(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、更に、実行される撮像シーケンスに応じて、前記スイッチングのタイミングを制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、各実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(以下、適宜「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」)を説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、各実施形態において説明する内容は、原則として、他の実施形態においても同様に適用することができる。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るMRI装置100の構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、MRI装置100は、スイッチング電源101と、静磁場磁石102と、傾斜磁場コイル103と、傾斜磁場電源104と、寝台105と、寝台制御部106と、送信コイル107と、送信部108と、受信コイル109と、受信部110と、シーケンス制御部120と、計算機130とを備える。なお、MRI装置100に、被検体P(例えば、人体)は含まれない。
【0009】
MRI装置100の各部のうち、スイッチング電源101、静磁場磁石102、傾斜磁場コイル103、寝台105、寝台制御部106、送信コイル107、送信部108、受信コイル109、受信部110は、撮影室(シールドルーム)に設置される。具体的には、撮影室に設置される各部は、MRI装置100の架台の側面に備えられた筐体に設置される。なお、
図1に示す構成は一例に過ぎず、例えば、シーケンス制御部120及び計算機130内の各部は、適宜統合若しくは分離して構成されても良い。また、
図1に示す配置は一例に過ぎず、例えば、シーケンス制御部120及び計算機130内の各部は、適宜撮影室に配置されても良い。
【0010】
スイッチング電源101は、スイッチング周期にしたがってスイッチングを行うことで、電力を供給する。具体的には、スイッチング電源101は、トランジスタ等のスイッチング素子を備えており、スイッチング素子のON/OFF切り替え(スイッチング)を繰り返し行っている。ここで、スイッチング素子がONになってから次にONになるまでの時間が「スイッチング周期」に対応し、その逆数(つまり、単位時間にスイッチングを行う回数)が「スイッチング周波数」に対応する。スイッチング電源101は、クロック(クロック信号)に基づいてスイッチング周期を変化させることで、所望の電流を発生させる。スイッチング電源101は、発生させた電流を、寝台制御部106、送信部108及び受信部110等、撮影室内に設置された各部に供給する。なお、これに限らず、スイッチング電源101は、MRI装置100の操作パネルや投光器等に電流を供給しても良い。
【0011】
静磁場磁石102は、中空の円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に静磁場を発生する。この静磁場磁石102としては、例えば、永久磁石、超伝導磁石等が使用される。
【0012】
傾斜磁場コイル103は、中空の円筒形状に形成されたコイルであり、静磁場磁石102の内側に配置される。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するX、Y、及びZの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源104から個別に電流の供給を受けて、X、Y、及びZの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場コイル103によって発生するX、Y、及びZの各軸の傾斜磁場は、例えば、スライスエンコード傾斜磁場G
SE(若しくはスライス選択傾斜磁場G
SS)、位相エンコード傾斜磁場G
PE、及び読み出し傾斜磁場G
ROである。傾斜磁場電源104は、傾斜磁場コイル103に電流を供給する。
【0013】
寝台105は、被検体Pが載置される天板105aを備え、寝台制御部106による制御の下、天板105aを、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル103の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台105は、長手方向が静磁場磁石102の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部106は、計算機130による制御の下、寝台105を駆動して天板105aを長手方向及び上下方向へ移動する。
【0014】
送信コイル107は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、送信部108からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。送信部108は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル107に供給する。
【0015】
受信コイル109は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号(以下、適宜「MR信号」)を受信する。受信コイル109は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信部110へ出力する。
【0016】
なお、上述した送信コイル107及び受信コイル109は一例に過ぎない。送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、若しくは送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されればよい。
【0017】
受信部110は、受信コイル109から出力されるMR信号を検出し、検出したMR信号に基づいてMRデータを生成する。具体的には、受信部110は、受信コイル109から出力されるMR信号をデジタル変換することによってMRデータを生成する。また、受信部110は、生成したMRデータをシーケンス制御部120へ送信する。
【0018】
シーケンス制御部120(制御部とも称される)は、計算機130から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源104、送信部108及び受信部110を駆動することによって、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場電源104が傾斜磁場コイル103に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信部108が送信コイル107に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信部110がMR信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御部120は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
【0019】
また、シーケンス制御部120は、クロックを生成し、生成したクロックをスイッチング電源101に伝送する。これにより、シーケンス制御部120は、クロックを伝送したタイミングでスイッチング電源101にスイッチングを実行させる。
【0020】
なお、シーケンス制御部120は、傾斜磁場電源104、送信部108及び受信部110を制御して被検体Pを撮像した結果、受信部110からMRデータを受信すると、受信したMRデータを計算機130へ転送する。
【0021】
計算機130は、MRI装置100の全体制御や、MR画像の生成等を行う。計算機130は、インタフェース部131、記憶部132、制御部133、入力部134、表示部135、及び画像再構成部136を備える。
【0022】
インタフェース部131は、シーケンス情報をシーケンス制御部120へ送信し、シーケンス制御部120からMRデータを受信する。また、インタフェース部131は、MRデータを受信すると、受信したMRデータを記憶部132に格納する。記憶部132に格納されたMRデータは、制御部133によってk空間に配置される。この結果、記憶部132は、k空間データを記憶する。
【0023】
記憶部132は、インタフェース部131によって受信されたMRデータや、制御部133によってk空間に配置されたk空間データ、画像再構成部136によって生成された画像データ等を記憶する。例えば、記憶部132は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。
【0024】
入力部134は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力部134は、例えば、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスである。表示部135は、制御部133による制御の下、撮像条件の入力を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、画像再構成部136によって生成された画像等を表示する。表示部135は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。
【0025】
制御部133は、MRI装置100の全体制御を行う。具体的には、制御部133は、入力部134を介して操作者から入力される撮像条件に基づいてシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部120へ送信することによって撮像を制御する。また、制御部133は、MRデータに基づいて行われる画像の生成を制御したり、表示部135による表示を制御したりする。また、制御部133は、受信部110によって生成されたMRデータを記憶部132から読み出し、k空間に配置する。例えば、制御部133は、ASIC、FPGA等の集積回路、CPU、MPU等の電子回路である。
【0026】
画像再構成部136は、k空間データを記憶部132から読み出し、読み出したk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、MR画像を生成する。
【0027】
ところで、スイッチング電源101は、スイッチングに伴ってノイズ(電磁波)を放射することが知られている。これは、スイッチング素子がOFFからONに切り替わるとき、若しくはONからOFFに切り替わるときに、スイッチング電源101の内部に瞬間的に電圧がかかるために放射される。このノイズは、受信部110に受信されるMR信号に混入し、MR画像上にアーチファクトを発生させる。
【0028】
図2は、MRI装置100の架台111の内部構造の一例を示す図である。
図2では、説明の便宜上、架台111の外部カバーの一部をくり抜いて、架台111の内部構造を例示する。
図2に示すように、スイッチング電源101は、受信部110とともに架台111に設置される場合がある。このため、MRI装置100では、受信部110へのノイズの影響を低減することが求められる。
【0029】
図3は、サンプリングのタイミングとサンプリングされるMR信号とスイッチングに起因するノイズとの関係を示す図である。
図3上段には、受信部110によるサンプリングのタイミングを例示し、
図3中段には、サンプリングされるMR信号の強度を例示し、
図3下段には、スイッチング電源101から放射されるノイズの強度を例示する。ここで言うサンプリングとは、読み出し傾斜磁場が印加されている間に受信されたMR信号を、所定のサンプリング間隔でデジタル化することを示す。
図3において、横軸は時間を表し、上段、中段及び下段の時間はそれぞれ対応する。また、中段の縦軸は受信コイル109から出力されるMR信号の強度を表し、下段の縦軸はスイッチング電源101によるノイズの強度を表す。
【0030】
図3の上段及び中段に示すように、受信部110は、受信されるMR信号から所定のサンプリング間隔でサンプリングを行う。1回のサンプリングには、例えば、約1ns(ナノ秒)要する。すなわち、受信部110は、受信されるMR信号のうち、この1nsに含まれるアナログのMR信号をそれぞれ採取して、採取したMR信号をデジタル化する。
図3の上段に示す例では、受信部110は、サンプリングを5回行っており、
図3の中段の網掛け領域に対応するMR信号をそれぞれ採取して、デジタル化する。
【0031】
図3の下段に示すように、スイッチング電源101から生じるノイズは、スイッチング素子がOFFからONに切り替わるとき、若しくはONからOFFに切り替わるときに放射される。そして、受信部110がサンプリングを行っている間にノイズが放射されると、受信部110は、MR信号とともにノイズを受信してしまう。
図3に示す例では、受信部110は、3回目のサンプリングにおいて、
図3の下段の網掛け領域に対応するノイズをMR信号とともに受信してしまう。この結果、受信されるMR信号にノイズが混入してしまい、生成されるMR画像上にラインやドット等のアーチファクトが発生することとなる。
【0032】
そこで、第1の実施形態に係るMRI装置100において、制御部133は、サンプリングのタイミングとずれた(重ならない)タイミングで、スイッチングのタイミングを制御する。このため、MRI装置100は、スイッチング電源101のスイッチングに起因するノイズの影響を低減することができる。
【0033】
図4を用いて、第1の実施形態に係る制御部133の処理を説明する。
図4は、第1の実施形態に係る制御部133の処理を説明するための図である。
図4には、受信部110によるサンプリングのタイミング(
図4上段)と、スイッチング電源101から放射されるノイズ(
図4下段)との関係を例示する。
図4において、横軸は時間を表し、上段及び下段の時間は対応する。また、
図4下段の縦軸は、スイッチング電源101によるノイズの強度を表す。なお、以下では、受信部110におけるサンプリング周波数が100MHzである場合を説明する。この場合、サンプリング周期Tは10nsである。また、1回のサンプリングに要する時間tspはおよそ1nsである。このため、各サンプリングの間隔はおよそ9nsである。また、スイッチング電源101のスイッチングに起因するノイズは、スイッチングが行われる間に放射される。スイッチングに要する時間tswは、およそ6nsであるので、ノイズはおよそ6ns間放射される。また、
図4において、t0は、サンプリングが開始される時刻に対応する。t0は、例えば、撮像シーケンスの内容と撮像の開始時刻とから算出可能な値であるため、本実施形態では既知の値として説明する。また、t1,t2,t3,t4,t5・・・は、スイッチング素子が切り替わるスイッチング時刻に対応する。具体的には、t1,t3,t5・・・は、スイッチング素子がOFFからONに切り替わる時刻に対応し、t2,t4・・・は、スイッチング素子がONからOFFに切り替わる時刻に対応する。
【0034】
図4に示すように、制御部133は、スイッチング電源101から放射されるノイズが各サンプリング4a〜4iのタイミングからずれるように(重ならないように)、スイッチングのタイミングを制御する。具体的には、制御部133は、各サンプリング4a〜4iの間に、スイッチングを実行させる。これにより、制御部133は、各ノイズ4j〜4nを、各サンプリング4a〜4iの間に放射させる。
【0035】
例えば、制御部133は、スイッチング時刻t1,t2,t3,t4,t5・・・を決定することで、スイッチングのタイミングを制御する。具体的には、制御部133は、OFFからONに切り替えるスイッチング時刻t1,t3,t5・・・と、ONからOFFに切り替えるスイッチング時刻t2,t4・・・とをそれぞれ決定する。
【0036】
(OFFからONに切り替えるスイッチング時刻の決定)
OFFからONに切り替えるスイッチング時刻t1,t3,t5・・・を決定する処理について説明する。制御部133は、まず、最初にOFFからONにスイッチングを行うスイッチング時刻t1を、ノイズ4jが各サンプリング4a〜4iからずれるようにして決定する。そして、制御部133は、スイッチング時刻t1を基準として、スイッチング時刻t3,t5・・・を決定する。
【0037】
具体的には、制御部133は、t0に遅延時間Δt1を加算することで、スイッチング時刻t1を決定する。ここで、遅延時間Δt1は、スイッチング電源101から放射されるノイズがサンプリングと重ならないようにするために、予め制御部133に設定されている。Δt1は、下記の条件(1)及び(2)を満たす。
【0038】
サンプリングに要する時間tsp≦遅延時間Δt1・・・(1)
スイッチングに要する時間tsw+遅延時間Δt1≦サンプリング周期T・・・(2)
【0039】
条件(1)は、ノイズ4jをサンプリング4aの後に放射させるための条件である。
図4の例では、tsp=1であるので、遅延時間Δt1は1以上となる。また、条件(2)は、ノイズ4jをサンプリング4bの前に放射させるための条件である。
図4の例では、tsw=6及びT=10であるので、遅延時間Δt1は、4以下となる。すなわち、条件(1)及び(2)を満たすΔt1は、1≦Δt1≦4である。このため、例えば、制御部133は、Δt1=2となる。ここで、t0=0であるので、制御部133は、t1=2と決定する。この結果、ノイズ4jは、サンプリング4aの1ns後からサンプリング4bの2ns前まで放射されることとなる。
【0040】
続いて、制御部133は、決定したスイッチング時刻t1と、スイッチング周期Tswとに基づいて、スイッチング時刻t3,t5・・・を順次決定する。ここで、スイッチング周期Tswは、スイッチングが行われる周期に対応し、下記の条件(3)を満たす。
【0041】
スイッチング周期Tsw=サンプリング周期T×N・・・(3)
【0042】
ここで、Nは、1以上の整数であり、例えば、MRI装置100の動作に要する電力量を供給可能な値として決定される。なお、Nを決定する処理については、後述する。
【0043】
例えば、N=100が決定された場合には、制御部133は、サンプリング周期T=10nsとN=100とを乗算することで、スイッチング周期Tsw=1000nsを算出する。そして、制御部133は、決定したスイッチング時刻t1=2nsにスイッチング周期Tsw=1000nsを加算することで、スイッチング時刻t3=1002nsを決定する。また、制御部133は、t3=1002nsに更にスイッチング周期Tsw=1000nsを加算することで、スイッチング時刻t5=2002nsを決定する。この結果、ノイズ4lは、サンプリング4eとサンプリング4fの間に放出されることとなる。また、ノイズ4nは、サンプリング4iの後に放出されることとなる。
【0044】
このように、制御部133は、OFFからONに切り替えるスイッチング時刻t1,t3,t5・・・を決定する。
【0045】
(ONからOFFに切り替えるスイッチング時刻の決定)
ONからOFFに切り替えるスイッチング時刻t2,t4,t6(図示せず)・・・を決定する処理について説明する。制御部133は、まず、最初にONからOFFにスイッチングを行うスイッチング時刻t2を、ノイズ4kが各サンプリング4a〜4iからずれるようにして決定する。例えば、制御部133は、サンプリング4cの開始時刻からΔt2ずれた時刻をスイッチング時刻t2として決定する。そして、制御部133は、スイッチング時刻t2を基準として、スイッチング時刻t4,t6・・・を決定する。
【0046】
具体的には、制御部133は、決定したスイッチング時刻t1と、ON継続時間Δt3とに基づいて、スイッチング時刻t2を決定する。ここで、ON継続時間Δt3は、スイッチング電源101のスイッチング素子がONになっている時間に対応する。
図4の例では、t1からt2までの時間、若しくはt3からt4までの時間に対応する。ON継続時間Δt3は、下記の条件(4)を満たす。
【0047】
ON継続時間Δt3=サンプリング周期T×M・・・(4)
【0048】
ここで、Mは、1≦M<Nを満たす整数であり、MRI装置100の動作に要する電力量を供給可能な値として決定される。なお、Mを決定する処理については、後述する。
【0049】
例えば、M=2である場合には、制御部133は、サンプリング周期T=10nsとM=2とを乗算することで、ON継続時間Δt3=20nsを算出する。そして、制御部133は、決定済みのスイッチング時刻t1=2nsにON継続時間Δt3=20nsを加算することで、スイッチング時刻t2=22nsを決定する。この結果、ノイズ4kは、サンプリング4cとサンプリング4dの間に放出されることとなる。
【0050】
続いて、制御部133は、決定したスイッチング時刻t1と、スイッチング周期Tswとに基づいて、スイッチング時刻t4,t6(図示せず)・・・を順次決定する。具体的には、制御部133は、決定したスイッチング時刻t2=22nsにスイッチング周期Tsw=1000nsを加算することで、スイッチング時刻t4=1022nsを決定する。また、制御部133は、t4=1022nsに更にスイッチング周期Tsw=1000nsを加算することで、スイッチング時刻t6=2022nsを決定する。この結果、ノイズ4mは、サンプリング4gとサンプリング4hの間に放出されることとなる。
【0051】
このように、制御部133は、ONからOFFに切り替えるスイッチング時刻t2,t4,t6(図示せず)・・・を決定する。
【0052】
上述してきたように、制御部133は、スイッチングを行うタイミングとして、スイッチング時刻t1,t2,t3,t4,t5・・・を決定する。そして、制御部133は、決定したスイッチング時刻t1,t2,t3,t4,t5・・・を用いて、スイッチング電源101のスイッチングを制御する。
【0053】
なお、
図4は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、
図4に例示した各種の値は一例であり、適宜変更されて良い。例えば、
図4では、受信部110におけるサンプリング周波数が100MHzである場合を説明したが、これに限定されず、MRI装置100の仕様、若しくは撮像シーケンスの設定に応じて他の値とともに適宜変更されて良い。また、サンプリング周期T、1回のサンプリングに要する時間tsp、Δt1、Δt2、Δt3についても、上記の値に限定されない。例えば、
図4では、Δt1及びΔt2がいずれも2nsである場合を例示したが、3nsでも良いし、Δt1及びΔt2が互いに異なる値であっても良い。
【0054】
図5は、第1の実施形態に係るMRI装置100の処理手順を示すフローチャートである。以下では、
図6を参照しつつ、第1の実施形態に係るMRI装置100の処理手順を説明する。
【0055】
まず、MRI装置100において、制御部133は、操作者による撮像条件の入力を、入力部134を介して受け付ける(ステップS101)。この撮像条件は、例えば、MRI検査で実行される撮像シーケンスの種類と、その撮像シーケンスの実行順序とを示す情報を含む。例えば、制御部133は、3種類の撮像シーケンスA,B,Cを、撮像シーケンスB、撮像シーケンスC、撮像シーケンスAの順序で実行する旨の撮像条件を受け付ける。
【0056】
続いて、制御部133は、受け付けた撮像条件に基づいて、スイッチング時刻を決定する(ステップS102)。例えば、制御部133は、受信部110におけるサンプリング周期Tと、スイッチング周期情報に基づいて、スイッチング時刻を決定する。スイッチング周期情報とは、撮像シーケンスに応じてスイッチングを制御するための情報である。このスイッチング周期情報は、例えば、操作者によって予め定義されており、記憶部132に記憶されている。具体例を挙げると、スイッチング周期情報は、撮像シーケンスの動作に要する電力量に応じて定義される。撮像シーケンスの種類には、EPI(Echo Planar Imaging)、bSSFP(balanced Steady-State Free Precession)、FE(Field Echo)、FFE(Fast Field Echo)、SE(Spin Echo)、FSE(Fast Spin Echo)、FASE(Fast Asymmetric Spin Echo)等がある。このうち、例えばEPIは、励起パルスを印加した後に、極性を反転させながら読み出し傾斜磁場を高速且つ連続的に印加することで、複数のエコー信号を連続的に発生させる高速撮像法であるので、高電力が要求される。
【0057】
図6は、第1の実施形態に係る記憶部132に記憶される情報の一例を示す図である。
図6に示すように、記憶部132は、撮像シーケンスと、スイッチング周期情報とが対応付けられた情報を記憶する。ここで、撮像シーケンスは、MRI装置100によって実行される撮像シーケンスの種類を示す。また、スイッチング周期情報は、撮像シーケンスごとに、「最小スイッチング周期」及び「最小ON継続時間」を規定する情報である。最小スイッチング周期は、撮像シーケンスの動作に要する電力量を供給可能な最小のスイッチング周期Tswを表す。また、最小ON継続時間は、撮像シーケンスの動作に要する電力量を供給可能な最小のON継続時間Δt3を表す。
【0058】
図6に示す例では、記憶部132は、撮像シーケンス「A」と、最小スイッチング周期「995」と、最小ON継続時間「19」とが対応付けられた情報を記憶する。つまり、記憶部132は、「A」という撮像シーケンスが実行される場合には、スイッチング周期Tswを995ns以上とし、ON継続時間Δt3を19ns以上とすることを記憶する。また、記憶部132は、他の撮像シーケンスについても同様に、撮像シーケンスと、最小スイッチング周期と、最小ON継続時間とが対応付けられた情報を記憶する。
【0059】
すなわち、制御部133は、受け付けた撮像条件から実行される撮像シーケンスの種類を特定する。そして、制御部133は、記憶部132を参照し、特定した撮像シーケンスの種類に対応するスイッチング周期情報をそれぞれ取得する。そして、制御部133は、実行される撮像シーケンスごとに、その撮像シーケンスが実行される間のスイッチング時刻を決定する。
【0060】
一例として、「A」という撮像シーケンス(以下、適宜「撮像シーケンスA」)についてスイッチング時刻を決定する場合を説明する。なお、以下においては、t0=0、Δt1=2、tsp=1、tsw=6、及びT=10とする。また、これらの値と上記の条件(1)及び条件(2)から、Δt=2が決定済みであるものとする。また、撮像シーケンスAのスイッチング周期情報については、最小スイッチング周期を「995」とし、最小ON継続時間を「19」とする。
【0061】
制御部133は、最小スイッチング周期と、上記の条件(3)とを用いて、Nの値を決定する。例えば、制御部133は、スイッチング周期「Tsw=T×N」が最小スイッチング周期以上となるNのうち、最小の値をNとして決定する。この場合、制御部133は、「10×N≧995」より、N=100を決定する。
【0062】
また、制御部133は、最小ON継続時間と、上記の条件(4)とを用いて、Mの値を決定する。例えば、制御部133は、ON継続時間「Δt3=T×M」が最小ON継続時間以上となるMのうち、最小の値をMとして決定する。この場合、制御部133は、「10×M≧19」より、M=2を決定する。
【0063】
そして、制御部133は、決定したN=100と、M=2とを用いて、スイッチング時刻t1,t2,t3,t4,t5・・・を決定する。具体的には、制御部133は、t0=0nsにΔt1=2nsを加算することで、スイッチング時刻t1=2を決定する。続いて、制御部133は、スイッチング時刻t1=2nsと、サンプリング周期T=10と、整数N=100とを用いて、スイッチング時刻t3=1002ns,t5=2002ns・・・を順次決定する。そして、制御部133は、サンプリング周期T=10と整数M=2とを乗算することで、ON継続時間Δt3=20nsを算出する。そして、制御部133は、スイッチング時刻t1=2nsにON継続時間Δt3=20nsを加算することで、スイッチング時刻t2=22nsを決定する。そして、制御部133は、スイッチング時刻t2=22nsと、サンプリング周期T=10と、整数N=100とを用いて、スイッチング時刻t4=1022ns,t6=2022ns・・・を順次決定する。
【0064】
このように、制御部133は、スイッチング時刻t1=2,t2=22,t3=1002,t4=1022,t5=2002,t6=2022・・・を決定する。そして、制御部133は、撮像シーケンスごとに決定したスイッチング時刻を含むシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部120に送信する。
【0065】
図5の説明に戻る。シーケンス制御部120は、制御部133から送信されたシーケンス情報に基づいて、ある撮像シーケンスの撮像を開始する(ステップS103)。例えば、シーケンス制御部120は、シーケンス情報に撮像シーケンスBを実行することが定義されていれば、傾斜磁場電源104、送信部108及び受信部110を駆動して、撮像シーケンスBの撮像を開始する。
【0066】
そして、シーケンス制御部120は、開始した撮像シーケンスに応じたクロック制御を行う(ステップS104)。例えば、シーケンス制御部120は、シーケンス情報からスイッチング時刻t1=2,t2=22,t3=1002,t4=1022,t5=2002,t6=2022・・・を取得する。そして、シーケンス制御部120は、取得したスイッチング時刻にクロックを生成する。そして、シーケンス制御部120は、生成したクロックをスイッチング電源101に出力する。
【0067】
そして、シーケンス制御部120は、実行した撮像シーケンスが終了すると(ステップS105)、次の撮像シーケンスがあるか否かを判定する(ステップS106)。そして、シーケンス制御部120は、次の撮像シーケンスがある場合には(ステップS106肯定)、ステップS103の処理に移行し、ステップS103からステップS105の処理を繰り返し実行する。
【0068】
一方、シーケンス制御部120は、次の撮像シーケンスがない場合には(ステップS106否定)、MRI検査を終了する。
【0069】
なお、
図5及び
図6の例では、撮像シーケンスに応じてスイッチング時刻を制御する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、スタンバイ状態(
図5のステップS101及びステップS102に相当)においては、スタンバイ状態に応じたスイッチングの制御を行っても良い。具体的には、MRI装置100は、スタンバイ状態におけるMRI装置100の動作に要する電力量に基づいて、スイッチング周期情報を設定しておくことで、スタンバイ状態に適したスイッチング時刻を決定することが可能となる。
【0070】
上述してきたように、第1の実施形態に係るMRI装置100は、受信部110におけるサンプリングのタイミングとずれたタイミングで、スイッチング電源101のスイッチングのタイミングを制御する。このため、MRI装置100は、例えば、スイッチングに起因するノイズをサンプリングのタイミングで放射させないので、受信部110に受信されるMR信号にノイズが混入することを抑止する。この結果、MRI装置100は、生成されるMR画像において、スイッチングに起因するノイズによるアーチファクトを低減することができる。
【0071】
また、例えば、MRI装置100は、撮像シーケンスに応じた最小スイッチング周期及び最小ON継続時間を用いることで、供給電力が最小となるようにスイッチング時刻を決定する。このため、MRI装置100は、MRI装置100における消費電力を最小化(最適化)することができる。
【0072】
また、MRI装置100は、受信部110におけるサンプリングのタイミングから、スイッチング電源101のスイッチングのタイミングをずらすので、従来施されていた対策が無くとも、ノイズの影響を十分に低減し得る。例えば、ノイズの影響を低減するために、従来、スイッチング電源101と受信部110との間に設けられていたフィルタが無くとも、ノイズの影響を十分に低減し得る。
【0073】
(他の実施形態)
実施形態は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0074】
(撮影室内のスイッチング電源)
例えば、上記の実施形態では、架台に設置されたスイッチング電源101のスイッチングを制御する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、スイッチング電源101は、架台とは別に、撮影室内に設置されていても良い。これは、スイッチング電源101が架台に設置されていなくても、スイッチング電源101から放射されるノイズが受信部110に受信される可能性が懸念されるからである。したがって、制御部133は、例えば、撮影室内に設置されたスイッチング電源101のスイッチングのタイミングを制御することで、スイッチングに起因するノイズの影響を低減することができる。
【0075】
(撮影室外のスイッチング電源)
また、スイッチングに起因するノイズは、スイッチング電源101から放射されるだけでなく、伝導ノイズとして電源ライン上を流れた後に、電源ラインから放射される可能性も懸念されている。すなわち、撮影室内に設置されていなくとも、撮影室内の機器に対して電力を供給するスイッチング電源101があれば、このスイッチング電源101からのノイズが受信部110に受信される可能性がある。したがって、制御部133は、例えば、撮影室内の機器に電力を供給するスイッチング電源101のスイッチングのタイミングを制御することで、スイッチングに起因するノイズの影響を低減することができる。
図1に示した例では、傾斜磁場電源104は、スイッチング電源を含み、これにより撮影室内の傾斜磁場コイル103に電力を供給する。このため、制御部133は、傾斜磁場電源104のスイッチング電源のスイッチングのタイミングを制御することで、スイッチングに起因するノイズの影響を低減することができる。
【0076】
(シーケンス制御部120による制御)
また、上記の実施形態では、制御部133が、サンプリングのタイミングと重ならないタイミングで、スイッチングのタイミングを制御する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、
図5のステップ102において説明した、スイッチング時刻を決定する処理は、シーケンス制御部120によって実行されても良い。具体的には、シーケンス制御部120は、撮像条件が定義されたシーケンス情報を受け付ける。そして、シーケンス制御部120は、シーケンス情報において定義された撮像条件から、実行される撮像シーケンスの種類を特定する。そして、シーケンス制御部120は、記憶部132を参照し、特定した撮像シーケンスの種類に対応するサンプリング周期情報をそれぞれ取得する。そして、シーケンス制御部120は、実行される撮像シーケンスごとに、その撮像シーケンスが実行される間のスイッチング時刻を決定する。なお、これに限らず、例えば、スイッチングのタイミングを制御するための制御部をスイッチング電源101に導入し、この制御部が撮像条件を取得して、スイッチングのタイミングを制御しても良い。
【0077】
(記憶部132に記憶される情報)
また、上記の実施形態では、記憶部132に記憶される情報の一例として、
図6を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、記憶部132は、撮像シーケンスごとに、Nの値とMの値とを直接記憶していても良い。つまり、制御部133は、撮像シーケンスに応じて、Nの値とMの値とをそれぞれ取得する。そして、制御部133は、取得したNの値とMの値とを用いて、スイッチング時刻を決定する。
【0078】
(サンプリングの間隔が可変である場合)
また、上記の実施形態では、全てのサンプリングの間隔が一定である場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、サンプリングの間隔が可変であっても良い。例えば、何らかの周期性がある場合には、制御部133は、サンプリングのタイミングと重ならないタイミングで、スイッチングのタイミングを制御することができる。
【0079】
以上述べた少なくとも1つの実施形態の磁気共鳴イメージング装置によれば、スイッチング電源のスイッチングに起因するノイズの影響を低減することができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。