(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245787
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】モジュール式リアクタ
(51)【国際特許分類】
B01J 19/00 20060101AFI20171204BHJP
B81B 1/00 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
B01J19/00 321
B81B1/00
【請求項の数】33
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2011-535990(P2011-535990)
(86)(22)【出願日】2009年11月10日
(65)【公表番号】特表2012-508109(P2012-508109A)
(43)【公表日】2012年4月5日
(86)【国際出願番号】EP2009064902
(87)【国際公開番号】WO2010055034
(87)【国際公開日】20100520
【審査請求日】2012年11月9日
【審判番号】不服2015-19843(P2015-19843/J1)
【審判請求日】2015年11月4日
(31)【優先権主張番号】08450178.2
(32)【優先日】2008年11月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511114759
【氏名又は名称】ワンエー−エンジニアリング オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ONEA−Engineering Austria GmbH
(73)【特許権者】
【識別番号】511114771
【氏名又は名称】オーロテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】AUROTEC GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ツィケリ
(72)【発明者】
【氏名】フリードリヒ エッカー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ロンギン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ヴァイディンガー
【合議体】
【審判長】
川端 修
【審判官】
佐々木 秀次
【審判官】
日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−29887号公報
【文献】
特開2008−246349号公報
【文献】
特開2007−240098号公報
【文献】
実願昭58−196801号(実開昭60−105967号)のマイクロフィルム
【文献】
実願昭50−158732号(実開昭52−81492号)のマイクロフィルム
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B01J19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのプレート面に少なくとも2つの反応管(21)が収容されている溝状の凹部(22)を有するプレートボディ(1)を備えており、
前記反応管は前記プレートボディ(1)の1つの外面においてのみ終端する少なくとも2つの接続端部(16)を有し、
前記溝状の凹部は熱伝達媒体の案内または誘導コイルの収容が可能であり、
少なくとも2つの前記反応管(21)の各1つの前記接続端部(16)に取り付けられた接続エレメント(20)を介して、少なくとも2つの前記反応管(21)は、前記外面において、接続されている、
ことを特徴とする、マイクロリアクタパーツ。
【請求項2】
2つの隣接した前記反応管(21)の各1つの前記接続端部(16)が、1つの接続エレメント(20)を介して接続されている、請求項1記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項3】
前記接続エレメント(20)は、モジュール式に前記プレートボディ(1)の外面に取り付け可能なブロックの形態である、請求項1または2記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項4】
前記プレートボディ(1)は平行六面体の形状を有する、請求項1から3のいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項5】
前記プレートボディ(1)は、同一の溝状の凹部(22)内に少なくとも2つの前記反応管(21)を有する、請求項1から4のいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項6】
前記プレートボディ(1)は、メアンダ状である溝状の凹部(22)内に少なくとも2つの前記反応管(21)を有する、請求項1から5のいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記接続エレメント(20)は流体流入部または流体流出部(41)を有する、請求項1から6のいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項8】
反応管の接続端部(16)または接続エレメント(20)の流体流入部または流体流出部は流体混合器を有する、請求項1から7までのいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項9】
前記流体混合器は流れ遮断器、流れ加速器、混合噴出口または内側に突出している注入ニードルである、請求項8記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項10】
20mmまでの内径と、混合エレメントとしての断面狭窄部(31)とを備えた反応管を備える請求項1から9のいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツにおいて、
断面は、管の一方の側において少なくとも15%狭められている、マイクロリアクタパーツ。
【請求項11】
断面は、円形の管の一方の側において少なくとも15%狭められている、請求項10記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項12】
断面は、少なくとも20%狭められている、請求項10または11記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項13】
前記管(21)の断面は狭窄部の向かい側では拡張されていない、請求項10から12のいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項14】
狭窄部の向かい側の断面は半円を形成する、請求項13記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項15】
複数の断面狭窄部(31)を有する、請求項10から14のいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項16】
断面狭窄部が設けられる側が交互に現れる、請求項15記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項17】
断面狭窄部は螺旋状にずらされており、もしくは管断面において対向するようずらされている、請求項15または16記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項18】
断面狭窄部は直線状、角柱状、円筒状もしくは球状である、請求項15から17までのいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツ。
【請求項19】
少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを備えたマイクロリアクタにおいて、
前記マイクロリアクタパーツはそれぞれ、1つのプレート面に溝状の凹部(22)を有するプレートボディ(1)を備えており、
前記凹部(22)には反応管(21)が収容されており、該反応管はそれぞれのプレートボディ(1)の1つの外面においてのみ接続端部(16)を有し、
異なるマイクロリアクタパーツの反応管(21)は接続端部(16)および第1の接続エレメント(8)を介して接続されており、
1つの前記マイクロリアクタには、前記外面において終端する少なくとも2つの前記反応管(21)が収容されており、
少なくとも2つの前記反応管(21)の各1つの前記接続端部(16)に取り付けられた第2の接続エレメント(20)を介して、少なくとも2つの前記反応管(21)は、前記外面において、接続されている、
ことを特徴とする、マイクロリアクタ。
【請求項20】
前記第1および/または第2の接続エレメント(8,20)は、反応流体の前記反応管(21)への流入部もしくは前記反応管(21)からの流出部(12)、および/または、前記凹部のチャネルへの流体の流入部もしくはチャネルからの流出部(36)を有する、請求項19記載のマイクロリアクタ。
【請求項21】
異なるマイクロリアクタパーツ(1)の反応管(21)はプラグエレメント、管またはチューブによって接続されている、請求項19または20記載のマイクロリアクタ。
【請求項22】
少なくとも1つのマイクロリアクタパーツをそれぞれ含むモジュール間に熱絶縁部材(2)が設けられている、請求項19から21までのいずれか1項記載のマイクロリアクタ。
【請求項23】
少なくとも1つのマイクロリアクタパーツをそれぞれ含むモジュール間にスペーサ(3)が設けられている、請求項19から22までのいずれか1項記載のマイクロリアクタ。
【請求項24】
モジュールはそれぞれ異なる温度レベルに調整される、請求項22または23記載のマイクロリアクタ。
【請求項25】
請求項1から18までのいずれか1項記載の少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを含む、請求項19から24までのいずれか1項記載のマイクロリアクタを製造するキット。
【請求項26】
マイクロリアクタパーツの反応管を接続するための接続エレメントを含む、請求項25記載のキット。
【請求項27】
反応管において2つの流体を混合するための、請求項1から18までのいずれか1項記載のマイクロリアクタパーツの使用。
【請求項28】
反応管において2つの流体を混合し、付加的に2つの流体の化学反応を生じさせるための、請求項27記載のマイクロリアクタパーツの使用。
【請求項29】
反応管において2つの流体を混合するための、請求項19から24までのいずれか1項記載のマイクロリアクタの使用。
【請求項30】
反応管において2つの流体を混合し、付加的に2つの流体の化学反応を生じさせるための、請求項29記載のマイクロリアクタの使用。
【請求項31】
少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを備えたマイクロリアクタを使用し、マイクロリアクタパーツの反応管を種々の温度に加熱または冷却する、請求項29または30記載の使用。
【請求項32】
溝状の凹部内に流れる熱伝達媒体によってマイクロリアクタパーツの反応管を種々の温度に加熱または冷却する、請求項31記載の使用。
【請求項33】
溝状の凹部内に流れる水によってマイクロリアクタパーツの反応管を種々の温度に加熱または冷却する、請求項32記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学反応用および化学物質の混合用のマイクロリアクタに関する。
【0002】
ミニリアクタまたはマイクロリアクタは、通常0.2mm〜5mmの範囲にある管直径または細管直径を有する、非常に小型化された管式反応炉である。細管の直径が細いことに起因して、プロセス物質および流体はリアクタ領域内で最小限にしか移動できない。
【0003】
DE 10 2004 038 555 B3に記載されている発明は、混酸を製造するためにモジュール式に構成された、侵食耐性のある材料から成るマイクロリアクタに関する。この刊行物に記載されているマイクロリアクタが基礎とする着想は、大規模な施設に転用するための基礎として、モジュール化および小型化によってマイクロリアクタ技術をシミュレートすることである。このために、個々のモジュールはプラスチック(PTFE)チューブ(直径0.7mm〜2mm)から構成されている。それらのプラスチックチューブは、同様にPTFE材料から成るプラスチック接続部を介して、1つのマイクロリアクタモジュールへと統合される。モジュールのシーリング材料ならびに簡単な分解および接続についても記載されている。接続部品を線形、T字型またはクロスピース型の接続部として実施することができる。複数の孔(5〜800μm)を有する小型のタンタルプレートとして実施されている穴開きディスクを入口または出口の手前に取り付けることができる。反応を誘導するために必要とされる冷却または加熱を恒温槽において行うことができる。穴開きディスクを介して小型構造を確立することができ、この小型構造によって、反応成分と反応物質の混合に関して、マイクロリアクタ技術における利点を達成することができる。
【0004】
DE 44 10 417 A1には、混合エレメントを用いて実施され、また離散的もしくは連続的に作動する反応炉における任意の順序での、トルエンと硝酸と硫酸と水の反応誘導が開示されている。反応誘導および混合は、逆混合が生じないように構成されている。このために使用される混合エレメントは、スタティックミキサ、ポンプ、噴出口、攪拌機またはそれらの組み合わせで良い。反応物を連続的に混合する場合には、リアクタにおいて、穴開きプレート、溝付きプレート、バッフルプレート、流れ遮断器、攪拌機または同様の取り付け器具またはエレメントを使用することができる。さらに管式反応炉は、再分散のための取り付け器具、流れ遮断器、バッフルプレート、スタティックミキサまたは攪拌機もしくは組込型の穴開きプレートを有する。
【0005】
WO 2007/032810 A2には、打ち抜きまたはエッチングによって内部にマイクロチャネルが形成されている、積層化された複数の層から成るマイクロリアクタが開示されている。それらのチャネルは開かれており、異なる液相を相互に迂回させ、相間の大量の移送を実現するために使用される。
【0006】
EP 1738820 A1には、中空フィラメントから成るマイクロ流体システムが開示されている。中空ファイバから成る相応の網目状の構造が加熱のためのヒートブロックの上方に載置される。
【0007】
WO 2007/112945 Aには、個々の小型プレートから成るマイクロリアクタシステムが開示されている。このマイクロリアクタシステムにおいては、相応のスペーサによってプレート間にマイクロチャネルが設けられている。
【0008】
EP 1520838 Aには、中空ファイバが支持体の凹部に埋め込まれているマイクロ流体システムが開示されている。
【0009】
DE 3429010 A1には、粉末状の建築材料の吐出装置が開示されている。材料を混合するために、それらの材料は管に供給され、この管は移送流を混合するためにバッフル、例えば角柱状、楕円状または角が丸められたバッフルを有する。これらの建築材料管は50mm以上の直径を有する。
【0010】
WO 2005/123241 Aには、UV照射のための放射ゾーンが設けられている光学反応用の導管システムが開示されている。管路のタイプに応じて特定の放射量ないし放射時間を制御することができる。反応管路はプレートに直接的に成形されているチャネルである。
【0011】
JP 03014803 A(要約)には、化学反応を惹起するために種々の溶液を混合するためのベンチュリー型混合器が開示されている。ベンチュリー型混合器は、液体の導入口のための絞られた中間領域を有する。
【0012】
本発明が基礎とする課題は、改善されたモジュール式リアクタ、ならびに、リアクタコンセプトを簡単に変更するためのリアクタ部品を提供することである。
【0013】
本発明は第1の実施形態においてプレートボディを備えたマイクロリアクタパーツに関し、このプレートボディは1つのプレート面に反応管を収容する溝状の凹部を有し、また反応管はプレートボディの外面に接続端部を有する。その種の部品の主たる適用分野は、これらの部品から成るマイクロリアクタのモジュール構造である。プレートボディを固体材料、例えば鋼、特殊鋼、セラミック、燒結金属、アルミニウム、プラスチック材料および非鉄金属から製造することができる。有利には、マイクロリアクタパーツないしプレートボディは平行六面体の形状を有している。
【0014】
凹部は殊に熱伝達媒体、例えば冷却液または加熱液を案内するために使用され、その一方で反応管においては反応物質が混合される。有利には、凹部は反応管の周囲にチャネルを形成する。反応管に沿って長く延びるこのチャネルにおいて、熱伝達媒体、例えば冷却液または加熱液を案内することができる。熱伝達媒体を、一方のプレートボディから別のモジュールないしマイクロリアクタパーツの他方のプレートボディへと内部または外部から供給することができる。プレートの配置構成は反応の要求に適合される。全体の反応ユニットをねじ止めまたは他のクランプ機構によって固定することができ、また溝状の凹部の面においてシーリングすることができる。凹部をフライス加工されたスロットとして、焼結、キャスティングまたは機械的な処理(フライス削り、旋削、穿孔)によって形成することができる。プレートボディは要求に適合された任意の長さのものであってよい。またプレートボディを複数の個別プレートからフランジおよびシーリングを介して構成することもできる。
【0015】
本発明による反応管は、媒体が流れる際に反応を生じさせることができる管である。管自体は気密であり、また管の内部において媒体を案内すべきである。したがって管の壁を通る大量の移送は行われず、殊に、例えば熱伝達媒体が案内される溝状の凹部への移送は行われない。
【0016】
1つまたは複数のマイクロリアクタパーツから構成されているマイクロリアクタを、継ぎ目の無い環状の管リアクタとして実施することができるが、モジュール式の部品として複数のマイクロリアクタパーツから構成することもできる。複数の部品から構成される場合には、隣接するマイクロリアクタのプレートを介して、熱伝達媒体を案内するための凹部をシーリングすることができる。
【0017】
有利には、反応管はプレートボディの外面におけるシーリング素子において終端しており、このシーリング素子は有利には凹部も閉じる。さらにプレートボディは上面または下面においてシーリングを有することができる。つまりプレートボディは別のプレートと接続され、それによりモジュール構造が得られ、またそれと同時に凹部がシーリングされる。すなわち、有利には、1つのプレート面における凹部は別のプレートによってシーリングされる。この別のプレートは、一方では別のマイクロリアクタパーツの別のプレートボディであり、他方では反応管の無い絶縁プレートであるか、完全に薄いシーリングプレートである。
【0018】
有利には、プレートボディのプレートフレームに沿って、シーリング、有利にはプラスチックシーリングが収容される。このシーリングは、例えばより良好な保持のために、プレートフレーム内に埋め込むことができる。同様に、溝状の凹部によって形成される種々のチャネルを相互に他方のシーリングによってシーリングすることができる。もっとも、固有のプラスチックシーリングを省略し、またチャネルないしチャネル間のウェブをシーリングされたプレートを用いる緊密な接触によってシーリングすることもできる。
【0019】
別の有利な実施形態においては、プレートボディがプレートまたは別のマイクロリアクタパーツを1つのプレート面に固定するための固定エレメント、ないし固定エレメントのアダプタ、有利にはタイロッドのためのノッチを有する。個々のマイクロリアクタパーツを一緒に固定するために、固定エレメントを固定部材から構成することができ、それらの固定部材はタイロッドによって相互に接続され、またロッキングクランプによって固定される。マイクロリアクタパーツの面上に配置されるタイロッドのために、有利にはノッチがプレートボディに組み込まれる。それらのノッチはプレートボディの相互的なスリップも阻止する。
【0020】
有利には、プレートボディは少なくとも2つの反応管を有する。これらの少なくとも2つの反応管を、同一の溝状の凹部内、場合によってはメアンダ状の溝状の凹部内に設けることができる。別の有利な実施形態においては、マイクロリアクタパーツの溝状の凹部内に、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または、少なくとも6つの反応管を収容することもできる。例えば、種々の反応管の接続端部をプレートボディの外面において終端させ、用途に応じて、必要に応じてモジュール式に種々の反応管を相互に簡単に接続させることができる。マイクロリアクタパーツのその種の反応管を相互に接続させることができるか、反応管を他のマイクロリアクタパーツの反応管に接続させることもできる(プレート接続)。特別な実施形態によれば、マイクロリアクタパーツにおいて、接続端部が2つの反応管のプレートボディの外面において接続エレメント(管コネクタ)を介して接続される。マイクロリアクタパーツ内の個々の管の間、もしくはマイクロリアクタパーツ間の接続エレメントはさらに流体流入部または流体流出部も有することができ、これにより反応流体を反応管内に流入させることができる、もしくは反応管から流出させることができる。
【0021】
有利には、溝状の凹部はメアンダ状の概形を有する。この概形におけるメアンダ状の領域の間に間仕切壁を設け、熱伝達媒体の連続的な流れを保証することができる。間仕切壁は有利には、プレートボディのプレートフレームと共に1つのプレートによってシーリングされている。この場合、溝状の凹部に反応管を挿入することができる。例えば反応管のU字状の曲線がメアンダループ内に位置し、また、反応管の接続端部がプレートボディの外面において対向しているメアンダループにおいて終端する場合には、反応管はU字状に構成されている。この実施形態によれば、任意の数の多数の反応管をプレートボディ内に設けることができ、溝状の凹部において案内することができる熱伝達媒体によって、それらの反応管を共通して加熱または冷却することができる。この場合には、リアクタのモジュール式の構造にしたがい、マイクロリアクタパーツ毎に温度レベルを調整することができる。温度レベルは別のマイクロリアクタパーツの温度レベルとは異なる。
【0022】
有利には、反応管の接続端部もしくは接続エレメントの流体流入部または流体流出部は流体混合器を有する。流体混合器は、例えば流れ遮断器、流れ加速器、混合ノズルまたは注入ニードルもしくは混合ランスである。外部へと延びており、また接続エレメント内に突出している管の端部に混合ノズルを取り付けることができ、それらの混合ノズルは穴開きディスクとして管端部を覆っている。混合ノズルに複数の孔を設けることによって、例えば相互に衝突して混合される流体が流れに応じて理想的に混合されるように、流出される流体の速度を適合させることができる。2つの流体が最初に混ざり合って一緒になった後には、リアクタの後続の管への流入部の手前に、再度の混合を行うための別の混合ノズルを取り付けることができる。混合ノズルを例えば金、プラチナ、特殊鋼、非鉄金属、プラスチック、セラミック、焼結材料から製造することができる。混合ノズルの代わりに、代替的な流体混合器として、多孔性の焼結材料を使用することもできる。混合ノズルとして、多孔性の焼結材料を使用することもできる。一般的に、流体混合器は流体を可能な限り乱流で供給すること、もしくは2つの流体を可能な限り完全に一体的にすることを目的としており、分離を生じさせる可能性がある層流は阻止されている。
【0023】
また気体を気体または液体と混合させることができる。それと同時に、接続エレメントを熱交換器およびスタティックミキサとして構成することができる。有利には、流体混合器は、例えば複数の開口部を備えたインジェクションランスを取り付けることによって、もしくは、種々の長さの複数のインジェクションランスを使用することによって複数の混合領域を有している。インジェクションランスは種々の位置において管内または接続エレメント内に突出している。その種のずらされた混合によって、混合処理の際のいわゆる「ホットスポット」が回避される(Losey et al., Ind. Eng. Chem. Res., 40 (2001) : 2555-2562)。
【0024】
別の有利な実施形態によれば、反応管内または接続端部において、センサ、殊に温度センサ、有利にはサーモスタットと接続されたセンサ、または光学センサ、または屈折率センサ、有利には測定プリズムを備えた屈折率センサを取り付けることができる。
【0025】
さらには、反応の検査、制御および管理のためのインライン測定器を組み込むことができるように、接続ブロックを構成することができる(例えば、GC、HPLC、NIR、DSC、粘性測定器、pH測定器、温度および圧力測定器、流量測定器、屈折率測定器、インライン屈折率測定器との接続)。
【0026】
管、接続エレメントまたは管の接続端部における接続部品には触媒を組み込むことができ(ケージに組み込むことができ)、触媒性の大きい表面において反応を行うことができる。
【0027】
付加的に、管の接続端部における接続エレメントは、減圧のための加圧制御器、例えば、緊急時開放孔またはブローアウトディスクが取り付けられるように実施されている。したがって本発明によれば、有利には、反応管の接続端部は加圧制御器、有利には圧力開放弁、ブローアウトディスクまたは栓と接続されている。本発明の別の態様においては、本発明は、混合エレメントとしての断面狭窄部を備えた反応管に関する。断面は、管、有利には円形の管の一方の側において(のみ)少なくとも15%、有利には少なくとも20%狭められている。反応管は有利には、管断面の少なくとも15%、有利には少なくとも20%の断面拡張部も有する。断面狭窄部および断面拡張部は有利には規則的に交互に設けられている。殊に有利には、断面狭窄部は管断面の一方の側にのみ設けられており、したがって断面は非対称的に狭められている。そのように非対称的に狭められる場合には流体流の偏向が生じ、これによって殊に効果的な混合が行われる。殊に、それ自体では混合することができない流体、例えばエマルションまたはディスパージョンを形成する流体を混合する場合には、流れが偏向され、また場合によっては分離する2つの流体の混合が行われる。したがって反応管は有利には、管の概形において、管断面の一方の側において断面積の少なくとも15%、有利には少なくとも20%の断面狭窄部を有する。この断面狭窄部は、有利には管の折り曲げによって生じる。さらに有利には管は断面拡張部も有し、この断面拡張部は断面狭窄部に付加的に乱流の経過を支援する。
【0028】
有利には、管の断面は狭窄部の向かい側において、および/または、狭窄部に対して90°の位置において拡張されていない、もしくは管の断面の10%以上は拡張されていない。例えば、狭窄部の向かい側の断面は半円を形成することができる。
【0029】
有利には、反応管は複数の断面狭窄部を有する。反応管の断面における断面狭窄部が設けられる側が交互に現れるようにすることができる。断面狭窄部を管軸に対して任意の角度、殊に管軸に対して0°〜180°の角度、特に有利には90°の角度で設けることができる。断面狭窄部はあらゆる任意の幾何学、例えば楔状、直線状、角柱状、円筒状または球状の幾何学形状を有することができる。交互に狭窄部を設けることによって、殊に流体混合物の乱流および循環を生じさせることができる。したがって、反応管に断面狭窄部を螺旋状に設けることができ、また例えば断面狭窄部を管断面において相互にずらすことによって対向するよう配向させることもできる。断面狭窄部は有利には、管を絞ることによって、例えば楔状、直線状、角柱状、円筒状または球状の物体によって形成される。
【0030】
さらに有利には、管の全長の少なくとも10%、有利には10%〜90%、殊に15%〜70%が断面狭窄物を有する。狭窄部を相互に直接的に接続することができるか、狭窄部は狭められていない管領域、有利には拡張もされていない管領域によって隔てられている。これらの管領域は例えば、少なくとも狭められた領域の長さ、または狭められた領域の少なくとも2倍の長さ、狭められた領域の少なくとも3倍の長さ、または、狭められた領域の少なくとも、もしくは最大で4倍の長さを有することができる。
【0031】
反応管自体、またはマイクロリアクタパーツを、上述のように、鋼、特殊鋼、セラミック、燒結金属、アルミニウム、プラスチック材料、非鉄金属および貴金属から製造することができる。有利な管材料は、全ての鉄、合金鉄、クロムニッケル鋼、ニッケル鋼(例えば、ハステロイ材料)、チタン、タンタル、炭化ケイ素、ガラス、セラミック、金、プラチナおよびプラスチック材料である。有利な実施形態において、管断面は円形、楕円形、扇形、方形、矩形または多角形、殊に5角形、6角形、7角形、8角形である。管断面を対称的に構成することができる。例えば、1つ、または少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つの鏡面について一重または多重に鏡面対称的に管断面を構成することができる。有利な実施形態においては、この管断面が管内部の断面形状を表す。外部形状は必要に応じて別の形状を有していてもよいが、内部の断面形状と同一の形状を有していても良い。管は直線状であるか、種々のパターンに応じて湾曲されたものであるか、所定の断面狭窄部を有し、これらの形状は管内の媒体が流れ偏向部によって混合されるように管の内部を流れる流体に影響を及ぼす。狭窄部を任意のパターンで(また反復的に)管に設けることができる。このことは、反応物質を混合するための取り付け器具を備えた公知の反応管に対する決定的な利点である。プラスチック製の管に例えば絞り素子を外部から取り付け、相応の管絞り部を得ることができる。したがって、剛質の材料の他に軟質のチューブ材料も使用することができる。有利な実施形態においては、マイクロリアクタパーツの支持体材料は、鉄、合金鉄、クロム、クロムニッケル鋼、ニッケル鋼(例えば、ハステロイ材料)、チタン、タンタル、炭化ケイ素、ガラス、セラミック、金、プラチナ、プラスチック材料または他のサブグループの金属および遷移金属ならびにそれらの混合物である。
【0032】
本発明によるリアクタの管ないし本発明による管を(例えば
図15gに示されているように)バルク材料としても、例えば分割された形態で提供することができるので、反応管をこの種の部品を接続することによって形成することができるか、反応管をバルク材料から作り出すことができる(例えば穿孔により作り出すことができる)。
【0033】
有利には、反応管は0.05mm〜1mmの内径を有する細管であるか、少なくとも1mmから製造技術的に実現可能な直径、例えば20mm、15mm、10mm、8mmまたは5mmまでの別の管である。反応管を外部から溝状の凹部に収容することができる。これらの反応管は有利にはマイクロリアクタパーツに使用される。
【0034】
反応管を種々の形態、例えば、波状、メアンダ状、また混合を促進する、ギザギザ状、鋸刃状もしくはジグザグ状の形態でマイクロリアクタパーツにはめ込むことができる(
図16a〜16fを参照されたい)。反応管はマイクロリアクタパーツの溝状の凹部に挿入される。溝状の凹部は、その内部に熱伝達媒体を案内するか、管を誘導加熱するための誘導コイルのような他の加熱材料を収容することに適している。誘導コイルを備えた実施形態は殊に有利である。何故ならば、そのような誘導コイルを用いることにより、選択された管または管領域における殊に高い温度を調整することができるからである。このために、有利には管の周囲に巻き付けられるように配置されている慣用の誘導コイル、例えば高周波コイルを使用することができる。
【0035】
別の態様においては、本発明は、少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを備えたマイクロリアクタに関する。マイクロリアクタパーツはそれぞれ、1つのプレート面に溝状の凹部を有するプレートボディを備えており、この凹部には反応管が収容されており、また反応管はそれぞれのプレートボディの外面に接続端部を有する。異なるマイクロリアクタパーツの反応管は接続端部と接続エレメントを介して接続されている。
【0036】
接続エレメントは有利には接続ブロックであり、それらの接続ブロックは簡単にモジュール式に反応部品の外面に取り付けることができる。マイクロリアクタパーツの凹部内には、反応性生成物を管理するための管が使用される。一方の端部には、ケーシングプレートを通り抜ける貫通部が設けられており、この貫通部を通して反応管を押し込むことができ、またシーリングを介して、例えば接続ブロックの形態の反応管接続エレメント内に突出させることができる。接続エレメントは偏向部および後続の管との接続部としてのみ機能することができるが、接続エレメントを供給個所、混合個所または生成物取り出し部としても構成することができる。この配置構成によって、反応および反応時間要求に応じて、反応管を適合された接続ブロックを用いて、または相応の管接続部を用いて迂回させることができ、これによってフレキシビリティおよびモジュール化度が高まる。接続エレメントの材料は、鋼、特殊鋼、セラミック、燒結金属、アルミニウム、プラスチック材料、非鉄金属、貴金属でよい。さらに接続エレメントは冷却媒体または加熱媒体を流入および流出させるための複数の孔を有することができる。
【0037】
有利には、マイクロリアクタのマイクロリアクタパーツは上述のように定義されている。殊に有利には、マイクロリアクタは少なくとも2つ、またはそれ以上の本発明によるマイクロリアクタパーツを含む。
【0038】
特定の実施形態においては、1つのマイクロリアクタパーツの反応管、有利には全てのマイクロリアクタパーツの反応管が少なくとも2つの接続端部を有し、これらの接続端部はいずれもそれぞれのリアクタブロックのプレートボディの外面において終端している。プレートボディの同一の外面において終端している接続端部は相互にモジュール式に簡単に接続することができ、殊に、プレートボディに形状が合致するように接合させることができる接続ブロックのような上述の接続エレメントによって接続することができる。
【0039】
別の実施形態においては、反応管を接続エレメントによって接続することができる。接続エレメントは選択的に、反応流体の反応管への流入部または反応管からの流出部、および/または、溝状の凹部によって形成されるチャネルへの流体の流入部またはチャネルからの流出部を含む。一般的に、種々のマイクロリアクタパーツの反応管をプラグエレメント、管またはチューブによって接続することができる。
【0040】
本発明によるモジュール式マイクロリアクタは、凹部内を流れる熱伝達媒体によって種々のマイクロリアクタパーツが種々に加熱または冷却される場合には、種々の順序で温度レベルを表すことができる種々のマイクロリアクタパーツを収容することができる。したがって有利には、個々のマイクロリアクタパーツ間に熱絶縁素子が設けられる。その種の熱絶縁素子は例えば、間隔をあけるために2つのプレート間において緊張される個々の絶縁物体または絶縁材料からなるプレートでよい。
【0041】
別の態様においては、本発明は、マイクロリアクタを製造するためのキットに関する。マイクロリアクタは有利には、マイクロリアクタパーツ、有利には上記において定義したような少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを有し、また有利にはマイクロリアクタパーツの反応管を接続するための接続エレメントを有する。また本発明は、マイクロリアクタパーツを組み合わせることによって、また必要に応じて反応管を接続することによって、マイクロリアクタを製造するための方法に関する。キットは殊に、個々のマイクロリアクタパーツを位置決めするための固定エレメント、例えば固定部材、タイロッドおよびロッキングクランプを含む。さらには、温度管理媒体を供給する個々のチューブを循環のために溝状の凹部に設けることができる。
【0042】
本発明の別の態様は、上述したようなマイクロリアクタパーツ、反応管もしくは反応管内で2つの流体を混合するためのマイクロリアクタの使用に関する。上述したように、殊に有利には、断面狭窄部、例えば折り曲げによるノッチを有する本発明による反応管が使用され、これにより一方では管を流れる流体の乱流が高まり、また他方では流体が非対称的に偏向される。したがって殊に有利には、流体がエマルションまたはディスパージョンを形成する。さもなければ、流体を例えば物理的には混合することができない。別の実施形態によれば、有利には、本発明によるマイクロリアクタパーツ、反応管またはリアクタの使用によって混合が行われ、これにより2つの流体の化学反応が行われる。もちろん、2つより多くの流体を使用することもでき、例えばマイクロリアクタに応じて、先ず2つの流体が混合され、次に第3の流体の供給によって、その第3の流体が混合され、この過程を繰り返すことにより、他の流体も同様に混合することができる。流体として反応物が使用されるが、反応停止剤も使用される。有利には、少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを備えたマイクロリアクタが使用され、有利には、マイクロリアクタパーツの反応管が溝状の凹部内に流れる熱伝達媒体、有利には水によって種々の温度に加熱または冷却される。
【0043】
熱伝達媒体は例えば加熱流体または冷却流体であり、例えば液体、蒸気または気体でよい。熱伝達媒体を、並流、向流、交差流で、反応管内を流れる流体ないし反応混合物へと案内することができる。熱伝達媒体を個々のプレートボディそれぞれに供給することができ、また個々のプレートボディから排出することができるか、連続的もしくは並行的に供給することができる。
【0044】
付加的に組み合わせ可能な実施形態もしくは代替的な実施形態においては、溝状の凹部内に、管ないし管領域を加熱するための1つまたは複数の誘導コイルが使用される。誘導的な加熱によって、200℃〜600℃以上の温度管理が実現される。したがって、このことは高温反応にとって殊に有利である。誘導的な加熱のために、誘導コイルを除いて、溝状の凹部内に有利には液体が存在しない。管との間に隙間が存在する場合には、凹部を気体で充填することができるか、真空にすることもできるか、誘導コイルおよび反応管の形状に適合するよう設計することができる。
【0045】
有利には、2つの流体の混合個所においては、これら2つの気体が異なる速度で、有利には少なくとも2倍、有利には少なくとも3倍、殊に少なくとも4倍の速度差で混合される。これによって、2つの流体の拡散が生じ、したがって効率的な混合が行われる。
【0046】
また有利には、混合個所において2つの流体が140°〜220°、有利には160°〜200°、殊に有利には180°の角度で相互に衝突する。この角度は2つの流体の上述の拡散を促進する。混合すべき2つの流体の流入管に対して、例えば90°ずらして、流体をさらに流すことができる。マイクロリアクタパーツ内の反応管を既に通過した流体を反応管に供給することができ、また、第2の流体を接続エレメントにおける流入部を通してさらに供給することができる。この場合、混合物はマイクロリアクタパーツ内の別の反応管へとさらに供給される。混合個所における2つの流体の速度を、混合ノズルの圧力および断面によって、有利には所定数の孔を備えた孔プレートを選択することによって調整することができる。例えば一定の開口断面を備えた所定数の孔によって調整されており、また所定数の開口断面を備えている、事前に製造された所定の孔プレートによって、本発明によるモジュール式のマイクロリアクタを所定の用途および流量に関して調整することができる。
【0047】
マイクロリアクタの管は高圧リアクタにも適しており、また例えば流体の入口圧力の値を少なくとも1bar、少なくとも5bar、有利には少なくとも8bar、殊に有利には少なくとも10barとすることができる。しかしながらこれらの例示した圧力値は制限を意図したものではなく、単に有利な例として挙げたものに過ぎない。流体の入口圧力を、管または(乱流および渦流のための)流れ遮断器の幾何学、個数に応じて、またそれと結び付く圧力損失に応じて選択することができる。有利には、リアクタの圧力損失(0〜160bar)を形成することができる、(体積または流量に関して)適切な供給手段が使用される。
【0048】
有利には、反応管内を流れる流体のうちの一方が液体であり、反応管内で第1の流体と混合される他方の流体は液体、気体または超臨界流体である。本発明によれば、種々の流体を任意に組み合わせることができる。例えば、液体と液体の混合物、気体と液体の混合物、気体と超臨界流体の混合物、または、液体と超臨界流体の混合物を供給ないし混合することができる。同様に、液体、気体または超臨界流体を渦流化または流動化された固体粒子と混合させることもできる。流動化された固体粒子は例えば、化学反応に使用される触媒粒子である。
【0049】
有利には、本発明は以下のように定義される。
【0050】
1.1つのプレート面に反応管が収容されている溝状の凹部を有するプレートボディを備え、反応管はプレートボディの外面に接続端部を有する、マイクロリアクタパーツ。
【0051】
2.プレートボディは平行六面体の形状を有している、定義1のマイクロリアクタパーツ。
【0052】
3.凹部は反応管の周囲にチャネルを形成する、定義1または2のマイクロリアクタパーツ。
【0053】
4.反応管は外面におけるシーリング素子において終端しており、シーリング素子は有利には凹部も閉じる、定義1から3のいずれか1つのマイクロリアクタパーツ。
【0054】
5.プレート面における凹部は別のプレートによってシーリングされている、定義1から4のいずれか1つのマイクロリアクタパーツ。
【0055】
6.プレートボディのプレートフレームに沿ってシーリング、有利にはプラスチックシーリングが収容されている、定義1から5のいずれか1つのマイクロリアクタパーツ。
【0056】
7.プレートボディはプレートまたは別のマイクロリアクタパーツを1つのプレート面に固定するための固定エレメント、ないし固定エレメントのアダプタ、有利にはタイロッドのためのノッチを有する、定義1から6のいずれかのマイクロリアクタパーツ。
【0057】
8.反応管は管の概形において、有利には折り曲げによって形成された、管断面の一方の側において断面積の少なくとも20%の断面狭窄部、および/または、断面拡張部を有する、定義1から7のいずれか1つのマイクロリアクタパーツ。
【0058】
9.プレートは少なくとも2つの反応管を有し、有利には、必要に応じてメアンダ状である、同一の溝状の凹部内に少なくとも2つの反応管を有する、定義1から8のいずれか1つのマイクロリアクタパーツ。
【0059】
10.2つの反応管のプレートボディの外面において、接続エレメント(管コネクタ)を介して接続端部が接続されている、定義9のマイクロリアクタパーツ。
【0060】
11.少なくとも1つの接続エレメントは流体流入部または流体流出部を有する、定義10のマイクロリアクタパーツ。
【0061】
12.溝状の凹部はメアンダ状の概形を有し、概形のメアンダ状の領域の間には間仕切壁が設けられており、間仕切壁は有利には、プレートボディのプレートフレームと共に1つのプレートによってシーリングされている、定義9から11までのいずれかのマイクロリアクタパーツ。
【0062】
13.反応管の接続端部またはプラグエレメントの流体流入部または流体流出部は流体混合器を有する、定義1から12のいずれか1つのマイクロリアクタパーツ。
【0063】
14.流体混合器は、流れ遮断器、流れ加速器、混合ノズルまたは注入ニードルである、定義13のマイクロリアクタパーツ。
【0064】
15.反応管内または接続端部において、センサ、殊に温度センサ、有利にはサーモスタットと接続されたセンサ、または光学センサ、または屈折率センサ、有利には測定プリズムを備えた屈折率センサが取り付けられている、定義1から14までのいずれかのマイクロリアクタパーツ。
【0065】
16.反応管の接続端部は加圧制御器、有利には圧力開放弁、ブローアウトディスクまたは栓と接続されている、定義1から15までのいずれかのマイクロリアクタパーツ。
【0066】
17.反応管は金属、セラミックまたはプラスチックから構成されている、定義1から16のいずれか1つのマイクロリアクタパーツ。
【0067】
18.混合エレメントとしての断面狭窄部を備えた反応管であって、断面は、管、有利には円形の管の一方の側において少なくとも15%、有利には少なくとも20%狭められている、反応管。
【0068】
19.管の断面は狭窄部の向かい側では拡張されておらず、有利には狭窄部に対して90°の位置においても拡張されておらず、有利には狭窄部の向かい側の断面は半円を形成する、定義18の反応管。
【0069】
20.複数の断面狭窄部を有し、有利には断面狭窄部が設けられる側が交互に現れ、殊に断面狭窄部は螺旋状にずらされているか、管断面において対向するようずらされている、および/または、断面狭窄部は有利には直線状、角柱状、円筒状または球状である、定義18または19の反応管。
【0070】
21.管の全長の少なくとも10%は断面狭窄部を有する、定義18から20のいずれかの反応管。この反応管は有利にはマイクロリアクタパーツに使用される。
【0071】
22.少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを備えたマイクロリアクタであって、マイクロリアクタパーツはそれぞれ、1つのプレート面に溝状の凹部を有するプレートボディを備えており、凹部には反応管が収容されており、また反応管はそれぞれのプレートボディの外面に接続端部を有し、異なるマイクロリアクタパーツの反応管は接続端部と接続エレメントを介して接続されている、マイクロリアクタ。
【0072】
23.マイクロリアクタパーツのうちの少なくとも1つ、有利には少なくとも2つは定義1から17までのいずれかのものである、定義22のマイクロリアクタ。
【0073】
24.1つのマイクロリアクタパーツの反応管、有利には全てのマイクロリアクタパーツの反応管が接続端部を有し、接続端部はいずれもそれぞれのリアクタブロックのプレートボディの外面において終端している、定義22または23のマイクロリアクタ。
【0074】
25.反応管は接続エレメントによって接続されており、接続エレメントは選択的に、反応流体の反応管への流入部または反応管からの流出部、および/または、凹部のチャネルへの流体の流入部またはチャネルからの流出部を含む、定義22から24のいずれかのマイクロリアクタ。
【0075】
26.異なるマイクロリアクタパーツの反応管はプラグエレメント、管またはチューブによって接続されている、定義22から25のいずれか1つのマイクロリアクタ。
【0076】
27.2つのマイクロリアクタパーツ間に熱絶縁素子が設けられている、定義22から26のいずれかのマイクロリアクタ。
【0077】
28.定義1から17までのいずれかのマイクロリアクタパーツ、有利には少なくとも2つのマイクロリアクタパーツと、有利には、マイクロリアクタパーツをマイクロリアクタに接続するための接続エレメントとを含む、定義22から27のいずれかのマイクロリアクタを製造するキット。
【0078】
28.反応管において2つの流体を混合するための、定義1から17までのいずれかのマイクロリアクタパーツの使用、または定義18から21までのいずれかの反応管の使用、または定義22から27までのいずれかのマイクロリアクタの使用。
【0079】
29.2つの流体はエマルションまたはディスパージョンを形成する、定義28の使用。
【0080】
30.付加的に、2つの流体の化学反応を生じさせる、定義27または28の使用。
【0081】
31.少なくとも2つのマイクロリアクタパーツを備えたマイクロリアクタを使用し、有利には、溝状の凹部内に流れる熱伝達媒体、有利には水によってマイクロリアクタパーツの反応管を種々の温度に加熱または冷却する、定義28から30までのいずれかの使用。
【0082】
32.熱伝達媒体を向流または並流で反応管内の反応混合物へと案内する、定義31の使用。
【0083】
33.2つの流体の混合個所において、2つの気体を異なる速度で、有利には少なくとも2倍、有利には少なくとも3倍、殊に少なくとも4倍の速度差で混合する、定義28から32までのいずれかの使用。
【0084】
34.2つの流体の混合個所において、2つの流体が140°〜220°、有利には160°〜200°、殊に有利には180°の角度で相互に衝突する、定義28から33のいずれかの使用。
【0085】
35.混合個所において、2つの流体の速度を、混合ノズルの圧力および断面によって、有利には所定数の孔を備えた孔プレートを選択することによって調整する、定義28から34のいずれかの使用。
【0086】
36.流体の入口圧力の値は少なくとも1bar、有利には少なくとも5bar、殊に有利には少なくとも10barである、定義28から35のいずれかの使用。
【0087】
37.流体のうちの一方の流体は液体であり、他方の流体は液体、気体または超臨界流体である、定義28から36のいずれかの使用。
【0088】
以下では、本発明を添付の図面および実施例に基づき詳細に説明するが、それらは本発明を制限することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】接続エレメントによって結合されている、複数のマイクロリアクタパーツから構成されているマイクロリアクタの立体図を示す。
【
図3】種々の接続エレメントを通る断面でのリアクタの正面図を示す。
【
図4】個々の凹部に反応管が設けられていることが見て取れる、リアクタの断面図を示す。
【
図5a】プレート面における凹部および反応管が示されているマイクロリアクタパーツの平面図を示す。
【
図5b】マイクロリアクタパーツの別の平面図を示す。
【
図6】反応管と接続エレメントの接続個所の一部の断面図を示す。
【
図7a】断面狭窄部および断面拡張部を備えた反応管を示す。
【
図7b】断面狭窄部および断面拡張部を備えた反応管を示す。
【
図7c】断面狭窄部および断面拡張部を備えた反応管を示す。
【
図9】流体流入部または流体流出部を有する接続エレメントの一部の正面図を示す。
【
図10】反応管に突出している、複数の孔を備えた混合ランスを有する接続部を示す。
【
図11b】流体流入部ないし流体流出部を付加的に有する接続エレメントを示す。
【
図11c】隣り合う反応管のための2つの流入部ないし流出部を有する、管コネクタを備えていない接続ブロックを示す。
【
図12a】搬送保持部ないし組み付け保持部に取り付けられているマイクロリアクタの側面図を示す。
【
図12b】搬送保持部ないし組み付け保持部に取り付けられているマイクロリアクタの正面図を示す。
【
図13】個々の反応管の所定の組み立て接続個所を有するマイクロリアクタの正面図を示し、図中の番号は実施例2および3において示唆した位置を参照する。
【
図14a】種々の長さの混合ランスを示す、混合ノズルに使用するための混合エレメントとしての穴開きディスクの正面図を示す。
【
図14b】種々の長さの混合ランスを示す、混合ノズルに使用するための混合エレメントとしての穴開きディスクの一部の断面図を示す。
【
図15g】内部の断面形状が円形であり、外部の断面形状が矩形である、分離可能な実施形態の管を示す。
【
図16a】マイクロリアクタパーツに波状に挿入することができる管の形状を示す。
【
図16b】マイクロリアクタパーツにメアンダ状に挿入することができる管の形状を示す。
【
図16c】マイクロリアクタパーツにギザギザ状に挿入することができる管の形状を示す。
【
図16d】マイクロリアクタパーツに鋸刃状に挿入することができる管の形状を示す。
【
図16e】マイクロリアクタパーツに角張った波状に挿入することができる管の形状を示す。
【
図16f】マイクロリアクタパーツにジグザグ状に挿入することができる管の形状を示す。
【
図17】管を誘導的に加熱するためのコイル(1)が巻き付けられている反応管(2)を示す。
【0090】
実施例:
実施例1:構造の説明
マイクロリアクタはモジュール構造を特徴としており、これによって滞留時間などのパラメータを種々の反応に適合させることができる。
【0091】
モジュールプレートないしマイクロリアクタパーツ1はプレートボディから構成されており、このプレートボディにおいて反応管21が凹部22に案内される。反応管21はU字型の取付具24によって凹部22に固定される。管には前面から反応媒体が供給される。プレートボディ1内の凹部は、反応に必要とされる温度を調整するための冷却流体ないし加熱流体のための誘導路として使用される。マイクロリアクタは熱交換器のように構成されており、冷却処理ないし加熱処理を並流においても向流においても実施することができる。加熱媒体用の供給9,10はプレートボディの左側および右側において行われる。複数の孔が凹部の最も高い場所にあり、それによって場合によっては空気を逃すことができるように接続部を実施することができる。前面には管コネクタ20が取り付けられており、それらの管コネクタ20をフレキシブルに位置決めすることができる。管状固定具8の使用によって、管の長さを個別的に反応に適合させることができる。管状固定具8は個々のモジュール間の接続部としても使用される。
【0092】
例えば、マイクロリアクタを複数の段階での複数の反応物質の反応のために設けることができる。例えば:
1.反応媒体の反応温度への加熱(第1モジュール)
2.媒体の反応(第2モジュール〜第4モジュール)
3.溶液の稀釈および反応の停止(第5モジュール)
【0093】
個々の反応管部分またはマイクロリアクタパーツは個別のモジュールを表す。
【0094】
第1モジュールから第4モジュールは同じ温度レベルで動作するので、それらのモジュールは1つの機能的レベル内にある。別の温度レベルが存在する場合、第5モジュールは第4モジュールに直接的に接していない。スペーサ3および絶縁プレート2によって空間的に隔てることができる。
【0095】
図1によるリアクタの特定の実施形態においては、個々のマイクロリアクタパーツ1ないしモジュールの構造が例示的に示されており、それらのマイクロリアクタパーツ1ないしモジュールを例えばカバーモジュール2ないし絶縁体3によって隔てることができる。個々のマイクロリアクタパーツおよびプレート絶縁体は固定部材4によって保持され、それらの固定部材4はタイロッド5およびロッキングクランプ6によって固定される。リアクタの下方には、フォークリフトのアタッチメント受容部の形態の脚部7が設けられている。個々のマイクロリアクタパーツは接続エレメント(プレートコネクタ)8によって接続される。プレートボディ内の個々の反応管は、例えば、接続ブロック20の形態の管接続エレメントによって接続される。個々のプレートは冷却媒体の流入部ないし流出部9もしくは加熱媒体の流入部ないし流出部10を有することができる。熱媒体としてのそれらの冷却媒体ないし加熱媒体は凹部22においてプレートを通って案内される。
【0096】
マイクロリアクタは複数の反応媒体入口および出口を有することができる。例えば、流体A用の入口11、流体B用の入口12、混合物A/B用の出口13、反応流体C用の入口14、別のプレートにおける反応混合物A/B用の入口15;択一的に、混合物A/B/C用の出口(ここでは自由な接続端部16)、別のプレートにおける混合物A/B/C用の入口17、反応媒体D用の入口18および生成物出口19を有することができる。
【0097】
図2は、6つの異なるプレートボディ1を備えたリアクタの概略的な側面図を示し、また断面C(
図3を参照されたい)および断面B(
図4を参照されたい)も示唆されている。
【0098】
図3は、プレートの複数の管を接続するための種々の接続エレメント(管コネクタ)20の断面図を示す。個々のプレートはプレートコネクタ8によって接続されている。
【0099】
図4によれば、5つの異なるプレートから成るリアクタの断面図が示されており、反応管21が溝状の凹部22内にどのように挿入されているかが図示されている。個々のプレートをシール23によってシーリングすることができる。
【0100】
図5aから見て取れるように、凹部内の個々の管を取付具24によって固定することができる。タイロッド5によって個々のプレートを固定するために、タイロッド5を固定するためのノッチ25が設けられている。
図5bは、付加的に、モジュールの供給/流出個所11、流入個所12、流出個所13、混合物流入個所13bおよびモジュールの供給/流出個所11bを示す。さらに、熱媒体入口22bないし熱媒体出口22aも示されている。
【0101】
図6は、接続エレメントがプレートボディ1にどのように取り付けられているかを表す、接続エレメントを側方から見た断面図を示す。ここでは管21の接続部材が設けられており、この接続部材を別の管の奥の方にまで案内することもできる。接続エレメントは接続ブロック26として示されており、この接続ブロック26は、プレートの反応管21内に突出している管27を有する。この管27は分配素子30によってシールされている。分配素子30内には複数の孔が設けられているので、流体を種々の方向(角度)からリアクタに供給することができる。個々の接続個所はシール28,29によってシーリングされており、これらは張力シール28または圧力シール29として構成することができる。
【0102】
図7aは、断面狭窄部31ないし断面拡張部32を有する反応管21を示す。これらの断面狭窄部31ないし断面拡張部32は有利には規則的な間隔a、例えば50mmの間隔aを空けて設けられている。
図7bは、円形ないし球状の断面狭窄部を有する反応管を示す。また
図7cは、円形の断面拡張部と、反応管の断面に対して傾斜した角度で設けられた斜めの断面狭窄部を有する反応管を示す。
【0103】
図8は、内径i(例えば5mm)と外径a(例えば6mm)と断面狭窄部b(例えば1.51mm)とを有する断面狭窄部の断面図を示す。もちろん、断面狭窄部に関しては他の寸法で構成することもできる。
【0104】
図9には、管21を接続する接続エレメント20が示されている。付加的に、流入個所ないし流出個所34が設けられている。管21ならびに流入個所34は、穴開きディスクとして実施されている混合ノズル33を介して、共通のチャネルおよび隣接する管35内の流入個所へと案内される。
【0105】
図10には流入個所40が示されている。この
図10では、流入管41の上方に接続ブロック素子37を介するインジェクションランス43が示されており、このインジェクションランス43はセンタリング部材43bによって閉じられており、また種々の孔を介して管21へと案内されている。複数の孔を使用することによって、流入する流体は種々の個所において連続的に管21に案内される。管21は直接的に別の接続管42へと案内されている。熱媒体が存在する凹部22を、流出個所36を介して隣に位置する管と接続することができる。もしくは熱媒体が存在する凹部22に流出個所36を介して熱媒体を流入ないし流出させることができる。管21はブシュ39およびナット38によって固定される。
【0106】
図11には、3つの異なるプラグエレメントa),b),c)が示されており、これらのプラグエレメントは、管21間の簡単なプラグ接続部として実施されている。プラグエレメントb)の実施形態によれば、付加的に流体流入個所ないし流体流出個所もプラグエレメント20内に設けられている。
図11に示されているプラグエレメントc)の実施形態によれば、プラグエレメント20bは接続エレメントとして実施されておらず、隣接する2つの管の流入部ないし流出部として実施されている。
【0107】
図12には、
図1に示したマイクロリアクタの前面および側面が示されている。
【0108】
図13は個別的に接続されたマイクロリアクタの前面を示し、またマイクロリアクタには位置1〜70が示されている。このマイクロリアクタにおいて、位置1は流体Aの流体流入部(
図1における参照番号11に対応)である。位置2において流体Bが供給される。位置3における管は流体A/B混合物の加熱に使用される。位置4はA/B混合物の流出部を示す。位置5は反応媒体Cの流入部を示す。位置6〜12は、流体Cを加熱するための管を示す。すなわち、一番下に位置する第1のモジュールは流体A/BおよびCの並行した加熱に使用される。位置12から位置13へと延びる管から流体Cが第2のモジュールに供給される。位置14においては、流体A/B混合物が第2のモジュールに供給される。位置15〜49の管は流体A/B/Cの化学反応に使用される。位置50において流体Dが供給される。位置51〜59の管は反応に使用されるか、流体Dが反応停止剤である場合には反応の停止に使用され、また温度管理にも使用される。位置60は生成物取出部を示す。位置61〜68において加熱媒体が流入または流出され、また位置68および70において冷却媒体が流入または流出される。
【0109】
図14には、穴開きディスクの形態の混合ノズルを通り抜けて突出している、4つの異なる注入ニードルの形態の混合ランスが示されている。異なる距離(b1,b2,b3)でもって注入ニードルが段状にずらされることによって、種々の混合領域を制御することができる。
【0110】
実施例2:動作
供給
図13に示されているように接続されたマイクロリアクタにおける反応に関して、必要とされる化学物質がポンプを介して、第1のモジュール内に設けられている供給個所ないし混合個所に搬送され、それらの個所から化学物質はマイクロリアクタに到達する。
【0111】
供給個所:
流体A 位置1
流体B 位置2(混合個所)
流体C 位置5
流体D 位置50(混合個所)
【0112】
冷却媒体/加熱媒体の供給はポンプを用いて行われ、媒体は長手方向側において、Swagelok社の3/4インチのねじ継手を介して流入され、対向する側(位置61〜70)から流出される。第1モジュールから第4のモジュールは同じ温度レベルで動作するので、それらのモジュールには共通の供給路を介して加熱流体が供給される。温度レベルが異なる場合には、第5のモジュールにおける供給は固有の供給路を介して行われる。
【0113】
混合
反応物の混合は向流ミキサにおいて行われ、この向流ミキサにおいては反応物が非常に高速で相互に衝突する。速度の上昇は小型の混合プレートによって達成される。混合された反応物は別の混合プレートを通過して再び反応管へと戻る。
【0114】
混合個所は以下の位置に設けられている:
混合個所1 位置2
混合個所2 位置14
混合個所3 位置50
【0115】
反応
反応は位置14において流体Cが向流ミキサによって流体A/B混合物に混ぜられることによって開始される。必要な滞留時間は管ないしモジュールの数を介して調整することができる。
【0116】
稀釈
位置50における流体Dの付加に基づき、稀釈および温度変化によって反応が停止する。ここでもまた、2つの流れの混合は向流ミキサにおいて行われる。
【0117】
生成物の取り出し
生成物は位置60において約40℃の温度で取り出される。
【0118】
装置の開放は、反応空間ないし冷却循環系が先行して空にされた後にのみ行われるべきである。装置を開放するために、ロッキングクランプが解除され、これによって固定ロッドが緩められる。続いて、固定ロッドおよび固定部材をリアクタから取り外すことができる。この時点において個々のモジュールを取り外すことによってリアクタを開放することができる。
【0119】
組立の際にはリアクタモジュールを再び正確に相互に重ね合わせ、モジュールが面一で密に配置されているかを検査する必要がある。
【0120】
続いて、固定ロッド、固定部材およびロッキングクランプがリアクタに取り付けられ、固定ロッドがロッキングクランプを用いて緊張され、続いてレバーが倒される。
【0121】
実施例3:動作値
以下の例では、下記の表1のパラメータ値を言及しつつ、所定の流量および圧力比を例示的に説明する。本発明によるマイクロリアクタには、番号2が付された行に記載された直径を有する反応管を設け、またマイクロリアクタを番号1が付された行に記載されている相応の流量でもって動作させた。番号3が付された行に記載されている特定の表面/体積比はリアクタ設計および幾何学に基づき算出された。
【0122】
【表1】
【0123】
マイクロリアクタには流体Aが位置1において圧力ポンプを用いて供給され、また番号4が付された行に記載されている、第1の反応管における空管速度v1でもって位置2(混合個所)へとさらに移送された。
【0124】
流体Aと流体Bを混合する前に、流体Aは流速の適合のために混合ノズルを介して供給された。
【0125】
混合ノズルによって調整される速度比v2/v1の値は番号11が付された行に記載されている。位置2(混合個所)においては、番号5が付された行に記載されている空管速度(5)でもって流体Bが供給された。第1の空管速度を上昇させるために、流体Bが同様に混合ノズルを介して供給された。混合ノズルによって調整される速度比v2/v1の値は番号12が付された行に記載されている。得られた混合物1は番号6が付された行に記載されている空管速度でもって接続部材を介してさらに移送され、また流速を上昇させるために混合ノズルを介して供給された。混合ノズルによって調整される速度比v2/v1の値は番号13が付された行に記載されている。
【0126】
流体Cは管の位置5において、番号7が付された行に記載されている空管速度でもって温度管理のために供給され、また(流体Aおよび流体Bから成る)流体混合物1の集中的な混合のために混合個所2(位置14)に供給された。第1の空管速度を上昇させるために、流体Cが同様に混合ノズルを介して供給された。混合ノズルによって調整される速度比v2/v1の値は番号14が付された行に記載されている。得られた流体混合物2は番号8が付された行に記載されている空管速度でもってさらに移送され、また流速を上昇させるために混合ノズルを介して供給された。混合ノズルによって調整される速度比v2/v1の値は番号15が付された行に記載されている。温度管理下で正確に調整された滞留時間が経過すると、得られた混合物2は位置50の手前にある反応位置から反応後に取り出され、混合個所3(位置50)に供給された。流体Dは管の位置50において、番号9が付されている行に記載されている空管速度でもって(流体Aおよび流体Bおよび流体Cから形成された)流体混合物2の集中的な混合のために混合個所3に供給された。番号9が付された行に記載されている第1の空管速度を上昇させるために、流体Dが同様に混合ノズルを介して供給された。混合ノズルによって調整される速度比v2/v1の値は番号16が付された行に記載されている。得られた生成物流体は番号10が付された行に記載されている空管速度でもってさらに移送され、また流速を上昇させるために混合ノズルを介して供給された。混合ノズルによって調整される速度比v2/v1の値は番号16が付された行に記載されている。得られた生成物は複数の混合ノズルを介して、番号17が付された行に記載されている速度に調整されて供給され、温度管理下ないし熱排出下で正確に調整された滞留時間後に、最後のリアクタ部から取り出され、さらなる処理部に供給される。
【0127】
個々の流体、混合物および生成物の体積流/表面のプロセスパラメータは番号18〜22が付された行に記載されている。
【0128】
番号23〜25が付された行に記載されている、管内流れから生じるレイノルズ数は80〜22,000の範囲にある。
【0129】
リアクタ領域にわたる総圧力損失は流量に依存して4〜33barの範囲で推移する。総圧力損失に寄与する、流体および混合物の個々の圧力損失は、総圧力損失の1〜70%の範囲になりうる。
【0130】
熱伝達処理によって計算されるヌセルト数は流体および混合物ならびに生成物に応じて1〜200の範囲にある。
【0131】
実施例4:ニトロトルエンの製造
純トルエン(沸点111℃、密度=0.87g/ml)がマイクロリアクタ(トルエン貯蔵容器)に供給される。安定した硝酸(濃硝酸65重量%、密度=1.40g/ml)ならびに安定した硫酸(濃硫酸95〜98牛量%、密度=1.84g/ml)は、混酸の製造のための別個のサージタンクに供給されている。ニトロトルエン自体についての反応は本発明によるマイクロリアクタにおいて行われ、出発物質は既に準備された貯蔵容器から窒素超過圧力によって個々の供給路を介してマイクロリアクタに供給される。
【0132】
ニトロトルエンを製造するための反応はマイクロリアクタにおいて行われ、このマイクロリアクタは
図1に示したようにモジュール式に構成されており、実質的に2つのゾーン、すなわち反応ゾーンと、下流側の滞留時間および冷却(温度管理)ゾーンとを有する。
【0133】
マイクロリアクタの反応ゾーンの温度は、反応管を流れる反応物質が約5〜10℃に保持されるように管理される。
【0134】
この温度管理は、有利には、冷却流体(冷却オイルまたは他の熱媒体)を反応管に当てることにより、管の外側からの間接的な制御による熱除去によって行われる。
【0135】
下流側の滞留時間および冷却ゾーンにおいては反応混合物を約2℃〜6℃に温度管理ないし冷却することができる。
【0136】
反応制御
冷たい温度に管理されたマイクロリアクタパーツにおいては、トルエンの混合物の供給ならびに混酸(硝酸および硫酸)の製造が行われる。
【0137】
混酸を製造するためのマイクロリアクタの反応セクションは、プロセスの観点において、混酸の温度が5℃を上回らないように設計されることが望ましい。したがって、固有のマイクロリアクタセクションにおいては、先ず濃硝酸と濃硫酸とが、
図6,9および10に示されているようなノズル注入系および混合系を介して混合され、また混合過程中に即座に管内では
図9の位置35において冷却される。
【0138】
反応物質(混酸およびトルエン)のさらなる混合によって、本発明による断面、すなわち
図7a,7bおよび8に示されているような狭窄部を有する管においてニトロ化反応が開始される。
【0139】
連続的な混合およびエネルギ供給およびエネルギ除去を行いながらのニトロ化反応自体、反応の上流側での反応物質の混合ならびに反応の下流側での滞留および反応の停止は、
図15a〜15gおよび
図16a〜16fに示されているような断面形状を有するマイクロリアクタにおいても管理することができる。
【0140】
マイクロリアクタの反応ゾーンの冷却ないし温度管理は好適には、反応生成物が5℃〜10℃の範囲の温度を上回らないように行われる。反応温度が過度に高い場合にはNO
2が発生してしまうが、これは必ず回避されなければならない。反応の温度制御(熱供給/排出)は、
図1に示されているように、位置9,10における接続部を介して行われる。
【0141】
図1の位置11においてマイクロリアクタに供給されるトルエンは、
図5に示したような細管および反応管において、マイクロリアクタに付加された混酸(硝酸および硫酸)に反応し、2−ニトロトルエン(オルト−ニトロトルエン)、3−ニトロトルエン(メタ−ニトロトルエン)、4−ニトロトルエン(パラ−ニトロトルエン)、2,4−ジニトロトルエンおよび水が生じる。
【0142】
文献から公知のように、本来のニトロ化剤(NO
2+)は硫酸が存在する状態で硝酸から形成される。副反応として異性の2−ニトロトルエンも生じる(Roempp Chemie Lexikon, Thieme Verlag Stuttgart; 10. Auflage; 1996)。
【0143】
芳香族ニトロトルエンは置換基、すなわちベンゼン環上のニトロ基およびメチル基を特徴とする。置換基の種々の位置決定によって3つの構造異性体から成る材料混合物が得られる。構造異性体はトルエンのニトロ化の際の材料混合物として生じる。しかしながらメチル基の誘導特性に起因して、3−ニトロトルエンの割合は少ない。トルエンと硝酸の求電子性の芳香族置換反応の際に、メチル基の誘起効果は第2の置換基の方向にとって非常に重要であることが文献から公知である。主生成物として約65%の2−ニトロトルエン(オルト−ニトロトルエン)、約30%の4−ニトロトルエン(パラ−ニトロトルエン)ならびに5%の3−ニトロトルエン(メタ−ニトロトルエン)が得られる(Beyer/Walter: Lehrbuch der Organischen Chemie, 19. Auflage, S. Hirzel Verlag, Stuttgart 1981)。
【化1】
【0144】
図1に従いモジュール式に構成されたマイクロリアクタの反応区間を反応物質が通過すると、
図1の位置9に示した接続部を介して後段に接続されている、
図13に示したマイクロリアクタの位置69および70の領域において混合物が冷却される。場合によっては、
図1の位置18において水を付加することによって反応を停止させることができ、これによって反応度を制御することができる。マイクロリアクタにおける反応が終了するか、所期のように停止された後に、酸性に反応した反応混合物を
図1の位置19において連続的に取り出し、単離し、精製することができる。
【0145】
中性化を接続されている外部の装置において回分で行うことができるが、同様にマイクロリアクタシステムの一部であっても良い、連続的に動作するスタティックミキサを介して行うこともできる。
【0146】
反応混合物が取り出されると、この反応混合物は冷水(+2℃)と混合され、またシクロヘキサン(沸点80℃、密度=0.78g/ml)と混合され、振盪される。有機相は、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と水とで交互に洗浄される。炭酸水素ナトリウムを用いて処理した後には、有機層が濾過されて、溶剤が例えばロータリーエバポレータにおいて蒸留される前に、再び冷水で後洗浄され、硫酸ナトリウムによって乾燥される。油性残留物をさらに蒸留させることができるので、所望の生成物を100℃〜130℃の沸点範囲において取り出すことができる。生成物として4−ニトロトルエン(パラ−ニトロトルエン)を得るために、結晶化された蒸留物を必要に応じて結晶化させることができ、またメチルアルコールに結晶化させるこがきる。固体の蒸留残留物をエチルアルコールから再結晶化させ、生成物として2,4−ジニトロトルエンを得ることができる。反応生成物としての2−ニトロトルエン(オルト−ニトロトルエン)は、不完全な生成物分離によっては得ることができない。