【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
ステアリングカラム1に固定されるフレーム2内に挿入され、ロック位置、オン位置、およびスタート位置の間を回転操作される
プラグ3に対し、前記プラグ3とともに同一回転軸周りに回転するカム4のドライブ面5により駆動されるカムフォロア6と、
カムフォロア6に追随して
フレーム2から突出してステアリングカラム1内を挿通するステアリングシャフトに係止する位置とフレーム2内に収容されて前記ステアリングシャフトとの係止が解除される位置との間を移動する施錠体7とを有し、
前記カムフォロア6は、プラグ3のロック位置とオン位置との間の回転操作に伴ってドライブ面5によってカム4の軸長方向に駆動されるとともに、
前記施錠体7は、カムフォロア6に追随してカム4の軸長方向に進退動作する連結体10に連結され、該連結体10の進退動作によって
ステアリングシャフトへの係止位置と係止解除位置との間を駆動され、
かつ、前記カム4には、カムフォロア6が前記ロック位置に対応する第1ロック対応位置(PL1)からオン位置に対応する第1オン対応位置(PO1)を経てスタート位置に対応するスタート対応位置(PS)に至る第1のフォロア移動経路(R1)に加えて、
前記スタート対応位置(PS)を始端として前記第1のフォロア移動経路(R1)に対してカム4の中心方向に偏倚して形成され、第2オン対応位置(PO2)、および第1ロック対応位置(PL1)に導く第2のフォロア移動経路(R2)が形成され、
前記第2オン対応位置(PO2)には、カムフォロア6のスタート対応位置(PS)側への移動を規制してプラグ3の当該方向への回転を阻止する規制部8が設けられるステアリングロック装置を提供することにより達成される。
【0008】
ステアリングロック装置は、プラグ3をロック位置とオン位置との間で回転操作することにより施錠体7をロック位置とアンロック位置との間で駆動し、施錠体7は、ロック位置にあるときにステアリングシャフトを係止してステアリングシャフトへの回転操作を規制し、アンロック位置への移動によりステアリングシャフトへの係止状態を解除してステアリングシャフトへの回転操作を許容する。
【0009】
また、プラグ3の回転操作によりフレーム2に連結されるイグニッションスイッチ13の回転端子が操作され、プラグ3をオン位置を超えてスタート位置に回転させると、イグニッションスイッチ13は、スタート位置に回転し、エンジン始動動作が実行される。
【0010】
プラグ3の回転により施錠体7を駆動するカムフォロア6は、プラグ3の回転に伴ってドライブ面5に沿ってロック位置に対応する第1ロック対応位置(PL1)、オン位置に対応する第1オン対応位置(PO1)、およびスタート位置に対応するスタート対応位置(PS)間を移動する。
【0011】
スタート対応位置(PS)を経たカムフォロア6を第1オン位置(PO1)と異なる第2オン対応位置(PO2)に導き、該第2オン対応位置(PO2)にスタート対応位置(PS)側へのカムフォロア6の移動を規制する規制部8を設けることにより、カム4の回転、すなわち、プラグ3の回転はカムフォロア6により妨げられて禁止される。
【0012】
この結果、一旦スタート位置まで回転操作した後、再びスタート位置に戻るプラグ3への回転操作が禁止され、既に起動しているエンジンへの再起動操作等を確実に防止することが可能になる。また、規制部8は施錠体7をドライブするためのカム4に形成されているために、格別の部品を要することがなく、構造が簡単になる。
【0013】
規制部8は、例えば、第2オン対応位置(PO2)に一方向にのみ回転可能なゲート部材を装着することにより実現可能であるが、
前記カムフォロア6は、適宜の付勢手段により前記フォロア移動経路の壁面に圧接されるとともに、
前記規制部8は、前記カムフォロア6による被圧接壁面に、カムフォロア6のスタート対応位置(PS)側への移動を規制する段状の突部を設けて形成されるステアリングロック装置を構成した場合には、特別なゲート部材等を使用することなく、簡単に規制部8を実現できる。
【0014】
この場合、段状の突部は、後述する実施の形態において示されるように、ドライブ面5に沿って立ち上がるカムの側壁に設けること以外に、ドライブ面5に設けることも可能である。
【0015】
また、スタート対応位置(PS)におけるカムフォロア6の第1のフォロア移動経路(R1)から第2のフォロア移動経路(R2)への導入は、カムフォロア6をフォロア移動経路の壁面に圧接させた状態で、圧接方向に第1、および第2のフォロア移動経路(R2)を並設するとともに、第1のフォロア移動経路(R1)の被圧接壁面を切り欠くという周知の手法により簡単に実現することが可能であるが、この場合、
前記カムフォロア6は、カム4の回転中心方向に付勢さ
れ、
かつ、前記第1のフォロア移動経路(R1)のカムフォロア6による被圧接壁面はスタート対応位置(PS)において切り欠かれてカムフォロア6の第2のフォロア移動経路(R2)への導入開口9が形成されるように構成すると、カム4の中心方向の寸法を有効に利用することが可能になるために、カム4の小型化を実現できる。
【0016】
さらに、カムフォロア6をフォロア移動経路に沿って移動させるためには、カムフォロア6とドライブ面5とで確動カム4を構成することにより実現可能であるが、
前記連結体10は、施錠体7のロック方向に付勢され、カムフォロア6に連結されて該カムフォロア6を前記ロック方向の付勢力によりドライブ面5に圧接させるように構成すると、カム4の構造が簡単になる。
【0017】
また、ステアリングロック装置は、
前記プラグ3には、解錠キー11挿入状態でプラグ3から突出し、ロック位置において連結体10に係止して施錠体7のロック位置への移動を規制するストッパ12が装着されるとともに、
前記カム4には、カムフォロア6の前記ストッパ12による規制位置に対応する第2ロック対応位置(PL2)が設けられ、
前記第2ロック対応位置(PL2)と第1ロック対応位置(PL1)とが
前記カム4の回転中心の軸長方向に形成される連結経路(RC)を介して連結されるように構成することができる。
この場合、
前記第2ロック対応位置(PL2)を始点とし、
前記第1オン対応位置(PL1)を経て前記第1のフォロア移動経路(R1)に連結される第3のフォロア移動経路(R3)が設けられるステアリングロック装置を構成すると、スタート位置まで移動させた後、解錠キー11の抜き差しをすることなく一旦ロック位置まで回転させることにより再びスタート位置まで操作することが可能になり、操作性が向上する。