例えば、インキや洗浄液の特性等によっては、洗浄液噴射手段及びエア噴射手段の一方又は両方を省略することも可能である。
【0057】
また、前述した実施形態においては、前記エアブロア132を作動して、前記凹版112の表面に前記エアノズル131からエア4を噴射することにより、当該凹版112に付着する洗浄液3を除去するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記エアブロア132と前記エアノズル132との間に加熱手段を設け、加熱されたエア4を前記凹版112の表面に噴射することにより、当該凹版112に付着する洗浄液3を乾燥させるようにして除去することも可能である。
【0058】
また、前述した実施形態においては、前記版胴111の軸方向に沿って所定の間隔で前記ノズル126,131,233を複数設けた場合について説明したが、他の実施形態として、例えば、版胴の軸方向にわたって開口するスリット型のノズル(例えば、エアナイフ等)を適用することも可能である。
【0059】
また、前述した実施形態においては、前記洗浄槽123の位置を前記洗浄位置と前記退避位置とに切り換えるように当該洗浄槽123を前記昇降装置122で昇降移動させることにより、前記洗浄槽123に前記版胴111を入れるようにしたが、他の実施形態として、例えば、版胴の位置を洗浄位置と退避位置とに切り換えるように当該版胴を移動手段で移動させることにより、当該版胴を洗浄槽に入れるようにすることも可能である。さらには、洗浄槽と版胴との両方を移動させることにより、洗浄槽に版胴を入れるようにすることも可能である。
【0060】
また、前述した実施形態においては、版胴111の凹版112の溝に供給されたインキ2をブランケット胴114のブランケット上に受け渡した後、当該ブランケット胴114をフラットベッド101の基材1上で転動させることにより、当該ブランケット胴114のブランケット上のインキ2を当該基材1上に転写して印刷するようにしたオフセットタイプのグラビア印刷機100,200の場合について説明したが、他の実施形態として、例えば、ブランケット胴が省略されて、凹版112の溝にインキを供給された版胴をフラットベッドの基材上で転動させることにより、当該版胴の凹版の溝内のインキを当該基材上に直接的に転写して印刷するようにしたグラビア印刷機の場合であっても、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。
【0061】
さらに、他の実施形態として、例えば、タイマ等からの情報に基づいて、前記洗浄運転を所定時間行うように当該洗浄運転の時間を制御する制御手段を備えるようにすることも可能である。
【0062】
ここで、例えば、版胴の凹版に形成されている溝の幅やインキの種類等の汚れ条件に対応した最適な洗浄条件で前記洗浄運転を行うように、前記制御手段が、入力された汚れ条件に基づいて、超音波発振手段による超音波発振出力や、ブラシ洗浄手段によるブラシ回転速度や、混合流体噴射手段による混合流体の噴射圧力や、版胴の回転速度等を制御できるようにすることも可能である。
【0063】
くわえて、他の実施形態として、例えば、版胴の凹版上に付着残留するインキを検出するカメラ等のインキ残留検出手段をさらに設け、前記タイマ及び前記当該インキ残留検出手段からの情報に基づいて、前記洗浄運転を所定時間行っても、版胴の凹版上にインキが付着残留していると前記制御手段が判断すると、超音波発振手段による超音波発振出力をさらに上げたり、ブラシ洗浄手段によるブラシ回転速度をさらに速めたり、混合流体噴射手段による混合流体の噴射圧力をさらに高めたり、版胴の回転速度をさらに遅くしたりするように、上記制御手段が上記超音波発信手段や上記ブラシ洗浄手段や上記混合流体噴射手段や上記版胴の駆動手段を制御するようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係るグラビア印刷機は、洗浄液を含浸させたウエスで作業者がグラビア版を拭き取り洗浄しなくても、グラビア版に形成されている溝の内部を洗浄することが容易にでき、作業者にかかる負担を大幅に削減することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 基板
2 インキ
3 洗浄液
4 エア
5 混合流体
100 グラビア印刷機
101 フラットベッド
111 版胴
112 凹版
113 ドクタブレード
114 ブランケット胴
121 支持テーブル
122 昇降装置
123 洗浄槽
124 超音波発振器
125 ブラシローラ
126 洗浄液ノズル
127 送出ポンプ
128 フィルタ
129 貯留タンク
130 送出ポンプ
131 エアノズル
132 エアブロア
200 グラビア印刷機
233 ジェットノズル
234 エアコンプレッサ
235 送出ポンプ
図1
図2
図3
図4
図5