(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、調整ネジでの調整によって、プローブ先端を下降させている。この構成では、プローブの一部がプローブ支持部に引き込むことになるため、プローブの湾曲状態が変わってしまうことがある。したがって、オーバードライブの際に、加わる接触圧が変化してしまう恐れがある。
【0007】
特許文献2では、ボトム側(ウエハ側)に剥離可能な基板を設けている。プローブのボトム側は、オーバードライブによって常時可動する部分である。よって、基板の厚さを必要以上に厚くすると、プローブの摺動に影響を与えてしまう恐れがある。このように特許文献1、2に先端長を調整することで、接触圧が変わってしまうため、調整が困難になってしまう。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡便にプローブの先端長を調整することができるプローブカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るプローブカードは、複数の貫通穴が設けられた案内板を有するホルダと、検査対象と当接する当接部を備え、前記貫通穴に挿入されて、前記ホルダから突出した状態で前記ホルダに保持されるプローブと、前記ホルダの前記当接部側と反対側に配置され、前記ホルダが取り付けられる配線基板と、前記ホルダと前記配線基板との間に脱着可能に設けられたスペーサと、を備えたものである。これにより簡便にプローブの先端長を調整することができる
【0010】
上記のプローブカードにおいて、螺合することによって、前記配線基板と前記ホルダを固定する固定手段が設けられ、前記ホルダと前記配線基板との間に前記スペーサが取り付けられている状態では、前記固定手段が前記スペーサを貫通するように配置され、前記ホルダと前記配線基板との間から前記スペーサを取り除いた状態では、前記配線基板と前記ホルダが前記スペーサの厚さだけ近づけられるようになっていてもよい。これにより、簡便にプローブの先端長を調整することができる
【0011】
上記のプローブカードにおいて、前記スペーサが前記ホルダの外周部に複数に分割して設けられ、前記固定手段を緩めた状態で、前記スペーサを外側に引き抜くことで、前記ホルダと前記配線基板との間から前記スペーサが取り除かれるようになっていてもよい。簡便にプローブの先端長を調整することができる。
【0012】
上記のプローブカードにおいて、前記配線基板の前記ホルダと反対側の面にはスティフナが設けられ、前記固定手段が前記配線基板及び前記ホルダを貫通して、前記スティフナに螺合するようにしてもよい。これにより、簡便に固定することができる。
【0013】
上記のプローブカードにおいて、前記スペーサが、前記ホルダの外側にはみ出したタブ部を備え、前記タブ部の一部が、前記配線基板から離れる方向に突出していてもよい。これにより、よりスペーサを取り外しやすくすることができる。
【0014】
上記のプローブカードにおいて、前記案内板が、空間を隔てて対向配置された第1及び第2の案内板を備え、前記プローブには、オーバードライブによって前記当接部を付勢する折曲部が設けられ、前記折曲部が、前記第1及び第2の案内板の間の前記空間に配置され、前記第1の案内板が、前記第2の案内板よりも前記当接部側に配置され、前記第2の案内板と前記スペーサが接するように配置されていてもよい。プローブの先端長を調整しても、接触圧が変わるのを防ぐことができる
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、簡便にメンテナンスすることができるプローブカード、検査装置、及び検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
【0018】
本実施形態のプローブカードは垂直型のプローブカードである。プローブカードは、ICチップなどの半導体デバイス等の電気的検査に用いられる。プローブカードには、接触子となるプローブが複数設けられている。そして、テスタからプローブカードを介して、半導体デバイスなどに検査用の信号や電源が供給される。プローブが半導体デバイスのパッドと接触した状態で、プローブカードに検査用の信号を供給すると、半導体デバイスの電気的検査が行われる。
【0019】
まず、プローブカード10の全体構成について、図を用いて説明する。
図1はプローブカード10の構成を示す上面図であり、
図2はプローブカード10の構成を示す下面図である。
図3は、
図2のIII−III断面図である。
図4は、
図2のIV−IV断面図である。なお、プローブカード10が設けられている平面をXY平面とする。プローブカード10を用いた検査中では、XY平面と垂直な方向が上下方向(Z方向)となる、したがって、プローブは下方向に突出して配置される。もちろん、これらの方向はプローブカード10の姿勢に応じて異なる。
【0020】
プローブカード10は、スティフナ11、配線基板12、プローブヘッド15、及びスペーサ16を備えている。プローブヘッド15は、複数のプローブ14と、複数のプローブ14を保持するホルダ13と、を備えている。
【0021】
図1に示すように、配線基板12は円形板となっている。配線基板12は、テスタとのインターフェースとなる。配線基板12は複数の配線が設けられたプリント配線基板(PCB:Printed Circuit Board)である。配線基板12に設けられた配線がプローブ14に接続されている。配線基板12に設けられた複数の配線は、複数のプローブ14とそれぞれ電気的に接続される。
【0022】
配線基板12の上面には、スティフナ11が設けられている。スティフナ11は配線基板12よりも小さい円形状になっている。スティフナ11は、プローブカード10の剛性を高めるリブとなる。スティフナ11を設けることで、プローブ14の高さばらつきを抑制することができる。配線基板12とスティフナ11とは、スティフナ固定ネジ17によって固定されている。すなわち、
図3に示すように、配線基板12に貫通穴を設け、スティフナ11にネジ穴を設ける。スティフナ固定ネジ17は配線基板12を貫通して、スティフナ11のネジ穴に螺合する。これにより、スティフナ11と配線基板12とが固定される。ここでは、4つのスティフナ固定ネジ17が周方向に等間隔で配置されている構成を示したが、スティフナ固定ネジ17の数、及び配置については特に限定されるものでない。また、スティフナ固定ネジ17が配線基板12の下側に突出しないように配線基板12の貫通穴は座グリ穴となっている。
【0023】
図2に示すように、スティフナ固定ネジ17よりも内側には、プローブヘッド15が配置されている。プローブヘッド15の外形は矩形となっている。プローブヘッド15の中央部分には、複数のプローブ14が設けられている。そして、プローブヘッド15の端辺近傍には、ヘッド固定ネジ18が配置されている。ここでは、4つのヘッド固定ネジ18が、スティフナ固定ネジ17と同様に、周方向に等間隔で配置されている。ヘッド固定ネジ18が、プローブヘッド15の端辺中央に配置される。スティフナ固定ネジ17はヘッド固定ネジ18の外周側に配置される。
【0024】
ヘッド固定ネジ18は、プローブヘッド15を配線基板12、及びスティフナ11に固定する。例えば、スティフナ11には、ネジ穴が設けられ、配線基板12、及びプローブヘッド15には貫通穴が設けられている。そして、ヘッド固定ネジ18が配線基板12、及びプローブヘッド15を貫通して、スティフナ11のネジ穴に螺合する。これにより、プローブヘッド15が、配線基板12、及びスティフナ11に固定される。ヘッド固定ネジ18がプローブヘッド15の下側に突出しないように、プローブヘッド15の貫通穴は座グリ穴となっている。
【0025】
図3、
図4に示すように、配線基板12の下側には、スペーサ16が設けられている。さらに、スペーサ16の下側には、プローブヘッド15が設けられている。スペーサ16は、配線基板12とプローブヘッド15との間に配置されている。スペーサ16は、プローブカード10に対して脱着可能に設けられている。
図3、4はスペーサ16を、配線基板12とプローブヘッド15との間に取り付けた状態を示している。そして、
図3、4に示す状態から、スペーサ16を取り外すことができる。なお、スペーサ16は、ヘッド固定ネジ18によって、配線基板12に固定されている。スペーサ16を固定する構成については後述する。
【0026】
プローブヘッド15は、複数のプローブ14と、複数のプローブ14を保持するホルダ13とを備えている。それぞれのプローブ14は、ホルダ13よりも下方に突出している。プローブ14の先端は、検査対象となる半導体デバイス側に突出している。ここで、プローブ14のホルダ13よりも下方に突出した長さをプローブ14の先端長とする。
【0027】
プローブヘッド15は、下ボルト35を有している。下ボルト35は、矩形状のプローブヘッド15の角部近傍に配置されている。したがって、4つの下ボルト35がプローブヘッド15に設けられている。下ボルト35は、後述するように、ホルダ13を一体化するために設けられている。なお、下ボルト35の数や配置は特に限定されるものではない。
【0028】
プローブカード10の下方に検査対象となる半導体デバイス(不図示)を配置して、プローブカード10と半導体デバイスとの距離を近づけていく。すなわち、タッチダウンを行うことで、プローブ14のホルダ13から突出した部分が半導体デバイスのパッド等と当接する。これにより、テスタから供給された検査信号などが、配線基板12の配線、及びプローブ14を介して、半導体デバイスに供給される。
【0029】
次に、プローブヘッド15の構成について、
図5、6を用いて説明する。
図5、
図6は、プローブヘッド15とその周辺部分の構成を模式的に示す側面図である。なお、
図5は、スペーサ16を、配線基板12とプローブヘッド15との間に取り付けた状態を示している。
図6は、スペーサ16を、配線基板12とプローブヘッド15との間から取り外した状態を示している。
図5、
図6は、下ボルト35が設けられている箇所の断面図である。
【0030】
図5に示すように、ホルダ13は、下側案内板31、本体部32、上側案内板33、下ボルト35、及び上ボルト36を備えている。下側案内板31、及び上側案内板33はそれぞれ貫通孔31a、及び貫通孔33aを備える平板である。貫通孔31a、33aは、プローブ14の太さと同程度の大きさとなっている。貫通孔31a、33aには、プローブ14が挿入されている。下側案内板31、及び上側案内板33としては、セラミック基板等を用いることができる。下側案内板31は、上側案内板33の下側、すなわち、半導体デバイス側に配置される。下側案内板31と上側案内板33とは、平行に配置されている。下側案内板31、及び上側案内板33は水平方向に沿って配置されている。
【0031】
下側案内板31と上側案内板33の間には、本体部32が配置されている。すなわち、上側案内板33と下側案内板31とが、本体部32を介して、対向配置される。本体部32と下側案内板31とは下ボルト35によって固定されている。例えば、本体部32にネジ穴が設けられ、下側案内板31には、貫通穴が設けられている。下ボルト35が下側案内板31の貫通穴を貫通して、本体部32のネジ穴に螺合する。これにより、下側案内板31が本体部32に取り付けられる。なお、下ボルト35の下端が、下側案内板31から下側に突出しないように、下側案内板31には座グリ穴が設けられている。
【0032】
同様に、本体部32と上側案内板33とは上ボルト36によって固定されている。例えば、本体部32にネジ穴が設けられ、上側案内板33には、貫通穴が設けられている。上ボルト36が上側案内板33の貫通穴を貫通して、本体部32のネジ穴に螺合する。これにより、上側案内板33が本体部32に取り付けられる。なお、上ボルト36の上端が、上側案内板33から上側に突出しないように、上側案内板33には座グリ穴が設けられている。
【0033】
下側案内板31、本体部32、及び上側案内板33の外形はほぼ一致している。本体部32は、下側案内板31、及び上側案内板33の外周部に配置されるように、枠状に形成されている。したがって、下側案内板31、及び上側案内板33の中央部では、下側案内板31と上側案内板33との間に空間37が形成される。ホルダ13は、空間37を形成するために中空形状となっている。下側案内板31と上側案内板33は、空間37を隔てた対向配置されている。この空間37には、プローブ14が配置される。
【0034】
プローブ14は、当接部14aと、折曲部14bと、基部14cとを備えている。プローブ14の一端側が当接部14aとなり、他端側が基部14cとなる。そして、当接部14aと基部14cとの間に折曲部14bが配置されている。当接部14a、基部14cは、それぞれZ方向に沿って直線状に形成されている。したがって、直線状のプローブ14をその途中で屈曲又は湾曲させることで、折曲部14bが形成される。ここでは、プローブ14が基部14c側と当接部14a側の2か所で屈曲することで、折曲部14bが形成される。したがって、折曲部14bよりも上側及び下側はZ方向に沿った直線部分となる。プローブ14のZ方向に沿った直線部分が、下側案内板31の貫通孔31a、及び上側案内板33の貫通孔33aに挿入される。したがって、折曲部14bは、下側案内板31と上側案内板33との間の空間37に配置される。
【0035】
プローブ14の下端側の当接部14aは、下側案内板31よりも下方(−Z側)に突出している。タッチダウンを行うことで、当接部14aの下端が、半導体デバイス(不図示)のパッド等と当接する。プローブ14の上端側の基部14cは、配線基板12の配線と接続している。例えば、基部14cは、配線基板12の配線とハンダ付けされている。これにより、基部14cと配線基板12の配線が電気的に接続され、検査用信号などの供給が可能になる。オーバードライブ(OD)によって、プローブ14にZ方向の力が加わると、空間37内の折曲部14bが屈曲して、当接部14aをパッドに付勢する。これにより、パッドに対するプローブ14の接触圧を弾性的に確保することができる。折曲部14bの形状を特に限定されるものではなく、ODによって付勢力を発生できる形状であればよい。
【0036】
スペーサ16は、上側案内板33と配線基板12との間に配置される。スペーサ16は、上側案内板33と接するように配置されている。スペーサ16は、プローブ14と干渉しないように、上側案内板33の外周部に配置されている。すなわち、XY平面において、スペーサ16は、空間37より外側に配置されることになる。ここでは、ホルダ13の外周部に複数のスペーサ16が配置される。すなわち、
図5の側面図においては、2つのスペーサ16が左右に分離して配置されている。そして、2つのスペーサ16が、プローブ14が設けられている領域を隔てて配置されている。
【0037】
スペーサ16は、ホルダ13の外側にはみ出したタブ部62が設けられている。タブ部62は下側に突出した形状を有している。タブ部62を設けることで、スペーサ16を取り外す作業が容易になる。
【0038】
ここで、プローブカード10を繰り返し使用すると、プローブ14に摩耗や破損が生じる。プローブ14を研磨やクリーニングによってメンテナンスを行う。プローブ14のメンテナンスによって、プローブ14の先端長Dが短くなると、十分なOD量を確保することが困難になってしまう。
【0039】
そこで、プローブカード10からスペーサ16を取り外す。例えば、
図6に示すように、スペーサ16を外側に移動させることで、スペーサ16が上側案内板33と配線基板12との間から、取り除かれる。これにより、配線基板12に対して、ホルダ13をスペーサ16の厚さだけ近づけることができる。
【0040】
すなわち、下側案内板31、本体部32、上側案内板33が配線基板12に近づく。このとき、プローブ14は、下側案内板31の貫通孔31aと、上側案内板33の貫通孔33aに挿入されている。したがって、プローブ14の貫通孔31a、33aに挿入されている位置が、変位する。すなわち、プローブ14に対して、下側案内板31、本体部32、及び上側案内板33が上方向(+Z方向)にずれることになる。換言すると、プローブ14は、下側案内板31に対して、相対的に下方向(−Z方向)に変位する。したがって、プローブ14の先端長Dが長くなる。
【0041】
このように、本実施の形態では、プローブカード10が、配線基板12とプローブヘッド15との間に、脱着可能に設けられたスペーサ16を有している。そして、プローブ14の先端長Dに応じて、スペーサ16を取り外すようにしている。こうすることで、プローブ14の先端長Dを長くすることができる。メンテナンスによりプローブ14が摩耗した場合でも、適切なOD量を確保することができる。よって、プローブ14の寿命を長くすることができる。なお、スペーサ16は、先端長Dの調整量に応じた厚さを有する平板で形成することができる。スペーサ16は金属板、セラミック板、樹脂板などによって形成することができる。
【0042】
さらに、スペーサ16が配線基板12とプローブヘッド15との間に配置されている。より具体的には、スペーサ16が上側案内板33と配線基板12との間に配置されている。この構成では、付勢力を発生する折曲部14bよりも高い位置、すなわち配線基板12側にスペーサ16が配置されている。すなわち、スペーサ16が、プローブ14を保持する上側案内板33よりも上側に配置されている。このように、本実施の形態では、スペーサ16をプローブ14が変形するプローブヘッド15外に設けているため、スペーサ16を取り除いた場合でも、ODによって発生する接触圧の変化を抑制することができる。すなわち、スペーサ16の有無にかかわらず、上側案内板33と下側案内板31との間隔が一定となる。上側案内板33と下側案内板31との間に配置された折曲部14bで発生する付勢力のばらつきを低減することができる。よって、ODによって生じる接触圧を一定にすることができ、より確実に検査することができる。
【0043】
一方、特許文献2の構成では、プローブを保持する下側案内板を取り外している。したがって、特許文献2の構成では、上側案内板と下側案内板の間隔が変化してしまう。下側案内板の有無によって、上側案内板と下側案内板との間に配置された折曲部で発生する付勢力が変化してしまう。例えば、下側案内板を厚くしてしまうと、プローブの摺動に与える影響が大きくなってしまう。したがって、特許文献2の構成では、接触圧にばらつきが生じ、正確に検査することができない場合がある。これに対して、本実施の形態によるプローブカードでは、接触圧を一定にすることができ、確実に検査を行うことができる。
【0044】
また、スペーサ16にはタブ部62が設けられている。プローブカード10からスペーサ16を取り外す際、タブ部62を用いることで容易に作業することができる。例えば、タブ部62の下側に突出した部分を把持して、スペーサ16を外側にスライドさせる。すなわち、左側のスペーサ16を左側に、右側のスペーサ16を右側にスライド移動させる。こうすることで、配線基板12とホルダ13の間から、スペーサ16を容易に引き抜くことができる。これにより、作業性を向上することができる。なお、タブ部62の形状は、上側案内板33の外側に延在していれば、特に限定されるものではない。さらに、タブ部62の一部が、下側に屈曲しており、配線基板12から離れる方向に突出している。タブ部62の突出した部分を把持することで、より容易にスペーサ16を取り外すことができる。
【0045】
なお、
図5、6では配線基板12とホルダ13との間に1層のスペーサ16を配置したが、スペーサ16を多層に分けて配置するようにしてもよい。そして、プローブ14の先端長Dに応じて、1層ずつスペーサ16を取り外すようにする。プローブ14の先端長Dを多段階に調整することができる。よって、よりプローブ14を長寿命化することができる。
【0046】
次に、
図7を用いて、スペーサ16とホルダ13との配置について、具体的に説明する。
図7は、スペーサ16とホルダ13との配置を模式的に示す平面図である。
図7では、プローブヘッド15を下側から見た図であり、配線基板12等の一部の構成については、省略している。
【0047】
平面視において、ホルダ13は、矩形状になっている。そして、ホルダ13の外周にスペーサ16が配置されている。ここでは、4つのスペーサ16a〜16dが設けられている。ホルダ13の4つの端辺のそれぞれに、スペーサ16a〜16dが配置される。もちろん、ホルダ13の数は4つに限られるものでない。ホルダ13の外周部分に複数のスペーサ16が分割して配置されていればよい。
【0048】
なお、
図7において、4つのスペーサ16a〜16dのうち、2つのスペーサ16a、16bは、ホルダ13と配線基板12の間に配置されており、残りの2つのスペーサ16c、16dは、ホルダ13と配線基板12との間から取り除かられている。なお、スペーサ16a、16bの一部は、ホルダ13と重なっているため、点線で示されている。
【0049】
4つのスペーサ16a〜16dは、ホルダ13に対して対称に配置されている。例えば、スペーサ16aとスペーサ16cは、Y方向に延びる直線に対して、線対称に配置されている。スペーサ16bとスペーサ16dは、X方向に延びる直線に対して線対称に配置されている。スペーサ16a〜16dをプローブヘッド15の外周部分に均等に配置することで、スペーサ16を取り付けた場合に垂直方向の傾きが発生するのを防ぐことができる。すなわち、複数のスペーサ16を対称に配置して、ホルダ13の両端に分割して配置する。これにより、水平方向にバランス良く、プローブヘッド15を配置することができる。よって、複数のプローブ14の高さばらつきを低減することができ、確実に検査することができる。
【0050】
ホルダ13の角部の近傍には、それぞれ下ボルト35が設けられている。下ボルト35は、上述したように、下側案内板31と本体部32とを固定する。なお、
図7において、上ボルト36については省略している。ホルダ13の中央部には、複数のプローブ14が配列されている。平面視において、プローブ14は、空間37内に配置される。下ボルト35の位置や数については特に限定されるものではない。
【0051】
さらに、ホルダ13の外周部分には、固定手段としてのヘッド固定ネジ18が配置されている。ヘッド固定ネジ18は、配線基板12とホルダ13とをスティフナ11に固定する。上記のように配線基板12及びホルダ13に、貫通穴を設け、スティフナ11にネジ穴を設ける。そして、配線基板12及びホルダ13を貫通したヘッド固定ネジ18をネジ穴に螺合することで、配線基板12及びホルダ13がスティフナ11に固定される。4個のヘッド固定ネジ18がホルダ13の4端辺の中央周辺に配置されている。ヘッド固定ネジ18の配置、及び個数については、特に限定されるものではない。もちろん、ヘッド固定ネジ18に限らず、ボルトやピンなどの他の固定手段を用いてもよい。さらには、スティフナ11ではなく、ホルダ13にネジ穴を設けるようにしてもよい。この場合、ヘッド固定ネジ18を上側から螺合するようにする。
【0052】
スペーサ16は、切欠部61及びタブ部62を備えている。スペーサ16を配線基板12とホルダ13との間に配置した状態において、タブ部62は、上記のように、ホルダ13の外側にはみ出して配置されている。よって、スペーサ16の取り付け、取り外しを容易に行うことができる。
【0053】
切欠部61は、スペーサ16がヘッド固定ネジ18と干渉しないよう形成されている。各スペーサ16は空間37側の端辺から外側に向けて延在する切欠部61を有している。ここでは、ヘッド固定ネジ18に対応する数だけ、切欠部61が設けられている。そして、スペーサ16を配線基板12とホルダ13との間に配置した状態で、切欠部61は、ヘッド固定ネジ18に対応する位置に配置される。したがって、スペーサ16を配線基板12とホルダ13との間に配置した状態では、ヘッド固定ネジ18が、スペーサ16を貫通するように配置される。
【0054】
このような切欠部61を設けることで、ヘッド固定ネジ18を緩めるだけで、スペーサ16をスライドさせることができる。例えば、スペーサ16aを−X方向にスライド移動させたとしても、スペーサ16aがヘッド固定ネジ18と干渉しない。よって、スティフナ11からヘッド固定ネジ18を完全に取り外して、配線基板12とホルダ13とを分離した状態としなくても、プローブ14の先端長Dを調整することができる。すなわち、ヘッド固定ネジ18を緩めて、配線基板12とホルダ13との隙間を広げた状態とすることで、スペーサ16a〜16dを取り外すことができる。よって、作業性を向上することができる。
例えば、スティフナ11にヘッド固定ネジ18が螺合した状態のまま、ヘッド固定ネジ18を緩める。ヘッド固定ネジ18がスティフナ11に取り付けられた状態のまま、スペーサ16を外側に引き抜く。そして、スペーサ16を取り外したら、ヘッド固定ネジ18を締める。こうすることで、ホルダ13を配線基板12から取り外さずに、スペーサ16を取り外すことができる。配線基板12とホルダ13とを近づけた状態で、スティフナ11に配線基板12とホルダ13を固定することができる。
【0055】
さらに、切欠部61を設けることで、スペーサ16をより空間37側に近づけて配置することができる。すなわち、切欠部61の長さだけ、スペーサ16をホルダ13の内側までスライド移動することができる。よって、ホルダ13の中心に近い位置までスペーサ16が配置されることになる。このようにすることで、スペーサ16を取り付けた場合に垂直方向の傾きが発生するのを防ぐことができる。これにより、水平方向によりバランス良く、プローブヘッド15を配置することができる。よって、複数のプローブ14の高さばらつきを低減することができ、確実に検査することができる。さらに、スペーサ16を取り外すだけで先端長Dを確保することができるため、垂直方向の傾きが発生するのを防ぐことができる。
【0056】
(変形例1)
さらに、プローブ14の配置によっては、
図8に示すように、空間37まで延在する延在部63をスペーサ16に設けることが可能になる。延在部63はプローブ14と干渉しない位置に配置される。スペーサ16の延在部63は、隣接するプローブ14間に配置される。このようにすることで、ホルダ13の中心のより近傍までスペーサ16を挿入することができるため、垂直方向の傾きが発生するのを防ぐことができる。よって、水平方向によりバランス良く、プローブヘッド15を配置することができる。
【0057】
なお、上記の説明では、ヘッド固定ネジ18を緩めた状態で、スペーサ16をスライド移動して、取り除いたが、ヘッド固定ネジ18を取り外した状態で、スペーサ16を取り除いてもよい。すなわち、ヘッド固定ネジ18を完全に取り外して、配線基板12とホルダ13とを分離した状態とする。そして、この状態で、スペーサ16を取り外したら、再度、ヘッド固定ネジ18によって配線基板12とホルダ13とを固定する。このようにしても、スペーサ16によって先端長Dを調整することができる。
【0058】
この場合、スペーサ16に切欠部61を設ける必要がなくなる。すなわち、スペーサ16がプローブ14と干渉しない限り、任意の形状、及び任意の数のスペーサ16を用いることができる。よって、スペーサ16をホルダ13の中央近傍に配置することができる。水平方向によりバランス良く、プローブヘッド15を配置することができる。全てのヘッド固定ネジ18を完全に取り外す場合、スペーサ16の数を一つとすることも可能である。