(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記縦枠部と前記横枠部とは互いに接合されており、その接合部分においては、それぞれの前記枠部本体同士が接合されているとともに、それぞれの前記入り込み部同士が接合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物の壁構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、壁開口部において、開口枠の縦枠部や横枠部が壁下地の内周面や壁面材の端面に沿って延びている場合、それら縦枠部や横枠部を壁下地の内周面や壁面材の端面に当接させただけでは、縦枠部や横枠部が壁厚み方向において傾くことが懸念される。この要因としては、壁厚み方向において縦枠部や横枠部が壁下地や壁面材に当接する部分の厚み寸法が小さいことや、壁下地の内周面や壁面材の端面自体が傾いていたり平坦面でなかったりすることなどが挙げられる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、壁開口部に対して開口枠を好適に設置することができる壁構造を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
【0007】
第1の発明の建物の壁構造は、壁下地を挟んで対向する一対の壁面材として第1壁面材及び第2壁面材とを有している壁部に、壁開口部が設けられている建物の壁構造であって、前記壁開口部には、前記第1壁面材に連結されたサッシ枠と、前記第2壁面材に連結された開口枠とが設けられており、前記サッシ枠及び前記開口枠は、前記第1壁面材と前記第2壁面材との並び方向に沿って並べられており、前記開口枠は、壁高さ方向に延びている縦枠部及び壁幅方向に延びている横枠部の少なくとも一方を枠形成部として有しており、前記枠形成部は、前記第2壁面材の端面に沿って延びている枠部本体と、前記枠部本体から前記開口枠の外周側に向けて延び、且つ前記第2壁面材と前記サッシ枠との間に入り込んでいる入り込み部と、を有しており、前記入り込み部は、前記第2壁面材の裏面に重ねられている重ね面を有し、前記第2壁面材と前記サッシ枠との間に挟まれた状態になっていることを特徴とする。
【0008】
第1の発明によれば、開口枠において縦枠部や横枠部といった枠形成部が、第2壁面材の裏面に重ねられている入り込み分を有しているため、壁厚み方向における枠形成部の枠部本体の設置角度を、壁下地材の内周面や第2壁面材の端面などに依存することなく、垂直方向に延びている第2壁面材の裏面により設定することができる。このため、枠部本体と入り込み部とが直交していれば、開口枠における枠部本体の内周側の面が壁厚み方向において傾くということを抑制できる。また、この場合、開口枠において第2壁面材側に露出する部分(枠部本体)の厚み寸法を小さくして開口枠が目立ちにくくしても、入り込み部により枠形成部の強度を確保することができる。以上により、壁開口部に対して開口枠を好適に設置することができる。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、前記壁下地は、前記サッシ枠と前記第2壁面材との間に設けられた下地面材を有しており、前記枠形成部の前記入り込み部と前記下地面材とは、前記第2壁面材の裏面に沿って並べられた状態で、互いに連結されている。
【0010】
サッシ枠と第2壁面材との間に開口枠の入り込み部が入り込んでいる構成においては、第2壁面材のうち壁厚み方向においてサッシ枠に重なっている部分が、壁下地に適正に固定できないことが懸念される。これに対して、第2の発明によれば、サッシ枠と第2壁面材との間に下地面材が設けられているため、サッシ枠と第2壁面材との間に開口枠の一部が入り込んでいる構成であっても、壁厚み方向においてサッシ枠に重なる位置において第2壁面材を適正に固定することができる。しかも、枠形成部の入り込み部と下地面材とが連結されているため、その入り込み部を第2壁面材の下地として利用することができる。
【0011】
第3の発明では、第2の発明において、前記サッシ枠には、サッシ戸が開閉可能に取り付けられており、前記サッシ枠は、前記サッシ戸の外周面に対向している対向部と、前記サッシ戸よりも前記第2壁面材側において、前記対向部から当該サッシ枠の内周側に向けて前記第2壁面材の裏面に沿って延びている延出部と、を有しており、前記延出部と前記第2壁面材との間には、前記入り込み部及び前記下地面材が挟まれた状態になっている。
【0012】
第3の発明によれば、サッシ枠においては、延出部が第2壁面材側から対向部を覆い隠した状態になることで、第2壁面材側の空間からはサッシ枠のレール部やサッシ戸の戸枠が見えにくくなり、壁開口部についての意匠性を高めることができる。ここで、サッシ枠が延出部を有していると、壁厚み方向においてサッシ枠に重なる領域が大きくなり、その領域において第2壁面材が固定されていない状態になることが懸念される。これに対して、延出部と第2壁面材との間には、開口枠の入り込み部及び下地面材が設けられているため、第2壁面材を入り込み部や下地面材に適正な状態で固定することができる。
【0013】
第4の発明では、第2又は3の発明において、前記壁下地は、前記第1壁面材及び前記第2壁面材のうち少なくとも一方が取り付けられている複数のフレーム材を有しており、前記複数のフレーム材には、前記壁開口部に沿って延び且つ前記サッシ枠が固定されている開口沿いフレーム材が含まれており、前記下地面材は、前記開口沿いフレーム材に固定されている。
【0014】
第4の発明によれば、下地面材とサッシ枠とが開口沿いフレーム材を介して連結されているため、下地面材がサッシ枠に対して位置ずれするということを回避できる。しかも、第2の発明において、下地面材と開口枠の入り込み部とが固定されているため、開口枠の枠形成部をサッシ枠に対して直接的に固定していなくても、枠形成部がサッシ枠に対して位置ずれするということを回避できる。
【0015】
なお、第4の発明を第3の発明に適用し、延出部が延びている方向において、その延出部がサッシ戸と壁厚み方向に重なっている(オーバーラップしている)構成では、そのオーバーラップ部分に沿って下地面材が設けられていることが好ましい。これにより、枠形成部の入り込み部とフレーム材との離間距離が、オーバーラップ部分がない構成に比べて大きくても、入り込み部とフレーム材とを下地面材を介して固定することができる。
【0016】
第5の発明では、第4の発明において、前記下地面材は、前記第2壁面材と前記開口沿いフレーム材との間に設けられている。
【0017】
第5の発明によれば、下地面材を、その板面を開口沿いフレーム材に重ねた状態で固定することができる。このため、開口沿いフレーム材に対する開口枠の固定強度を高めることができる。
【0018】
第6の発明では、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記縦枠部と前記横枠部とは互いに接合されており、その接合部分においては、それぞれの前記枠部本体同士が接合接続されているとともに、それぞれの前記入り込み部同士が接合されている。
【0019】
第6の発明によれば、縦枠部と横枠部との接合部分において、枠部本体同士及び入り込み部同士の両方が接合されているため、枠部本体及び入り込み部のうち一方同士だけが接合されている構成に比べて、縦枠部と横枠部との接合強度を高めることができる。このため、枠部本体の厚み寸法を小さくして開口枠が目立ちにくい構成を実現した場合でも、開口枠の強度が低下することを抑制できる。
【0020】
第7の発明では、第6の発明において、前記開口枠においては、前記縦枠部及び前記横枠部のうち一方が、その端面が他方の側面に重ねられた勝ち枠部であり、他方が負け枠部であり、前記勝ち枠部においては、当該勝ち枠部の前記入り込み部が前記負け枠部の前記枠部本体よりも前記開口枠の外側に向けて延びている一方で、当該勝ち枠部の前記枠部本体が前記負け枠部の前記枠部本体よりも前記開口枠の外側には突出していない。
【0021】
第7の発明によれば、枠形成部が枠部本体及び入り込み部の両方を有している構成であっても、縦枠部と横枠部との接合部分において、第2壁面材側への開口枠の露出部分(枠部本体)を矩形状にすることができる。このため、開口枠の意匠性が低下することを抑制できる。しかも、縦枠部及び横枠部のうち一方の入り込み部の側面に他方の入り込み部の端面が重ねられた状態で、縦枠部の入り込み部と横枠部の入り込み部とを接合することができるため、縦枠部と横枠部との接合強度が低下することを抑制できる。
【0022】
第8の発明では、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記サッシ枠は、前記第1壁面材と前記第2壁面材との間に入り込んでいるサッシ本体と、前記サッシ本体から前記第2壁面材とは反対側に向けて延び、当該サッシ枠の内周側から前記第1壁面材の端部に引っ掛けられている第1引掛部と、前記サッシ本体から前記第1壁面材とは反対側に向けて延び、当該サッシ枠の内周側から前記開口枠に引っ掛けられている第2引掛部と、を有しており、前記壁部は、前記建物内に設けられ、前記サッシ本体及び前記壁下地が前記第1壁面材と前記第2壁面材との間に挟まれた状態になっている間仕切壁部である。
【0023】
第8の発明によれば、間仕切壁部の壁開口部に対してサッシ枠及び開口枠が設けられ、しかも、サッシ本体が第1壁面材と第2壁面材とに挟まれた状態になっているため、壁厚み方向における開口枠の厚み寸法は、壁部が外壁部である場合に比べて小さくなっている。この場合、開口枠の枠形成部は壁厚み方向において傾きやすいが、枠形成部の入り込み部が第2壁面材の裏面に重ねられているため、枠形成部を適正な状態で設置することができる。
【0024】
第9の発明では、第8の発明において、上下に隣り合う上階部及び下階部と、前記上階部と前記下階部とに跨って設けられている吹抜空間と、を備えている建物に適用され、前記壁開口部は、前記間仕切壁部における前記上階部の居住空間と前記吹抜空間とを仕切っている部分に設けられており、前記間仕切壁部においては、前記第1壁面材が前記吹抜空間側に配置され、前記第2壁面材が前記上階部の前記居住空間側に配置されている。
【0025】
壁開口部にサッシ枠が設けられている場合、屋内空間においてはサッシ枠の手前側に開口枠が設けられていることが好ましい。ここで、間仕切壁部の壁開口部にサッシ枠が設けられている場合は、間仕切壁部により仕切られた空間が両方とも居住空間であるため、本来であれば、壁厚み方向においてサッシ枠の両側に開口枠が設けられていることが好ましいが、間仕切壁部により吹抜空間と上階部の居住空間とが仕切られている構成では、第9の発明のように、サッシ枠の居住空間側に開口枠が設けられていることで、サッシ枠の吹抜空間側に開口枠が設けられていなくても、壁開口部に関して意匠性についても使い勝手についても支障がない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の壁構造を、複数階建ての建物に設けられた間仕切壁において具体化している。
図1は屋内窓部22を示す図である。
図1において、(a)は建物10の概略構成を示す縦断面図であり、(b)は屋内窓部22を二階居室14から見た場合の正面図である。
【0028】
図1(a)に示すように、住宅等の建物10は、基礎の上に設けられた一階部分11と、一階部分11の上に設けられた二階部分12とを有している。一階部分11と二階部分12とは上下に隣り合っており、一階部分11が下階部に相当し、二階部分12が上階部に相当する。一階部分11及び二階部分12は、居住空間としてそれぞれ一階居室13及び二階居室14を有している。建物10は、一階部分11と二階部分12との境界部に設けられた階間部16を有しており、この階間部16は、一階居室13と二階居室14とを上下に仕切っている。なお、階間部16には、一階居室13の天井部及び二階居室14の床部15の両方が含まれている。
【0029】
建物10は、上下方向において一階部分11と二階部分12とに跨っている吹抜空間17を有している。一階部分11と二階部分12との境界部には、階間部16が設置されていない非設置部分が形成されており、吹抜空間17は、その非設置部分を通じて一階部分11から二階部分12に吹き抜けている。なお、一階居室13、二階居室14及び吹抜空間17はいずれも建物内空間に含まれている。
【0030】
建物10は、吹抜空間17と居室13,14とを仕切る間仕切壁部21を有している。間仕切壁部21は、建物10内に設けられた壁部であり、吹抜空間17を一階居室13及び二階居室14に対して区画している。間仕切壁部21は、吹抜空間17に沿って上下方向に延びており、一階部分11と二階部分12との境界部を上下に跨いでいる。
【0031】
間仕切壁部21においては、吹抜空間17と二階居室14とを仕切る部分に屋内窓部22が設けられている。屋内窓部22は、間仕切壁部21に形成された壁開口部であり、吹抜空間17と二階居室14とを連通している。二階居室14においては、その天井面が二階天井部23の下面により形成され、床面が階間部16の上面により形成されており、屋内窓部22は、上下方向において二階天井部23と階間部16との中間位置に設けられている。この場合、屋内窓部22は、二階天井部23から下方に離間しており、階間部16から上方に離間している。
【0032】
図1(a),(b)に示すように、屋内窓部22には、吹抜空間17側に配置された吹抜側枠としてのサッシ枠31と、二階居室14側に配置された居室側枠としての窓枠32とが設けられている。サッシ枠31及び窓枠32は、いずれも矩形枠状に形成されており、壁厚み方向に並べて配置されている。サッシ枠31及び窓枠32は、上下方向(壁高さ方向)に延びている一対の縦枠部31a,32aと、各縦枠部31a,32aの上端部同士を連結する上枠部31b,32bと、下端部同士を連結する下枠部31c,32cとを有している。
【0033】
なお、窓枠32は開口枠に相当する。また、窓枠32においては、上枠部32b及び下枠部32cが壁幅方向に延びている横枠部に相当し、縦枠部32a、上枠部32b及び下枠部32cが枠形成部に相当する。
【0034】
サッシ枠31には、サッシ戸33が開閉可能に取り付けられている。サッシ戸33は、引き違い式で複数設けられており、それらサッシ戸33は、壁幅方向に沿ってスライド移動することが可能なガラス戸になっている。サッシ戸33は、矩形状の戸枠33aと、その戸枠33aに嵌め込まれたガラス板33bとを有している。ガラス板33bは矩形状に形成されており、戸枠33aはガラス板33bの周縁部に沿って延びている。
【0035】
次に、窓枠32の構成について
図2、
図3を参照しつつ説明する。
図2は、
図1(b)のA−A線断面図、
図3は、
図1(b)のB−B線断面図である。
【0036】
図2、
図3に示すように、間仕切壁部21は、柱や天井大梁、床大梁等の建物躯体に固定された壁下地35と、壁下地35を挟んで対向する一対の壁面材36,37とを有している。壁下地35は、一対の壁面材36,37に挟まれた状態で、それら壁面材36,37の間の空間に沿って延びている。
【0037】
壁下地35は、屋内窓部22に沿って延びている開口沿いフレーム材としてのフレーム材41〜43を有している。フレーム材41〜43のうち、屋内窓部22の側方に設けられた側方フレーム材41は、上下方向に沿って延びている縦フレーム材であり、サッシ枠31の縦枠部31aに沿って延びている。側方フレーム材41は、屋内窓部22の両側方のそれぞれに設けられており、屋内窓部22は、一対の側方フレーム材41の間に配置されていることになる。
【0038】
フレーム材41〜43のうち、屋内窓部22の上方に設けられた上方フレーム材42は、壁幅方向に沿って延びている横フレーム材であり、サッシ枠31の上枠部31bに沿って延びている。また、屋内窓部22の下方に設けられた下方フレーム材43は、上方フレーム材42と同じく横フレーム材であり、サッシ枠31の下枠部31cに沿って延びている。
【0039】
ちなみに、壁下地35は、壁高さ方向に沿って延びている縦フレーム材と、壁幅方向に沿って延びている横フレーム材とをそれぞれ複数有しており、各縦フレーム材は所定間隔で横並びに配置され、各横フレーム材は所定間隔で縦並びに配置されている。壁下地35においては、複数の縦フレーム材のうち、屋内窓部22の両側方において最もサッシ枠31に近い位置の縦フレーム材がそれぞれ側方フレーム材41とされている。また、複数の横フレーム材のうち、屋内窓部22の上方において最下段の横フレーム材が上方フレーム材42とされ、屋内窓部22の下方において最上段の横フレーム材が下方フレーム材43とされている。
【0040】
二階天井部23は、石膏ボード等の天井面材45と、天井面材45が下方から取り付けられている野縁46とを有している。野縁46は、天井面材45を上方から支持する天井下地材であり、天井大梁等の建物躯体に対して固定されている。上方フレーム材42は、上方フレーム材42の高さ位置を調整するためのスペーサ部材47を挟んで天井面材45の下側に配置されており、ビス等により野縁46に対して固定されている。スペーサ部材47は合板等により形成されている。
【0041】
壁面材36,37は、石膏ボード等により形成されており、壁下地35に対してビス等により固定されている。壁面材36,37のうち、第1壁面材36は吹抜空間17側に配置されており、第2壁面材37は二階居室14側に配置されている。
【0042】
サッシ枠31の枠部31a〜31cは、サッシ戸33の外周面に対向している対向部51と、サッシ枠31の内周側から第1壁面材36の端部に引っ掛けられている第1引掛部52と、サッシ枠31の内周側から窓枠32に引っ掛けられている第2引掛部53とを有している。
【0043】
サッシ枠31の上枠部31b及び下枠部31cにおいては、対向部51からサッシ枠31の内周側に向けて延出部54,55が延びており、それら延出部54,55から引掛部52,53が壁厚み方向に向けて延びている。
【0044】
延出部54,55のうち、第1延出部54は、対向部51における第1壁面材36側の端部から延びており、第1壁面材36の端面よりもサッシ枠31の内周側に突出している。第1引掛部52は、第1延出部54における第1壁面材36よりも突出した部分から、第2壁面材37とは反対側(吹抜空間17側)に向けて延びている。第1引掛部52は、第1壁面材36よりも吹抜空間17側に突出しており、第1壁面材36の端面をサッシ枠31の内周側から覆い隠した状態になっている。第1引掛部52の自由端(吹抜空間17側の端部)には、サッシ枠31の外周側に向けて延びるリップ57が設けられている。リップ57は、壁厚み方向において第1壁面材36の端部に重なっており、その端部を吹抜空間17側から覆い隠した状態になっている。
【0045】
延出部54,55のうち、第2延出部55は、対向部51における第2壁面材37側の端部から延びており、窓枠32よりもサッシ枠31の内周側に突出している。第2引掛部53は、第2延出部55における窓枠32よりも突出した部分から、第1壁面材36とは反対側(二階居室14側)に向けて延びている。第2延出部55から第2引掛部53が延びている寸法は、窓枠32の厚み寸法よりも小さくされており、第2引掛部53は、壁厚み方向において窓枠32の一部に引っ掛かった状態になっている。
【0046】
なお、縦枠部31aは、第1延出部54を有していないが、第2延出部55を有している。つまり、縦枠部31aにおいては、第1引掛部52が対向部51から直接延びている一方で、第2引掛部53が第2延出部55から延びている。
【0047】
また、上枠部31b及び下枠部31cにおいては、第1延出部54及び第2延出部55が、いずれも壁厚み方向においてサッシ戸33と重なっている(オーバーラップしている)。延出部54,55の延出方向において、オーバーラップ部分の長さ寸法は、第2延出部55の方が第1延出部54よりも長くなっており、第2延出部55は上下方向においてサッシ戸33の戸枠33aのほぼ全体と重なっている。
【0048】
サッシ枠31は、サッシ戸33の移動方向を案内するレール部58a,58bを有しており、レール部58a,58bは壁幅方向に沿って延びている。レール部58a,58bのうち、サッシ戸33の上端部に引っ掛かった状態になっている上側レール部58aは、上枠部31bに含まれており、サッシ戸33の下端部に引っ掛かった状態になっている下側レール部58bは、下枠部31cに含まれている。上側レール部58aは、上枠部31bの対向部51から下方に向けて延びており、サッシ戸33においては、上側レール部58aが上方から入り込んでいる上側受け部59aが、戸枠33aの上端面に設けられている。下側レール部58bは、下枠部31cの第2延出部55から第1延出部54側に向けて延びており、サッシ戸33においては、下側レール部58bが側方から入り込んでいる下側受け部59bが、戸枠33aの下端部側面に設けられている。
【0049】
上枠部31b及び下枠部31cにおいては、対向部51及び延出部54,55が、サッシ枠31の内周側から一対の壁面材36,37の間に入り込んでおり、サッシ本体に相当する。この場合、上枠部31b及び下枠部31cにおいては、サッシ本体がレール部58a,58bを有していることになる。
【0050】
サッシ枠31は、フレーム材41〜43に対してビス等により固定されている。具体的には、サッシ枠31の縦枠部31aは、その外側面(サッシ枠31の外周側面)が側方フレーム材41の側面に重ねられた状態で、サッシ枠31の内周側から縦枠部31aを貫通して側方フレーム材41に打ち込まれたビス等により側方フレーム材41に固定されている。下枠部31cは、その下面が下方フレーム材43の上面に重ねられた状態で、下枠部31cを上方から貫通して下方フレーム材43に打ち込まれたビス等により下方フレーム材43に固定されている。
【0051】
上枠部31bは、サッシ枠31の高さ位置を調整するためのスペーサ部材61を挟んで上方フレーム材42の下側に配置されており、上枠部31b及びスペーサ部材61を下方から貫通して上方フレーム材42に打ち込まれたビス等により上方フレーム材42に固定されている。
【0052】
窓枠32の枠部32a〜32cは、第2壁面材37の端面に沿って延びている枠部本体65と、窓枠32の内周側からサッシ枠31と第2壁面材37との間に入り込んでいる入り込み部66とを有している。枠部32a〜32cのそれぞれにおいて、枠部本体65及び入り込み部66は、枠部32a〜32cの長手方向に沿って延びており、枠部32a〜32cの長さ寸法とほぼ同じ長さ寸法を有している。枠部本体65と入り込み部66とは互いに直交しており、枠部本体65は間仕切壁部21の壁面に対して直交する方向に延び、入り込み部66は壁面に平行に延びている。この場合、枠部32a〜32cは、断面L字状になっている。
【0053】
枠部本体65は、壁厚み方向において第2壁面材37の二階居室14側及び吹抜空間17側の両方に突出しており、第2壁面材37の端面を覆い隠した状態になっている。入り込み部66は、第2壁面材37よりも第1壁面材36側において、枠部本体65から窓枠32の外周側に向けて第2壁面材37の裏面に沿って延びている。入り込み部66は、サッシ枠31の第2延出部55と第2壁面材37との間に挟まった状態になっている。この場合、壁厚み方向において、入り込み部66の厚み寸法は、第2延出部55と第2壁面材37との離間距離と同じになっている。入り込み部66においては、第2壁面材37側の側面が第2壁面材37の裏面に重ねられており、第1壁面材36側の側面が第2延出部55の外側面に重ねられている。この場合、入り込み部66は、第2壁面材37の裏面に重なっている重ね面を有していることになる。
【0054】
枠部本体65からの入り込み部66の延出方向において、枠部本体65の厚み寸法は、入り込み部66の延出寸法L1よりも小さくなっている。ここで、枠部32a〜32cにおいては、それぞれの強度が枠部本体65及び入り込み部66の断面積により確保されているため、枠部本体65の厚み寸法を小さくすることで、二階居室14から屋内窓部22を見た場合に窓枠32が目立ちにくくしても、枠部32a〜32cの強度が低下するということを抑制できる。
【0055】
また、入り込み部66の延出方向において、入り込み部66の延出寸法L1と、第2壁面材37の端面からフレーム材41〜43間での離間距離L2との関係は、縦枠部32aと上枠部32b及び下枠部32cとで異なっている。縦枠部32aについては、入り込み部66の延出寸法L1が、第2壁面材37の端面と側方フレーム材41との離間距離L2と同じ大きさになっており(L1=L2)、入り込み部66の先端面が側方フレーム材41の側面に重なっている。縦枠部32aは、その入り込み部66と側方フレーム材41との境界部を跨ぐようにステープル等の跨ぎ固定具が打ち込まれていることで、側方フレーム材41に固定されている。なお、入り込み部66の側端面と側方フレーム材41の側面とは接着剤で接合されている。
【0056】
なお、壁厚み方向において、側方フレーム材41の厚み寸法は、一対の壁面材36,37の離間距離と同じ大きさになっており、それら壁面材36,37は、各裏面が側方フレーム材41の側面にそれぞれ重ねられた状態で側方フレーム材41に固定されている。
【0057】
上枠部32bについては、入り込み部66の延出寸法L1が、第2壁面材37と上方フレーム材42との離間距離L2よりも小さくなっており(L1<L2)、入り込み部66は上方フレーム材42から下方に離間している。また、下枠部32cについては、入り込み部66の延出寸法L1が、第2壁面材37と下方フレーム材43との離間距離L2よりも小さくなっており(L1<L2)、入り込み部66は下方フレーム材43から上方に離間している。
【0058】
これに対して、上枠部32b及び下枠部32cについては、サッシ枠31と第2壁面材37との間に下地面材68,69が設けられており、それら下地面材68,69を介してそれぞれの入り込み部66が上方フレーム材42及び下方フレーム材43に固定されている。下地面材68,69は、合板等により形成された横長板材であり、壁下地35に含まれている。下地面材68は、壁厚み方向において上方フレーム材42に重なる位置に配置されており、ビス等により上方フレーム材42に固定されている。下地面材69は、壁厚み方向において下方フレーム材43に重なる位置に配置されており、ビス等により下方フレーム材43に固定されている。
【0059】
下地面材68,69の厚み寸法は、上枠部32b及び下枠部32cの各入り込み部66の厚み寸法と同じ大きさになっている。また、上方フレーム材42と下地面材68との厚み寸法の合計、及び下方フレーム材43と下地面材69との厚み寸法の合計は、一対の壁面材36,37の離間距離と同じ大きさになっている。この場合、第1壁面材36は、その裏面がフレーム材42,43の側面に重ねられた状態でそれらフレーム材42,43に固定されており、第2壁面材37は、その裏面が下地面材68,69の各板面に重ねられた状態でそれら下地面材68,69に固定されている。
【0060】
上枠部32bにおいては、その入り込み部66の上端面が下地面材68の下端面に重ねられており、その状態で、入り込み部66と下地面材68との境界部を跨ぐように跨ぎ固定具が打ち込まれていることで、上枠部32bが下地面材68に固定されている。この場合、第2壁面材37は、上枠部32bの入り込み部66と下地面材68との境界部を上下に跨いだ状態で、入り込み部66及び下地面材68の両方に対してビス等により固定されている。これにより、上枠部32bの上側において、第2壁面材37の端部が固定されていない状態になることを回避できる。なお、入り込み部66の上端面と下地面材68の下端面とは接着剤で接合されている。
【0061】
下枠部32cにおいては、その入り込み部66の下端面が下地面材69の上端面に重ねられており、その状態で入り込み部66と下地面材69との境界部を跨ぐように跨ぎ固定具が打ち込まれていることで、下枠部32cが下地面材69に固定されている。この場合、第2壁面材37は、下枠部32cの入り込み部66と下地面材69との境界部を上下に跨いだ状態で、入り込み部66及び下地面材69の両方に対してビス等により固定されている。これにより、下枠部32cの下側において、第2壁面材37の端部が固定されていない状態になることを回避できる。なお、入り込み部66の下端面と下地面材69の上端面とは接着剤で接合されている。
【0062】
図1(b)の説明に戻り、窓枠32においては、上枠部32b及び下枠部32cは一対の縦枠部32aの間に配置されている。縦枠部32aは、その側面が上枠部32b及び下枠部32cの各端面に重ねられた状態で、ビス等により上枠部32b及び下枠部32cに固定されている。この場合、縦枠部32aが上枠部32b及び下枠部32cに対して勝った状態になっており、縦枠部32aが勝ち枠部に相当し、上枠部32b及び下枠部32cが負け枠部に相当する。
【0063】
縦枠部32aと下枠部32cとの接合部分においては、縦枠部32aの側面に下枠部32cの端面が接合されている。ここで、縦枠部32aには、その枠部本体65の下端部を切り欠いた切り欠き部71が形成されており、それによって、縦枠部32aの枠部本体65が下枠部32cの枠部本体65よりも下方に突出していない。この場合、切り欠き部71は、縦枠部32aの枠部本体65において、下枠部32cの枠部本体65の下面と同じ高さ位置から下方に向けて延びており、縦枠部32aの枠部本体65の下端面は、下枠部32cの枠部本体65の下面と同一平面になっている。
【0064】
その一方で、縦枠部32aの入り込み部66には切り欠き部71が形成されておらず、縦枠部32aの入り込み部66は、下枠部32cの入り込み部66の下端にまで達している。この場合、縦枠部32aの枠部本体65の下方においても、その縦枠部32aの入り込み部66と下枠部32cの入り込み部66とが当接しているため、その当接部分を接着剤やビス等により固定することで、縦枠部32aの枠部本体65が下枠部32cの枠部本体65よりも下方に突出していない構成であっても、縦枠部32aと下枠部32cとの接合強度が低下することを抑制できる。
【0065】
また、縦枠部32aと上枠部32bとの接合部分は、縦枠部32aと下枠部32cとの接合部分と同じ構成になっている。具体的には、縦枠部32aには、その枠部本体65の上端部を切り欠いた切り欠き部が形成されており、それによって、縦枠部32aの枠部本体65が下枠部32cの枠部本体65よりも上方に突出していない。この場合、切り欠き部は、縦枠部32aの枠部本体65において、上枠部32bの枠部本体65の上面と同じ高さ位置から上方に向けて延びており、縦枠部32aの枠部本体65の上端面は、上枠部32bの枠部本体65の上面と同一平面になっている。
【0066】
その一方で、縦枠部32aの入り込み部66には切り欠き部が形成されておらず、縦枠部32aの入り込み部66は、上枠部32bの入り込み部66の上端にまで達している。この場合、縦枠部32aの枠部本体65の上方においても、その縦枠部32aの入り込み部66と上枠部32bの入り込み部66とが当接しているため、その当接部分を接着剤やビス等により固定することで、縦枠部32aの枠部本体65が上枠部32bの枠部本体65よりも上方に突出していない構成であっても、縦枠部32aと上枠部32bとの接合強度が低下することを抑制できる。
【0067】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0068】
窓枠32においては、縦枠部32a、上枠部32b及び下枠部32cの各入り込み部66が第2壁面材37の裏面に重ねられているため、壁厚み方向における枠部32a〜32cの枠部本体65の設置角度を、鉛直方向に延びている第2壁面材37の裏面により設定することができる。ここで、枠部32a〜32cにおいては、枠部本体65と入り込み部66とが直交しているため、枠部本体65における窓枠32の内周側の面を水平にすることができる。つまり、枠部本体65の仕上面が傾くということを抑制できる。また、この場合、二階居室14から屋内窓部22を見た場合に窓枠32が目立たないように、壁面が延びる方向において枠部本体65の厚み寸法を小さくしても、入り込み部66により枠部32a〜32cの強度を確保することができる。以上により、屋内窓部22に対して窓枠32を好適に設置することができる。
【0069】
上枠部32b及び下枠部32cについて、サッシ枠31と第2壁面材37との間に下地面材68,69が設けられているため、入り込み部66とフレーム材42,43とが上下方向において離間していても、入り込み部66を下地面材68,69を介してフレーム材42,43に固定することができる。したがって、サッシ枠31が第2延出部55を有していることで、上下方向において入り込み部66とフレーム材42,43との離間距離が大きくなっている場合に、入り込み部66の入り込み寸法を大きくしなくても、その入り込み部66を下地面材68,69を介してとフレーム材42,43に固定することができる。
【0070】
特に、サッシ枠31の上枠部31b及び下枠部31cは、壁厚み方向においてサッシ戸33に重なるオーバーラップ部分の領域が大きく、上下方向において入り込み部66とフレーム材42,43との離間距離が大きくなっているため、それら入り込み部66とフレーム42,43との間に下地面材68,69が設けられていることは効果的である。
【0071】
入り込み部66が下地面材68,69に固定されているため、入り込み部66を第2壁面材37の下地として利用することができる。このため、第2壁面材37については、壁厚み方向に下地面材68,69に重なっていない部分でも、入り込み部66に重なった状態でその入り込み部66に固定された部分は、壁下地35に固定されていることになる。
【0072】
サッシ枠31の上枠部31b及び下枠部31cと、下地面材68,69とは、フレーム材42,43にそれぞれ固定されていることで、そのフレーム材42,43を介して連結されているため、下地面材68,69がサッシ枠31に対して位置ずれするということを回避できる。ここで、下地面材68,69は窓枠32の上枠部32b,下枠部32cに固定されているため、それら枠部32b,32cがサッシ枠31に直接固定されていなくても、それら枠部32b,32cがサッシ枠31に対して位置ずれするということを回避できる。
【0073】
下地面材68,69がフレーム材42,43に対して壁厚み方向に重ねられているため、下地面材68,69をフレーム材42,43に固定する作業を、ビス等を用いて二階居室14側から容易に行うことができる。しかも、下地面材68,69とフレーム材42,43とが上下に並んでいる構成に比べて、それら下地面材68,69とフレーム材42,43との当接面積が大きくなるため、下地面材68,69をフレーム材42,43に対して強固に固定することができる。
【0074】
窓枠32の縦枠部32aと上枠部32b及び下枠部32cとの接合部分においては、入り込み部66同士が接合されているとともに、枠部本体65同士が接続されているため、縦枠部32aと上枠部32b及び下枠部32cとの接合強度を高めることができる。このため、枠部本体65の露出部分を極力薄くした構成であっても、窓枠32の強度が低下することを抑制できる。
【0075】
縦勝ちである窓枠32において、縦枠部32aの枠部本体65が下枠部32cの枠部本体65よりも下方に突出しておらず、縦枠部32aの枠部本体65が上枠部32bの枠部本体65よりも上方に突出していないため、二階居室14から見た場合の窓枠32の意匠性を高めることができる。
【0076】
窓枠32の枠部本体65には、サッシ枠31の第2引掛部53が窓枠32の内周側から引っ掛かっているため、壁厚み方向において第2引掛部53と第2壁面材37との間に対して、窓枠32の内周側からビス等を打ち込むことが困難になっている。このため、窓枠32の枠部32a〜32cと壁下地35との境界部を跨ぐように跨ぎ固定具を打ち込むことで、枠部32a〜32cを壁下地35に固定することが好ましい。
【0077】
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0078】
(1)上記実施形態では、窓枠32の上枠部32b及び下枠部32cに関して、フレーム材42,43と第2壁面材37との間に下地面材68,69が入り込んでいたが、下地面材68,69は、フレーム材42,43と下地面材68,69との間に入り込んでいなくてもよい。例えば、下地面材68,69とフレーム材42,43とが、枠部32b,32cの入り込み部66の延出方向(上下方向)に沿って並べられた状態で、それら境界部を跨ぐステープル等の跨ぎ固定具により連結された構成とする。
【0079】
また、窓枠32の入り込み部66が、フレーム材41〜43と第2壁面材37との間に入り込んでいてもよい。この場合、壁厚み方向において、フレーム材41〜43と入り込み部66と第2壁面材37とが重なった状態になるため、フレーム材41〜43に対して入り込み部66及び第2壁面材37をビス等により容易に固定することができる。
【0080】
(2)上記実施形態では、窓枠32の上枠部32b及び下枠部32cは、下地面材68,69を介してフレーム材42,43に固定されていたが、縦枠部32aと同様に、フレーム材42,43に直接固定されていてもよい。この場合、上枠部32b及び下枠部32cにおいて、入り込み部66の延出寸法L1が、第2壁面材37の端面からフレーム材42,43までの離間距離L2と同じ大きさになっていることが好ましい。この場合でも、第2壁面材37が入り込み部66にビス固定されていることで、第2壁面材37における窓枠32寄りの部分を適正な状態で固定することができる。
【0081】
(3)上記実施形態では、下地面材68,69が窓枠32の側方には設けられていなかったが、下地面材は、窓枠32の側方に設けられていてもよい。この場合、縦枠部32aの入り込み部66を下地面材を介して側方フレーム材41に固定することが可能になる。
【0082】
(4)上記実施形態では、窓枠32において縦枠部と横枠部とでは縦勝ちの構成になっていたが、横勝ちの構成になっていてもよい。具体的には、上枠部32bと下枠部32cとの間に縦枠部32aが設けられ、その縦枠部32aの上端面が上枠部32bの下面に重ねられ、縦枠部32aの下端面が下枠部32cの上面に接続された構成とする。この構成では、上枠部32b及び下枠部32cといった横枠部の枠部本体65が、縦枠部32aの枠部本体65よりも外側に突出しないように、横枠部に切り欠き部が形成されていることが好ましい。また、横枠部の入り込み部66の端面が縦枠部32aの入り込み部66の側面に接続されていることが好ましい。
【0083】
また、窓枠32において縦枠部と横枠部との接合方式は、それぞれの端面同士が接合された留め方式であってもよい。例えば、縦枠部と横枠部との接合部分においては、それぞれの枠部本体65の端面同士が接合されているとともに、それぞれの入り込み部66の端面同士が接合されている構成とする。
【0084】
(5)上記実施形態では、窓枠32の縦枠部32a、上枠部32b及び下枠部32cがそれぞれ入り込み部66を有していたが、下枠部32cだけが入り込み部66を有していてもよい。
【0085】
(6)間仕切壁部21においては、吹抜空間17側に窓枠32が配置され、二階居室14側にサッシ枠31が配置されていてもよい。また、サッシ枠31を挟んで、吹抜空間17側及び二階居室14側の両方に窓枠32がそれぞれ設けられていてもよい。
【0086】
(7)間仕切壁部21が区画する吹抜空間17は、一階部分11と二階部分12とではなくても、上下に隣り合う上階部と下階部とに跨っていればよい。また、間仕切壁部21は、吹抜空間17と二階居室14とを仕切るのではなく、同一階の居住空間同士を仕切っていてもよい。
【0087】
(8)上記実施形態では、壁部が間仕切壁部21とされていたが、壁部は外壁部とされていてもよい。例えば、外壁部が内壁パネルと外壁パネルとを有し、内壁パネルが内壁面材と内壁下地とを有し、外壁パネルが外壁面材と外壁下地とを有し、窓枠32が内壁下地に固定され、サッシ枠31が外壁下地に固定され、外壁部に壁開口部としての屋外窓部が設けられた構成とする。この構成では、外壁面材が第1壁面材に相当し、内壁面材が第2壁面材に相当しており、窓枠32の入り込み部66は、サッシ枠31と内壁面材との間に入り込んでいることになる。この場合でも、窓枠32の入り込み部66が内壁面材の裏面に重ねられていることで、縦枠部32a、上枠部32b及び下枠部32cが壁厚み方向において傾くことを抑制できる。
【0088】
(9)壁開口部としての屋内窓部22は、床面から上方に向けて延びている掃き出し窓であってもよい。つまり、壁開口部は出入口であってもよい。