(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245810
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/50 20060101AFI20171204BHJP
B65D 5/42 20060101ALI20171204BHJP
B65D 5/486 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
B65D5/50 A
B65D5/42 D
B65D5/486
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-28410(P2013-28410)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2014-156263(P2014-156263A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年2月10日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594183738
【氏名又は名称】二和印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(72)【発明者】
【氏名】知念 直也
【審査官】
高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−151033(JP,A)
【文献】
特開2000−153827(JP,A)
【文献】
実開平02−135433(JP,U)
【文献】
特開2002−347753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体が四角形断面を有するように第1側壁部ないし第4側壁部からなる側壁部と、該側壁部の底縁に連なる底部と、前記第4側壁部の一方の側縁に接続して設けられる糊代部であって前記第1側壁部と略同じ幅を有して前記第1側壁部の裏面に重ねられて接合される前記糊代部の他方の側縁に接続して前記側壁部で囲われた内部空間に設けられ、前記四角形断面の一つの角部から他の角部に向けて対角線状に延び対角線と略同じ長さを有する中仕切り部と、前記糊代部の他方の側縁に接続して前記側壁部及び該中仕切り部で囲われた内部空間における該底部近傍に設けられ、前記中仕切り部よりも長い幅を有し、前記内部空間で弧状に撓んでいる容器支持部と、を備え、一枚のシートよりなり、前記容器本体が、扁平状に折り畳み可能であることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記容器本体が、更に上蓋部を備える請求項1記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬品、化粧品等の容器を包装する包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
薬品や化粧品は、容器に収納された製品として、紙やプラスチックス等からなる包装用容器に入れて工場から出荷、輸送され、店頭で展示、販売される。包装用容器は、薬品、化粧品等の容器に応じた大きさ及び形状を有している。例えばマスカラやリップスティック等の、円筒形を有する製品を入れる包装用容器は、取り扱いの容易さ等の理由から、多角形断面の、角柱形状を有するものが多い。なかでも、四角形断面の、略直方体の包装容器が多く用いられている。
【0003】
角柱形状の包装用容器に入れた円筒形の製品は、輸送中や店頭で顧客が手に取ったときに、輸送中の振動や店頭での動作で包装用容器から飛び出ないようにすることが望まれる。包装用容器の横断面における内部空間の近接円の直径を、円筒形の製品の直径と略同じにするような大きさの包装用容器は、円筒形の製品の中心軸方向に直交する方向への自由移動を規制できる。しかし、このような大きさの包装用容器は、当該包装用容器の外面の面積が小さいから、包装用容器の外面に、法律上の表示義務に従って又はPL法に沿って、成分、効能の説明、注意書き、宣伝文句を記載したり着色等の装飾をしたりする面積が小さい。そのため、包装用容器の大きさを、円筒形の製品よりもある程度は大きいままで、当該包装用容器の内部空間で製品が自由に動き回るのを規制することが考えられている。例えば、包装用容器に中仕切り板を設け、この中仕切り板で製品の自由移動を規制することが考えられている。中仕切り板については特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−149891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した中仕切り板によって、円筒形の製品がその中心軸に直交する方向に包装用容器の内部空間で移動することは規制される。しかし、中仕切り板は、円筒形の製品が、その中心軸に平行な方向に包装用容器の内部空間で移動することを規制することは難しかった。
【0006】
そこで本発明は、円筒形の製品がその中心軸に平行な方向に包装用容器の内部空間で移動することを規制することのできる包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装用容器は、容器本体が四角形断面を有するように第1側壁部ないし第4側壁部からなる側壁部と、該側壁部の底縁に連なる底部と、前記第4側壁部の一方の側縁に接続して設けられる糊代部であって前記第1側壁部と略同じ幅を有して前記第1側壁部の裏面に重ねられて接合される前記糊代部の他方の側縁に接続して前記側壁部で囲われた内部空間に設けられ、前記四角形断面の一つの角部から他の角部に向けて対角線状に延び対角線と略同じ長さを有する中仕切り部と、前記糊代部の他方の側縁に接続して前記側壁部及び該中仕切り部で囲われた内部空間における該底部近傍に設けられ、前記中仕切り部よりも長い幅を有し、前記内部空間で弧状に撓んでいる容器支持部と、を備え、一枚のシートよりなり、前記容器本体が、扁平状に折り畳み可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明の包装用容器は、容器本体が、更に上蓋部を備える構成とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、中仕切り部に加えて、容器支持部を備えることから、この容器支持部によって内部空間に収納される製品が、その中心軸に平行な方向に移動することを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態の包装用容器の展開図である。
【
図4】
図1の包装用容器の変形例を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の包装用容器の実施形態を、図面を用いてより具体的に説明する。
図1に展開図で、
図2に斜視図でそれぞれ示す本発明の一実施形態の包装用容器10は、略直方体の外形を有している。この包装用容器10は、第1側壁部11、第2側壁部12、第3側壁部13及び第4側壁部14からなる四つの側壁部により囲まれた四角形断面を有している。本実施形態では、第1側壁部11、第2側壁部12、第3側壁部13及び第4側壁部14が同じ長さの幅W1を有する、正方形断面を有している。もっとも、本発明の包装用容器は、正方形断面のものに限定されるものではない。
【0012】
これらの側壁部のうちのいずれか一つの側壁部に上蓋部が設けられる。図示した本実施形態では第2側壁部12の上縁に接続して、上蓋部15が設けられている。この上蓋部15における第2側壁部12と接続する縁部と反対側の縁部に接続して、舌部16が設けられている。また、これらの側壁部のうちのいずれか一つの側壁部に、底部が設けられる。図示した本実施形態では第2側壁部12の下端に接続して、底部としての底蓋部17が設けられている。この底蓋部17における第2側壁部12と接続する縁部と反対側の縁部に接続して、舌部18が設けられている。
【0013】
更に、図示した本実施形態では、第2側壁部12にそれぞれ隣接する第1側壁部11及び第3側壁部13の上縁に接続して、それぞれ中蓋部19、20が設けられ、また、これら第1側壁部11及び第3側壁部13の下縁に接続して、それぞれ中蓋部21、22が設けられている。
【0014】
第3側壁部13に連なる第4側壁部14の側縁に接続して、糊代部23が設けられている。この糊代部24は、第1側壁部11〜第4側壁部14を、折れ線L1〜L4に沿って折り曲げて箱型の容器を形成したときに、第1側壁部11の裏面(容器の内部空間に向かう面を「裏面」という。)に重ね合わせされた状態で接する部分である。糊代部24の表面及び第1側壁部11の裏面のいずれか一方又は両方に接着剤を少なくとも部分的に付着させ、糊代部23の表面と第1側壁部11の裏面とを重ね合わせて押圧することにより、糊代部23と第1側壁部11とが接着される。この糊代部23の幅W2は、第1側壁部11の幅W1と略同じである。
【0015】
第4側壁部14に一方の側縁で接続する糊代部23における他方の側縁に接続して、中仕切り部24が設けられている。この中仕切り部24の幅W3は、図示した本実施形態では、四角形断面の容器の対角線と略同じ長さを有している。換言すれば、本実施形態の包装用容器10は、第1側壁部〜第4側壁部が同じ長さの幅W1を有する正方形断面の形状を有しているから、中仕切り部24の幅W3は、W1の、2の平行根倍の長さに相当する。
【0016】
中仕切り部24と糊代部23との仕切り線ともいえる折れ線L5は、前述した第1側壁部11〜第4側壁部14の側縁に相当する折れ線L1〜L4を山折りにした場合には、山折りにする。また、折れ線L1〜L4を谷折りにした場合にはL5を谷折りにする。これによって、中仕切り部24は、第1側壁部11〜第4側壁部14によって囲われて形成された包装用容器10の内部空間において、対角線状に位置する。
【0017】
仕切り部24の上縁は、図示した例では、製品P(
図2参照)の取り出し易さ等を考慮して、第1側壁部11〜第4側壁部14の上縁の高さよりも若干低い位置になるように形成されているが、第1側壁部11〜第4側壁部14の上縁と同じ高さであっても構わない。
図1に示す本実施形態では、高さの異なる仕切り部24の上縁と第4側壁部24の上縁とを接続するように、糊代部23の上縁が斜めに形成されている。
【0018】
中仕切り部24の下縁は、第1側壁部11〜第4側壁部14の下縁よりも高い位置に形成されている。そして、この中仕切り部24の下方に、容器支持部25が設けられている。この容器支持部25は、糊代部23と接続していて、容器支持部25の下縁が、第1側壁部11〜第4側壁部14の下縁と同じ位置にあり、その幅W4が、中仕切り部24の幅W3よりも大きい。容器支持部25の幅W4が、中仕切り部24の幅W3よりも大きいことにより、容器支持部25は、
図2に破線で示すように、容器の底部近傍に、撓んだ状態で設けられることになる。
【0019】
本実施形態の包装用容器10は、
図1の展開図からも明らかなように、1枚のシート(ブランク)から構成される。このシートは代表的には紙製であるが、紙製のものに限定されず、プラスチックス製等であってもよい。
【0020】
図1に示した本実施形態の包装用容器を折れ線L1〜L5に沿って山折りした時の横断面を
図3に示す。糊代部23の表面と第1側壁部11の裏面とが接着剤により接着されることにより、第1側壁部11〜第4側壁部14により囲われた四角形断面の内部空間が形成される。この内部空間に、中仕切り部24は、一方の角部から対角の角部まで、対角線状に位置し、これにより当該内部空間を二分する。また、容器支持部25は、中仕切り部24で二分された内部空間のうちの一方で、弧状に位置する。これにより容器支持部25は、二分された内部空間に装入される円筒形の製品Pの底部を支持する。なお、中仕切り部24によって二分された内部空間のうち、容器支持部25が位置しない方の内部空間は、取扱説明書等を収める空間として利用することができる。
【0021】
本実施形態の包装用容器10は、上記容器支持部25を備え、この容器支持部25が包装用容器10の底部近傍において、中仕切り部24により仕切られた内部空間に弧状に撓んだ状態で固定されるから、この仕切られた内部空間に装入される製品Pがその中心軸に平行な方向に自由移動することが規制される。したがって、製品Pが包装用容器10に装入された後の輸送時や、店頭で顧客が手に取った時に、包装用容器10から製品Pが不用意に飛び出ることを防止できる。
【0022】
また、本実施形態の包装用容器10は、上記容器支持部25を備えることにより、顧客が購入後に包装用容器10の底蓋部17から製品Pを取り出すことを禁止することができる。一般に、角柱形状の包装用容器であって上蓋部と底蓋部を備えるものについては、上蓋部から製品を取り出せるようにして、底蓋部からは製品を取り出し難い構造にしていることが多い。その理由は、底蓋部からは製品を取り出す場合には、顧客の取り扱いによっては、包装用容器に装入されている製品を取り落とすおそれがあり、製品に疵、破損等が生じる可能性があるためである。この点、本実施形態の包装用容器10は、上述のとおり上記容器支持部25を備え、これにより、底蓋部からは製品Pを取り出せない構造になっているので、顧客が包装用容器10に装入されている製品Pを取り落とし、製品Pに疵、破損等が生じることを抑制することができる。
【0023】
図4に本実施形態の包装用容器10の変形例を横断面図で示す。
図4に示す例は、
図3に示す包装用容器と同様に、糊代部23の表面と第1側壁部11の裏面とが接着剤により接着されていることにより、第1側壁部11〜第4側壁部14により囲われた四角形断面の内部空間が形成されている。この内部空間に、中仕切り部24は、一方の角部から対角の角部まで、対角線状に位置し、これにより当該内部空間を二分している。また、
図3に示した例との相違点として、容器支持部25は、糊代部23と接続する基部から幅方向に延びる間の所定の位置で折り曲げられており、この折り曲げられた地点から先端までの部分aが、第3側壁部13の裏面と接している。このことにより、容器支持部25における弧状になっている部分の内部空間内での位置を調整することができる。また、必要に応じて、容器支持部25の上記折り曲げられた地点から先端までの部分aを、第3側壁部13の裏面と接着し、これにより容器支持部の包装用容器の内面に強固に固定することができる。
【0024】
図1〜
図4に示した本実施形態の包装容器10は、シートから
図1に示した展開図のブランク形状に加工する工程と、
図1に示した展開図に従って折り線を形成し又は折り重ねる工程と、糊代部24と第1側壁部11とを糊(接着剤)で接着する工程とを含む。これらの工程は、上記の工程順に限定されない。糊代部24と第1側壁部11とを糊で接着する工程は、糊代部24及び第1側壁部11のいずれか一方又は両方に糊を付着させることを含む。これらの工程は製函機で実施できる。本実施形態の包装用容器は、製函機で製造することが可能であり、よって製函機での自動化により手作業が不要である。
【0025】
本実施形態の包装用容器10は、未使用時は平たく扁平状に折り畳まれた状態にすることができ、よって包装用容器10自体の保管、輸送時にかさばることがない。
【0026】
以上、本発明の包装用容器の実施形態を図面を用いて説明したが、本発明の包装用容器は、図示した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を満たす範囲で幾多の変形が可能であることは言うまでもない。例えば容器本体の断面形状は四角形に限らない。ひし形、三角形その他の多角形とすることができる。また、容器本体は、当該容器本体に収容した容器を見ることができる開口部を有していても良い。更に、
図1に展開図で示した包装用容器10において、L1〜L5を谷折りにして包装用容器を組み立てることもできる。
【符号の説明】
【0027】
10…包装用容器、11…第1側壁部、12…第2側壁部、13…第3側壁部、14…第4側壁部、17…下蓋部(底部)、24…中仕切り部、25…容器支持部