【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成したホットメルト接着剤塗布装置を提供する。
【0008】
ホットメルト接着剤塗布装置は、(a)外周に凸版が設けられたパターンロールと、(b)前記パターンロールに隣接して配置され、その外周面に沿って帯状の被塗布材が搬送される圧ロールと、(c)溶融したホットメルト接着剤を、前記パターンロールの前記凸版に塗布するホットメルト接着剤供給部と、(d)
前記パターンロールの内部に設けられ、前記ホットメルト接着剤が前記ホットメルト接着剤供給部により前記パターンロールの前記凸版に塗布されてから、前記パターンロールと前記圧ロールの間を通過する前記被塗布材に転写されるまでの間、前記パターンロールの前記凸版に塗布されている前記ホットメルト接着剤を
、前記パターンロールの内部から加熱又は保温する加熱保温手段とを備える。
【0009】
上記構成において、加熱保温手段は、凸版に塗布されたホットメルト接着剤に熱エネルギーを供給することによって加熱しても、凸版に塗布されたホットメルト接着剤からの放熱を抑制することによって保温してもよい。
【0010】
上記構成において、ホットメルト接着剤供給部によりパターンロールの凸版に塗布されたホットメルト接着剤は、パターンロールと圧ロールの間を通過する帯状の被塗布材に付着すると、パターンロールの凸版から剥離される。このときのホットメルト接着剤の温度は、加熱保温手段を備えない場合よりも高温になり、温度低下が抑制される。ホットメルト接着剤の温度低下が抑制されると、ホットメルト接着剤は凸版から剥離しやすくなる。
【0011】
ホットメルト接着剤が被塗布材に付着しても、凸版から剥離しないと、被塗布材上のホットメルト接着剤の塗布量が不均一となり塗布ムラが生じたり、被塗布材がパターンロールに巻き込まれたりするなどの不具合が生じるが、ホットメルト接着剤が凸版から剥離しやすいと、このような不具合が起こらない。
【0012】
したがって、加熱保温手段によって、凸版に塗布されているホットメルト接着剤の温度低下を抑制すると、ホットメルト接着剤は凸版から剥離しやすくなり、被塗布材上のホットメルト接着剤の塗布量が不均一となり塗布ムラが生じたり、被塗布材がパターンロールに巻き込まれたりするなどの不具合を防ぎ、ホットメルト接着剤を安定して塗布することができる。
【0013】
加熱保温手段は、種々の態様で構成することができる。
【0014】
好ましい一態様において、
前記パターンロールは、軸と、空洞を有する円筒形状のドラムとが、リブを介して同心に固定され、前記ドラムの外周面に前記凸版が設けられている。前記加熱保温手段は、前記パターンロールの
前記ドラムに埋設され周方向に配置された複数のヒータを含む。
【0015】
この場合、凸版に塗布されているホットメルト接着剤を、凸版を介して加熱又は保温することができる。
【0018】
好ましくは、前記凸版は、シリコンゴムより硬い材料からなる。
【0019】
この場合、シリコンゴムからなる凸版に比べ、凸版の摩耗が減り、凸版の耐久性、寿命が向上する。また、凸版の円筒度を高め、径方向位置の振れ(変動)を抑制し、凸版に塗布されるホットメルト接着剤の厚みや、被塗布材に転写されるホットメルト接着の厚みのバラツキを抑制するによって、ホットメルト接着剤をより均一に塗布し、ホットメルト接着剤の塗布ムラをより抑制することができる。
【0020】
好ましくは、前記凸版が、金属材料からなる。
【0021】
この場合、凸版の円筒度を高め、ホットメルト接着剤の塗布ムラを抑制することが容易である。また、金属材料は、プラスチックやゴム等に比べて熱を伝えやすいため、凸版に塗布されているホットメルト接着剤の温度を制御することが容易になる。
【0022】
好ましくは、前記凸版に、シロキサン系樹脂を含む被膜が形成されている。
【0023】
この場合、凸版に塗布されたホットメルト接着剤は、凸版から、より剥離しやすくなるため、ホットメルト接着剤塗布装置を安定して塗布することが容易になる。
【0024】
好ましくは、前記凸版は、前記パターンロールの回転中心線と平行に延在する筋状の突起を含む。
【0025】
この場合、加熱保温手段を設けないと特に不具合が発生しやすいため、本発明による効果が高い。
【0026】
好ましくは、凸版は、散点状に配置された突起を含む。
【0027】
この場合、ノズルを用いてホットメルト接着剤を塗布する場合よりも、高速に、ホットメルト接着剤を散点状に塗布することができる。また、隣接する塗布部分間の距離や、個々の塗布部分の面積を、ノズルを用いてホットメルト接着剤を塗布する場合より、小さくすることができる。
【0028】
好ましくは、前記圧ロールの外周面がゴム材料からなる。
【0029】
この場合、圧ロールと被塗布材との間の摩擦が大きくなるため、被塗布材がパターンロールに巻き付きにくくなり、より安定してホットメルト接着剤を塗布することできる。
【0030】
また、本発明は、以下のように構成したホットメルト接着剤の塗布方法を提供する。
【0031】
ホットメルト接着剤の塗布方法は、(i)外周に凸版が設けられたパターンロールを回転させ、前記凸版に、溶融したホットメルト接着剤を塗布する第1の工程と、(ii)前記パターンロールに隣接して配置された圧ロールを、前記パターンロールとは逆方向に同期して回転させ、前記圧ロールの外周面に沿って帯状の被塗布材を搬送し、前記被塗布材が前記パターンロールと前記圧ロールの間を通過するときに、前記凸版に塗布されている前記ホットメルト接着剤を前記被塗布材に転写する第2の工程と、(iii)前記第1の工程と前記第2の工程の間において、前記ホットメルト接着剤が前記パターンロールの前記凸版に塗布されてから前記被塗布材に転写されるまでの間、前記凸版に塗布されている前記ホットメルト接着剤を
、前記パターンロールの内部から加熱又は保温する第3の工程とを備える。
【0032】
上記方法によれば、第2の工程において、パターンロールの凸版に塗布されているホットメルト接着剤が、被塗布材に付着すると、凸版から剥離される。このときのホットメルト接着剤の温度は、第3の工程を備えない場合よりも高温になり、温度低下が抑制される。ホットメルト接着剤の温度低下が抑制されると、ホットメルト接着剤は凸版から剥離しやすくなる。
【0033】
ホットメルト接着剤が被塗布材に付着しても、凸版から剥離しないと、被塗布材上のホットメルト接着剤の塗布量が不均一となり塗布ムラが生じたり、被塗布材がパターンロールに巻き込まれたりするなどの不具合が生じるが、ホットメルト接着剤が凸版から剥離しやすいと、このような不具合が起こらない。
【0034】
したがって、凸版に塗布されているホットメルト接着剤を加熱又は保温すると、ホットメルト接着剤は凸版から剥離しやすくなり、被塗布材上のホットメルト接着剤の塗布量が不均一となり塗布ムラが生じたり、被塗布材がパターンロールに巻き込まれたりするなどの不具合を防ぎ、ホットメルト接着剤を安定して塗布することができる。
【0035】
好ましい一態様は、
前記パターンロールは、軸と、空洞を有する円筒形状のドラムとが、リブを介して同心に固定され、前記ドラムの外周面に前記凸版が設けられている。前記第3の工程において、前記パターンロールの
前記ドラムに埋設され周方向に配置された複数のヒータを含む加熱保温手段を用いて、前記凸版に塗布されている前記ホットメルト接着剤を加熱又は保温する。
【0036】
この場合、凸版に塗布されているホットメルト接着剤を、凸版を介して加熱又は保温することができる。
【0039】
好ましくは、前記凸版は、シリコンゴムより硬い材料からなる。
【0040】
この場合、シリコンゴムからなる凸版に比べ、凸版の摩耗が減り、凸版の耐久性、寿命が向上する。また、凸版の円筒度を高め、径方向位置の振れ(変動)を抑制し、凸版に塗布されるホットメルト接着剤の厚みや、被塗布材に転写されるホットメルト接着の厚みのバラツキを抑制するによって、ホットメルト接着剤をより均一に塗布し、ホットメルト接着剤の塗布ムラをより抑制することができる。
【0041】
好ましくは、前記凸版が、金属材料からなる。
【0042】
この場合、凸版の円筒度を高め、ホットメルト接着剤の塗布ムラを抑制することが容易である。また、金属材料は、プラスチックやゴム等に比べて熱を伝えやすいため、凸版に塗布されているホットメルト接着剤の温度を制御することが容易になる。
【0043】
好ましくは、前記凸版に、シロキサン系樹脂を含む被膜が形成されている。
【0044】
この場合、凸版に塗布されたホットメルト接着剤は、凸版から、より剥離しやすくなるため、ホットメルト接着剤塗布装置を安定して塗布することが容易になる。
【0045】
好ましくは、前記凸版は、前記パターンロールの回転中心線と平行に延在する筋状の突起を含む。
【0046】
この場合、加熱保温手段を設けないと特に不具合が発生しやすいため、本発明による効果が高い。
【0047】
好ましくは、前記凸版は、散点状に配置された突起を含む。
【0048】
この場合、ノズルを用いてホットメルト接着剤を塗布する場合よりも、高速に、ホットメルト接着剤を散点状に塗布することができる。また、隣接する塗布部分間の距離や、個々の塗布部分の面積を、ノズルを用いてホットメルト接着剤を塗布する場合より、小さくすることができる。
【0049】
好ましくは、前記圧ロールは、ゴム材料からなる。
【0050】
この場合、圧ロールと被塗布材との間の摩擦が大きくなるため、被塗布材がパターンロールに巻き付きにくくなり、より安定してホットメルト接着剤を塗布することができる。