(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記原稿からの光を前記リニアセンサーに導く光学部を有し、前記第1の方向において、前記光学面の中心軸と前記光源との距離は、前記光学部により定義される光軸と前記光源との距離よりも短いことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像読取装置。
前記突き当て部における前記原稿が接する面は、前記原稿台における前記原稿が接する面に平行かつ前記第1の方向に垂直な方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
前記原稿を前記原稿台に圧接させる原稿圧板と、該原稿圧板を開閉させるためのヒンジ部と、を有し、該ヒンジ部は、前記第1の方向において前記光源とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像読取装置と、該画像読取装置により読み取られた前記原稿の画像を記録媒体上に形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
前記画像読取装置により取得された情報を信号に変換して前記画像形成部に送信するコントローラーを備え、該コントローラーは、前記第1の方向において前記光源とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る、画像読取装置100及び画像形成部200を備えた画像形成装置1000の要部概略図である。使用者は、表示部101の表示を確認しながら、操作部102により画像形成装置1000に対して動作指示を与えることができる。本実施形態に係る画像読取装置100は、A3原稿を読取可能であり、その読取範囲(照明範囲)の大きさは約300mm×420mmである。
【0012】
画像読取装置100は、原稿103を配置するための原稿台104と、原稿103を原稿台104に圧接するための原稿圧板105と、原稿台104を保持する保持部108と、原稿台104の下方に配置されるキャリッジ300と、を有している。なお、本実施形態においては、原稿台104はガラスより成り、原稿圧板105はヒンジ部106を介して保持部108に設けられており、キャリッジ300はX方向(副走査方向)に移動して原稿103をスキャン可能に構成されている。
【0013】
図2は、キャリッジ300のZX断面図である。キャリッジ300は、ハウジング301と、原稿103を照明する照明部310と、原稿103からの光を受光するリニアセンサー304と、原稿103からの光をリニアセンサー304に導く光学部303と、を含む。さらに、原稿103と光学部303との間の光路上には、原稿103からの反射光を反射する複数のミラー302が配置されている。なお、本実施形態においては、光学部303を縮小結像系とし、リニアセンサー304をY方向(紙面垂直方向)に伸びた(画素がY方向に1次元配列された)ラインセンサーとしている。
【0014】
リニアセンサー304上に形成された原稿の像は、1次元画像情報としてコントローラー305に送信される。コントローラー305は、キャリッジ300が原稿103を読み取る毎に1次元画像情報を受信し、得られた複数の情報から2次元画像情報を取得する。さらに、コントローラー305は、画像の色やコントラスト等の情報を修正し、その情報を信号に変換して画像形成部200に送信する。そして、画像形成部200は、電子写真方式やインクジェット方式等に基づき、コントローラー305から受信した信号に応じて紙等の記録媒体上に画像を形成する。
【0015】
ここで、本実施形態に係る照明部310は、リニアセンサー304の長手方向
(第1の方向)に伸びた導光体と、その導光体の長手方向
(第1の方向)における一端にのみ配置された光源と、を備えている。これにより、両端型と比較して、画像読取装置100を小型化して設置面積を小さくすることができる。さらに、本実施形態に係る画像読取装置100は、リニアセンサー304の長手方向(導光体の長手方向)における原稿103の位置を決める突き当て部が、導光体の長手方向において光源とは反対側に配置された構成を採っている。この構成によれば、原稿103が原稿台104から浮き上がった際にも照度ムラの発生を抑制することができる(詳細は後述)。
【0016】
次に、本実施形態に係る画像読取装置100について、各実施例で詳細に説明する。
【0017】
[実施例1]
以下、本発明の実施例1に係る画像読取装置について詳細に説明する。
図3は、本実施例に係る画像読取装置100の要部概略図(YZ断面図)である。本実施例に係る照明部310は、基板313に実装された光源(LED)312と、光源312側に入射面を有する導光体311と、を備えている。また、基板313の背面(光源312が設けられている面とは反対側の面)には、光源312が発する熱を排熱するためのヒートシンク314が設けられている。導光体311は、その長手方向がY方向(主走査方向)に一致するように配置されている。
【0018】
図3に示したように、照明部310は、導光体311の長手方向の一端(−Y側の端部)にのみ光源312を備えた構成(以下、片端型と称す)を採っている。片端型においては、導光体311の長手方向の他端(+Y側の端部)には光源や基板、ヒートシンクを備えないため、両端型と比べて保持部108のY方向における幅を短くすることができ、画像読取装置100の小型化を実現することができる。
【0019】
導光体311は、その底部において、Y方向に配列された複数の微細プリズム(2次光源群)を含む光学面(2次光源面)315を備えている。光学面315は、あたかも自ら発光する光源のように振る舞う。この作用は全反射によるものであり、それに起因して、光学面315から発せられた光は、光源312から離れる方向に偏った角度分布で進むという特性(以下、偏角特性と称す)を有している。ここで、本実施例においては、光学面315で反射した光は+Y方向にのみ進む偏角特性となる。本発明者は、この片端型における偏角特性に着目し、導光体311の+Y側の端部近傍では、微細プリズムを設けることによる効果が薄いということを見出した。
【0020】
よって、本実施例に係る導光体311は、光源312とは反対側(+Y側)の端部の底面において、微細プリズムが設けられていない領域を有する構成を採っている。さらに、導光体311の長手方向(Y方向)において、光学面315の中心軸321と光源312との距離は、光学部303により定義される光軸306と光源312との距離よりも短くなっている。すなわち、光学面315の中心軸321が、光学部303の光軸306に対して意図的に光源312側にずらされている。この構成により、導光体311を小型化することができる。さらに、微細プリズムを含む導光体311を樹脂成形する際に、金型における加工面積を小さくすることができるため、切削工具の摩耗を抑え、高い精度と低コスト化を実現することができる。
【0021】
なお、本実施例に係る画像読取装置100のように、縮小結像系を用いた縮小結像方式は、等倍光学系を用いた密着読取方式(Contact Image Sensor方式)と比較して被写界深度が深い。よって、縮小結像方式によれば、原稿が原稿台から浮き上がったとしても、その浮き上がりが数十ミリ程度ならば、十分なコントラスト性能を得ることができる。さらに、一般的な画像読取装置においては、原稿が大きく(数十ミリ以上)浮き上がった場合にも、高い照度とその均一性を維持することが求められる。
【0022】
ここで、原稿台104上(被照射高さが0mm)においては、光源312側(−Y側)の端部から光源312とは反対側(+Y側)の端部までの全範囲にかけて、照明部310により略均一に照明される。しかし、上述したように、光学面315で反射した光は+Y方向にのみ向かう偏角特性を有するため、被照射高さが大きくなるにつれて、照明光の光量分布は光源312とは反対側(+Y側)にずれることになる。すなわち、上述した偏角特性により、Y方向における光源312側では、被照射高さの増加に伴って照明光の光量が大きくに低下してしまう。
【0023】
そこで、本実施例においては、Y方向おける原稿の位置を決める突き当て部307が、Y方向において導光体311の光源312とは反対側(+Y側)の端部に設けられた構成を採っている。この構成により、原稿を原稿台104のY方向における光源312側から離して配置することができるため、上述した片端型における偏角特性と相まって、被照射高さが変化してもほぼ一定の光量を維持することができる。したがって、原稿が原稿台104から浮き上がった場合にも、原稿を照明する光の照度の均一性を維持することができる。
【0024】
図4は、本実施例に係る画像読取装置100において、導光体311の一端に設けられた光源312を発光させた時の照度分布を示した図である。
図4において、横軸はY方向における読取位置(主走査読取位置)を示し、縦軸はリニアセンサー304が受光する光の照度比(ピーク値を100%とした時の照度の相対値)を示している。また、各曲線は、原稿台104における読取範囲(照明部310による照明範囲)内に載置された原稿103の原稿面(被照射面)の、原稿台104からの浮き上がり量(被照射高さ)に対応するグラフである。
【0025】
なお、縮小結像方式においては、原稿103の浮き上がりが生じていない場合にも、光学部303の画角特性(COS4乗則)によって、リニアセンサー304の端部における受光光量が低下してしまうという課題がある。この課題に対して、本実施例では導光体311における微細プリズムを適切に配置することにより、
図4に示すように、被照射高さが0mmである時の照度比を読取範囲の全域に渡って略均一にしている。
【0026】
しかし、
図4を見ると、被照射高さが大きくなるにつれて、読取範囲の一端(−Y側の端部)における照度比が低下していき、被照射高さが40mmになると、読取範囲の−Y側の端部での照度比は20%程度になってしまうことがわかる。ただし、一般的に、特に浮き上がりが発生し易いのは、辞書等の厚い原稿における綴じ部であり、これらの原稿のY方向における幅は260mm前後である場合が多い。
【0027】
よって、上述の原稿を、本実施例に係る突き当て部307に対して突き当てて、原稿台104の上に配置した場合、
図4に示した主要原稿範囲が読み取られることになる。この時、
図4より、いずれの被照射高さにおいても、主要原稿範囲の全域に渡って照度比が略均一になっていることがわかる。このように、本実施では、突き当て部307を、読取範囲の他端(+Y側の端部)、すなわち光源312とは反対側に設けることにより、上述した−Y側の端部での照度比の低下による影響を回避することができる。
【0028】
なお、本実施例においては、突き当て部307を保持部108の上に配置しているが、例えば原稿台104の上など、原稿のY方向における位置決めができる場所であるならば、突き当て部307をどこに配置してもよい。また、本実施例に係る突き当て部307は、原稿に接する面(突き当て面)が導光体311の長手方向(Y方向)に対して垂直な方向(X方向)に沿うように配置されている。すなわち、突き当て部307は、その長手方向がX方向に沿った、連続した突き当て面を有している。ただし、ここでの「垂直」とは「略垂直」を含んでおり、原稿のY方向における位置決めができるならば、突き当て面は、厳密にX方向に沿って配置されていなくてもよいし、連続した面でなくてもよい。
【0029】
さらに、本実施例に係る画像読取装置100においては、
図3に示したように、原稿圧板105を開閉させるためのヒンジ部106を、Y方向において光源312とは反対側(+Y側)に設けている。この構成により、使用者は必然的に光源312側に立って原稿圧板105を開閉することになる。この時、上述した片端型における偏角特性と相まって、光学面315にて反射した照明光が+Y方向にのみ向かうことになるので、照明光が使用者の目に入射することを抑制することができる。なお、前述した辞書等の原稿を読み取る際には、いずれの原稿もA3幅より小さいことより、読取範囲から漏れる照明光の量が大きくなるため、より大きな効果を得ることができる。
【0030】
ところで、
図1に示したように、画像形成装置1000が備えるコントローラー305は、ヒンジ部106側(+Y側)、すなわち使用者側(−Y側)とは反対側に配置されている。これは、使用者側には、表示部101や操作部102が存在し、さらに画像形成部200におけるトナーやインク、紙の補充などを行うためのスペースが必要となり、コントローラー305を配置することが困難であるためである。
【0031】
よって、一般的には、照明部310が備える光源312等の電気部品とコントローラー305との結線距離を短くするために、その電気部品をコントローラー305と同様に+Y側に配置することが設計上好ましい。しかし、本実施例に係る画像読取装置100を備える画像形成装置1000においては、あえて光源312等の電気部品をコントローラー305とは反対側の使用者側(−Y側)に配置することにより、上述した効果を得ている。
【0032】
なお、
図3に示したように、突き当て部307を、保持部108などの隣接する部材とは異なる色で着色することにより、使用者が視覚的に突き当て部307の位置を認知し易くなり、原稿の正確な位置決めを促すことができる。突き当て部307に対する着色は、全体に施してもよいし、部分的に(模様や文字として)施してもよい。
【0033】
また、導光体311の長手方向(Y方向)における照明部310の照明範囲(読取範囲)の長さが250mm以上である場合に、上述した課題(照度ムラや照明光の漏れ)が特に大きくなり、より大きな本発明の効果を得ることができる。本実施例では、A3原稿の読み取りが可能なように、照明範囲の大きさを約300mm×420mmとしているため、本発明の効果を十分に得ることができる。
【0034】
以上、本実施例に係る画像読取装置によれば、装置の小型化により設置面積を小さくすることができ、かつ、原稿が原稿台から浮き上がった際にも照度ムラの発生を抑制することができる。
【0035】
[比較例]
ここで、本発明の実施例1に対する比較例について説明する。
図5は、本比較例に係る画像読取装置400の要部概略図(YZ断面図)である。本比較例が実施例1に対して異なる点は、画像読取装置400が、両端型の照明部410を備えているという点、及び、導光体411の底面の全域に微細プリズムが設けられているという点である。すなわち、照明部410は、光源412と基板413とヒートシンク414との夫々を、導光体411の長手方向(Y方向)の両端に備えておいり、かつ、光学面415の中心軸が、光学部303の光軸306に一致した構成を採っている。
【0036】
まず、
図6(a)に、本比較例に係る画像読取装置400において、導光体411の+Y側の端部に設けられた光源412のみを発光させた時の照度分布を、
図4と同様に示す。なお、−Y側の端部の光源412のみを発光させた時の照度分布は、
図6(a)の照度分布を左右反転させたものに一致する。
図6(a)に示す照度分布は、+Y側の光源412のみを発光させたことによる偏角特性により、被照射高さが大きくなるにつれて、+Y側の端部から離れる方向に重心が移動する。特に、照度比は光源412近傍において急激に低下し、被照射高さが40mmになると、読取範囲の端部での照度比は25%程度になってしまう。
【0037】
そこで、本比較例においては、導光体411の両端に設けられた光源412を同時に発光させることにより、
図6(a)に示した照度分布とそれを左右反転させた照度分布とを合わせて、
図6(b)に示すような照度分布を得ている。
図6(b)を見てわかるように、被照射高さが0mmである時は、実施例1と同様に主要読取範囲の全域に渡って照度比が略均一になっている。また、
図6(a)に示した照度分布と比較して、
図6(b)に示す照度分布においては、原稿の浮き上がりが生じた際の読取範囲の両端部での照度比が向上している。
【0038】
しかしながら、本比較例においては、被照射高さの増大に伴う読取範囲の両端部における照度比の低下を完全に抑制することはできず、例えば被照射高さが40mmになると、読取範囲の両端部での照度比は50%程度になってしまう。よって、本比較例に係る画像読取装置400において、実施例1と同様に、Y方向において−Y側の端部の光源412とは反対側(+Y側)に突き当て部407を設けたとしても、主要原稿範囲内の照度分布が不均一になってしまう。なお、原稿を突き当て部407から離して配置することにより、照度比の低下による影響を低減することはできるが、突き当て部407による原稿の位置決めができないため、実用的ではない。
【0039】
本比較例のような両端型の照明部410を用いて原稿を読み取った場合、上述した照度ムラにより読取画像に対して様々な影響が及んでしまう。例えば、紙色が白の辞書等の原稿を、諧調性を有するカラー画像やグレースケール画像として読み取った場合、その綴じ部の端部近傍の読取画像には白色から灰色に変化するようなムラが生じてしまう。また、諧調性のない白黒の2値画像として読み取った場合、綴じ部の端部近傍の下地(印字されていない部分)が黒として読み取られてしまい、同箇所に記載された文字などが埋もれてしまう可能性がある。
【0040】
また、
図5に示したように、本比較例に係る照明部410において、−Y側の端部及び+Y側の端部から出射して光学面415にて反射した光の夫々は、−Y方向及び+Y方向の夫々に向かう偏角特性を有する。よって、本比較例に係る画像読取装置400において、実施例1と同様に、Y方向において−Y側の端部の光源412とは反対側(+Y側)にヒンジ部106を設けたとしても、−Y方向に向かう光が使用者の目に入射することを抑制することはできない。
【0041】
上述したように、本比較例に係る照明部410は両端型であるため、実施例1のように、光学面415の面積を減らしたり、光学面415のY方向における中心軸を光学部303の光軸306に対してずらしたりすることはできない。よって、本比較例では、導光体411の小型化や、金型加工における高精度化及び低コスト化を実現することはできない。
【0042】
[実施例2]
以下、本発明の実施例2に係る画像読取装置について詳細に説明する。
図7は、本実施例に係る画像読取装置500の要部概略図(YZ断面図)である。本実施例が実施例1に対して異なる点は、画像読取装置500が備える光源512及び突き当て部507の夫々が、画像読取装置100が備える光源312及び突き当て部307の夫々とは反対側に配置されているという点である。すなわち、画像読取装置500においては、照明部510が導光体511の長手方向の一端(+Y側の端部)にのみ光源512を備え、かつ、突き当て部507がY方向において光源512とは反対側(−Y側)に設けられている。
【0043】
図7に示したように、照明部510は、導光体511の長手方向の他端(−Y側の端部)には光源や基板、ヒートシンクを備えていない。よって、両端型と比べて保持部108のY方向における幅を短くすることができ、画像読取装置500の小型化を実現することができる。特に、本実施例では、保持部108の使用者側(−Y側)の幅を短くすることができるため、身長の低い使用者でも原稿を原稿台104上に載置し易くなる。
【0044】
また、本実施例では、光源512から出射して導光体511の光学面515にて反射した光は、実施例1とは逆に−Y方向にのみ進む偏角特性を有する。そこで、本実施例に係る導光体511は、−Y側の端部の底面において、微細プリズムが設けられていない領域を有している。さらに、光学面515のY方向における中心軸521が、光学部303により定義される光軸306に対して意図的に光源51
2側(+Y側)にずらされている。この構成により、実施例1と同様に、導光体511の小型化と、金型加工における高精度化及び低コスト化とを実現することができる。
【0045】
本実施例においても、突き当て部507を光源512とは反対側(−Y側)に設けることにより、原稿が原稿台104から浮き上がった場合にも、実施例1と同様に、上述した偏角特性と相まって原稿を照明する光の照度の均一性を維持することができる。この効果について、
図8を用いて具体的に説明する。
【0046】
図8は、
図4と同様に、本実施例に係る画像読取装置500において、照明部510の一端に設けられた光源512を発光させた時の照度分布を示した図である。
図8に示すように、被照射高さが0mmである時の照度比は読取範囲の全域に渡って略均一であるが、被照射高さが大きくなるにつれて、読取範囲の一端(+Y側の端部)における照度が低下している。しかし、本実施例では、突き当て部507を、読取範囲の他端(−Y側の端部)、すなわち光源512とは反対側に設けることにより、いずれの被照射高さにおいても、照度比を主要原稿範囲の全域に渡って略均一にしている。
【0047】
以上、本実施例に係る画像読取装置によれば、装置の小型化により設置面積を小さくすることができ、かつ、原稿が原稿台から浮き上がった際にも照度ムラの発生を抑制することができる。
【0048】
[変形例]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0049】
例えば、上述した実施形態においては、光源としてLEDを用いたが、これに限らずEL光源(OLEDなど)や電球等を光源として用いてもよい。また、上述した実施形態では、リニアセンサーとして画素が1次元配列されたラインセンサーを採用したが、そのラインセンサーを短手方向に複数配列したものをリニアセンサーとして用いてもよい。
【0050】
原稿台の材料としては、ガラスに限らず樹脂等を用いてもよく、導光体の材料としては、樹脂に限らずガラス等を用いてもよい。また、導光体に設けられる複数の微細プリズムの形状は山形でも台形でもよく、それらを構成する光学面は平面に限らず曲面としてもよい。さらに、導光体を反射板等の板状部材として構成してもよい。
【0051】
なお、上述した各実施例では、辞書等の厚い(綴じ部がある)原稿を読み取る場合を想定しているが、これに限らず、表面が波打った原稿や立体物等を読み取る場合でも、本発明の効果を得ることができる。