【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、地盤に立設された中空の杭と、
地盤から露出させられる杭の杭頭の周囲に配置されると共に、天板が上端に固定された鞘管と、
鞘管と杭との間で満たされたモルタルまたはコンクリートからなる充填材と、
天板に固定される上部構造物と、
天板の中央に形成されたセンター孔内に下から挿入される心出し棒と、を有し、
鉛直方向に延在する心出し棒が備えられた杭頭キャップ具は、
杭頭の上端を塞ぐように杭頭に水平に固定されるリングプレートと、
リングプレートに形成された内側開口部内でリングプレートの水平を基準にして心出し棒を水平方向にのみ移動自在にする心出し棒水平位置調整手段
と、
リングプレートの裏面に固定されたブラケットと、
ブラケットに螺着された締め付けボルトと、を備え、
リングプレートは、締め付けボルトを杭頭の内壁面に押し付けることで杭頭に固定されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、
地盤に立設された中空の杭と、
地盤から露出させられる杭の杭頭の周囲に配置されると共に、天板が上端に固定された鞘管と、
鞘管と杭との間で満たされたモルタルまたはコンクリートからなる充填材と、
天板に固定される上部構造物と、
天板の中央に形成されたセンター孔内に下から挿入される心出し棒と、を有し、
鉛直方向に延在する心出し棒が備えられた杭頭キャップ具は、
杭頭の上端を塞ぐように杭頭に水平に固定されるリングプレートと、
リングプレートに形成された内側開口部内でリングプレートの水平を基準にして心出し棒を水平方向にのみ移動自在にする心出し棒水平位置調整手段と、を備え、
心出し棒水平位置調整手段は、
リングプレートにより水平支持されて円形の内側開口部に嵌め込まれる円板と、
円板の径方向に延在すると共に、心出し棒が貫通する長穴と、
円板を上下で挟み込むように心出し棒に取り付けられたスライド部と、を有し、
リングプレートと杭頭の上端との間には、リング状の支持プレートが配置され、支持プレートの外周端は、杭頭の上端に配置され、支持プレートの内周端は、リングプレートの内側開口部から内方に向けて突出して円板を下から支持することを特徴とする。
【0007】
この杭と上部構造物との接合構造においては、鉛直方向に延在する心出し棒を備える杭頭キャップ具にリングプレートが採用されているので、水平出しされたリングプレートを基準にして、心出し棒水平位置調整手段で心出し棒を心出しのために水平方向にのみ移動させるだけで良い。従って、心出し棒の心出し精度を高め易く、しかも、心出し棒の位置調整作業が極めて容易になる。更に、リングプレートを採用することで、心出し棒水平位置調整手段に様々な構成のものを採用させ易くなり、心出し棒を水平方向に移動させるための心出し棒水平位置調整手段の適用可能性の幅を広げることができる。
【0008】
また、心出し棒水平位置調整手段は、リングプレートにより水平支持されて円形の内側開口部に嵌め込まれる円板と、円板の径方向に延在すると共に、心出し棒が貫通する長穴と、円板を上下で挟み込むように心出し棒に取り付けられたスライド部と、を有する。
このような構成を採用すると、リングプレート内で円板を水平面内で回動させる円板回動と、円板の長穴内で心出し棒を移動させる心出し棒直線移動とで、心出し棒を、鉛直方向に維持させたまま、水平面内で所望の位置まで容易且つ確実に移動させることができる。
【0009】
リングプレートと杭頭の上端との間には、リング状の支持プレートが配置され、支持プレートの外周端は、杭頭の上端に配置され、支持プレートの内周端は、リングプレートの内側開口部から内方に向けて突出して円板を下から支持する。
このような構成を採用すれば、天板と円盤の間のモルタル又はコンクリートを介して円板に伝えられた鉛直荷重を、支持プレートを介して杭頭に確実に伝えることができ、従って、杭頭キャップ具の変形を適切に防止することができる。
【0010】
また、スライド部は、円板の下面に当接する心出し棒のヘッド部と、円板の上面に当接すると共に、心出し棒の軸部に螺着されるナットと、を備えている。
このような構成を採用すると、ナットの締め込み作業により、心出し棒を所望の位置で容易かつ確実に固定させることができる。
【0011】
また、心出し棒水平位置調整手段は、リングプレートの内側開口部内に心出し棒が挿入され、リングプレートを上下で挟み込むスライド部に心出し棒が取り付けられている。
このような構成を採用すると、心出し棒を鉛直方向に維持させたまま、リングプレートの内側開口部内で心出し棒を水平面内で所望の位置まで容易に移動させることができる。
【0012】
また、スライド部は、リングプレートの下面に当接すると共に、心出し棒の軸部が貫通する下スライドプレートと、リングプレートの上面に当接すると共に、心出し棒の軸部が貫通する上スライドプレートと、下スライドプレートの下面に当接する心出し棒のヘッド部と、上スライドプレートの上面に当接すると共に、心出し棒の軸部に螺着されるナットと、で構成されている。
このような構成を採用すると、ナットを緩めることで、スライド部を水平面内で任意の方向に容易かつ確実に摺動させることができ、ナットの締め込み作業により、心出し棒を所望の位置で容易かつ確実に固定させることができる。
【0013】
また、リングプレートには、鉛直方向に延在する吊り下げ棒の上端が固定され、吊り下げ棒の下端には、杭内に配置される塞ぎ板が固定されている。
このように、モルタルまたはコンクリートを杭頭内に確実に充填させるための塞ぎ板を、リングプレートを利用して構成させることができる。
【0014】
また、リングプレートには、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されている。
このような構成を採用すると、高さ調整ボルトの上端に、天板を載せるたけで、天板の高さ調整を容易に行うことができる。そして、リングプレートに高さ調整ボルトが固定されているので、天板が大型の場合に効果的である。
【0015】
また、円板には、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されている。
このような構成を採用すると、高さ調整ボルトの上端に、天板を載せるだけで、天板の高さ調整を容易に行うことができる。そして、円板に高さ調整ボルトが固定されているので、天板が小型の場合に効果的である。
【0016】
本発明は、地盤に立設された中空の杭と、
地盤から露出させられる杭の杭頭の周囲に配置されると共に、天板が上端に固定された鞘管と、
鞘管と杭との間で満たされたモルタルまたはコンクリートからなる充填材と、
天板に固定される上部構造物と、
天板の中央に形成されたセンター孔内に下から挿入される心出し棒と、を有し、
鉛直方向に延在する心出し棒が備えられた杭頭キャップ具は、
杭頭の上端に外周端が載置されるリング状の支持プレートと、
支持プレートの内側開口部を塞ぐように支持プレートの上面に配置された円板と、
支持プレートの上面から突出して円板の外周縁の水平方向の移動を規制する係止片と、
円板を有すると共に、心出し棒を水平方向に移動自在にする心出し棒水平位置調整手段と、を備えている。
このような構成を採用すれば、天板と円盤の間のモルタル又はコンクリートを介して円板に伝えられた鉛直荷重を、支持プレートを介して杭頭に確実に伝えることができ、従って、杭頭キャップ具の変形を適切に防止することができる。
【0017】
支持プレートには、鉛直方向に延在する吊り下げ棒の上端が固定され、前記吊り下げ棒の下端には、前記杭内に配置される塞ぎ板が固定されている。
このように、モルタルまたはコンクリートを杭頭内に確実に充填させるための塞ぎ板を、支持プレートを利用して構成させることができる。
【0018】
支持プレートには、上方に突出する高さ調整ボルトが装着されている。
このような構成を採用すると、高さ調整ボルトの上端に、天板を載せるたけで、天板の高さ調整を容易に行うことができる。そして、支持プレートに高さ調整ボルトが固定されているので、天板が大型の場合に効果的である。