(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて詳細に説明する。まず、
図1を用いて、本発明を適用した画像形成装置について説明する。なお、
図1は、フィニッシャを備えた画像形成装置を装置手前側から見た状態で示す断面図である。
【0014】
[画像形成装置]
図1に示すように、画像形成装置600は、白黒画像形成とカラー画像形成とを選択的に実施可能な画像形成装置本体(以下、装置本体)600aと、装置本体600aに接続されたシート処理装置としての製本装置(フィニッシャ)100とを備えている。このため、装置本体600aから排出されるシートSを、オンラインに接続されたフィニッシャ100で処理することができる。装置本体600aの上部には、原稿給送装置650、及び操作部601が配置されている。
【0015】
なお、装置本体600aは、フィニッシャ100を排出口に接続しない状態で、単独でも使用できるように構成されている。また、装置本体600aは、フィニッシャ100をシート排出装置として一体に組み込んでいてもよい。ここで、ユーザーが装置本体600aに対して各種入力/設定を行うため操作部601に臨む位置を、画像形成装置600の正面手前側(以下、手前側)といい、装置背面側を奥側という。フィニッシャ100は、装置本体600aの側部に接続される。
【0016】
装置本体600a内の下部には、給紙カセット909a,909bが配置されている。給紙カセット909a,909bから給送されたシートSは、画像形成部を夫々構成するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム914a〜914d等によって、4色のトナー像を転写される。さらに、このシートSは、定着装置904に搬送されてトナー像を定着され、片面の画像形成モードの場合にはそのまま、排出ローラ対907から装置本体外に排出される。
【0017】
一方、両面の画像形成モードの場合、シートSは、定着装置904から反転ローラ905に受け渡され、搬送方向の後端が反転切換え部材Pを超えた時点で反転ローラ905が逆回転し、搬送方向と逆の両面搬送ローラ906a〜906fの方向へ搬送される。そしてこのシートSは、再度、裏面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム914a〜914d等によって、4色のトナー像を転写される。両面に転写されたシートSは、再度定着装置904に搬送されてトナー像を定着され、排出ローラ対907から装置本体外に排出される。
【0018】
[制御系]
次に、本実施形態の画像形成装置600を制御する制御系について、
図2を参照して説明する。なお、
図2は、本実施形態における画像形成装置600の制御系を示す制御ブロック図である。
【0019】
すなわち、画像形成装置600には、
図2に示すCPU629、ROM631及びRAM655を有するCPU回路部630が設けられている。CPU回路部630は、原稿給送装置制御部632、イメージリーダ制御部633、画像信号制御部634、プリンタ制御部635、フィニッシャ制御部636、外部インターフェース637を制御している。CPU回路部630は、ROM631に格納されているプログラムと操作部601の設定とに従って、上記各部を制御する。
【0020】
原稿給送装置制御部632は、装置本体600a上部に配置された原稿給送装置650を制御する。イメージリーダ制御部633は、不図示のイメージリーダを制御する。プリンタ制御部635は、装置本体600aにおける各種動作を制御する。フィニッシャ制御部636は、フィニッシャ100における各種動作を制御する。
【0021】
なお、本実施形態では、フィニッシャ制御部636をフィニッシャ100に搭載した構成について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、フィニッシャ制御部636をCPU回路部630と一体的に装置本体600aに設け、装置本体600a側からフィニッシャ100を制御するように構成してもよい。
【0022】
RAM655は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インターフェース637は、コンピュータ(PC)620からのインターフェースであり、プリントデータを画像に展開して画像信号制御部634へ出力する。イメージリーダ制御部633から画像信号制御部634へは、イメージセンサで読み取られた画像が出力され、画像信号制御部634からプリンタ制御部635へ出力された画像は、不図示の露光制御部へ入力される。
【0023】
フィニッシャ制御部636は、フィニッシャ100に搭載され、装置本体600aのCPU回路部630と情報のやり取りを行うことによって、フィニッシャ全体の駆動制御を行う。フィニッシャ制御部636は、様々なモータ及びセンサを制御している。
【0024】
すなわち、
図4に示すように、フィニッシャ制御部636は、マイコン(CPU)701、RAM702、ROM703、通信インターフェース706及びネットワークインターフェース704と、入出力部(I/O)705とを有している。
【0025】
I/O705の入力ポートには、入口センサ101、戻しパドルHPセンサ117a、シート面検知センサ118等の各種センサ信号が入力される。
【0026】
I/O705の出力ポートには、各種ドライバを介して接続された、駆動源としての搬送モータM1などの各駆動系が接続されている。即ちI/O705の出力ポートには、搬送モータM1、処理サポート板駆動モータM2、戻しパドル駆動モータM3、前整合板駆動モータM4、後整合板駆動モータM5、クリンチモータM6、押し出し爪駆動モータM7、積載トレイ駆動モータM8が接続される。
【0027】
[フィニッシャ]
次に、
図3を参照して、フィニッシャ100の構成について説明する。なお、
図3は、本実施形態におけるフィニッシャ100を示す断面図である。
【0028】
図3に示すように、フィニッシャ100は、装置本体600aから排出されたシートを順に取り込み、取り込んだシートの幅方向の移動を行う仕分け処理、取り込んだ複数のシートを整合してシート束の後端部を綴じる平綴じ処理を行う。フィニッシャ100は、装置本体600aからのシートを装置内部に取り込んでから、積載トレイ116に排出するまでのシート搬送パスとしての搬送パス115と、入口センサ101、搬送ローラ102及び処理トレイ104とを有している。
【0029】
フィニッシャ100でのシート処理は、装置本体600aに設けられた操作部601によるユーザーの設定に応じて実施される。すなわち、搬送ローラ102は、受け取ったシートを搬送して処理トレイ104に排出するローラであり、搬送モータM1(
図4参照)によって駆動される。
【0030】
処理サポート板119は、処理サポート板駆動モータM2で駆動され、処理トレイ104にシートが排出される際には、
図3の破線のように突出した状態となる。これにより、シートの先端が積載トレイ116に垂れ下がらないようにサポートする。また、処理サポート板119は、処理トレイ104面を大きく延長する役割も果たす。積載トレイ116へシート束を排出する際には、
図3の実線の位置に戻る。
【0031】
戻しパドル117及び後端パドル103は、処理トレイ104に排出されたシートの後端を後端壁105に突き当てるように回転駆動し、シートの搬送方向の整合を実施する。戻しパドル117は、戻しパドルHP(ホームポジション)センサ117a(
図4参照)の検知に基づき、シート搬送を損なわないホーム位置(
図3に示す位置)で待機している。これにより、戻しパドル117は、入口センサ101の検知に基づいてタイミングをとり、戻しパドル駆動モータM3によって一回転駆動される。
【0032】
後端パドル103は、不図示のタイミングベルトを介して搬送ローラ102に連結されて、搬送ローラ102と同方向に回転するように構成されているため、処理トレイ104上では後端壁105にシートを搬送する方向に回転する。戻しパドル117及び後端パドル103は、ともに弾性体で構成されており、撓みながらシートを搬送する。
【0033】
前整合板106及び後整合板107は、処理トレイ104上のシートを、シート搬送方向と直交する方向(シートの幅方向)にて整合するものであり、それぞれ前整合板駆動モータM4、後整合板駆動モータM5でシート幅方向に駆動される。
【0034】
ステイプラ120は、クリンチモータM6で駆動され、処理トレイ104上に整合積載されたシートの束を針綴じする。押し出し爪114は、押し出し爪駆動モータM7で駆動され、処理トレイ104上のシート束を積載トレイ116に積載するために、シート後端を
図3の矢印A方向に往復移動可能になっている。積載トレイ116は、積載トレイ駆動モータM8で駆動され、シート面検知センサ118で検出されたシート面高さとなるように上下動する。
【0035】
ここで、上述した搬送モータM1及び搬送ローラ102等を有する駆動ユニット151の構成について、
図5を参照して説明する。なお、
図5は、本実施形態におけるモータ取り付けの構成を示す平面図である。
【0036】
すなわち、
図5に示すように、フィニッシャ100の筺体133には、モータ保持板132に保持された搬送モータM1が、弾性体134及び段付きネジ135を有する防振手段としての防振部154を介して支持されている。防振部154は、モータ保持板132と筺体133との間(両支持部材間)に介在されてモータ保持板132と筺体133間での搬送モータM1による振動の伝達を抑制する。
【0037】
モータ保持板132は、駆動源としての搬送モータM1を支持する第1支持部材を構成する。筺体133は、第1支持部材としてのモータ保持板132に対向した状態でモータ保持板132を支持可能な第2支持部材を構成する。
【0038】
筺体133には、軸受136を介して搬送ローラ102が支持されている。搬送ローラ102は、軸受136に支持される回転軸102aに、筺体133側から順に取り付けられた駆動プーリ144とローラ本体102b,102bとを有している。回転軸102aにおける
図5の下側には、もう一方の軸受136が取り付けられている。これにより、搬送ローラ102は、両端部を軸受136,136によって筺体133(反対側は不図示)に支持される。
【0039】
搬送モータM1のモータ軸140に固定されたモータ軸プーリ141は、モータ保持板132に形成された開口部150(
図8(c)参照)と、筺体133に形成された開口部153(
図7参照)から突出している。アイドラ段プーリ142の回転軸145と、アイドラ段プーリ143の回転軸146と、搬送ローラ102の回転軸102aとが、互いに平行に筺体133の各対応する位置から突出するように取り付けられている。
【0040】
モータ軸プーリ141とアイドラ段プーリ142間には、タイミングベルト147が掛け回され、アイドラ段プーリ142とアイドラ段プーリ143間には、タイミングベルト148が掛け回されている。そして、アイドラ段プーリ143と駆動プーリ144間には、タイミングベルト149が掛け回されている。これらにより、搬送モータM1の回転を搬送ローラ102に伝達する駆動列152が構成される。
【0041】
以上の構成により、搬送モータM1が回転駆動すると、その回転が、モータ軸プーリ141からタイミングベルト147,148,149を介して搬送ローラ102に伝達される。
【0042】
また、搬送モータM1は、駆動列方向に、自らを挟む2つの防振部(防振手段)154,154を介して筺体133に支持されている。これにより、モータ駆動時にタイミングベルト147,148,149の張力でモータ軸140が必要以上に傾かないようにされ、駆動列152の軸間距離が保証されている。
【0043】
なお、本実施形態では、締結装置155と、搬送モータ(駆動源)M1により回転させられてシートを搬送する搬送ローラ102とにより、シート搬送装置が構成されている。つまり、本実施形態の画像形成装置600は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム914a〜914d等からなる画像形成部と、画像形成されたシートSを搬送する上記シート搬送装置とを備えている。
【0044】
[フィニッシャ100の動作説明]
次に、上述した駆動ユニット151の締結装置155を備えたフィニッシャ100の、シートの整合処理を含むステイプルモードの動作について、
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
すなわち、操作部601でステイプルモードが選択されると(ステップS1)、フィニッシャ制御部636は、イニシャル動作の後(ステップS2)、プリントを開始する(ステップS3)。そして、フィニッシャ100の搬送モータM1を駆動し(ステップS4)、装置本体600aからフィニッシャ100へシートSが受け渡されると、入口センサ101がONする(ステップS5)。
【0046】
そして、シートSが束内先頭シートの場合(ステップS6)、処理サポート板119が処理サポート板駆動モータM2の正転により突出する(ステップS7)。さらに、フィニッシャ制御部636は、入口センサ101から所定時間の経過後に戻しパドル駆動モータM3を駆動し(ステップS8)、後整合板駆動モータM5を正転させて後整合板107を動作させ(ステップS9)、後整合板107により幅整合を実施する。その後、ステップS10で、束内最終シートであるか否かを判断する。
【0047】
その結果、束内最終シートではないと判断した場合、後整合板107が退避し、次のシートを受け入れ可能な状態となる。そして、後整合板駆動モータM5を逆転させ(ステップS11)、戻しパドル117を一回転させてシートを後端壁105に突き当てて搬送方向整合を行った後、ステップS5からの処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップS10で、束内最終シートであると判断した場合は、フィニッシャ制御部636は、搬送モータM1を停止(OFF)して、搬送ローラ102、後端パドル103を停止させる(ステップS12)。引き続き、ステップS13で、クリンチモータM6を駆動してステイプラ120でシート束を針綴じ処理する。そして、ステップS14で、後整合板駆動モータM5を逆転させて後整合板107を退避させ、ステップS15で、押し出し爪駆動モータM7をONして押し出し爪114を進退させる。さらに、ステップS16で、処理サポート板駆動モータM2を逆転させ、処理サポート板119を退避させて、シート束を積載トレイ116上に排出する。
【0049】
引き続き、フィニッシャ制御部636は、排出されたシート束によりシート面検知センサ118がONすると(ステップS17)、積載トレイ駆動モータM8を駆動して(ステップS18)、積載トレイ116を下降させる。そして、シート面検知センサ118のOFFにより、積載トレイ116の下降が停止して積載シート面の高さが決まる(ステップS19,S20)。
【0050】
引き続き、フィニッシャ制御部636は、ステップS21で、排出シート束が最終束であるか否かを判断する。その結果、最終束ではないと判断した場合には、ステップS4からの処理を繰り返し、搬送モータM1を駆動して、次のシートを受け入れ可能な状態とする。一方、ステップS21で、最終束であると判断した場合には、JOBを終了(完了)する。
【0051】
次に、本実施形態における駆動ユニット151の締結装置155等について
図6、
図7、
図8を参照して詳細に説明する。なお、
図6は、フィニッシャ100を
図3の装置背面側(奥側)から見た状態で示す図である。
【0052】
図6に示すように、搬送モータM1は、2つのネジ(ビス)131によってモータ保持板132に固定されている。モータ保持板132は、その延設方向(
図6の左右方向)における略中央部に、搬送モータM1が支持されている。モータ保持板132の延設方向における搬送モータM1の両端部には、開口部138が夫々形成されている。
【0053】
ここで、
図8(a),(b)に示すように、弾性体134は円筒状に形成され、段付きネジ135の軸部135bが挿通される挿通孔137dと、挿通孔137dを中心とした円筒状に突出する鍔部137aとを有している。さらに、弾性体134は、円筒状の鍔部137aより下部側で大径に形成された大径部137cと、鍔部137aと大径部137cとの間にて円筒状に括れるように形成された円筒状凹部137bとを有している。
【0054】
上記鍔部137a、円筒状凹部137b及び大径部137cにより、開口部138に嵌め込まれる円筒部が構成されている。円筒状凹部137bは、開口部138の大径部138bから挿入されて小径部138aに嵌め込まれるように、即ち、開口部138の外側を挟み込むように上記円筒部の外周に形成されている。
【0055】
図8(c)に示すように、開口部138は、弾性体134を嵌め込む大径部138bと、大径部138bから嵌め込みつつ横方向にずらして嵌め込む小径部138aとを有している。2つの小径部138aは、モータ保持板132の延設方向(長手方向)における両側に位置している。つまり、開口部138,138と、これに対応して筺体133に設けられた雌ネジ孔133a,133a(
図7参照)は、モータ保持板132に支持された搬送モータM1をモータ保持板132の両側で挟む位置に設けられる。
【0056】
モータ保持板132における両端部の開口部138の間には、搬送モータM1を固定する際に、モータ軸140と、モータ軸140に固定されたモータ軸プーリ141とを突出させるための取付け開口部150が設けられている。
【0057】
図7に示すように、段付きネジ135は、弾性体134に挿通され、雄ネジ部(ネジ部)135cと、雄ネジ部135cより大径の軸部135bと、軸部135bより大径の頭部135aと、が順に形成されている。つまり、段付きネジ135は、筺体133の雌ネジ孔133aに螺合する雄ネジ部135c、ネジ回し等の工具で軸回りに回転させられる頭部135a、及び、頭部135aと雄ネジ部135cとの間に形成された円筒状の軸部135bとを有する。
【0058】
図7に示すように、弾性体134の円筒状凹部137bの外径D1と、段付きネジ135の頭部135aの外径D2とは、D1>D2の関係となっている。つまり、円筒状凹部137bの外径D1は、段付きネジ135の頭部135aの外径D2よりも大きく形成されている。
【0059】
本実施形態の防振部154では、モータ保持板132(一方の支持部材)の開口部138に嵌め込まれ、かつ筺体133(他方の支持部材)に受け止められた弾性体134に挿通した段付きネジ135を、雌ネジ孔133aに螺合する。この状態で、開口部138より小径の段付きネジ135の頭部135aによる圧縮力を軸部135bと筺体133で受ける第1の領域R1と、頭部135aによる圧縮領域(第1の領域R1)から外れた第2の領域R2と、を弾性体134に形成する。
【0060】
換言すると、弾性体134は、開口部138に嵌め込まれ、かつ筺体133に受け止められた弾性体134に挿通した段付きネジ135を雌ネジ孔133aに螺合した状態で、段付きネジ135の軸部135bの周りに第1の領域R1と第2の領域R2を有する。この第1の領域R1は、開口部138より小径の段付きネジ135の頭部135aの径の範囲で形成される領域であり、第2の領域R2は、第1の領域R1から外れた領域である。
【0061】
弾性体134は、第1の領域R1の締結方向長さ寸法L1と軸部135bの締結方向長さ寸法L2とが、L1≒L2の関係を満たすように構成されている。好ましくは、第1の領域R1の締結方向長さ寸法L1が軸部135bの締結方向長さ寸法L2よりも所定量大きくなるように構成される。このように、締結方向長さ寸法L2が締結方向長さ寸法L1よりも所定量短いことが、弾性体134の第1の領域R1を圧縮して落ち着かせる上で好ましい。
【0062】
従って、モータ保持板132と筺体133間に大径部137cを介在した状態で、段付きネジ135で弾性体134を介してモータ保持板132を筺体133に締結すると、モータ保持板132は段付きネジ135を中心としたどの方向にでも傾くことができる。そのため、振動抑制の自由度が高まり、また、段付きネジ135の締結力によって弾性体134が固くなることがなく、防振効果が高まる。
【0063】
本実施形態では、防振手段としての防振部154は、弾性体134と、弾性体134に挿通される段付きネジ135とを有し、モータ保持板132に開口部138を有し、且つ筺体133に開口部138と対向可能な雌ネジ孔133aを有している。そして、開口部138の小径部138aに嵌め込んだ弾性体134の挿通孔137dに挿通した段付きネジ135の雄ネジ部135cを雌ネジ孔133aに螺合する。
【0064】
以上のように、本実施形態によれば、弾性体134の弾性力を発揮する方向の自由度を大きくすることができ、振動抑制方向に自由度を大きくし、弾性体134の潰れ具合で防振性能が左右されることがなく、部品点数の削減も可能な構成を得ることができる。
【0065】
つまり、段付きネジ135の締結力発生領域である頭部135aの外径D2よりも、弾性体134の円筒状凹部137bの外径D1が大きいので、弾性体134の弾性力を発揮する方向に自由度が大きい。また、弾性体134の締結方向長さ寸法L1が軸部135bの締結方向長さ寸法L2より微小量大きいだけなので、締結力により弾性体134が固く潰れるようなことがない。このため、締結力の工程管理などは不要になる。
【0066】
なお、本実施形態では、モータ保持板132(一方の支持部材)に開口部138を形成し、筺体133(他方の支持部材)に雌ネジ孔133aを形成したが、この関係は逆でも構わない。つまり、第2支持部材としての筺体133に開口部を形成し、第1支持部材としてのモータ保持板132に雌ネジ孔を形成する。そして、筺体133側から段付きネジ135を弾性体134に挿入してモータ保持板132側に螺合させて、筺体133とモータ保持板132を締結する構成である。この場合でも、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
なお、本実施形態では、振動を発生する駆動源として搬送モータM1を挙げて本発明を説明したが、ファン等の振動源に本発明を適用しても同様の振動防止効果が得られることは勿論である。