(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245753
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】電子素子および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20171204BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20171204BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20171204BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20171204BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
H01L33/62
F21S2/00
H01L21/60 311S
H01L23/30 F
【請求項の数】78
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2014-63919(P2014-63919)
(22)【出願日】2014年3月26日
(62)【分割の表示】特願2013-516931(P2013-516931)の分割
【原出願日】2011年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-160835(P2014-160835A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2014年3月26日
【審判番号】不服2016-7177(P2016-7177/J1)
【審判請求日】2016年5月17日
(31)【優先権主張番号】61/447,680
(32)【優先日】2011年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/445,416
(32)【優先日】2011年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/433,249
(32)【優先日】2011年1月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/393,027
(32)【優先日】2010年10月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/390,128
(32)【優先日】2010年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/376,707
(32)【優先日】2010年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/363,179
(32)【優先日】2010年7月9日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/359,467
(32)【優先日】2010年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512330488
【氏名又は名称】クーレッジ ライティング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ティシュラー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ シック
(72)【発明者】
【氏名】イアン アッシュダウン
(72)【発明者】
【氏名】カルバン ウェイド シーン
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジャンワース
【合議体】
【審判長】
森 竜介
【審判官】
星野 浩一
【審判官】
恩田 春香
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−39129(JP,A)
【文献】
特開平10−270499(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/089739(WO,A1)
【文献】
特開2006−278751(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/153130(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子素子であって、
前記電子素子は、
第1および第2の離間された接点を有する無機発光ダイオード(LED)と、
基板であって、前記基板は、(i)力に応じて柔軟で、および弾性的であるか、または(ii)力に応じて永久に変形可能であるかのうちの少なくとも一方であり、前記基板は、前記基板の第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有し、前記第1の伝導性配線と前記第2の伝導性配線とは、その間の間隙により前記基板上で離間される、基板と
を備え、
前記無機LEDに電気的に接続された制御回路が前記基板上に配置されており、
前記第1および第2の接点は、前記配線または前記接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料を用いて、それぞれ、前記第1および第2の伝導性配線に接着され、それらと電気的に接触しており、
前記接点と配線との間にはスタッド段差は提供されておらず、前記基板は、前記無機LEDの動作の間に前記接点と配線との間の電気的接触を維持するための局所的な屈曲または局所的な変形を含む、電子素子。
【請求項2】
前記基板は、前記第1の配線と前記第2の配線との間に局所的な変形を含み、それにより、前記第1の接点と前記基板との間の距離は、前記第2の接点と前記基板との間の距離に実質的に等しい、請求項1に記載の素子。
【請求項3】
前記基板は、(i)力に応じて柔軟で、および弾性的であるが、(ii)力に応じて永久に変形可能ではない、請求項1に記載の素子。
【請求項4】
前記基板は、(i)力に応じて永久に変形可能であるが、(ii)力に応じて柔軟ではなく、および弾性的ではない、請求項1に記載の素子。
【請求項5】
前記基板は、(i)力に応じて柔軟で、および弾性的であり、かつ(ii)力に応じて永久に変形可能である、請求項1に記載の素子。
【請求項6】
前記接着材料は、異方性導電接着剤(ACA)を含み、前記異方性導電接着剤(ACA)は、前記第1の接点を前記第1の配線にのみ、前記第2の接点を前記第2の配線にのみ電気的に接続する、請求項1に記載の素子。
【請求項7】
前記ACAの一部分は、前記間隙の中に配置され、前記第1の接点を前記第2の接点から実質的に隔離する、請求項6に記載の素子。
【請求項8】
前記無機LEDは、半導体材料を含み、前記半導体材料は、GaN、AlN、InN、またはそれらの合金あるいは混合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の素子。
【請求項9】
前記無機LEDは、蛍光体材料を含み、前記蛍光体材料は、前記無機LEDによって放出された光の一部分を吸収し、異なる波長の光を放出する、請求項1に記載の素子。
【請求項10】
前記無機LEDによって放出された光と、波長変換材料によって放出された光とが混合して、実質的に白色の光を形成する、請求項9に記載の素子。
【請求項11】
前記無機LEDは、2000K〜7000Kの範囲内の色温度を有する白色光を放出する、請求項1に記載の素子。
【請求項12】
前記無機LEDは、パッケージ化されたLEDである、請求項1に記載の素子。
【請求項13】
前記無機LEDは、裸LEDダイである、請求項1に記載の素子。
【請求項14】
前記第1および第2の伝導性配線は、伝導性インクを含む、請求項1に記載の素子。
【請求項15】
前記第1および第2の伝導性配線は、銀、金、アルミニウム、クロム、銅、または炭素のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の素子。
【請求項16】
前記基板は、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、または紙のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の素子。
【請求項17】
前記第1の配線と前記第2の配線との間の前記間隙は、25μmと1000μmとの間の範囲にある、請求項1に記載の素子。
【請求項18】
前記無機LEDと熱的に連絡しているヒートシンクが存在しない、請求項1に記載の素子。
【請求項19】
前記接着材料は、実質的に等方性の接着剤を含み、前記実質的に等方性の接着剤は、前記第1の接点を前記第1の配線にのみ、前記第2の接点を前記第2の配線にのみ電気的に接続し、前記間隙の中に配置された非伝導性接着材料をさらに含む、請求項1に記載の素子。
【請求項20】
前記無機LEDによって放出された波長に対する前記基板の反射率は、80%よりも大きい、請求項1に記載の素子。
【請求項21】
前記無機LEDによって放出された波長に対する前記基板の透過率は、80%よりも大きい、請求項1に記載の素子。
【請求項22】
反射面をさらに備え、前記反射面は、前記無機LEDを覆って配置され、前記基板に向かって光を反射する、請求項1に記載の素子。
【請求項23】
前記無機LEDの接合点温度は、動作中に100℃を超えない、請求項1に記載の素子。
【請求項24】
(i)前記無機LEDは、p−n接合点を備え、(ii)前記基板を介した前記p−n接合点から周囲への熱抵抗は、少なくとも500℃/Wである、請求項1に記載の素子。
【請求項25】
複数の付加的な無機LEDをさらに備え、前記複数の付加的な無機LEDの各々は、第1および第2の離間された接点を有し、前記無機LEDおよび前記付加的な無機LEDは、前記基板上でアレイに配設されており、
動作の間の2次元アレイによって生成される熱密度は、0.01W/cm2未満である、請求項1に記載の素子。
【請求項26】
前記2次元アレイにおける前記無機LEDのピッチは、3mmから30mmの範囲内である、請求項25に記載の素子。
【請求項27】
前記無機LEDに電気的に接続された電力供給部をさらに備える、請求項1に記載の素子。
【請求項28】
前記無機LEDによって放出された光を透過するように配設されている光学要素をさらに備える、請求項1に記載の素子。
【請求項29】
前記第1の表面の反対側の前記基板の第2の表面上の第3および第4の伝導性配線であって、前記第3の伝導性配線と前記第4の伝導性配線とは、その間の間隙により前記基板上で離間される、第3および第4の伝導性配線と、
第3および第4の離間された接点を有する第2の無機LEDと
をさらに備え、
前記第3および第4の接点は、前記第3および第4の配線または前記第3および第4の接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料を用いて、それぞれ、前記第3および第4の伝導性配線に接着され、それらと電気的に接触している、請求項1に記載の素子。
【請求項30】
前記制御回路は、前記基板の前記第1の表面上に配置されている、請求項1に記載の素子。
【請求項31】
前記制御回路は、前記無機LEDの調光を制御するように構成されている、請求項1に記載の素子。
【請求項32】
前記基板が取り付けられている剛性のフレームをさらに備える、請求項1に記載の素子。
【請求項33】
前記基板上に配置された複数の付加的な無機LEDと、
筐体と
をさらに備え、(i)前記筐体内に前記基板が少なくとも部分的に配置され、(ii)前記筐体内に前記制御回路が配置され、(iii)前記筐体は、前記無機LEDおよび前記複数の付加的な無機LEDから放出された光を透過するように構成されている、請求項1に記載の素子。
【請求項34】
光学要素のアレイをさらに備え、各光学要素は、(i)前記無機LEDおよび複数の付加的な無機LEDと関連付けられており、(ii)前記無機LEDおよび複数の付加的な無機LEDによって放出された光を透過するように配設されている、請求項33に記載の素子。
【請求項35】
拡散器をさらに備え、前記拡散器は、前記無機LEDおよび複数の付加的な無機LEDによって放出された光を透過するように配設されている、請求項33に記載の素子。
【請求項36】
第2の基板と、前記第2の基板上に配置され、前記無機LEDとは異なる種類の第2のLEDとをさらに備える、請求項1に記載の素子。
【請求項37】
(i)前記無機LEDを覆って配置された第1の蛍光体と、(ii)第2の基板と、(iii)前記第2の基板上に配置された第2のLEDと、(iv)前記第2のLEDを覆って配置された第2の蛍光体とをさらに備え、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とは異なる種類である、請求項36に記載の素子。
【請求項38】
前記制御回路への感知された環境要因の通信のためのセンサをさらに備える、請求項1に記載の素子。
【請求項39】
前記センサは、光センサであり、前記制御回路は、前記センサによって感知された光強度が閾値である点まで前記無機LEDを薄暗くするように構成されている、請求項38に記載の素子。
【請求項40】
前記センサは、占有センサであり、前記制御回路は、前記センサからのフィードバックに基づいて前記無機LEDの光出力を制御する、請求項38に記載の素子。
【請求項41】
前記制御回路は、第2の基板上に配置された制御回路と通信するように構成されている、請求項1に記載の素子。
【請求項42】
前記基板および前記無機LEDは、液晶ディスプレイアセンブリ用のバックライトユニットの一部分である、請求項1に記載の素子。
【請求項43】
前記基板の前記第1の表面上の第3および第4の伝導性配線であって、前記第3の伝導性配線と前記第4の伝導性配線とは、その間の間隙により前記基板上で離間される、第3および第4の伝導性配線をさらに備え、
第1および第2の接点を有する電子構成要素をさらに備え、
前記電子構成要素の前記第1および第2の接点は、前記配線または前記接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料を用いて、それぞれ、前記第3および第4の伝導性配線に接着され、それらと電気的に接触しており、
前記基板は、前記電子構成要素の動作の間に前記接点と配線との間の電気的接触を維持するための局所的な屈曲または局所的な変形を含む、請求項1に記載の素子。
【請求項44】
前記電子構成要素は、光センサ、占有センサ、レジスタ、インダクタ、コンデンサ、トランジスタ、アンテナ、バッテリまたは集積回路のうちの少なくとも1つを含む、請求項43に記載の素子。
【請求項45】
前記電子構成要素は、前記無機LEDと直列に電気的に接続されている、請求項43に記載の素子。
【請求項46】
前記電子構成要素は、LEDである、請求項43に記載の素子。
【請求項47】
電子素子であって、
前記電子素子は、
第1および第2の離間された接点を有する無機発光ダイオード(LED)と、
柔軟な基板であって、前記柔軟な基板は、結合領域中において、前記柔軟な基板の第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有し、前記第1の伝導性配線と前記第2の伝導性配線とは、その間の間隙によって前記基板上において分離されている、柔軟な基板と
を備え、
前記無機LEDに電気的に接続された制御回路が前記基板上に配置されており、
(i)前記第1および第2の伝導性配線は本質的にアルミニウムまたは銅から構成され、(ii)前記第1および第2の接点は、前記配線または前記接点を電気的に架橋することなく、異方性導電接着剤(ACA)を介して、それぞれ、前記第1および第2の伝導性配線に接着され、それらと電気的に接触しており、
前記接点と配線との間にはスタッド段差は提供されておらず、前記基板は、前記無機LEDの動作の間に前記接点と配線との間の電気的接触を維持するための局所的な屈曲または局所的な変形を含み、(iii)前記基板は、本質的にポリエチレンテレフタレートから構成され、(iv)前記ACAの一部分は、前記間隙の中に配置され、前記第1の接点を前記第2の接点から実質的に隔離する、電子素子。
【請求項48】
前記無機LEDは、前記第1の配線と第2の配線との間の前記間隙を横断して延在し、前記無機LEDに近接した第2の無機LEDをさらに備え、前記第2の無機LEDは、前記第1の配線と第2の配線との間の前記間隙を横断して延在している、請求項47に記載の素子。
【請求項49】
前記無機LEDによって放出された光の波長に対する前記基板の反射率は、80%よりも大きい、請求項47に記載の素子。
【請求項50】
前記無機LEDは、2000K〜7000Kの範囲内の色温度を有する白色光を放出する、請求項47に記載の素子。
【請求項51】
前記無機LEDは、パッケージ化されたLEDである、請求項47に記載の素子。
【請求項52】
前記無機LEDは、裸LEDダイである、請求項47に記載の素子。
【請求項53】
前記無機LEDに電気的に接続された電力供給部をさらに備える、請求項47に記載の素子。
【請求項54】
前記無機LEDによって放出された光を透過するように配設されている光学要素をさらに備える、請求項47に記載の素子。
【請求項55】
前記光学要素は、前記無機LEDの上側に配置され、前記無機LEDに光学的に連結されている、請求項54に記載の素子。
【請求項56】
前記光学要素は、前記基板と前記光学要素との間で前記無機LEDを囲むように前記基板または前記配線のうちの少なくとも1つと接触して配置されている、請求項55に記載の素子。
【請求項57】
複数の付加的な無機LEDであって、前記複数の付加的な無機LEDの各々は、第1および第2の離間された接点を有し、前記無機LEDおよび前記付加的な無機LEDは、前記基板上で2次元アレイに配設されている、複数の付加的な無機LEDと、
複数の付加的な光学要素であって、前記複数の付加的な光学要素の各々は、前記複数の付加的な無機LEDのうちの1つを覆って配置され、前記複数の付加的な無機LEDのうちの1つに光学的に連結されている、複数の付加的な光学要素と
をさらに備え、(i)前記光学要素は、前記無機LEDにのみ光学的に連結され、(ii)各付加的な光学要素は、前記付加的な無機LEDのうちの異なる1つにのみ光学的に連結されている、請求項55に記載の素子。
【請求項58】
電子素子を形成する方法であって、
前記方法は、
柔軟な基板を提供することであって、前記柔軟な基板は、結合領域中において、前記柔軟な基板の第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有し、前記第1の伝導性配線と前記第2の伝導性配線とは、その間の間隙によって前記基板上において分離されている、ことと、
第1および第2の接点を有する無機発光ダイオード(LED)を提供することと、
前記無機LEDの前記第1および第2の接点と前記第1および第2の伝導性配線との間に圧力活性化接着材料を提供することであって、前記接点と配線との間にはスタッド段差は提供されない、ことと、
前記柔軟な基板または前記無機LEDのうちの少なくとも1つに圧力を印加することであって、それにより、(i)前記第1の接点と前記第1の配線との間、または(ii)前記第2の接点と前記第2の配線との間のうちの少なくとも1つの間において電気接続を確立するが、前記配線または前記接点を電気的に架橋せず、前記無線LEDが前記第1の配線と第2の配線との間の前記間隙を横断して延在するようにする、ことと
を含み、
前記電気接続が確立された後に、前記基板は、前記無機LEDの動作の間に前記接点と配線との間の電気的接触を維持するための局所的な屈曲または局所的な変形を含む、方法。
【請求項59】
前記圧力活性化接着材料を提供することは、(i)前記第1および第2の伝導性配線の少なくとも一部分を覆って、(ii)前記第1の伝導性配線と前記第2の伝導性配線との間の前記間隙内で、実質的に液体の形態で前記圧力活性化接着材料を分注することを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記柔軟な基板または前記無機LEDのうちの少なくとも1つに圧力を印加している間に前記結合領域に熱を印加することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記熱を印加することは、80℃〜150℃の範囲内の温度へと前記圧力活性化接着材料を加熱することを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記熱を印加することは、10分未満にわたり前記圧力活性化接着材料を加熱することを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記接着材料は、異方性導電接着剤(ACA)を含み、前記異方性導電接着剤(ACA)は、前記第1の接点を前記第1の配線にのみ、前記第2の接点を前記第2の配線にのみ電気的に接続する、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
前記ACAの一部分は、前記間隙の中に配置され、前記第1の接点を前記第2の接点から実質的に隔離する、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記接着材料は、実質的に等方性の接着剤を含み、前記実質的に等方性の接着剤は、前記第1の接点を前記第1の配線にのみ、前記第2の接点を前記第2の配線にのみ電気的に接続し、前記間隙の中に配置された非伝導性接着材料をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項66】
前記第1の配線と第2の配線との間の前記間隙を横断して延在し、前記無機LEDに近接した第2の無機LEDをさらに備える、請求項58に記載の方法。
【請求項67】
前記基板は、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、または紙のうちの少なくとも1つを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項68】
前記無機LEDによって放出された波長に対する前記基板の反射率は、80%よりも大きい、請求項58に記載の方法。
【請求項69】
前記無機LEDは、2000K〜7000Kの範囲内の色温度を有する白色光を放出する、請求項58に記載の方法。
【請求項70】
前記無機LEDは、パッケージ化されたLEDである、請求項58に記載の方法。
【請求項71】
前記無機LEDは、裸LEDダイである、請求項58に記載の方法。
【請求項72】
前記無機LEDに電力供給部を電気的に接続することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項73】
前記無機LEDによって放出された光を透過するように光学要素を配設することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項74】
前記基板は、前記基板の前記第1の表面上の第3および第4の伝導性配線を備え、前記第3の伝導性配線と前記第4の伝導性配線とは、その間の間隙により前記基板上で離間され、
第1および第2の接点を有する電子構成要素を提供することと、
前記電子構成要素の前記第1および第2の接点と、前記第3および第4の伝導性配線との間に圧力活性化接着材料を提供することと、
前記柔軟な基板または前記電子構成要素のうちの少なくとも1つに圧力を印加することであって、それにより、(i)前記電子構成要素の前記第1の接点と前記第3の配線との間、または(ii)前記電子構成要素の前記第2の接点と前記第4の配線との間のうちの少なくとも1つの間において電気接続を確立するが、前記第3および第4の配線または前記電子構成要素の前記接点を電気的に架橋せず、前記電子構成要素が前記第3の配線と第4の配線との間の前記間隙を横断して延在するようにする、ことと
をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項75】
前記電子構成要素は、レジスタ、インダクタ、コンデンサ、トランジスタ、バッテリまたは集積回路のうちの少なくとも1つを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記電子構成要素は、光を放出せず、前記無機LEDと直列に電気的に接続されている、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
(i)前記柔軟な基板は、ロールの形態で提供され、(ii)前記圧力活性化接着材料を提供すること、および、圧力を印加することは、ロールツーロール工程において実行される、請求項58に記載の方法。
【請求項78】
前記伝導性配線は、銀、金、アルミニウム、クロム、銅、銀インクまたは炭素のうちの少なくとも1つを含む、請求項58に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/359,467号(2010年6月29日出願)、米国仮特許出願第61/363,179号(2010年7月9日出願)、米国仮特許出願第61/376,707号(2010年8月25日出願)、米国仮特許出願第61/390,128号(2010年10月5日出願)、米国仮特許出願第61/393,027号(2010年10月14日出願)、米国仮特許出願第61/433,249号(2011年1月16日出願)、米国仮特許出願第61/445,416号(2011年2月22日出願)、および米国仮特許出願第61/447,680号(2011年2月28日出願)の優先権および利益を主張し、これらの出願の開示は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、電子素子に関し、より具体的には、アレイベースの電子素子に関する。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(LED)等の離散的光源は、それらのより高い効率、より小さい形状因子、より長い寿命、および増進した機械的頑健性により、照明装置の中の白熱電球の魅力的な代替案である。しかしながら、LEDならびに関連ヒートシンクおよび熱管理システムの高いコストが、特に一般照明用途で、LEDの広範囲に及ぶ利用を制限している。
【0004】
LEDベースの照明システムの高いコストには、いくつかの誘因がある。LEDは、一般的には、パッケージに入れられ、複数のパッケージ化LEDが、必要な光強度を達成するために各照明システムにおいて使用される。コストを削減するために、LED製造業者は、比較的高い電流で動作することによって比較的高い光強度を放出することができる高出力LEDを開発してきた。パッケージ数を削減しながら、これらのLEDは、より高い電流レベルに適応するために、および結果として生じる有意に高い熱レベルを管理するために、比較的高コストのパッケージを必要とする。より高い熱負荷および電流は、次に、より高価な熱管理およびヒートシンクシステム、例えば、同様に、システムのコストならびにサイズを増大させ得る、パッケージの中の熱スラグ、セラミックまたは金属サブマウント、大型金属またはセラミックヒートシンク、金属核プリント回路基板、および同等物を必要とする。より高い動作温度はまた、より短い寿命ならびに低減した信頼性につながる。最終的に、LED効率は、一般的には、増加する駆動電流とともに減少するので、比較的高い電流におけるLEDの動作は、より低い電流の動作と比較して、効率の相対的低減をもたらす。高電流動作をサポートするために、(パッケージの内側の)LEDチップは、比較的大きい接触領域を必要とする。加えて、高出力LEDはしばしば、これらの領域中での発光を防止するために、接点の下に電流遮断層を有する。より大きい接触領域および電流遮断層は、チップの発光領域を縮小し、低減した効率、ウエハあたりのより少ないチップ、および増大したコストをもたらす。
【0005】
接触サイズは、LEDチップをパッケージ、別の基板、または他の支持構成要素に接続するために使用される方法によって、さらに制限される。最も一般的に、LEDチップは、ワイヤボンディングを使用して相互接続される。ワイヤボンディング工程は、電流レベルから独立している、ある最小の接触領域を必要とする。結果として、低電流LEDでさえも、接触サイズを、ワイヤボンディングに必要とされる最小値以下に縮小することはできない。LEDチップをパッケージに接続するための別の一般的なアプローチは、LEDをパッケージ、サブマウント、または基板に結合するために、はんだまたは伝導性接着剤等の作用物質を使用することである。これらの作用物質はまた、比較的高価であり得、LEDの接点がともに短絡し、素子を動作不能にすることを防止するよう、それらの分散を制御するために複雑な工程を必要とし得、これは特に、素子幾何学形状(例えば、接点間の間隔)および寸法が縮小し続けるので、そのようである。
【0006】
種々の基板へのLEDの接続性を容易にする1つの近年の進歩は、1つの方向において(例えば、素子接点と基板接点との間で垂直に)電気相互接続を可能にするが、他の方向において(例えば、素子上の接点の間または基板上の接点の間で水平に)それを防止する異方性導電接着剤(ACA)である。最先端のACAは、圧力によって活性化され、したがって、異方性電気伝導性を生成し、接着を促進するために、LEDが接合される表面上において、またはLED接着パッド上において、「スタッド段差」または他の金属突起の提供を必要とする。他の非圧力活性化型のACAが存在するが(例えば、所望の伝導方向で磁性および伝導性「カラム」を整列させるために、圧力よりむしろ磁場が硬化中に印加される、SunRay Scientific(Mt.Laurel,New Jersey)から入手可能なZTACH)、そのようなACAは、あまり一般的ではなく、付加的な潜在的に高価な機器(例えば、磁石)を必要とする。
【0007】
当技術分野で公知であるように、圧力活性化ACAは、一般的には、接着基剤、例えば、伝導性材料または伝導性材料によって被覆された絶縁材料(絶縁材料で被覆された金属または伝導性材料等)の「粒子」(例えば、球体)を含有する、接着またはエポキシ材料を含む。
図1は、電子素子を基板に接続するための圧力活性化ACAの従来の使用を描写する。示されるように、複数の接点110を有する電子素子100が、ACA130の使用を介して基板120に接着され、電気的に接続されている。ACA130は、少なくとも部分的に伝導性である、粒子150の分散を含有する接着基剤140を含む。上述のように、および
図1に示されるように、従来、ACAの使用は、素子と基板上の電気相互接続との間で十分な結合および電気接続性を達成するために、標的基板が、スタッド段差(一般的には、少なくとも30μm〜50μmの厚さを有する)、または接合される素子接点の反対側で基板から突出する他の伝導性構造を含有することを要求する。つまり、
図1との関連で、基板120上の電気配線160(その厚さは明確にするために誇張されている)への接点110の接着および電気接続は、スタッド段差170の存在を必要とする。示されるように、伝導性粒子150は、各接点110とそのそれぞれの配線160との間の電気接続性を提供するが、電気接続が接点110および/または配線160の間で形成されないように、十分に低い密度で基剤140内に分散させられる。スタッド段差170は、電気接続の一部分のみでなく、それに対して粒子150が圧迫される固体プラットフォームも提供し、ACA130の伝導性を急に増加させ、それを通る(しかし接点/スタッド段差ペアの間の圧縮されていないACAを横断しない)電気接続を可能にする。代替幾何学形状では、スタッド段差は、接点110に取り付けられてもよい。ACAを有する他の技法が可能であり、本発明はACAの特定の動作モードによって制限されないことに留意されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、スタッド段差または同様の伝導性構造の使用は、多くの用途において問題となり、コストがかかる場合がある。特に、素子および素子接点寸法が減少し続けるにつれて、スタッド段差は、しばしば、個々の接点への接続のためには大きすぎる。スタッド段差の形成はまた、特に(種々の高さのスタッド段差が必要とされるので)素子接点が非共平面的であるときに複雑で高価な工程である、基板上のトポグラフィの形成を必然的に有する。さらに、パッケージ化されていない半導体ダイ(例えば、裸ダイLED)を利用する用途において、スタッド段差への素子の結合は、(例えば、印加された結合圧力によって、ダイがスタッド段差間で曲がる場合)有害な局所応力をもたらす場合がある。最終的に、スタッド段差または同様の構造の使用は、段差と基板または結合されたダイとの間の熱膨張不整合(および、それに付随する応力)をもたらす場合がある。
【0009】
しかしながら、スタッド段差または他の突出構造が存在しないと、特に、半導体ダイ上の接点が非共平面的である場合に、半導体ダイを従来の基板に結合することは、その間に信頼性のある電気接続をもたらさない。
図2は、問題を図示する一般的な素子環境を描写する。示されるように、LEDダイ200は、n型ドープ層220への接点210、およびp型ドープ240への接点230を特色とする。p型ドープ層240の一部分は、n型ドープ層220を覆う接点210の形成を可能にするように除去されており、接点210および230を非共平面的にする。
図2では、LEDダイ200を、実質的に剛性で変形不可能である従来の基板120(例えば、プリント回路基板)に結合するための試行が行われている。少なくとも部分的に接点210と接点230との間の非共平面性により、圧力活性化ACA130の粒子150は、接点230とその対応配線160−1との間の圧縮ゾーンの中で電気接触を可能にし、スタッド段差が存在しない場合、十分な圧縮の欠如により、同様の電気接続を接点210とその対応配線160−2との間で形成することができない。たとえ一時的な電気接続が接点210と配線160−2との間で最初に形成されても、ACA130の硬化時に、および/または動作中に、ACA130は、膨張または収縮し、電気接触の損失およびLEDダイ200の動作不可能性をもたらす場合がある。そのような膨張および/または収縮はまた、例えば、動作からの周囲加熱または自己発熱により、動作中に発生し、信頼できない動作をもたらす場合がある。
【0010】
先述の内容を考慮して、スタッド段差または同様の構造を使用することなく、圧力活性化接着剤を介して基板の電気配線への種々の半導体ダイ(例えば、LEDダイおよび太陽電池ダイ)の低コストの信頼できる直接結合を可能にする、システムおよび手順と、そのようなシステムおよび工程に基づく、低コストの信頼できるLEDベースの照明システムとの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ある実施形態によれば、1つ以上の半導体ダイは、介在するスタッド段差または同様の構造を使用することなく、感圧接着剤(例えば、ACA)を用いて可撓性および/または変形可能基板に取り付けられる。基板は、局所的に圧縮力に屈し、接点の非共平面性にもかかわらず、半導体ダイ接点への機械的に強力なおよび導電性の接続を形成することができる。いくつかの実施形態では、基板は、力に応じて柔軟であり、および弾性的である、すなわち、力の除去時に元の構成に弾性的に戻るという意味で「可撓性」である。基板は、力に共形的に屈するという意味で「変形可能」であってもよいが、変形は、永久的であってもなくてもよく、つまり、基板は、弾性的でなくてもよい。本明細書で使用される可撓性材料は、変形可能であってもなくてもよく(すなわち、例えば、構造的な歪曲を受けることなく曲がることによって、弾性的に応答してもよい)変形可能な基板は、可撓性であってもなくてもよい(すなわち、力に応じて永久的な構造的な歪曲を受けてもよい)。「柔軟な」という用語は、可撓性または変形可能あるいは両方である材料を暗示するために本明細書において使用される。
【0012】
柔軟な基板の使用は、結合および基板調製手順を単純化し、また、剛性基板に不適当な環境および/または用途での半導体ダイの配備も容易にする。基板は、実質的に透明でさえあってもよく、本発明の実施形態が利用されてもよい、潜在的な用途の範囲をさらに広げる。柔軟な基板が、半導体ダイのアレイを特色とするアセンブリの安価で単純な製造を可能にするため、本発明の実施形態は、基板の剛性が好まれてもよい用途で、有利に利用さえされてもよい。例えば、可撓性基板および半導体ダイは、構造支持を提供する実質的に剛性のフレームまたは他の装置に取り付けられ、および/またはそれらの内側に載置されてもよい。1つのそのような実施形態では、1つ以上の柔軟な基板上の発光半導体ダイの1つ以上のアレイが、バックライトおよび一般照明等の用途のための照明アセンブリを形成するように、剛性フレーム内に載置されてもよい。
【0013】
本発明の利点は、光学的損失により非効率的となり得る現在の蛍光灯設備(例えば、標準線形蛍光灯反射板)を、光学的損失を最小化する設計と交換する能力である。また、蛍光灯は、適正に(および高価に)処分されない限り、環境的に有害となり得る、水銀を含有する。本発明の実施形態は、従来の蛍光灯設備と関連付けられるものよりも優れた発光効率を有する。より一般的に、LED照明は、白熱、ハロゲン、および電球型蛍光ランプに対する、そのはるかに高い効率により、エネルギー消費を劇的に削減する可能性を有する。
【0014】
一側面では、本発明の実施形態は、その第1の表面上に第1および第2の異なる非共平面接点を有する半導体ダイと、その第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有する、柔軟な基板とを備える電子素子を特色とする。第1および第2の伝導性配線は、その間の間隙によって基板上で分離される。第1および第2の接点は、第1および第2の接点の非共平面性にもかかわらず、配線または接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料で、それぞれ、第1および第2の伝導性配線に接着され、およびそれらと電気的に接触している。いくつかの実施形態では、基板は、可撓性であるが、変形可能でなく、他の実施形態では、基板は、変形可能であるが、可撓性ではない一方で、なおも他の実施形態では、基板は、可撓性および変形可能の両方である。
【0015】
半導体ダイは、LEDダイ、例えば、無機LEDダイを備えてもよい。代替として、半導体ダイは、レーザを備えてもよく、GaN、AlN、InN、またはそれらの合金あるいは混合物のうちの少なくとも1つを含む、または本質的にそれから構成される半導体材料、あるいはシリコン、GaAs、InAs、AlAs、InP、GaP、AlP、InSb、GaSb、AlSb、ZnO、またはそれらの合金あるいは混合物のうちの少なくとも1つを含む、または本質的にそれから構成される半導体材料を含んでもよい。
【0016】
種々の実施形態では、接着材料は、第1の接点を第1の配線のみに、第2の接点を第2の配線のみに電気的に接続する、ACAを含む、または本質的にそれから構成される。ACAの一部分は、第2の接点から第1の接点を実質的に隔離するように、間隙の中に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、接着材料は、前記第1の接点を第1の配線のみに、第2の接点を第2の配線のみに電気的に接続する、実質的に等方性の接着剤を含み、素子はさらに、間隙の中に配置される非伝導性接着材料を含む。第1および第2の配線は、実質的に一様および実質的に等しい厚さを有してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、素子はさらに、半導体ダイの第1の表面の少なくとも一部分を覆う反射性材料を含む。半導体ダイの第1の表面と実質的に垂直な寸法に沿った、第1および第2の接点の間のオフセットは、少なくとも0.25μmであってもよい。種々の実施形態では、半導体ダイは、パッケージ化されていない。柔軟な基板は、第1および第2の配線の間の局所的変形を含んでもよく、第1の接点と基板との間の距離は、第2の接点と基板との間の距離と実質的に等しい。
【0018】
一般に、半導体ダイは、第1および第2の配線の間の間隙を横断して延在し、いくつかの実施形態では、半導体ダイに近接する第2の半導体ダイも、第1および第2の配線の間の間隙を横断して延在する。いくつかの実施形態では、第1および第2の伝導性配線は、伝導性インクを含み、伝導性インクは、例えば、銀、金、アルミニウム、クロム、銅、および/または炭素を含んでもよい。種々の実施形態では、半導体ダイによって放出される波長に対する基板の反射率は、80%よりも大きい一方で、他の実施形態では、半導体ダイによって放出される波長に対する基板の透過率は、80%よりも大きい。基板は、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、および/または紙を含んでもよく、または本質的にそれから構成されてもよい。第1および第2の配線の間の間隙は、約25μmから約1000μmの間に及んでもよい。本発明の利点は、半導体ダイと熱的に連絡しているヒートシンクの必要がないことである。
【0019】
種々の実施形態では、半導体ダイによって放出される光の少なくとも一部分を異なる波長の光に変換するための蛍光体材料が、半導体ダイを覆って配置され、およびそれを少なくとも部分的に包囲している。柔軟な基板ならびに第1および第2の伝導性配線を覆って配置される、第2の基板があってもよく、第2の基板は、それにより画定される開口部を備え、そのような場合において、半導体ダイおよび蛍光体材料は、開口部の中に配置されてもよい。また、透明フィルムが、柔軟であってもよい第2の基板の開口部を覆って配置されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、光透過性材料が、半導体ダイと蛍光体材料との間に配置される。柔軟な基板に向かって変換された光を反射するための反射面が、蛍光体材料を覆って配置されてもよい。
【0021】
別の側面では、本発明の実施形態は、その第1の表面上に第1および第2の離間接点を有する、半導体ダイと、結合領域中のその第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有する、柔軟な基板であって、第1および第2の伝導性配線は、その間に間隙を画定する、基板とを備える、電子素子に関する。さらに、第1および第2の接点は、配線または接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料で、それぞれ、第1および第2の伝導性配線に接着され、およびそれらと電気的に接触しており、少なくとも結合領域中で、基板の第1の表面より上側の第1および第2の配線の高さは、10μmを超えない(またはいくつかの実施形態では、5μmを超えないか、あるいは他の実施形態では、1μmを超えない)。
【0022】
さらに別の側面では、本発明は、電子素子を形成する方法に関する。種々の実施形態では、方法は、結合領域中のその第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有する、柔軟な基板を提供するステップを含み、第1および第2の伝導性配線は、その間の間隙によって基板上で分離される。圧力活性化接着材料を用いて、柔軟な基板または半導体ダイのうちの少なくとも1つに圧力を印加することによって、それぞれ、半導体ダイの第1および第2の接点は、第1および第2の配線に接着され、それにより、(i)第1の接点および前記第1の配線、または(ii)第2の接点および第2の配線のうちの少なくとも1つの間で、電気接続を確立するが、配線または接点を電気的に架橋しない。
【0023】
いくつかの実施形態では、基板は、可撓性であるが、変形可能ではなく、他の実施形態では、基板は、変形可能であるが、可撓性ではない一方で、なおも他の実施形態では、基板は、可撓性および変形可能の両方である。基板を提供するステップは、例えば、その上に第1および第2の配線を印刷するステップを含んでもよい。接着材料は、いくつかの実施形態では、硬化させられてもよい。第1および第2の接点は、共平面的または非共平面的であってもよい。柔軟な基板および/または半導体ダイに圧力を印加するステップは、第1および第2の接点の非共平面性にもかかわらず、第1および第2の接点を第1および第2の配線に接着するように、実質的に剛性の表面と実質的に順応的な表面との間で基板および半導体ダイを圧縮するステップを含んでもよい。接着する前に、接着材料は、第1および第2の接点および/または第1および第2の配線の上に提供されてもよい。接着材料を提供するステップは、実質的に液体の形態で、接着材料を分注するステップを含んでもよい。種々の実施形態では、接着材料は、ACAを含む、または本質的にそれから構成される。非伝導性接着材料が、間隙内で柔軟な基板を覆って形成されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、半導体ダイの少なくとも一部分を覆って蛍光体材料を形成するステップを含み、蛍光体材料は、半導体ダイによって放出される光の少なくとも一部分を異なる波長の光に変換する。第2の基板が、所望であれば、柔軟な基板の第1の表面上に配置されてもよく、第2の基板は、半導体ダイが配置される、それを通る開口部を画定する。開口部は、蛍光体材料が半導体ダイを少なくとも部分的に包囲するように、蛍光体材料で少なくとも部分的に充填されてもよい。
【0025】
半導体ダイが配置される、くぼみを備える、第2の基板は、柔軟な基板の第1の表面上で形成されてもよい。蛍光体材料が、くぼみの表面を覆って配置されてもよく、および/または半導体ダイと、柔軟な基板に向かって変換された光を反射するための反射面との間に配置されてもよい。半導体ダイは、パッケージ化されていなくてもよく、例えば、LED、例えば、無機LEDダイであってもよい。代替として、半導体ダイは、レーザを備えてもよく、またはレーザであってもよい。
【0026】
柔軟な基板を提供するステップ、および接点を配線に接着するステップは、例えば、ロールツーロール工程で行われてもよい。種々の実施形態では、接着材料を使用して、第2の半導体ダイの第1および第2の接点が、第1の表面に対向する柔軟な基板の第2の表面上に配置された第3および第4の伝導性配線に接着される。いくつかの実施形態では、第1および第2の接点は、実質的に共平面的であり、結合領域中で、基板の第1の表面より上側の第1および第2の配線の高さは、10μmを超えない。
【0027】
さらに別の側面では、本発明は、種々の実施形態では、複数の活性半導体層と複数の接点とを備える半導体ダイを備える、電子素子に関する。活性半導体層のうちの第1および第2の層は、接点のうちの第1および第2の接点が接合される、非平面的な第1の表面を集合的に画定する。素子はさらに、その第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有する、柔軟な基板を備え、第1および第2の伝導性配線は、その間の間隙によって基板上で分離される。第1および第2の接点は、半導体ダイの第1の表面の非平面性にもかかわらず、配線または接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料で、それぞれ、第1および第2の伝導性配線に接着され、およびそれらと電気的に接触している。半導体ダイは、その上に複数の活性半導体層が配置される、半導体基板を備えてもよく、またはそれから構成されてもよい。複数の活性半導体層は、第1および第2の活性半導体層の間に配置される、発光量子井戸を備えてもよく、またはそれから構成されてもよい。
【0028】
これらおよび他の目的は、本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、添付図面、および請求項への参照を通して、より明白となるであろう。さらに、本明細書で説明される種々の実施形態の特徴は、相互排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列で存在できることを理解されたい。本明細書で使用されるように、「実質的」という用語は、±10%、いくつかの実施形態では、±5%を意味する。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
電子素子であって、
該電子素子は、
半導体ダイであって、該半導体ダイは、その第1の表面上に第1および第2の異なる非共平面の接点を有する、半導体ダイと、
柔軟な基板であって、該柔軟な基板は、その第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有し、該第1の伝導性配線と第2の伝導性配線とは、その間の間隙によって該基板上において分離されている、柔軟な基板と
を備え、
該第1および第2の接点は、該第1の接点と第2の接点との非共平面性にもかかわらず、該配線または該接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料を用いて、それぞれ、該第1および第2の伝導性配線に接着され、それらと電気的に接触している、電子素子。
(項目2)
前記基板は、可撓性であるが、変形可能でない、項目1に記載の素子。
(項目3)
前記基板は、変形可能であるが、可撓性ではない、項目1に記載の素子。
(項目4)
前記基板は、可撓性および変形可能である、項目1に記載の素子。
(項目5)
前記半導体ダイは、発光ダイオード(LED)ダイを備える、項目1に記載の素子。
(項目6)
前記LEDダイは、無機LEDダイを備える、項目3に記載の素子。
(項目7)
前記半導体ダイは、レーザを備える、項目1に記載の素子。
(項目8)
前記半導体ダイは、半導体材料を含み、該半導体材料は、GaN、AlN、InN、またはそれらの合金あるいは混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の素子。
(項目9)
前記半導体ダイは、半導体材料を含み、該半導体材料は、シリコン、GaAs、InAs、AlAs、InP、GaP、AlP、InSb、GaSb、AlSb、ZnO、またはそれらの合金あるいは混合物のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の素子。
(項目10)
前記接着材料は、異方性導電接着剤(ACA)を含み、該異方性導電接着剤(ACA)は、前記第1の接点を前記第1の配線にのみ、前記第2の接点を前記第2の配線にのみ電気的に接続する、項目1に記載の素子。
(項目11)
前記ACAの一部分は、前記間隙の中に配置され、前記第1の接点を前記第2の接点から実質的に隔離する、項目10に記載の素子。
(項目12)
前記接着材料は、実質的に等方性の接着剤を含み、該接着剤は、前記第1の接点を前記第1の配線にのみ、前記第2の接点を前記第2の配線にのみ電気的に接続し、前記間隙の中に配置される非伝導性接着材料をさらに含む、項目1に記載の素子。
(項目13)
前記第1の配線の厚さおよび前記第2の配線の厚さは、実質的に一様であり、相互に実質的に等しい、項目1に記載の素子。
(項目14)
反射性材料をさらに含み、該反射性材料は、前記半導体ダイの前記第1の表面の少なくとも一部分を覆っている、項目1に記載の素子。
(項目15)
前記第1の接点と第2の接点との間のオフセットは、前記半導体ダイの前記第1の表面に実質的に垂直な寸法に沿って、少なくとも0.25μmである、項目1に記載の素子。
(項目16)
前記半導体ダイは、パッケージ化されていない、項目1に記載の素子。
(項目17)
前記基板は、前記第1の配線と第2の配線との間に局所的な変形を含み、前記第1の接点と該基板との間の距離は、前記第2の接点と該基板との間の距離に実質的に等しい、項目1に記載の素子。
(項目18)
前記半導体ダイは、前記第1の配線と第2の配線との間の前記間隙を横断して延在し、該半導体ダイは、該半導体ダイに近接した第2の半導体ダイをさらに備え、該第2の半導体ダイは、該第1の配線と第2の配線との間の該間隙を横断して延在している、項目1に記載の素子。
(項目19)
前記第1および第2の伝導性配線は、伝導性インクを含む、項目1に記載の素子。
(項目20)
前記伝導性インクは、銀、金、アルミニウム、クロム、銅、または炭素のうちの少なくとも1つを含む、項目19に記載の素子。
(項目21)
前記半導体ダイによって放出される波長に対する前記基板の反射率は、80%よりも大きい、項目1に記載の素子。
(項目22)
前記半導体ダイによって放出される波長に対する前記基板の透過率は、80%よりも大きい、項目1に記載の素子。
(項目23)
前記基板は、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、または紙のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の素子。
(項目24)
前記第1の配線と第2の配線との間の前記間隙は、約25μmと約1000μmとの間の範囲にある、項目1に記載の素子。
(項目25)
前記半導体ダイと熱的に連絡しているヒートシンクが存在しない、項目1に記載の素子。
(項目26)
蛍光体材料をさらに含み、該蛍光体材料は、前記半導体ダイを覆って配置され、それを少なくとも部分的に包囲し、該蛍光体材料は、該半導体ダイによって放出される光の少なくとも一部分を異なる波長の光に変換する、項目1に記載の素子。
(項目27)
第2の基板をさらに備え、該第2の基板は、前記柔軟な基板ならびに前記第1および第2の伝導性配線を覆って配置され、該第2の基板は、それによって画定された開口部を備え、前記半導体ダイおよび前記蛍光体材料は、該開口部の中に配置される、項目26に記載の素子。
(項目28)
透明フィルムをさらに備え、該透明フィルムは、前記第2の基板の前記開口部を覆って配置される、項目27に記載の素子。
(項目29)
前記第2の基板は、柔軟である、項目27に記載の素子。
(項目30)
光透過性材料をさらに含み、該光透過性材料は、前記半導体ダイと前記蛍光体材料との間に配置される、項目26に記載の素子。
(項目31)
反射面をさらに備え、該反射面は、前記蛍光体材料を覆って配置され、前記柔軟な基板に向かって変換された光を反射する、項目26に記載の素子。
(項目32)
電子素子であって、
該電子素子は、
半導体ダイであって、該半導体ダイは、その第1の表面上に第1および第2の離間接点を有する、半導体ダイと
柔軟な基板であって、該柔軟な基板は、結合領域中におけるその第1の表面上に、第1および第2の伝導性配線を有し、該第1の伝導性配線と第2の伝導性配線とは、その間に間隙を画定する、柔軟な基板と
を備え、
(i)該第1および第2の接点は、該配線または該接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料を用いて、それぞれ、該第1および第2の伝導性配線に接着され、それらと電気的に接触しており、および(ii)少なくとも該結合領域中において、該基板の該第1の表面の上方の該第1および第2の配線の高さは、10μmを超えない、電子素子。
(項目33)
少なくとも前記結合領域中において、前記基板の前記第1の表面の上方の前記第1および第2の配線の前記高さは、5μmを超えない、項目32に記載の素子。
(項目34)
少なくとも前記結合領域中において、前記基板の前記第1の表面の上方の前記第1および第2の配線の前記高さは、1μmを超えない、項目32に記載の素子。
(項目35)
電子素子を形成する方法であって、
該方法は、
柔軟な基板を提供することであって、該柔軟な基板は、結合領域中におけるその第1の表面上に、第1および第2の伝導性配線を有し、該第1および第2の伝導性配線は、その間の間隙によって該基板上において分離されている、ことと、
該柔軟な基板または半導体ダイのうちの少なくとも1つに圧力を印加することによって、圧力活性化接着材料を用いて、半導体ダイの第1および第2の接点をそれぞれ、該第1および第2の伝導性配線に接着することであって、それにより、(i)該第1の接点と該第1の配線との間、または(ii)該第2の接点と該第2の配線との間のうちの少なくとも1つの間において電気接続を確立するが、該配線または該接点を電気的に架橋しない、ことと
を含む、方法。
(項目36)
前記基板は、可撓性であるが、変形可能ではない、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記基板は、変形可能であるが、可撓性ではない、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記基板は、可撓性および変形可能である、項目35に記載の方法。
(項目39)
前記基板を提供することは、その上に前記第1および第2の配線を印刷することを含む、項目35に記載の方法。
(項目40)
前記接着材料を硬化させることをさらに含む、項目35に記載の方法。
(項目41)
前記第1の接点と第2の接点とは、非共平面的である、項目35に記載の方法。
(項目42)
前記柔軟な基板または前記半導体ダイのうちの少なくとも1つに圧力を印加することは、実質的に剛性の表面と実質的に順応的な表面との間にある該基板および該半導体ダイを圧縮することを含み、該圧縮することにより、前記第1の接点と第2の接点との非共平面性にもかかわらず、該第1および第2の接点を前記第1および第2の配線に接着する、項目41に記載の方法。
(項目43)
接着する前に、前記第1および第2の接点または前記第1および第2の配線のうちの少なくとも1つの上に前記接着材料を提供することをさらに含む、項目35に記載の方法。
(項目44)
前記接着材料を提供することは、実質的に液体の形態の該接着材料を分注することを含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記接着材料は、異方性導電接着剤(ACA)を含む、項目43に記載の方法。
(項目46)
前記間隙内において前記柔軟な基板を覆って非伝導性接着材料を形成することを含む、項目43に記載の方法。
(項目47)
前記半導体ダイの少なくとも一部分を覆って蛍光体材料を形成することをさらに含み、該蛍光体材料は、該半導体ダイによって放出される光の少なくとも一部分を異なる波長の光に変換する、項目35に記載の方法。
(項目48)
前記柔軟な基板の前記第1の表面上に第2の基板を配置することをさらに含み、該第2の基板は、それを通る開口部を画定し、該開口部の中に前記半導体ダイが配置される、項目35に記載の方法。
(項目49)
前記開口部を蛍光体材料によって少なくとも部分的に充填することをさらに含み、該充填することにより、該蛍光体材料が前記半導体ダイを少なくとも部分的に包囲する、項目48に記載の方法。
(項目50)
第2の基板を前記柔軟な基板の前記第1の表面上に形成することをさらに含み、該第2の基板は、くぼみを備え、該くぼみの中に前記半導体ダイが配置される、項目35に記載の方法。
(項目51)
蛍光体材料をさらに含み、該蛍光体材料は、前記くぼみの表面を覆って配置され、該蛍光体材料は、前記半導体ダイによって放出される光の少なくとも一部分を異なる波長の光に変換する、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記蛍光体材料は、前記半導体ダイと反射面との間に配置され、該反射面は、前記柔軟な基板に向かって前記変換された光を反射する、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記半導体ダイは、パッケージ化されていない、項目35に記載の方法。
(項目54)
前記半導体ダイは、発光ダイオード(LED)ダイを備える、項目35に記載の方法。
(項目55)
前記LEDダイは、無機LEDダイを備える、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記半導体ダイは、レーザを備える、項目35に記載の方法。
(項目57)
前記柔軟な基板を提供すること、および前記接点を前記配線に接着することは、ロールツーロール工程において行われる、項目35に記載の方法。
(項目58)
接着材料を用いて、第2の半導体ダイの第1および第2の接点を第3および第4の伝導性配線に接着することをさらに含み、該第3および第4の伝導性配線は、前記第1の表面の反対側の前記柔軟な基板の第2の表面上に配置されている、項目35に記載の方法。
(項目59)
前記第1および第2の接点は、実質的に共平面的であり、少なくとも前記結合領域中において、前記基板の前記第1の表面の上方の前記第1および第2の配線の高さは、10μmを超えない、項目35に記載の方法。
(項目60)
電子素子であって、
該電子素子は、
複数の活性半導体層と複数の接点とを備える半導体ダイであって、該活性半導体層のうちの第1および第2の層は、非平面的な第1の表面を集合的に画定し、該非平面的な第1の面に該接点のうちの第1および第2の接点が接合される、半導体ダイと、
柔軟な基板であって、該柔軟な基板は、その第1の表面上に第1および第2の伝導性配線を有し、該第1および第2の伝導性配線は、その間の間隙によって該基板上において分離されている、柔軟な基板と
を備え、
該第1および第2の接点は、該半導体ダイの該第1の表面の非平面性にもかかわらず、該配線または該接点を電気的に架橋することなく、圧力活性化接着材料を用いて、それぞれ、該第1および第2の伝導性配線に接着され、それらと電気的に接触している、電子素子。
(項目61)
前記半導体ダイは、半導体基板を備え、該半導体基板の上に、前記複数の活性半導体層が配置されている、項目60記載の素子。
(項目62)
前記複数の活性半導体層は、発光量子井戸を備え、該発光量子井戸は、前記第1の活性半導体層と第2の活性半導体層との間に配置されている、項目60記載の素子。
【0029】
図面中、類似の参照文字は、概して、様々な図の全体を通して同じ部品を指す。また、図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を図示することが重視されている。以下の説明では、本発明の種々の実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、従来技術による、圧力活性化接着剤を介して基板上のスタッド段差に接合された半導体ダイの概略図である。
【
図2】
図2は、結果として生じる低信頼電気接続を描写する、または電気接続が不在である、スタッド段差が存在しない場合に圧力活性化接着剤を介して基板上に接合された半導体ダイの概略図である。
【
図3A】
図3Aおよび3Bは、本発明の種々の実施形態による、処理の異なる段階における半導体ダイの概略図である。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは、本発明の種々の実施形態による、処理の異なる段階における半導体ダイの概略図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の種々の実施形態による、半導体ダイの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の種々の実施形態による、利用される柔軟な基板の概略図である。
【
図5A】
図5Aおよび5Bは、本発明の種々の実施形態による、柔軟な基板に接着された半導体ダイの概略図である。
【
図5B】
図5Aおよび5Bは、本発明の種々の実施形態による、柔軟な基板に接着された半導体ダイの概略図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の種々の実施形態による、
図5に示されるような柔軟な基板に接着された複数の半導体ダイを特色とする電子素子の概略上面図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の種々の実施形態による、
図6Aで描写されたものと同様の電子素子の中の伝導性配線の間に接着された複数の半導体ダイの拡大上面図である。
【
図7】
図7Aおよび7Bは、本発明の種々の実施形態による、電子素子で利用される電気配線のレイアウトの概略上面図である。
【
図8A】
図8A−8Dは、本発明の種々の実施形態による、基板に接着された半導体ダイとの蛍光体の統合の概略断面図である。
【
図8B】
図8A−8Dは、本発明の種々の実施形態による、基板に接着された半導体ダイとの蛍光体の統合の概略断面図である。
【
図8C】
図8A−8Dは、本発明の種々の実施形態による、基板に接着された半導体ダイとの蛍光体の統合の概略断面図である。
【
図8D】
図8A−8Dは、本発明の種々の実施形態による、基板に接着された半導体ダイとの蛍光体の統合の概略断面図である。
【
図9】
図9A−9Dは、本発明の種々の他の実施形態による、基板に接着された半導体ダイとの蛍光体の統合の概略断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の種々の実施形態による、半導体ダイおよび遠隔蛍光体を特色とする電子素子の概略断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の種々の実施形態による、半導体ダイおよび遠隔蛍光体を組み込む第2の基板を特色とする電子素子の概略断面図である。
【
図12】
図12Aは、本発明の種々の実施形態による、発光半導体ダイを組み込む電子モジュールの等角図である。
図12Bは、
図12Aで描写されるモジュールの一部分の拡大図である。
【
図14】
図14は、本発明の種々の実施形態による、それに接着された半導体ダイをそれぞれ有する複数の基板を組み込む、電子モジュールの等角図である。
【
図16A】
図16Aは、本発明の種々の実施形態による、発光半導体ダイおよびセンサを組み込む電子モジュールの等角図である。
【
図17】
図17、18Aおよび18Bは、本発明の種々の実施形態による、バックライト用途のための電子モジュールの部分分解断面図である。
【
図18A】
図17、18Aおよび18Bは、本発明の種々の実施形態による、バックライト用途のための電子モジュールの部分分解断面図である。
【
図18B】
図17、18Aおよび18Bは、本発明の種々の実施形態による、バックライト用途のための電子モジュールの部分分解断面図である。
【
図19】
図19および20は、本発明の種々の実施形態による、一般照明用の電子モジュールの部分分解断面図である。
【
図20】
図19および20は、本発明の種々の実施形態による、一般照明用の電子モジュールの部分分解断面図である。
【
図21】
図21は、本発明の種々の実施形態による、それに接着された半導体ダイを有する複数の基板を組み込む、電子モジュールの底面図である。
【
図22】
図22Aおよび22Bは、それぞれ、
図21のモジュールの複数部分の底面図および概略断面図である。
【
図24】
図24Aおよび24Bは、それぞれ、本発明の種々の実施形態による、照明器具用の改造として利用される、電子モジュールの上面等角図および底面等角図である。
【
図26】
図26および27は、それぞれ、本発明の種々の実施形態による、照明器具用の改造として利用される、電子モジュールの部分分解等角上面図および非分解等角上面図である。
【
図27】
図26および27は、それぞれ、本発明の種々の実施形態による、照明器具用の改造として利用される、電子モジュールの部分分解等角上面図および非分解等角上面図である。
【
図28】
図28Aは、随意的な拡散器シートを組み込む、
図26および27で描写されるモジュールの底面等角図である。
図28Bは、随意的な拡散器シートが存在しない、
図26および27で描写されるモジュールの底面等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
最初に
図3Aおよび3Bを参照すると、これらの図は、本発明の種々の実施形態で使用するための例示的な半導体ダイ300を描写する。半導体ダイ300は、一般的には、それを覆って配置された1つ以上の半導体層320を有する基板310を含む。この例示的実施形態では、半導体ダイ300は、LEDまたはレーザ等の発光素子を表すが、本発明の他の実施形態は、異なるかまたは付加的な機能性、例えば、プロセッサ、センサ、検出器、および同等物を有する1つ以上の半導体ダイを特色とする。非LEDダイは、本明細書で説明されるように結合されてもされなくてもよく、LEDとは異なる設定幾何学形状を有してもよく、また、以下で論議されるように柔軟な基板を覆って配置される半導体層を有しても有さなくてもよい。
【0032】
基板310は、1つ以上の半導体材料、例えば、シリコン、GaAs、InP、GaNを含んでもよく、または本質的にそれらから構成されもよく、ドープされてもよく、または実質的にドープされなくてもよい(例えば、意図的にドープされない)。いくつかの実施形態では、基板310は、サファイヤまたは炭化ケイ素を含む、または本質的にそれから構成される。基板310は、半導体ダイ300によって放出される光の波長に対して実質的に透過性であってもよい。発光素子について示されるように、半導体層320は、好ましくは、反対極性でドープされる(すなわち、一方がn型ドープされ、他方がp型ドープされる)第1および第2の型ドープ層330、340を含んでもよい。1つ以上の発光層350、例えば、1つ以上の量子井戸が、層330、340の間に配置されてもよい。層330、340、350のそれぞれは、1つ以上の半導体材料は、例えば、シリコン、InAs、AlAs、GaAs、InP、AlP、GaP、InSb、GaSb、AlSb、GaN、AlN、InN、および/またはそれらの混合物ならびに合金(例えば、三元または四元等の合金)を含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよい。好ましい実施形態では、半導体ダイ300は、ポリマーまたは有機素子よりもむしろ無機素子である。本明細書で参照されるように、半導体ダイは、特に指示されない限り、パッケージ化されてもよく、またはパッケージ化されていなくてもよい(例えば、裸ダイLEDは、パッケージ化されていない半導体ダイである)。いくつかの実施形態では、基板310の実質的に全てまたは一部分が、以下で説明される半導体ダイ300の結合の前または後に除去される。そのような除去は、例えば、化学エッチング、レーザリフトオフ、機械研削、および/または化学機械研磨、あるいは同等物によって行われてもよい。いくつかの実施形態では、基板310の全てまたは一部分が除去されてもよく、第2の基板、例えば、半導体ダイ300によって放出される光の波長に対して透過性または反射性である基板が、以下で説明されるような半導体ダイ300の結合の前または後に、基板310または半導体層320に取り付けられる。いくつかの実施形態では、基板310は、シリコンを含み、シリコン基板310の全体または一部分は、以下で説明される半導体ダイ300の結合の前または後に除去されてもよい。そのような除去は、例えば、化学エッチング、レーザリフトオフ、機械研削、および/または化学機械研磨、あるいは同等物によって行われてもよい。
【0033】
図3Bに示されるように、好ましい実施形態では、半導体ダイ300は、半導体ダイ300の同じ側面上の層330および層340への電気接点を促進するために(および基板310を通して層330に接触する、または層340を超えて接触パッドを層330に電気的に接続する分路を伴って層330に接触する必要なく)層330の一部分が露出されるように、パターン化され、エッチングされる(例えば、従来のフォトリソグラフィおよびエッチング工程を介して)。層340、350の1つ以上の部分は、層330の一部分を露出するために除去され(または決して形成されず)、したがって、
図3Bは、非平面的である、すなわち、相互と非共平面的である露出部分を含有する、半導体ダイ300の表面を360描写する。表面360は、存在していない層の部分に起因する任意の輪郭またはトポグラフィを含む半導体ダイ300の外面に対応する。半導体ダイ300への電気接触を促進するために、離散的な電気接点370、380が、それぞれ、層330、340上に形成される。電気接点370、380はそれぞれ、好適な伝導性材料、例えば、1つ以上の金属または金属合金伝導性酸化物、または他の好適な伝導性材料を含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよく、
図3Bに示されるように、(特に、ほぼ等しい厚さを有するときの実施形態で)略非共平面的である。いくつかの実施形態では、層330および層340の露出表面の間(および/または接点370、380の間)の垂直オフセットは、少なくとも0.25マイクロメートル(μm)、少なくとも1μm、少なくとも3μm、またはさらにそれ以上である。
【0034】
いくつかの実施形態では、半導体ダイ300が、正方形の形状を有する一方で、他の実施形態では、半導体ダイ300は、長方形の形状を有する。いくつかの好ましい実施形態では、(以下で説明されるような)結合を促進するために、半導体ダイ300は、直交方向の寸法を超える一方向の寸法を有する形状(例えば、長方形)を有してもよく、約1.2:1よりも大きい半導体ダイ300の直交方向のアスペクト比(長方形の場合、長さ対幅)を有してもよい。いくつかの実施形態では、半導体ダイ300は、約2:1よりも大きいか、または3:1よりも大きいアスペクト比を有する。形状およびアスペクト比は、本発明にとって決定的ではないが、半導体ダイ300は、任意の所望の形状を有してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、半導体ダイ300は、500μm未満の1つの横寸法を有する。半導体ダイ300の例示的なサイズは、約250μm×約600μm、約250μm×約400μm、約250μm×約300μm、または約225μm×約175μmを含んでもよい。いくつかの実施形態では、半導体ダイ300は、「マイクロLED」とも呼ばれる、小型LEDダイを備える。マイクロLEDは、概して、約300μm未満の1つの横寸法を有する。いくつかの実施形態では、半導体ダイ300は、約200μm未満または約100μm未満の1つの横寸法を有する。例えば、マイクロLEDは、約225μm×約175μm、または約150μm×約100μm、または約150μm×約50μmのサイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロLEDの頂面の表面積は、50,000μm
2未満または10,000μm
2未満である。
【0036】
好ましい実施形態は、例えば、ワイヤボンドよりもむしろ伝導性接着剤の使用を介して、接点370、380への電気接触を促進するため、ワイヤまたはボールボンド(一般的には、側面上に少なくとも80μmの接合領域を必要とする)で接続することが不可能な非常に小さい領域にさえも接触するために接着剤が利用されてもよいため、接点370、380は、比較的小さい幾何学的範囲を有してもよい。種々の実施形態では、1つの寸法(例えば、直径または辺の長さ)における接点370、380の一方または両方の程度は、約100μm、約70μm未満、約35μm未満、または約20μm未満である。
【0037】
特に半導体ダイ300が、LEDまたはレーザ等の発光素子を含む、または本質的にそれらから構成される場合、接点370、380は、(少なくとも半導体ダイ300によって放出される波長のうちのいくつかまたは全てに対して)反射性であってもよく、したがって、発せられた光を基板310に向かって後方に反射してもよい。いくつかの実施形態では、反射接点380が、層340の一部分または実質的に全体を覆う一方で、反射接点370は、層330の一部分または実質的に全体を覆う。反射接点に加えて、反射体390(明確にするために後続の図では示されていない)が、接点370、380の複数部分の間で、またはそれらより上側に、および層340および330の複数部分または実質的に全体を覆って配置されてもよい。反射体390は、半導体ダイ300によって放出される光の波長のうちの少なくともいくつかまたは全てに対して反射性であり、種々の材料を含んでもよい。一実施形態では、反射体390は、接点370、380を電気的に接続しないよう非伝導性である。反射体390は、ブラッグ反射体であってもよい。反射体390は、1つ以上の伝導性材料、例えば、銀、金、白金等の金属を含んでもよい。反射体390の代わりに、またはそれに加えて、接点370、380を除いた半導体ダイの露出表面は、絶縁材料、例えば、窒化ケイ素等の窒化物または二酸化ケイ素等の酸化物の1つ以上の層で被覆されてもよい。いくつかの実施形態では、接点370、380は、配線410に接続するための結合部分と、半導体ダイ300を通してより一様な電流を提供するための電流拡散部分とを備え、いくつかの実施形態では、絶縁材料の1つ以上の層は、接点370、380の結合部分を除いた半導体ダイ300の全体または複数部分を覆って形成される。
図3Cは、接点370、380を除いた半導体ダイ300の表面を覆う絶縁材料395を有するダイ300の概略図を示す。絶縁材料395は、例えば、窒化ケイ素、酸化ケイ素、および/または二酸化ケイ素を含んでもよく、または本質的にそれから構成されてもよい。そのような絶縁材料395は、半導体ダイ300の上部および側面の全体または複数部分、ならびに層330、340、および350の上部および側面の全体または複数部分を覆ってもよい。絶縁材料395は、接着剤を用いた接合動作の間または後に、接点370および380の間、配線410(
図4参照)の間、または両方の短絡を防止するように作用してもよい。
【0038】
図3A、3B、3C、および4を参照すると、半導体ダイ300は、融解あるいは接着剤510または基板400への他の損傷を防止するように、十分に低い電流および温度で動作する。例えば、半導体ダイ300の動作電流は、約50mA未満、10mA未満、またはいくつかの実施形態では、5mA未満であってもよい。いくつかの実施形態では、動作電流は、約1mAと約5mAとの間である。動作中の半導体ダイ300の接合点温度は、約100℃、90℃を超えなくてもよく、または80℃を超えなくてもよい。しかしながら、これは本発明にとって決定的ではなく、他の実施形態では、接合点温度は、基板400、接着剤510、またはシステムの他の構成要素を損傷しない、あるいは別様に悪影響を及ぼさない任意の値であってもよいことを理解されたい。PEN等の基板は、例えば、PETよりも高い温度に耐えることができ、当業者であれば、特定の用途に適切な基板材料を率直に選択することができる。
【0039】
好ましい実施形態では、半導体ダイ300、特にパッケージ化されていない半導体ダイ300の小さいサイズと、その上記の比較的低い動作温度および温度が、従来使用されているような比較的高い熱伝導率の基板、例えば、セラミック基板(Al
2O
3、AlN、または同等物等)または金属核プリント回路基板(MCPCB)、あるいは半導体ダイ300と熱的に連絡する離散または統合ヒートシンク(すなわち、周辺環境から熱を奪い、および周辺環境の中へ熱を伝導するように、フィン等の突起を有してもよい、プレートまたはブロック等の高度に熱伝導性の設備(例えば、金属またはセラミック材料を含む))の必要性を未然に防ぐ。むしろ、基板400自体が(ならびに、例えば、接着剤、配線、および周辺環境自体でさえも)、動作中に半導体ダイ300から熱を奪う十分な伝導を提供する。
【0040】
種々の好ましい実施形態では、基板400上の半導体ダイ300のうちの1つ以上は、LEDおよび/またはレーザ等の発光素子である。従来の発光アセンブリは、面積当たりの放出される量を最大化するように設計されている。各個別素子によって放出される光の量を増加させることを有する、そのような設計は、必然的に、各素子によって生成される熱の量の増加をもたらし、したがって、一般的には、素子(例えば、LED接合点)から周囲への低熱抵抗経路を必要とする。これらの発光アセンブリは、高価な材料および/または複雑な熱管理スキームの使用、例えば、高熱伝導率セラミック、熱接触パッド、金属核回路基板、大型ヒートシンク、およびファン等の活性冷却装置さえも介して、半導体ダイ(例えば、LEDおよびLEDの接合点)と周辺環境との間の熱経路に沿った熱抵抗を最小化してもよい。そのような素子は頻繁に、2.5℃/ワット(℃/W)未満または1℃/W未満の熱抵抗を有する。
【0041】
例えば、高輝度パッケージ化LEDを代表する、Cree XM−Lパッケージ化LEDは、2.5℃/Wの接合点からはんだ点までの熱抵抗を有する。Cree熱管理ガイドCLD−AP05 REV 2は、良好な設計により、はんだ点からヒートシンクまでの熱抵抗を1℃/W未満まで最小化することができると述べている。次いで、所与の許容接合点温度に対するヒートシンクから周囲までの熱抵抗は、以下のように計算することができる。
R
th.hs−a=(T
jmax−T
a−R
th.j−s×I×V−R
th.s−hs×I×V)/(I×V)
ここで、R
th.hs−aは、ヒートシンクから周囲までの熱抵抗であり、T
jmaxは、最高接合点温度であり、T
aは、周囲温度であり、R
th.j−sは、接合点からはんだ点までの熱抵抗であり、Iは、LED電流であり、Vは、LED電圧であり、R
th.s−hsは、はんだ点からヒートシンクまでの熱抵抗である。T
aが55℃になることを可能にし、T
jmax=150℃(Xm−Lスペックシートより)であると記述し、1Aおよび6VでLEDを操作する場合、LED電力は6ワットである。次いで、必要なヒートシンクは、12℃/WのR
th.hs−aを持たなければならない。したがって、接合点から周囲までの全熱抵抗は、2.5+1+12=15.5℃/Wである。比較的少量の光を放出するLEDは、比較的高い熱抵抗を有するパッケージを使用する。例えば、約20mAで動作するように設計されている部品は、一般的には、約300℃/Wの範囲内の熱抵抗を有する。
【0042】
対照的に、本発明の実施形態は、半導体ダイ300から周辺環境までの経路に沿った高い熱抵抗を特色とする。この高い熱抵抗は、経路に沿った個別構成要素、例えば、基板400、接着剤510、配線410等に該当してもよく、および/または集合的に経路の全体に該当してもよい。具体的には、経路に沿った熱抵抗、および/または経路に沿った構成要素のうちの1つ以上の熱抵抗は、約500℃/Wよりも大きく、約1000℃/Wよりも大きく、または約2000℃/Wよりも大きくてもよい。
【0043】
例えば、一実施形態では、LED300のp−n接合点から、基板400(この実施例では厚さ5ミルのPET)を覆う隣接配線400(この実施形態では銀)までの熱抵抗は、約1800〜2000℃/Wであると測定された。熱の一部は、配線400によって放散され、その一部は、基板400の裏を通って流れ、そこから外へ放射される。PETフィルムは、8〜18℃−cm
2/Wの範囲内の熱抵抗を有する。この実施形態で使用されるダイサイズは、250um×600umである。それを通って熱が流れる領域の一辺が1mmであると仮定した場合、面積は1mm
2であり、したがって、PETの熱抵抗は、面積(0.01cm
2)で割った13℃−cm
2/W(平均熱抵抗)または1300℃/Wである。1mm
2の面積を使用することは、ダイの小さいサイズおよびPETシートが厚さ5ミルしかないという事実を考慮すると過度に控えめである。50°の角度で放射する熱とともに、台形近似を使用して、ダイサイズおよびPETの裏面上の突起の平均として面積を見なすと、0.005cm
2の面積を生じる。この面積を使用すると、約2600℃/Wの熱抵抗を生じる。したがって、この実施例では、熱抵抗は、少なくとも2000℃/Wであり、PETを通して除去される熱の部分については、少なくとも4500℃/Wである。
【0044】
これらの計算に基づいて、本発明の実施形態は、従来の高輝度LEDよりも少なくとも100倍大きい、周囲に対する熱抵抗を有する。さらに、これは、比較的低い接合点温度、例えば、100°以下で、ある実施形態において達成することができる。いくつかの実施形態では、半導体ダイ300がp−n接合点を備えるときに、p−n接合点と、その上に配線410が形成される基板400の表面との間の距離は、100μm未満、または50μm未満、または30μm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、半導体ダイ300がLEDを備えるときに、層350(
図3B参照)と、その上に配線410が形成される基板400の表面との間の距離は、100μm未満、または50μm未満、または30μm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、半導体ダイ300がLED以外の素子を備えるときに、半導体ダイ300の発熱領域と、その上に配線410が形成される基板400の表面との間の距離は、100μm未満、または50μm未満、または30μm未満であってもよい。いくつかの実施形態では、p−n接合点(または半導体ダイ300の発熱領域)と周囲との間の熱抵抗を低減するために、p−n接合点または半導体ダイ300の発熱領域と、その上に配線410が形成される基板400の表面との間のより短い距離が採用されてもよい。
【0045】
本発明の実施形態は、接着剤を使用して柔軟な基板に取り付けられた発光半導体ダイを備える、照明アセンブリを有する。そのようなアセンブリは、基板400を覆って配置される発光要素のアレイを備える。いくつかの実施形態では、発光要素は、約3mmから約30mmの範囲内のピッチを有する二次元アレイで、基板400を覆って配置される。発光半導体ダイ300を採用する実施形態について、全体的な照明アセンブリまたはモジュールは、少なくとも100ルーメン、少なくとも1000ルーメン、または少なくとも3000ルーメンでさえも生成してもよく、および/または、それを覆って半導体ダイ300が配置される面積の約0.25ダイ/cm
2よりも大きい半導体ダイ300の密度を有してもよい。そのような発光システムは、100℃未満または80℃未満の接合点温度を有する、半導体ダイ300を特色としてもよい。そして、そのようなシステムの熱密度は、それを覆って半導体ダイ300が配置される面積の0.01W/cm
2未満であってもよい。さらに、本発明の実施形態によるシステムによって生成される熱密度は、約0.01W/cm
2未満、または約0.005W/cm
2未満でさえもあってもよい一方で、従来の発光素子は、一般的には、約0.3W/cm
2よりも大きい、または約0.5W/cm
2よりも大きい熱密度でさえも有してもよい。
【0046】
1つの従来のアプローチでは、例えば、照明アセンブリは、1つのLEDを有し、面積は、そのLED用のプリント回路基板(PCB)の面積である。同様の定義が、複数のLEDを有する照明アセンブリに使用されてもよく、つまり、面積は、その上にLEDが配置されるPCB面積である。これに基づいて、本発明と従来技術との間の比較は、蛍光灯で従来的に照射される、2’×2’反射板を使用して行うことができる。蛍光灯をLEDと交換することへの従来技術のアプローチは、光を拡散させる光学構成要素と組み合わせて、発光領域全体よりも有意に小さいPCBを使用することである。これは、光学要素をエッジ照明することによって達成されてもよく、その場合、LED用のPCBは、6in
2または38.7cm
2の面積に対して、約0.25”×長さ24”の寸法を有してもよい。LEDベースの蛍光灯代替ランプ(蛍光灯と同様の形状因子を有するが、LEDを使用して光を生成する照明構造)の場合、PCBは、24in
2または約155cm
2の面積に対して、約24”×1”であってもよい。これらの寸法は、2’×2’反射板に必要とされるものについて仮定される。2つの基板を仮定すると、基板面積は、わずか約500cm
2である。この値は、蛍光灯管代替品に対して高めであり、エッジ照明アプローチに対してはるかに高い。本発明の実施形態について、面積は、少なくとも7倍大きい、576in
2または3716cm
2である、2’×2’反射板全体の面積である。これらの照明器具の中のLEDが100lm/Wの効率を有すると仮定して、電力供給効率を考慮する前に、2’×2’反射板に対する標準光束である、3500ルーメンの生成は、35ワットを必要とする。LEDが50%効率である場合、約17ワットの熱が生成される。従来の場合、熱密度が、蛍光灯管代替品に対して0.034W/cm
2よりも大きく、エッジ照明アプローチに対して約5倍大きい一方で、本発明の実施形態は、約0.0045W/cm
2の熱密度を達成してもよく、ほぼ従来のアプローチよりも10分の1未満である。従来技術の熱密度に対して、本発明を使用して達成可能である、はるかに小さい熱密度は、付加的なヒートシンクを伴わない照明アセンブリまたはモジュールの動作を可能にする。
【0047】
図4は、本発明の種々の実施形態で使用するための例示的な基板400を描写する。基板400は、好ましくは、柔軟であり、すなわち、可撓性および/または変形可能であり、半導体ダイ上の接点が非平面的である実施形態においてさえも、半導体ダイを損傷することなく、圧力活性化接着剤を使用して、半導体ダイ上の接点と基板上の配線との間の電気的連結を可能にするように可撓性または剛性であってもよい。これは、例えば、
図5Aに示されるように屈曲するか、または
図5Bに示されるように変形する基板によって達成されてもよい。そのような変形は、弾性(負荷が除去された後に元の形状に戻る)または塑性変形(負荷が除去された後に永久変形を維持する)、あるいは弾性変形と塑性変形との組み合わせであってもよい。種々の実施形態では、基板は、屈曲および変形の両方を行ってもよい。いくつかの実施形態では、基板400は、可撓性であり、約1m以下、約0.5m以下、または約0.1m以下の曲率半径を有する。いくつかの実施形態では、基板400は、約100N/m
2未満、約50N/m
2未満、約10N/m
2または未満のヤング係数を有する。いくつかの実施形態では、基板400は、約100未満のショアA硬度値、約100未満のショアD硬度、および/または約150未満のロックウェル硬度を有する。
【0048】
基板400は、半結晶または非晶質材料、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、および/または紙を含んでもよく、または本質的にそれから構成されてもよい。基板400は、複数の層、例えば、剛性層、例えば、半結晶または非晶質材料を覆う、変形可能層、例えば、アクリル、アルミニウム、鋼鉄、および同等物を含む、剛性基板を覆って形成される、例えば、PEN、PET、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、および/または紙を備えてもよい。本発明の実施形態が利用される所望の用途に応じて、基板400は、実質的に光学的に透過性、半透過性、または不透過性であってもよい。例えば、基板400は、約400nmから約600nmの間に及ぶ光波長に対して80%よりも大きい透過率または反射率を示してもよい。いくつかの実施形態では、基板400は、半導体ダイ300によって放出される1つ以上の波長に対して80%よりも大きい透過率または反射率を示してもよい。基板400はまた、実質的に絶縁性であってもよく、約100オーム−cmよりも大きいか、約1×10
6オーム−cmよりも大きいか、または約1×10
10オーム−cmよりも大きい電気抵抗を有してもよい。
【0049】
図4に示されるように、配線に接続された素子またはダイに電気接続性を提供するように、少なくとも2つの伝導性配線410が基板400上に配置される。配線410は、離間され、素子またはダイのサイズ、および配線に接続される素子またはダイの上の接点間隔に基づいてサイズ決定され得る間隙420をその間に画定してもよい。例えば、間隙420は、約25μmと約1000μmとの間の範囲にあってもよい。配線410は、好ましくは、1つ以上の伝導性材料、例えば、金属または金属合金、炭素等を含む、または本質的にそれらから構成される。配線410は、従来の蒸着、フォトリソグラフィ、およびエッチング工程、めっき工程を介して形成されてもよく、または種々の印刷工程を使用して形成されてもよい。例えば、配線410は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、および/またはグラビア印刷を介して形成されてもよい。配線410は、銀、金、アルミニウム、クロム、銅、および/または炭素等の1つ以上の要素を含んでもよい、伝導性インクを含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよい。上述のように、本発明の好ましい実施形態は、配線410を覆うスタッド段差または同様の伝導性突起を利用せず、したがって、基板400と基板400に接合された素子との間の距離は、少なくとも部分的に配線410の厚さ(一般的には相互に等しい)によって画定される。配線410の厚さは、好ましくは、約10μm未満であり、さらにより好ましくは、約5μm未満である。配線410のうちの1つ以上の厚さは異なってもよいが、厚さは、処理を単純化するように、配線の長さに沿って実質的に略一様である。しかしながら、これは本発明の制限ではなく、他の実施形態では、配線の厚さまたは材料が基板400の上で異なってもよい。
【0050】
図5Aを参照すると、種々の実施形態において、半導体ダイ300は、基板400に結合されている(すなわち、取り付けられている)。半導体ダイ300への電気接続性を有効にするために、接点370、380は、一般的には、配線410に(例えば、直接)接着され、配線410と電気接触している。柔軟な基板400について
図5Aに示されるように、配線と接点との間の強力な信頼できる結合は、少なくとも配線410の間の領域500において屈曲する(すなわち、曲がるかまたは変形する)ことによって達成される。基板400は、接点370、380のそれぞれと、その対応する配線410(接点が接着される)との間の距離がほぼ同等であるように屈曲してもよい。好ましい実施形態では、接点370、380は、圧力活性化接着剤510を介して配線410に接着される。例えば、接着剤510は、圧力活性化ACAを含んでもよく、または本質的にそれから構成されてもよく、したがって、接点370、380は、ACA内の粒子等の伝導性構造を介して配線410に電気的に接続され得る一方で、接点370、380は、(配線410の場合のように)相互から電気的に絶縁されている。
【0051】
図5Bに示される別の実施形態では、電気伝導性が基板401の変形によって有効にされる。この実施形態では、半導体ダイ300または接点370、380の一部分が、領域501の領域中の基板401の一部分を変形させ、そのような変形によって、配線410と接点370、380との間の電気伝導性が有効にされる。
図5Bでは、基板401は、その上に伝導性配線410が形成される面の反対側の基板401の面の変形を伴わずに、表面領域あのみにおいて変形するものとして示されている。これは、本発明に必要ではないが、他の実施形態では、変形は、基板401の両面上で起こってもよい。実際、基板は、
図5Aおよび5Bに図示される挙動を組み合わせて、屈曲および変形の両方を行ってもよい。
【0052】
基板400が柔らかすぎる場合、半導体ダイ300および基板400にわたって印加される圧力が、配線410と接点370、380との間に電気接続を確立することに十分な力がACAに印加されずに、基板400の変形をもたらし得る。一方で、基板400が硬すぎる場合、ACAが配線410と接点370、380との間に電気接続を確立することができる前に、半導体ダイ300および基板400にわたって印加される圧力が、半導体ダイ300の破砕または破壊をもたらし得る。したがって、基板400に対する必要な変形能のレベルはまた、半導体ダイ300の機械的性質に依存し得、より強靭な半導体ダイ300が、比較的変形可能性が低い基板400の使用を可能にし得る。逆に、より脆弱な半導体ダイ300が、比較的変形可能性が高い基板400の使用を可能にし得る。当業者であれば、必要以上の実験がなくとも、特定の半導体ダイに対する適切な基板硬度の程度を直接的に決定し得る。いくつかの用途では、半導体ダイの靱性は、その厚さ、またはそれが加工される材料を変更することによって、変化させられ得る。
【0053】
基板400への半導体ダイ300の結合の間、接着剤510は、テープ等の固体とは対照的に、実質的に液体形態で、すなわち、ペーストまたはゲルとして分注されてもよい。接着剤510は、半導体ダイ300(例えば、接点370、380の少なくとも複数部分)または基板400(例えば、配線410の少なくとも複数部分)の複数部分、あるいは両方を覆って分注されてもよい。次いで、接点370、380は、半導体ダイ300、基板400、または両方への圧力の印加を介して、配線410と物理的に近接(または接触)させられ、それらに接着させられる。接着剤510は、いくつかの実施形態においては、ACAであるので、接点370、380と配線410との間の完璧な整列は必要ではなく、したがって、工程を単純化する。ACAを使用すると、伝導が、接点370、380と配線410との間の垂直方向のみで発生し、接点370、380の間または配線410の間において横方向には発生しないので、完全な整列は必要とされない。一実施形態では、半導体ダイ300および基板400が、実質的に剛性の表面と実質的に順応的な表面との間で圧縮されると、それにより、
図5Aおよび5Bに描写される基板400の屈曲または変形あるいは両方を可能にし、ならびに表面360の非平面性および/または接点370、380の間の非共平面性にもかかわらず、半導体ダイ300への結果として生じる導電性の信頼できる結合を可能にする。
【0054】
半導体ダイ300および基板400の圧縮(および好ましい実施形態では、接着剤510の圧力誘導活性化)の後または間に、接着剤510は、印加エネルギー、例えば、熱および/または紫外線によって硬化させられる。例えば、接着剤510は、接着剤の性質に応じて、約数秒から1分から約30分までの範囲の期間、例えば、約10分にわたって、約80℃から約150℃までの範囲の温度、例えば、約125℃まで加熱することによって硬化させられてもよい。
【0055】
別の実施形態では、接着剤510は、接点370、380と、それぞれの配線410との間の領域520中の異方性導電接着剤を含む。そのような実施形態では、配線410の間および接点370、380の間の領域530中における絶縁は、接着剤510の欠如を介して、または第2の非伝導性接着剤の存在を介して維持されてもよい。接着剤510は、好ましくは、点370、380の間および/または配線410の間に望ましくない電気的短絡をもたらす場合がある、完全に金属の基質よりもむしろ、ポリマー基質を特色とする。いくつかの実施形態では、接着剤510は、半導体ダイ300によって放出される光の少なくともいくつかの波長または全てに波長に対して反射性であってもよい。
【0056】
図6Aは、上記で説明されるように伝導性配線410の間に接着された半導体ダイ300のアレイを特色とする電子素子600を描写している。示されるように、電子素子600は、半導体ダイ300の3つの直列に接続された列610を含む。電子素子600はまた、列610のうちの1つ以上に電気的に接続された回路620も含む。回路620は、駆動回路、センサ、制御回路、調光回路、および/または電力供給回路、あるいは同等物の複数部分(例えば、分散電力供給/ドライバの場合)または実質的に全てを含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよく、また、基板400に(例えば、接着剤を介して)接着され、または別様に取り付けられてもよい。回路620は、それ自体が基板400に機械的および/または電気的に取り付けられてもよい、回路基板(例えば、プリント回路基板)上に配置さえされてもよい。他の実施形態では、回路620は、基板400から分離される。
図6Aが、列610において直列に接続された半導体ダイ300、並列に接続される、または接続可能である(
図7Aおよび7Bも参照)列610を描写する一方で、他のダイ相互接続スキームが可能であり、本発明の範囲内である。
【0057】
さらに、1つ以上の半導体ダイ300が、
図6Aに描写されるものと同様に、または異なる様式で、基板100の裏面上の配線410に結合されてもよく、および/または、その上に半導体ダイ300および配線410を有する複数の基板400が、多層素子を形成するように積み重ねられてもよい。これらの実施形態では、基板400または複数の基板400の表または裏にダイを伴って、各層内ならびに各層上のダイは、全て同じであってもよく、または異なってもよく、例えば、異なる層上の半導体ダイ300は、異なる波長で光を発してもよい。基板の裏面上にある、または複数の層の中に配置された半導体ダイ300を有する、素子では、各層は、独自の専用回路620を有してもよく、回路620の全体または一部が、半導体ダイ300の層および/またはグループ間で共有されてもよい。回路620は、その開示全体が本明細書で参照することにより組み込まれる、2010年12月30日出願の米国特許出願第12/982,758号で説明されている実施形態のうちのいずれかの実質的に全てまたは複数部分を含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基板400の裏または表、あるいは複数の層の上の半導体ダイおよび/または回路要素が、ともに電気的に連結されてもよい。
【0058】
電子素子600は、柔軟な基板400に基づいてもよいため、柔軟な基板材料のシートが異なる処理ステーションを通って進む、ロールツーロール工程で形成されてもよい。そのようなロールツーロール処理は、例えば、配線410の形成、接着剤510の分注、および半導体ダイ300の配置、ならびに任意の付加的な基板の結合および/または(以下で詳述されるような)1つ以上の蛍光体材料の形成を含んでもよい。加えて、電子素子600はまた、例えば、例えば、センサ、アンテナ、レジスタ、インダクタ、コンデンサ、薄膜バッテリ、トランジスタ、および/または集積回路を含む、基板400に取り付けられた他の受動および/または能動電子素子を含んでもよい。そのような他の受動および/または能動電子素子は、接着剤510を用いて、または他の手段によって、配線または半導体ダイ300に電気的に連結されてもよい。
【0059】
さらに、
図6Bに示されるように、2つ以上の半導体ダイ300が、同じ配線410に並列に(すなわち、配線間の同じ間隙420内で)接続されてもよく、したがって、単一の半導体ダイ300の故障の場合に増進した機能性および/または冗長性を提供する。好ましい実施形態では、同じ間隙420を横断して接着された半導体ダイ300のそれぞれは、(例えば、実質的に同じく同電流で)相互と並行に動作するだけでなく、単一の間隙内に配置された半導体ダイ300の全てを操作する累積駆動電流に対応する駆動電流で、過熱または損傷なく動作するようにも構成される。したがって、間隙420を横断して接着された半導体ダイ300のうちの1つ以上の故障の場合、残りの1つ以上の半導体ダイ300は、より高い駆動電流で動作し続ける。例えば、LEDまたはレーザ等の発光素子を含む、または本質的にそれらから構成される、半導体ダイ300について、同じ間隙を横断して1つ以上の他の素子に並列に接続された素子の故障は、他の素子をより高い電流で動作させ、したがって、増加した強度の光を生成し、それにより、機能しなくなった素子の故障を補う。
【0060】
図6Bはまた、上記で説明される異なる接着スキームのうちの2つを図示する。半導体ダイ300のうちの1つが、ダイの端部のみにおいて接着剤510を介して配線410に接着される一方で、配線間の間隙内の端部間では、第2の接着剤630(好ましくは非伝導性である)が、半導体ダイ300の中間部分を基板400に接着する。いくつかの実施形態では、第2の接着剤630は、非伝導性であり、伝導性接着剤510の2つの部分の間および/または配線410の間および/またはダイ300の2つの接点の間の短絡を防止する。示されるように、他方の半導体ダイ300は、半導体ダイ300の底面の全体に接触する接着剤510で、配線410の間に接着される。上記で説明されるように、接着剤510は、好ましくは、垂直方向のみに(
図6Bのページの平面外に)電気伝導を可能にするが、相互から配線410を絶縁する、圧力活性化ACAである。他の実施形態では、1つ以上の半導体ダイ300が、同じ間隙420内で配線410の間に接着されるが、間隙420内で少なくとも1つの付加的な半導体ダイ300を接着するように、(配線410の複数部分を含む)間隙420内に十分な「土台」がある。そのような実施形態では、最初に間隙420内で接着された1つ以上の半導体ダイ300が故障した場合、1つ以上の半導体ダイ300(最初の半導体ダイ300のうちのいずれかと実質的に同一である、または異なる)が、「再加工」工程において間隙420内で接着されてもよい。例えば、
図6Bを参照すると、描写した半導体ダイ300のうちの一方のみが、最初に配線410に接着されてもよく、他方の半導体ダイ300は、後に、例えば、最初のダイの故障後に接着されてもよい。
【0061】
図7Aおよび7Bは、本発明の種々の実施形態による電子素子で利用されてもよい、電気配線410の2つの異なるレイアウトを概略的に描写する。
図6Aと同じように、
図7Aおよび7Bは、複数の半導体ダイ300を直列に相互接続するように構成される配線410の並列の列610を描写する(半導体ダイ300のための結合場所を表す間隙702が
図7Aで示されている一方で、
図7Bでは明確にするために省略されている)。
図7Aでは、各列610は、一方の端に接点700を、他方の端に接点710を有する。種々の実施形態では、接点700が、動作電流または電圧を半導体ダイ300に印加するための「駆動」設定である一方で、接点710は、「共通」または接地接点である。
図7Bでは、各列610は、基板400を横断して延在し、後戻りして、その始点付近の点に戻って延在し、両方の接点700、710が基板400の一側面上に配置されることを可能にする。
図7Bでも示されるように、複数の列610のための接点700、710のいずれか一方または両方は、(
図7Bの接点710で示されるような)共有接点の中へともに接続されてもよく、そのようなスキームは、半導体ダイ300および/または列610のレイアウトおよび相互接続を単純化してもよい。
図7Aおよび7Bに描写されるレイアウトが、正方形または長方形のグリッドの中で半導体ダイ300を位置付ける一方で、半導体ダイ300は、他の方法で配設されてもよい。同様に、配線410は、示されるように、実質的に真っ直ぐであってもよく、または曲線状、波形、非並行であってもよく、または他の方法で配設されてもよい。
【0062】
半導体ダイ300のうちの1つ以上がLEDまたはレーザ等の発光素子である、実施形態では、蛍光体材料が、ダイによって放出される光の少なくとも一部分の波長を別の所望の波長(次いで、より大型の素子単独から放出される、またはダイによって発せられた元の光の別の部分と混色される)に転換するように組み込まれてもよい。本明細書で使用されるように、「蛍光体」とは、それを照射する光の波長を転換する、および/または発光性、蛍光性、および/またはリン光性である、任意の材料を指す。蛍光体は、粉末または粒子を含み、そのような場合、結合剤、例えば、シリコーン中で混合されてもよい。本明細書で使用されるように、蛍光体は、粉末または粒子、あるいは結合剤を加えた粉末または粒子であってもよい。
図8A−8Dは、蛍光体を柔軟な基板400に接着された半導体ダイ300と一体化させるための例示的な手順を描写する。
図8Aは、それぞれ2つの伝導性配線410の間の間隙420を横断して基板400に接着された2つの半導体ダイ300の断面図を描写する(基板400の屈曲および/または変形、半導体ダイ300の非平面性、および接着剤510は、明確にするために図から省略されている)。半導体ダイ300のうちの1つ以上が開口部810(
図8B)内に位置付けられるように、基板400上の半導体ダイ300のうちの1つ以上に対応する開口部810(好ましくは、基板800の厚さ全体を通して延在する)を有する、基板800が、提供され(
図8A)、基板400に結合される。基板800は、柔軟であるかまたは実質的に剛性であってもよく、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、および/または紙等の材料を含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよい。
【0063】
図8Cに示されるように、基板800の中の開口部810は、半導体ダイ300の周囲に「井戸」を形成する。基板800が基板400に結合された後、蛍光体820が、開口部810の中に半導体ダイ300を覆って配置され、および少なくとも部分的に半導体ダイ300を包囲する(例えば、半導体ダイ300の1つ以上の側面上にあるが、必ずしも半導体ダイ300と接触していない)ように、蛍光体820が開口部810のうちの1つ以上の内側に提供される。示されるように、蛍光体820は、開口部810を実質的に充填してもよく、半導体ダイ300と接触していてもよい。他の実施形態では、蛍光体820が開口部810(
図8Cの右開口部810を参照)内に配置される(およびその残りの部分を実質的に充填してもよい)前に、光透過性材料830(例えば、シリコーンまたはエポキシ)が、開口部810のうちの1つ以上の内側に提供され、それらを部分的に充填する。この「遠隔蛍光体」配設は、半導体ダイ300からある距離を置いて蛍光体820を位置付け、それは、半導体ダイ300の動作が蛍光体820を有害に加熱することを防止し、したがって、その寿命を延長し、および/またはその効率を向上させてもよい。いくつかの実施形態では、開口部810は、蛍光体820または透明材料830で完全には充填されない一方で、他の実施形態では、開口部810は、蛍光体820または透明材料830で過剰充填される。開口部810は、いずれの蛍光体820も有していなくてもよく、および/またはいずれの透明材料830も有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、複数の光透過性および蛍光体材料が、層または他の構成で形成される。
【0064】
図8Dに示されるように、保護フィルム840が、任意に、基板800および開口部810の実質的に全体を覆って、またはその内側に蛍光体820および/または透明材料830を有する開口部810を少なくとも覆って、配置されてもよく、それにより、周辺環境、湿気、および同等物から蛍光体820および/または半導体ダイ300を保護する。フィルム840は、透明であってもよく、または半導体ダイ300によって発せられ、蛍光体820によって転換された光が、基板400に向かって反射され、基板400から放出されるように、反射性であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の異なる蛍光体820が、半導体ダイ300より上側の開口部のうちの1つ以上の中に配置される。つまり、1つの井戸810が、1つより多くの種類の蛍光体820および/または透明材料830を有してもよい。異なる井戸810が、例えば、異なる蛍光体820および/または異なる透明材料830を有してもよい。一実施形態では、異なる半導体ダイ300(例えば、異なる波長で光を放出する)が、同じまたは異なる蛍光体820および/または透明材料830と関連付けられてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、開口部810の側壁は、(
図8Cに示されるように)基板400の表面と実質的に垂直ではないが、半導体ダイ300からの光の出力結合および/または蛍光体820からの出力結合を促進するように傾斜しているか、あるいは別様に成形および/またはパターン化される。開口部810の側壁は、半導体ダイ300によって放出される光または蛍光体820からの光に対して反射性でさえあってもよい(例えば、反射性材料で被覆される)。レンズまたは拡散器等の光学要素が、半導体ダイ300および/または蛍光体820より上側に位置付けられてもよい。井戸810は、用途に適切な任意の形状、例えば、丸、長方形、六角形、または任意の恣意的な形状を有してもよい。異なる井戸810が、実際に、異なる形状を有してもよい。
【0066】
蛍光体820は、例えば、1つ以上のケイ酸塩、窒化物、量子ドット、または他の光変換材料を含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよく、光透過性結合剤(例えば、シリコーンまたはエポキシ)中で懸濁されてもよい。1つ以上の蛍光体820とともに使用するための半導体ダイ300は、本質的に青色光または紫外線を発してもよく、(複数の)蛍光体820の使用は、実質的に白色であり、約2000Kから約7000Kに及ぶ相関色温度(CCT)を有してもよい、総合色をもたらしてもよい。そのようなダイの実施例は、GaN、InN、AlN、およびこれらの二元化合物の種々の合金を含むものを含む。
【0067】
図9A−9Dは、半導体ダイ300から放出される光の少なくとも一部分についての波長変換のための遠隔蛍光体を特色とする、本発明の別の実施形態を図示する。
図9Aは、2つの伝導性配線410の間の間隙420を横断して基板400に接着された導体ダイ300を含む、電子素子600と同様の電子素子900の一部分を描写する(基板400の屈曲および/または変形、半導体ダイ300の非平面性、および接着剤510は、明確にするために図から省略されている)。
図9Bに示されるように、半導体ダイ300の屈折率との良好な光結合を提供するように設計されてもよい、光透過性材料910が、半導体ダイ300上に形成される。いくつかの実施形態では、透過性材料910の屈折率は、約1.0と約1.65との間である(例えば、1.4から1.57までの範囲にある)。透過性材料910は、半球形状を有するものとして図示されているが、これは、本発明に必要ではなく、透過性材料910は、事実上あらゆる形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、透過性材料910は、蛍光体920および/または反射層930の表面積を増大させるために、表面形状またはテクスチャによってパターン化される。
【0068】
蛍光体920(または異なる蛍光体の複数の層)が、
図9Cに示されるように、材料910を覆って形成される。蛍光体920は、蛍光体820を参照して上記で説明される材料のうちのいずれか1つ以上であってもよく、材料910は、半導体ダイ300から蛍光体920を物理的に分離する。本発明の種々の実施形態が、蛍光体920を通して周辺環境の中へ混色または変換された光の放出を可能にするために、
図9Cの構造を利用する一方で、
図9Dは、反射層930が蛍光体920を覆って形成される、好ましい実施形態を描写する。
図9Dの実施形態では、変換または混色された光は、蛍光体920と相互作用した後に反射層930から反射し、基板400を通して素子900から放出される。反射層は、例えば、高度鏡面または拡散反射体であってもよい。一実施形態では、反射層930は、金属、例えば、アルミニウム、銀、金、または同等物である。反射層930は、白色反射体、例えば、MCPETであってもよい。その開示が参照することにより本明細書に組み込まれる、Donofrio,R.L.,“Phosphor Screening,” SID Sixth International Conference on Advanced Displays(1997),pp.89−95で説明されているものを含む、種々の蛍光体堆積技法が採用されてもよい。好ましい実施形態では、高度反射層360は、一様な厚さを有する蛍光体920の共形被覆を塗布するために電気泳動析出が採用されてもよいように、導電性材料を含む。
【0069】
一実施形態では、ダイ300は、青色光940(
図9D)を放出する。動作中、LED300によって放出される青色光940は、蛍光体層920と相互作用する。光のうちのいくらかは、蛍光体層920の中の蛍光体粒子によって吸収され、そうするとすぐに、光は異なる波長で再び発せされる。青色光940の残りは、高度反射面930から鏡面的に反射される。この青色光のうちのいくらかは、蛍光体層920の中の蛍光体粒子によって再び吸収され、再び放出される。蛍光体から再び発せられた光は、蛍光体粒子によって等方的に放出される。光の実質的に全てが透過性材料910の中へ放出されるように、光の半分は、高度反射面930から鏡面的に反射される。発せられた光の角度に応じて、光は、蛍光体層930の外面に交差する(光線950によって示される)、または透明基板400を介して空洞から退出する(光線960によって示される)。
【0070】
図10は、蛍光体920が、材料910を覆うよりもむしろ基板400の上で直接形成される、(蛍光体920の鎖線部分は配線410の前および/または後に配置された部分を表す)素子900の別の実施形態を描写する。
図10の実施形態では、半導体ダイ300から発せられた光は、基板400に向かって反射層930によって後方に反射され、光の少なくとも一部分は、基板400から発せられた総合光が所望の波長または波長の混合(例えば、白色光)であるように、蛍光体920と相互作用する。
図9Dおよび10の実施形態では、配線410は、光の所望されない遮断または後方反射を防止するために、比較的狭くてもよく、または実質的に透明であってもよい。例えば、透明配線410は、インジウムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、カーボンナノチューブ、グラフェン、および/またはポリ(スチレンスルホン酸)でドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の伝導性ポリマーを含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよい。
【0071】
図11に示されるように、材料910、蛍光体920、および反射層930は、基板1110の中のくぼみ、空洞、または他の開口部1100内に形成されてもよく、これらの層が、
図9Dの実施形態と同様に半導体ダイ300を覆って配置されるように、基板400に結合される。そのような実施形態では、材料910は、省略さえされてもよい(すなわち、空気または真空であってもよい)。明示的に描写されていないが、反射層930は、基板1110のくぼみの中に形成されてもよく、蛍光体920は、
図10の構造に似た構造を形成するために、基板400上で半導体ダイ300に近接して形成されてもよい。基板1110は、柔軟であるか、または実質的に剛性であってもよく、半導体ダイ300からの光が基板400を通して放出される際に、光学的に半透過性または不透過性でさえあってもよい。空洞1100は、好ましくは、形状が実質的に半球状であるが、また、他の形状、例えば、楕円形、放物面、双曲面、または錐体(3つ以上の実質的に平面的な側面を有する)を成してもよい。いくつかの実施形態では、空洞1100は、蛍光体920および/または反射層930の表面積を増大させるために、表面形状またはテクスチャでパターン化される。一実施形態では、透過性材料910に対面する基板400の表面は、該表面からの反射を最小化するように、反射防止被覆で処理される。
【0072】
本発明の実施形態は、限定することなく以下を含む多数の利点を提供する。最初に、透過性材料910、例えば、空気、エポキシ、またはシリコーンが、LEDダイから蛍光体層370および380を熱的に絶縁し、熱的急冷の危険性を軽減する。第2に、2色性鏡が必要とされず、製造可能性を多大に向上させ、コストを削減する。代わりに、鏡面360が、それに入射する蛍光体粒子によって放出されるあらゆる光を、蛍光体層920を通して透明基板400へと後方に反射する。第3に、遠隔蛍光体シェルの半球形状が、LEDダイ300によって発せられた青色光に暴露される蛍光体層920の表面積を2倍にする。これは、透過性材料910によって画定される基板400の中の円形開口部の光束発散度を効果的に2倍にする。(言い換えれば、増大した蛍光体層表面積により、透明基板400を通して全ての角度から見た際の開口部の放射輝度を効果的に2倍にする。)
第4に、YAG:Ce蛍光体は、透過モードでは約20重量%の濃度で飽和するが、反射モードでは50重量%〜60重量%の濃度で飽和することが示されている(例えば、Yamada,K.,Y.Imai,and K.Ishi,“Optical Simulation of Light Source Devices Composed of Blue LEDs and YAG Phosphor,” Journal of Light & Visual Environment 27(2):70−74(2003)(以降では「Yamadaら」)を参照)。したがって、蛍光体層920は、より高い濃度を有し、よって、増大した変換効率を提供してもよい。Yamadaらによって実証されているように、50%の増大した変換効率が、YAG:Ce蛍光体材料で可能である。第5に、青色InGaN LEDおよびYAG:Ce蛍光体によって生成される光の色度が、透過モードと対比して反射モードでは、蛍光体濃度に伴ってかなり少ない変動を示すことも示されている(例えば、Yamadaら参照)。したがって、本発明は、蛍光体層920の厚さおよび一様性に対する緩和した製造公差を提供してもよい。
【0073】
第6に、鏡面930は、その入射角にかかわらず、およびLEDダイ300からの散乱青色光であるか、または蛍光体層920から発せられた光であるかどうかにかかわらず、入射光を反射する。第7に、蛍光体層表面から発せられた放射は、ランバート分布を有する。これは、反射した青色光および蛍光体が発した光の両方を含む。放射光束移動論理および形態因子幾何学形状に従って、この光の正確に一方の半分が、基板400に入射する一方で、他方の半分は、蛍光体層に入射する。その波長に応じて、この光は、蛍光体粒子をさらに励起させ、それにより、蛍光体の下方変換効率をさらに向上させる、正の光フォードバックの形態を提供してもよい。(例えば、YAG:Ceの励起および発光スペクトルは、約475nmから525nmの領域内の発せられた光が、吸収されるよりもむしろ蛍光体を自励するように、この領域中で重複する。)
透過性材料910の形状は、名目上半球である。それがより浅い場合、蛍光体層の表面積が縮小され、それは、透過性材料910によって画定される基板400の中の円形開口部の光束発散度を低減する傾向がある。しかしながら、LEDダイ300からの光は、空洞の周辺において、蛍光体表面に対して垂直入射しない。これは、フレネル方程式によれば、蛍光体層からの鏡面反射を増加させる傾向があり、それは、円形開口部の光束発散度を増進させてもよい。透過性材料910がより深い場合、光の半分より多くが、空洞内で複数の反射を受け、それは、光束発散度を低減する傾向がある。しかしながら、これは、蛍光体層の自己励起によって相殺されてもよい。次いで、実践では、露出した蛍光体層表面の双方向反射分布関数(BRDF)、および独自の発光から蛍光体の自己励起によって提供される光学利得に応じて、透過性材料910の半球形状よりも深いまたは浅い形状が、最適であってもよい。したがって、最適な空洞形状は、楕円形、放物面、または双曲面であってもよい。それはまた、3つ以上の平面的な側面を有する錐体であってもよい。
【0074】
鏡面930により蛍光体粒子によって発せられ、蛍光体層920によって散乱された光の半分の反射は(平均で)、透過性材料910によって画定される基板400の中の円形開口部から発せられた光を均質化する傾向がある。これは、結果として、強度または色の一様性の両方を向上させ、蛍光体層の厚さおよび蛍光体粒子の密度に対する製造公差をさらに緩和する。
【0075】
図12Aは、本発明の種々の実施形態による、電子モジュール1200(例えば、照明モジュール)の実施例を示す。モジュール1200は、比較的薄い外形を有する略平面形状を有する。その最初の状態または静止状態で、モジュール1200は、平坦、1つの方向に曲線状、2つの方向に曲線状であってもよく、またはより複雑な曲率を有してもよい。モジュール1200は、その上に半導体ダイ300のアレイ(この図では示されていない)を有する、実質的に柔軟な基板400を特色としてもよい。半導体ダイ300は、基板400上の規則的またはランダムなアレイで配設されてもよい。半導体ダイ300がLEDを備える実施形態では、アレイの中のLEDピッチ(つまり、アレイの中のLEDの間の間隔)は、約2mmから約25mmまで様々であってもよい。一実施形態では、LEDピッチは、モジュール1200用のLEDからの必要な総光量を1つのLEDによって放出される光で割ることによって、判定される。LEDピッチは1つのLEDによって放出される光の量の関数であることが、当業者に明白となるであろう。例えば、比較的大きいLEDピッチで比較的多くの光を放出する、比較的少ないLEDによって生成されるのと同じ総光量が、比較的少ない光を放出するが比較的小さいLEDピッチを有する、比較的多くのLEDを使用して、生成されてもよい。一実施形態では、LEDピッチは、少なくとも部分的に、LEDとあらゆる関連光学部品または拡散器(例えば、プレート1240に、または別様に組み込まれる)との間の距離によって判定される。一実施形態では、LEDピッチは、LEDと関連拡散器との間の距離と同様であり、または実質的に同じである。
【0076】
1つ以上の回路基板が、基板400に連結されてもよい。示されるように、3つの回路基板1210、1220、1230が、基板400に取り付けられる。回路基板1210、1220、1230は、基板400の縁に位置付けられるために、長くて細長い長方形の形状を有してもよい。駆動回路、例えば、電流源構成要素の複数部分または全体が、柔軟であってもよい、または実質的に剛性であってもよい回路基板1210、1220、1230のうちの1つ以上の上に配置されてもよい。実施形態では、回路基板1210、1220、1230のうちの1つ以上は、例えば、種々の構成要素を個々の半導体ダイ300に接続するコネクタ、伝導性接着剤、異方性導電接着剤またはフィルム、あるいは伝導性エポキシまたは可撓性コネクタで、基板400に取り付けられたプリント回路基板(PCB)を含む、または本質的にそれから構成される。一実施形態では、回路基板1210、1220、1230は、可撓性コネクタで基板400に電気的に連結され、基板400に対する回路基板1210、1220、1230の位置付けにおける融通性を可能にする。
【0077】
任意に、透明プレート1240が、基板400の上に位置してもよい。実施形態では、プレート1240は、ダイ300によって放出される光が種々の蛍光体堆積物に照射するように、発光半導体ダイ300と整列する、
図12Bに示されるような蛍光体920の局所的堆積物でパターン化される。好ましい実施形態では、半導体ダイ300からの光および蛍光体920から放出される光の組み合わせが、種々の相関色温度(CCT)のうちのいずれかで白色光を生成する。他の実施形態では、蛍光体920は、
図9A−9D、10、または11に示されるように、半導体ダイ300を覆って形成され、またはプレート1240の表面上で実質的に連続的な層として形成さえされてもよい。
図12Bは、
図12Aに示されるモジュール1200の角の拡大図である。示されるように、回路基板1210は、透明プレート1240用の位置停止部の役割を果たしてもよい。同様に、他の回路基板1220、1230は、プレート1240に対する機械的位置参照を提供してもよい。
図13は、基板400、回路基板1210、1220、1230、および蛍光体920の堆積物を有するプレート1240を示す、モジュール1200の分解図を描写する。
【0078】
本発明の種々の実施形態は、異なる物理的構成を特色とする。例えば、モジュール1200は、1つ、2つ、4つ、またはそれ以上の回路基板を有してもよい。回路基板のうちの1つ以上は、必ずしも基板400の縁の全長に延在しなくてもよく、および/または2つ以上の回路基板が、基板400の同じ縁に付加されてもよい。回路基板は、基板400の縁と同一平面で位置しなくてもよいが、むしろ1つ以上の縁に覆い被さってもよく、または縁から離れてある距離に位置付けられてもよい。材料の空白(すなわち、蛍光体920の堆積物がなく、光透過性である)部分が、プレート1240用の付加的なロケータとして追加されてもよい。プレート1240は、レンズ、導波管、反射体、回折器、および/または拡散器等の光学部品を含んでもよい。
【0079】
電子モジュール1200は、1つ以上のタイルのアレイを生成するように、ワイヤボンド、はんだ付けされたジャンパワイヤ、可撓性コネクタ、異方性導電フィルム、または他の電気接続の手段を用いて異なる基板400を組み立てることによって、加工されてもよい。そのようなモジュール1400の実施形態は、示されるように、複数の基板400から加工される、
図14に示されている。基板400は、平面的なキャリア1410の上に載置されてもよく、回路基板、例えば、回路基板1210、1220、1230によって、1つ以上の側面上に結合されてもよい。モジュール1200について上記で説明されるように、モジュール1400はまた、種々の基板400上で半導体ダイ300と整列する蛍光体920または光学要素の領域を有するプレート1240を特色としてもよい。
【0080】
回路基板1210、1220、1230および複数の基板400のうちのいずれかまたは全ては、例えば、一般または建築用照明用途のため、またはLCDディスプレイパネル用のバックライトユニットとして、広範囲の使用に好適である、実質的に一定の輝度分布を有する薄いパネルを形成するように、蛍光体および/または光学要素を伴って、または伴わずに、単一の大面積透明キャリア1410の上に載置されてもよい。
図15は、複数の基板400、回路基板1210、1220、1230、ならびに蛍光体920および/または光学要素の領域を有するプレート1240を示す、そのような電子モジュール1400の分解図を示す。いくつかの実施形態では、モジュール1400の中の種々の基板400のうちのいずれかまたは全ては、相互と異なってもよく、例えば、異なる数および/または種類の半導体ダイ300、蛍光体および/または光学要素をサポートする。例えば、異なる基板400’が、内部位置に使用されてもよく、さらに別の異なる基板400’’が、角位置に使用されてもよい。個々の基板400は、正方形、長方形、六角形、三角形、L字形、あるいは任意の他の同一または非同一形状であってもよい。いくつかの実施形態では、蛍光体920は、全ての場所で同じ種類の蛍光体である一方で、他の実施形態では、異なる蛍光体が、異なる場所で使用されてもよい。蛍光体920は、例えば、
図8−11に示されるように、プレート1240の上以外で統合されてもよい。モジュール1200の形状は、決定的ではなく、これらのモジュールは、設計、建築、または照明の必要性を満たすように、例えば、長方形、正方形、六角形、または任意の他の形状であってもよい。
【0081】
図16Aは、部屋の占有、周辺光、または当業者に公知である他の環境要因のような特徴を検出するためのセンサ1610を含む、電子モジュール1600を描写する。1つ以上のそのようなセンサ1610が、モジュール1600に含まれてもよく、したがって、モジュール1600は、1つよりも多くの環境要因を検出してもよい。センサ1610からのフィードバック(すなわち、信号)は、モジュール1600を操作するために使用されてもよく、例えば、1つ以上の半導体ダイ300を操作する。例えば、発光半導体ダイ300は、オンまたはオフにされてもよく、あるいは(即時に、または時間遅延後に)そこからの発光を薄暗くするよう操作されてもよい。駆動回路1620が、モジュール1600内に載置されてもよく、センサ1610からのデータがモジュール1600を操作することを可能にするように、フィードバックシステムを含んでもよい。駆動回路1620は、調光回路を含んでもよく、または本質的にそれから構成されてもよい。モジュール1600はまた、支持材1630(例えば、プレキシガラスまたは別の実質的に剛性の材料を含む、または本質的にそれから構成される)、支持フレーム1640、およびそれに取り付けられた1つ以上の半導体ダイ300を有する基板400を含んでもよい。カバープレート1650(例えば、プレキシガラスまたは別の実質的に透明あるいは半透明の材料を含む、または本質的にそれから構成される)もまた、付加的な光学部品を含んでもよい。
【0082】
種々の実施形態では、光センサ1610が、照明器具によって実質的に照射される周囲をサンプリングするように、光センサ1610が、照明器具として機能する複数のモジュール1600のそれぞれに組み込まれてもよい。光強度が、ある閾値レベルよりも大きい場合、照明器具の中のモジュール1600は、感知した光強度(すなわち、周囲の他の光源、例えば、太陽光、およびモジュール1600自体からの総合光強度)が閾値である点まで、薄暗くされる。このようにして、1つ以上のモジュール1600を組み込む新しいまたは改造ユニットが、高価な中央照明制御システムを設置する必要なく、日光の収穫を通して大幅なエネルギー節約を提供してもよい。これは、既存の建築物または他の設備の中の中央制御システムに必要とされる配線を設置する必要性を除去するため、改造ユニットを設置するときの特定の利点である。
【0083】
別の実施形態では、占有センサ1610が、照明器具として機能する1つ以上のモジュール1600に組み込まれる。上記で論議されるのと同様に、占有センサ1610は、照明器具によって照射される領域をサンプリングし、占有者が存在しない場合、照明器具を薄暗くする、またはオフにする。これは、1つだけの光が占有領域にわたってオンである、「光柱」状況を伴わずに、エネルギー節約をもたらしてもよい。そのようなモジュール1600はまた、モジュール間の通信用の低レベル通信システムを組み込んでもよい。通信システムは、エネルギーを節約しながら向上した光の質を提供するように、近くの照明器具の同期化を可能にしてもよい。そのような動作はまた、日光の収穫と同期化されてもよい。異なる通信技法が、これに使用されてもよいが、種々の実施形態は、1つ以上の発光半導体ダイ300が、通信信号を提供するように高い周波数で変調される、有線、無線、または光学通信を使用してもよい。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態では、上記の制御回路は、好ましくは、変調/復調回路を含み、伝送および/または受信した通信を処理するために、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または同等物等の回路さえも含んでもよい。信号は、例えば、モジュール1600を組み込むマスタ照明システムの動作を調整するコマンドを表してもよい。好適なネットワークおよび通信回路が、当技術分野においてよく特徴付けられ、そのような照明システムを相互通信するネットワークシステムを、必要以上の実験なしで直接的に構成することができる。
【0085】
種々の実施形態では、各モジュール1600は、その最も近い隣接モジュール1600(または他の発光設備)の状態を感知し、感知したことに基づいて何らかの措置を講じ得る。例えば、
図16Bに描写されるように、モジュールAは、その局所領域中の個人を感知し得る。周辺モジュールB、C、D、およびEは、それらの局所領域中の個人を感知しなくてもよいが、Aが光を発していることを感知する。制御システムは、この状況について、モジュールB、C、D、およびEによって照射される領域中の所望の光レベルが75%である(モジュールAによって放出される光レベルと比較して)ように、プログラムされてもよい。次に最も近い隣接モジュール(図示せず)もまた、それらの局所領域中における占有を感知しなくてもよいが、それらの隣接モジュールが75%で発光していることを感知し、したがって、例えば、公称レベルの50%という値で発光してもよい。隣接モジュールの複数のレベルへのこのスキームの拡張は、占有を検出し、占有者の周囲に光を提供するが、占有者に快適な方式でエネルギーを節約するように不必要な光をオフにするようにモジュールにわたって自己調整する自律システムをもたらす。再度、プログラム可能な制御回路および好適なセンサが、当技術分野において従来的であり、必要以上の実験なしで、所望のセンサ応答性照明状態(例えば、感知した占有に基づく光減少パターン)を達成するようにプログラムされてもよい。
【0086】
図17に示される実施形態では、電子モジュール1700(モジュール1500および/または1600と同様である)は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)アセンブリ用のバックライトユニット(BLU)として動作する。照明モジュール1700は、基板1240(好ましくは光学的に透過性である)上の蛍光体920の領域を照射する基板400に接着された発光半導体ダイ300(例えば、LEDおよび/またはレーザ)のアレイを含む。(基板400の屈曲および/または変形、半導体ダイ300の非平面性、配線410、および接着剤510は、明確にするために図から省略されている。)複合光1710(半導体ダイ300によって発せられた変換されていない光および/または蛍光体920によって異なる波長に変換された光を含むか、または本質的にそれらから構成される)が、基板1730(好ましくは光学的に透過性である)上にエンボス加工または成形され得る1つ以上の光学要素1720(例えば、フレネルレンズ)を通して方向付けられる。次いで、光1710は、好ましくは、光拡散器1740を照射する。次いで、拡散光は、好ましくは、LCDアセンブリ1770を照射する光を部分的に平行にし、さらに拡散させる交差輝度増進フィルム1750、1760(例えば、3M Corporation製のVikuiti BEF)を介して方向付けられる。別の実施形態では、半導体ダイおよび蛍光体920が、
図8−11に示されるように統合される。
【0087】
図18Aは、例えば、LCDアセンブリ用のBLUアセンブリとしても動作する電子モジュール1800を描写する。照明モジュール1800は、基板400に接着された発光半導体ダイ300(例えば、LEDおよび/またはレーザ)のアレイを含み、そこからの光1810は、蛍光体材料(蛍光体920等)を一様に含むか、または本質的にそれから構成される基板1820に照射する。モジュール1700と同様に、次いで、複合光および/または変換された光は、LCDアセンブリ1770を照射する光を部分的に平行にし、さらに拡散させる交差輝度増進フィルム1750、1760を介して方向付けられる。
【0088】
図18Bは、例えば、LCDアセンブリ用のBLUアセンブリとしても動作する電子モジュール1801を描写する。照明モジュール1801は、基板400に接着された発光半導体ダイ300(例えば、LEDおよび/またはレーザ)のアレイと、半導体ダイ300が完全または部分的に蛍光体920で充填された井戸810の内側にあるように、基板400を覆って位置付けられる井戸810(
図8A参照)を有する第2の基板800とを含む。半導体ダイ300および蛍光体920からの光を含む、光1811は、LCDアセンブリ1770を照射する光を部分的に平行にし、さらに拡散させる交差輝度増進フィルム1750、1760を通して方向付けられる。
【0089】
図19および20は、一般照明用の平面的な光源として機能するモジュール1700、1800、および1801と同様の電子モジュールを描写する。
図19に示されるように、電子モジュール1900は、基板1240(好ましくは光学的に透過性である)上の蛍光体920の領域に照射する、基板400に接着された発光半導体ダイ300(例えば、LEDおよび/またはレーザ)のアレイを含む。複合光(半導体ダイ300によって発せられた変換されていない光および/または蛍光体920によって異なる波長に変換された光を含む、または本質的にそれらから構成される)が、基板1730(好ましくは光学的に透過性である)上にエンボス加工または成形されてもよい、1つ以上の光学要素1720(例えば、フレネルレンズ)を通して方向付けられる。別の実施形態では、半導体ダイおよび蛍光体920が、
図8−11に示されるように統合される。
【0090】
同様に、
図20は、基板400に接着された発光半導体ダイ300(例えば、LEDおよび/またはレーザ)のアレイも含む、電子モジュール2000を描写する。モジュール2000では、半導体ダイ300のうちの1つ以上は、
図8A−8Dを参照して上記で説明される方式で、蛍光体820の中で「カプセル化」される。複合光(半導体ダイ300によって発せられた変換されていない光および/または蛍光体820によって異なる波長に変換された光を含む、または本質的にそれらから構成される)が、種々の光学部品のうちのいずれか、例えば、
図20に描写される非対称フレネルレンズ2010および/またはホログラフィック拡散器2020を通して方向付けられる。光学部品は、透明基板2030の複数部分であってもよく、透明基板2030の上に形成されてもよく、および/または透明基板2030に結合されてもよい。レンズ2010は、軸上で見たときに、各半導体ダイ300の像が、その関連レンズ2010の射出瞳を実質的に一様に充填するように、半導体ダイ300から離れた所望の距離で位置付けられてもよい。発光ダイ300の全体または一部分は、光学要素、例えば、レンズと関連付けられてもよい。一実施形態では、発光ダイ300のアレイは、1対1の基準で光学要素のアレイと関連付けられる
図21、22A、および22Bを参照すると、種々の実施形態では、それに接着された1つ以上の発光半導体ダイ300をそれぞれ有する、複数の基板400が、市販の照明製品用のドロップイン代替品であるモジュール2100を形成するように、ともに組み立てられる。各基板400およびその関連半導体ダイ300は、他のモジュールから独立して組み立てられてもよい。基板400は、相関色温度、光出力、および順電圧等の電気的性質等の同様または相補的な特性を保有するように、仕分けられてもよい(または「分別され」てもよい)。
【0091】
図22Aおよび22Bに示されるように、各基板400は、1つ以上の発光半導体ダイ300(例えば、LEDおよび/またはレーザ)を特色とし、また、
図8A−8D、9A−9D、10、または11で描写される方式で、蛍光体820の領域を含有する基板800に結合されてもよい。電気配線410は、駆動回路2210への半導体ダイ300の電気接続を促進するように、接続パッド2200の中で終端してもよい。半導体ダイ300の各列のための電気接続は、好ましくは、駆動回路2210および/または他の電子構成要素からモジュール2100の発光領域を分離するために、(例えば、
図7Bで描写される方式で)基板400の一側面上にある。
【0092】
図21−23に示されるように、いくつかの基板400が、より大型の発光モジュール2100を形成するように、ともに組み立てられてもよい。基板400は、内側に含有された、および/またはその上に結合あるいは形成された光学要素(例えば、離散的光学部品、拡散器、微小光学部品、および/または他の光学要素)を有してもよい、より大型の基板2220の上で、ともに組み立てられてもよい。基板2220はまた、好ましくは、透明であり、柔軟であってもよく、または実質的に剛性であってもよい。好ましくは、光学要素は、剛性基板2240(および/または基板2220)の中へ成形される、レンズ(フレネルレンズ等)2230を含む、または本質的にそれらから構成される。例えば、基板2220から反射される任意の光を反射するように、反射体2250が、任意に、モジュール2100の少なくとも一部分の上に配置されてもよい。
【0093】
モジュール2100は、
図23に示されるように、筐体の中へ成形されてもよい。モジュール2100は、機械的支持を提供するように、剛性フレーム2300(1つ以上の実質的に剛性の材料、例えば、金属、プラスチックを含んでもよく、または本質的にそれらから構成されてもよい)に取り付けられてもよく、および/または剛性フレーム2300内には位置されてもよい。半導体ダイ300および任意の他の回路(例えば、駆動回路2210、制御回路、インターフェース等)に電力供給するための電力供給2310が、フレーム2300の頂面2320上に配置されてもよい。このようにして載置されると、モジュール2100は、建築物の中の既存の照明器具用の改造キット、既存の照明器具用の代替照明器具、または新しい建造物用の新しい照明器具製品としての機能を果たしてもよい。任意に、厚さが約1インチ未満である、薄い形状因子は、モジュール2100が多くの異なる状況で使用されることを可能にする。パッケージ化モジュール2100は、既存の商用設備に合致する形状因子、例えば、1フィート×4フィート、2平方フィート(すなわち、2フィート×2フィート)、および/または4平方フィートを有してもよく、あるいは種々の設計または照明要件を満たすように他の形状および形状因子を有してもよい。
【0094】
図24Aおよび24Bは、それぞれ、例えば、2平方メートルの照明器具用の改造として利用されてもよい、モジュール2400の裏面および正面を描写する。
図25は、明確にするために構成要素の多く(例えば、蛍光体、光学部品、および駆動回路)が省略されている、モジュール2400の拡大断面図を描写する。個々の基板400は、例えば、ガラスおよび/またはプラスチックを含んでもよい、または本質的にそれから構成されてもよい、単一のより大型の基板2410に(例えば、接着剤またはクランプ等の機構を介して)載置されてもよい。次いで、基板2410は、大型機械的支持シート2420(金属等の剛性材料を含んでもよい、または本質的にそれから構成されてもよい)に取り付けられてもよい。随意的な拡散反射体2430が、基板2410と機械的支持シート2420との間に配置されてもよい。示されるように、上記の構成要素は、例えば、ネジ2450を用いて、cチャネル型押し出し材2440の中で担持される。ネジ2450はまた、小型cチャネル2440を、機械的支持シート2420の裏を横断してほぼ垂直に及ぶ大型cチャネル押し出し材2460に付加してもよい。このようにして、アセンブリ全体が、基板2410のかなりのたわみを防止するように、機械的に剛性にされてもよい。大型cチャネル押し出し材2460はまた、アレイの周囲において半導体ダイ300および駆動回路基板2480に必要電圧を送達するために必要とされる、電力供給および/またはドライバ2470のための機械的載置点を有利に提供する。
【0095】
図26は、拡散器シート2600、および一般的な2平方フィートの蛍光灯反射板照明器具用のレンズを担持する鋼鉄フレーム2610を組み込む、完成したモジュール2400の部分分解図を示す。拡散器シート2600と基板2410との間の距離を設定するために、スタンドオフ2620が使用されてもよい。示されるように、完成したモジュールおよび拡散器シートは、フレーム2610に容易に挿入されてもよく、いったん
図27に示されるように組み立てられると、蛍光灯照明器具用の改造キットとして、単純で薄いドロップイン解決策を提供してもよい。
図28Aおよび28Bは、それぞれ、拡散器シート2600を有する、および有しない鋼鉄フレームの中の完成したモジュール2400の底面図を示す。
【実施例】
【0096】
(実施例1)
幅1mmの伝導性配線が、ガラスおよびポリエチレンテレフタレート(PET)基板上に形成され、PET基板は、約5ミルの厚さを有した。伝導性配線は、基板上に連続的に蒸発させられた、Crの底層およびAuの最上層を含んだ。Crの厚さは約30nmであり、Auの厚さは約300nmであった。伝導性配線は、LEDが取り付けられる位置に約90μmの幅を有する間隙を有した。LEDは、幅約13ミルおよび長さ約24ミルであり、ダイの同じ側面上に2つの接点を有した。間隙に隣接する各伝導性配線の端の一部分、ならびに間隙領域がACAで覆われるように、Kyocera 0604C ACAが間隙を覆って分注された。次いで、n型接点の少なくとも一部分が、間隙の片側で配線の少なくとも一部分を覆い、p型接点の少なくとも一部分が、間隙の反対側で配線の少なくとも一部分を覆うように、接点側を下にして、LEDダイがACA上に配置された。次いで、LEDが上を向く状態で、LEDを有するPETシートが、柔軟パッドの上に熱プレスで配置された。一片のガラスがLEDを覆って配置され、プレスの熱板部分が印加された。プレートは、125℃に設定された。圧力が印加され、PETシートがプレスの中で10分間放置され、次いで、プレスから除去され、表面上のガラスを除去する前に冷却させられた。熱プレス動作後に、シートには、LEDがある場所でくぼみができ、工程中のPETシートの変形を示した。PET基板に取り付けられたLEDダイには、短絡または開路を伴わずに、伝導に対して100%収率があった。同様の工程を介してスライドガラスに取り付けられたLEDダイは、中間接点故障の大部分(約50%以上)を示した。
【0097】
(実施例2)
幅1mmの伝導性配線が、約5ミルの厚さを有するPET基板上に形成された。伝導性配線は、銀インクのスクリーン印刷によって基板上に形成された。銀スクリーン印刷配線の高さは約4μmであった。伝導性配線は、LEDが取り付けられる位置に約90μmから150μmの幅を有する間隙を有した。LEDは、幅約13ミルおよび長さ約24ミルであり、ダイの同じ側面上に両方の接点を有した。間隙に隣接する各伝導性配線の端の一部分、ならびに間隙領域がACAで覆われるように、Kyocera 0604C ACAが間隙を覆って分注された。次いで、n型接点の少なくとも一部分が、間隙の片側で配線の少なくとも一部分を覆い、p型接点の少なくとも一部分が、間隙の反対側で配線の少なくとも一部分を覆うように、接点側を下にして、LEDダイがACA上に配置された。次いで、LEDが上を向く状態で、LEDを有するPETシートが、柔軟パッドの上に熱プレスで配置された。一片のガラスがLEDを覆って配置され、プレスの熱板部分が印加された。プレートは、125℃に設定された。圧力が印加され、PETシートがプレスの中で10分間放置され、次いで、プレスから除去され、表面からガラスを除去する前に冷却させられた。実施例1で記述されるように、熱プレス動作後に、シートには、LEDが取り付けられた場所でくぼみができ、工程中のPETシートの変形を示した。PET基板に取り付けられたLEDダイには、7000以上のダイの交換用の0.2%故障LEDに対する短絡のみを伴って、伝導に対して99.8%以上の収率があった。
【0098】
(実施例3)
素子は、上記で説明されるような柔軟な基板に接着された、青色光を放出するLEDを特色とし、素子から発せられた光が、固有の公称相関色温度(CCT)および少なくとも75の演色評価数(CRI)を伴って実質的に白色であるように、蛍光体混合物が、LEDを包囲する井戸の中に配置された。蛍光体混合物は、6重量%〜12重量%の黄色発光Al
5O
12Y
3:Ce
2+蛍光体(NYAG4563−S)、(第1の蛍光体に対して)10重量%から50重量%の琥珀色発光(SrBaMg)
2SiO
4:Eu
2+蛍光体(O6040)、(第1の蛍光体に対して)3重量%から30重量%の赤色発光CaAlSiN
3:Eu
2+蛍光体(R6535)、および(第1の蛍光体に対して)1重量%から5重量%の緑色発光(SrBaMg)
2SiO
4:Eu
2+蛍光体(Y3957)を含み、その全ては、Intematix Corporation(Fremont, CA)から入手可能である。
【0099】
蛍光体混合物は、Cabot Corporation(Billerica,MA)から入手可能なヒュームドシリカ(CAB−O−SIL CT−1221)と(第1の蛍光体に対して)1重量%から5%重量%の比で、Dow Corning Corporatioから入手可能な光透過性シリコーンエラストマー(Sylgard 184)と1重量%から2重量%の比で組み合わせられた。ヒュームドシリカ(他の実施形態では、ヒュームドシリカに加えて、またはその変わりに、ヒュームドアルミナが利用される)は、蛍光体粒子凝集を軽減し、蛍光体からの光抽出の効率を増進する。蛍光体混合物が脱気され、次いで、井戸に注入された。27〜32ゲージの先端サイズを有する3ccシリンジを利用して、混合物が注入され、蛍光体混合物は、40psiの圧縮空気または機械的起動型プランジャを用いて放出される。プランジャのストローク長さまたは圧縮空気の印加を所定時間(例えば、2〜7秒)に限定することによって、250〜500μmの厚さが得られた。
【0100】
蛍光体混合物の2つの異なる処方は、異なるCCT値を生じた。第1の混合物は、3500KのCCTを提供し、10%NYAG4653−S、25%R6535、3%ヒュームドシリカ、および1.43の屈折率を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)材料を含み、約250μmの厚さを有した。第2の混合物は、5000KのCCTを提供し、8.5%NYAG4653−S、5%R6535、3%ヒュームドシリカ、および1.43の屈折率を有するPDMS材料を含み、約250μmの厚さを有した。別の実施形態では、蛍光体結合剤は、約1.53の屈折率を有するDow OE−6550であった。
【0101】
本明細書で採用される用語および表現は、限定ではなく説明の用語および表現として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され、説明される特徴またはそれらの複数部分の同等物を除外する意図はない。加えて、本発明のある実施形態を説明した後に、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される概念を組み込む他の実施形態が使用されてもよいことが、当業者に明白となるであろう。したがって、説明した実施形態は、あらゆる点で制限的ではなく例証的であると見なされるものである。